GM:さて、今回は、セッションを始める前に、
   皆さんに、ご紹介したい人がいます。
ケイオス:噂の転校生……じゃなくて、新メンバーだな。
GM:はい、今回のシナリオから、
   ふぁんぶら〜ズに加わる『鞍馬 綾』さんです〜。(パチパチパチ)
綾:よろしくお願いしま〜す。
GM:で、綾さん、こちらの三人が、
   LQRPGの『いつものやつら』です。(爆)
ライル:なんて、短絡的で、何の感情も見えない紹介しとるんじゃい!
GM:だって、キミら、もう説明不要じゃん。
イルス:確かに、不要かも……、
ライル:なんか、回を追う毎に、オレ達に対して、
    態度がデカくなってきてないか、GMさんよ?
GM:気のせい、気のせい……、
   では、挨拶も終わったところで、今回のシナリオ……、
   『スクープウォーズ』を始めたいと思います。





ケイオス:――One for All!?

イルス:――All for One!?

綾:You need a Hero♪
  傷だらけのヒーロー誰でも〜♪

ライル:GM、頼むから……、
    その題名の付け方を……もう、いいや。(諦め)






『Leaf Quest TRPG』 リプレイ

ふぁんぶら〜ズ冒険譚 8

『スクープウォーズ』 前編







―― PHASE-01 ナカザキの女記者 ――


GM:さて、いつものやつらには悪いのですが……、
   冒頭は、綾さんだけで、話を進めさせて頂きます。
ケイオス:うむ、了解した。
ライル:初登場のキャラだからな。
    オレ達のPTに加わる理由付けも必要だし、仕方無いな。
GM:鞍馬 綾は、フリーの記者と傭兵を兼業してまして、
   普段は、ナカザキを拠点として、活動しています。
綾:はいはい、傭兵都市ナカザキは、
  無法都市とも呼ばれてますから、記事のネタには困りませんからね。
ケイオス:……『抑止力』という法はあるようだがね。
GM:貴女は、ちょっとした仕事のため、知識都市コミパに来ています。
   で、無事に、その仕事も終わり、懐も暖かくなった貴女は、酒場へと来ています。
綾:どんな感じの酒場なんです?
GM:店の片隅に、古いアップライトピアノがあり、
   その演奏に合わせ、旅の詩人が歌ってます。
   ナカザキの酒場とは真逆な、割と落ち着いた雰囲気の酒場ですね。
ライル:珍しく描写が細かいな、何かあるのか?
GM:さ〜てね……それはともかく、描写を続けます。
   店内の一角で、エルフの子供を連れた女性が、似顔絵描きをしています。
   で、つい気まぐれに、綾は、彼女に似顔絵を描いてもらっています。
ケイオス:エルフの子供って、まさか……、
GM:はいはい、この場にいない人は、黙ってて下さいね。
絵描き:「この街へは……お仕事で?」(かきかき)
綾:「ええ、もう終わったので、明日にでも、ナカザキに帰ろうかと」
絵描き:「ああ、やはり、ナカザキの方でしたか……、
    そんな感じがしたんですよ。私も、少し前に、あの街に立ち寄ったので……」
綾:「ナカザキは、どうでした?」
  拠点なので、他の人の評価が気になったりするのです。
絵描き:「自由な街でしたね。色んな意味で……、
    まあ、エルト……この子を連れていけるような街ではないので、
    長居はしませんでしたけど……」
    と苦笑しつつ、傍らにいる、エルトという少女の頭を撫でます。
綾:「確かに、お子さんには、あまり良い所じゃないですね」(苦笑)
絵描き:「――はい、できましたよ」
    絵描きは、描き上げた似顔絵の隅に『ANURA』と自分のサインをして、綾に渡します
ケイオス:やはり、ANURA(アヌーラ)か……、
綾:「ありがとうございます……へぇ、上手いですね」
アヌーラ:「まあ、これで食べてますから……」
GM:とまあ、似顔絵を受け取った綾は、絵描きに代金を渡すのですが……、
   そこへ、誰かが、後ろから、綾の肩をトントンと叩きます。
綾:「……はい?」
GM:後ろに立っていたのは、筋骨隆々の大柄な男です。
   綾には見覚えがあります。
   以前、とある出版社に勤めていた時の同僚です。
   名前を『鬼若 弁慶』といいます。
綾:「あ、弁慶さん……お久しぶりですね〜」
弁慶:「久しぶりだな、鞍馬……、
   再会して、すぐで悪いのだが……時間はあるか?」
綾:「……仕事の話、ですか?
  それも、あなたの話し方からして……傭兵の方の?」
弁慶:「まあ、そんなところだ……社長が、お前に頼みたいことがあるらしい」
   ちなみに、社長とは、綾が勤めていた『ミナモト新聞社』の『牛若 丸之進』のことです。
ライル:鞍馬天狗、弁慶、ミナモト(源)、牛若……、
    名前の元ネタは、源平合戦からか……、
綾:「はいはい、少しお待ちくださいね〜」
  メモを取り出しますよ。忘れがあったらいけないのです。
弁慶:「……では、我が社に来てくれ」
GM:というわけで、綾は、弁慶と一緒に、
   ちょっと懐かしのミナモト新聞社へと向かいます。
   で、舞台は変わって社長室……、
   椅子に座る小柄な男が、あなたを出迎えてくれます。


牛若:「待ってたモ〜ン。
   綾ちゃん、久しぶりだモ〜ン」


一同:ずがっしゃぁ〜っ!!(盛大にコケる)

イルス:なっ、なっ、なっ……、
ライル:そ、それは牛若じゃなくて――
ケイオス:――牛バカだろうがぁ〜っ!!



 ――古いネタですみません。

 昔、某有名漫画週刊誌で、
桃太郎とプロレスを題材としたギャグ漫画が連載されていたのですが……、

 その作中で、牛若丸の子孫という設定で、
登場していたのが、『牛馬鹿丸』(牛バカ丸)なのです。

 GMは、その場の笑い欲しさに、そのネタを使ってしまいました。(爆)


綾:「社長さん、お久しぶりです〜」
牛若:「いきなり呼んじゃって申し訳ないモ〜ン。
   実は、綾ちゃんに、頼みたい事があるんだモ〜ン」
綾:「はい、どういった御用件でしょう?」
牛若:「ライル=フィッシャーって冒険者を知ってるかモン?」
綾:「ええ、最近は、カノン王国に居たみたいですね?」
牛若:「おお、知っているのかモン! それなら話は早いモン!」
綾:「ばっちり、情報は入手していますよ〜」
  もっとも、他所の新聞も見て、ですけど……、
牛若:「そのライル=フィッシャーを、
   綾ちゃんに取材してきて貰いたいんだモン。
   あまり言いたくはないんだけど、
   今、ウチの新聞は、売れ行きが落ちまくってるんだモン。
   だから、ここで、ひとつ、今、名の売れ始めている彼を密着取材して、
   特集を組み、売り上げUPを目指すんだモ〜ン」
ケイオス:名前が売れ始めてるのか、弟者は?
ライル:どういう意味で売れてるのか、すげ〜不安だがな。
GM:フォルラータ、初音島、カノン王国……、
   表立った実績は、充分にあるのですよ。
   ソードワールドで言えば、冒険者LV4と5の間くらいでしょうかね?
牛若:「本当なら、我が社の社員に任せるべきなのかもしれないモン。
   でも、彼は冒険者だモン。それに同行する以上、冒険者としての技能は必須だモン。
   そこで、傭兵兼記者である、綾ちゃんにお願いしたいんだモ〜ン」
綾:「なるほど……ライル=フィッシャーさんなら、
  フォルラータでの件とか、最近、名が売れ出してますからね〜。
  それに、あの人の記事を見た瞬間から、私の勘が告げているのです。
  『彼に付いていけば記事(ネタ)には困らない』とっ!(爆)
  ――その話、乗りました!」
牛若:「流石だモン! 流石は、僕が見込んだ綾ちゃんだモン!
   手に入れたネタや写真は、その都度、こっちで買い取るモン。
   綾ちゃんの仕事に、期待してるモン!」
綾:「わっかりました〜!」
牛若:「というわけで、早速、取材を始めてほしいモン。
   彼は、今、傭兵都市ナカザキに向かっているという情報は得ているモ〜ン」
綾:「社長、いい仕事してますね! では、早速、行きましょう!
  休んでる時間すらもったいないのです!」
牛若:「そうそう、綾ちゃん……言い忘れていた事があるモン」
綾:「――はい?」


牛若:「タコは哺乳類だモ〜ン!」

一同:はい、お約束〜っ!!(笑)


綾:「で、では、鞍馬綾! 全速でいっきま〜す!」(どひゅ〜ん!)
GM:というわけで、数日後……、
   綾は、拠点であるナカザキに戻ってきます。
   さて、この街の何処かに、ライル達がいるわけですが、どうします?
綾:時間帯は? 昼間ですか?
  だったら、宿屋を片っ端から訪ねて回ります。
  ライルさん達が、何処かに泊まっているはずです。
GM:――って、言ってますけど?
ケイオス:甘いな、私達がいるのは、無論、酒場だ。(爆)
ライル:昼夜関係なく飲む、飲んだくれだからな、兄者は……、
    それに引き摺られて、オレも酒場にいる。
イルス:同じく、僕も……、
綾:この手の世界では、酒場と宿屋は兼業ですよね?
  特に、この街みたいな荒くれ者が多い街では……、
ライル:なるほど、酔い潰れた客を、
    そのまま、二階の客室に放り込むわけだな。
ケイオス:もしくは、酔い潰した相手を、
     お持ち帰りする手間を――ゴホンゴホンッ!
GM:はいはい、微妙なトークは、そこまでにして……、
   宿屋巡りをする綾が、大通りを歩いていると、
   一人の露天商が、あなたを手招きしているのに気付きます。
綾:では、招かれましょう。
GM:ちなみに、この露天商の人ですが……、
   実は、綾とは顔見知りの情報屋です。
   今までにも、何度か、お世話になっています。
綾:ほほ〜……、
露天商:「よう、綾ちゃん、お帰り。
    あっち(コミパ)での仕事はどうだった?」
綾:「バッチリ! 今は、少し懐が暖かいのですよ〜」
露天商:「だって言うのに、また仕事かい? 何か探してたようだけど?」
綾:「ええ、今は依頼の遂行中なんです。
  ライル=フィッシャーさんを探してるんです。
  今、ナカザキにいるんですよね?」
露天商:「ああ、あの音痴楽師ね……、
    確かに、この街にいるし、何処にいるのかも知ってるぜ?」(にやり)
綾:「居場所を知ってるんですか?
  それなら話が早いですね……で、いくらです?」
GM:露天商は、無言で、自分が並べる商品を指差します。
   売り物は、指輪、ピアス、パックル、首飾り、腕輪、髪飾り……、
   と、アクセサリー類が多いです。
綾:「(買えってことですか)ん〜、どれにしようかな〜?
  でも、装飾とか、そんなにしないんですよね。
  ん〜、腕輪とか……これは、いくらです?」
露天商:「商品と――込みでな」
    と言って、露天商は、指を2本立てます。
綾:200Gですか……払います。
露天商:「へへっ、毎度♪(腕輪を渡す)
    で、ライル=フィッシャーだったよな?」
綾:「――ええ」
露天商:「その冒険者なら、今頃――」





―― PHASE-02 酒場の大乱闘 ――


GM:とまあ、ここで場面転換します。
   さあ、お待たせしました。
   ケイオスよ、浴びるように飲むがいいっ!(笑)
ケイオス:「ごっ……ごっ……ごっ……」
     まるで、砂漠に水を注ぐかのように、エールを飲み干す26歳。
     テーブルの上には、既に空のジョッキの山。(笑)
ライル:「うへぇ……本当に、牛のように飲むな、この佐○酒造わ」
ケイオス:「……ぷはぁ〜! やっぱ酒は命の水だわ!」
     飲み干し、ジョッキを、たぁんと景気の良い音を立てて叩きつける。
     無論、煙草は灰皿の上に山盛り。(笑)
イルス:「あ、あんまり、一気に飲むと、急性とかマズイから、抑えてね〜」
ケイオス:「付き合い悪いなぁ、オイ」(少し頬が赤い程度)
ライル:「まさに、歩く不健康の見本……、
    公共広告機構に悪例モデルで出演しやがれ、コンチクショウ」
GM:さて、気持ちよく飲んでるケイオスですが、
   ちと、シラフに戻ってもらおうか?
   初音島で会った、水晶玉持った人影が、店の入口を通り過ぎましたよ。
   もちろん、一瞬、キミに目をむけてね。
ケイオス:「……やれやれ」
     スッと、一瞬、真面目な表情に切り替わる。
ライル:「大体、この酒の奴隷は……ん、どうした?」
ケイオス:「わり、催してきたわ」
     席を立ち、ふらつき気味に演技しながら店の外へ行く。
イルス:「あ、いってらっしゃ〜い」
ライル:「お〜い、トイレは奥の方……って、路上でするつもりかい!」
GM:では、ケイオスが店の外に出ると同時に、
   例の人影は、音も無く、路地へと入っていきます。
ケイオス:こちらも、エージェントの本領発揮。
     気配遮断しながら、続いて、路地裏へ入っていこう。
GM:人気も無くなったところで、人影が、水晶玉を差し出すと、
   以前のように、その水晶に、赤いドクロマークが現れます。
ケイオス:「……お久しぶりです、アジ様」(一礼)
アジ:「ふむ……どうやら、無事だったようだな」
   先日の大イカとの闘いの事を言っています。
ケイオス:「知っていて、嗾けたのですか?」(苦笑)
アジ:「いや、お前と、我が組織の船が、
   戦うことになるとは、少し想定外のことだったのでな
ケイオス:「なるほど……と言う事は、彼女(イリス)を攫ったのは?」
アジ:「それについては、済まないと思っている。
   決して、お前を信用していなかったわけではない。
   どうやら、部下の一人が、先走った真似をしてしまったようだ。
   まあ、経緯はともかく、結果的には、目標の一つは確保した。
   お前は、残り一つの目標に集中しろ」
ケイオス:「……了解致しました。
     ところで、一つ、お聞きしても宜しいでしょうか?」
アジ:「ふむ……何だ?」
ケイオス:「彼女は『無事』なのでしょうか?
     ……いえ、申し訳ありません、今のお話は忘れて下さい。
     どうにも、過去の記憶の残骸が甦ってきたもので……」
アジ:「アレは、丁重にもてなしている。お前が気にする事ではない」
ケイオス:「……失礼しました」
アジ:「気にするな。不本意な関係とはいえ、共に過ごせば、多少の情もわくだろう。
   さて、お前には、幾分、迷惑をかけてしまったな。
   そこで、一つ、良い情報をやろう。
   お前がいる、そのナカザキの付近に、とある魔術師が潜伏している。
   その魔術師と接触し、気に入られれば、
   お前が望む、さらなる力……得られるやもしれぬぞ?」
ケイオス:「……ソレは、有難き幸せ」
     常人が見れば、狂っていると表現する笑みを浮かべ、礼をする。
アジ:「うむ……では、今後も期待しているぞ、我が下僕ケイオスよ」
   と言い残し、赤いドクロは消え、
   水晶を持つ人影もまた、音も無く、姿を消します。
ケイオス:「そうだ、力だ……力があれば……、
     護れる、救える……邪魔するモノを、タタキツブセル……」
     人影が去った後も、ブツブツと、一人、路地裏で呟いていよう。
GM:さて、一方、その頃……、
   ライルとイルスは、ケイオスを待って、食事中ですよね?
   では、そんなイルスの横を、一人の男が通り過ぎます。
   その瞬間、イルスのお尻に、不愉快な感触が――(笑)
ライル:「は〜、まったく、兄者ときたら、
    いい年して、立ちショ――おっと、いけね、いけね」(食事中)
イルス:「うん、食事中なのに(もぐもぐ)……ひゃっ!?(びくっ)」(笑)
ライル:「こらぁ! だから、そういう声は止めろと……」
    イルスの悲鳴に、ガンッと頭をテーブルにぶつける。(笑)
男:「ひっひっひっ……♪」
  反応したイルスに、いやらしい笑みを浮かべています。
  そして、イルスのお尻を触った男は……、
  「よう、ねーちゃん……いくらだ?」
ライル:「プライスレス……金で買えるもんじゃないぜ、ヒヒオヤジ」(けけけ)
イルス:「……男のお尻さわって楽しいですか?
    えっ? 大丈夫だよ、ナーフ……、
    セイベツハンテンダケの効果なんて残って無いから」
    それにしては、悲鳴が女の子ぽかった気がしないでも無い。(笑)
男:「は? 男なのか?(ジ〜)
  
まあ、それでも良いか……いくらだ?」(笑)
一同:
まてぇぇぇいっ!!(爆)
イルス:「良くない! 良くないよっ!?」
男:「そんなこと言わず、ちょっと俺達に付き合えよ」
  と気付けば、二人のテーブルの周りには、数人の男が集まっています。
ライル:「なんか、ものすっげえ、色んな意味で腹立つ……って、おい!」
男:「あ? なんだよ? 野郎はお呼びじゃね〜ぞ? サッサと消えなって」
イルス:「こう言う時は……表へ出ろ、で良いのかな?」
    ちらっ、と店内を見回して……、
    ここで喧嘩を始めたら、マズイもんねぇ。
ライル:「ちっ、ドグサレ変態ヤロウがこれ程いるとはな。
    よっぽど女の子にモテないのか、真性の変態かどっちかだな」
男:「男でもな、てめぇみたいな奴じゃなきゃ、それなりに需要はあんだよ」
イルス:「需要って……」
ライル:「ほほ〜う、じゃあ、折角だから、オレも可愛がって貰いたいわ〜ん♪」
男:「お望み通り、可愛がってやろうじゃねぇか!!」
  と、男達がライルに殴り掛かってきます。
  では、ここから戦闘ターンです。
  店には、男の仲間も、かなりいたようで、相手は、合計でゴロツキが10人です。
  このへんから、ケイオスも戻ってきて良いですよ。
ケイオス:「……ん? どったの、おまいら?」(戻ってきた)
イルス:「お尻触られた……、
    まぁ、悪いけど、ちょっとケイオスさんも付き合って」
ライル:「ちと、このホ○連中を退治したいんだがな?
    同性愛を否定はしないが、他人に押し付けるのは感心できないくてなぁ〜、けけけけ」
ケイオス:「いかん、スイッチ入ってしまっとる……、
     OK、私は逃げても良いかね?」
     と、撤退を試みる頭脳労働者。(笑)
ライル:「――却下♪」(0.01秒)
ケイオス:「とほほ……あ〜、ちくしょう、やったるわい」
GM:では、第1ターンです。
   まずは、イニシアティブ判定(ころころ)9です。
ケイオス:(ころころ)6だな。
GM:では、ゴロツキーズ(モブ)の先攻ですね。
   敵は、店の椅子やテーブルを持ち上げて攻撃してきます。
   (ころころ)6と言って命中。
ライル:「うっひょ〜♪ いきなり凶器攻撃かよ!」
    (ころころ)かわしたぞ。
ケイオス:「当たったら、割と痛いぞ、ソレ!?」
     (ころころ)回避成功!
イルス:「お店の物を武器にしちゃ駄目ー!?」
    (ころころ)うん、回避した。
GM:攻撃は全て回避、ですか……、
   では、ゴロツキ達が投げた椅子が、カウンターに直撃。
   大量の酒が、パリンパリンと割れていきます。
   悲鳴を上げる他の客、真っ青な顔の店長。(笑)
ケイオス:「(ぷちっ)……縊り殺すぞ、ビギナーズ?」
     割れた酒瓶の山に、すぅ、と口の端吊り上げて笑うぞ。
イルス:「ケ、ケイオスさんまで〜っ!?」
ライル:「はっはっは〜!
    もう一人、激怒モードに叩き込みやがったな、このボケナスドモ!
    もしかしたら、オレの出番無いかもな、けけけけ」
ケイオス:では、こちらのターン……、
     大人げ無く、マハガルいくぞ〜!!(笑)
ライル:ふはは〜! オレは乾坤一擲〜!(笑)
    「今日のオレは、久々に萌え――こほん、燃えるお兄さんだよ〜ん♪」
イルス:うわ〜! 本当に大人げ無い!


 というわけで――

 2人の大人げ無い攻撃に、
ゴロツキーズは、アッサリ撃破されます。

 でも、2人とも忘れてません?
 ここって、一応、酒場の店内なんですよ?

 まあ、仕向けたのはGMなのですが……、(笑)


男:「や、やべぇっ! こいつら、クレイジーだ! 逃げろっ!!」
  ゴロツキーズは、ダッシュで逃げていきます。
ライル: 「テメエらに言われたくねぇわ、くそだらあっ!!」
ケイオス:「ちっ、殺し損ねたか」(ぼそ)
イルス:「2人とも、やりすぎ〜っ!」
ライル:「ちっ、威勢の良いこと言う割には、
    さっさとケツまくりやがって……ま、これに懲りたのなら良いか」
GM:で、残ったは、皆さんと……、
   周りは、ボロボロになった店内なわけですが……、
ケイオス:「……さて、どうしやう?」
     取り敢えず、クールダウンし、周囲を見回そう。
ライル:「で、その〜(きょろきょろ)……ライちゃん大失敗……てへ♪」
イルス:「あうあうあう……」
???:「くぉら〜っ!! あんた達、何してるの〜っ!!」
    と、突然、店の外から、女性の怒鳴り声が聞こえてきます。
    見れば、そこには、大きな剣を背負い、
    胸に保安官バッチをつけた、ツインテールの女の子が仁王立ちしてます。
ライル:「――うをわっ!?」
    来た、来ましたよ! 抑止力と言う名の法の権化が!
イルス:「ご、ごめんなさい〜!!」
ケイオス:「……堂々としろ、私達は(ある意味)正義のために戦ったんだ」
ライル:「こら、そこの極道残侠伝の片割れ!
    オレ達、どう見ても、過剰防衛じゃね〜か!」
ケイオス:「ふっ、見ていろ……漢の生き様を……」
     私に任せろ、と言わんばかりに女の子へ向かうぞ。
ライル・イルス:「ケイオスさん(兄者)……?」
七瀬:「この街の保安官の『七瀬留美』よ。このバカ騒ぎは、あんた達の仕業?」
ケイオス:「その通りだ……ゴロツキ共もいたがね」(堂々と)
七瀬:「どんな事情かは知らないけどね……、
   この街では、喧嘩両成敗なのよ」
   そう言うと、七瀬は、背中の大剣に、ゆっくりと手を掛け――


ケイオス:「――すんませんでしたぁー!!」
     ソレは、美事な土下座であった!(爆)
イルス:「いきなり土下座!?」
ライル:「漢だ、確かに漢だっ!!」



七瀬:「文句があるなら、この剣で……って、え?」
   剣を抜く前に土下座されて、ちょっと面くらってる。
ライル:「ちいっ、ならば、オレも一緒にやらねばなるまいっ!」
イルス:「う、うん、謝るなら皆で謝らないとっ!」
ケイオス:「えぇい、ここは年長である私が責任を取る。お前らは、堂々としていろ!」
     と、何故か始まる任侠節。(笑)
七瀬:「え、え〜と……取り敢えず、事務所に連行するけど? いいわね?」
ケイオス:「……うやむやの内に解散は、ダメ?」
七瀬:「――ダメ♪」
   というわけで、しょっぴかれてください。(笑)
ケイオス:「のおぉぉ〜……」
     そして、失敗に終わった漢気大作戦。(笑)
ライル・イルス:ぴゅるるるるる〜……(信頼度下降音)
ケイオス:ぎゃ〜! 下がった〜っ!!





―― PHASE-03 保安官事務所にて ――


GM:七瀬に連行されて、保安官事務所に到着です。
   早速、取調べが始まります。
ケイオス:「いかんな、開口一番に『カツ丼を出せ』と言いたくなる」
ライル:「取り調べは、山さん(?)がしてくれると良いな〜」
七瀬:「まず、荷物を全部預かるわよ?
   あんた達、この街の人じゃなさそうだし、一応、調べさせてもらうわ」
ケイオス:「危険物と爆発物と猥褻物が入ってるから注意……いや、なんでもない」
ライル:「すいません、できればギターと、特に楽譜だけは大目に……」
七瀬:「爆発物? まあ、そのへんは普通だし、問題無し」
イルス:「まあ、冒険者の一般装備だしね……あっ……」
    ふと思い出す。鞄の中にあるメイド服と猫耳ヘアバンド。(笑)
GM:では、荷物のチェックは『上月 澪』と『椎名 繭』に任せ、取調べが始まります。
   ちなみに、メイド服とネコミミは、既に2人の玩具に。(笑)
イルス:――ああっ?! そんな!!
七瀬:「それで? あの馬鹿騒ぎの原因は?」
ライル:「――ホ○です」(きっぱり)
ケイオス:「酒を粗末にしたからだ」(きっぱり)
ライル:「というか、この街でも、
    男の娘ブームがはやってるんですかっ!?」
七瀬:「……なんか、話に脈絡がないわね?
    ねえ、ちゃんと説明してくれない?」
    ライルとケイオスを無視して、七瀬は、一番まともそうなイルスに訊ねます。
ライル:「うわっ、オレ達、信用されてねえっ!」
ケイオス:「まぁ、景気良く暴れたしねぇ」(あっはっはっ)
イルス:「え〜っと、要するに……、
    ガラの悪い人が僕のお尻を触って、そこから喧嘩になったんです。
    で、七瀬さんが来たのが、彼らをブチのめした後で……」
七瀬:「ちょっと待った……お尻、触られたの?」
ライル:「触りやがったんですよぉぉぉぉっ!!」
七瀬:「――OK、あんたら無罪」
   そう言うと、七瀬は、逃げたゴロツキ達の探索を、茜や瑞佳達に指示します。
ライル:「まったく、あんな変態がウヨウヨしているのなら、
    無理して来ることはなか――へっ?」
ケイオス:「……無罪になった」(意外そうに)
イルス:「あの……良いんですか?」
七瀬:「いいのよ。乙女のお尻を触るなんて、万死に値するわ」
イルス:「……泣いて良いかな?」
ケイオス:「ここは、真実を伝えない方が、丸く収まるのだろうか?」
イルス:「う、うん……そうだね……、
    黙ってた方がスムーズだね……、
    うん、いいんだよ、わかってるから……」
    半泣きで、ナーフとごにょごにょ。
ライル:「いや、その……かの……じゃなくて、彼は、一応、男の……娘?」
ケイオス:「……私以上に、濃いキャラになっていくなぁ、弟者よ」
ライル:「兄者、マジで、一度、オレを月までブン殴ってくれ」(泣)
GM:とまあ、ライル達が、無罪となったところで、
   そろそろ、綾ちゃんも出て来て良いよ。
   情報屋から、ライル達は逮捕されたと聞いて、保安官事務所に来てください。
綾:「――こんばんは〜」(がちゃり)
七瀬:「あら、綾じゃない? どうしたの?」
綾:「あ、七瀬さん、お仕事お疲れ様です〜。
  実は、ライル=フィッシャーさんが此処にいる、と聞いたもので……」
七瀬:「らいるふぃっしゃ〜?」
ライル:「あ……オレです」(そそ〜っと手を挙げる)
綾:「えと、そこの楽師さんです」
七瀬:「へえ〜、あんたがねぇ……で、彼がどうかしたの?」
綾:「え〜と……昔、お世話になった会社からの依頼で、
  ライルさんの密着取材を受けに来ましたのです」
ケイオス:(ライルの顔が売れ始めているのか……、
     少し、目立つ行動は控えた方がよいかもな)
     と、のほほんとした表情の裏で、そう思っていよう。
七瀬:「ああ、なるほど。そういうことね。
   良かったじゃない。あんた、もしかしたら、有名になれるかもよ……色んな意味で」
   と、七瀬は、苦笑しつつ、ライルの肩を叩きます。
綾:「色んな意味……七瀬さんもお上手ですね〜」
ライル:「え、え〜っと……どういうこと?」(肩叩かれ)
七瀬:「ようするに、綾は、
   あんたを取材したいって言ってるのよ、有名人さん
ライル:「――ぶうっ!!(思い切り吹く)
    げほっ、げほっ……って、取材だとぉ〜っ!?」
イルス:「ちょっとだけ、有名になってるらしいよ、よかったね」
ケイオス:「おめでとう、弟者」(くっくっくっ)
ライル:「ってか、ちょっと有名って言ったって、そりゃ悪名ぐらいなもんだろ〜に」(汗)
綾:「ライル=フィッシャーさん……、
  あなたは、自分が思っているよりも、有名なんですよ?」
  と言って、自分で集めてた、ライル関係の記事を見せます。
ケイオス:「うむ、君の功績は、誇っても良いモノだよ、真面目な話ね」
綾:「ええ、それはもう……」
ライル:「…………」
    取り敢えず、綾が持ってきた記事を読んでみる。
GM:フォルラータでの伝説の再現に始まり……、
   初音島のバナナ事件の解決、カノン王国でのレースに優勝……、
   とまあ、そのへんの功績が、写真付きで書かれてます。
ライル:「バナナとレースはオレだけの事じゃね〜だろに……」
GM:確かに、そうですけどね……、
   でも、表立って名前が出てるのはライルなんですよ。
綾:「特に、フォルラータでは、かなり『ヨイショ』されてますよ〜」
ケイオス:「ま、なんのかんの言って、フォルラータの件が念頭にあるからね。
     一番、ピックアップしやすいんだろ、きっと……」
イルス:「よく考えたら、色々やってるしね〜」
ライル:「……?」
    再度、フォルラータの部分を読む。
GM:近衛騎士のマリユスさんが、ライルのことを絶賛してますよ。(笑)
   あと、アロエッテとの関係も、何やら注目されてるようです。
ライル:「――……ぼむっ!!」(爆)
ケイオス:「あ、煙噴いた」
綾:「何と言っても、彼女さんの、貴方への褒めっぷりが凄いのです」
ライル:「くをくをくをくを、くをれわあっ!?」
    記事には、オレがアロエッテを抱き上げてる写真もあったりするのか?
GM:あるね! もちろんあるね!
   それはもう、デカデカと一面飾ってる感じに!(笑)
ケイオス:「あっはっはっはっはっ!!」
     バンバンと、取調室のテーブル叩いて笑うね。
イルス:「うわ〜い……」
    こっそりと笑いを堪えてる。
ライル:「わ〜た〜! う〜や〜た〜!(わたわたおろおろ)
    マリユスさんも、何か、すげ〜オーバーでないかい?
    しかし、アロエッテ……ぐはあっ!?
    こんなこと書かれてたら、たまらんっ!」(すげー照れまくり)
ケイオス:「落ち着けい」(チョップ)
ライル:「おうっ……はっ?」(一応、落ち着いた)
綾:「気に入ったようなので、これはライルさんにお譲りしますよ〜」(ニヤニヤ)
ライル:「ううっ、不本意ながら貰っとく」
    と言いながら、記事を丁寧にしまう。
GM:とまあ、そんな話をしているとですね……、
繭:「みゅ〜〜〜〜〜っ!?」
澪:「――っ!?」
GM:と、荷物チェックしていた澪と繭が、突然、悲鳴を上げます。
ケイオス:「……む?」
ライル:「どうしたのかな?」
GM:見れば、繭と澪は、あるものを指差して、フルフルと震えています。
   それは、ケイオスの荷物の中にあった、例の無限蛇マークのプレートです。
   初音島で2枚、カノン王国で3枚……合計5枚ほど持ってましたよね?
ケイオス:「アレが何か、彼女達は知ってたのかね?」(素知らぬ顔で)
七瀬:「まあね、最近、色んなところで、
   あのマークを持ったのが悪さしてるから……、
   で、何で、あんたがアレを持ってるの?」
ケイオス:「ああ、各所で撃破したモンスターが、
     アレを持ってたんで、適当な機関にでも引き渡そうと思ってたんだ」
ライル:「大陸各地で暴れてるのか、あいつら……」
綾:「……何か、キナ臭い感じがしますね?」
七瀬:「コレと自分は無関係ってこと? それを信じろって?
   仲間以外で、それを証明出来る人は?」
ケイオス:「……無いね、残念ながら」
ライル:「カノン王国の近衛騎士様じゃ、ダメかな?」
ケイオス:「遠いからな〜」
ライル:「そもそも、兄者を、そのマークの関係者だったとしたら、
    オレやイルスも、その一味って事になるんだが?」
綾:「少なくとも、ライルさんは関係者じゃないですよ、七瀬さん。
  これ、何かの組織のロゴだと思うんですけど……、
  普通は有名になったらいけませんよね?
  ライルさんが一味なら、ライルさんの名声……存在自体が弱みになります」
七瀬:「それ自体を隠れ蓑にしてる可能性もあるわ。
   まあ、そこまで周到な相手が、乱闘騒ぎで掴まるなんて、マヌケな真似はしないと思う。
   だから、あんた達を信じたいのはやまやまなんだけど……、
   綾の記事からすると、あんた(ケイオス)だけ、身元が不明なのよね?」
ケイオス:「……まあ、そうだろうね」(アッサリと)
ライル:「住所不定、無職か……言われてみれば、実際、そうなるんだよな」
ケイオス:「そういう言い方だと、凄く怪しく聞こえるよ」(がび〜ん)
綾:「えっ、この年長っぽいお兄さんが、ふーさんなんですか?」
ケイオス:「うわっ! ものすっごく心に突き刺さった」
七瀬:「カノン王国の騎士が証明できるって言うなら、
   ちょっと時間はかかるけど、確認させてもらうわ。
   それまで、あなた達を拘束させてもらう」
ライル:「了解……まあ、ゆっくり待ちますわ」
イルス:「は〜い……まぁ、こうなっちゃったら仕方ないね」
ケイオス:「すまんな、つき合わせて」
     アヌーラも追跡しないといけないのだが……、
     ここでゴネるのは得策ではない、か。
ライル:「まあ、ケンカに突き合わせてしまった借り返しってことで、な」
七瀬:「疑って悪いとは思うけど……、
   このマークの奴らには、手を焼かされてるのよ。
   だから、どんな些細なネタも見逃せないの……ごめんね」
ケイオス:「うむ、三食は保障するように」
GM:さて、話もまとまったところで……、
   綾が持っていた記事ですが、今は、誰が持ってます?
ライル:オレだけど?
GM:では、その記事の中に、似顔絵が1枚混ざっています。
   どうやら、コミパで、綾が描いてもらったモノが、記事の束に混ざっていたようです。
   で、その似顔絵が、ハラリッと落ちます。
ライル:「うん? あれ……これって、記者さんの絵じゃないですか?」
綾:「ええ、この間、仕事で、コミパまで行ってまして、
  その時に、酒場にいた絵描きさんに、なんとな〜く描いてもらったんです」
イルス:「へ〜、綺麗に描かれてますね〜」
ケイオス:「……む?」
     似顔絵に視線が移り、作者の名前を見て、動きが止まる。
GM:作者の名前を見るなら、ケイオスは、
   その『ANURA』というスペルに、既知感を覚えてくださいな。
ケイオス:「アヌーラ……だと?」
     先程までの、のほほんとした声色から一転する。
ライル:「……兄者?」
ケイオス:「彼女は、次は何処に行くと言っていた?」
綾:「いえ、そこまでは聞いてないですけど……、
  まだ、コミパに居るんじゃないでしょうか?」
ケイオス:「……ふむ、エルフの少女は連れていたか?」
綾:「エルフの子……ええ、隣にいましたね」
ケイオス:「そうか……」(席を立つ)
ライル:「お、おい、兄者!?」
七瀬:「――ちょっと待った! 何処に行く気?」
ケイオス:「コミパだ」(淡々と)
ライル:「しまった、スイッチ入ったか!」
七瀬:「あんた達は拘束するって言ったわよね?
   カノンからの確認の書類が届くまで、最低、二週間は、この街にいてもらうわ」
ケイオス:「すまない、今回は大目に見てくれ」
     スタスタと荷物の方へ行く。
イルス:「大目にって……保安官と衝突するつもりっ?」
ライル:「……しばらく、様子を見るか。
    とりあえず、兄者に言わせたいだけ言わせる。
    言い争いが終わるまでは、多分、力の行使はしないだろうからな」
イルス:「う、うん……」(頷く)
七瀬:「待てって言ってるでしょ? まさか、あたしに逆らうつもり?」
ケイオス:「……キミに、信念はあるかね?
     私にはある、大切なモノを護り、救う為の力を得て……、
     二度と失わない、と言う信念が……」
七瀬:「あたしにだってあるわ……、
   この街は、あいつが帰ってくる場所……、
   あいつが帰ってくるまで、この街を守るのが、あたしの信念よ。
   だから、どんな事情があろうと、そう簡単に例外は認められない。
   この街の治安を維持する為に、ね……」
   七瀬は、そう言うと、背中の大剣に手をかけます。
ケイオス:「そうか……だが、私にも譲れないんだ。『もう』失わない為にも」
     虚ろな笑みを浮かべてみせよう。
七瀬:「お互い、一歩も引けない……なら、答えは一つね」
ケイオス:「それでも構わないなら斬るが良い。私は魔術を使わない。
     仲間に迷惑をかけるわけにもいかんからな」
綾:「澪ちゃん、繭ちゃん……こっちですよ〜」
  二人を連れて、事務所の避難しておきます。
ライル:まずい展開だな……、
    いくらなんでも、この漢女を相手に、
    本気でやり合うわけにもいかんし……、
GM:こっちだって、そんなつもりは無いですよ。
   このへんで、仲裁役に出てもらいましょう。
???:「まあまあ、留美ちゃん……そっちの人も落ち着いて、ね?」
    と、盲目の女性が、二人の間に割って入ります。
    この保安官事務所の所長『川名 みさき』さんです。
ケイオス:「……む?」
みさき:「留美ちゃん、大丈夫……この人達は、悪い人じゃないよ。
    この人(ケイオス)は、だって、魔術を使わないって言ったでしょ?
    仲間のために……ね?」
    と、七瀬を諭してから、みさきはケイオスを見ます。
    その盲目の瞳は、見えていないのに、全てを見透かしているかのようです。
ケイオス:「……すまない、どうやら気が昂ぶっていたようだ」
     と言いつつ、みさきの瞳から目を逸らさない。
七瀬:「みさきさんが、そう言うなら……」
   七瀬は引き下がり、代わりに、みさきが話を進めます。
みさき:「はじめまして、所長の『川名 みさき』です」
ライル:「申し訳ありません、柄にも無く兄者が取り乱してしまって」(ぺこぺこ)
イルス:「治まった……のかな?」
ケイオス:「ケイオス=ダルクだ。重ね重ね申し訳ない」
綾:「……あれ? 治まったみたいですね?」(ひょっこり戻ってくる)
みさき:「事情は、だいたいわかりました。
    キミ達は、一刻も早く、コミパに向かいたい。
    わたし達は、キミ達を街から出したくない……」
イルス:「ええと……そうなりますね」
みさき:「というわけで、綾ちゃん……、
    ここからは、オフレコ……司法取引といこっか?」
ケイオス:「……ふむ?」
みさき:「あなた達に、一つ頼みたいことがあるの。
    それを解決してくれたら、街から出してあげる」
ケイオス:「……話を、お願いしたい」
GM:では、みさきの代わりに、GMが説明します。
   依頼内容は、この街の近くにある洞窟の調査です。
   どうやら、最近、そこに怪しい魔術師が住み着いたそうです。
   それが何者なのか確かめ、場合によっては、拘束して欲しい、とのことです。
みさき:「もちろん、見張りとして……、
    そうだ! 取材も兼ねて、綾ちゃんに同行して貰おうかな?」
綾:「はい、了解しました〜」
ライル:「――って、大丈夫なんですか?」
イルス:「結構、危なそうなんですけど?」
綾:「コレでも兼業傭兵です! そこらの人よりは強いですよ〜。
  まあ、七瀬さんとかとは、比べ物にならないですけどね」
ライル:「兼業傭兵……あはは、そういう事か……」(汗)
    見るからに、彼女(七瀬)は別格だと思うぞ。
みさき:「綾ちゃん、もし、この人達が逃げたりしたら、
    この人達のこと、『好きなように』書いて良いよ♪」
ケイオス:「ソレはまた、えらく嫌な予感がするな」
綾:「了承を得ちゃったし、どうしよ〜かな〜?
  まるで嘘の記事は、まだ書いたことが無いんですよね〜」(ニヤニヤ)
ライル:「所長! 捏造記事を書くことを勧めるのは、良くないと思います!」
イルス:「ねえ、ナーフ……、
    何、その『別に嘘みたいなこと書いても、大抵、本物だから安心しろ』みたいな言い方は?」
綾:「――ええ、それはもう、好きなように書いちゃいますよ」
  実は、私、鳥の言葉が分かるのです。
ライル:「ちった〜遠慮しろ、このゴシップ候補生!!」
イルス:「好きなように書いちゃ駄目〜!? ナーフも煽らない!?」
綾:「え〜、嘘記事は『初めて』だから、すっごいドキドキしてるのに〜」
ライル:「頼むから、捏造歴無しで記者生活送ってくれ」
綾:「それにしても、気が合いそうですね、鷹さん……貴方のお名前は?」
イルス:「あ、こいつはナーフウェイト。見ての通りだけど、よろしくね」
綾:「ナーフ、ですか……よろしくお願いしますね、ナーフ?」
イルス:「――っ!? ナーフっ! 胸薄いとか言っちゃ駄目〜っ!?」
綾:「失礼な! 確かに、凄くはないけど――」
  と、イルスの腕をガシッと掴んで……、
  「――掴めるくらいはあるんですよ!」
  って感じで、ふにふにっと。(爆)
イルス:「わ、わわわわっ!?」(真っ赤)
ライル:「……同性同士の無邪気なじゃれ合いにしか見えないのは気のせいか?」
ケイオス:「……そうだな」
     微笑ましいものだ、と苦笑する。
みさき:「――で、どうかな? 悪い話じゃないよね?」
ケイオス:「……ああ」(頷く)
ライル:「選択権は全くナッシングって事か。(苦笑)
    まあ、兄者も、それで納得してるのなら良いか」
みさき「頼んでおいて何だけど、気をつけてね……、
   あの洞窟って、今まで、色んな人に頼んで調べて貰ったんだけど、
   誰も、洞窟に入ることすらできなかったんだよ」
ケイオス:「……ふむ、結界か何かが敷かれていたとか?」
みさき:「さあ、そこまでは……」
ケイオス:「そうか……了解した」
     仕事モード全開で、この依頼に取り組むとしよう。
ライル:「う〜む、どうにも不安というか……、
    まあ、魔術師がいるって事は、何らかの仕掛けもあるわけだしな」
GM:すぐに出発するなら、みさきと七瀬が見送ってくれますよ。
ケイオス:いや、出る前に、七瀬嬢に、
     先日、無人島で拾った、二枚の綺麗な貝殻を渡さそう。
     「彼女達に、怖がらせて済まなかったと伝えておいてくれ。
     私が言っても、尚更、怖がるだろうからな……」
七瀬:「……ええ、分かったわ」
   ケイオスから貝殻を受け取ります。
   しかし、七瀬の中では、ケイオス像がわけわからん事になってるだろうな〜。
   さっきと今とで、違いがありすぎる。
ライル:普段の姿を見れば、もっとわからなくなりますぜ。
みさき:「……ほら、やっぱり良い人だね♪」
    自分の見立ては正しかったと、みさきは得意気です。
    彼女は、盲目故に、本質を見極められるので、人を見る目はあるのです。
    さらに言うと、相手の潜在的な力も感じ取る事ができます。
ライル:そ、それは、是非とも、オレの楽師としての才能を……いや、やっぱり止めとく。
GM:そんなことを訊いたりしたら、悲しげな眼差しで見つめてやろう。
ライル:そう思ったから、訊くの止めたんだよ!
みさき:「じゃあ、『五人』とも、頑張ってね〜」
    と、みさき達は見送ってくれますよ。
ライル:「……五人?」
ケイオス:「…………」
     ああ、ナーフのことか、と納得する。
ライル:人間離れしてきてるからな〜。


 ――あ、ネタだと思われた。

 まあ、今は、まだ、その方が良いか……、
 みさきの『勘違い』の意味が分かるわけ無いだろうしね。


七瀬:「みさきさん、5人じゃなくて、4人と1羽……」
みさき:「え〜、そうだったの?
    とても、そうは思わなかったけど……まあ、いいか」





―― PHASE-04 謎の腕輪と妖しい魔術師 ――


GM:――というわけで、ここから、買い物タイムです。
綾:って言われても……、
  所持金が無い私には、買い物できません。
ライル:トラップツールも持ってないのか?
    それが無いと、エージェント技能で、
    罠探知とか、罠外しとか出来ないぞ?
    って、よく考えたら、オレも持って無かった!?
イルス:ちょっと待って!
    確か、ライルさん、前に、宝箱の罠探知してなかった?
ライル:やったな! そして、ファンブルしたな!
ケイオス:アレの原因は、ツールの不所持にあったのか。
GM:実際には、単なるGMのミスですけどね。
ケイオス:ええい、とにかく、ツールが無くては話にならんだろう?
     それくらいなら、私が買ってやる。
綾:わっ、ありがとうございます〜。


 買い物を始めるPT達――

 今回の舞台は洞窟なので、
爆弾系は買わず、冒険者達は、回復薬を買い込んでいく。

 そして、恙無く、買い物が終了したところで、
GMは、ここで、彼らに、重要な情報を与えることに……、


GM:さて、買い物を終わったところで……、
   ライル、イルス、ケイオスは、ふと、綾の腕にあるモノに気付いて良いです
   彼女の腕には、なんか見覚えのある腕輪があります。
   ぶっちゃけて言うと、初音島で見た、クワルナフの模造品に酷似しています。
ライル:「ん? その腕輪は……?」
綾:「あ、これですか? さっき買ったんです」
  さっき露天で買った腕輪を、皆さんに見せますね〜。
ライル:「買ったって……おひ」(汗)
イルス:「……どこで買ってきたの?」
綾:「えっ? 何かヤバイものなんですか?」
ライル:「ヤバイというか……、
    もしかしたら、謎の突破口になるかもしれない」
綾:「……何か、あるんですか?」
ライル:「まあ、話せば長くなるけどね。
    取り敢えず、買った店に案内してくれないか?」
綾:じゃあ、腕輪を買った露天商(情報屋)のところまで行きます。
  その間に、事情の説明をよろしくです。
ライル:ならば、ナーフに、道すがらの説明を任せよう。
ナーフ(イルス):『――俺か!?』
         って顔しつつも、説明する。
GM:では、ナーフの説明が終わったところで、例の露天商の所に到着です。
露天商:「おう、綾ちゃん、また何か用か?」
綾:「さっき、私が買った腕輪みたいなの、まだありますか?」
露天商:「いや、もうないぜ?」
イルス:「え〜っと……何処の仕入れだったんですか?」
    と、商品を物色しつつ、露天商に訪ねる。
露天商:「いや、つい最近、妙な魔術師が、
    この街の近くにある洞窟の場所が知りたい、って言うから、
    情報料を請求したら、その腕輪をくれたんだよ。
    『わしには必要ないものじゃ』ってよ」
綾:「洞窟……みさき所長さんが言ってた、アレでしょうかね?」
ケイオス:「タイミングを考えると、クロと見て良いだろうな」
     うむ、話が繋がった、と頷こう。
綾:「この腕輪、曰く付きみたいですし……、
  個人的に訊きたいことも出来ましたねぇ、ふふふ……」
  なにせ、私のお昼ご飯よりも高かったのですよ〜。
ライル:「しかし、必要ない、って言葉が引っ掛かるな〜」
露天商:「って、しまった。ついタダで喋っちまった。
    じゃあ、ここまでは、サービスってことで……」
    露天商は、これ以上、知りたいなら、何か買っていけ、と商品を示します。
ケイオス:「……ふむ、一番高い物は?」
露天商:「この指輪かな……300Gだ」
    もちろん、情報込みでね。
ケイオス:「ソレを貰おう」
     その代わり嘘は許さん、と目で言う。
露天商:「へへっ、毎度♪ 指輪なら、まだまだあるぜ?」
    ちなみに、この指輪は、本当に、ただの安物のシルバーリングです。
    駅前の露天とかで売ってそうなやつね。
ライル:「むう、モノを買う代わりに情報か……、
    あっ、おじさん、その指輪、もう2つあります?」
綾:「あっ、彼女さんの分ですね〜♪」
露天商:「――名前、彫るかい?」
ライル:「うをををを! ぜ、是非に!!」
ケイオス:「…………」
     剣呑な瞳で、急かすように、地面をつま先でトントンと。
ライル:「エ、エエト、片一方ヲ『ライル』デ、
    モウ一方ヲ、ア、ア、ア、ア、ア、アアアアアッ!」
露天商:「ライルっと……で、もう一つは……あんた(イルス)名前は?」
イルス:「――僕じゃない!?」
ライル:「こらあっ!!」(泣)
    おやじの襟首をむんずと締める。
綾:「おじさん、名前は『アロエッテ』ですよ♪」
露天商:「へいへい……アロエッテ、っと」
ライル:「ぜ〜は〜ぜ〜は〜……」
    確信犯だ、このおっさん、絶対に確信犯だ。
露天商:「んじゃ、情報だな……、
    取り敢えず、洞窟についてたが、この街の北にある洞窟でいいんだよな?
    あそこは、例の魔術師に場所を教えた次の日には、誰も入れなくなっちまった。
    なんでも、真っ直ぐ、奥に進んだだけなのに、外に戻っちまうんだそうだ」
綾:「知覚を狂わせる系の魔術の罠でしょうか?」
ケイオス:「そうだな……」
     知識の中で、該当する魔術の罠はあるかな?
GM:では、メイガスで判定してください。
綾:(ころころ)10です〜。
ケイオス:よ〜し、ブースト1個投入〜!
     (ころころ)3個ふって、6、1、1……、(爆)
     達成値は14だ。(がっくり)
GM:相変わらず、気合入れると出目悪いね。
   まあ、達成値としては充分なんですけど……、
   では、ケイオスは、空間歪曲か、知覚認識か……、
   その手の魔術の罠かと思った。
   ただし、前者の魔術は、かなり高度な魔術ですね。
ケイオス:「空間歪曲でないのを祈るしかあるまいな。
     そのクラスの使い手だと、最悪、撤退するのもやっとかもしれん」
綾:「下手したら、変な空間で、
  一生、迷うことになれかねないです」
露天商:「あと、例の魔術師についてだが……人相くらいしかわからないけど、いいか?」
ケイオス:「ああ、頼む」
露天商:「そうだな、三つ網みで、眼鏡かけてて、
    若いくせに、妙に年寄り臭い喋り方だったな。
    あと、長い鉄の棒を持ってたぞ」


一同(のPL):こんな所で、何やってるんだ!
        
あの魔方陣マニアはぁぁぁっ!!


 はい、ご想像の通り……、

 件の魔術師とは、GMのPCである、
『アレイスター=クロウリー』だったりします。

 過去の時間軸にいる筈の、
彼(彼女?)が、何故、こんなところにいるのか……、

 その理由は……わかりません。(笑)
 何故なら、まだ、考えてないからです。(爆)

 まあ、そのへんは、ぜぶら〜ズの展開次第で、
いくらでも、辻褄は合わせられるだろう、という事で……、


ライル:あはっはっ! こいつは予想もしない展開!
GM:ちなみに、腕輪を『必要ない』と言った理由も、もう分かりましたよね?
綾:ああ、確かに……、
ケイオス:なるほどな〜、大納得。(笑)
ライル:まあ、それはともかく……他に訊く事は無いかな?
綾:洞窟の概要を訊いても、意味無さそうですし……、
GM:では、洞窟に向かいますか?
一同:GOGO〜!!





 謎の腕輪――
 妖しい魔術師――
 アヌーラの行方――

 様々な思惑を胸に、
冒険者達は、謎の洞窟へと向かう。

 果たして、彼らを待ち受けるモノは?
 そして、期待の新メンバーの実力は如何に?





<後編に続く>
<戻る>


注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。