GM:さて、今日は、がんな〜ズのセッションを、
   予定していたのですが、フリッツが欠席するそうです。
清華:まあ、こんな時もあるよね。
ミラ:じゃあ、今日は、このまま解散かい?
ミュー:中断していたセッションの続きだし……、
    不在のまま開始するわけにもいかんしな。
GM:何をおっしゃる?
   折角、こうして集まったんですから、セッションしますよ。
   こんな事もあろうかと、ちゃんと、シナリオも用意してあれます。
清華:相変わらず、用意が良いと言うか、何と言うか……、(汗)
ミュー:3人でプレイするのか?
GM:……くのうなおきさんがいるじゃん?
くのうなおき:――はい?(←見学中)
ミラ:このメンバーで出来そうなセッションって……、
   ああ、幼馴染〜ズかっ!
GM:そういうことです。
   では、幼馴染〜ズ改め『かしまし〜ズ』の突発セッション、
   『素敵探検ラビリンス 後編』を始めます。
   よろしくお願いしま〜す♪
一同:よろしくお願いします〜♪





ミラ:……って、後編?!

清華:かしまし〜ズって……、
   いつから、PT名が変わったの?!

ミュー:微妙に、語呂が悪かったからな〜。






『Leaf Quest TRPG』リプレイ

かしまし〜ズ冒険譚 3

『素敵探検ラビリンス』 後編







―― PHASE-01 地下迷宮、エラー発生 ――


GM:では、状況を説明するので、
   その間に、キャラを変更しておいてくださいね。
   シナリオの舞台は、知識都市コミパです。
   先日の土竜団との闘いを終え、連絡船のチケットを手に入れた皆さんは、
   宿屋で、港があるタイプムーンに向かう準備をしています。
ミラ→キラリ:……土竜団?
美雪:詳しくは
『エルトを追う者達』を参照ね。
清華→アリエス:ということは、
        私が、第2PTと冒険した直後くらい?
GM:そうなりますね。
ミュー→ミリィ:じゃあ、あたしらは、
        テルトーズとも知り合いになってるわけだ。
GM:はい、知り合いになってますね。
   ちなみに、光は、先の事件で知り合った、
   少年剣士のテルトと、熱い時間を過ごしてる真っ最中です。(笑)
アリエス:それだけ聞くと、何か怪しい。
     一緒に剣の鍛練をしてる、ってことだね。
美雪:「うーんと、着替えは、これだけあれば良いよね?
   こっちが、キラリの分で、これがアリエス、これがミリィ、と……」
   とにかく、皆も旅の準備を進めちゃってね。
ミリィ:「む〜……なんか、ブラがきつい?」(もぞもぞ)
美雪:(ったく、なんで、こんな、でかい乳してるのよ、こやつは)
キラリ:「……鍵開けの方法論、教えてもらってありがと」
キアーラ(←キラリ):「お安い御用だって。実践しないと、これ、わかんないし」
           キラリは、先日、出会った半耳エルフのキアーラと仲良くなってる。
GM:PLが同じですからね。そのへんは、ご自由にどうぞ。
   で、皆さんが、旅の支度をしていると、
   コンコンと部屋のドアがノックされます。
美雪:「(着替え中の子はいないわね)……は〜い」
   返事をしつつ、ドアを開ける。
???:「お邪魔するわね。アリエスちゃんはいる?」
    と、ドアを開けて入ってきたのは、
    横ポニーテールが特徴的な、胸の大きな女性です。
    アリエスなら知っています。コミパ自警団の一員の『高瀬 瑞希』です。
アリエス:「……ミズキさん?」
キラリ:「知り合い?」
    お客さんの胸の大きさに、ちょっと嫉妬しつつ訊ねる。
美雪:(ううっ……また、デカ乳)
アリエス:「んーと……バイトしてたトコのお姉さん、かなぁ」
ミリィ:「あ〜、美雪? そろそろ本腰入れて探さないと、
    もう暫くは、サラシだわ、私」
    と、客が来てるのに、外したブラを、指で軽く回してる。
美雪:「うふふふふふ……ジブンデサガサンカイ、コンチクショウ♪」
瑞希:「旅の準備で忙しいところゴメンなさい。ちょっと、時間ある?
   あ、大きめのブラ探すなら、あとで、良い店を教えてあげるわ」
美雪:「よかったわね、ミリィ……、
   好きなだけ、でかいブラに埋もれて、
   ゆっくり探すといいわ……フフフフフフフ……」
キラリ:「美雪、自重……」
ミリィ:「わお♪ そりゃ、感謝感激雨あられ♪
    できるだけ可愛いのが良いな♪
    ――と、それは、ともかく、何か仕事の口?」
瑞希:「私達のサイズだと、可愛いいのって、なかなかねぇ……」
キラリ:(一番売れ行きの良いブラのサイズがC……、
    A以下もまた、意外と探しづらい……)


美雪:(胸の大きさが女の価値じゃないしっ!
   ま、まあ、同様にアレとかナニとかの大きさが男の価値でもないし……)



瑞希:「――って、それはさておき、ちょっとお願いしたいことがあるの。
   アリエスちゃん、前に、ウチが管理する、
   地下迷宮に潜ってもらった時のこと、覚えてるわよね?
   アランっていう旅の剣士が迷宮に迷い込んで、
   それを、彼の仲間と一緒に探しに行ってもらったでしょ?」
アリエス:「うん、覚えてるよ」


美雪:(ひ、光が、その……うん、大きくても小さくても、
   
別に私困らないし、軽蔑とかしないしっ!
   
えっと、やっぱり小さい方が怖くないかな〜、なんて……、
   
つまり、結論としては――)


瑞希:「それでね、ちょっと困った事が起きてるの。
   あの時、結局、アランって人は、自力で迷宮から出て来れたんだけど、
   どうやら、クリア条件を満たさないで出て来ちゃったみたいなのよ」
ミリィ:「一人で? 迷子になって?
    それでも抜けて来れるって、どれだけの腕前?」


美雪:
「――小は大を兼ねるのよ!」(びしっ)


ミリィ:「美雪、桃色妄想が口突いて出てきてるわよ?」
アリエス:「みゆ姉、戻ってこ〜い」
美雪:「えっ……あら?」(キョロキョロ)
ミリィ:「頼むからさ〜、思わず妄想口走ったり、
    玩具を子供達の所に忘れてくるのは気をつけよう?」
美雪:「……えっと、もしかして、込み入ったお話?」
ミリィ:「やっぱり、聞いてなかったのね……」
    小声でしっかり説明したげるから、この早口についてくるよーに」
美雪:「は、はーい……ご迷惑をお掛けします」
瑞希:「――で、それが原因で、迷宮の再構成がされないっていう、
   構造上のエラーが発生してしまったの」
キラリ:「つまり、迷宮のクリア条件を満たすなどして、エラーを解かなければいけない」
アリエス:「地下ダンジョンこ構造変化しないって……、
     探索する側から見れば良いことなんだろーけど……」
瑞希:「まあ、南さんが言うには、エラーの原因は、
   それだけじゃないみたいなんだけど……」
   と、そこまで言うと、突然、瑞希は、声を潜めます。
ミリィ:ここからは、ちょっとヤバイ話っぽいわね?
瑞希:「……で、ここからは、
   できれば、オフレコでお願いしたいんだけど、良いかしら?」
キラリ:「……口は堅いつもり」
瑞希:「コミパの地下迷宮はね、まるで訓練施設みたいに、
   挑戦者の実力に応じて、その難易度が設定されるの」
美雪:「つまり、下手に腕の立つ人がリセットかけずに出てきちゃったから、
   難易度が固定されて、容易にアタックがかけられない?
   権利者の人達もおいそれと、探索依頼は出せなくなるだろうし……」
アリエス:「……超難易度になっちゃってやばい、ってことかな?」
キラリ:「それは、私達に何とかしろと?
    無茶言いますね、なかなかに……」
瑞希:「そんなことはないわ。
   だって、アリエスちゃん達だって、一応、突破してきたでしょ?
   問題は、それ以外にあって……、
   迷宮のその性質上、迷宮には、挑戦者の個人記録を記憶する機能があって、
   南さんが、それを調べたら、迷宮の記憶装置は、アランのことを、
   あの円卓の騎士の一人『サー・ガヴェイン』だと認識したみたいなの」
ミリィ:「なんつー、はた迷惑なシステムエラー」
キラリ:「……エラーどころの騒ぎじゃない」
美雪:「えっと、つまり、今現在に、
   存在しない人物を認識してしまっているわけですか?」
瑞希:「まあ、彼が何者なのかはともかく……、
   今の時代にいない人が、迷宮に入ってきたと認識してしまった。
   これが、おそらく、最大のエラー原因だそうよ」
   前置きが長くなったけど、ようするに、アリエスちゃんが挑戦した迷宮に、
   もう一度、再挑戦して、今後こそ、ちゃんとクリア条件を満たしてきて欲しいってわけ。
   そうすれば、現状の構成もリセットされて、再構成が始まるはずだから」
アリエス:「個人記録をリセットして来るよーに、かぁ」
美雪:「つまり、難易度を設定する際、挑戦者の実力を認識するわけね……、
   あ、でも、似たような実力の人は多数いるだろうし……、
   私達にも、本来の用事があるし……」
ミリィ:「まあ、確かに、私達である必要は無いわよね?」
瑞希:「そね、本当なら、自警団員がやれば良いんだけど……、
   可能な限り、状況を再現した方が良いの。
   最低でも、当初と同じ人が1人はいた方が良いのよ。
   でも、エルヴィンさんもカインちゃんも、もう街にはいなくて……、
   それで、アリエスちゃんにお願いできないかな、って思って……」
アリエス:「んー、アタシはOKだよ」
キラリ:「……了解……ただ、慈善で行くわけにもいかない」
美雪:「下種な問いで申し訳ありませんが、
   そちらで『用意』できるものはありますか?」
瑞希:「もちろん、無理を言うわけだから、相応の報酬は用意させてもらうわ。
   通常のダンジョンアタックの報酬……、
   プラス、私達は、今回、あなた達が、迷宮で得た物品を徴収しません。
   つまり、今回に限り、迷宮で得たものは、そのまま、あなた達が持って行っていいわ。
   例え、それが……魔法銀製のモノでもね」
ミリィ:「それは、さすがに魅力的ね〜。
    あそこって、何があるか判らないのが魅力だし。
    逆に言えば、それだけ洒落にならない事になる可能性も秘めてる訳だけど……、
    何が起こるか判らない、って、割と怖いモンだし……」
美雪:「取り敢えず、そんな高価なモノとか、希少品はともかく、
   当面の生活費は賄えるかも!」
アリエス:「魔法銀製は、確か、規制が掛かって……没収か買取り、だったっけ?」
キラリ:「(きゅぴ〜ん)……受けた」
瑞希:「じゃあ、交渉成立ね。できれば、早急にお願い。
   今回のエラーって、放っておくと、迷宮全体にまで及ぶかもしれないから」
   と、言うわけで、買い物タイムは省略します。
   そのかわり、皆さんには、ヒールズの呪文薬が3つ与えられます。
美雪:じゃあ、HPが低いミリィが、1つ持っておいて。
   残り2つは、私が持っておくわ。
瑞希:「あと、これはオマケね」
   と、瑞希は、ダウジング棒の様な物をくれます。
ミリィ:「……何、これ?」
瑞希:「トラップ感知のアイテムよ。3回だけ罠の有無を教えてくれるわ」
   具体的には、使用を宣言すれば、
   3回だけ、エージェント判定を自動成功にできます。
美雪:「そ、それは、役に立ちます」
   でも、GM、そんな便利なモノ、貰って良いの?
GM:だって、今回メンバーだと、
   エージェント技能、誰も持ってないでしょ?
ミリィ:ああ、そういえば……、
    これは、使うタイミングが重要かも……、


 ――うむ、その通り。

 実は、このトラップ感知アイテムは、
単なるサービスでは無く、シナリオクリアに大きく関わっていたりする。

 調子に乗って使い過ぎると、後で大変なことになるぞ〜?


美雪:「とにかく、早急にクリアできるように頑張ろう」
キラリ:「……女神様、早めの解決をお願いします」
ミリィ:「んじゃ、魔法のブラジル水着(キラリ用)を目指して、出発!!」
キラリ:「ブラジルはやめて……、
    スクール水着ならともかく……」
アリエス:「……スクール水着なら良いんだ」
GM:(てか、そんなレアアイテム、用意して無いよ。
   宝箱イベントがあったら、即興で用意しようかな?)





―― PHASE-02 ここではきものを…… ――


<コミパ地下迷宮 1−1>

GM:では、ここから、ダンジョンのシーンです。
   DLは3で、フロア値とエリア値は5になります。
アリエス:前回と同じなんだね。
GM:そりゃ、迷宮の構成は変わってないことになってますからね。
   で、早速ですが、ここは、固定イベントです。
   皆さんの行く手を、岩のドアが塞いでいます。
   で、その脇の床に、1m四方の、他の床板とは違う色のタイルがあります。
アリエス:「……すごく怪しい」
キラリ:「これは、踏めということ? それとも、踏むな?」
美雪:「どう見ても、ドアのスイッチなんだろうけど……」
キラリ:「……誰か、踏んでみる?」
アリエス:「タイルは無視して、まずは、ドアから調べてみれば?」
美雪:「とりあえず、正攻法よね」
GM:岩のドアを調べるなら、
   『ここではきものをぬいでください』と書いてあります。
アリエス:「……とんち?」
ミリィ:「さあ、靴を脱いで、タイルの上に置いてみようか?
    靴を置いて、それでダメなら、脱げば良いのよ」
キラリ:「……とりあえず、靴から」
GM:靴を置きました? 反応はありません。


 ――って、しまった。

 ここでは『靴』で正解だった。
 シナリオの段取りを間違えちゃったよ。

 どうしよう……展開の順番が……、

 ま、まあ、いいか!
 こうなったら、なるようになるっ!


美雪:「こんのドスケベ扉がぁ〜……」(わなわな)
キラリ:「……私は下にも着てるし、防御には関係ない」
    ローブを一枚脱いで、タイルに置く。
GM:ローブを置いたなら、
   ゴゴゴゴ……と、ドアが開きます。
ミリィ:「……えろい入口ねぇ」
GM:(防具を無くす、って意味もあるんですけどね。
   まあ、エロイベントを狙ったのも事実だけど)
美雪:ちょっと待って。私の割烹着を置いていくわ。
   キラリも、ミリィも、防御やHPに不安があるし、
   唯一の前衛のアリエスが防具を置いていくわけにもいかない。
   私には、まだ、中華鍋があるから平気よ。
キラリ:じゃあ、お願い。
ミリィ:「……アンタ、相変わらず、足回りは変な色気漂わせてるわね〜」
美雪:「そ、そう……?」
   自分の黒ストッキングを見降ろしつつ……、
ミリィ:「うん、上と相殺でバランスばっちりって感じ♪」
美雪:「……何気に『落とし』やがって」
ミリィ:「タダでさえ羨ましい相手を、そう手放しで褒めますかっての」


<コミパ地下迷宮 1−2>

GM:じゃあ、ここから、ランダムダンジョンを本格的に始めますよ。
   代表者は、2d6でイベントを決定してください。
キラリ:ここは、経験者のアリエス、よろしく。
アリエス:おっけ〜(ころころ)……、
GM:その出目だと、宝箱を発見します。
キラリ:「……幸先が良い」
GM:ただし、ダウジング棒が、ビンビンに反応してますよ。
   ダウジング棒を使うなら、罠を発動させること無く、宝箱を開けられます。
美雪:「罠がある、ってことよね?」
キラリ:「でも、ここは1階。敢えてスルーもあり。
    私は、スルーに1票。ここは、使わないでも良い場面」
美雪:「今後の事もあるし、ここは、スルーしとこうか?」
ミリィ:「そうね、大変な時に使えませんじゃ笑えないし」
美雪:「なんだかんだで、宝箱は二の次。
   当たればラッキーくらいで考えましょう」


<コミパ地下迷宮 1−3>

GM:次のイベント判定をお願いします。
キラリ:次は私が(ころころ)……、
GM:では、キラリは、曲がり角の向こうに、
   数匹のモンスターの気配を察知します。
   ガンスリンガーかビーストテイマー技能で判定してください。
   成功すれば、先制攻撃ができます。


 この判定では、GMが6ゾロを振り、PTの先制攻撃を防ぎます。

 相手は、獣型モブモンスター。
 でも、魔術師が多いPTにとっては、少々、役不足。

 案の定、全体攻撃魔術で、
アッサリと仕留められてしまいました。

 それでも、キラリに7点のダメージを与えただけ、健闘したかな?


アリエス:「これで……終わりっ!」
ミリィ:「ふ〜、一丁上がり」
美雪:「なかなか、難しいものね……、
   予想以上に、魔力を消耗しちゃったわ」(←1発外した)
キラリ:「……運もあるから、気にしない」
アリエス:GM、ラウンドシールドは背中に背負って、
     マルドゥークを両手槍にしておく。
     モブモンスターは、サッサと潰した方が良いね。


<コミパ地下迷宮 1−4>

GM:さて、皆さんが通路を歩いていると、
   床に、薄らと魔方陣が描かれているのを発見します。
   MPを消費させるメイガス系のトラップです。
ミリィ:「あっとっとっ……こりゃまた……」
キラリ:「……何処ぞの赤い服の人(アレスタ?)を思い出す」
GM:トラップを解除するなら、メイガス判定です。
キラリ・ミリィ:(ころころ)よし、いい感じ。
GM:達成値は13と14?
   なら、ミリィとキラリが魔方陣に手を加え、危険性を無くしました。
   それで安心して進めます。
キラリ:「……この線だけ消せば……無力化可能」
ミリィ:「基本に忠実で良かったわ」
美雪:「さすがに、メイガスが3人もいれば、そこらへん苦労しないわね」


<コミパ地下迷宮 1−5>

GM:エリア1−5です。
   ここで、次のフロアへの階段を発見します。
美雪:「とりあえず、第一段階クリア、ってとこか」
ミリィ:「光の口調、移った?」
美雪:「そ、そうかな……?
   でも、年がら年中、一緒にいるんだし……」
アリエス:さあ、次のフロアに行こっか。
     多分、また、最初のエリアは固定イベントだよ。
GM:――あ、わかる?
アリエス:そりゃあ、前回もそうだったし?


<コミパ地下迷宮 2−1>

GM:では、フロア2にやって来ました。
   ここでも、岩のドアと白いタイルがあります。
キラリ:「……今度は、何て書いてあるの?」
GM:で、岩のドアには、今度は、
   『ここで履き物を脱いでください』と書いてあります。
美雪:「今度は、妙な言葉遊びは無いみたいね」
キラリ:「漢字の良さを実感……」


 うん、順番を間違えたからね。

 本当は、これを最初に出すつもりだったのに……、
 おかげで、トラップの順番まで変わっちゃったし……、

 ……まあ、全部、自分のミスなんだけどね。


ミリィ:「今度は、靴で良いみたい」
キラリ:「……私が靴を脱ぐ。
    床が靴なしでは通れなくても、私なら背負っもらえる大きさだから」
GM:キラリの靴を置きました?
   それなら、ゴゴゴゴゴ……っと、扉は開きます。
キラリ:「……いざという時は、背負ってね」
美雪:「うん、任せて」
ミリィ:「でも、これってさ〜、冷静に考えると、
    男の人が1人で来てたりしたら、ちょっと想像したくないよね?」
アリエス:「実際、来てたんだよ、アランって人が……、
     でも、その時は、タイルに置く物が違ってたみたい」
キラリ:「……何だったの?」
アリエス:「ワッフルとか、煎餅とか、マカびんびんとか?」
ミリィ:「何故、そんなピンポイントな……」


<コミパ地下迷宮 2−2>

GM:さてさて、ここも、固定イベントです。
   一本道の通路なんですけど、床一面、鉄板になつています。
   しかも、目玉焼きが焼けそうなくらいに熱い。
美雪:「……そういうことね」
GM:ちなみに、靴を履いている人は、問題無く進めます。
キラリ:「いきなりだけど、おんぶ……、
    ひんそ〜で、ちんちくりんで良かった……のかな?」
美雪:「じゃあ、私が背負うわね……、
   あと、そういうことは、考え方次第よ?
   体が小さければ、光に甘えられる機会も増えるでしょ?」
キラリ:「……光に抱えられると、海に放り出されそうでイヤ」
    昔、海に投げ入れられたことがあるから、トラウマがあるの。
美雪:「そこらへんは、しっかり教育しておくわ」


<コミパ地下迷宮 2−3>

GM:このフロアは、固定イベントが続きます。
   一本道のアツアツ鉄板通路が続いているわけですが、
   その途中、ダウジング棒が、ビンビンに反応します。
美雪:「厄介事が重なるわねぇ」
アリエス:「転ばせるような罠かな?」
キラリ:「……お願いします、ダウジング棒」
GM:では、ダウジング棒がビシッと、床の一点を示します。
   そこにはスイッチがあって、
   踏むと、鉄板がバネ仕掛けのように飛び上る仕掛けになっているようです。
ミリィ:「あっぶなぁ……」
キラリ:「……イカ焼き(関西風)にされるとこだった」
美雪:「何で、こう、狙いすましてるのか……、
   でも、あからさまな分、慣れてくれば、自然と傾向も分かるかな?」
ミリィ:「問題はさ、クリア条件とかを、
    私らも知らないって所にもあると思うから、油断は禁物よ〜?」
美雪:「ま〜ね、とりあえず、トラップの傾向だけでも掴めれば、
   それで良し、ってことで」
キラリ:「とにかく、火傷だけは嫌……」


<コミパ地下迷宮 2−4>

美雪:イベント判定、次は、私だっけ?
   (ころころ)あら、ゾロ目?
GM:だったら、階段を発見しましたね。
   次のフロアに移動できます。
キラリ:よし、スキップ成功!
ミリィ:さ〜て、次は、何を脱がされるのかしら?
アリエス:そろそろ、直球が来そうだよね。


<コミパ地下迷宮 3−1>

GM:フロア3の最初の固定イベントです。
   例によって、岩の扉とタイルがありまして……、
   『ここで穿き物を脱いでください』と書かれています。(笑)
キラリ:「いよいよ、本性をムキ出しにしてまいりました」
美雪:「穿く物……ズボンとか、スカートとか……」
ミリィ:「ズボンなんて穿いてないっての。
    で、パンツと言えば、美雪よね?
    今回は、光もいないし、見せる要素も無いし……」
GM:実は、光がいる事を前提で作ったシナリオだったりします。(笑)
美雪:「わ、私だったら、スカートだけ脱げば……上着もあるし……、
   とにかく、パンツは最後の砦……、
   だいたい、スカートだって『穿く物』でしょ?
   流石に、ノーパン……もとい、はいてないのはマズイわ」
キラリ:「はいてないのは、某イラストレーターで充分……」
ミリィ:「てか、女の子ばっかで、何を今更?」
美雪:「と、とにかく……ここは、スカートを……」
   スカートのホックをモジモジと外して、ぱさりと、足元にスカートが落ちる。
   で、それをタイルの上に置くわよ。
GM:ゴゴゴゴ……っと、扉が開きます。
美雪:「この、えろ迷宮がぁ〜……」


<コミパ地下迷宮 3−2>

GM:はいはい、ここも固定イベントですよ。
   一本道の通路が続いているわけですが、
   今度は、床一面が鏡張りになってます。(爆)
キラリ:「気に食わない迷宮……」
美雪:「キラリも、そう思う? 私もよ、ウフフフフフ……、
   正直、このままおかしくしておいた方が、世の為のような気がしてきたわ」
アリエス:「おかしくなってるから、
     こんな事になってるのかもしれないんだけどね」
ミリィ:「実際、女の子だけで何をどうリアクションしろってのよ?
    とにかく、サッサと抜けましょ」
美雪:「まったく……もし、光が一緒だったらどうするのよ?」(ぶつぶつ)
ミリィ:「そりゃ、その時に考えるわよ」
GM:いや、ホントに、光がいない事が悔やまれます。(笑)


<コミパ地下迷宮 3−3>

美雪:「『みみみみみ、美雪!
   お前なんてハシタナイ姿に……って、おしおきじゃー!!』
   『きゃー♪』な〜んてことになったりして……」(もわもわ)
ミリィ:はいはい、妄想モードに入ってる、
    美雪は放っておいて、次のイベントは?
アリエス:(ころころ)宝箱を発見、だって。
GM:しかも、ダウジング棒は反応無しです。
キラリ:「今度は、安全みたい」
ミリィ:「んじゃ、開けてみようか」
美雪:「『そ、そんな、婚姻届も出さないでスルなんて……でも……、
   ハッ……あっ、宝箱は大丈夫なの?」
ミリィ:「――おかえり」
GM:宝箱の中身は、1d6×30G相当の貴金属を発見しました。
アリエス:(ころころ)60G分の貴金属だね。
GM:じゃあ、それは、ペンダントという事にしておきましょう。
   売るも自由、身につけるのも自由です。


 何気なく入手したペンダント……、

 この時は、まだ、何の変哲も無い、
ただの換金アイテムでしかなかったのですが……、

 後々、これが大化けする事を、アリエスは、まだ知らない。

 まあ、当然だよな……、
 GMも、今、思い付いたんだし……、


アリエス:りょうか〜い♪
     とりあえず、私が預かっとくね。


<コミパ地下迷宮 3−4>

GM:では、次のイベント判定をしてください。
キラリ:(ころころ)また、宝箱を発見?
    ダウジング棒は反応してる?
GM:反応してますね。トラップ付きの宝箱の様です。
美雪:「フロアの位置といい、微妙よね?」
ミリィ:「でも、何か良い物かもよ?
    スカの可能性も否定できないけど……」
GM:現状、フロア値は、宝箱の中身に反映されませんからね。
   どんなに深く潜っても、ハーブスが出たりするし、
   極端な話、フロア1で、魔法銀製の装備が出る事だってあるんです。
美雪:「私の考えとしては、出来れば、
   ダウジング棒は、宝箱以外のトラップに使用していきたい。
   さっきも言ったように、宝物収集は二の次よ」
ミリィ:「じゃあ、スルーする?」
美雪:「うん、勿体無いけど、命には代えられないから」
GM:じゃあ、宝箱はスルーして、先に進みます。


<コミパ地下迷宮 3−5>

GM:フロア3の最後のエリアです。
   ここで、階段を発見して、次のフロアに進みます。
ミリィ:さて、次は、何を脱げば良いわけ?
美雪:フロア値は5だったわよね?
   で、フロア5は、ボスとの戦闘になるわけだから……、
キラリ:実質、次が、最後の脱衣イベントになる。
アリエス:最後だと、やっぱり……アレ?
美雪:ホント、光がいなくて良かったわ。
ミリィ:いたとしても、アイマスク確定だけどね。
GM:そうなったら、光にだけ、
   トラップ関連の判定にマイナス修正がついてたんですよ。
   状況によっては、女性陣にも、なんらかのペナルティがついてました。
   いやはや、本当に、光がいないのが悔やまれるシナリオだ。
一同:このエロGMめ!
GM:だから、LQTRPGのGMは、
   多少、エロくないと、やってられませんっての。
   特に、かしまし〜ズのセッションはね。


<コミパ地下迷宮 4−1>

GM:はい、例によって、岩扉とタイルがあります。
   『ここではきものをぬいでください』と書いてあります。
ミリィ:……色々と試してみましょうか?
    まあ、答えは、だいたい、予想がつくけどさ。


 女の子しかいない、とはいえ……、

 やはり、最後の砦である、
パンツを脱ぐのは躊躇があるようで……、(当り前か)

 冒険者達は、考えられる可能性を、1つ1つ、確認していく。

 服を脱ぎ、靴を脱ぎ、スカートを脱ぎ……、

 しかし、お約束の如く……、
 岩の扉は、堅く閉ざされたまま、ビクともしない。


ミリィ:「美雪は、これ以上、脱がすとR指定だし、
    アリエスを脱がすのは危ないし……」
    ここは、私がパンツを脱いで、タイルの上に置く。
GM:ゴゴゴゴ……っと、扉が開きます。


 え〜、ちなみに……、

 ここでの正解は……、
 実は『パンツ』ではありませんでした。

 ――正確に言うと『パンツだけ』ではなかったのです。

 今までは、漢字を用いた、
具体的な設問だったのに、最後の最後で、全文が平仮名……、

 ……それが、何を意味するのか?

 そう、この設問には、複数の……、
 今までの、全ての意味が込められており……、

 ……ようするに『全部脱ぐ』が正解だったわけです。

 まあ、全てを1人が担当しなくても、
各自で1枚ずつ分ければ良かったのですが……、 

 さすがに、それはやり過ぎだろう、と、GMは自重したのでした。


ミリィ:「……あんな布切れでも、無いと下半身が心許ないわ」
美雪:「じゃあ、私のストッキング使う?
   隠すだけなら、申し分ないと思うけど?」
ミリィ:「ちくちくするから勘弁して……」
美雪:「もう、注文が多いんだから……」


<コミパ地下迷宮 4−2>

GM:はい、固定イベントいきますよ。
   もう、予想はしていると思いますが、
   今度の一本道は、通路の両側から、強い風が噴き出しています。
ミリィ:「案の定、ね……、
    でも、女の子だけだし、何を今更……」
美雪:「ここにいるのは、女の子だけ! 気にせずにGO!」
GM:何度も言うが、光がいれば楽しかっただろうな〜。
アリエス:PL的には最高だったかも。(笑)
キラリ:RP力が試されるセッションになってたと思う。


<コミパ地下迷宮 4−3>

ミリィ:次のイベント判定、いくわよ〜!
    (ころころ)うあっ、ごめん、トラップだわ。
GM:では、皆さんの道に、木製の扉が塞いでいます。
   ダウジング棒は、その扉を示して、反応しています。
キラリ:「……素直に、お願いする?」
美雪:「そうね、こういう時のダウジング棒だと思うの」
ミリィ:「選択の余地無し」
GM:では、ダウジング棒は、ドアのノブを示し、
   イヤイヤと首(?)を振るように動いたあと、
   ドア全体を指し示し、横に動かすように教えてくれます。
キラリ:「この扉、ダミー……?」
    ちょっと、扉を調べてみよう。
GM:扉には、蝶番が無い事に気付いて良いですよ。
ミリィ:「襖みたいに、引き戸なんじゃない? ただし、ノブはトラップ」
キラリ:じゃあ、ノブには触らず、ドア全体を横にズラしてみる。
GM:正解、それで扉は開きます。
   ノブを回すと、麻痺針が飛び出る仕掛けだったのです。
美雪:「なんて、底意地の悪い……」
GM:トラップなんて、全部、そんなモンですよ。
アリエス:これで、ダウジング棒の残り使用回数は1回だね。


<コミパ地下迷宮 4−4>

GM:イベント表はゾロ目ですか?
   じゃあ、次のフロアへの階段を発見します。
美雪:いよいよ、最後のフロアね。
ミリィ:次のフロアで、ラスボス戦か……、
    結局、クリア条件は、謎のまま、最後まで来ちゃったわね。
アリエス:え〜っと、前に来た時は、
     もう、ラスボスは倒されちゃってたんだけど……、
キラリ:となると……どうなるの?





―― PHASE-03 過去への階段 ――


<コミパ地下迷宮 最終フロア>

GM:では、フロア5です。
   ここは、フロア全体が、大きなホールになっています。
   アリエスは前回にも来たことがある場所です。
   ホールの中央には、大きな獣型の魔物の死骸があります。
   それは、アランが倒したモノだと、アリエスならわかりますね。
   で、ホールの奥には、地上への直通ルートとなる階段があります。
キラリ:「……ここは、攻略済み?」
ミリィ:「ここが、最下層なのよね?」
美雪:「そうよね? アランって人は、魔物は倒したんでしょ?」
ミリィ:「この死骸が、そうなんでしょ?
    てか、このデカイの1人で倒すって、どんだけ?」
アリエス:「腕『だけ』は良いらしいから……」
美雪:「条件を満たしてないから、
   クリアされた事になってなかった……」
ミリィ:「となると、何か、キーになるようなモノがあると思うんだけど……」
キラリ:「おかしい……ここで、まだ、イベントが残ってるはず……」
GM:では、そんな話をしていると……、
   微弱な反応ではありますが、ダウジング棒が、壁の一角を示します。
キラリ:「……ダウジング棒くん、さすがっ!」
美雪:「やっぱり、温存しておいて正解だったわ」
GM:ダウジング棒が示す先は、何の変哲も無い壁があるだけです。
美雪:「……なんだろう?」
ミリィ:「魔術的な仕掛けでもあるのかな?」
キラリ:「……壁を叩けば、壁の裏が空洞かどうか分かる」
    というわけで、壁をコツコツと叩いてみる。
GM:壁を叩くんですか? じゃあ、叩けません。
   何の手応えも無く、叩こうとした手が、スルッと壁の中に入ります。
キラリ:「……そもそも、壁自体が無い。ビンゴ」
美雪:「この先に『本当の』ラストステージがあるわけ?」
アリエス:「これで終わり……かな?」
GM:はい、そういう意識をもって、壁を見ると、
   次第に壁が薄くなっていき、さらに下の階へと続く階段が現れます。
キラリ:「……意思を強く持てば……真実が見える、と」
    ぺたぺたと素足で階段を降りる。
GM:長い長い階段を降りていくと、次第に、迷宮の様相が、
   今までの人工的なモノとは違い、妙にゴツゴツとした、
   天然の洞窟を思わせる雰囲気になっていきます。
ミリィ:「こりゃ、本格的に洞窟になってきてるわ」
美雪:「もし、これが作りモノだとしたら、暇なくらい手が手が込んでるわ」
GM:そして、階段を降り切ると、
   そこは、またしても、小広い空洞になっています。
   と、皆さんは、そこで、意外な人物の姿を発見します。
アリエス:……先客がいたの?
ミリィ:その言い方だと、知ってる人っぽいね?
GM:はい、知ってる人ですね。
   ただ、皆さんの記憶とは、少し違いますが……、
   眼鏡を掛けた小柄な魔術師です。
   その手には、杖ではなく、長い鉄の棒が握られています。
キラリ:ちょっ、それって、まさか……、


???:
「――なんじゃ?
    誰かと思えば、学園の生徒か?
    
おぬしらも、実習中かの?」

一同:
アレスタ〜!?


美雪:「えっ、あの、えっと……あなたは……」
キラリ:「……ローズさん、お久しぶりです」
アリエス:「学園? 生徒? 実習?」
美雪:「いえ、学園とかそうではなくて……、
   いやですよ、数週間前に会ったばかりだっていうのに……」
アレスタ:「ローズ? 誰のことじゃ?
     わしは、マスターテリオン、アレイスター=クロウリーじゃ」
     えっへんと胸を張るローズ……というかアレスタ。
     しかし、皆さんの目から見ても、それほど強そうには見えない。
     以前会った時のような……特に、キラリなんかは、
     目の前のアレスタから、圧倒的な力と知識の差を感じられない。
キラリ:「もしかして……師匠では……ない?」
ミリィ:「一応、私ら、コミパレンジャーの依頼で、
    この遺跡に潜ってる冒険者なんですけども……」
アレスタ:「……コミパレンジャー?」
     と、怪訝な顔をするアレスタ。
     そして、ミリィが持つチャンバースタッフに目を留めます。
ミリィ:「……?」
アレスタ:「おい……そこのデカ乳! それを、ちょっと見せろ!」
ミリィ:「いや、見せるくらい良いですけど……はい、どーぞ」
    チャンバースタッフを、アレスタに渡す。
アレスタ:「これは……なるほど、武器屋め、なかなか良い仕事をする。
     いや、そうではない……、
     これは、まだ、今のあやつでは……」(ぶつぶつ)
     それを受け取ったアレスタは、何やらブツブツと考え込み始めます。
ミリィ:「ね〜、美雪……この迷宮ってさ……、
    入った人の力量に合わせて、構成を変化させるのよね?
    その材料って、どこから来てると思う?」
美雪:「……材料?」
ミリィ:「まさか、ホントに地面を掘ったり埋めたりしてるわけ無いから、
    どっかから、結果だけ持って来てると思うのよ。
アリエス:「……どういうこと?」
ミリィ:「ダンジョンだけならともかく、
    宝箱なんて『誰か』が置かなきゃ存在し得ないでしょ?
    でも、事実あった。特に、ここは、一度、アランさんが、
    最深部(仮)まで降りて来てるのに、開けてないのが3つもね。
    もしかして、だけどさ、この迷宮って、
    世界とか時間とか、そーいうのぶっちぎって、
    『呼び寄せて』組み立ててるんじゃないかな?
美雪:「う〜ん……まず、ミリィの一番言いたい事を言ってみて?
   言葉の構成要素だけだと、今ひとつ、何を言いたいのか把握し難いから」
ミリィ:「ストレートに言っちゃえば、このダンジョンは、
    世界の何処かからダンジョンの欠片を拾い集めて、
    つなぎ合わせてるだけ……、
    だから、誰かが通った後でも、開けてない宝箱が出てくるし……、
    (アレスタを見て)こーいう事も起こる訳よ」
美雪:「時間と世界をぶっちぎって、結果……、
   つまり、宝箱なりを『呼び寄せてる』。
   だから、ここにいるアレイスターさんと言う人は――」
ミリィ:「私達と出会う前のローズさん……、
    過去のローズさん、ってことになるわね」
キラリ:「ってことは……、
    すみません、アレイスターさん。今『何年だと思ってますか?』」
アレスタ:「どうやら、同じ結論に達したようじゃな……、
     しかも、ダンジョンの構成要素の見解まで同じとは……、
     まあ、それはともかく、その問いには、こう答えるのが正しいかの?
     『今は、おぬしらで言うところのグエンディーナ歴よりも、さらに前の時代』じゃ」
キラリ:「……グエンディーナ暦を知っているんですね。
    つまり、あなたは……私達の時代から、過去へ行かれたんですね」
ミリィ:「てか、グエンディーナ歴より前って……、
    一体、ここって、どんだけ昔なのよ?」
アレスタ:「うむ……どうやら、おぬしらも、わしと同様か……、
     そこのデカ乳の言うように、ダンジョンの構成が、
     偶発的に、過去と未来とで、繋がってしまったようじゃの」
キラリ:「……私達が降りてきた階段は、未来の……、
    いえ、『現在』のコミパに繋がっています。どうされますか?」
アレスタ:「あいにく、わしには、まだ、この時代でやるべき事がある。
     おぬしらは、一刻も早く、その階段から戻るがよい」
     偶然が、そう長く続くとは思えぬ。
     ぐずぐすしていたら、戻れなくなるぞ」
ミリィ:「そうですね、その方が良いでしょう。
    プリンは1つ、スプーンは2つ……、
    力の拮抗が崩れないうちに戻らないと……」
キラリ:「……アレイスターさん。
    また、会う日まで、ごきげんよう」
GM:と、皆さんが階段に戻ろうとすると、
   ちょうど、皆さんが降りて来た階段にノイズのようなモノがはしり、
   ゆっくりと、その存在が希薄になっていきます。
ミリィ:「――やばっ!?」
アリエス:「急がないと、光のトコに戻れなくなる!」
美雪:「急がないと……迷宮クリアの条件の事は、また後で考えなくちゃ!」
GM:しかし、すぐに戻る事は出来ません。
   何故なら、いつの間にか、皆さんは、魔物の群れに包囲されています。
ミリィ:「ええい、忙しい時にっ!
    みんな、こいつら張り倒して、ダッシュで戻るよ!
    迷宮のエラーの原因は、多分、過去と未来が、こんな風に繋がっちゃったから!
    そのエラーの原因を、私達が見つけたから、修正されようとしてるのよ!」
アレスタ:「ちっ、あの時空穴の存在維持は任せろ!
     おぬしらは、その間に、コイツらを片付けるのじゃ!」
美雪:「わ、分かりました!」
キラリ:「恩に着ます……未来の師匠!」
ミリィ:「さ〜て、チキンラン、始めましょうか!」
美雪:「一気に片付けるわ! このまま、光と離れ離れなんて!」





―― PHASE-04 vsホーンラビット ――


<第1ターン>

GM:では、ラスボス戦闘を始めます。
   敵は、ホーンラビットの群れ(モブモンスター)と、
   その群れのボスであるボスラビット(スタンドアロンモンスター)です。
キラリ:「希少動物……でも、シャレになってない!」
ミリィ:「いいの、アレスタさんの態度を見てれば、
    あれは、希少でも何でもない、タダのモンスターよ!」
キラリ:「この時代では、数が多かったのね」
GM:イニシアティブ判定、いきますよ!


 判定の結果、ホーンラビットが先攻を得る。

 モブによる全体攻撃。
 命中したのは、キラリのみ。

 前衛が少ないので、敵の強さは、弱めに設定してあるのだが……、

 なんと、一番防御力が低い、
キラリを相手に、クリティカルが出てしまう。

 
GM:ダメージは21点……生きてる?
キラリ:(ころころ)防御して、残りHP3点……、
アレスタ:「あの、兎どもの中に、なかなか、豪の者がおるな。
     ふむ、使い間にするにちょうど良いか?」
ミリィ:あっ、このアレスタって、
    まだ、ボーパルを使役してない頃のアレスタなんだ。
キラリ:ってことは、私達、今、あの物騒なウサギの大元の相手してるんだ。
    なら、あのクリティカルも頷ける。
アリエス:将来、有望なウサギさんなんだね。
GM:次は、ボスラビットの攻撃です!
   アリエスに攻撃(ころころ)12と言って命中!
   当然、首を狙っていくぞ〜っ!
アリエス:ぎゃ〜っ!(ころころ)クリティカル回避!!
GM:ボスラビットの尖った牙が、軽く引いたアリエスの首をかすめる。
   その瞬間、アリエスは確信しした。
   当たっていたら、確実に首をもっていかれていた、と……、
アリエス:「な、なんとか、かわせた、けど……すっごい怖いー!!」
     GM、余計な演出入れるな〜っ!
美雪:「大体、相手の素早さは把握できたわ。
   何にしても、私達の体力では、一気に決めないと危ないわね」
ミリィ:「おっし、美雪、キラリの回復お願い!
    キラリ、できるだけの全力で、雑魚共の方をつぶすよ!
    アリエスには、悪いけど、そのまま、あのデカイのを抑えてもらう!」
アリエス:「――りょうか〜い! 怖いけど!!」


 PT達の攻撃――

 美雪のディアによって、キラリのHPが17点まで回復する。

 そして、ミリィのブースト込みの
マハマグナによって、モブモンスターは、一掃されてしまった。


ミリィ:「――猛き吠えよ! 大地の龍!」
GM:ミリィの放った大地の牙が、地面から出現し、
   次々と、敵の体を刺し貫いていく!
   この攻撃によって……モブモンスター全滅っ!
キラリ:「これで……敵将は丸裸!」
ミリィ:「キラリ、大物の足、凍らせちゃえ!
    動けなくなったら、皆の大技で仕留めるよ!」
美雪:「物理攻撃主体の魔物なら、魔術回避は、大した事ないはず!」
キラリ:「……了解、ウラムナ、ウサギ!」
    必殺技『アイスブルーの奈落』を発動!
    ただし、相手の足元を凍らせる演出でよろしく!
GM:ダメージを−1d6するなら、
   ボスラビットの足下が凍って、回避に−2される事にしましょう。
キラリ:「……キサマラ……我ノ邪魔ヲスルナ!」
    どうせ、ブーストするつもりだったから、相殺できる!
    メガネを外すと、周囲の気温が急激に低下する!
    (ころころ)発動は成功して、命中は(ころころ)たったの8!?
GM:それなら、余裕かも……(ころころ)12で回避しました。
キラリ:空振りっ!? そして、封印!?
GM:「ぴょ〜ん、ぴょ〜ん、ぴょ〜ん……ウケケケ」
   と、キラリを馬鹿にしたように飛び跳ねます。
キラリ:「かっ……あたま……いたひ……!(泣)
    うさぎの……ばかぁ……」
美雪:「キ、キラリ! うん、大丈夫、大丈夫よ」(頭なでなで)
キラリ:「美雪ぃ……ごめんね、ごめんね」(涙)
美雪:「気にしないで、悪いのは、みんな、あいつだから」
   いつもとは180度、性格が違っちゃうんだから……、
   でも、そこも可愛いかな? ふふふ……)
アリエス:次は、わたしの番っ!
     必殺技『ファランクス』を発動!
     体勢を低くしてから、槍を構えて、一気に突き出す!
     命中判定(ころころ)13だよ!
GM:(ころころ)回避は失敗!
アリエス:「一気に、押し込むっ!!」
     (ころころ)ダメージは23点!
GM:(ころころ)防御して、5点抜けました。
   片耳が持っていかれた、ってところですかね。


<第2ターン>

GM:じゃあ、2ターン目のボスラビットの攻撃!
   くらえ、アリエスに
うさぴょんキック!!(笑)
美雪:なんて、ぷりちぃな!!
アリエス:でも、当たったら痛いんだよ!
     (ころころ)ほら、当たった〜っ!!
GM:どかどかどかどかっ!!
   (ころころ)ダメージ19点ね。
キラリ:なに、その効果音!?
    ホントに凄く痛そうっ!!
アリエス:あいたたたた……8点も抜けた〜。
ミリィ:「じゃ、ぺいばっくたーいむ、といきますか」
キラリ:「……倍返しですっ、バラバラですっ、粉砕ですっ!」(涙目)
美雪:「それじゃあ、一気に畳み込んで決めるわよ?
   アレンジかけて、ぶちかます! 今が勝負を決める時!!」
   マハアクア発動! 命中にブースト1点、+3d6の威力アレンジ!
   (ころころ)発動成功(ころころ)命中は14!
GM:ぬあ〜っ(ころころ)それは、かわせない!
美雪:「水でも被って、どこへでも行きなさい! 訂正、こっちには来るな!」
   (ころころ)ダメージは36点っ!!
GM:25点ぶち抜き……残りHP2点……、
美雪:「や、やったわ、あと、トドメお願い……」(ふらふら)
ミリィ:「……レティクル・残弾確認、リボルバー、セット」
    マグナ、刻印発動!(ころころ)命中は11よ!
GM:(ころころ)回避失敗。終わったな。
ミリィ:「打ち抜け! 大地の魔弾!」
    (ころころのころ)クリティカルして、34点!
美雪:無駄にフルパワーね。
GM:そのダメージだと、もう、防御する必要も無い。
   大地の魔弾が、ボスラビットの体を貫き、
   パタッと、ホーンラビトを率いていたボスが倒れます。





―― PHASE-05 雷光の黄金杖 ――


美雪:「き、決まった……よね?」
ミリィ:「おっけぇ! ノシとか色んなモン付けて返してやったわ!
    と、喜ぶのも後回し! 皆、急ぐよ!」
キラリ:「……まだ足りない……、
    でも、時間がないから……許してあげる」
美雪:「アレスタさん、こっちは片付きました!
   ありがとうございます……また、いつか……」
アリエス:「回れ右! 全軍、階段に向けて全速前進っ!」
キラリ:「……アレイスターさん。
    また、会う日まで、ごきげんよう
アレスタ:「見事じゃ。流石は、その魔杖を持つだけのことはある、と言ったところかの。
     しかし、年頃の娘なんじゃし、パンツは穿いておいた方がいいぞ」
ミリィ:「パンツは放っておいて!
    またね、ローズことアレイスターさんっ!」
アレスタ:「うむ、縁があれば、また、遠い未来でな……、
     おっ、そうじゃ! おい、デカ乳!」
     ミリィを呼び止めて、何かを投げ渡します。
ミリィ:「――おっと」(受け取る)
アレスタ:「いざという時に、それを、その魔杖で撃ってみろ。
     きっと、面白いことが起こるじゃろうて」
     と、アレスタが投げて寄こしたのは、何の変哲もない雷属性の弾丸です。
ミリィ:「おっけー、覚えておく」
キラリ:「……楽しみにしておきます」
美雪:「まあ、いざって時なんて、無いに越した事は無いんだけど……」
アレスタ:「それと、教えておいてやろう。
     その杖の真名は『遥か天空に響く輝炎』(エターナル・ブレイズ)……、
     おぬしの宝具じゃ。大切に扱えよ」
ミリィ:「……エターナル・ブレイズ、ね」
アリエス:「なんで、真名を知ってるのかな?」
キラリ:「師匠なら、知っていてもおかしくない」
GM:階段を駆け上がる皆さんを、優しく見送るアレスタ……、
   そんな彼女の――
一同:――彼女!? 今、彼女って言った!!
   アレスタって、やっぱり女なんだ!
GM:もとい、彼女(?)の最後の声が、微かに聞こえてきます。
アレスタ:「さてさて、ちゃんと生きとるかな?
     ほう、さすが、わしが見込んだだけのことはある。しぶといな。
     よし、お前は『ボーパル』と名付けよう。
     今日から、お前は、わしの使い魔じゃ。今後とも、よろしく頼むぞ」
キラリ:「……なんか、不穏な声が聞こえる」
美雪:「あの人が、ちゃんと調教してくれる事を願いましょう」
アリエス:美雪(のPL)以外は、
     未来のボーパルの凶悪さを知ってるから……、
キラリ:安心と言うか、不安と言うか……、
ミリィ:しかし、この突発セッション……、
    何気に、ボーパル誕生秘話だったのね。





―― PHASE-06 現代への帰還 ――


GM:今にも消えてしまいそうな階段を、大急ぎで駆け上がると、
   皆さんは、問題なく、元のフロア5に戻ってきます。
   フロアに出ると同時に、階段は消え、
   壁も、本当にただの壁になってしまいます。
   もう、過去への道は閉ざされました。
ミリィ:「ぜ〜、ぜ〜……」
美雪:「これで、クリアって事で良いのかしら?」
キラリ:「…………」(息が上がって声が出ない)
GM:フロアに戻ってみると、さっきまであった、
   アランが倒した魔物の死骸が、ゆっくりと消えていきます。
   そして、その場には、宝箱が残されます。
ミリィ:「結局、干渉は、あっちで落ち着いたのね」
美雪:「つまり、向こうと繋がった事で、
   2つのダンジョン攻略イベントが発生したってこと?」
ミリィ:「そういうことね、つまり……」
キラリ:「これで、ダンジョンクリアー。依頼達成」
アリエス:「ねーねー、だたら、早く宝箱を開けようよ」
ミリィ:「そうね、中身が気になるわ」
GM:では、宝箱を開けると、中には、皆さんが、
   迷宮内で脱ぎ散らかしてきた物が、全て入っています。
一同:「…………」
ミリィ:「確かに、これは回収されてないと、恥ずかしくて戻れないよね」
美雪:「はい、ご苦労さん、てわけね」(溜息)
キラリ:「……ばかばっか」
GM:で、それらに埋もれるように、一冊の本……、
   いや、同人誌があります。
   本の詳しい内容は、ご想像にお任せします。
   まあ、ちょっとえっちなマンガだと思ってください。
ミリィ:……えっち度は?
GM:ToL○veるレベル、かな?(笑)
ミリィ:「なんだ、健全じゃない」(パラパラ)
美雪:「これも、誰かの落し物ってわけ?」
キラリ:「……光には、絶対に見せられない」
ミリィ:「ま、確かに、私らが居るって言うのに、こーいうので抜かれても癪だし?」
美雪:「なんて、えっちなヒロイン……、
   2ページに1回は、パンツ見せてる」
ミリィ:「いいんじゃない? 他の漫画の話だけど、
    1ページに最低2回はパンツ見えてるのあるし?
    しかも、ヒロインは31人」
GM:ちなみに、この同人誌の著者は『千堂 和樹』です。
キラリ:「自警団って……」
ミリィ:もしかして、このダンジョンが、妙にえっちだったのって、この本が原因?
    だって、千堂和樹って、魔法画家でしょ?
    その能力って、描いたモノの具現化……、
GM:まあ、そういうことです。
   この同人誌の扱いは、皆さんにお任せします。
ミリィ:「とりあえず、折檻は、瑞希さんに任せようか。
    依頼達成したことを、自警団に報告にいきましょ」
美雪:「この本、売っても良いわよね?
   結構な値段になると思うし……、
   報酬も合わせれば、当面の旅費には困らないわ」(うるうる)





GM:というわけで、今回のシナリオは終了です。
   おつかれさまでした〜。

一同:お疲れ様でした〜!





<おわり>
<戻る>


注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。