GM:さて、早いものでして……、
   LQTRPGテストプレイも、三回目となるわけですが……、
イルス:あれ? 人数が少ないね?
GM:前回は、PT人数が多すぎたので、
   今後のプレイでは、最大四人までに制限しようか、と……、
ケイオス:なるほどな……、
     だから、あの守銭奴と猫娘がいないのか。
ライル:あの二人は、何処に行ったんだ?
GM:キュリオは、アランの失った記憶を取り戻す為に、
   フィルスノーン王国の、古代都市パルメアの盗賊ギルドに行っています。
   多くの情報を得たいなら、盗賊ギルドが一番ですからね。
   で、カインは、フィルスノーン出身という事なので、その付き添いです。
   そこで、彼女達は、第2PTと合流させるつもりです。
ライル:……アラン殿は?
GM:もちろん、一緒ですけど……、
   多分、今後は、NPCとしての出番しか無いでしょうね。
ケイオス:太陽仮面の立ち位置で固定か……不憫だな。
イリス:しかし、キュリオ達がいない、という事は、私が紅一点!?
    少し、身の危険を感じちゃうかも……、
ケイオス:問題無い。ストーカー娘に興味は無い。
ライル:問題無い。俺には、女神様達しか見えてない。
イルス:え〜っと、僕は……動物達が友達です。
GM:そもそも、イルスは男の娘だし。
イリス:もういい……GM、サッサと始めてよ。





GM:それでは、冒険を始めましょう。
   初GMなので、拙い進行だと思いますが、よろしくお願いします。

一同:よろしくお願いしま〜す!






『Leaf Quest TRPG』テストセッション・リプレイ

ふぁんぶら〜ズ冒険譚 2

『れ・みぜらぶる?』前編







―― PHASE-01 ヘタクソ楽師とお嬢様 ――


GM:さて、リーフ島での冒険を終えた皆さんは、
   連絡船で、アクアプラス大陸へと渡り、
   芸術都市フォルラータへとやって来ています。
ケイオス:目的は何だ? 観光か?
GM:まあ、観光と言えば、観光ですね。
   街の様子を見ると分かりますが、今、街はとても活気に溢れていて、
   中央広場や、空中庭園では、楽師達が、まるで競い合うように音を奏で、
   芸術都市の名の如く、街中が美しい旋律に包まれています。
ライル:まるで、お祭り騒ぎだな。
    もしかして、この街は、いつも、こんな感じなのか?
GM:割と、こんな雰囲気の街ですが、
   今のフォルラータは、特に、その傾向が強いですね。
   その理由ですが、実は、近々、音楽コンクールが開催されるんです。
イリス:なるほど……、
    私達は、それを見に来たわけね。
GM:そういう事です。
   もしかしたら、この街に来る途中までは、
   キュリオ達と一緒だったのかもしれませんね。
ライル:その音楽コンクールって、どんなコンクールなんだ?
GM:毎年恒例、王家主催の音楽コンクールです。
   古代魔法王国時代の、この国の王女が、とても歌好きで、
   それ以来、ずっと続いている、歴史あるコンクールです。
   このコンクールで優勝すれば、世界的な歌姫、楽師としての道が拓かれると云われていて、
   事実、優勝者は、今後の活動に、王家からの支援も受けられるんです。
   だから、街中の楽師、歌姫達は必死ですし、世界中から、吟遊詩人が集まっています。
ケイオス:王家の支援……それは、必死にもなるだろうな。
GM:で、皆さんは、そのコンクールを見に来たわけですが、今、何をしていますか?
ケイオス:そうだな……所属してる秘密組織(?)の支部に定期報告をしに行こう。
     ちなみに、未だに、どんな組織か決めていません。(笑)
イルス:見物がてら中央広場の散歩とかしています。
イリス:吟遊詩人の歌でも聴きに行くかな。
GM:ふむふむ……で、ライルは?
ライル:「星の揺れる〜、港を〜♪
    船は〜、離れて〜、ゆくけど〜♪」えぐえぐ……、(泣)
GM:――はい?
ライル:「あ〜の人は、あの人は〜♪
    私〜だけの十字架ぁ〜〜〜〜♪」がっくし……、
GM:え〜っと……それは、何処で唄ってるのかな?
ライル:公園の片隅で、ギターを掻き鳴らしつつ、唄ってる。
    ああ、オレの人生、これからどうすりゃいいんだろ……、
GM:一体、何があった……?
ライル:まさかなぁ、ひかり様が……、
    まさか『普通の主婦』やってるなんてぇぇぇぇっ!!
イルス:……どういうこと?
ライル:いや、前の依頼を果たしてから、
    こっそりと、噂を頼りに、神岸家を探し当てたんだけど……、
    そしたら、そしたらぁっ!!
    「あなた〜、忘れ物よ〜、ちゅっ♪」なんて、
    旦那さんとイチャイチャやってるのを、モロに目撃しちゃったわけで……、
イリス:うわ〜……、(汗)
ライル:で、その後の記憶が良く覚えてない。
    気が付いたら、宿屋のベッドで、枕をビショビショにしてた。_|⌒|○
GM:それは、傷心だろうな〜……、


 しかし、凄いな、ライル……、
 『神岸ひかり』が女神だと見破ったと言うのか……、

 一応、彼女が女神だっていうのは、
 誰にも分からない、って事になってるんだけど……、

 まあ、女神像にそっくりな人を見つけた、って事かな?

 しかし、神岸夫婦を見て、こんなに落ち込んでるなら、
秋子と祐一のやり取りを見たら、ライルは、もう立ち直れないんじゃないか?


ケイオス:「人は、そうやって大人になるのだ……辛いだろうが、ソレを乗り越えろ、弟者」
     と、呟きつつ、茂みの中から、生暖かく見守っていよう。
イリス:いつの間に、組織の支部から戻ってきたのやら……、
GM:ま、まあ、それはともかく……、
   公園の片隅で寂しく唄うライルの前を、道行く人々は、耳を塞ぎながら、通り過ぎていきます。
   もしかしたら、哀れむように、小銭を投げていく人もいるかもしれません。
ケイオス:酷いな……、(笑)
イリス:その酷い様子を、茂みの中で覗き見してるのも、大概、酷いと思うけど……、
GM:そんな人々の中から、一人の女性がライルに歩み寄って来ます。
   女性は、割と良いトコのお嬢様のようで、仕立ての良いドレスを着た、
   金髪縦ロールの16歳くらいの女の子です。
   少し目つきがキツいですが、美少女と言っても良いでしょう。
イルス:いわゆる、貴族のお嬢様?
ライル:何だ、何だ……?
GM:で、そのお嬢様ですが、ライルの前に立ち止まると――


???:「――素晴らしい歌でしたわ」(パチパチと拍手)

一同:なんですと?!


 突然の賞賛に、絶句する一同。
 ライルの歌って、そんなに酷い設定なんだ。

 ……どうして、ダメ技能にしないんだろう?


???:「演奏は稚拙で、音程もメチャクチャ……ですが、とても想いの込もった歌ですわ」
イリス:騙されちゃいけないわ、お嬢さん。(笑)
ライル:素晴らしい? このオレの歌が、素晴らしい?
    唄う先々で、石をぶつけられ、棍棒で追い掛け回され、
    魔銃の一斉射撃までくらった、オレの歌が?)
ケイオス:そこまで顰蹙かってるのか?
イリス:うん♪ 私、撃ったかも♪
ケイオス・イルス:――怖っ!!
???:「今の貴方の歌からは、貴方が胸に抱く想いが……、
    絶望とも言える程の、深い悲しみの気持ちが込められていました。
    おそらくは、今、この街にいる楽師の誰よりも、あの歌には、魂が込もっていたと思いますわ」
ライル:「は、はあ……お世辞にしても、その言葉、有難く受け取っておきます」
    と、彼女の言葉に戸惑い、頭を下げつつも、内心では、言葉のナイフで肺腑が抉られてるぞ。
イリス:まさに、痛いトコロを――
イルス:――抉ってるよね。
ケイオス:鋭く、深くな……、
ライル:や、やべ〜……オレのハートブレイク、バレバレじゃね〜か!
GM:と、ライルが内心でのたうっている事も知らず、
   お嬢様は、ライルが持つ楽器に、興味津々な様子です。
???:「それにしても、今時、ギターなんて珍しい……、
    大抵は、フォルテールが主流ですのに……」
ライル:「ええ、まあ、こいつは、オレが子供の頃から一緒だったやつで……、
    どうも、これに慣れちゃったせいでしょうか。
    他の楽器に興味が沸かないんですよ」
???:「楽器に愛着を持つことは良いことですわ。
    ところで、貴方は、冒険者の方と、お見受けしますが?」
ライル:「まあ、弾き流しの傍ら、冒険に巻き込まれてる、って感じですが……」
    弾き流しの旅自体が冒険かもしれないがな……、(笑)
イルス:唄ってる時が、一番、バイオレンスっぽいしね。
???:「そうですか、それは良かったですわ。
    私の名は『アロエッテ=マドレーヌ』……、
    実は、貴方に、お願いしたい事がありますの」
ライル:「は、はあ……?」
    これまた、なんて、姿どおりの優雅な名前だな。
アロエッテ:「依頼の内容は遺跡の探索……、
      冒険者である貴方には、慣れたものだと思いますが?」
イリス:エージェント……いたっけ?
ライル:エージェント技能、Lv1追加した。
ケイオス:その技能ならLv2だぞ。
アロエッテ:「どうでしょう? 依頼を受けて頂けるのでしたら、詳しい話を致しますが……」
      と言いつつも“私の依頼を断るわけありませんよね?”と目で語っています。
      お嬢様育ち特有の我侭ってやつですね。
イリス:……断ってやりなさい。
ライル:詳しい話の前に、依頼を受けるかどうか、とは……こりゃ、ちと難儀だな。
    つまり、関わり合いにならなきゃ、知られたくない事情があるわけだ。


 ありゃ、そういう風に考えるんだ。
 別に、そんなつもりは、全然、無かったんだけど……、

 依頼の仕方にも、順序ってものがあるんだな。
 少し警戒させてしまったかも……、

 まあ、いいや……、
 その方向で、話を合わせて行こう。

 アロエッテの思惑からすれば、
確かに、なるべく秘密裏に事を進めたいだろうし……、


アロエッテ:「もしかして、お仲間がいらっしゃるのですか?
      それでしたら、場を改めさせて頂きますが?」
      返答を渋るライルに、アロエッテは、少しイライラし始めています。
ライル:「ええ、仲間が数名……、
    まあ、少なくとも勝手な行動とったら、怒ってくれる連中ですからね」
アロエッテ:「そういう事でしたら、場所を移しましょう。
      そうですね……大通りにあるカフェまでいらしてくださいな」
      と、アロエッテは、詳しい場所と時間をライルに伝え、去っていきます。
ライル:なんだかんだで、彼女のペースに巻き込まれた、って感じだな。
    まあ、とにかく、兄者達に相談してみるか……、
ケイオス:「うーむ、難儀な話だな」
     ガサッと、ライルの脇の茂みの中から現れるとしよう。
ライル:「おわっ!? い、何時の間にっ!?」
ケイオス:「強いて言うなれば、泣きながら唄い始めた辺りからだろうか……」(にやり)
ライル:「見たんか、見たんかあっ!!」(泣)
ケイオス:「……人は、そうやって大人になるのだ、恥じる事はない」
ライル:「含蓄ある言葉……流石だな、兄者」
イリス:「断ってやりなさい。
    話の順序の分からない小娘には、世間の厳しさを教えてあげるべきです」
    と言いつつ、ケイオス同様に、ガサッと茂みの中から。(笑)
GM:(……グサッ)
イルス:「でも、依頼なんだし請けてもいいんじゃないかな?」
    同じく、ガサッと。(笑)
ライル:「どいつもこいつも……オレの仲間は、全員、覗き屋か?」
ケイオス:「細かい事は気にするな、弟者……、
     で、どうするんだ? 私は、どっちでも構わないけどね」
イリス:「――断りなさい」
ライル:「まあ、待て待て……向こうだって、それなりの家柄みたいだし、
    責任持ってやってくれる人でなきゃ、おいそれと事情は話せんだろうが」
イルス:「え〜っと……とりあえず、話を聞くだけでも……、
    って、聞いたら、依頼を請けなきゃいけないしなぁ」
ライル:「……ちと、ヤバイものは感じるよな」
ケイオス:「そうだねぇ……良家の子女にコネを作る、と言う意味では都合よい依頼なのだが……」


 一同、深読みして、依頼を請けるべきかどうか、迷っている様子。

 もちろん、請けなきゃシナリオにならないので、
請けては貰えるのだろうけど、こんな冒頭で、いつまでも、時間を掛けてはいられない。

 そこで、GMは――
 ちょっと、エサを撒いてみる事に――


GM:え〜、では、ライル……、
   ちょっと、ここで、2d6+T値で振ってみて。
   さっきの場に、最初から居合わせてたなら、ケイオスも振って良いですよ。
ライル:(ころころ)11だな。
ケイオス:(ころころ)低いな……10だ。
GM:じゃあ、二人とも、アロエッテの、
   ライルを見る目が、やや熱っぽかったことに気付いて良いよ。
ライル:「何かこう、妙に熱に浮かされたような顔してたな。
    まさか、本当に、切羽詰ったヤバい事っ!?」
ケイオス:「……ああ、なるほど。
     安心しろ弟者、ある意味、安全かもしれん。
     弟者にとっては、ヤバイかもしれんな……くっくっく」
ライル:「ん? どういう事だ?」
ケイオス:「ソレは、そのうち解るさ、おそらくな……、
     それはともかく、この依頼、請ける事を提案しよう。
     理由は……
楽しそうだからっ!


 ――フィ〜ッシュ!!(笑)
 まんまと、GMの撒き餌に食いつきました。

 まあ、ケイオスは、
GMの見え見えの罠に嵌ってくれたのでしょう。

 流石はプラクラゲッター♪(違)

 しかし、こうして、思惑通りに事が運ぶと、ちょっと面白い。
 初GMにして、GMの楽しさを垣間見るSTEVENなのでした。


ライル:「兄者〜、そのドエッチな笑みで、意味ありげに言わんで下さいよ〜。
    だいたい、何ですか、その理由は〜?」
ケイオス:「ソレ以外に、何があるのかね?」
ライル:「い、いや、彼女の顔を見たら、楽しそうなんてもんじゃないでしょうが!!
    ま、まあ、困った人の依頼は、逃げちゃいかんけどな」
GM:何と言うか……、
   だんだん、関係が確立してきたな……LQの流石兄弟よ。(笑)
イルス:「……まぁ、取り敢えず、請ける方向でいいのかな、これは?」
ライル:「ここまで来たら、もう逃げられないと思うが? さて、お前も覚悟しろ♪」
ケイオス:「ああ、こう言うのも何だが……、
     ライルにいきなり声をかけてる時点で、
     歴戦の戦士が必要、なんていう事態でもないだろうしな」(のほほん)
ライル:「歴戦の戦士がいらなくて、切羽詰った依頼……どういうこっちゃ?」
ケイオス:「さぁ? 私の口からはなんとも」(目を逸らす)
イリス:「歴戦の勇士が不要……って言うか、いたら困るとか?」
GM:え〜っと、依頼を受けるのでしたら、指定場所のカフェに場面転換しますが?
ケイオス:構わないぞ。
     関係が急展開しない程度に、弄らせて貰おうか。(親指グッ)





―― PHASE-02 不可解な依頼 ――


GM:では、冒険者達は、アロエッテが指定したカフェへと依頼します。
   オープテラスのある、ちょっと高級感溢れる、お洒落なカフェです。
イリス:「……わあ〜」(キョロキョロ)
ケイオス:「金が掛かってるな……」
     調度品とかに、チラリと目を向けつつ。
GM:とまあ、場違いな雰囲気に戸惑いつつ、皆が店内に入ると、
   オープンテラスの一席で、優雅に紅茶を飲みながら、皆を待っている、アロエッテの姿を見つけます。
ライル:「あっ、どうもお待たせしました。
    え〜と、アロエッテさん……で、良いですか?」
    やっぱり、絵になる優雅さだな、アロエッテ。
    取り敢えず、それ以上の感情は、脳内にインプットされてないぞ。
アロエッテ:「ええ、それで構いませんわ」
      アロエッテは、上品な仕草でティーカップを置き、ライルの言葉に頷きます。
イリス:「……ちっ」
    軽く舌打ちしつつ、アロエッテを一睨み。
イルス:「ちょっと、ちょっと……イリス?」
    何やら、アロエッテを睨んでいるイリスをたしなめるよ。
イリス:「なんか、金持ちそうな奴ってむかつくのよね」(小声で)
イルス:「え〜? でも、駄目だよ、そ〜ゆ〜の……、
    こらっ、ナーフも頷かない」(小声で)
    どうやら、ナーフも、イリスと同意見らしいです。


 金持ちそう、と言うか、実際に金持ちなんだけどね。

 まあ、それはともかく……、
 そうか〜、イリスは金持ちが嫌いなのか。

 となると、今後は、金持ちの依頼主は控えないとダメかな?
 特に、イリスを主役に据える場合は……、


アロエッテ:「随分と待たせて頂きましたが……、
      来て頂けたという事は、
      良いお返事を聞かせて頂けるという事ですわね?
ライル:「ええまあ、こちらとしましても、逃げるわけにもいかなくて……」
    請けた理由は、『楽しそう』ってのは黙っておこう……さすがに失礼だからな。
アロエッテ:「では、依頼の内容なのですが……」
      と、そう言って、アロエッテは、店員に、
      皆の飲み物を適当に注文すると、本題に入ります。
ケイオス:さて、どんな難儀な依頼なのやら……、
アロエッテ:「実は、我が家の管理下にある遺跡へ向かい、
      その奥にある魔術具を持ってきて頂きたいのです」

一同:「――はい?」

ライル:「は、はあ……」
    それが難儀な仕事なのか? ありふれた内容じゃないか。
GM:(そう思うのも仕方ないよな……、
   だって、そういうつもりは無かったんだもん)
アロエッテ:「遺跡の名は『唄い誘う美姫の遺跡』……、
      この街から、小一時間ほど歩いた山岳の麓にある遺跡ですわ」
イリス:「――ひとつ訊いて良いかしら?」
アロエッテ:「何でしょう……?」
イリス:「我が家の管理下、って言ったけど……、
    それは“あなたの家の管理下”であって、“あなたの管理下”ではないモノではないでしょうね?
    失礼な事を言ってるのは百も承知。疑って掛かるのは、それだけ慎重にしたいだけよ」
アロエッテ:「もちろん、それは当然の事ですわ。
      ですが、心配はご無用……現に、ほら?」
      と言って、遺跡を封印している鍵を取り出し、それを皆に見せます。
ケイオス:「では、私からも質問だ……、(挙手)
     考えられる危険、並びに遺跡内の間取りを教えて頂きたい。
     管理下にある遺跡なら、そのくらいは分かるだろう?」
アロエッテ:「申し上げにくいのですが、危険度と間取りはわかりません。
      我がマドレーヌ家の管理下にあるとはいえ、それは所有権のみ……、
      長年、放置されているので……分かっているのは、その遺跡の名前だけですの」
イルス:「じゃあ、ボクからも質問……、
    そういう事情なら、そちらの方で、誰か一緒に、ついて来たりはしますよね?」
ケイオス:「うむ……監視役だな」
アロエッテ:「いえ、それも……、
      出来れば、この件については、内密に進めて頂きたいのです」
イルス:「え〜と、じゃあ、遺跡内部で見つけた、その他のアイテム類は?」
アロエッテ:「特に価値の無い物でしたら、構いませんわ」
イリス:「さらに、キツイ事を言うけど……盗掘にはならないわよね?」
アロエッテ:「大丈夫、私が保証致します。
      それに問題ありませんわ……何故なら、その魔術具は、私が使うのですから」
ライル:「へ……? 失礼、貴女が使う?」
アロエッテ:「ええ、私が使うのです……」
ライル:「いや、ちょっと待った……さすがにそれは……、
    何だか良く分からん代物を使うというのはマズイのでは?」
アロエッテ:「承知の上ですわ……、
      もうすぐ、音楽コンクールが開催されるのは、ご存知ですわよね?」
ライル:「ええ、まあ……って、まさか?」
アロエッテ:「……その、まさか、ですわ」
      と、そう前置いて、アロエッテは、詳しい事情を話し始めます。


 フォルラータ王に仕えるマドレーヌ家の長女『アロエッテ』――

 彼女の家は、代々、騎士の家柄で、そんな彼女には、マリユスという兄がいる。

 マリユスもまた、王家に仕える、
将来を有望された騎士の一人で、アロエッテにとっては、自慢の兄だ。

 そんな兄に、歌が上手いアロエッテは、先日、コンクール出場を勧められた。

 元々、歌姫になりたいと思っていたアロエッテは、
兄にも勧められた事もあり、コンクール出場を決意した。

 出場するからには、マドレーヌ家の長女として無様な姿は見せられない。
 ましてや、推薦してくれた兄の顔に泥を塗るわけにはいかない。

 ――ならば、目指すは優勝のみ。

 しかし、今年のコンクールには――
 自分の歌を遥かに凌ぐ、とんでもないライバルが――


アロエッテ:「正直な話……あの二人には、勝つ自信がありませんの」
ケイオス:「なるほど……、
     だから、魔術具を使おう、というわけか」


 言うまでも無く、ライバルとは、
フォルラータに滞在中の『森川 由綺』と『緒方 理奈』である。

 さすがに、歌の勝負で、この二人に勝つのは、難しいでしょう。


アロエッテ:「どんな魔術具かは分かりませんが……、
      遺跡の名前からして、何か役に立つ物があるかもしれないでしょう?」
イルス:大雑把だな〜……、
ライル:「わかりました……、
    約束した以上、依頼は請けましょう。
    しかし、その魔術具を使って、優勝しても、それは……」
アロエッテ:「…………」
ライル:「いや、まあ、それも良いでしょう。
    ド下手くそとはいえ、これでも歌を生業としている身。
    どうにも、自分のポリシーが前に出てしまうんですよ。
    申し訳ない……」


 ――ぴろりろり〜ん♪
 ――アロエッテとのフラグが立ちました。

 さすがは、ライル……、
 しっかりと、ツボを心得てるな。


アロエッテ:「仰りたい事は分かります……、
      ですが、推薦してくれたお兄様の顔に泥を塗るわけにはいきません。
      その為なら、私のプライドなど安いものですわ」
イルス:「こらっ、ナーフ……妨害工作に走らないだけマシ、とか言わないの」
    べしべしと、ナーフをはたいていましょう。
ケイオス:「黙ってろ、って……今、イイトコなんだから」(笑)
イリス:「出歯亀ばっか……」
ライル:「それはそれで、良いかも知れませんね。
     それをきっかけに、貴族のしがらみから、自由になれるなら……」
アロエッテ:「お心遣い感謝いたします。
      では、依頼を受けて頂ける、ということで、報酬は一人1000G。
      まず、前金で200G、お渡ししますわね」
イリス:「――は?」
ライル:「に、200!? こりゃまた、随分と……」
イリス:「(小声で)前回、成功して300だったよね?」
イルス:「う、うん……」(小声で)
ケイオス:「ふ、ふむ……了解した」
     頷きながら、心の遺書を書いておこう。(笑)

 予想以上の報酬の高さに、一同は、目を丸くする。

 その分、出費を多くするつもりだから、
実質的な儲けは、報酬の半分くらいなんじゃないかな?


GM:それだけ、今回は、キツいシナリオだと思ってください。
   ぶっちゃけ、一回くらいは殺すくらいの気持ちで、設定してますから。
イルス:ええ〜! 前回から、僕はギャグLVぐらいしか成長してませんよ。
ライル:まあ、ルール的には2回までなら、死んでも大丈夫だし……、


 ――そう。
 ギャグLVがあるから、2回まで死ねる。

 ちなみに、イルスだけは、4回死んでも、大丈夫。(笑)


ケイオス・イルス・イリス:――頑張れ、前衛っ!
ライル:日の丸鉢巻締めて掛かりましょう。


 今のところ、このPTなら、
前衛も後衛も、大して違いは無いと思うけど……、

 まあ、将来的には、前衛は、ライルとイルスになるのかな〜。


アロエッテ:「それでは、よろしくお願いしますわ……どうか、お気をつけて」
      と、アロエッテは去っていきます。
      もちろん、店の勘定は払っていきますよ。
      ちょっと大目に払っていったので、ご飯くらいは食べられるでしょう。
ケイオス:「さて……まずは、一服して、落ち着こうじゃないか」
     タバコに火をつけながら、皆を見るぞ。
ライル:遺跡探索といえば、当然、エージェント技能……、
    ふっふっふ、こんな事もあろうかと、エージェント技能を追加しておいて良かったぜ。
GM:さて、すぐに遺跡に向かうことも出来ますが、何か準備することはありますか?
   もちろん、情報収集も可能です。
イルス:前金で、買い物に行こうかな。道具を買い足しておきたいし……、
ライル:何かのヒントになるかもしれないし、とりあず、情報収集に行くか?
ケイオス:だが、内密にして欲しい、とのことだ……、
     遺跡に関する事は、話すことはできないぞ。
GM:遺跡の名を出すのは構いません。この街では割と有名な遺跡です。
   なにせ、すぐそこにありますからね。
イリス:なるほど……、
    じゃあ、適当に話を聞いてみますかね。
ケイオス:うむ、前準備として、道具屋に向かい、そこで話を聞いてみる事にしよう。





―― PHASE-03 情報収集とお買い物 ――


GM:では、情報収集をするなら、
   エージェント、または、ガンスリンガー技能で判定してください。
ライル:「よし、兄者、出番だ!」
    俺は、まだ、エージェント技能LV1だから。
ケイオス:「任せておけ、弟者」
     グッと親指立てつつ、(ころころ)10だな。
イリス:私は……(ころころ)12ね。
GM:(情報は、三段階に分けてたけど、二人とも、最大目標値は突破してるな)
   じゃあ、まず、道具屋にいた客の一人……、
   弓とフォルテールを持った楽士と、その連れの二人の女性が、
   皆さんの話を、興味深げに聞いています。
   お察しの通り、通りすがりの冬弥達です。
冬弥:「へぇ〜、この街に来る途中で、
   妙な遺跡を見かけたけど……あれって、そういう名前の遺跡だったんだ」
ライル:「妙な遺跡って……こっちも、噂程度にしか聞いてないから、
    良く分からんのだが……そんなに珍妙なんですか?」
理奈:「私達も噂くらいしか知らないんだけど……、
   あの遺跡って、昔から、この街では怪談のネタにされてるらしいわよ」
   と、その質問には、理奈が答えてくれます。
冬弥:「夜中に、肝試しに行くと、たまに、
   遺跡の中から、『出して〜、出して〜』と、不気味な歌声が……」
由綺:「と、冬弥君……そういう話は止めようよ〜」
   突然の怪談話に、冬弥の隣に立つ由綺が涙目で訴えています。
ケイオス:未来の英雄と、その歌姫か……、
GM:冬弥達からは、それ以上の情報は得られそうにないですね。
   ただ、話を聞いていた道具屋のおっちゃんが、皆に注意を促してきます。
道具屋のおっちゃん:「遺跡に行くのは良いが、最近、地震が多いから気を付けろよ」
ケイオス:「肝に銘じておこう」
イルス:じゃあ、次は買い物だね。
    今回のシナリオでは、回復アイテムは、幾つ買えるのかな?
    あと、ロープとか、カンテラとかは?
GM:マニュアルに無い物は、持っている事にして良いですよ。
   そこまで厳密に、ルールを決めていくつもりはないので。
   ただし、タダとは言っても、常識の範囲内に留めてくださいね、
ライル:うむ、了解した。
    では、ロープやカンテラを購入した、という事にしておこう。
ケイオス:安らぎの呪文薬を購入したいのだが……、
GM:では、道具販売数の判定を(ころころ×3)……、
   ヒールズの呪文薬と、安らぎの呪文薬が5個ずつ。
   ナオール剤は4個まで、購入できます。
ケイオス:では、安らぎの呪文薬を5個買うぞ。
ライル:トラップツールと、あと薬草を5個だ。
ケイオス:イリス、魔銃の弾は大丈夫か?
イリス:残弾19……あと2セッションはいける。


 と、情報収集の後、買い物をする一同。
 しかし、その様子を見ていて、GMは、少し焦っていた。

 ――誰も、ナオール剤を買わないんだ。

 今回のシナリオでは、状態変化攻撃をするモンスターを、
用意したので、出来れば、ナオール剤を持っていて貰いたいのだが……、

 ええい……仕方が無い。


GM:そうそう、今日は、ナオール剤が半額セールのようです。
ケイオス:半額か……、
     なら、前金を使って、4個買っておこう。
GM:では、準備も整ったようですし、
   早速、遺跡へと向かう事にしましょう。
ライル:え〜っと、すまん……、
    そろそろ、時間が危険域なのだが……、
GM:そうですね……、
   じゃあ、今回はここまで、という事で……、



GM:皆さん、お疲れ様でした〜。

一同:お疲れ様でした〜。



 アロエッテの依頼を請け……、
 準備も万全に、遺跡へと向かう冒険者達。

 果たして、どんな困難が、彼らを待ち受けているのか……、

 それを知るのは、GMと……、
 サイコロの神(二柱の女神)だけである。





 ちなみに、この時……、
 GMは、まるで気が付いていなかった。

 自分が、重要なアイテムと、
大切な情報を、冒険者達に与え忘れている事に……、





<後編に続く>
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注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。