GM:…………。
ライル:お〜い、GM〜?
    時間だぞ〜、全員揃ったぞ〜?
ケイオス:GM、どうしたんだ?
     さっきから、全然、返事が無いぞ?
綾:まるで屍のようですねぇ。(笑)
イルス:え、縁起でも無いことを……、(汗)
GM:すみませんいまこもりちゅうなのでちょっとおまちください。
ケイオス:……通訳!(ライルを指差す)
ライル:いや、フォルじゃないし……、
    『すみません。今、子守り中なので、ちょっとお待ちください』?
綾:なるほど〜、リアルで娘さんを抱っこしてるんですね。
  だから、キーを打てないと……、
イルス:変換キーすらも打てないみたいだね。
ケイオス:そういう事なら仕方ない。
     GMが子守りから解放されるまで、待つとしよう。
GM:たびのさなかのざつだんでもしててください。
   こもりがおわりしだいてきとうなところでしなりおをどうにゅうします。
ライル:『旅の最中の雑談でもしてて下さい。
    子守りが終り次第、適当なところで、シナリオを導入します』ってさ。
イルス:……じゃあ、始めていようか。





綾:GMが不在のまま、
  セッション開始だなんて、前代未聞ですねぇ。

ケイオス:――まったくだな。






『Leaf Quest TRPG』 リプレイ

ふぁんぶら〜ズ冒険譚 13

『夜明け前より真っ暗な』 前編







―― PHASE-01 GM不在の道中 ――


ライル:え〜っと……、
    今、オレ達は、何をしているんだ?
綾:前回、知識都市コミパを出発しましたから……、
  魔術都市タイプムーンに向かっている最中じゃないですかね?
ケイオス:まあ、多分、そうなんだろうが……、
     普通、こういう状況の説明は、GMの役目なんだがなぁ。
イルス:いないんだから、仕方ないよ。
    で、その旅の最中、今、皆は何をしてるのかな?
綾:「ふんふん……なるほど〜」
  分厚い神学入門書『サルでもわかる神学』(笑)を読みながら歩いてます。
  大きい障害物は、本を読みつつ、ひょいひょい避けてます。
イルス:「綾ちゃん……何、読んでるの? 神学?」
綾:「先日の女学院で貰った参考書なんですけどね……、
  そ〜いえば、こっちの方面には手を出してなかったな〜、と思いまして」
ライル:「ふむふむ、魔術関連か?」
綾:「色々と収穫はありますよ。『回復の極意』とか」
  というわけで、今回の成長で、
  新たにエクソシスト技能と神聖治療を取りました。(笑)
ライル:「神学に、そんな項目があるのか?」
綾:「ディアの効果的な活用法とか、そういうのです。
  使えれば、何だって良いんですよ〜」
イルス:「神学って、そんなものなのかな〜?」
ケイオス:「なるほどなぁ……、
     でも、そのセリフは、聖職者の前では言わない方が良いぞ?」
イルス:「そういえば、ライルさん……、
    なんか、コミパを出発する前に、なんか手紙を出してたけど……?」
綾:「恋人さんへのラブレターですか?
  もちろん、文面は『!』だけで♪」
ケイオス:「…………」
     思いっ切り、目を逸らすね。(爆)
ライル:「ち、違う――ことも無いが……、
    『蛇』の奴等に対して、マドレーヌ家に警戒を促そうと思ってな。
    フォルの話だと、シャハルナーズさん……、
    アロエッテのお母さんも、クワルナフに関わってるらしいし……、
    あと、HtHやカノン王国にも、一応、出しておいた」
綾:「ライルさんの知名度が、
  こんなカタチで役立つとは思いませんでしたねぇ」
ライル:「まあ、実際、面識もあるしな」
GM:
とまあ、そんな会話をしつつ、
   
旅をしていると、だんだんと、日が暮れてきます。
ケイオス:
GM、いきなり現れて、
     
挨拶抜きで、シナリオを展開させるなっ!
GM:いや〜、お待たせしました。
   ここからは、ちゃんと、ボクが進行します。
   で、日が暮れてきたので、
   そろそろ野宿の準備をしなきゃいけないわけですが……、
ライル:「兄者、そろそろ休もう」
ケイオス:「そうだな、暗くなる前に、火を準備をしよう」
GM:とまあ、そんな事をしていると、
   先行していたナーフが戻ってきます。
イルス:「あ、ナーフ、おかえり。どうだった〜?」
ライル:「おう、お疲れ、斥候兵」
GM:ナーフが言うには、この先に街があり、
   このままのペースで進めば、夜には、その街に着けるだろう、とのことです。
ケイオス:「褒美だ、受け取るが良い」
     地味に偉そうに、つまみのジャーキーの欠片を投げ渡す。
ナーフ:『お〜う、ありがたく頂戴するぜぇ、旦那』(ひょいぱく)
綾:「街がありますか……じゃあ、野宿か、街か……どっちにしましょう?」
ライル:「まあ、野宿よりは、体力は回復できそうだし、街に行くか?」
ケイオス:「だね、避ける理由も特にあるまい」
イルス:「夜には着くらしいし……で、どんな街?」
GM:中の小くらいの規模の街なのですが、街の通りに人影はない。
   でも、ちゃんと人の気配はある。
   まあ、夕方頃だから、仕事も終わり、夕食の準備をしているのでしょう。
   と、ナーフが所見を教えてくれます。
イルス:「人気はいまいちだったけど、
    まぁ、それなりの大きさだから宿屋ぐらいはあるだろう、だってさ」
ライル:「じゃあ、その街に行って、宿を探そう」
ケイオス:「そうだな。もちろん、酒場と一体型のヤツで」(笑)
綾:「一足先来って、部屋を取っておきましょうか?」
ナーフ:『夜が更けてるって訳でもないし、のんびり行こうぜ』
ケイオス:「いや、そこまで急がなくても良いと思うよ」
     実際、我々の立場上、別行動を取るのは危険だしねぇ。
綾:「は〜い」
ライル:「二人とも、やり取りが随分と自然になったな?」
ケイオス:「そりゃ、まぁ……行動を共にするようになって、結構経つしなぁ」
綾:「ん〜、自然、かなぁ?」
ライル:「ま〜、なんだ、別段、気にすることでもないさ。
    とりあえずは、今のままで……な?」
綾:「ん〜? まあ、わかりました」





―― PHASE-02 闇に包まれた街 ――


GM:さて、皆さんが、街の入口に着く頃には、
   すっかり夜になっています。
   で、街の入口であるアーチ型の門の看板には、
   『ようこそ、ノーチェの街へ』と書かれています。
イルス:「ノーチェ、っていうんだね」
ライル:「まあ、部外者お断りって書いてないだけ、期待は持てそうだな」
ケイオス:「中には、冒険者という人種に対して厳しい村とかもあるしなぁ
綾:「そういう偏見って強いですからねぇ」
GM:で、宿屋ですけど、街の入口の、すぐ近くにあります。
   お望み通り、酒場と一体型の宿屋です。
ケイオス:「――よし、呑むか」(うずうず)
ライル:「望んで無い事は、何故か起こりやがるね。
    とりあえず、明日には動ける程度にしとけよ?」
ケイオス:「おうよ」
イルス:「ごめんくださ〜い」
    門を通って、宿屋に入るよ。
GM:では、皆さんが店内に入ると、客は一人もいません。
   店内にいるのは、カウンターでグラスを拭いている店主だけです。
綾:「……あれ?」
ケイオス:「邪魔するよ、部屋は空いてるかね?」
店主:「おう、いらっしゃ――っ!?」
   店主は、皆さんの姿を瞬間、驚愕のあまり、
   持っていたグラスを落とし、割ってしまいます。
ケイオス:「……どうした?」
ライル:「おう……?」
店主:「あ、あ、あんたら……冒険者か!?」
ライル:「え? ま、まあ、そうですが……」
店主:「悪い事は言わないっ! 早く、この街から出るんだ!
   まだ間に合うかもしれない! 早く!」
ケイオス:「どうした? 疫病でも発生したのかね?」
ライル:「ええっ? い、一体、どうして!?」
    まさか、冒険者を狙った盗賊団とかがいるとか?」
綾:「ふむぅ……何かキナ臭いものを感じますよ〜」
店主:「そんなモンなら、はるかにマシだ!
   教えてくれ、あんたらが街に入った時は、夜だったのか? 昼だったのか?」
ケイオス:「……あ〜、夜だったなぁ。
     GM、なんとなく、窓を見てみるが?
GM:もちろん、窓の外は夜ですよ。
ケイオス:(特に異常はなさそうだが……)
店主:「そうか、夜か……なら、もう遅いな」
ケイオス:「どう言う事だ。説明してもらえるかね?
     あ、エール一杯よろしく」(カウンター席に座りつつ)
GM:店主は、諦めたように、ケイオスの注文を受け、エールを出します。
ライル:「もう遅いというと、逃げられないって事ですか?」
綾:「じゃあ、どーんと構えましょう、どーんとっ!
  何かあっても大丈夫ですよー」
  ケイオスのおにーさんが、あの火力でなんとかしてくれます!」
ケイオス:「……若いものは、元気だなぁ。(しみじみ)
     てゆ〜か、アレ、結構しんどいから、連発できないんだけどなぁ」
ライル:「あんた、まだ二十代やん!!
    それと、綾っち、あのなんとかりーぱーってやつだけは、勘弁してやってやれよ」
綾:「ぐりむさん? あれはヤバイですよね〜。
  なんか色々出っている気がします。
  金運とか健康運とか、なんか目に見えないものが!」
店主:「まあ、これで、もう、あんたらも、この街の一員だ。
   酒でも飲みながら、ゆっくりと説明してやるよ。奢りでな」
   と、ケイオス以外にもエールが振る舞われます。
ライル:「この街の一員って、そりゃなんで?」
店主:「もう、あんたらは、この街から出られないからさ」
ライル:「なんですとぉ!?」
綾:「ここに腰を埋める気は無いんですけど?」
ケイオス:「それを言うなら、骨を埋める……、
     で、それは、どういう事なのかね?」
店主:「口で説明するより、試した方が早いな」
   そう言うと、店主は、皆さんが、
   先程、くぐったばかりの街の入口の門を指差します。
ライル:「では、確認の意味で試してみるか」


 ライル、綾、イルス(とナーフ)が門へと向かう。

 そして、彼らが、門の外……、
 街の外へと、一歩、足を踏み出すと……、


GM:――ようこそ、ノーチェの街へ。
   街の外に出た筈のライル達は、何故か、街の中にいます。
ナーフ:『空からはどうだ……参ったな、こりゃ』
    バサバサと街の外に向かって飛び……戻ってくる。
ライル:「あの怪しい魔術師(アレスタ)の洞窟の時は、
    後ろを向けば、その先が見えたんだが……、
    どうやら、方向感覚を狂わすなんて、からかい目的の代物じゃねぇな」
綾:メイガスで判定(ころころ)……、
  「なんらかの結界……としか分かりませんね」
ライル:「お〜い、兄者〜……、
    ありゃ、『またおいで下さい』ってわけにはいかんようだぞ?」
    考えてもラチがあかん。一旦、宿屋に戻る。
イルス:「来るモノ拒まず去るモノ許さず、か……」
ケイオス:「……出れないというのは、結構、前からなのかね?」
店主:「そうだな……だいたい、一年くらいか?
   ちょうど、俺の女房が身篭った頃だからな」
ケイオス:「なるほど……ちなみに、奥方は無事出産できたのかね?」
店主:「ああ、母子ともに健康。元気な娘だよ。『キャロル』と名付けた」
ケイオス:「なるほど……可愛くて可愛くて仕方ないんじゃないのかね?」
     と、意地悪く言いつつ、内心では仕事モード。
     1年前から、となると、原因と思しきモノの調査は時間の経過から困難。
     そして、時間の流れが歪んでるわけでもない、か……、
     ちなみに、リアルでお子さんが出来たGMにも、この質問に答えてもらおうか。(笑)
GM:可愛いに決まってるじゃないですか。
   なんなら、店主の名を借りて、小1時間ほど話を――
ケイオス:――せんでいい!
     サッサとシナリオを展開しろ!(笑)
GM:自分から振っておいて……、
店主:「ああ、可愛いさ……、
   でも、こんな呪われた街で一生を過ごさせるのかと思うと……」
ケイオス:「……すまん、軽率だったな。
     だが、私も個人的所用があるんでね。
     出来うる限りは足掻いてみる事にするさ」
店主:「いや、構わんさ……そうだ!
   折角だし、うちの娘を抱っこしてやってくれないか?」
   と、店主が店の奥にいる妻を呼ぶと、
   赤子を抱いた栗色の髪の女性が出てきます。わりと美人さんです。
ライル:「どうも、とりあえず、しばらくご厄介になりそうです」
綾:「……結構、夜も深まってきましたし、今日はもう寝ませんか?」
イルス:「そうだね……とりあえず、今後を考えるのは、明日にしようか」
ライル:「しかし、冒険者が冒険できないとなると、商売上がったりだな」
イルス:「ライルさんの場合、
    それ以上に、もっと大問題があるでしょ?」
ライル:「……まったくだ。
    色々抱えてる問題があるからな。
    しかし、正直、まだ実感が沸かねえんだよ!!」
綾:「商売と言えば……、
  皆さんに、借りたお金を返さないといけないんですけどねぇ」
奥さん:「……また、出られなくなってしまった人が増えてしまったのね」
    と、悲しげに溜息を吐きつつ、
    奥さんは、皆さんに挨拶し、ケイオスに赤ちゃんを渡します。
ケイオス:「あ〜、私は酒臭いんでね……綾、抱いてあげてくれ」
綾:「わ、わ、わっ?」
  急に渡されたけど、板についている手つきで抱っこしましょう。
キャロル(以下キャル):「きゃう〜♪」
            綾に抱っこされて嬉しそうです。
綾:「ふふふ……可愛らしい娘さんですね〜♪」
奥さん:「ふふ、ありがとう♪ 良かったら、しばらくお願いできますか?
    皆さんもお腹が空いてるでしょう? いま、食事の用意をしますね」
ケイオス:「む、ソレは助かる。ご好意に甘えさせて頂こう。
     ……良い奥方でないか、やるな主人」
店主:「ふっ、まあな……」
ケイオス:「大切にしろよ。私が言うまでもないだろうけど」
ライル:「やれやれ、もう一方の、良い奥さんを抱える奴は暢気だねぇ」
ケイオス:「――私は未婚だぞ?」
ライル:「はっはっは、気にするな。いずれは分かる道だ」
綾:「……ん〜?」





―― PHASE-03 新入社員『御前 静』 ――


GM:で、皆さんが、奥さんの、
   夕食が出来るのを待っていますと……、
???:「ごめんくださ〜い!
    こちらに、鞍馬綾という方は来てませんか〜?」
    と、宿屋に、新たなお客さんがやって来ます。
ライル:「お〜い、奥さん、お呼びだぞ」
ケイオス:「おいおい……」
     ズルッと椅子からコケ落ちる。
綾:「あ、わたしですけど〜?」
店主:「なんてこった……また、増えちまった」
ケイオス:「まぁ、ここまできたら、一緒なんじゃないのかね?」
綾:「どういった御用件でしょうか〜?」
ライル:「いかん、何だ、この緊迫感と反比例したのほほん空間は!?」
GM:やってきた珍客は、15歳くらいの少女です。
   少女は、綾の前までタタタッと駆けて来ると……、
静:「はじめまして、綾先輩! 新入社員の『御前 静』です!
  弁慶さんの代理でやってきました〜!」(ぺこり)
綾:え〜と、キャルちゃんを抱いたままじゃ話も出来ませんね。
  ケイオスさん、
ヘイ、パ〜ス♪
ケイオス:――投げるのか!?
     まあ、不器用ながら、壊れモノでも扱うように、キャルを抱っこしよう。
ライル:「ええい、酒臭い体で受け止めるな……ま、いいか、ぱ〜ぱ?」
ケイオス:「……おいおい」(苦笑)
     色々、思うところがあるので、奥方へキャルを渡す。
綾:「え〜と、静ちゃん、ですか?」
  GM、わたしと、この子って、面識あるんですか?
GM:ん〜とね……
『ケイオス以外』は、面識は無い。
ケイオス:――は?
     思い当たることってあるのか?
GM:うん、ありすぎる。(爆)
   なんと、この静と名乗る少女……アルフィミィです。
   詳しくは
『パイオツハザード』を参照。(笑)


ケイオス:
なんだとぉぉぉっ!?
     
不意打ちにも程があるわぁぁぁっ!!
綾:
ネタでしかなかったNPC……、
  ホントに使ったぁ!?
ライル:
何、考えてんだ、GMぁっ!?


ケイオス:「…………」(汗)
     彼女の正体に思い当たり、汗が凄い勢いで出てきた!(笑)
GM:では、静は、綾と話をしながら、
   ケイオスに、ウインクしつつ、懐にある水晶玉を、チラッと見せます。
イルス:「静ちゃん……綾ちゃんの後輩なんだね。
    僕はイルス、よろしく〜……って、現状、かなり間が悪いよね」
綾:「わたし、今はフリーなんですけどね〜」
ライル:「ええと、オレはライルと言います、よろしく」
静:「ライルさん……じゃあ、ライちゃんだね。よろしく〜♪」
ライル:「ライちゃんですかい!?
    まあ、音痴よりは、ずっと良いか」(フォルをちらりと)
ケイオス:「あ〜、ケイオスだ。よろしく」
     取り敢えず、体面もある為、挨拶はしとく。
静:「うん、はじめまして……『ケイオス』さん♪」
ケイオス:「…………」(汗ダラダラ)
綾:「……ん〜?」
  脂汗を出してるケイオスさんの様子に気付きます。
イルス:「……ケイオスさん?」
ライル:「どうした、兄者?」
ケイオス:「い、いや、なんでもない。なんでもないのだよ。
     マスター、エールをもう一杯」
     尋常じゃないくらい動揺していよう。
綾:「そーいう反応の仕方は、動揺してる証拠なのです!」
ライル:「なあ、物凄くなんでもありそうな様子だよな、アレ」(ぼそぼそ)
イルス:「だよね……」(ぼそぼそ)
ケイオス:「な、何を根拠に、そう言う事を言うのかね?」
     と言いつつも、動揺してるのか、吸おうとした煙草が逆さまだったりする。
ライル:「身をもって根拠を示しておるわ!!
    って、兄者、煙草逆ぎゃくぅぅぅ〜〜!!」
ケイオス:「おうわぁぁぁ!?」
ナーフ:『じゃあ、ここで推測してみようのコーナーだ。
    昔、お兄ちゃん代わりしてやったりして手ぇつけてた』
綾:「昔、手つけてた……ロリコンどころかペドじゃないですか?」
ライル:「まあ、待て。ついつい行き掛かりで、
    結婚の約束した近所の遊び相手かも」
ナーフ:『それも、また面白いな』
ケイオス:「聞こえてるぞ、君達?!(慌てて煙草を消火しつつ)
     しかし、この騒ぎの中でも寝てるとしたら……、
     将来は大物になるぞ、キャロルちゃん」(笑)
ライル:「ええい、当事者が何をほざいておるか? さあ、キリキリ吐けい!
    マスター、このすっとぼけてる酔っ払いには、カツ丼やって下さい!」
ケイオス:「……サボテンの花が、咲いている」
イルス:「まぁまぁ、静ちゃんも、ケイオスさんには、
    初めまして、って言ってたし、これ以上追及するのはやめとこ?
    現状のところは、ね」(笑)
ライル:「……だな、あんまり弄くっても誰かさんに悪いし」
静:「え〜っと、綾先輩……、
  弁慶さんから、前回の原稿の報酬を預かってます。はい、どうぞ」
綾:「あ、ど〜も」
静:「あとね、あとね……社長さんから、お言葉も貰ってきたよ。
  え〜、こほんこほん……、
  『よくやったモ〜ン! 例の手紙の噂の真相を掴むなんて、
  我が社の独占スクープだモーン! 今後も、この調子で頼むモーン!
  追伸、できれば、次はイルス君の例のメイド服姿を頼むモーン。
  変身シーンをアニメーションできるくらいの連射で、よろしくだモーン』だって。
  で、これが、独占スクープのボーナスだよ」
イルス:「変身シーンって……勘弁してよぉ!?」
綾:「学院との約束もありましたし、
  結構、路線変更しちゃったんですけどねぇ」
ケイオス:「ちょっと待て!?
     あのエピソード、全国に展開されるのか?!」(本気で焦る)
綾:「ざっつ、お〜る、らいと!」
ライル:「まあ、匿名希望のCさんになってるみたいだから安心しろ」


 ここで、いつもの様に、綾に原稿料を渡す。

 ここで得た報酬で、ようやく、
綾は、仲間達に借りていたお金を、全額、返す事が出来たようだ。

 まあ、ケイオスは、
それどころでは無いようだが……、


ケイオス:「ちくしょう。マスター! 酒だ!
     奢りって言われても、全額支払うくらいのんだるわぁ!!」
ライル:「わはははは、そんじゃ付き合ってやるか? とき○モブラザー!
    しっかし、やっぱり、世界はネタで出来てるもんかねえ?」
店主:「はっはっはっ!
   まあ、よくわからんが、あまり飲みすぎるなよ」
ケイオス:「なぁ、初恋の恥ずかしいエピソードが全国紙に載ったら、どうする?」
店主:「……俺なら、飛び降りるな」
ケイオス:「察してくれて助かる」
     しかし、コレで全国の学院で、
     『?』と『!』の手紙が飛び交うのだろうか?
ライル:「ええい、男度胸で恥ずかしい気分なんか振り払ってしまえ!
    全国紙にお姫様だっこ晒された奴だって、ここにいるんだぞ!」
ケイオス:「……すまん、今日は飲み明かそうか」
イルス:「それにしても……空気に危機感がないよね」
ライル:「うむ、何と言うか……
『流石』だよな、オレら
ケイオス:「そうだな……
『流石』だな
静:「さ〜て、お仕事おしまい♪ 先輩先輩、ご飯奢って〜」
綾:「うん、一杯頼んじゃっても良いですよ〜。静ちゃんの分は奢ります!」
静:「わ〜い! じゃあ、いただきま〜す!
  ケイちゃんの隣に座っても良いよね?」
  と言いつつも、もう座ってる。しかも、腕も組んでます。
ケイオス:「いや、うら若き乙女が、そう言うのはどうかと思うよ?」
     しかも、さり気なく、ケイちゃん呼ばわりだし。
ライル:「おうおう、モテモテだなー?
    このどらんかー……ういっく」(笑)
ケイオス:「回るの早いな、おい……」
綾:「まあ、何処でも空いてますけどね〜」(ちょっと声が低くなったり)
静:「ねーねー、ケイちゃん?
  今夜、ケイちゃんのお部屋に行ってもい〜い?」(懐の水晶玉チラチラ)
  と、さらに、綾を挑発するような真似をします。(笑)
ケイオス:「あ、ああ……」
     多分、そのチラチラが、
     挑発してるようにしか見えないんだろうな〜。
     とはいえ、この誘いを断るわけにもいかん。
GM:うむ、言い忘れてましたが、
   静の方が、綾よりも『何か』が大きい。(爆)
ナーフ:『おいおい、関係の展開が早いなっ!』
静:「んふ〜、今夜は、ケイちゃんと2人きり〜♪」
ケイオス:「…………」
     とりあえず、酒を呷ってる。
イルス:「う〜ん、どう見ても、
    何の関係も無いとは見えないんだけど……」(ひそひそ)
ライル:「ってか、怪しい雰囲気ぷんぷんだな、おい」(ぼそぼそ)
綾:「へー、食べられちゃわないように気をつけてくださいねー?」
ライル:「あ、そうだ……静ちゃん。
    社長さんに言っておいて欲しいんだが……、
    ボツ写真を、無闇に流出しないでくれ!!」
    さもないと、取材対象の命に関わるんですよ、とほほほ……」
静:「うん、いいよ。明日にでも、一旦、帰るつもりだから」
イルス:「か、帰るって……簡単に言うなぁ……」
綾:「ごめん、静ちゃん……ここ、出れません」
ケイオス:「今、ここは、脱出できない状況なのだが……アテはあるのかね?」
静:「うきゅ? なんで?」
ケイオス:「原因は、明日から調査してみるが……、
     出ようにも出れない……そんな状況らしい」
綾:「なんだか、結界が張ってあって、街から出られないんです」
ライル:「まあ、努力はするがな……」


静:「え!? 出られないの!? ということは、

  
わたしとケイちゃん、
  アダムとイヴ!?」(やんやんやん)
ケイオス:
「――ぶっ!?」(げほがは)


ライル:「どちらかというと、ノアの箱舟なんだがな、
    ってか、そうか、なんかデジャヴがあると思ったら、あの猫娘か!!」
綾:「二人だけじゃないですよー」(ボソリ)
静:「そうと決まれば、早速、準備しなくちゃ!
  じゃあ、ケイちゃん、また後でね〜。
  おじさん(店主)お部屋借りま〜す♪」(るんらら〜)
ケイオス:「…………」(ぐったり)
     手を振る気力も無く、カウンターに突っ伏す。
イルス:「ポ、ポジティブだね……」
綾:「ケイオスさん……まだ年端もいかないんだから、食べちゃダメですよ?
  
性犯罪者の報道とか専門外ですし
ケイオス:
「食べない、食えない、食えるかっ!!」
ライル:「ぶふぅぅぅ〜っ!!
    げほあっげほっげほっ!! あ、綾っち!
    専門外の事には、手を出しちゃダメだと思うのだよ!」
イルス:「こ、こっちもこっちで直接的だなぁ」
綾:「下手に手を出すと失敗しますしね……、
  あう〜、べたべた〜……お風呂借りたいです」(噴出直撃)
ライル:「すいません、奥さん。キャロルちゃん抱っこしていいですか?
    なんか、こっちの方が落ち着きそうです。
    まったく……終盤、ドッと疲れが……」
GM:では、その疲れを、奥さんの手料理で癒しつつ、夜は更けて……、
   ここで、シーンを切ります。





―― PHASE-04 大人の時間 ――


GM:さて、夜も更けまして、子供は寝る時間……、
   ここからは、大人の時間ですよ〜。
ケイオス:誤解されるような表現をするな!
GM:ちなみに、他の皆さんは、
   覗くのも、聞き耳を立てるのも任意ですよ。(爆)
一同:任せた、ナーフ!(爆)
ナーフ:『OK、任された!』
    というわけで、ケイオスの部屋の窓の外に待機。
GM:じゃあ、大人の時間を始めますよ?
   ケイオス、心と体の準備はOKですか?
ケイオス:心はともかく、体はって何さ!?
綾:ヤバい声を出したら、状況証拠で性犯罪者確定ですからね。
GM:では、真夜中……、
   ケイオスの部屋のドアがノックされます。
ケイオス:「……どうぞ」
静:「えへへ……来ちゃった」
  静が、ドアを開けて入ってきます。
  ちなみに、スケスケのネグリジェ姿でね。(笑)
一同:いきなり来たぁぁぁぁっ!?(爆)
ケイオス:「……用件は、何かね?」(仕事モード)
     ネグリジェへの動揺を、見せない! 見せないったら見せない!
静→アルフィミィ:「あ〜あ、もう真面目さんになってる。つまんないの」
         と言いつつ、水晶玉を出すと、
         そこに、いつもの赤ドクロマークが現れます。
アジ:「…………」(汗)
ケイオス:「…………」(無言)
GM:お互い、なんとなく、重い沈黙が続く。
ケイオス:「この街の状況は、何かの作戦の副次効果、ですか?」
アジ:「――? 何の話だ?」
ケイオス:「いえ、何でもありません。(この街は、組織とは関係無いのか?)
     敬愛なる我らが大首領様、この度は、どのような任務を?」
アジ:「ケイオス……まずは、色々と許せ」
ケイオス:「……彼女のことですか?」
アジ:「いや、姪がな……、
   『ケイちゃんへの伝令役にしてくれなきゃ、
   もう、肩揉みしてあげない』と言うもので……」(爆)


イルス:
そんな理由で人事異動〜っ!?
ライル:
何、考えてるんだ、大首領〜!!
綾:
何だか、背中に哀愁を漂わせていそうです!



ケイオス:
「だいしゅりょう……」
     色々な感情が混ざった、凄く不思議な声で呟く。
アジ:「いや、すまん……本気ですまん……、
   先日のナナセリアンの件も含めて……」
ケイオス:「とりあえず、その件は、今は脇に置いておきましょう」
アジ:「それで、侘びと言ってはなんだが、
   姪に渡しておいた物を受け取ってくれ」
   きっと、今後のお前の活動の役に立つだろう」
ケイオス:「は、はあ……ありがたく使わせて頂きます」
アジ:「それとな、ケイオス……酒と煙草をやめろ、とは言わんが、程ほどにしておけよ。
   
お前だけの体ではないのだからな……今回は以上だ。
   あと、
風邪引くなよ? 勉強しろよ? 風呂入れよ?」(プツン)
一同:
――おい?(爆)
ケイオス:「…………」
     後半のセリフは、聞かなかった事にしよう。
     しかし、どんどん、大首領が愉快な人になっていく。
     これで良いのか、悪の組織……?
アルフィミィ(以下アル):「――はい、お仕事終わり♪」
ケイオス:「お疲れさん……で、アジ様から預かったモノとは?」
     口調は軽めに戻ったものの、顔は仕事モードのままで訊ねる。
アル:「で、おじちゃんから、ケイちゃんへのプレゼントはね〜……」
綾:何か、一発きそうですよ?
ライル:奇遇だな、オレもだ。


アル:
「……あ・た・し♪」
一同:
やっぱりかっ!?


GM:あ〜、そこの外野……、
   さっきから、ツッコミが多いですよ?
ライル:てめぇのマスタリングが、
    ツッコみどころ満載だからだろうが!?
ケイオス:「……で、本当は?」
     その言葉に動じる事無く、
     表情は、力を求め、進もうとする獣の如し!
綾:脂汗を浮かべてそうですけどねぇ。
イルス:ケイオスさんが……、
    というか、PCもPLも、必死にシリアスを保とうとしてる。
アル:「もう、つれないんだから……じゃあ、左手出して」
ケイオス:「……?」
     言われるままに、左手を出そう。
GM:では、アルフィミィは、小さな黒い水晶玉があしらわれた指輪を、
   ケイオスの
左手の薬指につけます。
ケイオス:「……おいおい」
     さすがに、その指は、色々と思うところがある。
     一旦、外して、別の指にでも……、
アル:「――外しちゃダメ!」
   とても真剣な口調で、ケイオスの手を握り、指輪を外すのを止めます。
ケイオス:「……む?」
アル:「これは、絶対に外しちゃダメ。誰かにあげてもダメ。
   この指輪は、絶対に……あなたが持ってなきゃダメなの。
   お願い、それだけは約束して……、
   嫌なのは分かってる。つらいのも分かってる。
   でも、これは……あなたの為なの」
ケイオス:「了解した……その言葉は素直に、嬉しいと感じるよ」
アル:「うん、そう言ってくれると、
   わたしも嬉しい……じゃあ、おやすみなさい」
ケイオス:「ああ……おやすみ」
     今度は、ちゃんと、手を振って見送ろう。
アル:「(がちゃ)ほんと〜〜〜〜に、外しちゃダメだからね!」(念押し)
ケイオス:「……ああ、わかったよ」(苦笑)
GM:では、念押しした後、
   アルフィミィは、自分の部屋へと戻っていきます。
ケイオス:「君の言葉は嬉しいし、私の勘違いでなければ想いも解る。
     だからこそ、私は君の好意に応えれないし、応える資格もないんだ」
     アルフィミィが遠ざかっていく気配を感じながら、ぼそりと呟く。
GM:では、その指輪の効果ですが――


『魔晶の指輪』

 事前に5点分のMPを保管しておくことが出来る。
 ただし、指輪のMPと自前のMPは、共有して使えない。
 もちろん、魔典攻撃の為の使用も不可。



ケイオス:かなり良い物だな!
     早速、寝る前に、MPを注入しておこう。
イルス:ちなみに、覗いてたナーフは、
    今の会話を、何処まで分かって良いの?
GM:全部、聞こえてた事にして良いですよ。
   知られてマズイことは、何も喋って無いですから。
ナーフ:『ふ〜ん? 恋する女の子と親馬鹿の親父……、
    って、それだけとも思えねぇけどなぁ』
    ケイオスにバレないように飛び去りつつ、ぼそりと呟く。





―― PHASE-05 人々の総意 ――


GM:――では、翌朝になります。
   というか、確かに、皆さんの感覚では、翌朝の筈なのですが、
   朝、目覚めて、窓の外を見ても、そこに朝日も、青空も無く……、
   昨夜と、まったく変わらす、外は真っ暗のままです。
ケイオス:「……こりゃまた、なぁ」
ライル:「時間そのものが停滞しているのか?」
イルス:「ずっと夜、ってこと……?」
GM:イルスのビーストテイマーとしてま感覚も、今は朝だと言ってます。
   それでも疑うなら、ナーフも、朝の筈だと言ってます。
ライル:「イルス達の感覚を信じるか……」
ナーフ:『やべぇなこりゃ。体内時計が狂っちまいそうだ』
綾:「ですねぇ、お日様に当たらないと、調子が狂いそうです」
店主:「ああ、そうだ……この街は、永遠に夜が明けない街なんだ。
   まあ、それはともかく――」
綾:「ああ、そうそう、ケイオスさん――」


綾・店主:
「昨夜は、お楽しみでしたね?」(爆)


ケイオス:「あっはっはっはっ……、
     そこへなおれ、この幸せオヤジィィィ!」
     店主にライアットをブチかます!
店主:「ふははははっ! こーゆう仕事しとると、
   こんな展開はれっこじゃー!」
   それをかわして、ケイオスに、ウエスタンライアットで反撃!(笑)
ケイオス:「ぎゃーーーー!」(カウンターで撃墜)
ライル:「うおっ、店主が反撃に出やがった!?」
店主:「シーツに乱れは無かったしな! 冗談だ、冗談!」
ケイオス:「あいたた……チェックはするんだな、オイ」
店主:「そりゃ、シーツに血なんてついてたら、
   しばらく、臭いメシ食って貰わないといけなくなるしな」
ライル:「……条例、厳しいしなぁ」
綾:「うんうん、シーツって、洗っても乾きにくいですしね!」
店主:「ね〜?」(綾と顔見合わせる)
綾:「ね〜?」(店主さんに合わせる)
ケイオス:「うわ、幸せ家族である事忘れて、問答無用でぶっ飛ばしてぇ」
綾:「何を言いますか!! 変化に乏しい環境で、
  人をからかえる状況に出会えば即つつく!
  人生を楽しむ秘訣なのです」(えっへん)
ケイオス:「そんな秘訣、ドブに捨てて野良犬にくれてやってくれ」
ライル:「ええい、今まで、そういう人生を、
    エンジョイしてきた腹黒兄者が、何をほざくか!?」
店主:「おお、分かってるな、お嬢ちゃん!
   やっぱり、変化に乏しい現状は、打破しないとな!!」
綾:「は、はい……?」
店主:「というわけで、現状を打破すべく……、
   俺達は、あんた達に賭けてみることにした!」
ケイオス:「……話が見えないんだが?
     しかし、我々に賭けると、かなりの大穴かもしれんが、良いのかね?」
ライル:「○澤教授に全部賭ける、より大博打だな」
ケイオス:「うむ、目指すは、は○たいらだ」
ライル:「ちなみに、○井たかこだと、確実、安牌って噂だぜ?」
ケイオス:「それはそれで、面白くないな」


 若い年代の皆さん、置き去りにしてすみません。

 今時、こんな古いネタ……、
 クイズ○ービーを知ってる人って、いるのかな?


店主:「詳しくは、この街の長老から聞いてくれ」
   と、店主が言うと同時に、
   宿屋の中に、街の人達が、ドヤドヤと入ってきます。
   そして、街の人々を代表するように……、
   いえ、事実、代表なのですが……長老が前に進み出ます。
ケイオス:「……おおう?」
長老:「……さて、一晩明かし、この街の現状は分かってもらえたかと思う」
ライル:「ええ、まあ……」
綾:「まあ、『まだ一晩』なんですけどね」
GM:では、詳しい事情ですが……、
   長くなるので、長老の話を要約しますと……、


 ――ここで、状況を、掻い摘んで説明しよう。

 実は、この街には、一年ほど前から、
『闇夜のランプ』と呼ばれる魔道具による結界が張られており……、

 その結界によって、一度、街に入ったら、
二度と出られなくなってしまっている。

 しかも、すっと夜のまま、決して、朝は訪れない。

 その結界を施したのは、
街の北西にある、洞窟を根城とする吸血鬼……、

 ……その名を『ノスフェラトゥ』。

 つまり、結界によって、隔離された、
この街は、吸血鬼の餌場、というわけである。


ケイオス:「……ほぅ」
     身勝手な暴力による蹂躙は、見過ごせないな。
店主:「もちろん、今までも、吸血鬼の討伐に向かった者はいた。
   今までにも、たくさんの冒険者が、この街に来たからな」
奥さん:「私の兄も、その一人です。
    家宝の剣を持ったまま、結局、戻ってきませんでした」
ライル:「解決策はある……しかし、それを実行できないってことですか」
綾:「つまり、そのふざけたことしてくれちゃった、
  ノスなんたらを、べしっと倒しちゃったら良いんですね?」
ナーフ:『わかりやすいな……そいつぁ、冒険者の仕事だ』
長老:「まあ、早い話が、そういうことじゃ。
   吸血鬼を倒し、闇夜のランプを破壊すれば、この街に、朝は訪れる」
   もちろん、そのための協力は惜しまんよ……皆も、それで異存は無いな?」
   と、長老が、街の一同を見ると、皆は、頷きます。
ライル:「なぁ、兄者……世界って、運命って優しくねえな」
ケイオス:「……ああ」
ライル:「だったら、オレ達で、無理やりにでも優しくしねえか?」
ケイオス:「……そう、だな」
綾:「優しくないからこそ、自分の力で何とかしなきゃ、ですよ?」
イルス:「そうだね……これは、僕たちの仕事だね」
ケイオス:「しかし、いらぬ心配かもしれんが……街民に被害は出ないのかね?」
長老:「それについては、大丈夫じゃ。
   わしらは、奴の大切なエサじゃからな」
ケイオス:「なら、良いのだが……」
     しかし、妙に嫌な予感がするんだが……、
ライル:「生かさず、殺さずってやつか。
    ただし、逆らう奴は……殺す、と」
長老:「まあ、そうなるのぅ……、
   しかし、あなた達は、奴のエサとなり、
   延々と行き続けるつもりは無いのじゃろ?」
綾:「とーぜんッ!!」
ケイオス:「無論、さ……」
ライル:「ですね、恋も歌も出来ずに餌だけってのは、ちょいと御免です」
イルス:「御免だね……僕もナーフも、変わらない景色って苦痛だから」
長老:「うむ、昨夜、皆で話し合ったのじゃが……、
   やはり、あなた達に賭けてみる価値はありそうじゃ」
ライル:「さっきの言葉、ちょい訂正させてもらいます。
    倍率ドンっで、正答率10割でいかせてもらいますよ!」
綾:「うん、吸血鬼倒して、お日様の匂いのする布団で、
  キャルちゃんを寝かせてあげるんです!」
イルス:「……太陽って、良い物だよね」
ナーフ:『おっけーおっけー、俄然、やる気は出て来たな』
ライル:「とりあえず、綾っち! ちゃんと記事に出来たら、
    新聞ぼろ儲けだからな、絶対、吸血野郎をブチのめすぞ!!」
綾:「じゃあ、ちょっくら、太陽拝みに吸血鬼退治いきましょーかぁ!!」
  太陽を知らぬ娘、キャロルちゃんの為、ガンガン行きますよ!
街の人:「頼むぞ、あんた達が頼りだ!」
街の人:「――こんなものしかないけど、がんばってね!」
街の人:「たのむ……俺の分まで、仲間のカタキを討ってくれ」
GM:というわけで、街の人々から、以下の物がもらえます。


・B6の銀のバトルアクス(重斧)
・B7のロングソード精錬LV2(片手剣)
・1000G
・魔法瓶1個
・B8のプレートメイル(重鎧)



GM:さらに、道具屋では、
   装備品以外のアイテムは、全て半額になります。
   報酬は、前払いで、1人2500Gずつです。
ライル:「なるほど……、
     これは、相当な人数が犠牲になったな」
綾:「たくさんの人が、血を吸われ続けてきたんですね」
ケイオス:「血を……吸われた?」
綾:「ケイオスさん……どうしました?」
ケイオス:「いや、何でもない……、
     考えたくは無い、考えたくは無いが……」
     と、呟きつつ、魔法瓶に、フルパワーアレンジのガルをブチ込んでおこう。
     消費したMPは、薬を買って、買った端から飲んで回復する。
     良い子は真似しちゃダメだぞ?(笑)


 ここで、買い物タイム――

 PTは、回復アイテムを始め、
爆弾や護符を、しこたま買い込んでいく。

 なにせ、相手は吸血鬼……、
 可能な限り、準備は万全にしなければならない。

 と、ここで、綾が、GM泣かせのカンを見せてくれた。


綾:「なんだか寒そうだから……、
  使わないだろうけど、暖房薬も買っておきますね」
GM:(ぐあ、またしても……)
ライル:「さすが、精錬された剣ってとこか。(ひゅんひゅんっ!)
    闇があれば光がある、世界も運命も優しくねえが、皆の女神様は暖かい。
    それを教えてやらなきゃな、あの子に……」
    残念ながら、プレートメイルは装備できないな。
イルス:「いい斧だね……勝手は違うだろうけど、うまく使ってみる。
    ナーフ……今日は遊びは無しで行くよ。わかってるよね?」
ナーフ:『知らね〜な。イルス、お前がここに来たんだ。
    世界は全て愉快とご都合主義で満たされる』(笑)
GM:では、皆さんが準備を終えた頃には、お昼くらいです。
   奥さんが作ったカレーを食べた後、
   皆さんは、町の人々に見送られ、吸血鬼退治へと向かうわけですが……、
   そこで、店主が、ケイオスを呼び止めます。
店主:「秘蔵の酒を用意しておく。
   帰ったら、一緒に一杯やろうぜ」(盃をくいっとやる仕草)
ケイオス:「……楽しみにしておくよ」
ライル:「それじゃあ……君の中の女神に、幸あれ」
綾:「さあ、キャルちゃんの為に、
  みんなの太陽を取り戻しに行きますよ〜!」





<後編に続く>
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注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。