GM:さて、新PTのセッションを始めます!
   皆さん、事前に見せたハンドアウトに従って、PCを作ってきましたか?
ソレイユ:とうとう、LQTRPGも、ハンドアウト制を導入ですか。
雪歌:このルールだと、GMは、シナリオを組み易いんですよね。
   予め、PCの設定を指定できるから。
マルタ:PLが自由に作った設定を利用して、シナリオを組むのも楽しいんですけどねぇ。
GM:それは、もう、ふぁんぶら〜ズでやったし?
   あのキャンペーンの大筋は、ケイオスの設定を見た瞬間に決まったようなモンです。
雪歌:だから、今回は、ハンドアウト?
GM:そう、このルールを用いる事で、ある程度、シナリオを固定し、
   LQ世界に隠された設定を明かしていこうと思っています。
良平:でも、俺みたいな無個性な主人公で良いのか?
GM:寧ろ、好都合です!
   召喚モノの物語では、主人公は無個性こそが理想的!
良平:誉められてるような気がしない……、





GM:というわけで――
   新しい冒険の始まり始まり〜♪

一同:よろしくお願いしま〜す!






『Leaf Quest TRPG』リプレイ

すとれんじゃ〜ズ冒険譚 1

『そらのおとし者』 前編







―― PHASE-00 ハンドアウト&今回予告 ――


GM:え〜、まず、読者の為に、PLの皆さんに、事前に提示した、
   ハンドアウトと今回予告を公開します。
   若干、ハンドアウトとPLの設定に差異がありますが、
   そのへんは、誤差の範囲内なのでよろしくです。


PC1用ハンドアウト
コネクション:PC2 種族:人間(男) 職業:自由


ここは、現代日本――
東鳩高校に通う、ごく普通の学生であるキミは、
とある理由で、懐中電灯を片手に、夜の校舎を歩いていた。
その目的を果たし、帰宅しようとした、その時……、
突然、足元に現れる魔方陣――
そして、キミは、状況を理解できぬまま、意識を失った。



良平:俺の名前は『矢矧 良平』。
   東鳩高校に通う、ごく普通の高校2年生だ。
   ……東鳩高校ってことは、HtHの世界って考えて良いのか?
GM:はい、良平は、HtH本編の世界に存在する人物です。
   良平のクラスは2−Dで、クラスメイトには『佐倉 優季』や『高杉 浩治』がいます。
良平:……どっかで聞いた名前だな?
GM:詳しくは、HtH本編で♪


PC2用ハンドアウト
コネクション:ローズ=ケリー 推奨種族:人間(女) 推奨職業:魔術師


花園都市フロルエルモス近隣にある小さな村――
キミは、その村で、とある儀式を始めようとしていた。
それは、ローズという魔術師から授けられた魔方陣……、
村の窮地を救う為、キミは、魔方陣を発動させる。
それが……キミの冒険の始まりであった。



雪歌:私の名前は『鞍馬 雪歌』です。
   名字でも分かるように、ふぁんぶら〜ズの綾の妹です。
GM:妹だけど、姉よりも胸がデカイです。(笑)
雪歌:それは言わないで〜っ!(泣)
   ところで、ローズって……アレスタの事ですよね?
GM:うん、そうだよ。
雪歌:……何処にでも出てきますねぇ。
GM:いや〜、便利なキャラになったもんだ。
   アレスタがいれば、大抵の事は、何とか出来ますから、
   助っ人とか、後始末とかに重宝します。(笑)
   何より、自分のPCだから、好き勝手にできるのが良い。(爆)
雪歌:私は、そんなアレスタ……じゃなくて、ローズに憧れて、
   弟子入りを志願しています。


PC3用ハンドアウト
コネクション:エリファス=レヴィ 推奨種族:エルフ・ダークエルフ(男or女) 推奨職業:自由


キミは、敵討ちを果たす為、旅をしている。
仇敵の名は『エリファス=レヴィ』。
長寿のエルフにとって、この名は、忌名でもあり、各集落で、魔王として恐れられている存在だ。
白い魔王は、幾度となく、エルフの集落を襲い、大きな災厄を齎した。
その被害は甚大で、エルフの集落は、否応無く、人間に助力を求めなけれはならない事態となった。
ただ、不思議な事に、どんなに被害が大きくとも、死人だけは出ていなかった。
――しかし、ここに、例外があった。
キミの親は、キミの目の前で、白い魔王に殺されたのだ。
キミは、フロルエルモスに、白い魔王と同じく、
砲撃を得意とする魔術師がいると聞き、イアル島へとやって来た。



ソレイユ:エルフの『ソレイユ』です。
     設定はハンドアウトの通りで、多分、アレスタっぽい仇を探しています。
GM:まだ、アレスタと決まったわけじゃ……、
ソレイユ:白い魔王なんて、アレスタ以外の誰だと?
GM:な○は参戦という可能性は?
ソレイユ:あんなの敵に回すなら、
     仇討ちなんて、スッパリと忘れて、新しい人生を歩みます。
     なにせ、私、キャラ作成でB値が1になったので、HPが6点しかありません!
GM:最大HP6!? 1クレ○ポかよ!?
ソレイユ:とういうわけで、虚弱体質のエルフです。


PC4用ハンドアウト
コネクション:夢の少女 種族:ドワーフ(男or女) 職業:自由


キミは、1人で旅をしている。
目的は、己が仕え、守るべき、勇者を探す為に。
いつも、夢に出てくるのだ。
美しい盾を持った少女の夢を。
――彼女は言う。
「守りたい――守りたかった――守れなかった」
その少女の哀しき想いに突き動かされるように、キミは旅を続ける。
そんなキミは、古代魔法王国時代の勇者の伝説を耳にする。
勇者『アナスタシア』――
フロルエルモスに現れ、聖なる光の剣を振るい、世界を救った女剣士――
その伝説を追い、キミは、イアル島に立つ。


マルタ:『マルタネッタ=ラクシャリィ』と申します。
    フロルエルモスの貴族の一人娘で、フローレという友達がいます。
GM:フローレって……花の精霊王の?
マルタ:はい……と言っても、私は、彼女が精霊王だなんて知らないんですけどね。
GM:そのコネクションは有効すぎるなぁ……、
   ギャグキャラ特徴のスロットを1つ埋めておいてね?
マルタ:もちろん、そのつもりです。
    あ、それと、M値が2なので、最大MPは4しかありません♪
GM:色んな意味でひ弱なPTだな! 面白い!(笑)
   大惨事の予感しかしないぜ!!
   では、続きまして、今回予告をどうぞ!


―― 今回予告 ――

異世界からの来訪者――
それは、世界を救う偉大なる勇者――

――とは限らない。

不幸にも、異世界から召喚されたのは、
何の取り柄も無い平凡な少年だった。

少年の、その頼りない双肩に……、

本人の意志に反して……、
と言うか、完全に無視されて……、

半ば強引、かつ大雑把に、世界の命運は託される。

すとれんじゃ〜ズ冒険譚 第1話「そらのおとし者」

少年よ、大志を抱け――
取り敢えずで良いから――



良平:取り敢えずで良いのか?
GM:セッションを重ねていく事で成長してくれると嬉しいなぁ。
   良平って、過去に後ろ暗いことがあるでしょ?
良平:高校一年の時、マルチ関係でな。
   俺も、あいつに、掃除とか買い出しとか押し付けてた一人なんだよ。
GM:詳しくは、To Heartのマルチシナリオで。(笑)
良平:――疑念を抱いてはいた。
   でも、何もしようとせず、周囲に流されて……、
GM:別に自分がやらなくても、誰かが――みたいな?
   わざわざ、周囲から孤立するような真似なんて――みたいな?
良平:まあ、そんなところかな。
   良くも悪くも現代っ子なわけだ。
   そのへんが、この冒険で成長できると良いな〜。





―― PHASE-01 日常から非日常へ ――


GM:キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン……、
   キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン……、
   現代日本の東鳩高校――
   放課後を告げるチャイムと共に、2−Dの教室がざわめき始める。
   真っ直ぐ帰宅する者、部活の準備をする者、友達と雑談をする者……、
   そんな生徒達の中で、良平もまた、部活に向かう準備をしています。
良平:「さ〜てと……今日も、つらつら絵でも描きに行くか」
   カバンに教科書とノートを突っ込み始める。
???:「あの……矢矧君、ちょっと良いかな?」
GM:では、そんな良平に、クラスメートが話し掛けて来ます。
   話し掛けてきたのは、赤いリボンをつけた女生徒『佐倉 優季』です。
良平:「……え、どうしたん?」
   そんな話する間柄ってわけでもないのに、どうしたんだ?
佐倉:「えと、実は、お願いがあるんだけど……、
   今日の掃除当番、代わってくれないかな?」
良平:(はいはい、どーせ、そんなこったろうと思いましたよ)
   声には出さずに、内心でブツブツと呟く。
GM:では、絶句する良平に、優季は、その理由を話してくれます。
   理由を訊くと、幼馴染の『高杉 浩次』のお見舞いの為、病院に行く、とのこと。
   温泉旅行の途中、交通事故に遭った高杉家――
   その事故で両親は亡くなり、妹『歩』は軽傷で済んだものの、
   兄『浩次』は、ずっと意識不明だった。
   だが、つい先日、彼が目を覚ましたそうで……、
   それまで、元気がなかった優季に、
   春の陽だまりのような笑顔が戻ったのは、まだ、キミの記憶にも新しい。
佐倉:「それで、今日は、どうしても遅れられないの。そういうわけで、お願い」
   パンッと手を合わせ、上目遣いで、君の返事を待っています。
良平:「ああ、分かった分かった。
   そういう事情じゃ、断るわけにはいかないじゃないか。
   まあ、部活は急ぎってわけでもないし……、
   掃除ぐらいなら、俺がチャチャッとやっておくよ」
   断る理由が全く見当たらないし……、
   というか、これで断ったりしたら、正真正銘の外道だ。
佐倉:「――ありがとう! 矢矧君、今度、ちゃんとお礼するからね!」
   と言い残し、ダッシュで教室を出て行こうとして……、
   コテッと転ぶが、すぐに立ち上がって去っていきます。
良平:「……ドジ標準装備なのか」
   呆れつつ、掃除をしようか……で、何処を掃除するんだ?
GM:担当する場所は裏庭です。
   良平が、そこに向かおうと、教室を出ると――
マルチ:「とぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁーーーっ!!」
    『何か』が、キミの前を通り過ぎていく。
    ご存じ『マルチ』です。楽しそうにモップ掛けをしています。
良平:「……相変わらず頑張ってるなぁ、あいつも」
   と、呟きつつ、チクリと胸に痛みを感じる。
GM:去年、皆から掃除当番を押し付けられていたマルチの姿が、良平の脳裏に甦る。
   その『皆』の中には、良平の姿もあった。
   疑問は抱きつつも、周囲に流されるまま、それが当然であるかのように……、
   何もせず、ただ、見ているだけだった自分を思い出し、心が痛む。
???:「クスクス……ホント、元気よねぇ」
    と、マルチを見送る良平の後ろから、
    聞き覚えのある声がして、キミの胸の鼓動が跳ね上がる。
良平:「ったく、あいつもとんだお人良しだよ。
   別に、今は掃除を引き受ける義務なんてあるわけじゃないのに――いいっ!?」
GM:慌てて、振り向くと、そこには、部活の先輩である眼鏡を掛けた女生徒がいます。
   彼女の名前は『古見 いちご』――
   良平のキャラクターシートに記されている『憧れの先輩』です。
良平:「えっ あ、その、はい、そうですね、元気ですよね。
   なんというか、純真無垢を絵に描いたような!
   いや、人間だって、いつもあんなテンションでいられるのは難しいっていうのに、
   ええ、本当に頑張ってますよ」(心臓バクバク)
いちご:「去年は、色々と大変そうだったけど……、
    今はすっかり、この学校の生徒として溶け込んで、とても楽しそう。
    やっぱり、彼のおかげなのかしら?
    ええと、確か、三年の――」
良平:「藤田……先輩でしたっけ?
   そうですね、本当に、いい理解者がいてくれて……」 
   と言いつつも、藤田浩之の名前が出て、また胸が痛む。
いちご:「そうそう、藤田君……、
    羨ましいな、私にも、いつか、ああいう人が――」
良平:「た、多分、おそらく……いや、その……、
   せ、先輩にも現れますよ、そういう人!!」
   いや、本当は現れて欲しい……ってわけじゃないんだけど……、
   だって、そんな奴は、多分、俺なんかじゃ……、
いちご:「そ、そう? ありがとう……、
    と、ところで、矢矧君は今日は部活には来られるの?」
    と、ポロッと口から零れてしまった言葉に、
    慌てて、口に手を当てると、ややわざとらしく話題を変える。
良平:「あ、えっと……掃除の代役引き受けたので、少し遅れます」
いちご:「代役? 優しいのね……もしかして、相手は女の子?」
良平:「そ、そうですけど、いや、その、別に、
   女の子だからって引き受けたわけじゃないんですよ」(わたわた)
   男だろうと、女の子だろうと、止むを得ない事情があれば、
   頼まれたら引き受けないと……せめて『それくらい』は……、
いちご:「冗談冗談♪ じゃあ、掃除の代役がんばってね」
    と言い残し、いちごは美術室に向かって立ち去ります。
良平:「はい、なるべく早く済ませますのでー!」
   二人で話が出来ただけでも、今日は幸運だったと言うべきなのかなぁ。
   しかし、俺の名前、覚えててくれてたんだなぁ。
GM:なんて事を考えつつ、良平が裏庭に着くと、もう他の当番達が掃除を初めています。
女生徒:「あれ、矢矧君? 佐倉さんは〜?」
良平:「あー、高杉が目を覚ました、って言うんで、病院へ直行した。
   で、俺が代役を頼まれた」
女生徒:「あー、なるほど。そういうことね。
    ――よかったね、矢矧君。
    もし断ってたら、ウチのクラスの女子から総スカンくらってたよ?」
良平:「……流石に、そこまで人間関係を読めなくはない」(汗)
   と、竹箒を手に取って、手馴れた感じで地面を掃き始める。
GM:とまあ、そんな話をしつつ掃除をして、
   それが終わると、当番達は、皆、良平に道具を押し付けてきます。
生徒達:「じゃー、遅れてきた奴が片付けな♪
    掃除が終わったって、先生には、俺が言っとくから」
    「じゃーねー♪」
    「古見先輩によろしくなー」
良平:「ちょっ……こんなに纏めて持って行けないって!!
   だいたい、何で代役なのに、遅れた責任とらなきゃならん!
   ってゆ〜か、先輩は関係無いだろぉぉぉっ!!」
GM:良平の叫びは、見事にスルーされ、裏庭にポツ〜ンと取り残されます。
良平:「俺も、あいつに、こんな風に掃除押し付けてきたのかなぁ……、
   いくら、流されてとはいえ……いや、違う。
   流されたんじゃない……俺だって押し付けた張本人じゃないか。
   まだ、言い訳してんのかよ、情けねぇ……」
   少し気分が重くなりながら、掃除道具を片付ける。
GM:では、そんなことをブツブツ言いつつ、道具を片付けようと、掃除道具倉庫に行くと、
   大量のダンボール箱の山を前に、困り果て、途方にくれている少女を発見します。
良平:「ん、どうした?」
   その女の子に声を掛け――
GM:少女は、
かなり小柄で、ピンク色の髪のツインテールで、
   
ある意味、この学校で一番の有名人です。(爆)
良平:――ようとした途中で、
回れ右っ!
   
背を向ける、顔を背ける! 例え、それが無駄な努力でも!
   あの女は、関わっちゃダメな奴の筆頭だ!
???:「――むむっ!?」(キラーン☆)
    その少女と、良平の目がバッチリと合った。(笑)
良平:
「回れ! 回って下さい、俺の首っ!」
???「ぬふふふふふ……逃がさんぞ〜!
   いたいけな少女が困っているのに、見て見ぬふりとは何事だ!」
   良平の首をガッシリと両手で押さえて、回らないようにする。
良平:「いや、見てない見てなかった!!
   俺は知らない! うん、そうだ、これは夢だ!
   夢ににんべんを書いて儚いって……ぐぎぎぎぎぎぎ!!」
まーりゃん:「まーまー、とりあえず、俺様の話だけでも聞いていけ。
      絶対に、損はさせね〜からよ〜」
      というわけで、この少女は、
      ご存じ、キミと同学年で生徒会長の『まーりゃん』です。
良平:「いやだぁー! 俺は何も知らない、あんたなんか知らない!
   困ってるのなんて見ていない!
   これは夢だ、幻想だぁぁぁぁぁ!」
まーりゃん:「(無視)いやー、ちょっと悪ふざけが過ぎたみたいで、
      先公にバツ当番を押し付けられちまったい。
      まあ、自業自得と言っちゃそれまでなんだが、
      さすがに、こんな重そうなモンをか弱い女の子一人で運ぶのは無理だと思わんかね?」
良平:「……カヨワイオンナノコッテダレデスカ?」
まーりゃん:「目の前いるだろうがよ?」(にっこり)
良平:「外道生徒会長だったら目の前にいるけど」
まーりゃん:「ふっふっふっ、諦めなチェリーボーイ♪
      一つ聞くが、ここで素直に言うことを聞くのと、
      強引に逃げるのと……後々のことを考えると、どっちがマシかな?」
良平:「で、でも、早く部活に行かないと……」
まーりゃん:「堅いこと言うなよ〜。男が硬いのは一部だけで充分だって。
      ダダとはいわないそ? ほれほれ♪(スカートぱさぱさ)
      よし、見たな? 白だったよな? じゃあ、あとは任せた♪」
良平:「ちょ、ちょっと待て! 手伝うとかじゃないのかよ!?」
まーりゃん:「去年みたいに、後になって『後悔』するよかマシだろ〜?」
      と言いつつ、脱兎の如く消えてしまいます。
良平:「くそっ、見たくも無いモン勝手に見せて、何をふざけた事抜かしてやがる!」
   思わず、箒を地面に叩きつけてしまう。
???:「あ〜、アレが相手じゃ仕方ない。
    お前は悪くないよ……ともかく、災難だったな?」
良平:「――えっ?」
   声がした方を向く。今度は誰だ?
GM:そこには、松葉杖をついた女顔の男子生徒がいます。
   この学園では、おそらく、噂のバリエーション数はナンバー1な『藤井 誠』です。
良平:「藤井か……もう、登校出来るくらいには回復したのか?」
誠:「ああ、まあな……それより、手伝うか?
  軽いのくらいなら、なんとか……」
  と、誠は、松葉杖をつきながらも、ダンボールを持とうとします。
良平:「あ、いや、さすがに松葉杖ついてる奴に手伝ってもらうわけにはいかないよ」
誠:「そうか、悪いな……、
  じゃあ、アレのことは俺の方で、キッチリとチクッとく♪」
良平:「ああ、宜しく頼む……、
   コイツは、まあ、適当なトコまで運んどくよ。
   どうせ、全部、アレの責任なんだし」
誠:「賢明だな……それじゃ」
  と、ちょっと申し訳なさそうに去っていきます。
良平:「さて、と……適当にやっとくか。
   しかし、あのまーの奴め……、
   厄介事押し付ける事にかけては天才的というか――」
   そこまで考えて、また胸が痛む。
   同じじゃねぇか、俺だって……、
GM:さて、ここから一気にシーンをすっ飛ばします。
   良平は、一応、押しつけられた仕事を終え、部活も無事に終わりました。
   で、家に帰り、夕食を食べて、風呂に入って……、
   さあ、寝ようか、と思ったところで……学校に忘れ物をした事に気付きます。
良平:忘れ物って……?
GM:
スケッチブックです♪
良平:
ぶっ!? もしかして、アレか?!
   
先輩の似顔絵を、やたらめったら描いてあるやつか!?
GM:そう、中身を他人に見られたら、
   色々とマズイことになりそうなスケッチブックが、鞄の中にありません。
良平:「――な、無いっ! 無いぞっ!?
   ど、ど、どどど、どこ行っちゃったんだよぉっ!?
   どうする?! どうしよう!? 何処だよ、何処いっちゃったんだよ!!
   あれ、見られたら、どうするんだよぉっ!!」
   鞄の中身をぶち撒けて、一つ一つ確認するも、見つからない。
GM:そして、良平は思い出す。
   佐倉とのやり取りの中で、アレを鞄に入れ忘れたのでは、と……、
良平:「も、もしかしたら、教室に忘れたんじゃ……?
   いや、そうだ! そうに違いない、てか、そうあってくれっ!
   どうする? 朝一番で教室に行くか?
   いや、確実に俺が最初ってわけでもないし……そ、そうなると……」
   想像したくも無いのに、何故か想像してしまう。
   アレの中身を、まーりゃんに見られてしまう事を……、


まーりゃん:
『にょほほほほほほほほっ♪』(←良平の脳内イメージ)
      スケッチブックを片手に、高笑いをする。


GM:さあ、懐中電灯を持て、学校に行くが良い!
良平:「やべぇっ! ここで、明日まで待ったら、確実に、あいつに確保される気がする!
   くそぉっ、あいつには、あいつには見られてたまるかあっ!!」
   何が何でも、アレを確保しなければ!
   懐中電灯を持って、家を飛び出すぞ!
GM:では、懐中電灯を片手に、祈るように夜の学校へと侵入し……、
   スケッチブックは、無事、教室でゲットできました。
良平:「――俺の予測的中! 人生の危機はひとまず避けられた」
GM:その帰り道――
   窓から差し込む月明かりの下、懐中電灯片手に、廊下を歩く。
   カツーン、カツーンと、夜の学校の廊下に、キミの足跡が響く。
良平:「しかし、夜の学校って、ここまで薄気味悪いのか。
   何でも、黒魔術やら幽霊がいる部があるとか……?」
GM:夜の校舎の不気味な雰囲気に、良平の足音のリズムが速まる。
   が、唐突に、その足音が……いや、周囲から音が消えた。
   世界の色が反転し、その場から、一歩も動けなくなってしまう。
良平:
「――なっ!?」
GM:次の瞬間、足元に浮かび上がる不可思議な模様……魔方陣。
   その魔方陣から、光の奔流がほとばしり――
良平:
「な、何だよ、これ――!?」





 ――その光の中で、良平は意識を失った。





―― PHASE-02 押し掛け弟子 ――


GM:続いて、雪歌のシーンです。
   確か、雪歌には、憧れの人がいるんですよね?
雪歌:はいです。キャラクターシートの設定にも書いてあります。
   ローズ=ケリーという立派な魔術師です!
GM:その『憧れの人』に関する情報を、雪歌はナカザキで得る事が出来ました。
   どうやら、そのローズという人物は、イアル島にいるそうです。
雪歌:――イアル島?
GM:カノン王国の南にある島です。
   花園都市フロルエルモスがある島って言えば分かりやすいかな?
   そのフロルエルモスの南に広がるタリムの森の奥に、ローズが住んでいるそうです。
雪歌:それは、早速、行かなくちゃ!
GM:というわけで、雪歌は単身……使い魔の燕『ラスティ』も一緒ですね。
   まあ、とにかく、雪歌は、イアル島へと渡り、
   タリムの森を、奥へ奥へと進んでいます。
   そして、ついに、森の中にポツンと建つ小さな小屋を発見しました。
雪歌:「『あの人』が、ここに……、
   人が住めそうな場所は、あれだけみたいだし……居るかな?」
   コンコンと、小屋の扉をノックします。
???:「――誰じゃ?」
    と、小屋の中から返事がありました。
    その声は、あなたの記憶にある『あの人』の声と同じです。
雪歌:「ナカザキから来た、鞍馬 雪歌といいます。
   ローズ=ケリーさんを訪ねてきました」
   ああ、あの人の声だ、と歓喜に震えながら名乗ります。
ローズ:「いかにも、ローズはわしじゃが――なに、鞍馬じゃと?」
    と、何やら驚いた様子で、乱暴にドアが開けられます。
    すると、中から出て来たのは、メイド服にハタキを持った幼女です。
雪歌:お取り込み中……というか、お掃除中でしたか?
   メイド服なんて、恰好から入ってるところが、ローズらしいですねぇ。
ローズ:「――鞍馬と言ったな?
    おぬし(体の一部を見て)……あれ(綾)の姉か?」
雪歌:「それって……綾姉さんのことですか?
   というか、ローズさん、姉さんの事を知ってるんですか?」
ローズ:「姉じゃと? いや、どう見ても、おぬしの方が……、
    いや、まあ、それはともかく……確かに、鞍馬 綾のことは知っておる。
    詳しくは話すと長くなるが、色々とあっての……」
雪歌:「は、はあ……」
   聞かない方が良いかも、と解釈しておきます。
ローズ:「まあ、とにかく上がれ。
    アレと妹と言うのであれば、無下に追い返すわけにもいくまい」
    と、ローズは、家に入るように勧めます。
雪歌:「――ありがとうございます!」
ローズ:「まあ、散らかっているが、適当に座れ。
    今、茶でも出してやろう。(くるくる)レモンティーで良かったかの?」
    家に入ると、どうやら、工房整理をしている途中だったようです。
    色んな道具や本が乱雑に積み上がっています。
    それらを適当にどかし、スペースを作ると、
    ローズは、魔方陣を描き、それで作ったレモンティーを振舞ってくれます。
雪歌:「は、はい!」
   これからのこともあり、緊張でガチガチに固まってる。
ローズ:「……で、あれの妹が何の用じゃ?」(ズズー)


雪歌:「――弟子にして下さいっ!」(土下座)

ローズ:「だが、断る」(キッパリ)


雪歌:「やっぱり駄目だった〜……、
   予想はしてたけど、直接聞くとヘコみます〜」(ガクッ)
ローズ:「わしみたいな時代遅れの技を使う者に師事してどうする?
    だいたい、魔術師としての資質なら、おぬしの方がよほど――」
    と、言い掛けて、何かゴニョゴニョと呟くと、
    にや〜りと妖しい笑みを浮かべ……、
雪歌:「……う?」
ローズ:「コホンッ……あー、なんだ……、
    おぬしの態度次第では、弟子の件、考えてやっても良い」
雪歌:「――本当ですか!?」
   妖しい、妖しいけど……飛びつくしかないじゃないか!
ローズ:「うむ……では、問おう。
    弟子としての仕事の基本は何じゃたかなぁ?」
    と、言いつつ、わざとらしくハタキを振って見せる。
雪歌:「お師匠様の身の回りのお世話、です」
ローズ:「うむ、その通りじゃ。わしは忙しい身の上でな。
    見ての通り、工房の整理もままならん。
    そこで、お前に、ここの整理を任せたいのじゃが……、
    安心しろ、基本的に危険な物は特に無い」
雪歌:「基本的に、ですか……やはり取り扱いが危険な物も?」
ローズ:「まあ、それなりにあるが……、
    そういうモノには、ちゃんと封印がしてある。
    ――で、どうする?」
雪歌:「もちろん……一生懸命、奉公させて頂きます!」
ローズ:「よく言った! では、今より、おぬしはわしの弟子見習いじゃ!
    わしを師事する間、服装は黒のゴスロリに限定する!」
雪歌:「はい! ゴスロリとか……私に合うのかなぁ?」
ローズ:「わしは留守にすることが多いが、その間、工房の整理と掃除を頼む。
    わしがいる時は、研究の見学をさせてやろう。
    わしが留守の時は、そのへんにある本でも読んでおれ」
GM:とまあ、そんな感じで、雪歌の弟子見習いライフが始まります。
   本を読んだり、掃除したり、本を読んだり、整理したり、本を読んだり――
雪歌:
見学が無い!? 師匠、全然、帰って来ない!?
   
私、掃除と自主学習しかしてない〜っ!
   ……まあ、師匠の魔方陣コレクションを見るだけでも勉強になるのかな?
GM:とまあ、そんな生活をしていると、留守にしているローズから、
   通信用の水晶玉による連絡が入ります。
雪歌:「ええと……お掃除、お洗濯終わった、あとは……あれ?」
ローズ:『もしもし、弟子(仮)、聞こえるか?」
雪歌:「はい、聞こえます」
   黒のゴスロリ服に着替えて、応答します。
   まだ、照れがあるので、少し頬が赤い。
ローズ:『おぬしに任せたい仕事がある。
    タリムの森を南に抜けたところに小さな村がある。
    そこへ赴き、わしが用意しておいた魔方陣を発動させるのじゃ。
    岩でもなんでも良い。一日に一つずつ、同じ魔方陣を村の四方に設置し、
    最後に、村の中央に最後の魔方陣を描けば良い』
雪歌:「解りました。 どんな魔方陣なんですか?」
ローズ:『魔方陣は、この水晶玉が置いてある、
    戸棚の中にしまってあるはずじゃ。それを持っていけ』
    ローズは、それだけ言うと、通信を切ってしまいます。
雪歌:「通信切れちゃった……戸棚の中、だっけ?」
GM:戸棚を探すと、魔方陣が描かれた用紙が2枚出てきます。
   この用紙の、どっちかを使えば良さそうです。
   一見すると、どっちも同じように見えますが、
   ここで、多少は学んだ雪歌なら、微妙に違いがある魔方陣だと分かります。
   ただ、その違いは、本当に僅かで、いかにも、引っ掛ける気満々な感じです。
雪歌:「……こっち、かな? ああああ、でも間違ったらどうしよう。
   折角、見習いになれたのに、ここで失敗しちゃあ……」
GM:その時、雪歌の脳裏に師匠の姿が思い浮かぶっ!
   
『この程度の陣を間違えたら、即破門♪』
雪歌:
ですよね〜。(笑)
   働かせるだけ働かせた後、適当な理由を付けて破門する気でしょ?
   相変わらず、性格悪いですねぇ。
   「何もしないと、きっと失望させちゃうよね……うん、覚悟を決めなきゃ、私っ!」
   躊躇ありまくりだけど、これを決めた1枚の用紙を持って、村に向かいます。





―― PHASE-03 父の仇 ――


GM:次は、ソレイユのシーンです。
   時間は、雪歌のシーンから、数日、遡ります。
   父の仇を求め、イアル島にやって来たキミは、
   その情報を得る為、フロルエルモスから、少し離れた村へとやって来ました。
   なんでも、最近、チャンバースタッフを持つ女魔術師が、
   この村に出入りしているそうです。
ソレイユ:父の仇である『災厄を招く白い魔王』――
     『エリファス=レヴィ』もチャンバースタッフを持ってるんですよね?
GM:はい、チャンバースタッフを持つ砲撃魔術師です。
   そして、あなたの記憶の中には、チャンバースタッフを持つ、
   ゴスロリ服の少女が、父を撃つ姿が、ハッキリと残っています。
ソレイユ:「その村に……やっと、手掛かりが?」
     村に着いたら、すぐに周囲を見廻して、酒場を探します。
     情報収集をするなら酒場から……人間の社会に出て学んだことです。
GM:小さいながらも、宿屋兼酒場が一件だけあります。
ソレイユ:「この村に、チャンバースタッフを持つ、
     ゴスロリ服の少女が居るそうですが?」
     と、店に入って、開口一番、注文すらせずに、店主に訊ねます。
GN:酒場で、注文すらせずに、モノを訊ねるとは……、
   街なら無視されたでしょうけど、ここは村なので、素直に答えてくれます。
店主:「あ〜? この村にエルフの客人たぁ珍しいだなや?
   んだ、確かに、そーゆー魔術師様ならいるっつーか、
   ここんとこ、毎日いらっしゃるけんども?」
ソレイユ:「毎日、ですか……今、何処にいるか分かります?」
店主:「んだんだ、毎日来て、村の周りに岩を置いて、何か描いてるけんども……、
   村長は自分が依頼した事だから気にしなくて良い、って言うが……何なんだべなぁ?
   で、その魔術師様なら、そろそろ、いらっしゃると思うがねぇ」
ソレイユ:「その岩の位置とか……わかります?」
店主:「んー、東西南北……昨日までで、ちょうど4箇所だったかな?
   おおう、思い出した! そういや、今日は、村の真ん中で何かやるから、
   場所を空けておいて欲しい、って頼まれてただよ。
   いや、あぶねあぶね、すっかり忘れてただ。
   お客さんのおかげで思い出せただよ」
ソレイユ:四方を囲む……もし、そうなら危険です!
     広域破壊の陣かもしれません!
     あれ? でも、自分が真ん中に居たら危険ですよね?
     まあ、それはともかく、店主にお礼を言って、店を出ましょう。
     村の真ん中で待っていれば、向こうから――
GM:では、酒場を出たソレイユですが、
   その酒場の隅で、何やら、うずくまっている少年の姿を発見します。
   少年の前には、積み上げられた石があり、それは、まるで墓のようです。
   少年は、その墓の前で手を組み、祈っています。
ソレイユ:「えっと……お祈りしてるの?」
     気になるので、声を掛けてみます。
少年:「うん……」
   少年は、生返事をしつつ、祈り続けています。
   「ごめんね、レヴィ……僕の為に……、
   でも、冒険者のお姉ちゃんが、仇をとってくれるからね」
ソレイユ:「レヴィって……お友達?」
     父の仇と名前が同じ? 偶然の一致、ですよね?
少年:「うん、僕が飼ってた犬……、
   僕の名前がエリファスだから、レヴィってつけたの」
ソレイユ:エリファスだからレヴィ?
     やっぱり関係が有ったんでしょうか?
     でも、魔王と呼ばれるモノから、名前を取るなんてしませんよね?
エリファス:「レヴィはね……魔物に襲われた時に、僕を守って死んじゃったの」
ソレイユ:「そっか……私も、お祈りして行って良い?」
エリファス:「……うん」
GM:では、そうやって、犬の冥福を祈っていると、酒場に、一人の少女がやって来ます。
   というわけで、雪歌は登場してください。
雪歌:「――こんにちはー!」
   カランッとドアを開けて、酒場に入ります。
店主:「おお、魔術師様、いらっしゃいだよ」
   そんな会話が、外にいるソレイユにも聞こえます。
ソレイユ:
「――っ!?」
     その声に反応して、顔を上げて、そっちを見る。
GM:すると、そこには、チャンバースタッフを持つ、ゴスロリ服姿の少女がいます。
雪歌:「今日は最終日なので気合入れて来ました!」
   スカートを翻し、軽快に杖を回してます。
ソレイユ:「何の、最終日、ですか?」
     ゆっくりと弓を引き、矢を突き付けながら、雪歌に問い掛ける。
雪歌:「……へ?」





―― PHASE-04 英雄の盾 ――


GM:最後は、マルタネッタ(以下マルタ)のシーンです。
   あなたは、幼い頃から、不思議な夢をよく見ます。
   その夢の中では、自分は、勇者を護る盾であった。
   しかし、最後の闘いにおいて、あなたは勇者を護る事が出来なかった。
   その後悔の念から、次第に、あなたは勇者に憧れるようになり、
   自分こそが、勇者を護る盾なのだ、と……、
   そして、この夢は、自分に与えられた使命を示唆しているのだ、と思うようになります。
マルタ:勇者を護る『盾の騎士』……、
    それが、私の使命なのですね……、
GM:さて、そんな夢を見るマルタですが、
   あなたの出身地であるフロルエルモスには、勇者アナスタシアの伝説があります。
マルタ:アナスタシアって……先代の勇者のことですよね?
GM:はい、LQ世界の設定上では、アナスタシアは、
   藤田浩之より一代前の聖剣の勇者……、
   つまり、第1次ガディム大戦時の聖剣の勇者となっています。
   で、フロルエルモスの中央広場には、勇者の像があり、
   それが、アナスタシアの像なのでは、と云われています。
マルタ:えっ? あの像って、藤井誠(女装Ver)ですよね?
    ということは、アナスタシアって――
GN:(無視)で、タリムの森の奥に住む魔術師が、
   その伝説に詳しい、という情報を得た為たマルタは、
   家宝の指輪を持って、そこに向かっています。
マルタ:「タリムの森に住む魔術師……、
    その人に会えば、もしかしたら、あのむ夢の意味が……」
GM:と、森の中を進んでいると、何処からか、子供の悲鳴が聞こえてきます。
???:
「だ、誰か……誰か助けてぇぇぇぇっ!!」
マルタ:
「――今、行きますわっ!」
    モーニングスターをかついで、悲鳴がした方に走ります。
GM:では、森の茂みを掻き分け、悲鳴が聞こえた方に向かうと、
   猿型の魔物に襲われそうになっている少年と……、
   そして、主人を守るため、魔猿と戦った犬の姿が……
   少年は、血まみれになった犬を抱きしめ、迫り来る魔猿の恐怖に震えている。
マルタ:
「永遠の彼方まで……消し飛びなさいっ!」
    モーニングスターを振りかぶると、全力で鉄球を投げつける。
    命中こそしないものの、魔猿と少年の間に着弾し、土埃が舞い上がる!
魔猿:「グルルルルル……ジュルルルル……」
   マルタの攻撃に驚いたのか、魔猿は即座に逃げ出します。
マルタ:「……ケガは、ございませんか?」
    敵が逃げたの確認してから、少年に振り返る。
GM:残されたのは、少年と、息絶えた犬の亡骸だけです。
少年:「レヴィ……レヴィ……目を開けてよ、レヴィ……、
   
うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
   身を案じるマルタの声も聞こえていないのか、犬を抱きしめて、少年は泣き叫ぶ。
マルタ:「レヴィさんと申されますのね、この勇敢な戦士は……」
    と、少年と視線を合わせる為、身を屈めます。
    どうやら、ここから、ソレイユさんのシーンに繋がるようですね。
GM:はい、それに合わせてプレイして頂けると助かります。
エリファス:「レヴィは……僕の一番の友達なんだ。
      でも、僕を守って……助けて、レヴィを助けてっ!!」
      犬の亡骸を抱えたまま、少年は、マルタにすがりつく。
マルタ:「残念ですが、レヴィさんは、もう……、
    私達に出来ることは、この子の魂を神の御許に還すことだけですわ」
エリファス:「そんな……僕のせいだ……、
      僕が、森に散歩に来たりしたから……」
マルタ:「――彼の顔を見てごらんなさい?
    あなたが不安に思っているような事を、考えている顔にみえまして?
    戦士に、騎士にとって最大の誉れは、己が護るべき者を守り抜くこと。
    それが、例え己が命を掛けることになったとしても……、
    立派に護りきっているではないですか……、
    今のあなたがすべき事は、泣き崩れる事じゃない、そうでしょう?」
エリファス:「じゃあ、僕は、レヴィに何をしてあげればいいの?
      ……僕に何ができるの?」
マルタ:「先ずは、彼を弔ってあげましょう。
    そして、次は誰かに護られるだけでなく、
    誰かを護られるくらいに、強くなりましょう……ね?」
エリファス:「うん……レヴィは、家の近くに埋めて上げたい……いいかな?」
マルタ:「では、私が連れて行きましょう。勇敢な騎士の小さな君主さん」
エリファス:「うん……ありがとう」
GM:少年に案内され、マルタは、とある村に到着します。
   彼の家でもある宿屋兼酒場の近くに、犬の亡骸を弔います。
マルタ:「ラクシャリィ公家、マルタネッタの名に置いて彼に守騎士の称号を……、
    そして、二柱の女神よ、気高き戦士の魂を、どうぞ迷わずに導かれますよう……」
    少年と一緒に、レヴィさんの冥福を祈ります。
GM:で、それが終わった後、少年がいないところで、
   彼の親である酒場の店主がマルタに話し掛けて来ます。
店主:「この度は、うちの子を助けてもらって、感謝してるだよ。
   レヴィは残念だったが……エリファスが無事で何よりだ。
   あなた様のおかげですだ」
マルタ:「いいえ、ねぎらいの言葉は、レヴィさんにかけてあげてくださいな。
    私は、何もしていないも同然なのですから」
店主:「いやいや、それでも、あなた様がいなかったら、
   うちの子もレヴィと同じ目に遭ってたべ。
   ところで、あなた様を冒険者と見込んで、ひとつ、お願いがあるだよ」
マルタ:「はて……私に出来ることだと宜しいのですが?」
店主:「あの子達を襲った魔物のことだべ。
   今まで、この村の近辺で、そんな魔物なんて出たことねぇだ。
   村長に話したら、もう対策は立ててあるって言うけんども、
   やっぱり、あんなのが近くにいると思うと不安で仕方ねぇべ。
   そこで、あなた様に何とかしてもらいてぇんだけんども?
   もちろん、退治して欲しい、までは言わねぇ。
   ただ、あいつらの巣の場所とか、活動範囲だけでも調べてもらいてぇだよ」
マルタ:「そうですわね、ああいう魔物が居るとなっては、私も放っては置けません。
    どこまで出来るかは判りませんが、この修行中の身で宜しければ、お力になりましょう」
店主:「おお、ありがたいべ。ちゃんとお礼はさせてもらうべ。よろしく頼むだよ」
マルタ:「では、朗報をお待ちくださいませ」
    ペコリと一礼して、先刻の森……魔猿の逃げていった方へ向かいます。
GM:そういうわけで、マルタは、魔猿を追って森に入り……、
   探し回る内に、奴らの巣らしい洞窟を発見しました。
   しかし、そこにいたのは、十数匹の魔猿の群れ……、
   さすがに、マルタ一人では、どうしようもない数です。
マルタ:「流石に、何の策も無しに、というのは愚かですわね。
    魔術師の方でもいれば……一度人の集まる場所に行って見ましょうか」
    敵に気付かれないように、こっそりと、村へと戻ります。





―― PHASE-05 勇者(?)召喚 ――


GM:さあ、ここから、本編の始まりです。
   シーンは、ソレイユが、雪歌に弓矢を突き付けたところから始まります。
雪歌:「え、え、えっ?」(混乱中)
ソレイユ:「答えてください、何が、今日で最後なんですか?」
雪歌:「えーと、今日、魔方陣を村の中心に描いて、
   発動させれば作業終わり、って意味なんだけど……、
   何かいけないことがあったのかな?」
ソレイユ:「何の為の、ですか……発動させたら、村が壊滅とか?」
雪歌:「発動させたら壊滅するような魔方陣なら、私、ここに居ないと思うんだけど……、
   だいたい、それなりの対応してもらってるのに、村壊滅とか、そんなことはしませんよ!」
   魔方陣の効果は、イマイチ知らないけど、そんなことを言われたら、流石に怒る。
GM:と、雪歌とソレイユが一瞬即発の中、
   マルタが、村に戻って来るわけですが……、
マルタ:「あらあら、まぁまぁ……緊迫していますわねぇ」
    と、言いつつ、ソレイユの弓矢をヒョイと取り上げる。
ソレイユ:「――あっ!?」
マルタ:「喧嘩するほど元気が余っていらっしゃるなら、ちょうど宜しいですわね」
    言葉を続けつつ、雪歌のチャンバースタッフも取り上げる。
雪歌:「――あうっ?!」
マルタ:「そういう無しは、後で、じっくりと本人同士の話し合いで確かめて頂くとして、
    ちょっと笑えない状況が、森の中で繰り広げられてますのよ?」
ソレイユ:「返して〜、父の敵が〜!」(ジタバタ)
雪歌:「言いががりで、村を壊滅させるとか言われたら、流石に誰だって怒りますよ!」
ソレイユ:「そんな格好(ゴスロリ)で、そんな武器(チャンバースタッフ)を使う人が、
     そんなに居るはず有りません!
     それに、ここには、砲撃使いが居って話が〜!」
マルタ:「お二人とも――」
    にっこりと笑って、二人の頭をガシッと掴みます。



「――少し、頭冷やそうか?」



雪歌・ソレイユ:「…………」(こくこくこく)
マルタ:「全くもう……村の近くで魔物が群れていると聞いても、
    同じように喧嘩していられますの?」
雪歌:「成る程、其の為の魔方陣!
   お師様も、もうちょっと説明してくれたら良いのに……」
ソレイユ:「其の為の……って、何の為のモノか判らない魔法陣を使う気なんですか?」
雪歌:「お師様は、自主勉強メインで、色々と教えてくれない方なので……」
ソレイユ:「……弟子?」(キョトン)
マルタ:「何が原因かは知りませんけれど、人違いで間違いないみたいですわね?
    では、話も纏まったところで、喧嘩よりも先にやることがある事を認識して下さいます?」
雪歌:「もちろんです! さあ、魔物払い(多分)の魔方陣の最終作業をするんですから、
   邪魔しないでくださいね!」
GM:三人でもめていると、村長らしき人物が話し掛けてきます。
村長:「えー、魔術師様? お取り込み中のところ申し訳ないのですが、
   村の中央広場の人ばらいができましたので、そろそろ――」
雪歌:「はい! すぐに始めます!」
ソレイユ:「いや、話はまだ――」
村長:「そちらのエルフの客人、何を憤っているのかは知りませぬが、
   こちらの魔術師様は、昔、この村を救って下さった偉大な魔術師様のお弟子様です。
   あまり失礼な真似はお控えください」
ソレイユ:「その、弟子と言うのが引っ掛かるのですが?」
村長:「そう、お弟子様です。あの偉大なる白き魔術師エリファス様の――」
ソレイユ:
「――その名前です!
     
エリファス=レヴィ、間違い有りませんね?」
村長:「ええ、間違いありません。
   わしが子供の頃、流行病に侵された村をお救いくださったのです」
ソレイユ:「あの魔王とも呼ばれる砲撃使いが、そんな事をするとは思えませんが……」
村長:「あのお方が魔王と呼ばれるわけがない。
   きっと、あのお方の名を騙るニセモノでしょう」
ソレイユ:「……貴方の師匠は砲撃使い、ですよね?」
雪歌:「ええ……ただ、私のお師様の名は、ローズ=ケリーですけど」
ソレイユ:「名を使うぐらい、やましい事がある、と」
雪歌:「それも言い掛かりじゃないんですか?」
ソレイユ:「その名前と砲撃使いであるという情報が揃うなら、
     疑う余地はありすぎだと思うのですが?」
マルタ:「話が平行線ですねぇ……」
村長:「エルフの客人、もし、お疑いなら、ご同席ください。
   そして、危険を感じたならお止めくだされば良い。
   まあ、そんなことはあり得ませぬが……、
   もし、魔術師様が魔王の手の者だというなら、とっくにこの村は滅んでおります」


 師匠を信じる雪歌――
 父の仇を討ちたいソレイユ――

 そんな二人が意見を譲るわけるなく……、

 結局、皆の立ち会いの下、魔方陣を発動せることになった。


GM:では、村の中央に置かれた岩に、
   雪歌は、ローズの指示通りの魔方陣を描き終えました。
雪歌:「――できた!」
   メモと照らし合わせて、間違いがないか最終確認します。
GM:最後の魔方陣が描かれた事で、村の四方の魔方陣が、淡く輝き始めます。
   発動の兆候が出ている証拠です。
雪歌:
「――発動っ!」
   最後の仕上げに、魔方陣に魔力を注ぎ込みます。
GM:雪歌の魔力によって、複合魔法陣が発動します!
   四方のの魔方陣によって、魔力が増幅され、それが中心の魔方陣へと集束していく。
   また、その流れが、村を覆う巨大な魔方陣を描き――
   集束した魔力が放出され、大きな光柱となっても天を貫く!

雪歌:「せ、成功したのかな……?」
GM:光柱によって、蒼天に浮かぶ雲が穿たれ、
   大きな穴を開けた後に、ゆっくりと霧散していく。
   一体、何が起こるのか――
   期待に満ちた眼差しで、一同は空を見上げる。
   そして……、
   そして……、
   そして……、



 ――何も起きない。


雪歌:「……あれ?」
マルタ:「あれですよね……不可視型の結界?」
雪歌:「嘘……何か間違えた!?」
GM:と、一同が首を傾げていると、上空から、何か聞こえてきます。
一同:
――はい?
GM:よ〜く耳を澄ませば分かります。
   それは……悲鳴です。
   ――というわけで、良平君♪
   夜の学校で、不可思議な光に包まれ、良平は、気絶したわけですが、
   そろそろ、意識を取り戻して良いですよ。
   ただし……
超☆自由落下の真っ最中ですけど♪


良平:
「うわぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!」


マルタ:「あの〜、なんか落ちてきてません?」
雪歌:「あれって……人、ですよねぇっ!?」
良平:「何っ!? 何で、俺、落ちてるんだ!?
   あ、そうか……これは夢だ!!落 ちる寸前で目が覚めるんだ!!
   だったら、早く覚めろよ! このままじゃ、本当に落ちる落ちる落ちる!!
   
ぎひええええええぇぇぇぇ!!」
   おい、GM! どーすんだよ、この状況!?
   このまま落ちて、地面に突き刺さるのか? 地面に人型の穴開けるのか?
   そんでもって『あ〜、死ぬかと思った』とかで終わらすつもりか?
   無理無理無理! そんなの無理だって!
   そんな真似ができるの、藤井だけだって!!
GM:大丈夫、大丈夫♪
   ちゃんと手段は考えて――
あっ。


 ここに至って、GMは。あるミスに気付く。

 そういえば、良平って、特異体質って設定だった。
 魔術では、助けられないじゃないか。(笑)


良平:
おい……?(汗)
GM:あ〜、ごめん。ちょっと手違いがあった。
   
そっちで何とかして♪
一同:
おぉぉぉぉいっ!?


 で、結局、雪歌とマルタの力技――

 落下してきた良平を受け止め、
その勢いのまま投げ飛ばす、という荒技で――


雪歌:投げ飛ばす事で、お互いが受ける衝撃を緩和したんです。
ソレイユ:限度ってモノがありません?
     あの高さから落ちてきたわけですし……、
マルタ:大丈夫です。落ちた時の衝撃というモノを考えています。
GM:その川澄チックに強引な理屈が気に入った!


 なんとか、良平は……、
 無事、着地に成功したのでした。


良平:
「すげぇ! ちょっと体が痛いけど、俺、生きてる!?
   
あの状況で、俺、生きてるよ!?」
マルタ:「だ、大丈夫ですかっ!? お怪我はっ!?」
雪歌:「どこか打ってない!? 私達、わかりますか!?」
良平:「あ、ああ……何とか助かったみたい。本当にありがとう」
マルタ:「良かった、目立ったケガは無いようですわ」
雪歌:「お師様ぁ〜、空から人が降ってくるなんて……、
   これは、ちょっと洒落にならないですよ」
良平:「ところで、ここって、学校だよな?
   どうしたんだ? 学芸会の練習か何か?
   いや、それにしては見たこともない人ばっかり……?」
GM:と、そんな皆さんの会話を遮るように、突然、村長が叫びます。


村長:
「勇者様じゃぁぁぁぁぁっ!!」(感涙)

一同:
「――はいぃぃぃぃっ!?」


村長:
「偉大なる魔術師のお弟子様が、我らの危機を救う為に、
   
光の剣を携えた勇者様を呼んでくださったぞぉぉぉぉぉっ!!」
村民:
「うおぉぉぉぉぉぉっ!!」
雪歌:
「――ゆ、勇者ぁ!?」
マルタ:
「勇者!? 勇者様ですの!?」





村長:
「勇者様、どうか、我が村の危機を
   御救いくだされぇっ!!」(超☆土下座)

良平:
「え、えぇぇぇぇっ!?」





<中編に続く>
<戻る>


注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。