GM:さて、太陽仮面のおかげで、
   皆さんは、何とか、スライムに勝ったわけですが……、
キュリオ:もう、我が生涯に一片の悔い無しにゃ。(例のポーズで)
カイン:そこで燃え尽きたら、
    試験落ちて、アランの助けも無駄になるんやけどな。
エル:終わるのは、まだ早いですよ、キュリオ。
キュリオ:うん、まだ燃え尽きられないからね。
     この試験に受かって、アランに頭撫でてもらうんだもん。
     もう、子供扱いなんてさせないもん。
ヴァル:頭なでなでの時点で、子供扱いだと思うが……?
GM:その為にも、このミュルメクサ研究所を、しっかり調査してくださいね。
   未だ、何も見つけていないのが現状なんですから。
キュリオ:は〜いっ!





カイン:そんじゃ、調査開始やっ!

キュリオ:了解にゃ〜♪






『Leaf Quest TRPG』テストセッション・リプレイ

ばかっぷら〜ズ冒険譚 1

『ライラック・ブロームズ』後編







―― PHASE-08 遺跡調査開始 ――


GM:皆さんは、スライムを倒したわけですが……、
   今、何処にいるのかは、分かってます?
カイン:転送機のあった場所を北に進んたところにある十字路や。
    そこで、スライムと闘う羽目になったんやな。
GM:その通りです。東西南北に分かれた十字路です。
   転送機があったのは南側ですから、
   残りは、北、東、西の通路ですね。
エル:通路の先に、何があるのかは見えますか?
GM:見えますよ。各通路の先には扉があります。
   北の通路には、突き当たりに扉が一つ、
   西の通路には、北向きと南向きの扉が一つずつ、
   東の通路も、西の通路と同様です。
ヴァル:北に一つ、西と東に二つずつ、か……、
キュリオ:「……北が本命っぽいよね」
エル:「ですが、我々の目的は調査です。
   全ての場所を調べる必要があるのでは?」
キュリオ:「取り敢えず、東の方から言ってみるにゃ。
     日の出の方は縁起が良いから」
GM:(ある意味、アランの方角でもあるよな。
   なにせ、太陽仮面だし……)
ヴァル:「まあ、どちらでも良いさ。根拠が無ければ同じことだ」
カイン:「文句無いで」
エル:「では、東から行きましょう」



<第一の部屋:『格納庫』>


GM:では、東の通路を進みますと、北向きと南向きの扉があります。
ヴァル:「で、北と南……どちらが縁起が良いのかね?」
キュリオ:「南から……なんとなくね」
     というわけで、聞き耳をするよ。
     エージェントで(ころころ)13にゃ。
GM:それなら、部屋の中から、僅かに、機械の稼動音が聞こえてきます。
エル:「キュリオ、何か聞こえますか?」
キュリオ:「機械の音がするよ」
     GM、具体的にはどんな感じなの?
GM:ウォーンウォーンと、小さく規則的な音です。
キュリオ:気になる……鍵は掛かってる?
GM:鍵どころか、扉そのものが壊れています。
   歪んでて動きませんね。
ヴァル:壊れてるって……どんな風に?
    力づくなら、内側からか外側からかが、意外と重要かも……、
GM:人為的と言うよりは、建付けが悪い感じです。
   横スライド式の扉なので、ちょっと開けると、動きが止まっちゃうんです。
   あ〜、そうそう。扉を調べたなら、プレートに気付いて良いですよ。
キュリオ:それは、注目だにゃ。
GM:プレートには、古代魔法王国時代の文字が書かれています。
   読むなら、メイガス、アルケミスト、エクソシストで判定です。
ヴァル:(ころころ)7だな。
カイン:(ころころ)あかん、3や。
エル:(ころころ)私も7です。
GM:じゃあ、カイン以外には読めます。
   プレートには『格納庫』と書かれていますね。
ヴァル:「格納庫……ね、何を仕舞っているのやら」
カイン:一番最初に被弾するところやな。(笑)
エル:よく取れるのは第三艦橋ですけど。(笑)
キュリオ:次の回には復活してるにゃ。(笑)
GM:ヤ○トだか、ヱクセ○オンだか知りませんが、
   若い人を置いてきぼりにするのは止めてくださいね。
カイン:前に行った遺跡やと、連邦の白い悪魔があったりしたんやけどな。
キュリオ:そうなると、中が気になるのが人情だにゃ。
     と言うわけで、GM、扉は、ちょっと開くんだよね?
     じゃあ、その隙間から、中を観察出来る?
GM:覗くくらいは出来ますが、中は真っ暗……、
   ああ、リュンクスのキュリオなら暗視が出来ますね。
カイン:それに、一応、怪盗やしな。
GM:じゃあ、そこそこ見えますね。
   実は、カインが良い勘してます。
   格納庫の中には、白い悪魔っぽいのが、三体ほどありますよ。
キュリオ:誰か、ジェ○ド中尉を呼ぶにゃ。
エル:「キュリオ、何が見えたのですか?」
キュリオ:「カイン〜、白い奴がいる〜」
ヴァル:「すまんが……我々には、ソレでは判らないのだが……」
キュリオ:「古代王国期の有人ゴーレムだよ。しかも、無人制御機能付き」
カイン:「いきなり、自爆しそうになったり、
    また、あの変なオッサンに出てこられてもこまるしな」
GM:ちなみに、もえ少し詳しく描写するなら、
   格納庫の中にあるのは、どれも大きな甲冑っぽいですね。
   キュリオが詳しく説明するなら、アルケミスト判定です。
カイン:「甲冑やて……?」
    (ころころ)9やけど、いけるか?
GN:それなら、名前だけなら、聞いた事がありますかね。
   格納庫にあるのは、アベル・カムルという有人機動兵器です。
   分かり易く言うと、『うたわれるもの』に出てきた、
   クンネカムンの兵器アヴ・カムゥの事です。
カイン:「……あの手のは自爆しそうで、ウチは、いやな予感がするねんけど」
キュリオ:「壮絶に自爆したからね〜、取り敢えず、後回しにする?」
GM:一応、言っておきますが、そう簡単には中に入れそうに無いですよ。
カイン:爆裂弾は、どない?
GM:室内は使用禁止ですよ。
   だいたい、こんな所で爆弾使ったら、爆風でエライ目に遭うのは皆さんです。
   この遺跡には、傷一つ付けられないでしょうしね。
エル:扉の……というか、この施設の壁とかの材質は?
GM:鉄のようで、それ以上に頑丈そうな感じです。
   ぶっちゃけますと、アダマンタイトですな。
エル:「これは……かなり頑丈そうだ。
   私のクレイモアでも、壊すのは難しいですね」
キュリオ:アダマンタイト、と言う時点で、暗に無理と言われてるにゃ。
ヴァル:「動いていない、動かし方が判らない……、
    なら、後回しで良いと思うがね?」
エル:「そうですね……では、他を調べてから、また来てみましょう」
カイン:「イルスおったら、確実に、お約束発動しそうやしな」(爆)
GM:実際に、イルスのプレーヤーさんは、見学してますしね。



<第二の部屋:『資料室』>


キュリオ:「じゃあ、こっちのも調べよう」
     北側の扉を聞き耳(ころころ)10だよ。
GM:キュリオの耳には、何も聞こえません。
   ちなみに、扉のプレートには『資料室』と書かれてます。
エル:「資料室……どうやら、手掛かりがありそうな場所ですね」
キュリオ:鍵は掛かってる?
GM:掛かっていません。簡単に入れますよ。
カイン:「何かしら、参考にはなりそうやな、入ろか?」
エル:では、部屋の中へ……様子はどんな感じですか?
ヴァル:――明りは?
GM:部屋には本棚と幾つかのデスクがあり、
   その上や床には、資料と思われる、無数の紙が散乱しています。
   照明は生きてますね。皆が入った途端、自動的に点灯します。
エル:では、デスクの上にある資料を、適当に手に取って見てみます。
カイン:ウチは、本棚探すわ。
ヴァル:落ちてる紙を踏まぬように気をつけてくれよ
GM:あまり乱暴に触ると、紙はボロボロと崩れちゃいますよ。
カイン:ってことは、かなり時間経過してるん?
    まあ、古代魔法王国時代のモンやから、当然か。
GM:では、部屋を漁るなら、エクソシスト、メイガス、アルケミスト、エージェントで判定です。
キュリオ:(ころころ)12! ボクが一番高いよ。
GM:じゃあ、キュリオが、無事な書類を発見します。
   読むなら、改めて、メイガス、アルケミスト、エクソシストで判定です。
ヴァル:(ころころ)今度は、私が12だ。
GM:じゃあ、ある程度は読むことが出来ますね。
   書類の内容ですが……、
   『EL計画――
   「潜在能力とは引き出せば減るものでは無く、
   引き出せば引き出すほど増大する。
   よって、引き出せばそれだけ強くなれる」との論に基づき発動した計画、と書かれています。
   あとは、専門的な記述が続き、理解できません。
   だが、「副作用」「英雄育成」「ホムンクルス」といった単語が目立ちます。
   その他には、箇条書きに並べられたデータがあり……、
   『A:凍結、B:廃棄、C:廃棄、D:廃棄、E:暴走、F:廃棄、G:凍結……』
   その最後に『L:再調整』と記述されています。
カイン:「――碌な施設やなさそうやな」
エル:「ふむ……神の摂理に反する研究、と言った所でしょうか……」
キュリオ:「いや〜な感じがする……」
カイン:「……まあ、でも、時間的に残ってなさそうやけどな」
エル:「それはどうでしょうか……、
   こうやって施設の機能が生きているのですから、
   残っている可能性も否定はできませんよ?
   何れにせよ、ここの研究を世に出すのは危険ですね」
GM:あと、書類の隅に、ちと見難いですが、メモ書きがあります。
   『LEO』と書かれていますね。
ヴァル:「LEO? わざわざ、メモ書きとは……」
エル:「LEO……獅子、という意味でしょうか?」
ヴァル:「判らんね、何かのパスかも知れんし、略語かも知れん」
キュリオ:「取り敢えず、覚えておこう。
     情報が少なすぎて、なんとも言えないにゃ」
カイン:「まあ、其れは注意しとくにして<他の部屋も調べてみん?
    詳しいこと分かるかも知れんし。
    ほら、書類はキュリオが持っとき。一応証明になるやろ。
    リサ姐さんに見せたらええやん。
キュリオ:「どっちかと言うと、カインが持ってる方が安全なよ〜な」
カイン:「あ〜、あんた前衛やしな。ほな、ウチが預かっとくわ」
    たたんで胸の間に挟むで。(笑)
キュリオ:うみゅ、それは出来にゃい……、
エル:「教会に提出する資料にしようと思ったのですが……」
GM:この場合、キュリオ達が所持するのが妥当でしょうね。
   一応、この遺跡って、ギルドの管轄だから。
カイン:「取れるやったら、渡してもええで」(ニヤ)
GM:取ろうとしたら、金取られそうですね。
カイン:もち、慰謝料請求するに決まっとるやん。乙女の肌は高いで。
キュリオ:「そう言う事やってると、
     持ち物、全部奪われた上に、犯され殺されて埋められるにゃ……」
エル:「カイン、強欲は身を滅ぼしますよ」
カイン:「……さあ〜、次の部屋にGO!」



<第三の部屋:『保管室』>


GM:じゃあ、西の通路に行きます。
   そこにも、北向きと南向きの扉があります、
キュリオ:じゃあ、南の扉に聞き耳にゃ。
     (ころころ)11だよ。
GM:何も聞こえませんね。
   扉のプレートには『保管室』とあります。
エル:「格納庫、資料室と続いて、今度は保管室ですか……」
キュリオ:ちょっと扉を開けて、中の様子を見る。
GM:部屋の中ですが、縦長の円筒形のガラスケースが、
   四本並んでいて、ケースの中には、薄黄色の液体が満たされています、
   それ以上は、もっと近付いてみないと分かりませんね。
エル:では、先頭に立って、中に足を踏み入れます。
GM:じゃあ、保管庫の中に入れば、中の詳しい様子がわかります。
   四つのガラスケースがあると言いましたが、
   そのうち二つは割れていて、床を黄色い液体で濡らしています。
   で、残り二つのガラスケースの中には、人体と甲冑を融合させたような物体が浸されています。
   ぶっちゃけ、かなりグロイ感じです。
ヴァル:「EL計画……の実験体か」
エル:「……っ! これはっ!?」
   その物体を見て、顔を顰めます。
キュリオ:「うわ……」
     取り敢えず、床の濡れ具合を確認するね。
GM:黄色い液体は、粘性が強いようで、床全体には広がっていないようです。
   濡れているのは、割れたケースの周囲だけですね。
カイン:「……胸糞悪いもん、見てもうたな」
エル:「全く同感ですね。こんな神をも恐れぬ所業、柱の女神に仕える者として許せません」
   ちなみに、人体と甲冑の融合って……、
   その甲冑っていのは、もしかして、さっきの……?
GM:そうですね……格納庫にあった、アベル・カムルに近いです。
ヴァル:「コレの成れの果てが……あのスライムモドキかもな」
キュリオ:ちなみに、粘性が高い液体は、
     零れてから、どれくらい経過してるのかにゃ?
GM:それは、判りかねますね。専門的なモノですから。
キュリオ:うにゅう……すっごく悪い予感が……、
カイン:「気になってんけどな……、
    この、割れた方の中身、どこいったんやと思う?」
ヴァル:「さてな、一つは、スライムモドキかもしれんが?」
エル:「このガラスケース、もし最近、割れた物ならば……、
   中身は、この施設の何処かにいるかもしれません」
キュリオ:「仮説1:さっきのスライムが成れの果てとか成り損ないだった。
     仮説2:地味に格納庫の扉壊した張本人。
     仮説3:もっと奥に隠れ住んでる個体が居る とかかにゃ」


 当初の正解は、『スライムに食われた』――

 『うたわれるもの』原作では、
オンヴィタイカヤンは、ハクオロの怒りを受けた研究員達の成れの果てです。

 故に、この施設にいたスライムも、同様なのですが……、

 原作の設定を知るわけがない冒険者達からしてみれば、
ガラスケースの中身=スライム、と考えるのも当然でしょう。

 寧ろ、そっちの方が、説得力があるし、
そういうパターンも有り得るだろう、と思い、
ここで、GMは、多少、設定を変える事にする。


GM:そう考えるなら……、
   先の戦闘で前衛だった人は、T値判定してださい。
キュリオ:リュンクス族最低のT値が唸るみゃ。
     (ころころ)16だにゃ。
GM:それなら、先に闘ったスライム内側に、
   なんか『手っぽいモノ』が見えた事を思い出して良いよ。
ヴァル:「となると、成れの果て、との仮説が強まるか……」
    共食いをしたのでなければ……もう一戦あるか?」
カイン:「確実に、もう一体はお待ちかね、ってことやな」
エル:「野放しにしておくのは危険ですね。見つけ出して討たねば!」
カイン:「ウチ等、ここらで帰って、あとは、ギルド任せにしときたいな〜」
キュリオ:……この部屋には、他に何か無いかにゃ?
GM:部屋を調べるなら、隅っこにあるデスクの上に手記のような物がありますよ。
ヴァル:もちろん、読んでみるぞ。
GM:ここの研究員の一人が書いた物のようです。
   細部は省くとして、大雑把な内容は……、
   『ガディムとの戦いに勝利するためとはいえ、女神を冒涜するこの研究が許されるのだろうか?』
   と、己の罪悪感が書き綴られています。
エル:「許されるわけが無い……、
   否、決して許されてはいけないに決まっている!」
カイン:「勝てば官軍言うけど、人道外れたらあかんやろ、やっぱ」
キュリオ:「……世の中に出回ったら、多分、トンデモナイ事になるよ」
ヴァル:「コレも、持って帰るのだろ?」
    手記をカインに渡すぞ。
カイン:「ん、預かっとく……、
    取り敢えず、ここ、帰りにでも爆破しとこか、胸糞悪いし」
エル:「手ぬるいですね。こんな遺跡は、この世界から消滅させるべきだ」
キュリオ:「どっちにしても、最深部まで調べてからだにゃ」
カイン:「そうやな……次、いこか」



<第四の部屋:『倉庫』>


GM:西の通路の北側の扉のプレートには、『倉庫』と記されています。
ヴァル:「格納庫、資料庫、倉庫、保管庫、後1部屋……居住区は無いのか?」
    まあ、それはともかく、倉庫に入ろう。
GM:部屋の中は、倉庫と言うよりは武器庫ですね。
   剣とか銃とか、沢山の武器が並んでいます。
   ただ、それらの殆どは劣化していて、触ると崩れてしまいそうです。
   探せば、使える物も出てくるかもはれませんが……、
ヴァル:「武器の事は分からんから、任せるさ」
キュリオ:「うにゃ〜……物騒なもんが大漁旗だにゃ」
     探すなら、エージェント判定かな?
GM:エージェント、アルケミト、もしくは、技能無しで判定です。
キュリオ:(ころころ)13だよ。
GM:では、キュリオは、B5ミスリルカトラス(短剣)+1を発見ました。
キュリオ:「わ〜、らっき〜♪」
エル:(ころころ)私は7です。
GM:エルは、B6チェインメイル(軽鎧)を発見です。
カイン:ウチは(ころころ)7やな。
GM:じゃあ、カインは、ちょっと変わった銃を見つけます。
   シャープなデザインの短銃です。
   T5の魔銃と同等の扱いなのですが、弾劾は使用せず、一発毎にMPを1消費します。
   さらには、リロードも不要、という優れものです。
   その名を『聡明なる赤き光弾(ピュアストーン)』です。
ヴァル:……ジリ○ンか。(笑)
カイン:「お〜、弾要らず♪ 節約出来るやん、儲け儲け」
エル:というか、もとして、宝具ですか?
GM:宝具になるかどうかは、今後のカイン次第です。
   この武器を利用した必殺技でも、考えといてくださいな。
カイン:了解、了解。ほな、ここでの収穫は、
    これ以上は無さそうやし、最後の北の通路に行ってみよか。
キュリオ:「その前にさ、ふと思ったんだけど……、
     ボク達、このミスリルカトラスと魔銃って、後でギルドに渡さなきゃダメかな?」
エル:「私のチェインメイルも、ですね」
カイン:「……黙ってれば、わからへんって」
GM:ミスリルは流通してるし、鎧も普通の物だから、持っていっても良いです。
カイン:「ええか、キュリオ……ウチは魔銃なんか見てへんで。
    そんなもん影も形も無かったで」
エル:「カイン、それはよろしくない事なのでは?」
ヴァル:「自分から報告するのと、後でバレルのと、どちらが良い結果になるのかね〜?」
キュリオ:「四方八方から、ツッコミいれられてるにゃ」
カイン:「ええい、ほっとき! もう次いくでっ!」



<第五の部屋:『研究室』>


GM:では、北の通路を進みまして……、
   突き当たりにある扉のプレートには『研究室』とあります。
エル:「研究室……本命と言った所ですか」
キュリオ:聞き耳は(ころころ)9にゃ。
GM:何も聞こえませんね。
ヴァル:鍵は掛かっているのか?
GM:鍵が掛かっているようですが、鍵穴とか無いです。
   ただ、扉の脇にはコントロールパネルがありますよ。
   数字が描かれた9つのボタンもあります。
   9つのボタンの上には、小さな表示画面があり、
   その画面の大きさからすると、入力する数字は3桁っぽいです。
エル:「これは……どうやら暗証番号方式のようですね」
カイン:「研究室いうだけあって、セキュリティ万全やね」
キュリオ:「パスは 74123、987456123、87412369 かみゃ?」
GM:そのネタは、もうHtHRPGで使いました。
カイン:書類にメモられてた『LEO』と関係あったり?
ヴァル:「真っ当に考えれば、037ってところか?」
キュリオ:「――その心は?」
ヴァル:「逆さに見てみな……、
    L=7、E=3、O=0と読めるだろう?」
キュリオ:「にゃるほど、じゃあ、入力は任せるみゃ」
ヴァル:では、そのように……037とボタンを押そう。
GM:ヴァルの推理で正解です。
   037と入力すると、研究室への扉が開きます。
   で、それと同時に戦闘開始です。
   三体のオンヴィタイカヤンのお出迎え〜♪
ヴァル:うをいっ!? 隊列が〜〜〜っ!!





―― PHASE-09 有り得ない珍入者 ――


カイン:「正解者に熱烈歓迎サービスやな」
エル:「何を他人事のように……」
キュリオ:「うにゃにゃにゃ〜!?」
GM:聞き耳で失敗していなければ、対応も出来たでしょうけどね……、
   というわけで、不意打ちとなります。
   しかも、先頭はヴァルだけなので、三体の集中砲火ですな。
ヴァル:かも〜ん……死んだかな?
    不意打ちだから、回避は出来んかね?
GM:回避はOKとしましょう。
ヴァル:まあ、俺の場合、回避判定は平目(2d6のみ)なんだがね。


 スライム三体の攻撃を、ヴァルは、何とか凌ぎ切る。

 しかし、残りHPは11……、
 イニシアティブ判定で、先行を取らなければ、死は確実である。


ヴァル:先手祈願(ころころ)11っ!
GM:(ころころ)5……、
   残念っ! そちらが先行です。
キュリオ:というわけで、ヴァルは逃げるみゃあ!
ヴァル:キュリオの行動の方が早い!
    俺と交代して、前衛に移動してくれっ!
カイン:「普通に攻撃したら、前の二の舞やで!」
キュリオ:「分かってる! アランに貰った火の攻撃護符にゃ!」


 流石に、二度目となれば、楽なもの……、

 相手の弱点は分かり切っているので、
冒険者達は、順調に、スライムにダメージを与えていきます。


キュリオ:アランの言葉を思い出すよ。
     『こういう相手は、燃やすか凍らせるに限る』
     というわけで、今度は氷の攻撃護符!」
GM:氷の攻撃護符の力で、スライムはカキーンと凍り付いてしまいます。
エル:「おお! これならば、通常攻撃も通るはず!」
   クレイモアで攻撃します!
GM:エルの攻撃は、見事、氷付けのスライムを、粉々に砕きました。
   復活したり、分裂する様子はありません。
カイン:おっしゃっ! 勝機が見え始めたで!


 致命的な弱点も発覚し、
あっさりと、スライムを一匹倒す冒険者達。

 勢い付いた冒険者達は、一気に、勝負を決めようとします。

 だが、しかし……、
 GMだって、このまま終わるつもりはありません。


GM:スライムAは砕けて、Bの攻撃は不発……、
   では、スライムCは、一番脅威であるキュリオに触手攻撃!
   (ころころ)12と言って命中。
キュリオ:(ころころ)11……ダメ。
GM:命中したなら、ダメージ無しで良いので、
   キュリオの四肢に、触手が絡ませ、動きを封じます。
キュリオ:「わっ!? ちょっと!? きゃ〜っ!?」


 GMのTRPGの師匠曰く……、

 お色気シーンは必須、という事で、
GMは、その教えに従い、キュリオに触手プレイを敢行する。

 しかし、次のターンで、
簡単に逃げられてしまい、残念無念。


キュリオ:「初めては、アランのモノだってばっ!」
カイン:スライムBも凍らせたで。
    エル、ちゃちゃっとやったり。
エル:では、ガシャ〜ン、と♪
GM:はい、スライムBも倒されました。
   それじゃあ、次は、こちらの番だけど、もう、次のターンで終わりそうですね。
   こうなったら、せめて一矢は報いたい。最後の特殊能力発動です。
   お色気シーンのお約束! 酸性の粘液攻撃! 飛び道具だから、カインに攻撃!
   (ころころ)13と言って命中です!
カイン:「ちょっと、待ちな〜!」
    回避判定(ころころ)……
1ゾロや〜んっ!!(爆)
GM:ここで、ファンブルか……、
   やはり、LQTRPGの世界には神がいるっ!
エル:こっちでは来ないと思っていたらっ!!
カイン:ファンブル表は(ころころ)『5:頼りない/足を引っ張る味方が現れる』や。
GM:誰だ……この状況で?
エル:この状況で、誰が来るというのでしょう?
カイン:……イルスやろか?
ヴァル:そうそう……って、何故に!?
カイン:いやな、イルスのプレイヤーも見学しとるし、
    ここで、イルスが出てきたら、オイシイかな、と……、
    どっかの街で、ドジ踏んで、転送されてくるとか、イルスだとありそうやし。(笑)
イルス(のプレイヤー):出て良いなら、一応、用意しておくよ。


 確かに、セッションの見学者として、
イルスのプレイヤーはいるし、その展開は面白くもある。

 しかし、あまりにも不自然なので、
GMは、ファンブル表の振り直しを要求することに……、

 しかし、GMは、イルスという存在を……、
 お笑いの神という存在を、甘く見すぎていたようだ。

 何故ならば……、


GM:仕方ないから、振り直してください。
ヴァル:それで、また5が出たら、イルス乱入確定かもしれん。
キュリオ:――確定だにゃ。
カイン:じゃあ、振るで(ころころ)……
あ゛っ!?





GM:また、5かよ!?

一同:神はイルスを御所望だぁ〜っ!!





 ――あまりの事に、GMは頭を抱える。

 まさか、連続で5が出ようとは……、
 どうやら、本気で、お笑いの神が降りて来ているようだ。

 ここまで来たら、もう、神の意志に反する事など許されない。
 GMは、神の意志に従い、咄嗟に、脳内で、設定を練り上げる。


GM:よし、許す……イルス、出て来い。
イルス:出るのは良いけど、どうやって?
GM:スライムの粘液攻撃が、カインの目前に迫った瞬間、
   突然、その間に割って入るように、扉が出現します。
   で、扉が開き、扉の中から、イルスが姿を見て……、
   カインの代わりに、粘液攻撃を受けます。
イルス:「――えっ? ええっ?? あれれ〜っ?」
    何か、どうやってかは知らないけど、突然、現れたメイド服の少年。(笑)
GM:で、現れたイルスの手には、何やら魔道具があります。
エル:カレイドルビーのステッキだったり……、
GM:この状況、アレならやりかねませんが、違います。
   南京錠のような形状の魔道具です。
   イルスは、アロエッテの屋敷で掃除してる最中に、
   その魔道具を発見して、うっかり、それを起動させてしまって、
   ここにやって来てしまったわけです。
ヴァル:なるほど、それでメイド服か……、
キュリオ:「イルス、とうとう……」(ほろり)
カイン:「そっちの趣味があったんやな」
ヴァル:「……知り合いなのか?」
エル:「キュリオ、カイン、もう少し知り合いは選ぶべきだと思うのですが……」
イルス:「ど、どうなってるの?
    しかも、何かねちょっとしてる!?」
カイン:「なんか、よう分からんけど……イルス、ナイスやで〜」
イルス:「こ、この状況でナイスって言われてもっ……ていうか、何、この状況?」
エル:「類は友を呼ぶ、って事ですかね……」


 とまあ、ファンブル効果による、
イルスの乱入で、スライムの粘液攻撃は回避されてしまう。

 そして、次のターン、キュリオの氷護符攻撃を、
クリティカルで回避し、粘りを見せたスライムCは、再度、カインに粘液攻撃。

 カインは、その攻撃を、
イルスを盾にする事で回避を試みるが……、


カイン:目の前にいるメイド服着たお笑いの申し子を盾にするで!
イルス:ええ〜っ!?
GM:それは、無理矢理だから、イルスと2d6で振り合ってください。
   カインが勝てば、イルスを盾に出来ます。
   ただし、負けたら、問答無用で自動命中ですからね。
イルス:気合入れるぞ〜!(ころころ)10だ!!
カイン:おっしゃ〜!(ころころ)5……、
GM:カインの負けなので、粘液を喰らってくださいね。
カイン:「あっ……」
    イルスを掴もうとして、失敗してもうた。
イルス:「……えっ!? あ、カインっ!?」
    咄嗟に避けちゃった……と言うか、ナーフが引っ張った。
キュリオ:粘液で、溶けた場所が重要にゃ。
GM:じゃあ、ダメージ受けて、さらに鎧も溶けて、
   買い換えるまでは、防具点−1です。
   何処の部位が溶けたかは……任意、発言は早い者勝ち!
エル:――胸っ!
キュリオ:情け容赦無いみゃあ……、
GM:それでも聖職者か? 二柱の女神は泣いてるぞ。
カイン:「なっ!? ちょ、ちょ〜待ちっ!!」
    慌てて胸を隠すでっ!!
イルス:「あっ……」
    ちょっと固まる……カインの一点を眺めたまま。(笑)
GM:じゃあ、イルスは、一瞬の硬直の後、鼻血出して、ブッ倒れて、
   その拍子に、転移してきた例の扉に転がり込んでください。
   イルスが入ると同時に、扉が閉じ、転移扉は姿を消します。
イルス:いつまでも、ボクが、ここにいると、事態が混乱するからね。
    じゃあ、そういうことで〜……、
    ナーフも、お騒がせしました、と言うように会釈して消えるね。
ヴァル:ところでな……、
    カインは、例の資料とか、何処にしまっていたっけ?
キュリオ:そういえば、胸の谷間……、
GM:このままだと、資料が全部溶けますね。
キュリオ:「――カイン、資料っ!!」
     読めなくなる前に、カインの胸を隠してる手を引っ張って、資料を床に落とすみゃ!
エル:私も、キュリオに合わせて、手記の方を落とします!
カイン:「なっ、キュリオ――って、あんたもか!?」
エル:「申し訳ありません! ですが、緊急事態でしたので……」
GM:うむ、ナイスフォロー♪
   それなら、資料はギリギリ無事です。
   まあ、誰かさんの胸は、思い切り、御開帳しちゃいますけどね。
   イルスを盾にしようとした報い、ですかねぇ。
カイン:「くう〜っ! もう、イルスはおらへんし……」
    やり場の無い怒りを、取り敢えず、目の前にぶつけたかった。(笑)
ヴァル:「まっ 資料の無事は後で確認するとして……先にアレ(スライム)倒さんか?」
キュリオ:「はやく、あのエロスライムをはったおすみゃ!」
エル:「同感ですね。これ以上、事態が酷くなる前に倒しましょう」
キュリオ:氷護符で(ころころ)命中! 凍ったよ!
カイン:「……トドメはウチがやる」
ヴァル:謹んで、譲ろう。
エル:もちろん、譲ります。
キュリオ:「カ、カイン、目が据わってるみゃ……、
     光彩が赤いし、縦に裂けてるみゃ、気温が3度下がってるみゃ〜」(怯)
カイン:「砕けてまえ、このド変態スライムが〜!!」
    渾身のマグナでブッ飛ばすっ!!
    (ころころ)発動成功! (ころころ)ダメージ17!!
GM:カインの怒りの魔術で、
   最後のスライムも、粉々になりました。





―― PHASE-10 エルトゥリラ ――


GM:三匹のスライムを倒し、研究室に静寂が戻ります。
キュリオ:「いろんなモノがあぶなかった〜」
GM:一応、資料と手記は無事です……、
   まあ、カインの純潔は微妙かもしれませんが……、
カイン:微妙って言うな〜っ!!
エル:「カイン、取り敢えず、これを使ってください」
   そう言って、自分が羽織ってたマントを羽織らせます。
ヴァル:「しかし、腑に落ちんな……」
    砕け散ったスライムの残骸を前に、腕を組んで考え込む。
エル:「ヴァルフェルトさん、何か?」
ヴァル:「いや、ロックの掛かった部屋の中に、スライムが居たのが……ね」
カイン:「通風孔、とか……」
ヴァ:「それも考えたのだが、ワザワザ、通風孔を通ると言うのがね。
   何か、目的が有るのなら、判らんでも無いが……」
カイン:「あ〜、取り敢えず、この部屋調べてみいへん?
    なんか、分かるかも知れんし……」
エル:「そうですね。研究室とある以上、有力な手掛かりがあるでしょうし……」
ヴァル:「そうだな、ざっと見てみるか……」
GM:さて、スライムとの戦闘後、
   皆さんは、研究室にいるわけですが、
   部屋には、用途不明の機械と、東にある隣の部屋への扉があります。
   で、その扉の脇の壁は、大きなガラスになっていて、
   隣の部屋の様子が見えるようになっています。
エル:隣の部屋が気になりますが、
   まずは、その用途不明の機械というのを調べましょう。
GM:用途不明の機械は、PCみたいなのが数台あるだけです。
   機能は完全に止まっている様子ですね。稼動音がありません。
ヴァル:……紙類は無いのか?
GM:ファイルとかもありますが、専門的過ぎて、皆さんには理解出来ないでしょう。
   魔術師ギルドか、アトラス院なら、研究の概要くらいは分かるかもしれません。
エル:聖堂教会でも、いけそうですね。
GM:即座に焼却処分されそうですがね。
   内容は分からなくても、今まで見てきたモノだけで、
   充分に、やばいシロモノである事は確実ですし……、
エル:確かに……、
カイン:「はい、これも回収、回収。
    どうせ、後でどうなるかわからへんし、
    持ってけるもんは、全部、持ってこ」
GM:これで、回収品は、資料、手記、ファイルの三つですね。
エル:「このような異端が世に出る事は、
   なんとしてでも、阻止しなければいけませんね……」
ヴァル:「だがまあ、ファイルの題名だけでも見ておくか?
    カイン、それを貸してくれんか」
GM:解読するなら、メイガス判定。目標値12です。
ヴァル:(ころころ)9……、
カイン:(ころころ)うっしゃ、12や!
エル:おおっ! 商人の根性ですね!
GM:では、カインなら読めます。
   ファイルの表題には、『NO.12-EL to Lilac』と書かれています。
ヴァル:「EL計画の研究所にあるファイルで、『EL to Lilac』ね……、
    かなり重要なファイルのようだな」
エル:「ライラック……ですか? 意味深ですね」
カイン:「失敗作のことやったり、プロジェクト名かもしれんけどな」
    それ以上は、素人にはわからんやろうし、
    そっちは後で専門家に任すとして、次、いこか」
エル:「どうやらこの部屋は、これで全部のようですね……次の部屋に行ってみますか?」
   ガラスの向こうに見える、隣の部屋の様子を見てみましょう。
GM:隣の部屋にも、今、皆さんがいる部屋にあるような機械がいくつかあります。
   で、部屋の中央には、まるで寝台のような、
   長さ30cmくらいの円柱形の半透明のカプセルがあり、
   そこから伸びたコードが、部屋中の機材と繋がっています。
   ここからでも分かりますが、全ての機材は活動しているようです。
キュリオ:「色々と当たり、みたいだねぇ……」
エル:「これは、ビンゴですね」
カイン:「あのカプセルあたり、いろんな意味で大当たりっぽいわな」
ヴァル:「じゃあ、入ってみるか」
エル:「そうですね……さて、鬼が出るか蛇がでるか……」
キュリオ:「墓穴を掘らずんば墓を得ずだみゃぁ、行ってみよう」
エル:「キュリオ、それを言うなら『虎穴に入らずんば虎子を得ず』ですよ」
GM:では、部屋に入ると、さらに、部屋の様子がよく分かります。
   と言っても、機材については用途不明なんですがね。
   カプセルの中身だけは分かりますよ。
ヴァル:中身を覗いてみる。
GM:カプセルの中には、長い薄紫の髪の小さな妖精が眠っています。
   ちなみに、裸の上に布がかぶせてあります。
エル:「これは……もしかして……、
   先ほどのライラックと言うのは、この娘の事ではないでしょうか?」
キュリオ:「――ホムンクルス?」
GM:エルが正解。カプセルの側面には、『NO.12-EL to Lilac』と書かれています。
キュリオ:「この娘が、ガディムに勝つために作られた生命体?
     あんまり、そうは見えないけど……」
GM:で、マスターキーを持つヴァル……、
   また、例の腕輪がブルブルと震えてますよ。
ヴァル:「さて、マスターキーに反応が有るのだが……少し場所を開けてもらえるかね?」
キュリオ:それは、すぐに距離をとる。
エル:同じく、距離をとります。
   ただし、ヴァルに何かあれば、すぐ飛び出せる体勢を取ります。
GM:じゃあ、皆が少し離れたところで、
   カプセルから光線が、み〜っ、と放たれ、ヴァルの腕輪に当たります。
ヴァル:二回目だし、見慣れたな。
GM:光線が当たると同時に、カプセルから、
   遺跡の入口で聞いたような、無機質な声が聞こえてきます。
   『――『紫花の光輪(ライラック・クワルナフ)』を確認。
   個人情報照合――マスターの固有魔力パターンを確認――エルトゥリラ、起動します』
カイン:銃を構える……何やら、フラグの匂い。(笑)
エル:体勢はそのままに、クレイモアに手を掛けます。
キュリオ:ミスリルカトラスに手を伸ばす。
GM:声が止むと同時に、カプセルの蓋が、ゆっくりと開きます。
   冷気が噴出し、一瞬、皆の視界を塞ぎます。
   そして、冷気が晴れると同時に、中の妖精は目を開き、
   目の前にいるヴァルと目があった瞬間――





妖精:「おっはよ〜ございま〜すっ!
   ご主人様〜っ!!」


一同:「――軽っ!?」(一斉にコケる)





GM:カプセルから飛び出た妖精は、
   元気一杯に、ヴァルの顔面に飛びつきます。
   ちなみに、飛び出た際に、体に被せてあった布は落ちてるから、
   妖精は、全裸で顔面アタック。(笑)
ヴァル:「対ガディム兵器だよ……な?」(呆然)
キュリオ:「こ、この軽さは想定外だみゃ……」
エル:「なっ……こ、これは……」
ヴァル:取り敢えず、顔面から引き剥がして……ご対面?
GM:では、離れた妖精は、ヴァルの目の前に浮いたまま、ペコリと頭を下げます。
妖精:「はじめまして、ご主人様♪
   ワタシ、エルトゥリラっていいます。リーラって呼んでください」
キュリオ:「……ヴァル、随分可愛い彼女ができたみゃ」(半分茶化し)
カイン:「いや〜ん、兄ちゃん、モテモテ〜」
エル:「ヴァルフェルトさん、人の好みに、
   とやかく言いませんが……火遊びは程ほどに」(結構本気)
リーラ:「やんやん、カノジョだなんて……、
    もちろん、ご主人様がお望みなら、お相手させて頂きますけど〜……、
    そういうことは、もっと段階を踏んで……きゃ♪」
キュリオ:「……どっかのTH城にいる妄想娘を思い出すにゃ」
カイン:「どっかの仮面男にじゃれ付く、獣娘と同じレベルや思うけどな」
エル:「五十歩百歩、どんぐりの背比べ……と言った感じですね」
キュリオ:「流石に、人前では、あんまり妄想しないもん……」
ヴァル:「確認だ……“ご主人様”とは、私のことかね?」
リーラ:「そうですよ、ご主人様……、
    あ、もしかして、別の呼称の方が良かったですか?
    マスター? お兄ちゃん? ……それとも、ア・ナ・タ?」
ヴァル:「私の名はヴァルフェルト=グローヴァール……ヴァルフェルトだ」
リーラ:「はい! ヴァルちゃんですね!」
ヴァル:「……マスターで良い」
リーラ:「では、今後はマスターと呼ばせていただきます。
    契約は完了しました。今後とも、よろしくお願いします、マスター♪
    と、ヴァルの肩に座り、ほっぺにチュッ、と……、(笑)
カイン:「裸の女の子に、ご主人様呼ばわりさせて、
    しかもチューって……いや〜ん、き・ち・く」
キュリオ:「ヴァル……まぁ、個人の趣味に口出しはしないけど……」
エル:「……最低ですね。仲間でなければ、不浄者として二つに割っていたところです」
ヴァル:「……リーラ、取り敢えず、何か着なさい」
リーラ:「きゃん♪ マスターのえっち♪」
    リーラは、さっき落ちた布を拾って、体に巻きつけます。
    ただ、その状態だと飛べないので、再び、ヴァルの肩に座りますよ。
ヴァル:その方が、裸よりも100倍はマシだ。
キュリオ:「……タオルだけで迫ったら、アランも覚悟決めてくれるかな?」
カイン:「鼻血出して気絶、窓から脱出、フロ空いたかと本気でスル〜、どれやろな」
GM:とまあ、そんな話をしつつ、和んでいるとですね……、
   突然、施設内に、けたたましい警報が鳴り響き、照明が赤く明滅し始めます。
キュリオ:「にゃにゃにゃっ!?」
エル:「なっ、これは……!?」
GM:『警告! 警告! 再調整中の実験体NO.12が解放されました。
   研究スケジュールには無い解放です。
   実験体が暴走した可能性があります。
   コンディションレッド発令。自立型アベル・カムルを起動します。
   総員、速やかに、施設内より退避してください。
   これは、訓練ではありません。繰り返します、これは訓練ではありません』
カイン:「うわ〜、なんか、お約束臭くなってきたで」
ヴァル:「マスターキーを認識しての解放でも、予定外ならダメ、か……、
    二重セキュリティとは周到な事だ」(溜息)
キュリオ:エマージェンシーが発動して、MSが来るみゃ!?
エル:もしかして、格納庫にいたアレが……?
GM:エルの言う通り、何処からか、
   ガシーン、ガシーン、と足音が聞こえてきますよ。
ヴァル:「ドアが歪んでて開かないはずだ。
    奴らが、あれを強制撤去してくる前に……って、もう出て来た!?」
カイン:「問答無用で出口に向かう、に1票や」
エル:「時すでに遅し、ですよ。
   アレを倒さない限り、外には出られないでしょう」
キュリオ:「格納庫の扉、氷漬けにしておけばよかったみゃ」
エル:「剣を折ってでも、中に踏み込んで、動けなくするべきだったか……」
GM:そんな事を話している間に、
   ガンガンッ、と研究室の扉を殴る音が聞こえてきます。
カイン:この部屋は、他に出口っぽいのは無いんか?
GM:通風孔くらいなら……、
   でも、狭くて、通れるのは女性陣くらい……、
   いや、カインも無理かな〜。
カイン:ああ、このデカイ胸が恨めしい!
    良かったな〜、キュリオ……スレンダーで。
キュリオ:こんな事で、優越感に浸りたくないにゃ〜っ!!
ヴァル:「まぁ、来るものを迎え撃つのなら、扉で待つのがセオリーだろうな」
キュリオ:「リーラ、リーラ! 対抗手段は何か無いかみゃ!?」
リーラ:「もっちろんですよ〜♪
    ワタシにかかれば、敵も味方もペペペのペ〜です♪」
ヴァル:「まてい! 敵は良いとして、味方はダメだろう!」
カイン:「……よし、其処の虫は、ほっていこか」
リーラ:「ほんの冗談ですよ〜、マスター♪」
GM:ガツーン、ガツーン!
   そろそろ、扉がブチ破られそうですよ。
キュリオ:「連邦のアベル・カルムはバケモノかー!?」
エル:「やるしかないようですね……来ますよ!」
   そう言って、剣を抜き放ちます。
キュリオ:「ええぃ! ゴーレムの性能の違いが、戦力の決定的差で無い所を魅せてやるみゃ!」
     カトラスを抜いて、構えるみゃ!
リーラ:「どうやら、冗談を言ってる場合じゃなさそうですね……マスター、ご命令を!」
ヴァル:「命令、ね……リーラ、お前は何が出来るんだ?」
リーラ:「ワタシの真名は生体装甲『無邪気なる紫花の衣(エルトゥリラ)』……、
    マスターの鎧となり、盾となり、剣となる宝具です」





―― PHASE-11 轟け、愛情合体(笑) ――


GM:――では、エルトゥリラの能力を説明しますね。


【無邪気なる紫花の衣(エルトゥリラ)】

 生体装甲としてマスターと融合する事により、
マスターの戦闘能力(イニシアティブを除く全判定値)に+M値することが出来る。

 融合限界時間は、マスターのメイガス技能Lvターン。
 さらに、ターン毎に、3ポイントのMPが消費される。

 制限ターンを超えた場合、
毎ターン、HPに1D6のダメージを受ける。

 そして、オーバーターン状態で、死亡した場合……、


GM:……まあ、保管室にあった、アレっぽくなるかもしれませんね。
キュリオ:リーラ自身が変化して、
     ヴァルに装備される訳だみゃ……それで、スライムか〜。
エル:それでも便利です。
   上手く使えば、どうにかなるかもしれません。
カイン:ヴァルのメイガス技能は?
ヴァル:Lv4だから、限界は4ターンだ。
    扉が破られるタイミングに合わせて、装甲化するべきだな。
リーラ:「では、装甲化する為のパスワードをお教えします。
    ワタシと一緒に唱えてくださいね」
ヴァル:「うむ、パスは何と言うんだ?」
エル:凄く嫌な予感が……、





リーラ:「パラリンポッピンプリリンパ、
    リリカルリリカぱぱぱや〜ん、です」(爆)


エル:予感的中っ!?

ヴァル:マジかぁぁぁ〜〜〜っ!?





キュリオ:緊迫感の欠片も無いみゃ……、
     なんか、変身シーンで、ヴァルの服が弾け飛びそう。
エル:野郎の、そんなシーンは見たくない。(爆)
GM:服が弾けるなら、素直に、キュリオかカインをマスターにしましたよ。(笑)
ヴァル:殺すっ! ここの研究者、ぶっ殺す!
カイン:「変身したら、ゴスロリ姿やったりしてな?」
ヴァル:「カイン……嫌な予想はしないでくれ」
カイン:なんやろな……、
    この、どっかのPTの某キャラ並の弄られっぷり。
GM:とまあ、説明も終ったところで、
   扉がドカーンと吹っ飛び、三体のアベル・カムルが部屋に入ってきます。
ヴァル:「――躊躇してる暇も無し、か」
エル:その内の一体には、角はあります?
GM:もちろん(?)ありますよ、角……、
   他の二体は、かなり劣化が激しいようです。
   劣化した二体は、所々から細かく火花を散らしており、動きが鈍いです。
カイン:劣化した二体はウチらで、なんか三倍強そうなのは、主役に任そか。
キュリオ:そうだにゃ! こっちが早く終わらせれば援護に入れるし。
エル:それでいきましょう。危なくなったら援護に行く、ということで。

ヴァル:「リーラ……行くぞ?」
リーラ:「はいですぅ♪」
    リーラは頷くと、何処からかステッキを取り出します。
    そして、それをクルクルと回しながら……、
    「パラリンポッピンプリリンパ――♪」
ヴァル:……あれを、全部言えと?
GM:当然です! やらなきゃ変身できませんよ。
キュリオ:「恥ずかしがってないで、サッサと言うみゃ」
リーラ:「もう一度、いきますよ!
    パラリンポッピンプリリンパ――♪」
ヴァル:「――リリカルリリカぱぱぱや〜ん」
    これは、GMの陰謀だ〜〜〜っ!!


 泣きながら、ヴァルは、変身呪文を唱える。

 ――陰謀? 当然でしょう?

 LQに関わる以上、設定だけの、
安易なカッコ良さなんて、GMは認めません。

 本当にカッコ良くなりたいなら、
ちゃんとロールプレイしてくださいね。


リーラ:「――武装、開花(ライラック・ブロームズ)!」
GM:呪文を唱えた瞬間、リーラの体が、14歳くらいの少女の姿へと変貌する。
   さらに、四枚の羽が大きく広がり、紫色の花びらとなり、
   リーラが、ヴァルを、後ろから抱くと、四枚の花びらが、彼の体を覆う。
   足元から、無数のハート型の葉が舞い、二人の周囲を包む。
   そして、葉が弾け飛ぶと、そこには、生体装甲に身を包んだヴァルの姿があった。
エル:ちなみに、やっぱり、生体装甲の色は紫?
GM:外見は、紫色の部分鎧で、アベル・カムルを、よりスマートにした感じです。
   マニアックな例えだと、ザウ○スナイトの密着型ですね。
ヴァル:なるほど、まさに生体装甲……、
    それじゃあ、私は、角兵士とタイマンだな。





―― PHASE-12 VSアベル・カムル ――


GM:では、イニシアティブ判定を……、
   やっぱり、主役のヴァルかな?
ヴァル:では(ころころ)11だ。
GM:こっちは(ころころ)12!
   先行は、アベル・カムル部隊です。
   では、第1ターン、角兵士が、大きな剣を振るって、ヴァルに攻撃!
   (ころころ)18と言って命中!
ヴァル:回避は(ころころ)……ちっ、12だ。
GM:角兵士の剣が、容赦無く、ヴァルに振り下ろされる。
   その一撃は、生体装甲が無ければ、間違いなく、一撃必殺されてるでしょう。
   なにせ修正値は14もある。(ころころ)22ダメージです。
ヴァル:なんの、こっちは修正値12で防御(ころころ)20!
    どうだ、たったの2ダメージだ!
GM:ふふん、時間制限がある事を忘れるなよ。
   次は、劣化兵士Aが、キュリオを攻撃(ころころ)6ゾロ!!
キュリオ:クリティカルじゃ、避けようがないにゃ〜!
     一応、回避判定は(ころころ)やっぱり、ダメ〜!
GM:劣化してても、攻撃は強いぞ!
   (ころころ)14点のダメージ!!
キュリオ:防御は(ころころ)8だから、6点のダメージ……痛いみゃ〜。
GM:続いて、劣化兵士Bがエルに攻撃っ!
   (ころころ)命中判定は9です。
エル:回避は(ころころ)8……出目が悪すぎです。
GM:劣化兵士の剣が、エルを袈裟懸けに切り裂きます。
   (ころころ)ダメージは18点!
エル:さっき手に入れたチェインメイルで防御は高いんです!
   (ころころ)13点防いで、5点ダメージ! 効いたぁ……、
カイン:被害がヒドイのは言いっ! 回復するで!
GM:次は、そちらの番です。
キュリオ:まずは、ボクの番だみゃっ!
     劣化兵士Aに、必殺技『ファントムクロウ』っ!!
     (ころころ)7と言って命中!
GM:(ころころ)9で回避しました。
   同時に、ファントムクロウは、劣化兵士Aには見切られました。
キュリオ:必殺技が封印されたみゃ〜……、
ヴァル:次は、私だな……生体装甲の力、試してやる。
    角兵士に魔術攻撃だっ!
    技能『魔術刻印』の効果で、発動判定は自動成功!
    (ころころ)20と言って命中だ!
GM:(ころころ)回避は15なので、魔術は命中です。
ヴァル:「風よ……切り刻め」
    (ころころ)出目14っ! クリティカルだっ!
    さらに2d6追加(ころころ)なんで、ここで1ゾロ!?
GM:クリティカルによる追加の場合、ファンブルは無いですよ。
ヴァル:じゃあ、合計33点のダメージだ!
GM:角兵士の抗魔判定(ころころ)16なので、
   一気に17点抜けましたっ!
ヴァル:この行動で、MPを3消費、さらに、魔術を使って、MPを4消費……、
    毎ターンMP7を消費するとして、4ターンでMP28……、
    私のMAXMPが32だから……、
    魔術を使うと、その分、自滅が早まるが……、
    これなら、何とかなりそうだっ!
カイン:MPならアイテムで回復も出来るしな。


 第1ターンから、角兵士に、順調にダメージを与えるヴァル。

 しかし、続いての、エルの攻撃は、
出目が振るわず、劣化兵士Bに回避されてしまう。

 最後に、カインは、魔術で、
キュリオを回復し、第2ターンへと突入する。


GM:さて、第2ターンだが……、
   ヴァル、MPがあるからと言って、安心してはいけない。
   この角兵士の角は飾りでは無いのだよっ!
エル:ま、まさか、MPに直接攻撃をっ!?
GM:その通りっ! 容赦無く削ってくれるわっ!
   角からビーム!! ビビビビ〜ッ!!
   (ころころ)15と言って命中! ちなみに、魔術攻撃扱いね。
ヴァル:私は魔術回避の方が得意なのだっ!
    (ころころ)19っ! 回避成功っ!
GM:ああもうっ! どうして、生命力削った攻撃は、いつもかわされるんだっ!
キュリオ:それにしても、達成値15とか19とか……、
     初期レベルの闘いじゃないみゃ……、
GM:ヴァル&リーラの場合、判定に+M値ですからね。
   その分、第2PTのシナリオでは、エグイ敵ばかり出すので覚悟してきください。
エル:第1PTの時は、ファンブルで、
   対決そのものが回避されてるから、ノリノリですね。
GM:続いて、劣化兵士Aがキュリオに攻撃!
   (ころころ)命中は12です!
キュリオ:「アランに抱かれるまで死ねるか〜い!」
     (ころころ)回避13! どうだ〜っ!
GM:凄い欲求パワーだ。
カイン:これも、愛の力っちゅ〜やつか?
エル:愛と欲望の力ですね。
キュリオ:プレイヤーの認識から、
     かけ離れたところで、何かが力を与えるにゃ。
カイン:ネタに走れば、神は力を貸してくれるんや、きっとな。
キュリオ:一番勢力を保ってるのが、
     お笑いとお約束の神だから、仕方ないみゃ。
GM:そもそも、熾天使様すらも、お笑い好きですからね〜、この世界。


 劣化アベル・カムル達は、
僅かながらも、冒険者達のHPを削っていく。

 もちろん、冒険者達も、負けじと、敵のHPを着実に減らす。

 しかし、最大戦力である角型アベル・カムルは、
ヴァル&リーラの攻撃で、早くも、大ピンチを迎えていた。

 もっと、強くするべきだったかな〜……、


ヴァル:風の攻撃魔術『ザン』で、25点のダメージ!
GM:ぐはっ! 抗魔判定しても、一気に12点きた!
   角兵士の、残りHP、たったの6点っ!?
エル:融合したヴァルフェルトとリーラは強すぎですね。
カイン:「さすが、愛情合体!」(爆)
キュリオ:「愛の力が、そのまま力の強さになってるみゃ」
リーラ:「愛情合体……良い呼び名ですねぇ♪」
ヴァル:茶化すのはいいからっ!
    そっちも、チャッチャッと片付けろっ!
エル:分かってますよ。再び、劣化兵士Bを攻撃!
   「我が剣を受けよ、不浄なる者よ!」
カイン:ウチもダメ元で、角兵士に攻撃や!


 ヴァルに続き、エルとカインも攻撃。

 エルの剣は、劣化兵士BのHPを、さらに削り……、
 カインの魔銃は、命中はしたものの、角兵士の厚い装甲に弾かれてしまいます。

 そして、第3ターン――
 おそらくは、角兵士の最後の攻撃――


GM:角兵士の攻撃(ころころ)20点のダメージです!
ヴァル:防御(ころころ)同じく20点っ!
    こっちの装甲も甘く見るなよっ!
カイン:さすが愛情合体、何ともないで!
エル:愛の力は強し、といったところですか……、
ヴァル:愛情合体と呼ぶのは、まだ待ってくれ〜。
GM:――待ては良いと?
ヴァル:ノコメントで。(笑)


 とまあ、最後の攻撃も防がれ……、

 このターンの、ヴァルの攻撃で、
角兵士のHPはマイナスとなり、機能停止してしまった。





―― PHASE-13 緊急脱出 ――


GM:角兵士が機能停止した瞬間、他の二体も動きを止めます。
   どうやら、機能が連動していたようです。
キュリオ:「ふみゃ〜、危なかった〜」
エル:「ふう、どうやら勝ったようですね」
カイン:「疲れた〜……」
ヴァル:「リーラ、武装解除だ」
GM:休んでいるところ悪いのですが、
   アベル・カムルが機能停止すると、またしても、例の無機質な声が聞こえてきます。
   『アベル・カムルの機能停止を確認……、
   コンディション・オーバーレッド、これより、研究所を強制廃棄します』
キュリオ:「ねえ、カイン……やっぱり、アレだと思う?」
カイン:「自爆っ!? また、このパターンか〜っ!」
ヴァル:「……ひと息つく間も無しか、走るぞ」
エル:「これは拙いですね……皆さん、急ぎましょう!!」
キュリオ:「そ〜いんたいひ〜っ!!」
GM:では、全力ダッシュで、皆さんは、転送装置の前に来たわけですが、
   実験体(リーラ)を外に出さない為に、施設を強制廃棄するわけですから、
   当然、転送装置は動いてません。
カイン:「動いてへ〜んっ!!
    リーラ、他に出口は? 移動手段は?!」
エル:「他の出口が全く無い、とは考えられません。
   少なくとも、研究員脱出用の別の出口があるかもしれませんよ」
キュリオ:「あ〜っ! ライブで命が大ピンチ〜っ!!」
リーラ:「移動手段は、これ以外に無いんです……、
    研究員の皆さんは、専用の転送機を持っていましたから……」
キュリオ:「倉庫に予備とか置いてなかった? その転送機っての」
カイン:「合体して壁ふっとばすとか、転移とか、飛べたりできへんの?」
リーラ:「予備は、探せばあるかもしれません。
    でも、そんな時間無いですし、仮に見つかっても、使えるかどうかは分かりません。
    武装も、しばらくは使えないんです」
ヴァル:「転移なんぞ、普通の魔術師には出来んよ」
GM:『強制廃棄まで……カウント、360……』
リーラ:「でも、お任せください。
    ワタシが、奥の機材を装置して、転送装置を強制的に作動させます」
キュリオ:「それは……リーラは? 逃げてこれる?」
エル:「一つ訊ねます。作動させた後、貴女はどうするのですか?」
リーラ:「…………」
    二人の問いに、えへっ、と笑ってみせます。
ヴァル:「さて、じゃあ行くか……、
    此処まで戻ってくるのも、合体すれば、多少、早く走れるだろう?」
    安らぎの呪文薬を2個ほど飲みつつ。
リーラ:「無理なんです……合体には副作用があって……、
    一度、武装したら、再武装までに、24時間必要なんです。
    もし、それでも、無理に武装したりしたら、マスターの体が……」
GM:保管室にあった融合体を思い出してください。
   最悪の場合、ああなります。
   皆さんが闘った、スライムモドキ化確定です。
キュリオ:「んじゃ、ボクだみゃ! 一応、コレでも足には自身あるみゃ」
カイン:「懐にでも入ってれば、何とかなるかいな。
    なんやったら、途中の壁吹き飛ばしてでも行けばええし」
ヴァル:ギャグLVのご都合主義で、スライム化に抵抗出来ないか?
GM:ん〜、そうですね……、
   じゃあ、M値判定で目標値13を三回出せば可能としましょう。
   チャンスは、ギャグLVと同じ、ヴァルなら2回ですね。
ヴァル:「構わん……リーラ、武装しろっ!」
    武装状態で、研究室まで走るっ!
    一回目は(ころころ×3)……ちっ、ダメか。
GM:もう一回チャレンジ出来ます。
   ただし、この時点で、強制ギャグLVUP確定です。
ヴァル:(ころころ)げっ! 1ゾロ!?
    ファンブル効果は(ころころ)『4:思わぬ敵を作る』だ。
GM:では、先程、機能を停止した二体の劣化兵士が、研究室から出てきます。
キュリオ:状況は、さらに悪化!?
GM:二体の劣化兵士が、武装したヴァルに掴み掛かります。
   ですが、その瞬間に、リーラがギリギリで武装を解除。
リーラ:「――マスター、逃げて!!」
    リーラは、一人で研究室に飛び込み、扉を閉めてしまいます。
エル:「……と言っていますが、どうします?」
キュリオ:「カイン! 扉をブチ抜いてっ!」
     劣化兵士の目の前で動き回って、足止めに徹するにゃ!
カイン:「おっけ〜やっ! 任しときっ!」
ヴァル:「なっ、お前らまで来てどうするっ!!」
エル:「どのような理由があれ、小さな命を見捨てて逃げるなど……、
   ましてや、仲間を見捨てるなど、二柱の女神に仕える聖戦士として、出来ない相談です。
   ヴァルフェルトさん、貴方が助けると言うなら、出来る出来ない関係ありません。
   私は死ぬ気で加勢しますよ!」
   キュリオと共に、足止めに徹します。
リーラ:「お願いです、逃げて……、
    ワタシは、他の子達みたいに、マスターを死なせたくない」
ヴァル:「やれやれ……、
    マスターと呼ばれて、逃げれるはずが無いだろうに」
リーラ:「転送装置を起動させます……今なら、間に合います。
    大丈夫ですから! ワタシだって、死にたくない……、
    絶対に、マスターも元に帰りますから!
    だから、ワタシを信じて……お願いっ!!」
キュリオ:「大丈夫って……あっ、あの部屋にあった通風孔!?」
リーラ:「――アベル・カムルへ強制介入。
    行動の優先順位を変更……人名を最優先せよ」
GM:リーラは、転送装置を起動させる片手間に、劣化兵士にハッキングしたようです。
   二体の劣化兵士は、皆さんを抱え上げ、転送装置へと、無理矢理連れて行きます。
キュリオ:「にゃにゃにゃっ!?」
エル:「しまった……!?」
カイン:「いらんところだけ気を利かせよって!?」
GM:劣化兵士が、皆さんを転送装置に放り込みます。
   それと同時に、リーラによって、転送装置が強制起動されました。
キュリオ:「逃げ遅れたら、承知しないからね〜っ!!」
エル:「必ず戻って来て下さいっ! 必ずですっ!」
カイン:「戻ったら、皆で宴会やっ! アンタの奢りやで!」
ヴァル:「リーラァァァァ〜〜〜〜〜っ!!」
GM:――転送、開始します。





―― PHASE-14 帰る場所 ――


GM:――転送終了。
   皆さんは、遺跡の入口へと戻りました。
   それと同時に、ゴゴゴッと地響きがして、遺跡が崩れ始めます。
キュリオ:「……っ!? みんな、ここから逃げるよ!!」
カイン:「巻き添え食う前に……離れるで」
エル:「二柱の女神よ……あの優しき妖精に、貴女達のご加護を……」
ヴァル:「まったく、あまり待たせるなよ……」
GM:皆さんが遺跡から充分に離れると同時に、さらに強い地響きが地下から感じます。
   そして、遺跡は完全に崩れ……やがて、静かになります。
キュリオ:「…………」
エル:黙って手を組み、彼女の無事を祈ります。
GM:遺跡があった跡には、大きな土煙が立ち昇り……、
   と、その中に、小さな『何か』がフラフラと飛んでいるのが見えます。
   どうやら、土煙のせいで、どっちに行ったら良いのか、分からないようです。
キュリオ:「リーラだっ! ヴァル、リーラだよっ!!」
エル:「あれは……! おーい! リーラ、こっちです!!」
カイン:「ほら、はよ行ったり」
ヴァル:皆の声は聞こえてない……、
    『何か』に向かって走りつつ、風を制御して、土煙を吹き払うぞ。
GM:そのくらいの演出は許しましょう。
リーラ:「ふあ……はぅぅ〜、ますたぁ〜……」
    皆の声の方に向かって、フラフラと飛んできます。
    ですが、途中で力尽きたのか、フラ〜と落ち始めます。
ヴァル:落ちる前にその場に移動、優しく受け止める。
GM::では、リーラはヴァルの手の上に落ちます。
リーラ:「マスター……只今、戻りました〜」
ヴァル:飛んでたって事は服(布?)無くしてるよな。
    ハンカチでも出して着せてやろう。
キュリオ:「まあ、これでカインの服が破れて、
     今も上半身裸状態以外は、めでたしめでたしだにゃ」
エル:「カイン、服を替えたら、マントは返してくださいね?」
カイン:「綺麗に終わらせれんのか、この獣娘は。ちゅうか、その服貸し〜」
    キュリオに突撃! 服脱がしたる!
キュリオ:「いやぁ〜〜〜!? ボク、これ脱いだら裸なんだから……、
     ちょっと、やめてっ!? いやぁ〜!? ぬ〜が〜さ〜れ〜るぅ〜!?」
カイン:「そもそも、あんたのせいで、こんな依頼しなアカンし。
    何で、ウチが、こんな目に遇わなかんねんな〜!」
エル:「はぁ……しかし、教会には何と説明しましょう」
   そんな二人を横目で見つつ、呟きます。
カイン:「ん〜、そこらへんは、リサ姐さんやらギルドがどうにかするやろうし。
    なんやったら、罠解除失敗して、爆破って、この獣娘のせいにしてもええしな」
    と、キュリオの服引っぺがしながら。
キュリオ:「あ〜ん、ボクの一張羅やぶくな〜!」
GM:胸ポロに関しては自業自得だと思うけどね。
カイン:くっ、ひどい、GMまで!
    か弱い乙女に、なんて酷いことを……、
GM:イルス召喚して、そのイルスを盾にしようとして失敗して、胸に着弾して……、
   全部、自分の蒔いた種じゃないですか。
カイン:そう聞くと、間違いなく、ウチって『ふぁんぶら〜ズ』やね。(笑)
GM:元々、一員でしたしね。
カイン:でもな、召喚以外は……ほら、あれや。
    乙女の盾になるのは男の嗜みみたいなもんやろ?
エル:そう言う台詞は、もう少し乙女らしい態度を取ってから言うべきでは?


 リーラの無事を知り、安心したのか……、
 キュリオ達は、すっかり雑談モードに入る。

 と、そんな三人が騒いでる横で、ヴァルとリーラは――


ヴァル:「まったく……マスターの言う事は聞くもんだぞ」
    口調こそ厳しいが、その声色は怒っている様には聞こえなかったりする。
リーラ:「えへへ……ワタシにも帰る場所が出来たんですね。
    こんなに嬉しい事はないです〜」(弱々しく笑う)
ヴァル:「疲れてるなら休んでれば良いさ、街に戻ったら起こしてやるから」
リーラ:「目が覚めたら、ご褒美欲しいです〜……」
ヴァル:「そうだな、無事に全員が脱出できたのは、リーラのお手柄だし……、
    だが、余り面倒な事は言ってくれるなよ?」
GM:では、リーラは、身に着けているハンカチに視線を移して……、
リーラ:「取り敢えず……服が欲しい、かな?」
    そう言って、眠っちゃいました。


 ――二人っきりの世界を作り上げていました。(爆)

 キュリオとアラン、ヴァルとリーラ……、
 もうPT名は『ばかっぷら〜ズ』に決定か?!(爆)


GM:とまあ、色々とあったわけですが……、
   取り敢えず、報告にいかなきゃならん場所があるでしょ?
   で、そういう必要性が無いヴァルは、どうします?
ヴァル:ご褒美欲しいって、ねだられたからな……買いに行かないとな。
    と言うか、アレか? 私には、使い魔に振り回される運命が待ち受けてるのか?
GM:じゃあ、玩具屋にでもいって、着せ替え人形の服でも買ってやってくださいね。
カイン:鬼や……GMってば、さらりと羞恥プレイを……、
ヴァル:玩具屋に? 冗談だろ?
    ちゃんとした服屋で、仕立てさせるぞ。
GM:それはそれで、余計にヤバいような……、
キュリオ:仕立てに行ったら、余計、変な目で見られるよ……ドール専門店とか?
ヴァル:いや、普通の服屋で、採寸とか、ちゃんとさせれば平気だろ?
カイン:どちらにしろ、色々な誤解は発生するわな。
    おめでとう、弄られキャラ確定や。
GM:キュリオ&カイン、それにエルは?
キュリオ:「ぐしぐし、んじゃ、リサさん所に報告に行こうか」
     涙を拭きつつ、街へ戻ろう。
カイン:「依頼の内容は、一応、クリアしてるけど、
    その対象の研究所が消滅、って問題あらへんか?」(汗)
キュリオ:「自爆装置が勝手に作動しちゃうのは、想定外の更に外だよ」
カイン:「それを証明できたらええねんけどな。
    さっき言うたみたいに、罠解除失敗と思われてもしゃ〜ないやん」
キュリオ:「んじゃ、ヴァルには、
     こっちにも付いてきて貰わないとダメだねぇ……はぁ……」
エル:「ヴァルフェルトさん……、
   申し訳ありませんが、私にも同行願えませんか?」
GM:では、ヴァルは、先にギルドに行って、
   その後に、エルと教会にも行くということで……、
   もちろん、ヴァルには拒否権があります。
ヴァル:「教会は有る意味で天敵かもしれんが……逆に言えば、報告に付いて行く方が良いか」
    うむ、両方に同行することにしよう。
GM:では、まずは、盗賊ギルドへの報告からやっていきましょう。





―― PHASE-15 失われた記憶 ――


キュリオ:「――と言うわけで報告は以上です。
     遺跡は自爆しちゃったので、もう調べられないですけど」
     起こった事を在りのままに話すよ。
     信じられなくても、リーラが目の前に居るわけだし。
リサ:「私は、情報を集めるだけで良い、と言った筈よね?
   それなのに、どうして、遺跡が無くなっているのかしら?」
カイン: 「いや〜、その、成り行きって言うか、その場のノリって言うか」(汗)
     あっ、ほら、ここにはおらへんけど、
     教会からも派遣されてんのもいたし、そのままには出来へんやん?」
ヴァル:「そう攻めてやってくれるな。
    爆発の原因は、マスターキーを持っていた私だろうし……、
    だが、マスターキーが無ければ地上の建物だけを調べるにとどまった筈で、
    その場合、遺跡は無くならなかっただろうが、資料等も手に入る事も無かったはずだしな」
リサ:「まあ、貴重な遺跡を失ったのは、残念だけど……、
   資料と、一番重要なモノは持って帰って来たみたいだし、良しとしましょうか」
カイン:「……って、ことは姐さん」(恐る恐る)
リサ:「ええ、あめでとう、キュリオ……、
   今日から、あなたは、ギルドの一員よ。よろしくね」
キュリオ:「――はい」(にっこり)
カイン:「ってことは、ウチの借金もチャラや〜♪」
キュリオ:「あっ、そうだ、リサさん、
     アランがボクに魔術符渡せるようにしてくれてありがとう」(ぺこり)
リサ:「さあ、何のことかしら?」
   と、意味ありげにアランの方を見て……、
アラン:「俺は、何もしてないぞ……?」
    アランは、頬を赤らめ、そっぽ向いてます。
キュリオ:「アランってば、テレちゃって〜♪」
リサ:「さて、ギルドの認証だけど、本当は、紋章入りの短剣を渡すところだけど、
   もう、良い剣を持ってるみたいね……」
キュリオ:「あっ、コレは遺跡の中で見付けたんです。
     カインは、もうちょっと良い銃を見付けてたみたいだけど、それは秘密なんだそうです」
エル:それは、既に秘密じゃない。
カイン:「な、何を言うてんかな、この獣っ子は。
    ウチは、何も見つけてへんで〜」
    キュリオの口を押さえるで。
キュリオ:「もごもごもご!」
カイン:「いや、あはははは……、
    友情の為に無償で働いたウチ、冒険者の鏡やね、うん」
エディ:「だったらヨ、姐さん……これは、どうだい?」
    エディが、ギルドの紋章を模った鈴がぶら下がった首輪を持って来て、
    それを、何故かアランに渡します。
キュリオ:「……いやん♪
     でも、アランがそういうのもスキなら」(ぽっ☆)
     と言いつつ、アランに期待の眼差しを。(笑)
アラン:「…………」
    複雑な表情を浮かべつつ、キュリオに首輪をつける。
キュリオ:「えへへ〜♪ 付けて貰っちゃった♪」
     喉をゴロゴロ鳴らしつつ、アランにすり寄る。
リサ:「さて、カイン……今、気になる話を耳にしたけど……、
   まさか、何か隠したりしてないわよね?
   遺跡で見つけたものをネコババしようなんて思ってないわよね?」(にっこり)
カイン:「さ、さ、さあ、前途ある二人のために宴会や、宴会や!
    さ〜、さあ〜、飲もかっ!」(汗)
リサ「……カイン、素直に言えば、“まだ”許してあげるわよ?」
カイン:「すいませんでした。
    この銃見つけてました。堪忍してください、姐さん」
    土下座する。姐さん、怒ると怖いんや。
リサ:「最初から、そう言えば良いのよ……じゃあ、その銃は徴収させてもらうわね」
カイン:「姐さ〜〜ん、せめて、せめて、この銃だけは! ウチただ働きだけは!」
リサ:「――その銃と、滞納金の5000と、どっちが良い?」
カイン:「お、鬼がおる。あの兄さんの前やったら、恋する乙女やってんのに」(ボソ)
リサ:「ふふっ、冗談よ……」
   と笑って、リサはカインに銃を投げ渡します。
カイン:「――ね、姐さん?」
リサ:「確かに、珍しい銃だけど……、
   それはギルドが欲している物じゃないわ。あなたが使いなさい」
   正確に言うと、魔力を弾丸に変換する銃は、すでに構造理論が確立してるんです。
   藤井みことが作った、誠の魔神銃がそれですね。
   尤も、魔神銃は専用のカスタム銃、ピュアストーンは誰にでも使えるから、
   汎用性としては、ピュアストーンの方が上ですが……、
カイン:「さすが、姐さん、太っ腹! いや、もう一生ついて行きます!」
リサ:「――ただし、今後、ヴァルフェルト氏と行動を共にすることが条件よ」
カイン:「は? (一分間、石化)りぴ〜とあふた〜み〜?」
キュリオ:ヴァルと、というか、
     リーラと一緒に行動する、ってニュアンスの方が近いんじゃないかみゃ?
リサ:「正確には、リーラの監視ね……、
   失礼を承知で言わせて貰うけど、彼女の存在は危険だから。
   尤も、彼が、リーラの所有権をギルドに任せる、と言うなら、話は別だけど……」
ヴァル:「それは無いな、リーラはうちで面倒を見るさ……、
    所有権云々を言い出せば、マスターキーを持つ、こちらに分が有ると思うが?」
キュリオ:「リーラが、ヴァルにらぶらぶな内は、
     大丈夫だと思うんだけどにゃ……だからこそ、危険なのかにゃ?」
カイン:「あ〜、ウチなんか下っ端より、
    ギルドの、もっと腕のええのん付かしてた方がよおない?」
リサ:「当然、キュリオにも同行してもらうわ。
   そうすれば、アランも一緒に行くわけだし……それなら大丈夫でしょ?」
キュリオ:「問題ないで〜す。
     アランの記憶の鍵があるかもしれないしね」
カイン:「……バ、バカップルが増えた。
    しかも、片方は首輪のアブノーマル、もう片方もロリ〜な危ないカップル。
    何で、ウチだけ、こんな面倒事が〜〜〜!!」
キュリオ:「だから、カインも彼氏みつけるみゃあ」
カイン:「はっはっは、ウチは男よりも夢(お宝)に生きる女」
リサ:「決まりね……じゃあ、最後に、約束どおり、キュリオに情報を上げないとね」
キュリオ:「――何か分かったの?」
リサ:「アランについての情報だけど……、
   彼が持つ剣の名はガラディーン。
   古代魔法王国時代のフィルスノーン王国、
   円卓の騎士の一人、サー・ガヴェインが持っていた宝具よ」
キュリオ:「サー・ガウェイン? よくばーちゃんが、お伽噺で話してた太陽の騎士の事?」
リサ:「そうよ……そして、重要なのはここから……、
   宝具というのはね、基本的に、担い手でなければ、決して扱えない物なの。
   それが、どういう意味か、分かるわゆね?」
カイン:「まさか……」
キュリオ:「本人でなきゃ扱えない太陽の騎士の剣を、アランは使ったって事?」
リサ:「そういう事になるわね……でも、そうとも言い切れないわ。
   その剣は、確かにガラディーンだけど、宝具といえる程の力は無い、不完全な状態なのよ。
   それなら、担い手でなくても扱える可能性もある。
   柄の部分に小さな窪みがあるでしょう?
   本当のガラディーンには、そこに赤い宝石が飾られているはずなの。
   それを見つけて、その上で、アランが剣を扱えたのなら……」
キュリオ:「アランが……ガヴェインってことになる」
リサ:「もしくは、ガヴェインと縁のある者って事になるわね。
   つまり、あなたの今後の目標は、円卓の騎士の伝説を追うのもそうだけど、
   剣の柄にあるべき宝石を捜すこと、ってわけね。
   その宝石については、私達には分からないわ。
   いっそ、専門家にでも聞いてみるのも、手かもしれないわね」
キュリオ:「宝石、かぁ……よかったね、アラン……おっきなヒント」
アラン:「ああ、そうだな……ありがとう、キュリオ。お前のおかげだ」
ヴァル:「宝石、か……力有る宝石を使う魔術師が居る、と聞いたことは有るが……」
リサ:「あと、一つオマケしてあげる。
   ガヴェインについてだけど……彼には、ラグネルって妻がいたそうよ♪」
キュリオ:「……らぐねる?
     ばーちゃんの名前がラーグネイル……何か関係あるのかな?」
GM:ちなみに、ラグネルと名前にも、キュリオは聞き覚えがある。
   リーフ島にあるキミの集落の創始者の名が『ラグネル』だったりする。
キュリオ:「ま〜さ〜か〜な〜……、
     ばーちゃん、重鎮だし……今度、聞いてみよう」(壊)
GM:といったところで、盗賊ギルドの方は終了です。
   続いて、教会に行ってみましょう。





―― PHASE-16 パーティー結成 ――


エル:「――と、いうわけです。」
   ヴァルフェルトと一緒に教会に来て、カレンに全てを説明しました。
GM:では、話を聞き終え、カレンは大きく溜息をつきます。
カレン:「子供のお使いもロクに出来ないのですか?
    予想以上のダメ犬ですね。飼い犬のクセに、
    主人の言いつけも守れないなんて、去勢するところです、この早漏」
エル:「うっ、申し訳ない……」
カレン:「まあ、それはともかく……その子が、件の遺跡で見つけたモノですか?」
エル:「そう言う事になります。
   現在はこのヴァルフェルト=グローヴァールが<マスターになっていますが……」
カレン:「つまり、ミスター・グローヴァール……、
    貴方が、彼女の責任を持つ、という事ですね?」
ヴァル:「あぁ、そう言う事だ……教会に引き渡すなぞせんよ?」
カレン:「そうですか、まあ、人の趣味をとやかく言うつもりはありませんが……、
    では、ミスター・グローヴァール、少々、席を外して頂けませんか?」
ヴァル:「……よかろう」
カレン:「社会の道を踏み外さぬよう、せいぜい、気をつけなさい……、
    女神は、いつでも、貴方を生温かく見守っている事でしょう。
    さて、人払いも済んだところで、本題に入ります。
    エルヴィン=ガーランド……教会の命は覚えていますね?」
エル:「……はい」
カレン:「遺跡の調査、もしくは、そこにあるものの確保……、
    可能であれば、それを破棄……私の言いたい事は分かりますね?」
エル:「……つまり、彼女を討て、と?」
カレン:「そうです。人を強制的に英雄へと引き上げる力……彼女の力は、あまりに危険です。
    『ザッハーク』という謎の組織が、彼女のような存在を回収している、という情報もあります」
エル:「何? それはどう言う……?」
カレン:「――とはいえ、造られた歪んだ命であっても、命である事に変わりはありません。
    彼女には、何の罪も無い。
    だから、貴方には、汚名返上の機会をさしあげましょう。
    エルヴィン=ガーランド……、
    今後、貴方は、あの二人に同行し、監視しないさい。
    その際に、もし、彼女を危険であると判断したのならば、その時こそ……分かりましたね?」
エル:「はい、承知しました。
   もし、彼女が人に害を為す存在となった時……、
   その時は、彼女を異端と認識し、全力をもってこれを滅ぼします」
   何処か、ホッとした顔を、一瞬、見せます。
カレン:「よろしい……では、貴方に女神のご加護がありますように……」
エル:「ありがとうございます。
   貴女の行く先にも女神の加護がありますように……」
GM:というわけで、今回のシナリオは終了です。
   経験値は、全員に10点ずつ。
   ヴァルは、強制的にギャグキャラLVUPです。
   次回のセッションは、第1PTのケイオスのプレイヤーが、
   GMをしてくださるそうです。





GM:では、お疲れ様でした〜!

一同:お疲れ様〜っ!





<おまけ・後日談>
<戻る>


注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。