良平:ちょ、GM!? 勇者ってなんだ!?
   俺、光の剣なんて持ってないぞ!
GM:持ってるじゃん、ほら、そこに♪
良平:え……って、これは、懐中電灯だぁぁぁっ!
雪歌:オープニングで、妙に拘って描写したと思ったら……、
ソレイユ:……そういう事でしたか。
マルタ:まあ、異世界召喚モノでは、お約束ですものねぇ。
    とはいえ、GM……?
雪歌:良平を勇者に祀り上げる気満々ですね?
ソレイユ:しかも、本人の意志を無視して?





GM:――さあ、セッションを始めようか〜♪

良平:質問に答えんかぁぁぁっ!!






『Leaf Quest TRPG』リプレイ

すとれんじゃ〜ズ冒険譚 2

『そらのおとし者』 中編







―― PHASE-06 勇者(?)誕生 ――


雪歌:「ええ〜っと……とにかく、私達は、
   現状を理解しなきゃいけないと思います」


 突然、空から落ちてきた良平――
 そんな彼を、勇者と呼び興奮する村人達――

 取り敢えず、落ち着いて状況を整理する為、
雪歌達は、村長宅の一室を借り、話し合いの場を作ることにした。


雪歌:「あなたは誰? 何処から来たの?
   どうして、空から降って来たの?」
良平:「俺は、矢矧良平って言って……あとは、こっちが訊きたいくらいなんだけど……、
   ここって、何処なわけ?」
雪歌:「ここは、イルア島の――」
   GM、この村に名前ってありましたっけ?
GM:え〜……じゃあ、カプリコの村で。(モグモグ)


 ――はい、すみません。

 GMのくせに、お菓子を食べながらマスタリングしてました。


良平:「――確か、俺は、あの光に囲まれて……気を失って……、
   気が付いたら、真っ逆様の真っ最中で――」(ブツブツ)
マルタ:「勇者様、大丈夫ですか? 何か顔色が……」
良平:「勇者? はっはっはっ、ご冗談を!
   で、キミ達は、一体、誰なんだい? 見たところ、学校の生徒ではなさそうだし……、
   そうかっ! まーりゃんのヤツめ、手の込んだ悪戯を!」
マルタ:「まーりゃん? リーフ島の桃色悪魔をご存じですの?」
良平:「リーフ島? いや、違うでしょ?
   まーりゃんと言ったら、東鳩高校の傍若無人の歩くトラブル発生器!
   そのはた迷惑さと卑劣さとズル賢さは、
   学校創設始以来の災害、って言われるくらいのトラブルメーカー!」
マルタ:「……東鳩高校? コミパの聖モントレイユ学院って、
    共学化していましたっけ?」
雪歌:「それは、聞いた事が無いなぁ」
ソレイユ:「あそこは、共学から女子校になっています」
良平:「モントレイユ? そんな学校は知らないよ」
   なんか、微妙どころか、根本的な部分でズレてないか?
   だんだん不安になってきたぞ。
マルタ:「勇者様? つかぬ事お伺いしますが……今の年号と月日、判ります?」
良平:「えーと、平成○○年○月○○日だけど?」
   HtH本編の劇中時間が分から適当に……、
マルタ:「ヘイセー? グエンディーナ暦って分かります?」
良平:「なに、そのファンタジー小節に出てきそうな暦?」
雪歌:「この島にある都市の名前は? あなたの出身地は?」
   私も不安になってきました。
   もし、私の妄想並の仮説が当たっているとしたら――
マルタ:「あの、これ、世界地図なんですけど……」
    と、テーブルの上に地図を広げて見せる。
良平:「全然、違う……こんな地図、見たこと無い。
   マジかよ、日本が見当たらない。アメリカも中国もアフリカもロシアも……」
   ここに来てから、薄々、感じてはいたんだ。
   でも、漫画やアニメじゃあるまいし、馬鹿げてると思っていた。
   どうせ、まーりゃんの仕業だ、って……、
   もしかして、本当に――


 ――俺、召喚されちゃったのか?


良平:「た、頼むっ! 冗談だって言ってくれ!
   ここは日本で、東京で、東鳩高校だ、って!」
雪歌:「…………」
   最悪の事態を理解させられ、何も言い返せない。
   やっぱり、この人は『この世界』の人じゃない。
   それは、つまり――
マルタ:「あの、これって、やっぱり……」
雪歌:「こんな真似、私に出来る領域のモノじゃありません。
   こんな事、起こるわけがありません。絶対に、あり得ない事です。
   でも、どう考えても、これは――」


 ――第2魔法です。
 
 彼は、第2魔法によって、
別の世界から、この世界に召喚されたんです。


マルタ:「第2魔法!? 宝石の爺ィですか!?
    洒落になってないじゃありませんか!」
ソレイユ:「魔王の弟子が、それほどまでの使い手とは……」
雪歌:「違います! 私じゃない……はずです。
   何でこんなこと出来たか、私にも分からないんですよっ!
   私なんかが、一生かけても、できる筈が無いんですから!!」


 ちなみに、第2魔法とは、
並列世界への干渉や移動を行う魔法のことです。

 良平の話から、雪歌達は、良平が、並列世界の境界を越えて来た、と推察しました。

 しかし、雪歌が言う通り、
本来、それは有り得ない事です。

 何故なら、第2魔法は、遠坂 凛の大師父である、
キシュア=ゼルレッチ=シュバインオーグにしか扱う事が出来ないからです。


良平:「何をゴチャゴチャ言ってんだよ!
   出来る出来ないの問題じゃないだろ!!
   現に、俺は、こうして来ちまったんじゃないかっ!!
   何が、どうなっちまったんだよ! 何の冗談だよ!
   どうするんだよ! どうしてくれるんだよ!」
雪歌:「どうする、って……」
GM:事態のあまりの大きさに、雪歌には対処しようがない。
   そして、そんな彼女にとって、頼れるのは一人しかいません。
雪歌:「お師様なら、何とかしてくれるかも……」
   最後の希望です。この状況を打開してくれそうなのは、あの人しかいません。
GM:では、だいたい、状況が把握できたところで、
   皆さんのいる部屋のドアが乱暴にノックされます。
村長:「勇者様! 魔術師様! お話中のところ、申し訳ありません!
   大変なことになりました! どうか、力をお貸しください!」
店主:「お客さん、ウチの息子を……エリファスを見なかっただか?!」
   と、マルタがドアを開けると同時に、
   血相を変えた村長と酒場の店主が部屋に飛び込んできます。
ソレイユ:「えっと……お墓の前で別れてからは見てないですけど?」
店主:「そねそうだか……じゃあ、やっぱり……」
ソレイユ:「何があったんですか……?」
マルタ:「ま、まさか……」


 店主曰く、エリファス少年の姿が見えない、とのこと。

 しかも、店の包丁も1本見当たらず……、
 もしかしたら、飼い犬の仇を取る為に、一人で森に入ったのかもしれない。

 話を聞き、そう判断した雪歌達は、
すぐに、少年を追って、森へと向かう事にする。

 当然、『勇者』である良平も一緒に……、


村長:「私達は、今から、森狩りの準備を始めます。
   皆さんには、一足先に森へって頂けませんか?
   もちろん、少ないですが、お礼はさせていただきます!」
マルタ:「わかりました! すぐに向かいましょう!」
    壁に立て掛けてある。大人の男でも持ったらよろけるだろーなってくらい、
    大きな鎖鉄球を、軽々と抱え上げます。
村長:「勇者様、どうかお願いします!
   丸腰では危険でしょうから、これをお持ちください!」
   と、良平の手に、装備一式を押しつけます。
良平:「――へっ? 俺もやるの?」
村長:「何をおっしゃる! あなた様は、このような危機の為に呼ばれた勇者様!
   どうか、我が村の未来ある子供をお救いくだされ!」
   それはもう、信じ切った目で良平を見ています。
良平:「い、いや、そんな勝手に勇者って言われても――」
マルタ:「今は、受け取っておいてくださいまし。
    ヘタな事を言うと、話がややこしくなりますので……」(ぼそぼそ)
良平:「――わかりました。でも、期待しないでくださいよ」
   とりあえず、装備は受け取るものの、どうにも足元がおぼつかない。
   今は、この人達に任せるしかない……いや、そうしとこう。
   どうせ、俺に何ができるわけじゃないし……、
村長:「さあ、我々も勇者様に続くぞ!
   急いで準備をするのじゃ! 人を集めろ!
   たいまつと、何でも良いから武器になる物を掻き集めるのじゃ!」
   村長は、声高く村民に指示を飛ばしながら、部屋を出ていきます。
マルタ:「……剣を使った経験はありませんよね?」
    村長達がいなくなったところで、良平さんに訊ねます。
良平:「――無い」
   正直、これが『斬る』為の物であるという実感すら、まだあるわけがない。
   しかし、その重さと手応えから、嫌でも、これが闘争の為の武器である事を思い知らされる。
   棒っきれとか、竹刀とか木刀とか、そんなもんじゃない。
   これは……武器……武器なんだ。
マルタ:「私の予備の盾を差し上げますわ。
    それを地面に突き立てて、その影に隠れていてください。
    それと、可能な限り護りますが……最悪の事態の覚悟だけは、お願いします。
    アドバイスするとすれば、斬るよりも突いてください。
    破壊力も高く、逃げやすい距離を保てますわ」
良平:「……突く、こうかい?」
   掃除中に、箒を使って、友達と遊んでいた時の要領で突いてみる。
   しかし、剣の重さ故に、動きはどうにもぎこちない。
マルタ:「贅沢は言ってられませんし、筋も悪くないと思われますわ。
    兎に角、相手に出くわしたら、どうこうしようと思わず、
    逃げ隠れに徹するくらいの覚悟で挑んでください」
良平:「あ、ああ……」
   マルタの言葉に、上の空で頷く。
   最悪の事態? 覚悟? 一体、どうなるんだ?
   俺、女の子に全て任せて……何、やってるんだろう?
マルタ:「それと、そちらのお二人?
    分かっていると思いますが、今は喧嘩は無しですわよ?」
雪歌:「もちろんです」
ソレイユ:「エリファス君を見つけるのが先決ですからね」
マルタ:「……よろしい」
GM:村長から貰った装備の中には、武器や防具の他にも、多少、回復薬も入っています。
   準備ができたら、次のシーンに移ります。
マルタ:「……フローレ、旅先で出会った人々は未知に満ち溢れていましたわ。
    私、花祭りまでに帰れるかしら……?」





―― PHASE-07 電撃作戦 ――


雪歌:「ところで……心当たりはあるんです?」
マルタ:「多分、レヴィさんを殺した魔物の巣ですわね。
    そこを探して、森の中を歩き回っていると思いますわ」
    私は、魔物の巣に、一度、行ってますから、案内します。
GM:では、ここでルールを説明します。
   このシナリオには、アラームポイント(AP)が設定されており、
   皆さんの行動によって、それが加算されていきます。
   加算される値は、その都度、説明しますが、戦闘では1ターンで1APになります。
   それが20に達すると、エリファスは死亡します。
   救済措置は無いので慎重に行動して下さいね。

ソレイユ:き、厳しいですね。
     相手がバラけていると考えるなら、各個撃破という手もありますが……、
雪歌:まずは、エリファス君の保護が最優先です。
   彼の足取りを追わないと……、
GM:魔物の巣に直行するなら、ビーストテイマーかガンスリンガーで判定です。
   マルタは、一度、そこに行っているので判定に+1して良いです。
マルタ:ちゃんと記憶しているかどうか、案内できるかどうか……、
    それを判定しなくてはダメなんですね。
雪歌:動物使役を使って、ラスティ(使い魔の燕)にお願いしたら、どうなります?
GM:AP加算無しで、巣の位置なら分かります。
   移動の際に何が起こるかは、その行動をしてからですね。
良平:そのレヴィって犬が殺された場所に行ってみたらどうだ?
ソレイユ:そうですね。そこを基点にするなら、彼も、まずは、そこを目指す筈です。
GM:それなら、AP+1点で行けますよ。
マルタ:では、そこまで案内しますね。


 マルタの案内で、まず、一行は、
少年と犬が魔物に襲われた現場に向かう。

 すると、そこには、少年が持ち出したであろう包丁と、
『小さな何か』を引き摺った跡があった。

 危険な兆候を感じた一行は、その引き摺った跡を辿って、森の奥へと進む。


GM:地面に残った跡を追って行くわけですが、
   マルタには、その跡が、あの魔物の巣に向かっていることがわかります。
   その途中、突然、ソレイユの傍の茂みが小さく揺れました。
ソレイユ:「――っ!?」
     早速、敵のお出ましですか?
GM:いえ、魔物にしては、気配が小さいです。
   というわけで、ビーストテイマーかガンスリンガーで判定して下さい。
   あっ、雪歌だけ、判定に+1して良いです。
ソレイユ:(ころころ)あ、ファンブル。(笑)
     ファンブル表は『8:自分に被害が及ぼされる』。
GM:じゃあ、茂みの向こうの様子を調べようとした時、
   ソレイユは、不用意に、落ちていた小枝を踏み折ってしまいます。
ソレイユ:「えっと、何が居るんでしょうか?」
     がさごそ、がさごそ……ボキッ。
GM:その瞬間、その音に驚いた『それ』が、
   シュッと、ソレイユの首のあたりをかすめ――
   ツツ〜……と、首から一筋の血が流れます。
   というわけで、ソレイユは1点のダメージです。
ソレイユ:「――痛っ!? 一体、何が?」
GM:慌てて『それ』を目で追いますが、
   『それ』は目にも止まらぬスピードに駆け去ってしまいます。
雪歌:「もしかして、ボーパル? お師様、帰って来てるのかな?」
   判定には失敗したけど、ボーパルっぽいよね?
   ピンポイントに首を狙ってくるところなんか……、


 ――ボーパルのフラグは無し、と。

 ここで成功していれば、
ボーパルの協力が得られたんだけど……、


GM:では、引き続き、地面の跡を追うと、
   先刻、マルタが見つけた魔物の巣である洞窟に辿り着きます。
   『何か』を引き摺った跡は、洞窟の中へと続いています。
   で、洞窟の入り口付近には、10匹の魔猿が、ワキャワキャと群がっています。
   微妙に機嫌が悪そうです。
良平:「ば、化け物がいるのか!?」
GM:良平の目には、るの前の魔物達は、凶暴なマントヒヒに見えるでしょうね。
良平:「本当に、こいつらと戦うのかよ」
   生でマントヒヒなんか見るのは初めてだし、
   それが凶悪面してりゃ、さすがにビビるぞ。
GM:まあ、凶暴じゃない素のマントヒヒでも、人間には充分驚異ですからね。
マルタ:「ここで、ほぼ間違いないみたいですわ」
ソレイユ:「どうしましょう? 強行突破はムリがありそうですし……」
     主に私が無理です。10匹って事はモブですよね?
     HP6の私には、モブの全体攻撃の方が脅威です。
GM:モブが嫌なの? じゃあ、全部、スタンドアロンにしようか?
ソレイユ:……それも死ねる。
     いや、そっちの方が、まだ安全でしょうか?
良平:それだと、APが、あっと言う間に20に達しちまうぞ。


 ソレイユの言う通り、実は、このPTには、モブの方が脅威だったりします。

 通常の単体攻撃なら、ソレイユは、
誰かに守って貰えますが、モブの全体攻撃は、それが出来ないのです。

 しかも、ソレイユの最大HPは、たったの6……、
 いや、先程のダメージがあるので、5しかありません。

 つまり、一撃で死んでしまう危険性があるのです。

 なんとか、戦闘を回避出来ないものか、一行は策を巡らせます。

 そして、彼らが取った作戦は……空城の計。

 少し離れた場所で、火を焚き、干し肉などの食べ物を焼く事で、
その匂いで、魔猿達をおびき出そう、というわけです。


マルタ:魔猿達は、機嫌が悪いんですよね?
    これは推測ですけど、その理由って、
    一番の御馳走を独り占めされたからじゃないです?
雪歌:つまり、洞窟の奥にボス猿がいて、
   そいつが、エリファス君を持っていっちゃった、と?
ソレイユ:なるほど! 凄い、ドワーフが知将をやってる!(←失礼)
     しかし、それだと、後に憂いが残りません?
     最悪の場合、ボス猿とモブ猿に挟み撃ちにされますよ?
マルタ:まずは、エリファス君の保護が最優先ですわ。
    それが第一目的で、ぶっちゃけ、敵を倒す必要性すら無いです。
良平:……電撃作戦だな。
   問題は、どれだけ、この作戦で時間が稼げるか……、
GM:じゃあ、作戦展開に掛かる時間でAP+1なります。
   で、モブ猿を、どれだけの時間、罠に引き付ける事が出来たかは、2d6で決めましょうか。
マルタ:(ころころ)期待値の7ですわ。
GM:じゃあ、AP7点分は時間が稼げたことにしましょうか。
   マルタの見事な作戦によって、肉の匂いにつられた魔猿達は、洞窟の前から姿を消します。
魔猿達:「ウキー! ウキキー!」
    「ウキャキャ、ウキャキャ!」
    「肉ー! 肉ー! あれはあっしの肉でヤンスー!」
マルタ:「――さ、今のうちですわ」
ソレイユ:「見事なお手並みです」
雪歌:ってか、今、なんか変なの混ざってなかった?
良平:具体的には三行目。
GM:ネタなので気にしないように。
雪歌:まあ、とにかく、ここまでのAPが3点だから……、
   AP10点になるまでは、モブ猿は戻って来ません。
良平:あとは、時間との勝負だな。





―― PHASE-08 魔猿の巣 ――


GM:さて、見張り?もいなくなった事で、洞窟に入れるようになりました。
雪歌:隊列を決めないといけませんね。
マルタ:と言っても、私のワントップですわ。
    私、ソレイユさん、良平さん、ゆきちゃんの順番が妥当では?
GM:じゃあ、その隊列で良いですね?
   良平達は、薄暗く、獣臭い洞窟を進んで行く。
   しばらく一本道が続くが、途中で道が2つに分かれています。
雪歌:どっちに行ったのか分かれば良いんだけど……、
   誰もエージェント技能を持ってません。
GM:まあ、所詮は野生の獣なので、足跡などを痕跡を隠すわけもなく……、
   『何か』を引き摺った跡と、血の跡が、右の道の奥へと、点々と続いています。
ソレイユ:ちょっ……血の跡!?
GM:まあ、餌に気を遣うわけないですし……、
   軽くひと噛みしたのか、引き摺っている間に、岩にぶつけたのか……、
   とにかく、少年は、かなり出血してるのは確かですね。
   ちなみに、左の道からは、数匹の魔猿の鳴き声が聞こえてきます。
雪歌:「――血? 急がないと!」
マルタ:「その前ににやることがあるみたいですわね。
    左の道にも住み着いているのがいるみたいですわ」
ソレイユ:となると、ボス猿な直行すると、挟み撃ちされる危険性があります。
     かと言って、先に後ろの憂いを無くそうとすれば……、
良平:APが溜まっちまうな。
   それに、さっきのモブ猿も戻って来くかも……、
マルタ:――GM、ここで、ご都合主義を1回使っても良いです?
GM:内容にもよりますけど……?
マルタ:たまたま、友達のフローレから貰っていた、謎の植物の種がありまして……、
    蒔いたら、大きな花が咲きますの。(笑)
GM:フローレって、花の精霊王の……?
   そういえば、ギャグ特徴で、コネクションを持ってましたっけ?
   ん〜……まあ、良いですよ。
マルタ:「そうだ! 良いモノがありますわ」
    と、懐から、その種を取り出して、分岐点の真ん中に蒔きます。
雪歌:「マルタさん? それ、何ですか?」
マルタ:「お友達のフローレから頂いた、とある花の種ですの。
    今なら、きっと役に立ちますわ」
    説明しつつ、蒔いた種に水稲の水を掛ける。
    すると、瞬く間に芽が伸び、洞窟の天井ギリギリまで、とはいかないものの、
    乗り越えるにも切り倒すにも苦労しそうな、大きな鳳仙花が育ちます。
    茎の太さ100cm、高さ2.5mまで育つ、と言えば、大きさは想像できるかと。(笑)
GM:そいつはデカいっ!? てか、鳳仙花?
   大きなラフレシアが地面に咲いて、花の上を通ろうとすると、
   問答無用で噛み噛みされる、殺意の高い花にするつもりでしたが?
マルタ:こっちも殺意は高いですわよ?
    何せ、近付く相手に、
種子ガトリング砲の高速連射♪
GM:
固定砲台かよっ!!
   
そいつは、殺意が高いっ!
マルタ:「ま、お猿さんもびっくりする程度で済みますわ。
    種が壁に減り込む程度の威力ですし?」
ソレイユ:「壁にめり込むって、充分に凄い威力だと思うのですけど?」
     私が喰らったら、一発で、あの世行きです。
雪歌:「ってゆ〜か、そのお友達って、一体……?」
GM:では、皆さんの気配を察したのか、
   左の通路の奥から魔猿達がウキャウキャとやって来ます。
良平:「げっ、サ、サルがぁぁぁ――っ!!」


 
ズガガガガガガガッ!!

「ウキャァァァァーーーーッ!?」

 ――シーン。(静寂)


マルタ:「――とまあ、ちょっと強めの豆鉄砲みたいなモンですわ」
一同:
「殲滅したぁぁぁぁっ!?」
雪歌:「なんか、凄い弾幕でしたけど……?」
マルタ:「持ってきた本人は、護身には使えるから、
    しつこい男に言い寄られたりした時は是非に、って……」


 ――しまった。(笑)

 面白いから、ついつい話に乗って、
挟み撃ちor時間稼ぎの作戦を、自ら潰してしまった。

 まあ、いいか……、
 マルタも、ネタっぽい発言してくれたし……、

 折角だから、次のシナリオで使わせてもらおう。


鳳仙花:『逃げるヤツぁ魔猿だ! 逃げネェヤツぁ訓練された魔猿だ!
    ホント、洞窟の中は地獄だぜぇぇぇぇぇっ!
    さあ、お嬢ちゃん……ここは、おれに任せて、先に行きな』(葉っぱでサムズアップ)
雪歌:なんて、スタイリッシュな……、
ソレイユ:「取りあえず、そちらの道はお花さんに任せて、
     こちら(右)に行きませんか?」
良平:「そ、そうだな……あ、そうだ。
   どれだけ役に立つか分からないけど……まあ、無いよりマシだよな」
   と、懐中電灯のスイッチを入れる。
マルタ:「えっと、これは、一体……?」
    ライト部分を目に当ててみたり、振ってみたり……、
良平:「これで、暗いところを照らすんだよ。
   そうすれば、視界も良くなる」
   懐中電灯で壁を照らして見せる。
ソレイユ:「コネンワードも無しに、ライトマの呪文が?」
雪歌:「しかも、指向性の光? 凄い……」
マルタ:「新手のマジックアイテムですの?」
良平:「い、いや、近所の電器屋で1000円で売ってたやつ……」
GM:なんて事を話しつつ、ボス猿が待つ右の道に進みます。
   あっ、多少は時間が経過してるので、AP+1点です。





―― PHASE-09 魔力消去者 ――


GM:良平が持っていた懐中電灯の光を頼りに、洞窟の奥へと進むと、
   ボス猿と思われる、他の魔猿とは、ひと回り大きな猿の姿があります。
   今にも、少年を食べようとしていたのか、
   ボス猿の手には、酷い怪我を負った少年が抱えられています。
   少年は、まだ生きているようですが、一刻も早い手当が必要な状態です。
ボス猿:「――ウキッ!?」
    皆さんの姿を見て、御馳走を奪われまいと、戦闘態勢に入ります。
良平:「あ、あいつなのかっ!?」
ソレイユ:「さあ、エリファス君を返しなさい!」
マルタ:「その子は食べ物じゃないので返して頂きましょう」
GM:では、ここから戦闘モードに入ります。
   1ターン毎にAPが加算されていくので、気を付けてくださいね。
雪歌:早く倒さないと、後ろから敵の援軍が来るんですよね?
   それに、エリファス君の容態も危険に――
ソレイユ:彼に回復魔術を使ってみては?
     そうすれば、最悪の事態は避けられるかと?
GM:あ、それは無しです。
   もし、少年に回復魔術を使ったら、余計に危険な状態になります。
マルタ:……どういうことです?
GM:回復魔術は、術を掛けられた本人の自然治癒力を、
   魔力によって、急激に促進させるモノだからです。
   つまり、自身を治す為に、自身の生命力を大きく消費するわけで――
雪歌:大怪我によって、生命力が著しく低下している彼に、回復魔術を掛けたら、
   傷が治る前に、生命力が尽きてしまう、というわけですね。
GM:そういうことです。当然、これは、回復薬にも当てはまります。
   つまり、少年を救うには、手遅れになる前に、
   ちゃんと保護して、医療処置を施すしかないわけです。
   はい、状況が理解できたところで、戦闘開始です。


<第1ターン>

GM:イニシアティブ判定は(ころころ)10です。
マルタ:こちらは(ころころ)なんと20!
    では、何故か、ドワーフで重戦車な私がトップで行動します。(笑)
雪歌:T値、高いんですよねぇ……ドワーフなのに。
マルタ:「そぉ〜……れいっ!!」
    まずは小手調べで、鉄球で通常攻撃!
    (ころころ)命中はクリティカルして、ダメージは14点!
GM:マルタの放った鉄球が、ボス猿の腹部を強打する!
   (ころころ)うっ、6点抜けた。ちょっと痛いな。
ソレイユ:6点? それでも、私は死ねますが?
雪歌:「エリファス君を……離せぇぇぇぇぇっ!!」
   必殺『リニア・アクセラレーション』を発動!
   (ころころ)クリティカルです!
   魔力刃を展開! 全身をバチバチとスパークさせ、
   激しい衝突音とともに、ボス猿に刃を突き立てる!
GM:縮地の如き速度で、魔力の刃が迫る!
   それをかわすことなど、野生の獣にできるわけあるか!
   (ころころ)防御して、なんとか、ダメージは6点に止めた。
ソレイユ:また、6点……?
雪歌:(ころころ)あ、自身への負荷ダメージも6点です。
ソレイユ:
さっきから、6点ダメージ6点ダメージって……、
     
私が死ぬフラグ立てでもしてるんですか?!(笑)
良平:「な、なんか……別に、俺がどうこうする必要なさそう……」
ボス猿:「ウギギギギギッ!!」
    マルタの鉄球と雪歌の魔力刃を受け、油断ならない相手と断定する。
    ならば、狙うべき相手は……と目標を定める。
良平:「何ができる? 俺に何か出来るのか?」
   俺、今は後衛だし、出来る事なんて……、
雪歌:「スキを見て、エリファス君を確保してっ!」
良平:……そういえば、懐中電灯は?
GM:マルタに渡してませんでした?
   もし、そうなら、戦闘開始の時に、地面に落してるんじゃないかな?
良平:「か、確保確保……」
   とにかく、這いずり回って、懐中電灯を持つ。
   これが役に立つはず……さっき、ソレイユがヒントをくれた。
ソレイユ:最後は私ですね……、
     堅実に、自分自身にラクカジャを発動!
GM:じゃあ、次はボス猿のターンです。
   ボス猿は、一番弱そうな良平を睨み付けると……、
良平:「こ、こここ、こっち見るなぁっ!!」
GM:「グアァァァァァッ!!」
   大きな口を開き、咆哮とともに、
マハラギオンを発動!
ソレイユ:ちょっ、何で猿如きが魔術をっ!?
GM:その説明は後ほど……まずは、これを回避するが良い!
一同:
できるかぁぁぁっ!!



 良平達に、激しい魔術の炎が襲い掛かる。

 からくも、雪歌、マルタ、ソレイユは、
それを防ぐ事に成功したが、素人の良平にとって、その威力は脅威だ。

 一同の視線が、炎に包まれた良平に集まる。

 そして、炎が消え……、
 誰もが、焼け死んだ良平の姿を思い浮かべた。


雪歌:
「――良平!?」
マルタ:
「勇者様っ!!」
ソレイユ:
「まともに……そんな……」

良平:あれ……俺、この炎で死んじゃうのかな?
   なんか、勇者とか言われたけど、いきなり死亡かよ。
   あ〜、先輩に告白しておけば良かったな……、



 しかし、その心配は杞憂に終わった。

 皆の視線が集まる先には……、
 炎で焼かれた筈の良平が、無傷で立っていたのだ。


良平:「――って、あれ?」
マルタ:「……えっ?」
雪歌:「うそっ……?」
ソレイユ:「あら……」
ボス猿:「――ウキャ?」
    ボス猿は、目の前の光景が信じられない。
    『アレ』を呑み込んで、使えるようになった炎の力……、
    それで、群れのボスに昇りつめたというのに、それが、相手に効いていないのだ。


<第2ターン>

マルタ:何故、あの炎の中で無傷だったのか……、
    その理由は、後で考えるとしましょう。
    今は、エリファス君の保護を最優先です!


 と、再び、鉄球で攻撃するものの、
やはり、動揺の為か、マルタの攻撃はかわされてしまう。

 だが、続く、雪歌のジオが命中し、ボス猿に11点のダメージを与えた。


GM:放たれた電撃が、ボス猿の全身に襲い掛かる!
   体が激しく痙攣し、かつて無い痛みが全身に奔る。
   そして、その衝撃によって――
ボス猿:「――グゲハッ!?」
    吐物と一緒に、何か、赤く光る石が吐き出される。
雪歌:「何か、吐き出した?」
GM:魔術師なら、それが何かは、一目で分かります。
   魔法店で売っている『火の魔導石』というアイテムです。
   コンロとか風呂釜の動力源……ようするに、属性乾電池ですね。
雪歌:「魔導石……何かの拍子に食べちゃったのかな?」
ソレイユ:「こんなモノを飲み込んでて、良く平気でしたね」
マルタ:「お馬鹿さんにも程が……」
良平:「よく分からないけど、これがさっきの火の元なわけなのか?」
ソレイユ:「ええ、そのようです……」
良平:「そ、そうか……だったら、もう安心なわけだな」
ボス猿:
「――ウ、ウキャ♪」(ぶりっこポーズ)
雪歌:
今更、可愛いポーズ禁止!
良平:「こ、このサル野郎……よくも、俺を殺そうとしやがって!」
   今までの恐怖と困惑の反動からか、相手の立場が弱くなったのを見た途端、
   強気になって、思わず前にずかずか進み出す。
雪歌:「気を付けて! 何も出来なくなった、ってわけじゃないんだよ!?」
マルタ:「待ってくださいまし! 火を吹けなくなったと言っても、
    まだ、攻撃能力は失われて――」
ソレイユ:「あなたが強くなった訳では無いんですよ?
     身の護り方も知らないじゃないですか!」
良平:「このエテ公……おかげで、異世界で先輩の顔も見ずに死ぬかと思ったじゃねえか!
   ふざけんじゃねえよ、どうするんだよっ!」
   と、周りの声が、すっかり聞こえなくなってます。行動終了。
GM:ナイスなRPです。(笑)
ソレイユ:ラクカジャで防御を(ころころ)――
GM:ラクカジャの護りの光が、良平に降り注ぐ。
   しかし、その光は、どういうわけか、良平に届く前に掻き消えてしまう。
ソレイユ:「――はれ?」
マルタ:「詠唱ミスですの?」
ソレイユ:「おかしいですね、構成も詠唱も間違えてないはずなんですが……」
GM:では、ボス猿のターン!
   迂闊にも、前に出てきた良平に鋭い牙で攻撃!
   (ころころ)命中で13ね。
雪歌:「――ラスティ!」
   動物使役を使用! ラスティで割り込みます!
   (ころころ)ダメ、対抗失敗です。
GM:雪歌の声とともに、燕が飛来し、
   ボス猿の攻撃を妨害しようとしたが、ギリギリで間に合わない!
マルタ:
「盾を!! 籠手で喉と肩を庇って!」
良平:「――えっ?」
GM:咄嗟に盾を上げるが間に合わず、その盾を持つ腕に、猿の牙が深々食い込むっ!!
   一瞬、何が起こったのか分からなかった。
   だが、かつて経験したことも無い灼熱の如き激痛によって、
   無理矢理、現実を思い知らされる!
   (ころころ)15点のダメージです。
良平:
「ぐ、ぐぎゃああぁぁぁぁぁっ!?」
   (ころころ)防御して、抜けたのは1点だけだが……、
   あまりの激痛にガクッと膝をつく。
   思わず、噛まれた腕を握り締める。
   傷の具合を確かめようにも、恐怖で目が向けられない。
雪歌:「良平!? あ、でも、あまり深く無い」
マルタ:「大丈夫、かすっただけですわ」
ソレイユ:「後ろに下がって! 傷は深くないから直ぐに治せます」
良平:「手が、手が……」(ガクガク)
   さっきの勢いはどこへ行ったのか……、
   未知の痛みと、その痛みを与えた眼前の敵に、竦み上がるだけ……、
雪歌:「早く勝負をつけないと……」
   次のターンでAPは6点……、
   あと4ターン以内にケリをつけます!


<第3ターン>

マルタ:「そろそろ、退場して頂きます!」
雪歌:「この、ちょこまかと――ジオッ!!」


 血の味に興奮したのか……、

 ボス猿の動きは、より鋭くなり、
マルタの鉄球と、雪歌の電撃を、ことごとく回避する。

 その血走った目に映るのは、脅え震える良平のみ。
 抱く本能は、弱者を蹂躙する快感。


良平:「あ、ぐあ……ひ……わああああああっ!!
   手元にあった、一番『馴染みのある』懐中電灯を無我夢中で振り回す。


 初めて経験する痛みと、
それに伴う恐怖で、良平は、まともに動けない。

 いや、動けても、何ができるというのか……、

 ――別に『それ』がもたらす効果が分かってたわけではない。

 ただ、ひたすらに……、
 眼前の恐怖から逃げ出すだけの為の行動……、

 無我夢中で降った懐中電灯が、たまたま、サルの目に当たった。


ボス猿:「――グギャッ?」
    洞窟内を、懐中電灯の光が乱舞し、その光が、偶然にも、猿の両目を焼いた!
    これで、このターンだけ、命中修正−2です。
マルタ:「……図らずも、光の剣ですわね」
    ライトマと同じ効果なわけですね。
ソレイユ:そのようですね……、
     そして、GM……そろそろ、時間が危険域なのですが?
GM:むっ? じゃあ、ここからは演出でいきましょう。
   追い詰められた魔猿の怒りと興奮が頂点に達し、狂気的な雄叫びを上げる。
ボス猿:
「ヴギャァァァギャギャギャギャ!!」
良平:「ひ、ひぃぃぃっ!?」
雪歌:「いけない! 中途半端に追い詰め過ぎた!?」
GM:すると、なんと、ボス猿の筋肉が見る見るうちに肥大し、
   今までよりも、なお、ふた周りも大きな巨大な魔物へと変貌する。
   肥大した筋肉は、その運動性すらも上げていた!
   誰にも反応できない早さで、良平へと飛び掛かるっ!!
ボス猿:
「――ガァァァァァッ!!」
マルタ:「しまった――っ!」
雪歌:「良平っ!!」
良平:「く、来るな……来るなよ、来ないでくれよぉ……」
   腰が抜けた状態で、必死に後ずさりするものの、
   その動きは、あまりに緩慢……、
   迫り来る魔物の前に、もはや恐怖を訴える叫びすら出ない。


 魔物に組み敷かれる良平――

 そして、狂気の牙が、
良平の頭を噛み砕こうと、大きく開かれ――


「勇者様! 剣を、そのまま正面に突き出してっ!」


 ――マルタの叫びが耳に入り、良平は思い出す。


「斬るより、突く……そういえば……?」


 ――血飛沫が散った。

 大量の血が、良平の前進を染める。
 だが、その血は、良平のモノではなかった。

 マルタの声に反応し、無造作に突き出された剣……、

 魔物の勢いと自重もあったのだろう。

 その切っ先は、魔物の口を、
頭蓋を、脳髄を、見事に、一直線に刺し貫いていたのだ。


マルタ:「――勇者様!!」
    慌てて駆け寄って、魔猿の死体の下から引っ張り出す。
雪歌:「良平! 怪我は無い!?」
ソレイユ:「傷を見せてください、治癒魔術も使えますから!」
良平:「い、いやだ……まだ死にたくない……」
マルタ:「落ち着いて! アイツは、あなたが倒しました!」
良平:「倒した……俺が……殺した?」
マルタ:「はい、偶然、かもしれませんけど、
    ちゃんと身を護る術を覚えておいて下さったから、
    生き残るべくして、あなたは生き延びましたわ」
良平:「殺した……俺が……う、うぷっ……」
   呆然と眼前の横たわるサルの死体を見つめ、
   その、剣に刺し貫かれた魔物の頭の凄惨な光景に吐気を催す。
GM:その手に残るは、肉を裂く感触と、頭蓋を砕く音……、
   あまりにも生々しい手応え……、
良平:フラフラと立ち上がり、
   三人の前から逃げるように距離を置くと、口から嘔吐物が流れ出る。
   それは、子供の頃、風邪を引いて吐いたのとは、全く違う感触……、
   ひとしきり吐いた後、どうにも、三人の元に戻る気も起きず、
   そのままへたり込み、呆然と皆を眺めるばかり……、
マルタ:「ソレイユさん、エリファスくんの治療、お願いいたしますわ。
    私は、証拠取りをする必要がありますので……」
    淡々と、魔猿のボスを倒した証拠である首を切り落としに掛かる。
ソレイユ:「それでは、そちらはお任せします」
雪歌:「他に攫われた人が居ないか、探してくるよ」





「あの三人……なんで、あんな事起きたのに、平気なんだろう?」





 それが当たり前のように……、

 淡々と作業する彼女達の姿に、
良平は、嫌でも、実感せざるをえなかった。










 ああ、本当に……、

 ここは、異世界なんだな……、





<後編に続く>
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注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。