<D.美坂 香里編の場合>





「おおっ!! あのウェーブのかかった美しい髪っ!
ちょっと勝ち気そうだが、色香のある整った顔立ちっ!
そして、あのバランスの良いしなやかなプロポーションっ!!
まさに、俺の恋人となるために生まれて来たかのような美女だっ!
よっしゃっ! ターゲットは決まったっ!! あの美女をゲットだぜっ!!」
















「ねえねえ、彼女、俺とお茶しない?」

「嫌よ」(一秒)
















「…………」
















「ははは♪ つれないなぁ♪ そんなこと言わないでさ……」

「嫌だって言ってるでしょ。あなた、しつこいわよ」(怒)

「…………」(汗)

「……一応、言っておくけど、三度目は無いから」
















「…………」
















「い、いやだな〜……そんなに照れなくても良いのに。
何も恥ずかしがる必要なんか無いんだぜ、ベイベー♪
ほら、遠慮なんかしないで、俺と一緒に行こうぜ♪」

「…………」(ジロリ)

「うっ……」(汗)

「…………」(怒)

「ど、どうしたのかな? そんな怖い顔して……可愛い顔が台無しだよ」(滝汗)

「…………」(怒)
































「……三度目は無い、って言ったわよね?」
































「ふ〜……やれやれね。
まったく、春になるとああう馬鹿が増えて困るわ」

「――ん? 香里じゃないか」

「あ、相沢君っ!?」

「どうしたんだ? こんな人気の無い場所で……」

「そ、それはこっちのセリフよ。
相沢君こそどうしたの? こんな所に何か用なの?」

「ああ……何か、こっちから悲鳴が聞こえたような気がしてな」

「き、気のせいよっ!」

「――は?」

「悲鳴なんて聞こえなかったわ! 気のせいよっ!」

「そ、そうか? まあ、それなら良いんだが……って、香里っ!!」

「きゃっ! な、何よ?!」

「お前……手に血がついてるじゃねーか!?」

「え? こ、これは……」(汗)

「それもこんなにたくさん……ほら、行くぞっ!」

「い、行くって……何処に?」

「決まってるだろ! 俺の家だっ!
ケガしてるんだろ? 早く手当てしないとダメだろうがっ!」

「え? あ、これは……でも……」

「あっ! でも、今、家って誰もいないんだった!
え〜っと……救急箱は何処にあったかな?」

「ええっ! 今、名雪の家って誰もいないのっ!?」

「ああ、皆、出掛けていて留守だ。
それよりも、救急箱は何処に……まあ、物置の何処かにあるだろう。
ほれ、香里、サッサと行くぞ!」

「ちょっ、ちょっと待って……、
そんな、誰もいない家に二人きりだなんて……心の準備が……」(ポッ☆)

「あ? 何、訳のわからないこと言ってんだよ? 早く来いって!」

「だ、だから、人の話を聞きなさ…………ま、いいか」(ポッ☆)








<美坂 香里編 おわり>
















 ――さあ、この後、どうする?


まだまだぁ! この程度では諦めんっ!!
ダメだ……もう立ち直れない。



<戻る>