GM:――多い、多すぎるっ!
光:どうした、唐突に……?
ミンニャオ:何が多すぎる。なのですよ?
GM:かしまし〜ズのPC数だっ!
   冷静になって考えてみれば、なんだ、13人って!
キラリ:何を今更……、
GM:いや、確かにそうなんだけど……、
   GMをやってみると、結構、大変なんですよ。
   全員の見せ場とか、キャラ立ての機会とか考えないといけないから。
アリエス:そう言えば、このPTの言い出しっぺって、誰だっけ?
光:俺と美雪(のPL)だな。
美雪:あの時は、ほとんど冗談で話してたんだけど、
   それを聞いたGMが、カタチにしちゃったのよ。
   しかも、全種族コンプリートなんてオマケつきで。
ミリィ:あんた、どんだけのキャンペーンを抱えたら……、
ティーナ:……自業自得だね。
GM:すみません。面白そうなんで、つい、やってしまいました。(笑)
ミリィ:ちゃんと責任は取りなさいよ。
    ふぁんぶら〜ズも、無事に完結した事だし……、
キラリ:がんな〜ズの方もよろしく。
美雪:すとれんじゃ〜ズもね。
GM:た、大変だ〜……、
ティーナ:それも、自業自得。





GM:――あ、そうそう♪
   近々、テルトーズのセッションを予定してるんだけど……、

一同:スケジュール管理は計画的にっ!!






『Leaf Quest TRPG』リプレイ

かしまし〜ズ冒険譚 4

『メイドメロディー・ピチピチぴんち』 前編







―― PHASE-01 喜望峰号 ――


GM:さて、皆さんは、先日のコミパの事件を解決した報酬で、
   コミパ保安局の澤田局長から、連絡船のチケットを手に入れました。
   ただし、予算の都合上、大部屋が1つだけですが。(笑)
ミリィ:「光〜、そんな隅っこいかなくても、別に何もしないよ〜?」
光:「……ほ、ほんとだな?!」
ミリィ:「衆人環視プレイはヤだし」
光:「――うおい!?」(爆)
キラリ:「……路銀が、かなり浮いた」
美雪:「これで、当面の生活費になんとか余裕ができるわね。
   でも、正直、行く先々で、バイトしないと……キツイかも」(ソロバンぱちぱち)
アリエス:「ねーねー、連絡船って、魚以外もちゃんと出てくる?」
美雪:「まあ、普通に食事は出ると思うわよ」
キラリ:「壊血病が怖いから……フルーツ類も出るはず」
GM:とまあ、そんな話をしつつ、港に行くと、
   皆さんが乗る連絡船が見えてきますよ。
   船の名前は『喜望峰号』と云う、ごく普通の帆船です。
   間違っても、腕なんて生えてません。(笑)
ミンニャオ:当たり前なのですよ。
      そんな船、一隻あれば充分なのです。
GM:で、今から、その船に乗り込むわけですが、
   出航までは、まだ時間があるので、まだ、買い物する余裕があります。
   というわけで、いきなり、買い物タイムです。
光:正直、買う物が無いから、
  女性陣の荷物持ちとして出撃しよう。


 船旅の途中で、必ず、何かが起こる。

 そう予想した一同は、
回復アイテムや魔銃の弾丸を買い込んでいく。

 と、その最中――


ミリィ:「ん〜……みゆき〜、サラシってまだあるっけ?」
美雪:「んもう、また『大きく』なったの?」
ミリィ:「さんきゅ、どーせだから、下着も見てくるよ、買い物ついでに」
美雪:「まったく、世界と運命って優しくないわ」(汗)
ミリィ:「……ごめん、美雪、後ろ縛って……とどかにゃい」
    サラシを巻こうにも、胸が大きすぎて、腕が後ろに回らない。
美雪:「はいはい、分かりました……、
   こ・れ・く・ら・い・縛った方が・い・い・か・し・らっ!?」
   にっこりスマイルで、思いっ切り、力を込めて、ぎゅぅぅぅ〜〜っと!
ミリィ:「いだだだだだだだっ!? 美雪、痛い!?
    なんか、怨みの限りが籠もってる、その締め方!?」
美雪:「ええい、この犯罪的おっぱい! おっぱい! おっぱい!
   少しは、私に渡さんかぁ〜!!
   ほんの少し、ほんの少しだけで良いのにぃ〜……えぐえぐ」
ミリィ:「か、か弱いエルフの肋骨折る気か、このドリフ娘〜!」
美雪:「何が、か弱いエルフよぉっ! 規格外のタフネス娘のくせして〜!
   えいえいっ、わたしにも『ご利益』よこせえ〜!」(鷲掴み)
ミリィ:「いたたたた!? む、無理言うなぁぁぁぁ!?
    あたし、体力はキラリよか無いっての!?」
ミンニャオ:「うんうん、やっぱり、出る杭は打たれるのですよ。
      そして、出る胸は揉まれるのですよ」(笑)
美雪:「ううっ、分かったわよぉ。(手を放す)
   ふんだっ、胸は大きさだけじゃないもん!
   形だって感度だって重要項目のうちにはいるもん!
   ねえ、光〜、胸は大きさだけじゃないもんねー!?」(大声で)
ミリィ:「あ〜、もう! ブラのサイズも可愛い柄が沢山あるサイズのくせに!
    この大きさで可愛いの探すの、どれだけ苦労してると思ってるのよっ!」


 ――なんて、微笑ましい(謎)一幕があったり?

 ちなみに、ミリィが言ってるのは事実です。

 下着のデザインって、サイズが大きくなる程、
ゴテゴテした装飾が付いたり、色は黒系が多くなるそうな。

 そうする事で、胸を小さく見せるらしく、膨張色である白なんて、殆ど無い。

 サイズが大きい物は、店でも、ロクに扱われないので、
上下揃いの物が売っているのを見かけたら、即購入する、らしい。

 ほら、下着って、消耗品だし……?

 閑話休題――


光:「何故だろう……周囲からの視線が、
  敵意から、微妙に憐憫に変わった気がする」
  美雪の言葉に、返答を窮しつつ、ちょっと黄昏る。
店主:「――おい、そこの羨ましい兄ちゃん……その盾、何処で手に入れた?」
   そんな姦しい、と言うか、喧しい女性陣を他所に、
   荷物持ちに徹している光を、店主が呼び止めます。
光:「おす? コレは、師匠から受け継いだんです」
  と、少し誇らしげに答えよう。
店主:「ほほー、なあ、モノは相談なんだが……その盾、売ってくれねぇか?
   そうだな、5000Gでどうだ?」
光:「この盾を評価してくれるのは嬉しいんですけど……、
  申し訳ないです、この盾ばかりは譲るわけには……」
  もし、売ったりしたら、師匠に殺される。(笑)
店主:「そうかい? なんなら、8000くらいまでなら出しても……」
光:「でも、なんで、また……この盾に、そんな金額を?」


 何故って、そりゃ、伏線の為です。(笑)

 とは言うものの……、
 まだ、何も考えてないんですけどね。

 これぞ、必殺『取り敢えず、適当な設定をバラまく』の術!

 後で回収できないと、
とっても困るので、多用は出来ませんが……、



店主:「いや、ちょっとデザインが良いから、
   欲しかっただけなんだ……深い意味は無い」(目逸らす)
光:「まぁ、確かに、かつての騎士団の盾ですしね」
店主:「なるほどねぇ……ちっ」(舌打ち)
アリエス:「きしだんいん、って言っても、突き詰めたら中古品なんでしょ?
     そんなのに、5000とか8000とか付くの?」
ミンニャオ:「物の価値なんて、人それぞれなのですよ。
キラリ:「ちなみに、胸の価値も……」(笑)
GM:では、そんな話をしていると、
   港の方から、カーンカーンと出航を知らせる鐘の音が聞こえてきます。
ミンニャオ:「おや、時間なのですよー」
光:「――っと、船が出ちまう、急ぐぞ! お邪魔しましたー!」
店主:「おう、気を付けてな〜……その盾、大事にしろよー」





―― PHASE-02 出港 ――


GM:喜望峰号に乗り込んだ皆さんは、船員に部屋へと案内されます。
   でも、何故か、連れて来られたのは、船の最下層……、
   ラム酒やブドウ酒の入ったタル(中には空のタルもある)が並ぶ貨物室だったりします。
一同:
「――貨物扱いっ!?」
キラリ:「一番安い切符だったんだ」
船員:「……申し訳ありません。
   実は、手続きの手違いがありまして、船室は満員なんです。
   しかも、皆さんのような団体に、ご用意できる部屋が、ここしか無く……、
   もちろん、寝具の用意はさせて頂きます。
   あと、このたびは、こちらのミスなので、チケット代も、後でお返しします。
   もちろん、そのお詫びも込めて、少し上乗せさせて頂きますので……」(ぺこぺこ)
ミリィ:「まぁ、隙間が無いのは、しょーがないんじゃない?」
ミンニャオ:「それなら、スペースがあるだけ、ありがたいと思っておくのですよ」
美雪:「プラマイゼロどころか上乗せ……、
   今後の事を考えると悪くないわ……」(算盤パチパチ)
キラリ:「チケット代が帰ってくる、となると……バイトの必要が減る」
ミリィ:「それに、こんな所まで降りて来る、他のお客さんも居ないだろうし……ね」
    と、意味深な事を言いつつ、キラーンと目を光らせたりする。(笑)
光:「――ぞくっ」(悪寒)
船員:「もちろん、必要以上に、私達も、ここには近付きませんので、ご安心ください」
ミリィ:「はい、それはもう、お心遣い有難うございます」
キラリ:「……お話が分かるようで、助かります」
アリエス:「ありがとー、個人的に助かるよっ!」
ミンニャオ:「お心遣い感謝なのですよ〜」
船員:「…………」(無言で親指グッ)
光:「あ、あの、なんか物凄い勢いで地雷埋めてませんか?!」
  実は、全部が予定調和で、他の客から隔離されてるのではなかろーか?
船員:「では、ごゆっくり……」
   と、貨物室に寝具を運び込むと、船員は部屋を出ていきます。
光:そして、残されたのは、か弱い子羊が1匹と、12匹の飢えた狼……、
  俺、リーフ島まで、清い体でいられるかな?(汗)
GM:と、光が不安を抱く中、船は出港します。
   何事も無く航海は続き、初日の夜を迎えました。
   広い貨物室には、大量の布団が敷かれ、夜の修学旅行な状態です。
ミリィ:「リーチ1発ツモ! ドラ3! 18000!」
キラリ:「断公平和、ドラドラ! 11600!」
ティーナ:「ダブリー1発ツモ! 2000・3900!」
ミンニャオ:「嶺上開花自摸! 70符2飜は1200・2300!」


 おい、そこ……、

 いきなり、何をやっている?


アリエス:「……それって『だついまあじゃん』とか言う奴?」
ミンニャオ:「みぃ、その前提じゃなかったのですー?」
キラリ:「……なんなら、今から脱衣ルール付けますか?
    ミナモト新聞連載の麻雀小説の愛読者をなめないで欲しい」(メラメラ)
アリエス:「アタシ、それ、わかんないから、光と一緒に見てる〜」
ミンニャオ:「って〜わけで、美雪も卓につくのですよ」
美雪:「今までの収支計算を……、(ぱちぱち)
   当面は、アリエスが食べる野菜の確保と、
   ミリイの下着も何とかしないと……正直、すっげームカツクけど……」(ぶつぶつ)
ミンニャオ:「みゆき〜? もしもし〜?」
美雪:「あ、わたし、麻雀は、全然分からないの」
ミンニャオ:「みぃ、なら、今度、教え込むことにするのですよー」
美雪:「遠慮しとくわ。だって――」
ミリィ:「門前混一自摸! 中・ドラ1、3000・6000の一本付け!
    さあさあ、みんな、光の前で、脱ぎ脱ぎしましょうか〜?」
美雪:「――勝つ自信無いし」
光:「お、おれ、夜釣りにいってくる!」(こそこそ)
GM:じゃあ、こそこそと逃亡を図る光は、
   ふと、貨物室の片隅に、他とは雰囲気が異なる箱を発見します。
光:雰囲気って……どう違うんだ?
GM:ここにあるのは、酒樽や食糧……、
   あとは、各港で輸出入されている様な大きな荷物なんですが、
   似たような荷物の中で、その箱だけが独立してて、妙に目立つんです。
   A5サイズの本ばかりの本棚の中に、一冊だけ文庫本がある、って感じかな?
光:例えが妙に限定的だが……、
  ようするに、その箱だけが、他と比べて異彩を放ってるわけだな。
GM:はい、その木箱は、棺桶を連想させる長方形の大きな箱です。
   蓋の表面には、届け先が書かれた紙が貼ってあります。
光:「な、なぁ……あの木箱……何か、おかしくないか?」
  と、皆を呼びつつ、その紙を読むぞ。
GM:届け先の宛名は『クルスガワ重工HM開発課主任 長瀬源五郎様』。
   で、差出人の欄は『初音島 天枷研究所』となっています。
キラリ:「クルスガワ重工……ナガセ……メイドロボの生みの親……」
アリエス:「ねえ、何が入ってるのー?」
美雪:「HM開発? クルスガワ? メイドゴーレムかしら?」
ミリィ:「クルスガワなら、そうじゃない?
    特に、このサイズだし……」
ミンニャオ:「サイズとしては、メイドゴーレムが入っていても不思議じゃないのですよ。
      まぁ、他所様のモノですので、放って置くべきだと思うのですよ」
美雪:「そうね、他所様の物に、アレコレ首を突っ込むもんじゃないよね」
アリエス:「ゴーレムって、昔、海の底で見た、
     錆付いてた人型っぽいアレのことかぁー」
光:「……なんか、それ、ヤバイゴーレムに思えてならん」


 ……うん、ヤバそうだね。

 というわけで、そのネタは頂いておこう。
 いずれ、美味しく料理して、出してあげるからね。(笑)


光:まあ、それはそれとして……、
  このメイドロボが入っているであろう箱は、放置ということで?
美雪:そうそう。ウチのPTには、もう、メイドロボはいるんだから、
   これ以上、ヘタにフラグを立てないように。





―― PHASE-03 『正義』の契約 ――


GM:さて、皆さんが、木箱の中身を気にしていますと、
   突然、何の脈絡も無く、光が持つトートの書が輝きだします。
ティーナ:「お兄ちゃん、なんか、あの本が光ってるよ!?」
光:「本当だ……また、何で急に……?」(きょとん)
GM:何事かと、光が本を開くと、
   中から、淡い輝きを放つ1枚のカードが浮かび上がります。
   そして、ひゅ〜んと飛ぶと、開かれた本の上にスタッと着地し――
???:「お初にお目に掛かります、若様。そして奥様方。
    わたくし、正義のカードと申します。以後、お見知りおきを」(ぺこぺこ)
    ――と、いきなり喋り出します。
    しかも、カードのクセに、へにょへにょと曲がって挨拶までします。
光:「えらくファンキーだな、おい……」
キラリ:「でも、言動は、腰が低い」
ティーナ:「わぁ、正義のカードって、契約者無しでも起動するんだ」
正義:「いえいえ、もちろん、契約発動の兆しがありましたので、
   こうして、わたくしめが発動したのでございます。
   しかも、12枚のカードのうち、唯一、自我を持つわたくしが、
   こんなにも早く発言できるとは、まさに僥倖でありますな」
美雪:「そういえば、月花のカードは、普通にカードだった……よね」
ティーナ:「うん、月花お姉ちゃんらしいカードだったよね」
光:「そうだよなぁ……で、お前さんが自我があるのには、
  何か理由があったりするのか?」
正義:「わたくしめは、云わば、このトートの書の所持者のサポート役……、
   ようするに、マニュアルの役目を果たしております。
   今後、カードを使われる際は、わたくしめが、
   必要に応じて、ご説明させて頂きます」
ミンニャオ:「なるほど、確かに、それは僥倖なのですよ」
光:「なるほど……ソレは有難い。俺、あんま頭よくねぇし」
ミリィ:「疑似人格付与って……どんだけの魔術技術よ」
ティーナ:「つまり、光お兄ちゃんが、
     正しくカードを使うのを、導く役割って事ですね?」
美雪:「もっと細かく言えば『間違いのないように』とも言うわよね。
   もし、光が、間違った使い方をしたら、断罪されるんじゃないの?
   『正義』のカードの名の元に……」
正義:「全く以て、その通りでございます、ティーナ様。
   さすがは、我が契約者であらせられます!」
   ティーナの言葉に、両手(?)に扇子を持って、天晴れ天晴れと踊ります。
   まるで、美雪の質問をはぐらかすかのように……、
ティーナ:「……へっ?」(呆然)
キラリ:「……ティーナ、おめでとう」
ミリィ:「んじゃ、あたしらは席を外す?」
美雪:「うん、そうしましょうか。
   それじゃあ、ティーナ、頑張ってね♪」
ミンニャオ:「わっほう♪ これは、お赤飯なのですよー」
ティーナ:「え? え? えぇぇぇぇぇぇ!?
     わ、わたし、何もしてないよぉぉぉっ!?」
正義:「先日の、テルトという少年とのやりとりを覚えておりますかな?
   あの時に、わたくしめの契約発動の兆しが発現したのであります」
ティーナ:「あ、あの時に……ですか。
     でも、私……あの時、あんな酷い事言ったのに……?」
正義:「わたくしめの名は正義……、
   そして、あのテルト少年の心にある正義は、誠に天晴れなモノでした。
   ぶつかり合いはしたものの、紆余曲折を経て、
   その正義と共感なされたティーナ様は、まさに我が契約者に相応しいかと……」
ティーナ:「そうなんですか? 分かりました。
     私、貴方の名前に相応しい正義を貫けるように、頑張ります!」
正義:「すぐに発動しても良かったのですが、あの時は、わたくしめが出張っては、
   場が混乱すると想い、自重させて頂きました。
   ですが、今なら問題ありますまい?」
美雪:「『契約発動』をするからには、男としての義務……分かってるわよね?」
光:「確か、今の時刻なら甲板のあの辺りが……」
  船の構造から、死角になりそうな所を予想する。
  で、腹を括り、正義のカード諸共、勢い良く本を閉じる。
正義:「というわけで、契約を完全なものにする為、
   若様、ここは、ずずいっと――わぷっ!?」(閉じられた)
光:「……ついて来て、くれるか?」
  閉じた本を小脇に抱え、ティーナに手を差し出す。
ティーナ:「お兄ちゃん、ここで、私が『嫌だ』なんて言うと思う?
     もちろん、喜んで♪」
     差し出された、お兄ちゃんの手を取ります。
光:「……というわけで、少し席外す」
ミンニャオ:「はいはい、ごゆっくりなのですよー」
ミリィ:「まー、別に始めて、って訳でもないし、
    よくある事と言えばそーだけど、このやりきれない気持ちは何かしらねぇ」
美雪:「何かしら……(ぶんぶん)いいわ、今は考えないことにする」
   独占なんて、ずっと前に諦めたのに……、
   やっぱり、焦ってるのかな?
   と、もやもやした気分を振り払うように、皆の服の繕いを始める。
ミンニャオ:「多分、これから、複数回、味わう事になると思うのですよ?」
キラリ:「わたしにも、くるんだろうか……」(ぽーっ)
ミリィ:「まぁ、とりあえず……、
    ここは、ワイルドを使うね。で、色は黄色でUNO♪」
ミンニャオ:「くっ、誰かドロー2か4をぶつけるのですよ」
アリエス:「あー!? いいトコあったのにー!!
     しか〜し、この多い手札は伊達じゃない、スキップ!」
ミリィ:「あ、ひど!? あたし、飛ばされたっ!?」
GM:いつの間にか、麻雀からUNOに変わってるし……、


 理解は出来るが、納得はしかねる。

 そんなモヤモヤした想いを、
紛らわすかのように、UNOに興じる乙女達……、

 そんな彼女達を残し……、
 光とティーナは、夜の甲板へ……、


GM:2人が甲板に行くと、運良く波は穏やかです。
   そして、星が綺麗な夜空に満月が浮かび、
   まるで、2人を祝福しているかのよう――
光:「ティーナ、俺は、正直、アイツ……、
  テルトみたいに器用に生きれそうにないし、多分、これからも心配かけると思う」
GM:(テルトって、そんな器用な子かな?
   PLとしてはツッコミたいけど、ここは自重自重)
ティーナ:「うん、でも、私は……そんなお兄ちゃんが大好き。
     私だけじゃない。皆、お兄ちゃんが大好きなんだよ」
光:「……ありがとう。そして、俺も、その想いに応えようと思う」
  俺、立野光は、ティーナ=マクドゥガルを……皆を守る盾となる事をここに誓う」
  顔を真っ赤にしつつも、逃げの言葉を放った時と違う、
  正面からの気持ちに向き合う事を誓うぞ。
ティーナ:「はい……そして、私、ティーナ=マグドゥガルは……、
     お兄ちゃん……立野光を、ずっと愛する事を誓います」
     そして、目を閉じ、軽く背伸びして……、
GM:誓いの言葉とともに、そっと寄り添う2人……、
   そして、月明かりの下、2人の影は重なり合い……、
   その瞬間……トートの書から強烈な光が発せられ、
   再び、正義のカードが飛び出てくる!


正義:
「契約完了ぉぉぉぉ、でございますっ!!
   
おめでとうございます、若様、ティーナ様!」
   扇子を両手に持ってやんややんや♪(爆)


光:
「……そぉい!!」
  スパァン、と本を閉じるっ!
正義:「――へぶっ!!」
光:「あのな、俺……なけなしの根性を、
  振り絞って誓ったんだぞ……わかるか?」
  ぎりぎりぎりぎり、と本を閉じる手に血管が浮き出る程に圧力をかける。
ティーナ:「私だって、一世一代の誓いだったのに……」(プルプル)
正義:「も、もちろんでございます〜。
   分かっているからこそ、力の限り祝福を……」
光:「…………」(無言で圧力UP)
ティーナ:「お兄ちゃん……私の分も残しておいて」
正義:「痛っ、痛たたたっ! ギブギブ、でございます!!」
   と、夜の甲板に、正義のカードの悲鳴が響き渡るのであった。(笑)


 ……ごめんね。

 シリアスシーンは、3分しかもたないのよ。


正義:「と、ところで、若様、ティーナ様。
   今後、わたくしめも、皆様に同行するわけですが、
   このようなカードの姿では目立ってしまうので、
   適当なものに変化しようとおもうのですが、何がよろいしでしょう?
   わたくしめとしては、小動物をお勧めいたしますが?」
ティーナ:「うーん……それじゃあ……、
     よし、ハムスターになって! それなら目立ちにくいはずだし」
正義:「わかりました――(ポンとパムスターに変化し、ティーナの肩に乗る)
   では、今後は、契約者であるティーナ様と行動をともにさせて頂きます。
   あと、わたくしめのことは……そうですな『じーや』とでもお呼び下さい」
光:「わかった……
まさよしだな」(笑)
じーや:「
じーやでございます」


 じーや? まさよし?

 とにかく、正義のカードと、
契約を終えた2人は、皆が待つ部屋に戻る。

 そこで、2人を待っていたのは……、
 仲間達による白熱のUNOバトルだったりする。


ミンニャオ:「くっ、今、必殺のドロー4なのですよ、赤!」
アリエス:「うわー!? 今度はその色!?
     あたし、持ってな……あ、無し、今の無し!」
ミンニャオ:「にゃー!? 何で、5枚も、
      ドロー4が溜まって帰ってくるのですよ!?」
ミリィ:「にゅふふ〜、リバース利いてるよりバース、はい、4ストップ」
ミンニャオ:「あうあう、手持ち20枚は、
      冗談じゃないので――あ、おかえりなのですよ」
光:「あ〜、ただいま」
一同:「おかえりなさ〜い」
じーや:「ただいま戻りました、お嬢様方。若様は、大変ご立派でしたぞ」
光:「――そぉいっ!」(デコピン)
じーや:「はぐあっ!? この老体に何と言う仕打ち……よよよよ」
光:「(無視して)あー、すまん。ちょっといいか?」
ミンニャオ:「にゅん……?」
光:「えっとな……前に、俺皆に逃げを打つような事を言ったのだが……、
  今、ここに一つ誓いを立てようと思う。
  もう、皆の想いからは逃げんよ。
  ただ、ベッドインとかは……うん、まだ早いと思うけどな」
  と、ハッキリと、前を向いて宣言しよう。
キラリ:「……ありがとう」
美雪:「そうね、婚姻届に判押してくれたら、考えてもいいわ」
ミリィ:「そっか、12人12通り、表現が多いけど、
    凹んだり負けたりするの不可だからね。
    後、子供が欲しいなら、出来るだけ早くOKにしてほしいな、それ」
ミンニャオ:「にゅ、やっぱりお赤飯フラグな気がするのですよ」
光:「――以上だ、手を止めさせてすまなかった」
  冷静を装いつつ、右手と右足を同時に出しながら、
  いつもの隅っこの光ポジションへ移動して、体育座りする。(笑)
じーや:「皆様、素晴らしい女性ばかりですな、若様……、
    お嬢様方のお相手として恥ずかしくない殿方になれるよう、ご尽力なされますよう。
    微力ながら、このじーやめも協力させて頂きますゆえ……」
光:「……とりあえず、紳士的なエスコート方法の教授でも頼むわ」
じーや:「そういう事なら、お任せくだされ」
ミリィ:「ところで、さっきから、ティーナの肩の上で喋ってる、その小動物はなに?」
ティーナ:「正義のカードだよ。名前は、じーやっていうの」
キラリ:「まさよし、で充分……」
ミンニャオ:「みゅう、正義だから『まさよし』君は、
      私的にナイスネーミングだと思ってたのですよ?」
ティーナ:「じーやの方が呼びやすいのに……」
じーや→まさよし:「しくしく……まさよしで良いです」





―― PHASE-04 バーソロミュー船長 ――


GM:さて、正義のカードの契約も無事に終わり、
   数日は、平和な航海が続きます。
   で、ある日のこと、突然、船は、激しいスコールに見舞われます。
   貨物室にいても、甲板を叩く雨音が聞こえてくる程の大雨です。
ミリィ:「こりゃ、荒れてるわ〜……髪濯ぐには良いかもね〜」
アリエス:「やだなぁ、身体が濡れると尻尾が出ちゃう」
光:「これじゃ、釣りにも出れんなぁ」
GM:スコールが降り始めると同時くらいに、
   数人の船員が、皆さんがいる荷物室へとやって来ます。
   もちろん、まずは、コンコンとノックされますよ。
船長:「――おーい、ちょっと邪魔していいかい?
   お取り込み中じゃねぇか? 早めに――
   いや、早いのも男としては問題か?」
美雪:「どうぞ〜」(超スルー)
ミンニャオ:「み、何かありましたですかー?」
船長:「そうか? じゃあ、遠慮なく……おい、お前等、仕事にかかれ」
   と、船長は部屋に入ると、連れてきた船員達に、
   たくさんの空タルを運び出すように命じます。
美雪:「えっ、えっ? あっと、その……どうしたんですか?」
船長:「折角、雨が降ってるんだ。今のうちに、このタルに水を溜めておくんだよ」
ミリィ:「なるほど、水源の確保か。(ぽむ)
    必需品だけど、補給できる場所は限られてるもんね」
月花:「…………」
   船長の話を聞くと、月花が、船員に混ざって、一番大きなタルを運び始めますよ。
光:「手伝いましょうか? 体がなまってしょうがないですし」
  いかん、出遅れた。俺も手伝おう。
美雪:「それじゃあ、手伝える人は手伝おうか?」
船長:「お、頼めるか、坊主? いや、こういうのは男の仕事だ。
   嬢ちゃん達は、ここでゆっくりしてな……、
   まあ、そこのパワフルな子はともかく……」
月花:「…………」
   無言で大タルを2つ抱えて甲板に向かう。
GM:では、光達も協力して、タルを運び出す、という事で……、
   その途中、船長が光に話し掛けてきます。
船長:「なあ、坊主……あのパワフルっ子は、お前のコレ(小指立て)か?」
光:「幼馴染っすけど、どうかしたっすか?」
船長:「ほ〜……」
   光の答えに生返事しつつ、先を歩く月花を、何処か懐かしそうに眺めています。
光:「……船長?」
船長:「いや……見た目は、そうでもねぇんだが……、
   雰囲気が、死んだ嫁さんに似ててな」
   と、船長の首にぶらさがる、蛇のレリーフが刻まれたコインのペンダントに触れる。
光:「そうッスか……」
  PL的に、蛇のレリーフってのが、警報ガンガンなんだが……、
  PCは、そんなこと知らないもんな〜。
GM:うひひひひひ……、(謎笑)
   と、そんな話をしているうちに甲板に出ます。
   打ち付ける激しい雨と、強い波で、かなりバランス感覚を要求される状況です。
光:「こ、これは中々に厳しいっすね」
船長:「気をつけろよ! すっころんで、
   海に投げ出されたら、さすがに助けられんからな!」
光:「り、了解っ!!」
GM:船長の支持で、次々と、タルが甲板に運び出されていく。
   そして、順調に水を確保したところで、スコールはピタッと止みます。
光:「ちょうどいいタイミングで晴れたっすねぇ」
船長:「そうだな……っと、おーし、こんなもんで良いだろう。
   坊主も、パワフルっ子もご苦労さん」
光:「いやいや、久しぶりに良い運動になったっす」
船長:「しかし、坊主、あの状況で、危なげも無くタルを運べるとは、
   なかなか良いバランス感覚してるじゃねぇか。
   もしかしなくても、船乗り……いや、漁師か?」
光:「うす、故郷で漁師やってたんす」
船長:「そうかそうか、やっぱりな。
   じゃあ、坊主、どうして、俺達が雨水を溜めていたのか、わかるか?」
光:「水が少ないから……、
  そして、外れていて欲しいすけど、遭難したからッスか?」
船長:「……あのな坊主、俺だから良いが、
   他の船員の前で、そんな縁起でもこと言うもんじゃねぇ。
   そりゃ、海の男に対する侮辱ってもんだ」
光:「……失礼したっす」
  素直に頭を下げよう。迂闊だった。
船長:「とはいえ、その答えは間違ってるわけじゃねぇ。
   海の上では、真水は重要だ。
   航海中は、限りある水を、上手にやりくりしなきゃならねぇ。
   それこそ、遭難した時に備えてな。
   そんな時、雨水ってのは、まさに天の恵みだ。
   もしもの時の為に、補充でき時は補充しとくに限る」
光:「そうっすね……」
船長:「水以外にも、航海するのに大事なモンは幾つかあるぞ。わかるか?
   答えられたら、手伝ってくれた礼も込みで、褒美にイイモンをやるぜ?」
光:「果物と、進むか止まるかの判断くらいしか思い浮かばねぇっす」
船長:「果物ってのは正解だな。特に果物や生野菜だ。
   こいつは腐っちまうから管理が大変だ。
   干し肉や乾パンは保存がきくが、それだけじゃ病気になっちまう。
   船にラム酒やブトウ酒が多く積んであるのは、そういう意味もある」
   ちなみに、坊主は、野菜は好きか?」
光:「正直、あまり好きじゃねぇっす……、
  なるべく食べられるようにはなろうと思ってるんですけどね」
船長:「好き嫌いはいけねぇな、特に船乗りなら尚更だ。
   で、次に大切なのはマストだ。こいつが無きゃ船は動かねぇからな」
   そして、最後に、一番重要なのは……信頼できる仲間だ。
   どんなに立派な船も、一人じゃ動かせねぇからな」
船員A:「はっはっはっ、船長!
    そういう事なら、大事なモンは、もう一つあるぜ。
    頼りになるリーダーだ。船は、皆がバラバラじゃ、思うようには動かねぇ。
    船員全員を統率し、自分の手足のように動かせる人間がいねぇとよ」
船長:「……いくら褒めても、昨夜のカードの負け分は、キッチリ払ってもらうぞ?」
船員A:「はっはっはっ……せめて、まけてくれよぉ」
船長:「しょうがねぇなぁ……、
   坊主の手前もあるし、ここは太っ腹なところを見せておくかね」
船員:「さすが、我等がバーソロミュー=ロバーツ船長!」
光:せ、船長、カッコイイ!
  というか、船長に、こんなにキャラ立たせてどうすんだ?
  この会話に、何か意味が……?
GM:それは、後々に分かってきます。
   さて、船長との話が終ったところで、女性陣も甲板に出て来て良いですよ。
   で、現れた女性陣を見て、船長は、突然、光の肩をグイッと引き寄せ、
   こっそりと、あるモノを渡します。
船長:「さて、こいつは、正解したご褒美だ」
   と、光に渡されたのはチョコレートです。
光:「おす、有難く頂くっす」
船長:「言っとくが、そいつは、ただのチョコレートじゃねぇぞ。
   『魅惑のチョコレート』っていう素敵なアイテムだ。上手く使いな」
光:「どういう効果っすか?」
船長:「そいつは、あの子達が食べてからのお楽しみってやつよ」
   ちなみに、魅惑のチョコレートとは、
   異性をソノ気にさせる魔法薬アイテムです。
光:「……?」





―― PHASE-05 女神海峡 ――


船長:「おーい、嬢ちゃん達!
   もうすぐ良いモンが見えるぞ。船首の方を見てみな!」
   さて、光にチョコを渡した船長は、美雪達に声を掛けます。
美雪:「……良いモノ?」
ミンニャオ:「み、何ですか〜?」
      トテトテと、船首に向かうですよ。
GM:では、船長に言われるまま、皆さんが船首の方に目を向けますと……、
   現在、船は大陸東部の内海沿岸を沿うようなカタチで南下し、
   内海と外海を繋ぐ唯一の海峡――
   『女神海峡』と呼ばれる場所に近付いています。
ティーナ:「海峡……海の門……」
GM:ティーナの言う通り、その光景は、まさに海の門!
   女神海峡の両側にあるのは、
   まるで、海峡を守るように鎮座する巨大なニ柱の女神像です。
光:「おおおおおおおっ!」(←子供のように感動)
美雪:「噂に聞いていた以上に大きい……」
船長:「どうだ、すげぇだろう? あの女神像の手にある聖火が、
   外海の巨大な海の魔物が、内海に入って来られないよう守ってくれているんだ」
   と、船長の言葉通り、女神像の手には、
   『真っ赤な』炎が揺らめいているのが見えます。
美雪:「本当に、海峡の番人なんですね」
ミリィ:「逆に言えば、あそこからは守りの手の外側って事ね。
    得てして海っていうのはそういうものよね。
    人の手が及ぶ範囲しか安全は確保できない……それは、海だけの話じゃないけど」
船長:「確かに、あの海峡を出たら、危険ではあるがな。
   最近は、割と安全なんだぞ? 鉄腕の人魚姫がいるからな」
美雪:「鉄腕? 人魚姫?」
キラリ:「鉄腕の人魚姫……ああ、あの海洋保安局」(ぽん)
光:「噂は聞いた事があるっす。
  なんでも、悪名高い海賊団もケツまくって逃げ出すとか」
船長:「おうよ、彼女達のおかげで、俺達は安心して航海できるってわけよ」
GM:では、ここで、女神像を見た人は、エクソシスト判定してください。
アリエス:その技能は、あたししか(ころころ)11だけど?
GM:アリエスは、女神像に違和感を覚えましたが、
   それが何なのかは分かりません。他の皆も失敗ですか?
ミンニャオ:平目じゃ無理っぽいのですよ。
      というか、GMがアレを使えと言ってるのですよ?
GM:うん。(笑)『枯れた知識の森』を使って欲しいな♪


 ちなみに、『枯れた知識の森』とは、
ミンニャオが持つギャグキャラ特徴の能力である。

 この能力は、知識系判定を自動成功にできるのだ。

 ただし、他のメンバーが、
全員、失敗しなければ発動できない。

 つまり、ミンニャオは、答えを知っていても、
あくまでも、先生という立場を貫かなければいけないのだ。


アリエス:「あの女神像、何かおかしいよーな……?」
美雪:「えっ、そう?」
キラリ:「普通にしか見えない」
ミンニャオ:「そうですねぇ……おかしいかもしれないのですよー」
      というわけで、能力発動♪
GM:じゃあ、答えは(ごにょごにょ)……、
ミンニャオ:「船長さん、あれはよろしいのです?」
      と、女神像の手元を示しますですよ。
船長:「なんだ、あれ? なんで……」(絶句)
アリエス:「にゃんこせんせ〜、どういうこと?」
ミンニャオ:「女神像の炎は本来〜、青いはずなのですよ〜?」
アリエス:「ああ、あれかぁっ!」
キラリ:「……色までは図解に書いてなかった」
船長:「ああ、そうだ……女神像の炎は青いはず……なのに……」
   青い筈の女神像の炎……、
   しかし、今、皆さんが見ているのは、赤い炎……、
光:「通常とは逆の色ってことは、効果も逆になるなんて無いっすよねぇ?」
GM:と、首を傾げる一同を他所に、船は、女神像の足元を抜けていく。
   そして、外海へと出た瞬間……、
   
――ガガガガガガガガッ!!
   突然、船が、大きな衝撃に襲われ、停止します。
ミリィ:「にょわわわわ!?」
キラリ:「……何か、来た!?」
美雪:「い、言わんこっちゃない!!」
GM:それと同時に、何本もの<
   巨大なタコの足が、海中から現れ、船体に絡みつく!


ミリィ:
「し、触手プレイ〜っ!?」
ティーナ:
「美雪お姉ちゃん、逃げてぇっ!!」(爆)
美雪:
何故、私を名指しするぅっ!!


船長:「馬鹿なっ! この海域は、まだ、女神の聖火の効果範囲内だぞ?!
   どうして、こんな大きな魔物が入って来られるんだ!?」
ミンニャオ:「こ、これは……たこ焼き祭なのですよ!」
キラリ:「お腹を壊しますよ、師匠……」
ミンニャオ:「まぁ、確かに、きっと大味なのですよ」
GM:そして、タコ足が現れると同時に、大岩の陰から、船が現れる。
   そのマストに描かれているのは、無限蛇のマークです。
一同:来たっ、ザッハーク!!
船長:「――ちっ、海賊かよ!?」
ミリィ:「海賊!? どーいう趣味の旗印!?」
美雪:「このタイミングの良さ……もしかしなくても、この大タコも!?」
キラリ:「……人魚姫を待つ余裕は、なさそうですしね」
光:「船長! この船の戦力はどのくらいっすか?!」
ミンニャオ:「……逃げる算段つけた方が早いかも、です?」
船長:「そりゃあ、冒険者も何人か乗ってるから、戦力はそれなりにあるが……」
   と、船長の言葉に被さるように、
   海賊船から、拡声器による声が聞こえてきます。


海賊:
「そこの船! 大人しく降参して『ヴォーカリオン』を渡せ!
   
その船に積まれてることはわかってるんだよ!」





―― PHASE-06 襲撃 ――


ティーナ:「『ヴォーカリオン』!? 何を言ってるの、アイツら!」
船長:「ちっ、奴ら、もう嗅ぎ付けてきやがったか」
キラリ:「……船長さん、心当たりが?」
船長:「ああ、まあな……だが、詳しく説明してる余裕はねえ!
   おい、坊主とお嬢ちゃん達、俺について来な!」
   と言うと、船長は船底へと降りてい行きます。
光:「――了解!」
ミリィ:「でも、何で……?」
美雪:「とにかく、後について行きましょう?」
GM:船長が向かった先は、船底後部……、
   そこには、特殊な救命艇が備え付けられています。
船長:「お前達は、これに乗って逃げろ……ヴォーカリオンと一緒にな」
   と、船長が示す先には、例の木箱を救命艇に積み込む船員達の姿があります。
光:「ど、どういう事っすか!?」
美雪:「逃げるって、それは……皆じゃないんですか!?」
キラリ:「あの木箱……ヴォーカリオントイウモノが、
    船全体よりも、優先すべきものなんですか?」
ミリィ:「落ち着いて、船長さん達だって無策で言ってるわけじゃないでしょ?」
船長:「もちろん、みすみす、海賊の奴らにやられるつもりは無い。
   もうすぐ、鉄腕の人魚姫率いるゲンジ丸チームが来る。
   本当は、ここで『ヴォーカリオン』を、ゲンジ丸ニ渡す予定だったんだがな……、
   とにかく、もうすぐ、この海域に着くから、それまで時間を稼ぎたい。
   それくらいなら、俺達と、他の冒険者でなんとかなる」
光:「そうか、ゲンジ丸が……」
船長:「だから、お前達は、ヴォーカリオンを、
   ゲンジ丸のかわりに、来栖川に届けて欲しいんだよ。
   俺を含め、船員は、この船と客を守る義務がある。
   だから、逃げ出すわけにはいかねぇ。
   他の冒険者に頼むって手もあるが、
   あいにく、船の心得のあるのは、坊主しかいねぇんだ。
   それに……連れにマーメイドもいるみてぇだしな」
アリエス:「逃げ足なら自信は……あ、バレちゃってるみたい?」
船長:「ったりめーよ。海の男をなめんなよ」
アリエス:「それなら、話は早いよね。
     あたしが縄で船を引っ張れば良い!」
ティーナ:「願いです、船長さん。アリエスお姉ちゃんの事は誰にも……」
船長:「ああ、わかってるって。
   マーメイドってのは、船乗り全員にとって恩人みたいなモンだ。
   まとな船乗りなら、マーメイドに危害を加える真似はしねぇよ」
ミンニャオ:「そこまで分かっている……、
      確かに、餅は餅屋……海での戦闘は海の男に任せるべきであり……、
      緊急の事態であり、他に適役もおらず……、
      なるほど、道理にかなった判断なのです。
      我々を、そこまで信頼できるのなら、ですが?」
船長:「海に生きる男は、海に生きる男を信用する。
   それができなきゃ、船乗りなんてやれねぇよ」
ミンニャオ:「――でしょうね。愚問だったのです。
      ならば、光君も分かっている筈なのです。
      我々にできることは、船長を信用して、即急に船を下りること、なのです」
光:「わかった……その代わり、絶対に死なないで下さい。
  俺は、アンタと酒を酌み交わしたいっすから」
船長:「――坊主!」
   と、準備を始める光に、船長が何かを投げ渡します。
光:「…………?」(受け取る)
船長:「俺の死んだ妻の形見だ。きっと、お前を守ってくれる。
   やったわけじゃねぇ。しばらく貸してやるだけだ。
   いつか、必ず返せ。お前の手で……俺に、直接な」
   船長が投げたのは、あの蛇のレリーフが掘られたコインのペンダントです。
光:「船長こそ、ご武運を!」
  受け取った蛇のペンダントを首に下る。
  PL的には、かなり微妙だが……、
船長:「いけ、坊主! 絶対に死ぬんじゃねえぞ!
   もちろん、お嬢ちゃん達もな!」
一同:「――はいっ!」
GM:船の後部ハッチが開き、救命艇が射出されます。
   それなりに自走機能がついているのか、
   船の走力とアリエスの牽引力によって、救命艇は、一気に戦域から離脱していく。
   光達が乗る救命艇に、海賊は気付かない。いや、気付く余裕が無い。
   何故なら、もう、ゲンジ丸の姿が見えている。
キラリ:海賊、涙目……、(笑)
アリエス:なんとか無事に済みそうだね。
GM:遠ざかっていく喜望峰号……、
   巨大タコに襲われ、その船体が軋みを上げる。
   喜望峰号が水平線の向こうに消える瞬間、光達は見た。
   ギリギリのところで、到着したゲンジ丸が、
   『鉄腕』という名の象徴である両腕で巨大タコを掴み、
   海中から引き摺り出す姿を――
美雪:相変わらず、なんて暴力的な……、(笑)
アリエス:ねーねー、光? 船って腕が生えてるの?
光:一般的には無いっ!
ミンニャオ:そんなの、あの船だけ……、
      他にもあったら、大変なのですよ〜。





―― PHASE-07 ヴォーカリオン ――


GM:さて、無事(?)に脱出に成功したわけですが……、
   この状況からして、次に展開になるか……わかるよな?
ミリィ:「ゲホッ……、うえっ、カバーを開けただけで、この有様?」
    無理な加速をしたせいで、救命艇のエンジンがブッ壊れた。(笑)
    で、修理しようと蓋を開けたら、凄い煙がっ!
キラリ:「熱暴走……焼きついてる」
ミンニャオ:もしかしなくても……遭難ですか?
GM:そ〜なんです……いや、忘れてください。(笑)
   というわけで、エンジンが壊れて、救命艇はストップ……、
   皆さんは、何もない大海原のド真ん中でポツ〜ンな状態です。
   いや、アリエスが牽引してくれてるから、多少は進んでますが……、
光:見事なまでの遭難だな……、
  しかし、大丈夫! 皆、安心しろっ!
GM:おおっ、ここで、光のリーダー力が発揮され――
光:俺達には、人魚のアリエスがいる!
  海のスペシャリストがいれば無問題!
GM:微妙に他力本願だな。
   まあ、光の言い分は、間違いではないんだが――
アリエス:
「(ぷはっ)ねえっ、ここドコ〜?」
     海面から顔だけ出して、皆に訊ねるよ。
一同:
おいぃぃぃぃっ!?
GM:
アリエスなら、ちゃんと分かるから!
   
分からなかったら、人魚としては致命的だろうがっ!
   海底の地形とか、海流とかで、だいたい現在位置は把握できます。
   で、近くに小さな島かある事が分かります。
アリエス:「あっ、この潮の流れ……あっちの方が陸っぽい……、
     リーフ島じゃないかもしれないけど……」
GM:リーフ島ではないです。
   その島の位置は、女神海峡から南に進んだあたりで、リーフ島も割と近いです。
   と言っても、それまで救命具の中にある食料はもちませんが……、
ミンニャオ:つまり、ここから、直で、
      リーフ島に行くのは無理ってことなのですよ。
美雪:その島で、水と食糧が確保できれば良いけど……、
ミリィ:あと、移動手段ね……、
    こんな船じゃ、航海なんて無理だろうし……、
    まあ、アリエスとカリーナがいるから、何とかなるかもしれないけど……、
キラリ:最悪、救助待ち……、
GM:向かう先が無人島だと分かっているかのような口振りですね。
美雪:だって、無人島なんでしょ?
GM:ぶっちゃけ、そうなんだけどね。(笑)
光:「陸の方角が分かるのか? だったら、そっちに行こう」
  アリエスの負担を少しでも軽くする為に、
  備え付けのオールを出して、えっちらおっちら船を漕ぐぞ。
  取り敢えず、後の事は、島に着いてから考えよう。
GM:では、漕いで、漕いで、漕いで……、
   ぎっこんばっこん、
ずっこんばっこん……と、無人島に到着します。
ミリィ:
なんか違う擬音が入ってる!(爆)
光:
お、俺……何もしてないよ!?
GM:気にしない、気にしない♪
   救命艇は、無人島の海岸に辿り着きました。
   ただ、その際に、ガツンという音がして、救命艇は座礁してしまいます。
   船底も壊れ、浸水が始まり……使用不能になってしまいます。
キラリ:「船を作って……脱出するしかなくなった」
光:「そうだな……とにかく、海水に浸かる前に、荷物を運び出そう。
アリエス:「ごめん〜、あたし、そっちは役に立てない〜」
     打ち上げられた魚のように、尻尾をぺちぺちしてる。
ミンニャオ:「それは仕方ないのですよ。
      尻尾が乾くまで休んでいると良いのです」
美雪:「アリエス……ここまで、ご苦労様」
GM:船から荷物を降ろすなら、例の木箱も出してくださいね。
光:「ふん、ぬぬぬぬぬ!! おりゃさぁぁぁっ!」
  もちろん、大事な預かり物も、浜辺に出すぞ。
GM:光が、ドスンッと木箱を置いた途端、
   その衝撃で、蓋が割れて、中身が丸見えになってしまいます。
   木箱の中身は、長いエメラルドグリーンの髪を、
   ツインテールにした一体のメイドロボです。
美雪:「この子、メイドロボ……よね?」
ティーナ:「これが……ヴォーカリオン?」
ミンニャオ:「フラグの予感なのですよ〜」
美雪:「そう言われると、叩き折りたくなるんだけど……」
GM:と、皆さんが、メイドロボを眺めていると、
   パチッと『彼女』は目を開きます。
一同:「――お?」



ミク:
「HM−16リオン・ヴォーカルタイプ。
   
個体名『初音ミク』――起動します」

一同:
初音ミクかぁぁぁぁっ!?



ミク:「…………」
   感情の無い流暢な声で起動を示し、ミクは、ゆっくりと体を起こす。
   そして、皆を見回し……、
アリエス:「は、はろ〜?」(尻尾ぶんぶん)
ティーナ:「え、えっと……こういう場合、こんにちは?」
キラリ:「……はじめまして?」
美雪:「起きたんだから、おはよう?」
ミク:「…………」(ぺこぺこ)
   自分が注目されていると理解すると、
   ぺこぺこと頭を下げ、おもむろに、何処からかネギを取り出する。
   そして、それをマイクのように構え――
光:お、おい、まさか……!?



ミク:
「みっくみくにし〜てあげる〜♪」



GM:と、ミクハ唄い出します。
   というわけで、
皆さん、抵抗してください♪
美雪:――必殺技なの!?(ころころ)失敗!
ミリィ:ミクのデータは、
ここを参照ね。
    (ころころ)そして、抵抗失敗。
光:敢えて、判定は拒否させてもらう!(←漢である)
キラリ:(ころころ)……ファンブル。(爆)
GM:え〜っと……全員、失敗?
   じゃあ、皆さん、みっくみくになってください。


 ――説明しよう!

 『みくみく』状態とは、両目がハートマークになり、
 「みっくみく〜♪」と叫びながら、ミクの歌に合わせて踊り狂う状態のことを言うのだ!

 また、みくみく状態になると、何故か、鉢巻と半被姿になったりする。


美雪:
「か、体が勝手に……みっくみく〜!」
ティーナ:
「キミのこと、みっくみくにしてあげる〜♪」
ミンニャオ:
「み、みっくみくにならざるを得ないのですよっ!?」
キラリ:
「みっくみっくにし〜てあ〜げる〜♪」(ネギを振りつつ)
光:
「みっっっくちゃぁぁぁぁぁぁんっ!!」
  既に親衛隊状態! 俺、輝いてるぜ!!


 こいつら……ノリノリである。

 まあ、それを期待して、
ネタを振った方としては、凄く嬉しいんだけどね。


GM:ミクが一曲唄いきる間、その狂乱は続き、
   唄い終わったところで、皆さんは我に帰ります。
ミク:「…………♪」(ぺこ)
   ありがとうございました〜、と頭下げて、にっこり微笑む。
光:「お、俺という奴は……」
  自分に、あんな面があった事を知り、かなりヘコむ。
ミリィ:「ぜぇ、ぜぇ……」
美雪:「わたしったら、何で、こんな恰好に……、
   半被? 鉢巻き? え、えっと、えっと……
八時だよ!
一同:
「――全員集合っ!!」
GM:まだ、微妙に混乱してる?
   歌が終われば、服装も元に戻りますよ。
ミンニャオ:ほとんど固有結界なのですよ。
      しかも、効果はクリティカル封じ……、
      幸運を武器にするアジ=ダハーカにとっては天敵なのですよ。
      まあ、これはPL発言だけど……、
ティーナ:「凄かったね……何が凄いか、って……、
     あんなノリノリなキラリお姉ちゃん見たの初めて……」
キラリ:「脳味噌が揺れてる〜……」
ミンニャオ:「アンコールなのですよっ!!」
一同:
「止めてぇぇぇぇっ!!」
ミク:「……?」
   アンコールと聞き、再びネギを構え――
光:「いや、もういいからっ! Nice Song!」
美雪:「踊り過ぎは体に悪いからっ!
   そもそも、ネギは食べる物だからっ!」
ネギ:「……?」
   美雪に言われ、持っていたネギをカリコリ食べ始めます。
   それが無くなると、また、何処からか出して、カリコリカリコリ……、
美雪:「食べれるんですかいっ!?」
ミンニャオ:なんというツッコミアイテム!!
光:「色んな意味で、新機軸だな」
ミリィ:「ところで……ひょっとして、この子、普通の会話できないの?」
ティーナ:「それっぽいね」
アリエス:「唄うことしか出来ないメイドロボ、か……」





―― PHASE-08 先人達の跡 ――


GM:さて、こうして、ミクが起動したわけですが、
   だからと言って、現状は何も変わっていないわけで……、
光:食糧の調達、脱出手段の確保……、
  やるべき事は沢山あるが、まずは島の探索だな。
美雪:その為にも、まずは拠点を決めないとね。
ミンニャオ:GM、適当な場所は?
GM:流石、経験済みのPLがいると話が早い。(笑)
   では、皆が流れ着いた浜辺から、少し離れたところに、
   随分と前に『誰かいた?』みたいな焚き火の跡が発見できます。
光:おい、それって……、
美雪:もしかして、この無人島って……、
GM:――はい、ご明察♪
   この島は、かつて、ライル達が流れ着いた島です。
ミリィ:「ねえ、火の跡があるわよ?」
ティーナ:「つまり、誰かがいた、って事なのかな?」
キラリ:「実績がある場所なら……拠点は、ここで良いかも」
光:「それは良いが……酒瓶?」
  焚火の跡の傍に落ちていた酒瓶を拾い上げる。
ミンニャオ:「煙草を吸っていた形跡もあるのですよ」
美雪:「この瓶の量からするに、相当の飲んだくれかしら?
   おまけに、極度のヘビースモーカー?」
ティーナ:「きっと、スゴイ駄目人間だね」
アリエス:「駄目人間の見本みたいなのかな?」
キラリ:「ダメな大人の見本市……」


 ここぞとばかりに、某PCをコキ下ろす一同。

 目の前に本人(中の人)がいるのに……、
 いや、だからこそか……?


光:「いや、それは言い過ぎじゃないか?」
  あまりの集中砲火に、ちょっと悲しくなってきた。
  思わず、弁護しちゃうぞ。
美雪:「光は、こんなダメ人間になっちゃダメよ?」
ミンニャオ:「お酒飲んで、煙草吸って、リストカットして……、
      挙句の果てには、10歳も年の離れた子を相手に、
      覚醒、必中、直撃、魂な感じで孕ませたりする大人になっちゃうですよ?」
アリエス:「あはははははっ!」
光:「……努力します」
GM:お前ら、それはPC発言か、PL発言か、どっちなんだ?
   まあ、とにかく、拠点も決まったところで、
   無人島の探索のルールを説明しますよ。


 こうして、LQリプレイでは、
二度目となる無人島ミッションが始まった。

 島の探索中、それはもう、色々な事があったが……、

 それを全てリプレイにするのは、
大変なので、探索パートは、ダイジェストで紹介します。


 洞窟にて――

GM:では、皆さんが洞窟にいくと、沢山の種類のキノコが生えています。
   それと、何やら雑誌の切れ端が1ページ分、落ちてたりします。
美雪:「……美少年大全?」
光:「このウェイトレス姿の子……なんか見覚えが……」
ティーナ:「え〜と……トルテちゃん?
     って、これって、テルトさんじゃ……っ!」
キラリ:「源氏名……」
まさよし:「男子たるものなんたる、なんたる……、
     しかし、まあ、これはこれで……」
キラリ:「まさよし、自重……」
ミンニャオ:「わお、これはこれは可愛く着こなしちゃってるのですよ」
美雪:「光は、体がゴツくて良かったわね」
光:「むしろ、俺がこんな格好させられたら……死人が出るんじゃないのか?」
ミンニャオ:「そういうこと言っていると、
      性別反転キノコ(肉体Ver)を引いちゃったりするのですよ?」
キラリ:(ころころ)
あ、ホントに出た。(爆)
一同:
キラリィィィィィッ!!


 森の中にて――

GM:森の中を、ガサガサと茂みを掻き分け進んで行くと、
   しばらくして、森が開けます。
   そこには、綺麗な水を湛えた大きな泉が広がっています。
美雪:「水源ゲット……で、良いのかしら?」
GM:水は飲めそうなくらいに澄んでいて、冷たい。
   『水浴び』だって出来そうですよ。(笑)
ミンニャオ:GMが、フラグを振ってるのですよ?
キラリ:(ころころ)なんか、食べられそうな果実を見つけた。
ティーナ:今日のキラリお姉ちゃんは絶好調だね。
美雪:別の意味でもね……、
ミリィ:「んじゃ、ちょっと味見〜♪」(ぱくっ)
光:「おい、ちょっとは警戒を――」
GM:心配ない♪ その果実は、とても美味しい♪
ミリィ:「あっ、これ、すっごく美味しい! キラリ、でかした♪」
GM:美味しくて、美味しくて……思わず、
口らビームが出る!(爆)
一同:
味○様か!? ○皇様なのか!?
ミリィ:
「う〜ま〜い〜ぞぉぉぉっ!!」(ズビーム!!)
GM:(ころころ)じゃあ、キラリに光属性ダメージね♪
   2d6+10でよろしくぅ♪
キラリ:「……よ、要注意果実」(バタッ)
一同:
キラリィィィィィッ!!
ミリィ:これ、攻撃用アイテムになるよね?
    ちょっと貰って行こう。(笑)
光:これ、皆で食べたら、海賊船くらいは沈められそうだな。
ミリィ:「あ、そうだ……光、今夜、ここで待ってるから」(こそこそ)
光:「……へっ?」
ティーナ:うわっ、ちゃっかりフラグ立ててるしっ!





―― PHASE-09 『勇気』の契約 ――


GM:では、ビームアップルで、酷い目にあったところで、
   無人島の探索1日目は終りです。
   ここからは『夜』と書いて大人の時間になります。
ミリィ:んじゃ、昼間に光を誘ってたので、例の泉にいる。
光:誘われたので、泉に行こう。
他一同:ミリィと光の後を追う。
    で、茂みの中に隠れて様子を窺う。
GM:全員で出歯亀かよ……まあ、話が早くて良いけど。
   
では、密会スタート♪
   
ここから先は、GMは、もう知らんから好きにしてください。
ミリィ:じゃあ、光が来るまで、泉で石飛びでもして遊んでる。
光:「わりぃ、待たせた……どうかしたのか?」
ミリィ:「あ、光……よかった、来てくれた」
    泉に踊る影……それは月光の下で動きを止める。
    立っているのはエルフの少女……、
    微笑みを浮かべて、少女は腕を広げる。
光:「あ、ああ……」(頬をぽりぽり)
  今まで傍にいた少女の、今までと違う様子に、一瞬、呆けてしまう。
ミリィ:「どしたの? ぽーっとして……コダマの気にでも当てられた?」
    くすくす笑いながら、光の元に、
    ヒョイと降り立ち、上目遣いに顔を覗き込む。
光:「あ、いや……そういうわけじゃないんだけどな」
ミリィ:「ここね……こんな森なら、
    きっといるかな、って思ったんだけどね……フルグレス」
光:「フルグレス?」
ミリィ:「あ、シーの伝承でね、木や森を護る龍のこと。
    子供達の護り手でもあるの」
光:「なるほど……」
ミリィ:「それでね、ふっと考えちゃった……、
    私、光の子供を生んだ後、どれだけ生きるんだろうな、って」
光:「こ、こど……あ――」
  ミリィの言葉に、少しうろたえる素振りを見せるも、
  その言葉に込められた意味に気付いてしまう。
ミリィ:「光や美雪は、どんなに長生きしても100年……、
    ミンニャオ先生だって800年……、
    でも、私とキラリは……」
光:「…………」
ミリィ:「子供のとき以来かな、私が美雪と同じ人間だったら、って考えたの。
    でもね、諦める、なんて選択肢はないの。
    光、今はね……私は、シーでもなんでもなくて、ただのミリィだから」
光:「そっか……」
ミリィ:「だから、ね? ちょっとだけ、弱い所、見せて良いかな?」
光:「……俺で良ければ」
ミリィ:「へへ……♪」
    そのままピトッと寄り添って、胸の中で抱きすくめられる。
光:「…………」
  ミリィを受け止め、頭を撫でる。
ミリィ:「……覚えてる? 光と私が、出会った時の事」
光:「確か……川釣りに出てた俺が、釣り上げたんだっけか?」
  今、思うと、ありえないよな、と苦笑する。
ミリィ:「――だね、もー大人たち大慌て。
    でも、一番最初に受け入れてくれたの、光だったよね」
光:「何も考えてなかっただけ、なんだけどな」(照れ)
ミリィ:「それでも、救われたんだよ?
    パパとママ、森の奥深い所に住んでるから、
    人間は怖い、としか教えてくれなかったし……、
    シーにとって、10年20年なんて風の一吹き……、
    でも、その中で、普通よりも深く、色んなものを、光は与えてくれたよ」
光:「そう、か……?」
ミリィ:「うん、人間だって怖くない人もいる。
    人間の町だって、シーにしてみれば石と鉄ばかりで大変だけど、面白い所だってある。
    それに……エルフだって、人間を好きになれる。
    他にも沢山、沢山……だからね、たまに、ほんのちょっとだけ怖くなるの。
    その怖いだって、光がいれば怖くないけど……、
    シーは森の木のようなもの、一度根付けば1000年の息吹をそこに過ごす。
    でも、思い出だけで生きていけるほど、ミリィ・ファーレンって強くない。
    だからさ、光……私の中、いっぱいにしてね?
    嬉しいも、楽しいも、辛いも……、
    光と、美雪達と一緒にすごす全部が、私の力になるから」
光:「……わかった」
ミリィ:「……ん」
    じぃっと光の表情を見つめて、そのまま目を閉じて待機状態!
光:「…………」
  身を屈め、軽くミリィを抱きすくめながら。口付けを交わす。


 ――月の光の下で、2人の影が重なる。

 その時は、まだ、2人も気付いていなかったが、
光の懐の中で、トートの書が淡く輝いていた。

 ミリィは、大切な人の前で、自分の弱さを見せることができた。
 そんなミリィの心に、トートの書は感応したのだ。

 契約完了――
 カードの名は『勇気』――


ティーナ:「おめでとう、ミリィお姉ちゃん♪」
ミリィ:「あ゛あ゛あ゛あ゛〜っ!
    ティーナが見てたなんて想定外よっ!?
    もしかして、他の皆も……?」
ティーナ:「他の皆は、途中で戻ったよ?
     あたしは、ずっと見てたけど♪」
光:「お、おれ……ちょっと走ってくるっ!」(脱兎)





―― PHASE-10 それぞれの前進 ――


GM:さて、他の皆は、何してるのかな?
美雪:私は、にゃんこ先生と話してます。
ミンニャオ:「いやー、皆、夜だと言うのにはしゃいでいるらしくて、
      ミリィ君もティーナ君も、どっか行ったきりで暇だったのですよ」
美雪:「ほんとにもう……みんな、しょうがないんだから……、(苦笑)
   で、先生も、はしゃいで何処かお出掛けです?」
ミンニャオ:「――かなと思ってたところで、美雪君がいたのです。
      まぁ、暇なことは暇なので、与太話とかあれば乗れるのですよ?」
美雪:「あ、いえ、その、えっと……私は……、
   も、申し訳ありません! 少し、一人にして頂けますか?」
ミンニャオ:「みゅう、なら、そうしておくのですよー。
      あっ、昼間に見た泉とか、涼むのに良さげなのですよー」
      と、それとなく、泉に行くよう誘導しておくのですよ。
美雪:「う、うん……そのつもり……ゴメンね、先生……」
   頭を下げて、泉に向かいます。
ミンニャオ:「……先生は、あくまで枯れた知識の森なのでー、
      活きている想いに対しては専門外なのですがー……」
      立ち去ろうとする美雪の、その背中に声を掛けてみるのです。
美雪:「…………」
ミンニャオ:「まぁ、それでも、一つだけ言えることがあるならば……、
      生きている限り、何かを欲するのは人の性(さが)。
      故に、そして、されど、我々は、ここまで“みんなで”やってきたのですよ。
      うん、美雪君は賢い子ですから、
      今更、言う程のことじゃないと、自分では思うかもしれませんが……、
      それでも、今ここで言っておくのです。
      悩め若人、それこそが糧……なのですよ」
美雪:「ふふふ……そんな、言われる程、私、賢くなんかないわ。
   でも、うん、分かった……ううん、何とか分かるように努力してみます」
ミンニャオ:「ん、まぁ、ゆっくりしてくるのですよ」
      さて、みーすけはどうするですかねー……」
      みーすけは、覗き見せずに、そのまま帰っちゃうことにするです。
キラリ:「……師匠、おかえりなさい」
    そのまま、私のシーンに入っていい?
    私は、拠点で待ってました。焚火に追加の薪でもくべてます。
ミンニャオ:「みゅ、ただいまなのですよ」
キラリ:「……いつの間にやら、皆、いないので、
    最初は驚きましたが、逆に抜け駆けの心配がなくて、安心しました」
ミンニャオ:「まぁ、みんな元気に外で遊んでいるのですよ。
      キラリ君も、抜け駆けは心配なのですよ?」
キラリ:「……はい。やはり、家族のように一緒にいれば……、
    光が、それで良いと言うのならばいいのです。
    でも、出来るならば、わたしと言う本の中に、
    わたし自身のバッドエンドは書きたくないのです。
    できるなら、ハッピーエンドを、わたしは書きたいです。我がままですけど……」
ミンニャオ:「何もない場所だと、やっぱり心の中も浮き彫りにしたくなるもの……、
      うん、そう願う方が、むしろ健全なのですよ」
キラリ:「……でも、全員がハッピー、というのは御伽噺でもなかなか……、
    書けるでしょうか? 書き手はわたしだけではありませんし……」
ミンニャオ:「今までは、上手く乗り切ってきて、
      たった今、波がきている、船の中……、
      確かなことは、今までは、良いお話が書けていること……、
      それがきっとできる、なんて安い確約を与える言葉は、
      みーすけは好きではないのですけれど……、
      できると思わなければ、書けるモノも書けない、ですよ?」
キラリ:「……ありがとうございます。
    みんなで、書きましょう……、
    もう、『壊れる』なんて言いません。最後の一ページまで……」
    ぎこちないけど、珍しく笑ってみせる。
ミンニャオ:「お礼を言われるようなことは言ってないのですよー」
GM:ん〜、じゃあ、ここで、シーンを切って良いかな?
美雪:待って、もう少しだけ……、
   先生と別れて、泉に向かって……、
   そこで、ミリィの告白を、こっそり聞いたところからスタートして良い?
GM:どうぞ、どうぞ♪
   では、ミンニャオに薦められ、泉に向かった美雪は、
   そこで、光とミリィを発見します。
   何だか、声が賭けにくい雰囲気に、美雪は、思わず身を潜めてしまう。
   ティーナは美雪が来た事に気付くが、やはり、声を掛けそびれ……、
   そして、ミリィの言葉が……、





「光や美雪は、どんなに長生きしても100年――」

「私が美雪と同じ人間だったら――」

「嬉しいも、楽しいも、辛いも……、
光と、美雪達と一緒にすごす全部が、私の力になるから――』

   ・
   ・
   ・


「私……何やってるんだろう?」

 ミリイの一言一言が、心に、ずきずき突き刺さる。
 『何』とは、今、自分がしている事……、
 そして、過去の色々なもやもや……、

 そして、その先……
 そして、これからのこと……、

「ティーナだって、ミリイだって……、
ううん、他の子達だって、多分、気持ちは同じ……」

 ――じゃあ、私は?

「私だって、光を好きな気持ちは同じ……なのに、なんで、どうして?」

 自分の内から溢れそうになるモノに、戸惑い、もがく。

 そんな中、目の前で……、
 二人の唇が重なり……、

 ――思わず、叫び出しそうになる。

「やだ……いやだよ……」

 咄嗟に、それを飲み込み、その場から逃げるように……、

 いや……逃げ出し、駆ける。

 一体、何処に……?
 何処なのかも分からず……、

「いやだ、私だけ置いて行かないで……、
取り残されるのは、いや……、
みんな……光……私を、置いて行かないでっ!!」

 走りながら、己に問い掛ける。

 ――私は光が好き?
 うん、好きよ!

 ――じゃあ、他の女の子にも負けないくらい?
 うん、自分では、そう思ってる……

 ――じゃあ、何が足りない?

 足りないじゃない……、
 違う……私は、私は……、

 私は――



「――今を、全然、恋してない」



 足がもつれたのか……、
 それとも、今の自分に絶望したのか……、

 走る足を止め、ガクッと膝をついてしまう。

「どうしよう……やっぱり、帰らなくちゃ……」

 帰りたくない……、
 こんな姿を見せたら、皆に心配をかけてしまう。

 帰らなければ……、
 早く戻らないと、、皆に心配をかけてしまう。
 
 相反する二つの想いを抱え、
フラフラと、来た道を戻ろうとする。

 と、その時……、



「……どうした、美雪?」



 今は、会いたくなかった。

 でも、それでも……、
 やはり、会いたかった彼が、目の前に……、





光:「……?」
  ミリィ達と別れ、走り込みを、
  一通り終えたところで、偶然にも美雪を見つける。
美雪:「ち、ちょっと、寝付けなかったから、散歩に……」
   と、言ってるうちに、涙がぽろぽろと……、
光:「美雪……本当は、もっと、
  早く伝えるつもりだったんだが……ごめんな。 遅くなって。
  ありがとう……美雪が傍にいてくれて……、
  背中を押してくれるおかげで……俺は、前に進んで来られた」
美雪:「違う……わたし、そんな褒められるような子じゃ……、
   だって、だって……ごめん、ごめんなさ……えぐ……ごめんね……」
光:「美雪が謝る必要はないんだ。
  前に、美雪達が勇気を出して告げてくれた時に、俺がもっと強かったら……、
  ここまで、お前を追い詰める事はなかった」
美雪:「私だって、全然強くなかったんだよ……、(ふるふる)
   いつもいつも『結婚してから』『結婚してから』なんて……、
   私、いつもいつも、光に保証求めてて……、
   全然、今をどうにかしよう、なんて考えてなかった。
   結婚なんて、結局は『今』の延長でしかないのに……、
   『今』恋することが大事なのに……、
   ティーナやミリイは、何時だって、今を一生懸命、光に恋してるのに、私ったら……、
   そんな事を考えていたら、物凄く自分が嫌な女に思えて……、
   そして、皆が、私の届かない所へ行ってしまいそうに思えたの」
光:「そうか……俺も『護る』とか、体の良い言葉を、
  いつも口にはするが、結局、それからの事は何も考えようとしてなかったんだな」
美雪:「ねえ……光……私達、今からでも、強くなれるかな?
   『今』を、一生懸命、恋していけるかな?」
光:「きっと……いや、間違いなく、なれるさ」
  美雪を抱き留め、口付けを交わすのです。
美雪:「改めて言うわね……私、光が好き、大好き。
   今も、そして、これからも……、
   皆と一緒に、私……光を好きでいたいの」
光:「俺もだ……美雪と、皆と歩いていけるような……、
  置いて行かないような男である事を誓うよ」
美雪:「もう、結婚してからとか、そんな後の保証なんて考えない。
   今、この瞬間を、これからもずっと好きでいたい。
   だから……その……えっと……、(もじもじ)
   もし……光が、その……我慢できなかったら、何時でも……」
光:「……ん?」
  なんか、場の空気が変わってきたような……」


美雪:
「いつでも、私を襲っちゃってぇぇぇぇっ!!」


ミリィ:
「あんたは開き直りすぎだぁぁぁぁっ!!」
    スパーンッと、美雪をハリセンで叩く!
    なんで、そう、想定の斜め上を、
    勢い良くスッ飛んでいくかな、この子はっ!
ティーナ:「美雪お姉ちゃんばっかりずるぅぅぅいっ!!」
     美雪お姉ちゃんに、追い打ちのドロップキック!
美雪:「ひゃあああああっ!?」(ぶっ飛び)
キラリ:「待った、それだけはダメ……!」
ミンニャオ:「あーあ、なんてーか……、
      もう、美雪君をふるぼっこタイムに突入なのですよ♪」
光:「――って、またしても覗かれてた!?」
  一瞬、本気でエージェント技能の取得を考えたぞ。
ティーナ:「警戒が足りないね、お兄ちゃん。
     良かったら、エージェントの技、教えてあげようか?
     手取り、足取り、腰取り?」
光:「いや、腰は断る」
ミンニャオ:「でも、生半可な警戒じゃ、皆の覗きは止められないと思うのですよ。
光:「ですよね〜」
ミンニャオ:「それにしても、ある意味どうでも良い話なのですけど……、
      無人島から出る手段、これだけセッションに時間かけても、
      さーっぱりなのですよねー」
ミリィ:「先生、それは言っちゃダメ……まだ1日目の夜なんだから」
ティーナ:「てか、それって、メタ発言!」
GM:はいはい! もう良いよね!(手をぱんぱん)
   もうやりたい事は無いよね? シーンを切っても良いよね?
   このPT、ロールプレイが長すぎ! リプルイを編集する身にもなれ!
   いや、面白いから、一向に構わんのだがっ!!(笑)
   とにかく、これで、1日目の探索はおしまい!
   2日目からは、本格的にシナリオを動かしますよ!
一同:は〜い♪





 誰もいない無人島――

 その過酷な(?)環境の中で、
少年と少女達は、少しだけ大人になった。

 ……とはいえ、現状が好転したわけではない。

 未だ、この無人島から、
脱出する手段は見つかっていないのだ。 

 果して、彼らは、無事に、
ミクを連れて、リーフ島に行くことが出来るのか?

 それとも、この島のアダムとイブ達になってしまうのか?





ミリィ:「それはそれで、アリよね♪」

光:「――ねぇって!!」(爆)





<後編に続く>
<戻る>


注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。