綾:ふむふむ、なるほど〜……、
ライル:綾っち、何してるんた?
綾:今回の相手は、吸血鬼じゃないですか?
だから、事前に調べてるんですよ。
ケイオス:なるほど、弱点が分かっていれば、対処しやすいからな。
イルス:吸血鬼の弱点と言えば……、
太陽光とか、十字架とか、流れる水を渡れないとか……、
綾:まあ、確かに、そうなんですけどね……、
LQTRPGの場合、それらの弱点が、確定的なモノじゃないんですよ。
ライル:……と言うと?
ケイオス:ギャグキャラLVによる特徴だな……、
特殊設定のスロットを消費する事で、そういった弱点を克服出来るんだ。
GM:さらに、PCの場合、作成段階において、
タダで弱点を克服出来ますしね。詳しくはここを参照です。
ライル:つまり、吸血鬼は、最低、一つは、
数ある弱点の内の一つを克服してるわけか。
イルス:じゃあ、弱点なんて、あって無いようなものだね。
特に、僕達みたいに、敵に関する情報が少ないと……、
ケイオス:推測出来ないことも無いが……、
そこを逆手に取られるのは危険だ。
最初から、弱点など無いものとして対応した方が良いだろうな。
ライル:正攻法が一番ってことか……、
綾:そうなりますねぇ……、
ああ、もちろん、言うまでも無いですけど、
くれぐれも、吸血鬼に血を吸われないように気を付けてくださいね。
眷属にされちゃいますから……、
特に、そういう場合、GMに狙われそうなイルスさん?
イルス:えっ? 僕なの?
GM:…………。(目を逸らす)
ケイオス:吸血と眷属、か……、
考え過ぎだと思いたいが……、
GM:……さあ、続きを始めましょうか。
『Leaf Quest TRPG』 リプレイ
ふぁんぶら〜ズ冒険譚 13
『夜明け前より真っ暗な』 後編
―― PHASE-06 怪しい宝箱 ――
GM:吸血鬼がいる洞窟は、街の北西の山岳地帯の麓にあります。
どうやら、夜の結界は、ここまで効果が及んでいるようです。
洞窟の入口は、獰猛な獣の顔を模しており、
皆さんを歓迎するかのように、洞窟は大きな口を開けています。
ライル:「街のアーチと違って、随分と悪趣味だな」
綾:「ここに来るまで、特に戦闘遭遇無し……、
これは大変に良いおもてなしを受けそうですね?」
ケイオス:(恐らく、敵の尖兵は、
先行して突入した冒険者の成れの果て、だろうな)
罠を警戒しつつ、PTは、いつもの隊列で、洞窟に突入する。
そして、ここで……、
(GMにとって)悲しいお知らせが……、
GM:え〜、以前のアレスタの洞窟での、
魔方陣に見せ掛けた落とし穴の時もそうでしたが……、
綾は、相変わらず、良いカンしてます。
綾:――はい?
GM:洞窟の中は、とっても寒いです。
暖房薬が無いと、あらゆる修正に−1されます。
綾:さっき買いましたよ!!
夜の世界だから、冷え込むだろうと思ったんです!
ライル:綾っち、ぐっじょぶ!!
GM:しくしくしく……、(泣)
というわけで……、
GMのさり気ない罠を回避し……、
PTは、洞窟の奥へと進みます。
GM:では、洞窟は、真っ直ぐ北へと伸びてまして、
しばらく進むと、通路が、北と東に分かれています。
ケイオス:分岐点に、罠が無いか調べよう。
エージェント判定で(ころころ)――
ライル:通路の構造に違いは無いのか?
GM:はい、構造は同じようなものです。
天然の洞窟を利用しているみたいですね。
それと、ケイオスは、分岐点に罠は無いと思いました。
っと、そういえば、綾がエクソシスト技能を持ってましたね?
じゃあ、綾は、それで判定してみてください。
綾:(ころころ)達成値は9ですね。
GM:では、その通路のどちらかに、
『黄色いの』が潜んでいると感じます。(笑)
イルス:黄色いって……SWじゃないんだから。(苦笑)
ライル:どういう意味なんだ?
ケイオス:ようするに、不死系の何かがいるってことだ。
綾:「アンデット……がいますね」
イルス:「まぁ……来るんだろうね」
ライル:「まさか、前に入った人達か」
ケイオス:「……だろうな。私達にできる事は、安らかな眠りにつかせるくらいだ」
ライル:「せめて、魂だけは、あの世で安らかに……な」
ケイオス:まあ、何にしても、先に進まないと話しにならん。
とりあえず、東に進んでみよう。
もちろん、罠に警戒しつつな。
綾:「あ〜いった吸血鬼の手合いは、
ふんぞり返ってることが多いですから、
新しく罠を仕掛けるとかは無いと思いますけどね〜」
ライル:「自分の力に、過剰に自信を持っている、というわけか」
GM:では、東に進むと、今度は、通路は、北へと曲がっています。
ケイオス:「皆、ちょっとここで待て」
仲間を、曲がり角の少し手前で待機させて、忍び足で曲がり角に接近。
角から顔を少しだけ出して、向こう側を覗き見る。
GM:では、北に進んだ先に、大きな空洞が見えます。
そして、その空洞の真ん中には、宝箱があります。
ケイオス:「…………」
取り敢えず、こっちに来いと、皆を手招きしよう。
綾:「……あからさまですねぇ」
ケイオスさんの下から、ひょこっと顔だけ覗かせます。
ライル:「見え見えの罠ってやつだな」
じゃあ、俺は、兄者の背中に覆い被さるように、顔を出す。
イルス:「コメントに困るね」
僕は、ライルさんのさらに上から顔を出す。
ナーフ:『いや、まったく……』
そんなイルスの頭の上に乗る。
GM:通路の角から、頭が四つ、縦に並んで出てるのか。
何気に、怖い光景ですねぇ。(笑)
綾:「う〜……アレ、どうします?」
ケイオス:「罠だけ調べて、スルーするのが無難だろうな」
ライル:「ここに住んでるゴク潰しを倒してからでも、遅くはないだろう?」
PL的には、とても中身が気になるが……、
綾:「無視した途端、後ろから『がぶー!』とか怖いですよね?」
ミミックっぽいモノと、既に決めて掛かっています。
イルス:「……いっそ、燃やしてみるとか?」
と、火の護符を出してみる。
ケイオス:「それも、心惹かれるが……」
とにかく、罠チェックだけでもしてみるか。
GM:罠をチャックする、ということは、空洞の中に入りましたね。
では、ケイオスが宝箱を調べようとした瞬間、
周囲の地面が、ボコボコボコと盛り上がります。
ケイオス:「しまった!? ここに入った瞬間に認識するタイプか!?」
綾:槍っ、槍の準備を!!
攻撃を受けると、パンツ一丁にされちゃいますよ!?(爆)
ライル:魔○村かい!?(笑)
GM:あ〜、でも、イメージは、そんな感じです。
まあ、今回のケースは、ゾンビではなく、厳密には死徒なんですがね。
イルス:ということは、あの宝箱の中には黄金の鎧が!?
ライル:どっちかと言うと、カエルにされる方じゃないか?
ケイオス:いや、宝箱の中から、と言えば、
やはり『あかいあくま』ではないか?
GM:宝石魔術師? 赤い悪魔?
綾:どっちもどっちですが……後者は勘弁ですよ〜。
GM:(……機会があったら出そうっと♪)
ケイオス:なんにせよ、魔○村方式は嫌だな。
2回も、同じダンジョンを攻略する気にはなれんぞ?
GM:こっちだって嫌ですよ。
ともかく、敵は死徒(モブ)が20体です。
イニシアティブ判定……(ころころ)こっちは、14ですね。
一同:ソンビのクセに速い〜っ!?
GM:あ、それと、コイツらの攻撃が当たったら、
ダメージの有無に関わらず、毒に抵抗してもらいますからね。
一同:ひぃ〜っ!!(爆)
というわけで――
第1PTにとっては、初のアンデット戦闘の開始です。
とはいえ、この闘いは、
前哨戦なので、ダイジェストでお送りします。(笑)
<対死徒戦闘>
先攻を取ったのは、死徒達……、
敵(モブ)の全体攻撃に対して、
いつものように、イルスがファンブルし、毒に侵されてしまう。
PTのターンの最初に、綾が、スクカジャを、
ケイオスがタルカジャの全体アレンジを使い、仲間を支援する。
そして、ライルが、ここで、
いきなり最大火力の『暗黒唄い斬り』を発動。
短期決戦を狙った攻撃は、一気に、敵のHPを1ケタまで削る。
最後は、トドメのイルスの攻撃……、
ここて、ナーフを使役する必殺技を使ったのだが……、
――またしても、ファンブル。(爆)
一応、死徒は全滅させたが、
イルスは、毒によって、大ダメージを受けてしまった。
戦闘終了後、アイテムを使って、回復をするPT達。
綾が覚えたばかりの『神聖治療』が役立ち、
必要最低限のアイテム消費で、全員が、ほぼ全快した。
GM:では、戦闘が終わって、皆さんは、今、空洞の真ん中にいます。
そして、目の前には宝箱が1つあります。
綾:「見れば見るほど怪しいですねぇ」
ケイオス:「取り敢えず、罠を調べてみよう」
(ころころ)達成値は、なかなかの13だ。
GM:それなら、爆弾の罠が仕掛けられていることが分かります。
綾:「生き埋めにする気ですか……かなりえげつないですね。
まぁ、宝箱の魔物じゃないと判っただけでおっけー、ですかね?」
ケイオス:ここまでくると、中身まで見たろうかって、PLの本音はあるが……、
リスキーだし、ここはスルーしよう。
え〜、ちなみに――
宝箱の中身は、たった1G……、
完全なエサなので、開けなくて正解なのでした。
GM:では、宝箱はスルー、ということで……、
今、皆さんがいる空洞には、北と南へと続く通路があります。
ライル:オレ達は、南の通路から来たんだから……、
ケイオス:警戒しつつ、北へと向かおう。
―― PHASE-07 抜けない宝剣 ――
GM:では、北に向かうと、すぐに通路は西へと曲がります。
で、西へと進む通路の先には、そのまま、真っ直ぐ西に進む道と、
北への曲がり角とで分かれています
つまり、逆T字路って言えば、わかりますかね?
イルス:入り組んでるな〜。
ケイオス:じゃあ、真っ直ぐ西に進んでみよう。
GM:では、西に真っ直ぐ進むと、通路は南に折れています。
皆さんの感覚では、このまま、南に向かうと、ちょうど、洞窟の入口に着きそうです。
ただ、南に進むと、洞窟の入口に着く前に、また1つ空洞があります。
ケイオス:なるほど……予測通りだな。
ようするに、グルッと回るわけか。
イルス:最初の分岐で、どっちを選んだとしても、ここで合流してるわけだね。
空洞があるみたいだけど、どうせ、あそこにも、
罠なり敵なりが配置されてるんでしょ?
綾:どっちを選んでも罠、と……単純ながら、実に効果的です。
ケイオス:よし、あそこは無視して、さっきのT字路に戻るぞ。
で、そこを北に進む。
GM:では、T字路を北に進むと、そこは行き止まりです。
ただ、突き当たりに、様々な武具が、
無造作に、打ち捨てられ、残骸の山になっています。
もちろん、それらの武具は、劣化して、とても使い物にはなりません。
ケイオス:「…………」
GM、魔力透視眼鏡で、その武具の残骸の山を見てみるぞ。
GM:では、ケイオスが眼鏡を使うと、
その武具の山の中に、一箇所だけ、黄金色が見えます。
綾:黄金色ってことは……光属性ですね。
ケイオス:宝剣……だろうな。
イルス:もしかして、奥さんが言ってたやつ?
ケイオス:「気になるモノを発見した。
ヤバイと感じたら、すぐに下がるんで……ちと待っててくれ」
警戒しつつ、その黄金色が見える場所までいこう。
ライル:「了解、無理はすんなよ」
GM:眼鏡も使ってるし、ケイオスは、すぐに、その光属性を持つ物を発見できます。
あと、武具の山を調べるとわかるのですが、劣化した武具のほとんどが、
綺麗な大きな穴が開いたり、溶けていたりと、不自然な壊れ方をしているのが目立ちます。
ライル:「折れたとか、砕けたとか、なら分かるが……」
イルス:「何だろうね、これ……?
GM:ケイオスは、黄金色の放つモノ……、
件の宝剣だと思われる剣を手に取ることが出来ます。
罠が発動したら、敵に襲撃されることはありません。
で、宝剣ですが、細かな装飾が施された鞘に納められており、どんな剣かは不明です。
まあ、だいたい、片手用の長剣サイズってくらいは分かりますけどね。
ケイオス:では、回収して、綾にチェックしてもらおう。
こういう場面では、アルケミスト判定だからな。
綾:じゃあ、わたしが調べますね。
GM:いえ、チェックするまでもなく、
その宝剣は、宝具級の剣だと分かりますよ。
一同:なんですとぉぉぉっ!?
GM:しかし、宝剣は、鞘に納められたまま、抜くことが出来ません。
鞘と剣の柄の合わせ目の部分で、しっかりとロックが掛かっています。
ライル:「これは、次の持ち主が出てくるまで、このままなんだろうな」
ケイオス:「……だろうねぇ」
綾:「抜けないのは仕方ないですけど、
宿屋の奥さんに返す為に、持って帰りましょうか」
イルス:「唯一、ちゃんとした形で残ってる遺品だしね」
ナーフ:『しかし、腑に落ちねぇな〜』
ケイオス:「なんで、ここに遺棄したのか、かね?」
ナーフ:『この剣、奥さんの兄貴は扱えたのかね?
それとも、お守り代わりとかのカタチで持ってったんかね?』
ケイオス:「使えなかった、っていうのが私の感想だね。
使えたのなら、その威力を思い知らされ……、
こんなところに捨てようとは思わないはずだ」
綾:「それか、ここは、本当にゴミ捨て場で、持ち主を屠ったモノが捨てに来た?」
ライル:「所詮は、ガラクタ……と思ったわけか。
宝具は、使う人を選ぶ、ってことか?」
ケイオス:「ここ一番って時くらい使われろ、っての」
ライル:「まったくだ……武器の気紛れで、人生を左右されるなんて……、
っと、悪い。だんだん、ケイオス教に染まりそうだ」
ケイオス:「ふははは、24時間、入信を受け付けているぞ」(笑)
流石兄弟の意見は、ご尤も……、
でも、正確には、使えなかったのではなく、
通用しなかった、と言うのが正しかったりします。
何故なら、この宝剣は、
『あること』にのみ特化した宝具で……、
……つまり、吸血鬼には効かない武器だったのです。
ライル:「宝具の担い手、か……、
もしかしたら、新しい主は、あの子かもしれないな」
綾:「かもしれませんねぇ……で、次は、何処に行きます?」
ケイオス:「さっきの行ってない空洞を調べる必要があるみたいだな」
というわけで、T字路まで引き返して、そこから、もう一度、西へ……、
さっき無視した空洞を調べよう。
―― PHASE-08 吸血鬼の行方 ――
GM:では、西の空洞へと向かいます。
皆さんが空洞近付くと、水の流れる音が聞こえてきます。
空洞内を見れば、空洞を両断するかのように、
東から西へと川が流れていて、東側には高さ10メートルくらいの滝があります。
そして、川には、丸太の橋が架けられていて、南へと……、
つまり、洞窟入口へと続く通路へ向かえるようになっています。
綾:「ん〜と、吸血鬼は流れる水を渡れない……でしたっけ?」
ライル:「となると、流水を渡れない吸血鬼が橋を作ったと考えるのが早いか?
でも、外に出ることを考えるなら、
この洞窟の入口を起点にして、棲家の構造を考えるよな?
なのに、何で、敢えて、橋まで作って、ここを通過点にするんだ?」
ケイオス:「言われてみれば、確かに……」
綾:「実は、『渡れない』のはポーズで、本当は、滝壺に道がある、とか?
つまり、この橋はフェイク……って線は如何です?」
ケイオス:「なるほどな……」
そういえば、LQTRPGでは、吸血鬼は、弱点の克服が出来たな。
ライル:弱点を克服してる、っ事か……、
となると、日光は、間違いなく弱点だな。
綾:ノーチェの街は、ずっと夜ですからね。
吸血鬼が活動するには、まさに理想的な環境です。
あと、特定の匂いに弱い、というのは不明です。
ライル:十字架……これも、不明につき保留。
吸血衝動も克服は出来てないな。
出来てたら、こんなクソッタレな真似はしない。
イルス:エサにされてる、って、長老さんも言ってたし……、
まあ、克服してても、単なる嗜好で血を吸ってるかもしれないけど。
ライル:「綾っちの考えを支持するなら……、
この地形を見て、もし、オレ達のような冒険者が戦法を考えるなら……」
ケイオス:「そして、この橋が、その冒険者達が用意したモノだとしたら……」
イルス:「性質の悪い、ミスリードが起こるね」
ライル:「もし、吸血鬼が、この空洞以外の場所で襲い掛かってきた場合、
当然、ここを拠点とするだろうな」
ケイオス:「形勢不利になれば、ここに逃げて、橋を落とせば、
相手は、川を渡れないから、態勢は立て直せる」
綾:「と、安心しきったところで……、
実は、弱点を克服していた吸血鬼は、川を渡って……相当、陰険ですね」
ライル:「他人が苦しむのを、ゲームとしか思ってねぇんだよ」
イルス:「じゃあ、吸血鬼は、何処にいるの?
もう、この洞窟は、全部、見て回ったけど、何処にもいなかったよ?」
ケイオス:「いや、全部じゃない……、
まだ、調べていない場所がある」
ライル:「何処なんだ、兄者……?」
ケイオス:「流れる水を渡れる吸血鬼が隠れるのに最適な場所。
そんな吸血鬼が、相手を奇襲するのに適した場所。
そして……吸血鬼を探す者にとっては盲点となる場所。
そんな場所は、この洞窟には、1つしかない」
ライル:「……ああっ、そうかっ!」
イルス:「ある意味、お約束……!」
綾:「吸血鬼の居場所は、流れる水の壁……、
あの滝の向こう側……つまり……」
一同:「――滝壺の奥っ!!」
――ご名答。
今回のダンジョンの、
最大の謎は、ボスの居場所の推理だったのです。
吸血鬼に関する、LQTRPGの、
独自設定を利用した、ちょっと分かり難い謎でしたが……、
ちゃんと推理して貰えて、ホッとするGMなのでした。
まあ、場所が分からないようなら、
滝壷の奥から、思い切り不意打ちする予定でしたけどね。
GM:では、流れ落ちる滝を突き抜けると、
そこには、東へと続く大きな穴があります。
描写だけでは、ちょっと分かり難いですが、
ようするに、この穴は、ダンジョンの中央部分に向かっている事になります。
で、その穴を通り抜けると、今までで一番大きな空洞に出ます。
しかも、そこは吹き抜けとなっており、見上げれば、夜空に浮かぶ星々が見えます。
綾:「うわあ、これはホームグラウンドって感じですねぇ〜」
GM:そして、空洞の中央には台座があり、その上には、黒光りするランプがあります。
ランプからは、煙がモクモクと出て、
吹き抜けへと立ち昇り、夜空に吸い込まれていきます。
ライル:「あれが……夜の結界の元凶か」
GM:そのランプの台座の横には、黒い棺桶があります。
綾:「隠れてないで、出てきてくださいな。
ここに、居るんでしょう? とっとと出てきなさい陰険野郎」(吐き捨てるように)
イルス:「そうそう、寝てないで、起きてきてよ?」
ケイオス:「宴の時間だ。主役の君が寝ていては、場が盛り上がらないじゃないか」
ライル:「正直、うちのヒネクレ兄貴ほどじゃねえけどな。
こちとら、今、思考がドス黒くなってるぜ?」
???:「ほほう……どうやら、今度の玩具は、少しは知恵が回るようだねぇ」
と、棺桶の中から不気味な声がすると同時に、ギギギィ〜っと棺桶が開きます。
そして、現れたのは、黒いマントを身に纏った夜の帝王……、
吸血鬼『ノスフェラトゥ』(以後ノス)です。
―― PHASE-09 吸血鬼ノスフェラトゥ ――
ノス:「私のトラップを見抜き、ここまでやって来るとは、
今度の食料共は、そこそこに賢いようだ」
ライル:「川を渡れないように見せかけて、
そこを拠点にした冒険者を不意打ち……大方、そんなとこかよ?」
イルス:「僕達が来た用件は分かってるよね?
夜空を舞って良いのは……梟だけだよ」
ノス:「あたらずとも、遠からずかな……、
だが、それだけ分かっただけでも充分か。
すばらしい、惜しみない拍手を贈ろう」(パチパチパチ)
ライル:「イチイチ、芝居臭い……、
その拍手、てめぇのラストステージにまでとっておけや」
ケイオス:「ふむ……賞品は何か頂けるのかね?」
ノス:「そうだな……では、我が血肉となる栄誉でも与えようか」
ケイオス:「冗談、どうせなら、貴様の命のがありがたいね」(肩竦め)
綾:「うんうん、折角、貴方の為に色々と用意しておいたんですから……、
こちらからも、粗品を与えましょうか。
銀の斧に、燃え盛る魔剣、更には、しるばーぶりっと!」
まあ、最後のは、ハッタリですけど。(笑)
ノス:「さて、諸君がここに来た理由は、わかっている。このランプだろう?
ならば、これ以上の話は無駄かもしれない。
だが、始める前に、1つ訊ねようか」
ケイオス:「何かね? 手短に願いたいものだが」
ノス:「……キミ達は、自らを『正義』だと思っているのかね?」
ケイオス:「何を言い出すかと思えば……そんなしょうもない事かね?」
ライル:「まあ、少なくとも、
オレの中の『正義』には、忠実であると思ってるがな」
ノス:「問おう。一体、私が、どんな悪いことをしたと言うのかね?
ただ、生きる為の糧をえる為に、あの街を、我が牧場としたまで。
その行為が、牛や豚を食べるキミらと、何の違いがあるというのかね?」
ケイオス:「やれやれ……じゃあ、単刀直入に、私の意見を言わせてもらおうか。
私は、貴様が気に入らない、ただソレだけだ」
ナーフ:『あーもー、ごちゃごちゃとうるせぇなぁ。
そんなに自分に自信がねぇのか?
弱肉強食は、自然の摂理さ。御託はいらねぇ、力で示せ』
イルス:「君の言ってることはね……間違ってないんだよね。
だから、僕らも、喰われないように強くなるんだ」
綾:「わたしは、ただの『わがまま』で此処に居ます。
あと、逆に訊きますけど、抗える力がある人間が、
ただ単に、餌という扱いに収まると思ってるんですか?」
窮鼠猫を噛む、というやつです。 ただし、噛むだけじゃ、終わりませんけどね」
ライル:「オレは、牧場の糧になる気はないんでな。
それだけでも、てめぇを、ブチ殺す理由にはなる」
ノス:「よろしい……皆、シンプルだが、好感の持てる答えだ」
ケイオス:「そりゃどうも、こちらとしては反吐が出そうだ」
ライル:「嫌われた方が、精神衛生上よかったんだけどな」
ノス:「ならば、始めようではないか……、
正義も悪も無い……ただ、生きる為の、純粋なる戦いをっ!」
と、ノスが、芝居掛かった調子で叫ぶと同時に、
彼の前に、魔方陣が展開し、1体のゴーレムが出現します。
白と青を基調としたトリコロールカラーのボディー、
背中に展開される翼、両肩に2門、
両腰に2門の砲台を持つ、スマートなゴーレムです。(笑)
ケイオス:フ○ーダムかぁぁぁっ!?(爆)
綾:ついに、ガン○ムにまで、手を出しますか!?
ライル:いや、既に、それは通った道だが……、
イルス:RX−78から、間を一気にスッ飛ばした!?
ライル:「ちっ、こうなると、楽譜も暗黒も効き目無し、ってとこか……、
でも、そんなの関係ねぇ!
オレは、リーフ島で見たヤツの方が好みなんでな、悪いけど消えてもらう」
ノス:「さあ、その力を見せてやれ! 我がフリーダムゴーレムよ!」
ライル:「――で、お前はどうすんの?」
ノス:「ふっ、私は、後方から支援させてもらう」(笑)
ライル:「そのヘタレ具合……ちょっと好感度UPしてやろうか?」
ノス:「ふむ、そうだね……、
先程の、君達の答えは、なかなか気に入ったので、1つ忠告して差し上げよう。
私は、君達の言うところの『魔術』を全て使える。注意したまえ」
GM:ようするに、難易度LV6までの、全ての魔術が使えると思ってください。
ライル:「ご忠告、どうも」
ナーフ:「ど〜にも、気に入らねぇな、このキザッたらしさ」
綾:「うぁ!? 今まで生きてた長ったらしい時間の一部を使って、
なんとな〜く魔術を習得したと?」
ノス:「くっくっくっ、長く生きているということは、
それだけで脅威だ、という事を教えて差し上げよう」
綾:「殺意湧きますねぇ……、
こちとら、新しいのを覚えるのに、苦労してるのに……」
ケイオス:「それについては、同意だな」
<第1ターン>
GM:では、イニシアティブ判定……、
(ころころ)ノスフェラトゥは12です。
綾:いつも通り、わたしが(ころころ)クリティカル!
ノス:「よろしい、ハンデだ……、
まずは、好きに攻撃したまえ。お手並み拝見といこうか?」
ライル:「今までの人生、強がりばっかだったような台詞だな、おい」
ケイオス:「それが遺言かね?」
綾:「どうせ回避とかするんですから、
遠慮無くってわけにもいかないじゃないですか」
スクカジャを全体アレンジして(ころころ)成功です。
これで、皆さん、物理命中が+5されましたよ。
ケイオス:「貴様に、真の絶望を教えてやろう……」
次は、私の番だな。
開幕一番、グリムリーバー、いくぞ!
ターゲットはノスフェラトゥ!
ライル:いきなりか、兄者!?
ケイオス:最大HPを削る技である以上、
初っ端で撃つのが、一番、効果的なのだよ。
まあ、マカラカーンで対抗されるとヤバイから、
命中に、ブーストを1点使用する。(ころころ)……ぬおっ!?
GM:5d6で……6、6、6、6、5?
ここまでくると、マカラカーンする気も起きない。
回避は(ころころ)当然のように失敗。
ケイオス:何で、いつも、ダメージ判定で、これが出ないかな。(泣)
と、黄昏れつつ、ダメージに、残りのブースト2点をブッ込んで、
(ころころ)最大HPへ38点の闇属性の防御無視ダメージ!
「貴様は……無様に、孤独に……死んで逝けぇぇぇっ!!」
GM:ノスは闇属性だから、
ダメージを−5軽減して、33点ダメージか……、
ノス:「ぬぅっ……この力……よもや、マスター・テリオンの関係者か!?」
ケイオス:「それに近いっちゃ、近いだろうな」
ライル:「あの魔女のばー……お姉さん、色んなトコに知り合いがいるな〜」
ノス:「ちっ、あの偏屈が関わっているとなると、
手加減している余裕は無さそうだな」
ケイオス:「おやおや……そっちの方が本性が丸見えで男前だぞ?」
綾:「……なんか、地が出てますねー?」
ライル:「やっぱ、強がってばっかの人生だったんだな、お前?」
ノス:「おっと、いかんいかん……Be COOL Be COOL」(ぶつぶつ)
ライル:「さ〜て、強がりちゃんは後ろにいるし、ゴーレムには歌は効かない。
さらに、装備は非力なバーニングスピリッツ……どうしましょーかねー?」
ケイオス:「さー、どうしようかー?」(棒読み)
綾:「さあ、どうしましょうかー?」(相槌)
イルス:「どうしようかー?」(合わせる)
ライル:「しかし、闘いは1人でやるもんではな〜い!」
というわけで、スパイダーネットをフリーダムへ投擲!
命中判定にブースト、ついでに予測戦闘もつけて(ころころ)クリティカル!
GM:な、なんて効果的なっ!?
(ころころ)回避なんて出来るわけない!
ケイオス:戦闘パンクの使い回しが仇になったな。(笑)
ライル:「イルス! 下拵えは充分!
存分にやっちゃってくれい!!!」
イルス:じゃあ、両手持ちを宣言!
必殺技『大地と風の特攻部隊!』を発動!
GM:もう使うのか! そろそろ、その技も破られて、
新技を編み出す時だと思いませんかっ!?(爆)
イルス:うん、そんな時期だとは思う! でも、使うんだ!
「ミラン! ダムル! スティア!」
(ころころ)命中は17!
GM:(ころころ)やっぱり、回避失敗!!
イルス:ダメージは(ころころ)19点!
ちょっと少ないけど、ファンブルよりはマシ!
GM:19点? ならば、イルスの斧は、
ゴーレムの体に当たる直前で、見えない何かに弾かれます。
イルス:「なに? 弾かれた!?」
ケイオス:おいおい、それって、まさか……、
ノス:「ふっ、無駄だよ。そのゴーレムには、
概念武装「フェイズシフト」が付与されている。
その程度の攻撃では、届かないね」
ケイオス:やっぱり、フェイズシフト装甲かい!?
ライル:「つまり、その程度以上の攻撃なら届く、と?」
ノス:「ふむ、まあ、限度はあるがね……果たして、キミ達に届くかな?」
具体的には、ダメージ20点以下は、無効化される装甲なんです。
例えば、ダメージが21点だったら、1点だけ抜けるのではなく、
装甲を貫通した上で、21点のダメージに対して、防御判定が行われます。
ケイオス:「巨大な盾ってことか……、
確かに、コレを倒すのは、厄介そうだな」
ノス:「驚いたかね? このゴーレムこそは、
私を守る無敵の壁……いわば、鉄の城砦よ!」
ライル:「言い変えりゃ、ただの引き篭もりじゃね〜か」
GM:ふ〜んだ、何とでも言え!(笑)
こっちの行動、いきますよ? まずは、フリーダムの行動。
まず、1回目の行動で、スパイダーネットをブチブチブチ……、
綾:1回目? という事は、2回行動ですか!?
GM:そして、2回目の行動で、全砲門を展開!
ケイオス:ま、まずい、来るぞ!?
ゴーレム:「全砲門展開、ターゲット、ロック、ロック、ロック――」
綾:ハイマウントフルバースト!?
光線による、全体攻撃ですか!?
GM:ご名答♪ では、攻撃する前に、
ちと、皆さんに思い出して貰いたいのですが……、
宝剣を見つけた場所に捨てられていた、武具の惨状は覚えてますか?
ライル:穴が、ポコポコと開いてた――って、まさか!?
ケイオス:私の大枚はたいて買ったチェインコートが大ピンチ!?
綾:わ、わたしとイルスさんは、革鎧だから平気……、
GM:はい、こいつの攻撃は、金属破壊光線です。
全体魔術攻撃扱いで、命中の度に、盾→鎧→武器の順に壊します。
ただし、魔法銀製の武具は対象外です。銀製は壊れます。
イルス:うわぁぁぁ! いきなり、銀斧が!?
GM:では、いきます! ズビーム!!
一同:か、回避! 回避〜!
武具か壊されると、一気に、
戦力がダウンする為、皆、必死で回避します。
ライル:予測戦闘使用! 回避〜!
綾:対抗行動で、イルスさんを防御!
イルスさんの斧が壊れたら、マズイですから!
イルス:「いつもお世話になるね」
ケイオス:「ぐっじょ――ぶっ!?」(←直撃)
結局、この攻撃での損害は、
ケイオスのチェインコート(軽鎧)だけで終りました。
ケイオス:「……気に入ってたコートなのだがな」(嘆息)
GM:ズボンのベルトのパックルは勘弁して上げましょう。
ライル:男の絶対領域だからな!
ケイオス:かの有名な脱ぎ戦士パープルドラゴンも、
竜の玉を集める戦士モンキーマジックも、そこは死守したそうな。(笑)
ノス:「そこの斧を持った少年よ……私の目を見ろ!」
綾:「な、なんですってー!?
初見で、イルスさんを男の子だと見抜くなんて……何者っ!?」
GM:もちろん、吸血鬼です。
というわけで、吸血鬼らしく、イルスにマリンカリン♪
イルス:(ころころ)て、抵抗失敗!?
6ターンも、魅了状態!?
ライル:「や、野郎! まさか、男おんりーな趣味だったか!?」
ノス:「くっくっくっ……さあ、こっちへおいで」
と、ノスはイルスに手を差し伸べる。
イルス:「あう……お兄様素敵です……ふらふら〜」
ライル:「わ〜、待て待て! お兄ちゃんはこっち!!
ああああ、イルスがイケナイ道にぃ〜!」(オロオロわたわた)
ナーフ:『こ、こんゃろ! イルスに何しやがる!?』
綾:「まさか、わたし達を倒したら、
めくるめく薔薇色の世界を堪能する気なのですね!?」
ライル:「ええい、いかがわしい想像禁止――って場合じゃねえっ!!」
ノス:「少年よ。我々の敵が、あちらにいるぞ?
さあ、その忌々しい輝きを持つ斧を、奴らの血で染めてやるがいい」
イルス:「は〜い、お兄様♪」
<第2ターン>
綾:こんどは、こっちの番ですが、
私は、さっきの金属破壊光線からイルスさんを守る為に、
行動を前借りしたので、何も出来ません。
ケイオス:では、魅力されたイルスにパトラを使うぞ。
GM:それに対して、ノスが対抗行動!
イルスにマカラカーンして、パトラを無効化する!
命中判定で(ころころ)――
ケイオス:――(ころころ)ファンブル!
ファンブル表は(ころころ)『5:頼りない/足を引っ張る味方が現れる』?
静:「――ケイちゃ〜ん! お手伝いに来たよ〜!」
ケイオス:「だぁぁぁぁぁ〜!
なんていうタイミングで!?
お願いぷりーず、今すぐ帰って!」
ライル:「おう、ケイちゃん、静ちゃんがご指名だぜ」(冷たい視線)
静:「えっとね〜、なんか、こっちでピカーってしたから、
きっとケイちゃんだと思ったの〜。ほめてほめて〜」
ケイオス:「その洞察力は、素直に感嘆するけどさ〜?!」
綾:「静ちゃん!? 危ないから帰り……って、場所が場所だから1人で帰せない!
と、とりあえず、隠れてください!
危ないおにーさんに血ぃ吸われちゃいますよー!?」
静:「は、は〜い……」
と、そこそこと岩陰に移動。
ライル:さて、オレの番だが……どうしよう?
ここは、洞窟内だけど、吹き抜けって事だし、爆裂弾はOK?
GM:まあ、良いですよ。
ただし、イルスも巻き込みますからね。
綾:今は、敵として扱いますからねぇ。
ただ、こっちでダメージを与えれば、イルスさんも正気に戻るでしょうけど。
GM:ドラ○エで、よくやる手ですね。
たまに、会心の一撃が出て、殺っちゃう時がありますが。(笑)
ケイオス:こ、怖い事を……、(汗)
ライル:とりあえず、もう一度、スパイダーネットを使っとくか。
少なくとも、フリーダムの行動を1回は削れるしな。
GM:ん〜、じゃあ、ちと、メイガス判定してください。
ケイオス:ぬ?(ころころ)11だな。
綾:何でしょ?(ころころ)あっ、14です!
GM:では、綾が成功していますね。
フリーダムのPS装甲が発動した時に、
フリーダムが保有する魔力が、大きく消費された事に気付きます。
綾:「……あれ?」
ケイオス:「どうした?」
綾:「いえ、さっき、概念武装発動したじゃないですか?
その時、ゴーレムから感じる魔力が減ったよ〜な気がしまして……、
それで、ですね……ゴーレムって、魔力で動いてましたよね?」
ライル:「つまり、あの装甲を維持する為には、魔力を消費する、と?」
綾:「そう、それです!!」
ケイオス:「なるほど、そういう事か!
よし、作戦プランを説明するぞ!
弟者は、目の前のゴーレムへの攻撃を続行。
イルスの解呪は、私が継続する。
綾は、柔軟な機動力を活かして、臨機応変に頼む」
綾:「はい! 魔力は回復にまわした方が良さそうなので、これ(銃)でいきます!」
ライル:「分かった。だが、今は、ネットで、少しでも行動を封じる。
できれば、次の攻撃で、一気に決めたいからな」
ケイオス:「了解、頼むぞ」
イルス:「お兄様〜」(ほわほわ〜)
ノス:「ふふふ、愛い奴よの〜」
イルスのアゴの下を、コチョコチョと撫でてみたりする。(爆)
イルス:「はう〜♪」(もはや猫同然)
ケイオス:「とっとと解呪しないと、弟者の血管がキレかねんな」
ライル:「……地獄に叩き落してやる」
ケイオス:「前もって言っておく、私は止めないぞ」
ライル:「ご協力、感謝する」
と言うわけで、フリーダムに、再度、スパイダーネット!
GM:スクカジャの効果もあるからなぁ……、
(ころころ)クリティカルでもしないと回避できない。
フリーダムは、1回分、行動不能になります。
で、今度は、こっちの番ですけど……、
けけけけっ、まず、魅了したイルスの行動を宣言させて貰いましょうか。
ケイオス:「忠告だけしてやろう。あまり彼の逆鱗には触れない方がいい」
ノス:「どうした、そこのギョロ目……、
ああ、そうかそうか。よし、少年よ、少しサービスしてやれ」
では、ライルに『威圧の眼光』(イルスビーム)を敢行してもらおうか。
両肩が覗くくらいに、ちょっと服を肌蹴て、
ぺたんと女の子座りしつつね。(爆)
ライル:注文が多いぞ、GM!
ケイオス:しかし、その指示は的確だっ!
大丈夫か、耐えられるか、弟者!?
イルス:「――いぢめないでね」
イルスは、にっこり微笑んでみた。
(ころころ)達成値は11だよ。
ライル:うぐっ、状態変化判定は、
特殊技能だから、エージェントLVか……、
GM:ライルの場合、母者のペンダントの効果で、修正に+1です。
ケイオス:母者、ぐっじょぶっ!
ライル:「そ、そんな目で見るな〜っ!」
とはいえ、色々な意味で、確実に抵抗したい。
ブーストを使って(ころころ)よし、抵抗したぞ!
GM:では、フラ〜っとしかけた、
ライルの頭に、ペンダントがばちこ〜んっ!!
ライル:「ぐぼわぁぁぁっ!?」
ケイオス:「母者、ナイスセーブ!」
GM:では、こちらのターン!
まずは、ゴーレムが、1回目の行動でネットから抜け出し、
2回目の行動で、ライルに直接攻撃!
やはり、フリーダムっぽくキックで(ころころ)13と言って命中。
ラルイ:やめてよね、キミのキックが当たるわけないじゃない。(笑)
(ころころ)15で回避成功だ。
「けっ! 所詮は、R○−78のデッドコピーじゃい!!」
綾:「否定はしません。よく分からない筈なのに」
ケイオス:「何気に危険発言だな、弟者」
ライル:「はっはっはっ、原理主義者は、もっと酷いこと言うぞ」
GM:で、ノスフェラトゥの行動は、
さっき対抗行動したので動けません。
<第3ターン>
綾:「ケイオスさん、解呪お願いしますね?
身体を使って庇われると、元も子もないですし」
ケイオス:確かに、イルスを盾にされると厄介だ。
GM:ちっ、読まれた。(笑)
最近、戦術を駆使するよう心掛けていたのに……、
ライル:猪突猛進でプリーズ!
ケイオス:まあ、このGMの場合、どんなに戦術を駆使しても、
ダイス目に裏切られるから、あまり怖くは無い。
GM:いいもん、固定はボクを裏切らない。
イルス:PLとして判定すると、
ここぞって時にクリティカルするけどね。
ケイオス:まあ、とにかく、まずは、イルスにパトラを使う。
(ころころ)発動は成功だが?
GM:ノスフェラトゥは、今度は、割り込みません。
やりたかった事は、もうやったのです。
ライル:やりたかった事って?
GM:ライルへのイルスビーム♪(笑)
ライル:やっぱいかいっ!!
ケイオス:しかし、その判断は、ちょっと意外だぞ?
イルスは、魅了されて、ノスの近くに行ってるわけだから、
今、イルスは、ノスを直接攻撃できる位置にいる事になる。
GM:まあ、そうなりますね。
でも、いくら銀の斧があるとはいえ、イルスは、あまり脅威じゃない。
寧ろ、ノスの手番を割り込みで消費し続ける方が、負担が大きいんですよ。
イルス:「……あれ〜?」
綾:「イルスさん、大丈夫ですか? 記憶とか?」
イルス:「う、うん、一応……あ、痛い痛い!」
ナーフに、嘴で、コツコツ突付かれる。
ライル:よし、これで、やりたい放題だ!
爆裂弾を使う!(ころころ)命中は22!
GM:達成値高いな! スクカジャの効果が大きい!
ええい、ならば、ノスが対抗でテトラカーンを発動!
爆発を反射してやる!(ころころ)ぐはっ、失敗!
回避は(ころころのころ)ノスもゴーレムも失敗です。
ライル:よし、ダメージは(ころころ)4d6で4、3、2、1?
ケイオス:綺麗に並んだな。(笑)
GM:10点のダメージね。
防御して(ころころのころ)ノスもゴーレムも無傷です。
ただし、その攻撃に対して、ゴーレムは、PS装甲を発動させるので……、
かなり、動き難そうになっている様子です。
ケイオス:だいぶ、魔力を消費してきたようだねぇ。
ライル:「ちいっ! あまり効かなかったか!
しかし、これで、腐れゲイ野郎は、マカラカーンは使えねぇ!
兄者、綾っち! あのクソ野郎を地獄に叩き落してやれ!」
ケイオス:「そうだと良いのだが……まぁ、試してみようか」
イルス:次は、僕の番だよね?
じゃあ、また、あの光線が来ると怖いから……、
妖精の腕輪(模造品)と魔法のメイド服を発動!(爆)
一同:きたぁぁぁぁっ!!
ライル:GM、GM!!
変身バンク、変身パンクはっ!?(はあはあ)
綾:お、落ち着いてください、くのうさんっ!
このGMは、きっと期待に応えてくれます!(ハアハア)
GM:イルスが魔法のブローチを胸元に着けると、
ブローチが、桃色に輝き、
その光が、イルスの体を包み込む。
ハートマークと星マークが飛び交う桃色の光の中で、
イルスの服が光の粒子となり弾け散る。
ブローチにあしらわれた赤いリボンが解け、
無数のリボンの束となり、イルスの体の
要所要所に巻きつけられる。
カメラワークは、クルクルと軽やかに舞う様に回る
イルスの足元から、徐々に上がっていき、
巻きついたリボンが弾けると同時に、
ブーツ、ニーソックス、スカート、ブラウス……、
と、次々とコスチュームが装着されていく。
最後に、イルスの頭にホワイトプリムが装着され……、
イルスを包んでいた桃色の光が、
ハートマークになって弾けると同時に、キメポーズ!
綾:演出、長っ!!
ケイオス:ノリノリだな、GM!!
ライル:だが、グッジョブッ!!
イルス:「…………」
無言で、変身しつつ、妖精の盾も装備する。
GM:変身後の決め台詞とか無いの?
『メイド戦士マジカルイルス♪ 今夜も貴方にご奉仕するにゃん♪』とか?
イルス:「……お兄様……酷い」
決め台詞は無いけど、斧を構えたまま、そう言い放つ。
ノス:「ふっ、エクセレント……キミは、とても美しい」
綾:「うわ〜、完璧にアッチの人だと確信が持てた〜!?」
ライル:「ぐお!! うげげげげげげ!」
母者のペンダントに、無理矢理、顔を背けさせられる。
ケイオス:「……やれやれ、だ」(肩竦め)
ノス:「誤解の無いように言わせてもらうが、私は女人も普通に愛でるぞ。
だが、高貴なる者として、童の一人も愛でられず、なにが雅か」
ケイオス:「少しは、節操と言うモノを学んでこい。あの世で」
ライル:「黙れ、バイ菌野郎」
イルス:「……嫌い」(ぼそ)
ノス:「ふっ、そんなとこを言っていられるのも今のうちだ。
すぐに、我が眷属にして差し上げよう」
GM:では、続いて、綾の行動、どうぞ。
綾:「ホントは、コレでいくつもりだったんですけどね」
と、銃をクルクルと回しつつ、ホルスターに戻し、
懐から取り出すは、五枚の風の護符……、
いきますよ、必殺技発動! マハザン鎌鼬っ!!
GM:くるか、カマイタチ……っ!!
綾:(ころころ)発動は成功!(ころころ)命中21〜っ!
GM:か、回避は(ころころ)ノスもゴーレムも失敗!!
綾:「貴方に風の唄を送りましょう、少々痛いですけどね?」
ダメージにブースト残り3点使用!
10d+7(ころころ)ドーンと45点!
ノス:「この身に宿りし闇の血よ! 我を守れ!」
魔術防御(ころころ)ぐはっ、28点抜けっ!?
GM:綾の放つ衝撃波がノスフェラトゥを切り裂き、吹き飛ばす。
吸血鬼の体は、岩壁に叩き付けられ、めりこむ。
その姿は、まるで、彼にとっては忌まわしい、十字架のように……、
ノスフェラトゥ撃破です。そして、ノスが倒れると、ゴーレムも動きを止めます。
ライル:「かなり趣味の悪い十字架だな。
まあ、拝みたがる奴は、誰もいね〜だろうよ」
綾:「ゴーレムも止まっちゃいましたね。
じゃあ、バラしましょう。そして、色々と調べましょう」(わきわき)
ノス:「ごふっ……み、見事……だ……、
だが、これだけでは、私を殺しきることなど……」
ケイオス:「ふむ、五体バラバラに切り刻んで、川に流すくらいやらないとダメ、と?」
ライル:「そこまでせんでも……コレで充分だろ?」
と、魔法銀の剣を抜き、トドメを刺す。
綾:「あと、本来の目的……闇夜のランプも確保しなきゃいけませんね!」
ノス:「ふっ、そうだな……好きにすれば良い。だが、最後に教えてあげよう。
確かに、キミ達は私には勝った。
しかし、本当の勝負は、すでに戦う前から決まっていたのだよ。
キミ達は最初から……敗北していたのだ」
ライル:「……と言うと?」
ノス:「すぐにわかるさ……ふふふ……あ〜ははははははははっ!」
と、勝ち誇った笑い声を上げながら、
ノスは、ライルの剣の炎で燃え尽きていきます。
綾:「なんか、気分悪いですね……で、なんだか……いやな予感もします」
イルス:「どういうことかな?
何の考えも無しに出るセリフとは思えないけど……」
ライル:「最後まで強がりな奴だな……、
まあ、あの世で女神様に尻叩かれてきやがれ。
地獄行きだけは勘弁してやらぁ」
綾:「最初から敗北していた――か」
と呟きつつ、ランプを回収します。
GM:では、綾が、ランプを台座から降ろすと、ランプから出ていた煙が止まります。
これで、街を覆っていた夜の結界も解除されたはずです。
ケイオス:「静、もう大丈夫だぞ」
静:「うわ〜ん、ケイちゃん、怖かったよ〜!」(抱き)
ケイオス:「――おわっ!」
静:「怖かったよ〜、えーんえーんえーん……ちーん」(爆)
ケイオス:「まて、鼻をかむな!」
ライル:「うわ、スーツまで買いなおしか」
GM:なんて会話をしつつ、洞窟を出ると、ちょうど、日の出の時刻……、
皆さんは、朝日が登る光景を見ることが出来ます。
間違いなく、夜の結界が解除された証拠です。
ケイオス:「……朝、か」
綾:「ただ一日見てないだけなのに、随分と久しぶりな気がしますね
ライル:「なんだか、長いこと拝んでないような気が……」
――ここで、一同、無言になる。
この朝日を見て……、
シナリオの結末が分かったようです。
ライル:「街の人達は……奴の糧にされている、って言ってたよな?」
ケイオス:「弟者……」
イルス:「血を吸われてたんだよね?」
ケイオス:「それ以上、言うな……」
綾:「吸血鬼に、血を吸われた者は……」
ケイオス:「やめろ、頼む。ソレだけは考えたくないんだっ!」
ノーチェの街に……あの宿屋に急いで戻るぞ!
―― PHASE-10 夜明け前より ――
GM:では、皆さんが、街に戻ると……、
街の人達の歓声で出迎えられます。
ケイオス:――えっ?
GM:いや、それは、皆さんの願望が見せた幻聴……、
街は、シーンと静まり返っていて、そこら中に、灰の山があるだけです。
ライル:「やっぱり、そうか……」
街の人達は、もう、とっくに、全員が吸血鬼になっていたんだ。
そして、吸血鬼にとって、夜明けは……太陽の光は……、
オレ達を送り出した時から、全て、覚悟の上だった。
ケイオス:「…………」
ぎりり、と奥歯をかみ締めながら、せめて、あの赤ちゃんだけでも探す。
綾:「……そうだ、キャロルちゃんは?」(ふらふら)
GM:そう思うなら、宿屋の方から、
赤ちゃんの泣き声が聞こえてきます。
ケイオス:「………っ!!」
迷わず、泣声がする宿屋へと走り出す。
GM:宿に向かうと、そこには、籠の中で泣く赤子と、
まるで、それを、ずっと見守っていたかのように、
いくつもの灰の山が、積もっている。
また、カウンターには、2つのグラスと年代物のブランデーボトルがある。
おそらく、店主が言っていた秘蔵の酒でしょう。
ライル:「おやっさん、奥さん……っ!!!」
綾:「灰の山が……こんなに……」
イルス:「ずっと……最後の瞬間まで、キャロルちゃんを見守っていたんだね。
この子は、街の全ての人達の未来を託されたんだ」
ケイオス:「私は……僕は……なんてことを……、
なんて、こと……を……」
その光景を見て、ガックリと、膝から崩れ落ちる。
GM:そして、そのボトルの底に、1枚のメモ用紙が挟まれています。
そのメモには、こう書かれています。
――お願いします。
どうか、この子を、陽の下に……、
明日へ連れて行ってあげていださい。
ライル:「朝日が昇れば、皆、死んでしまうことを、それでも、それでも──!」
綾:「ああ……だから、いやな予感がしたんですか……」
ケイオス:「何が、魔典だ……何が……力、だ……、
ぁ、ああ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……っ!!」
滂沱のような涙を、両目から流す。
何かを言おうにも、言葉にならない。
イルス:「僕達は、こうしなければ脱出の手はなかった。
でも……でもさぁ、ナーフ……」
泣いている赤ん坊を抱き上げる。
ライル:「闘う前から敗北、か……、
確かに、敗北と言えばば敗北だよな……、
だがな、そこに僅かでも希望が残っていれば、勝ち負けもくそもねえんだよ!!」
綾:GM、キャロルちゃんが、
吸血鬼になっているかどうか調べられますか?
GM:それについては、調べるまでもありません。
???:「――どうやら、その赤子だけが、死徒の手に掛かっていなかったようですね」
と、宿の入口から、女性の声がします。
見れば、そこには、青い瞳、青い髪の、カソックを着たシスターがいます。
ケイオス:『月姫』のシエルか。
確かに、埋葬機関が出張って来てもおかしくない状況ではあったな。
しかし、来るのが遅くないか?
一年も前から、この街は死都だったんだぞ?
GM:もちろん、これまでにも、聖堂教会の代行者が来ていました。
でも、その全てがノスフェラトゥに破れ、
ついに、第七司教が派遣されることになったわけです。
ライル:「……主流派の人か」
シエル:「私は、第七司教のシエル……、
死都の殲滅に来たのですが、すでに事態は片付いたようですね」
ライル:「ああ、見事なまでに『殲滅』だ」
イルス:「こんな形だけどね……」
ケイオス:「見ての、通り……さ……」
綾:「ええ、でも……こんなにも、綺麗に片付いて……、
いっぱい、私達に尾を引く傷を作ってくれましたよ」(泣き笑い)
シエル:「あなた達は、何も悲しむことはありません。
皆、あるべき姿に還っただけなのですから……、
ただ、つらい役目を負わせてしまったことを謝罪します。
本来なら、それは私が背負うべき罪でした」
イルス:「あるべき姿……そうかも、ね」
ライル:「いや、他人の手でなく、オレ達がやっただけ、まだ、ある意味マシだった。
もし、他の人が手を下したのなら、
理由も問わずに、その人に斬りかかったかもしれねぇ。
少なくとも、オレ達は、その死の意味を知る事が出来たから……、
それでも、戦わなければいけない理由を知る事が出来たから……」
綾:「これは、どんなにつらくても、私達がやらなきゃいけない事でした。
一日……たった一日ですけど、一緒に食べて、笑って、からかいあって……、
これも『絆』というやつでしょうか? 細くても、大事な――」
シエル:「顔をあげなさい。胸を張りなさい。
あなた達は最善をつくしました。
たった一つですが……でも、尊い命を……、
たくさんの命に守られた、その子を、
明日へと連れて行くことが出来たのですから……」
ライル:「今は、とりあえず、そう思っておきます。
それが正しかったかどうかは、この子が決めるでしょう」
シエル:「さて、その子の今後ですが……、
こういう場合、我々、聖堂教会が預かるのですが……、
正直なところ、あまりお勧めできません……あ、これ、オフレコですよ」
綾:「――ぶっちゃけた?!」
ライル:「主流派の人が、そんなことを言うとは」
GM:なにせ。異端の街で生まれた子供ですから、
聖堂教会で、どんな目に遭うかは想像に難くないんですよ。
元二十七祖のシエルが、教会で、どんな扱いを受けたかは、
原作を知っているなら分かりますよね?
そんなシエルだからこそ、こういう事が言えるわけです。
イルス:「なら、どうすることを勧めますか?」
シエル:「そうですねぇ、皆さんは冒険者のようですし、
まさか、子連れでは無理でしょう? なので、一つ提案があります。
この街の近くの森の中に、アップルフィールド修道院という場所があります。
そこは、孤児院にもなっているので、そこに預けてはどうでしょう?
まあ、皆さんで育てるというのなら、無理強いはしませんが?」
ライル:「この先、どんな戦いが待ってるのか、正直、予想がつかないし……、
タカヤマまで戻って、お師匠様に手間かけさせるわけにもいかないし……」
綾:「個人的には、孤児院も、あまり預けたくないんですよね。
ハッキリとした、父親、母親になれる人が居ませんから……」
ナーフ:『オレ達で育てるのは……流石に無理過ぎるよな』
イルス:「……その修道院、信頼できるの?」
シエル:「はい、責任者の『レガ=アップルフィールド』は信用出来る人ですよ。
修道院とはいえ、ほんとんど、聖堂教会とは繋がりはありませんし」
GM:ちなみに、皆さんは、アップルフィールドという名に聞き覚えがあります。
端的に言うと、あの『歩くデスフラグ』カールと同じ苗字です。
修道院のレガ神父は、カールの親代わりだったんです。
ライル:OK、一気に信用度がMAXだ。
綾:あの人の親代わりだったなら、信頼度は弁慶さん級ですね。
ライル:「しかし、こう言ってはなんですが、
そこまで、聖堂教会は、色々と難があるのですか?」
シエル:「……ナンナラ、詳シク、オ話シマショウカ?」
ライル:「いえ、いずれ知るにしても、自分自身をもって知るように努めます。
貴女の話を聞くと、また変な方向に怒りが向きそうなんで」
シエル:「その方が良いですね。マスター・ジョーのお弟子さん」
ライル:「―─っ!! な、なんで、お師匠様の名を!?」
シエル:「まあ、立場上ってやつです。
特に害は無いし、面倒臭いので、こっちから関わるつもりはありませんけど」
ライル:「ですね、オレの方からもお願いします。
あの子(パナップ)に、醜い争いはできるだけ関わらせたくない」
シエル:「ふふ、了解です。優しい子は好きですよ」
ライル:「おうけい、その気持ちだけで充分です」(汗)
ケイオス:「……すまない、みっともないところを見せた」
やっと感情と思考が落ち着いたので、復活する。
ライル:「あれだけ泣ければ、立派なもんさ」
シエル:「で、その修道院なんですけど……、
出来れば、案内してあげたいところなんですが、
私は、この街の浄化をしなければいけませんので、
皆さんだけで行ってもらえますか? 地図は、ちゃんと用意しますから」
ライル:「シエルさん、その修道院ですが、その……守りは大丈夫ですか?」
シエル:「守り、ですか……まあ『彼女』がいるので、
大抵のことは大丈夫だと思いますが……?」
ライル:「そうですか……いえ、以前、やっぱり、
古代の産物を狙って襲ってきたヤツラがいましてね。
ちと、それが引っ掛かったもんで……、
シエルさんは、心当たりありますか?
∞の形をした蛇のマークをつけた連中なんですけど……」
シエル:「さあ? 耳にしたことはありますが、詳しくは……なにせ、管轄外ですし」
ライル:「そうですか、どうも有難うございます。
できれば、その蛇マークの連中には、充分注意を払って欲しいんですよ。
どうも、その連中、古代遺跡を重点的に狙って、各地で暴れているようなので……、
この子の明日の為にも……お願いします」
シエル:「ええ、ご忠告感謝します。
さて、私は、そろそろ、仕事を始めちゃいますね」
と言うと、シエルは、いそいそと宿屋の厨房に入っていきます。
ケイオス:「……何故、厨房に?」
シエル:「い、いえ……その……厨房から良い匂いがしたので……、
仕事を始める前に、ちょっと……ごにょごにょ」
ライル:そういや、昨夜は奥さんのカレーを食べたっけ?
それのあまりが、まだ、残ってるのか?
綾:一晩おいたカレーは格別ですよ。
ケイオス:あの時点で、既に、
シエル登場の伏線は張られていたのか……、(汗)
イルス:ネタふりが細かいよ、GM……、
GM:――ほっとけ。
ケイオス:「味は保障する……味わって食ってやってくれ」
シエル:「ええ、もちろんです」
―― PHASE-11 グルザ・イ・ガウサール ――
綾:「さ〜て、あんまり邪魔すると、シスターさんも食事に――
じゃなくて、浄化に集中できないでしょうし、皆さん行きましょうか?」
逆さまに地図を持って歩き出します。
イルス:「だねぇ……って、綾ちゃん、地図が逆っ!」
綾:「……へ?」
ライル:「ああ、そうだ! キャロルに朝日を見せてやろう!」
と、宿屋の外に出るぞ。
イルス:「さ……朝日だよ。人はね……この太陽の下で生まれ、過ごし、死んでいく。
それがね……自然なんだよ」
朝日の眩しい外に出て……赤子を抱き上げたまま、優しく微笑む。
GM:では、キャロルが日を浴びた瞬間、
ライルが持っていた、例の宝剣が輝き、封印が解かれます。
イルス:「……剣が?」
ライル:「どうした、イルス?
って、おおう? 今頃、御登場かよ、こいつは……」
GM:で、その剣を見て、顔を真っ青にしている子が1人います。
静:「…………」(真っ青)
ケイオス:「――どうした?」
静:「……『グルザ・イ・ガウサール』……こんなところに……、
うそ……見つけちゃった……どうしよう……あたし、どうしたら……」
イルス:「……?」(小首傾げ)
ケイオス:「すまん、なんか様子がおかしいんで介抱してくる」
異変に気付き、宿屋の2階へ連れていく。
静:「え、えと、ごめんね! あたし、他の仕事思い出したから……、
ケイちゃん、鞍馬先輩、またねーっ!!」(脱兎)
静は、ケイオスの手を振り払い、逃げるように走り去っていきます。
綾:「静ちゃん、一人旅は危ないから気をつけてね〜!」
ケイオス:「グルザ・イ・ガウサール? 何かが引っ掛かるな」
―― PHASE-12 明日へ…… ――
ライル:「っと、ちょっと待った!
街を出る前に、オレに時間をくれ」
ケイオス:「――む?」
ライル:「これでも、マスター・ジョーの一番弟子だからな。
魂を安らぎの場所に確実に行かせてあげなきゃ……皆も祈ってやってくれ!!」
じゃじゃじゃ〜ん、と鎮魂の曲をかき鳴らす。
街の人達の笑顔を思い出しながら……、
綾:「願わくば――安らかに。
キャロルちゃんは、責任を持って、預かりますから……」
ケイオス:「……すまない。
アレだけ言っておいて……救えなかった」
イルス:「全ては地に帰り、そして、また生まれ出る……、
ディッグレー・ジェイン……、
ルント・アイ・ファラム……イルス・クークルー」
ライル:「この子を見守っていてくれ!
そして、貴方達に安らぎを……女神様の限りない愛をっ……!!」
GM:では、ライルの鎮魂曲の後、みなんさは、修道院を目指して、街を出ます。
街を出る冒険者達。ふと、誰かに呼ばれた気がして、皆は、街を振り返る。
すると、そこには、冒険者達を笑顔で見送る、街の人々の姿が……、
その中には、宿屋の夫婦もいて……、
奥さんは、皆に深く頭をさげ、夫は、片手に持ったグラスを、
たった一晩の酒飲み仲間に向かって、軽く持ち上げてみせる。
そして、次の瞬間には、その姿は消えて――
ライル:「……祈り、通じたな」
イルス:「また……きっと来るよ」
綾:「はい……また来ましょう」
ケイオス:「……忘れない、私は……君たちの事を」
ライル:「世界も運命も酷薄で理不尽だ。
でも……想いだけは、いつだって優しい……」
GM:あっ、そうそう……、
街の人達は、育児道具も、
ちゃんと用意しておいてくれたので、ご心配無く。
ケイオス:おお、それは助かるな。
イルス:オムツとか哺乳瓶とかミルクとか――
GM:――もちろん、ちゃんと乳母車もありますよ♪
ライル:それは、オレに師匠と同じ事をしろと!?(爆)
綾:激写、激写っ!
ライル:撮るなぁぁぁ〜っ!!(泣)
<おわり>
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注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。
注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
その為、今後、ルールが改訂される場合があります。