GM:さて、前回の続きですが……、
   皆さん、ちゃんと内容は覚えていますよね?
イリス:「金持ちは、鼻持ちならないわ!」
ライル:いきなりか……?
    「しかし、そんなに鼻持ちなら無い人だったか?」
イリス:「なにさ、お高くとまっちゃって……」
ライル:(俺は、物腰の優雅な方だと思ったんだが……、
    なんか、下手に反論すると殺されそうだから黙っておこう)
ケイオス:「まあまあ、落ち着きなって」(のほほん)
GM:皆さんは、その鼻持ちなら無い、物腰の優雅なお嬢様……、
   アロエッテ=マドレーヌに、遺跡探索の依頼を受けたわけですね。
イルス:「そうそう。魔道具を取って来て欲しい、って言ってたんだよね」
ライル:「近々、開催される、音楽コンクールで使うそうだな」
イリス:「どうせ、最下位争いが関の山よ」
イルス:「イリス……依頼人さんなんだしさ」
    ナーフは、イリスに同意して、頷いてるかもしれないけど……、
ケイオス:「ヒロイン出現に危機感を抱いたか?」
GM:まあ、アロエッテがヒロインになるかどうかは、誰かさん次第ですけどね。
ライル:……ん? どういうことだ、兄者?
ケイオス:気にするな、弟者よ。





GM:とまあ、お浚いも終ったところで、
   前回の冒険を続きを始めるとしましょう。
   よろしくお願いします。

一同:よろしくお願いしま〜す!






『Leaf Quest TRPG』テストセッション・リプレイ

ふぁんぶら〜ズ冒険譚 2

『れ・みぜらぶる?』後編







―― PHASE-04 遺跡へ出発、その前に ――


GM:では、買い物と情報収集を終えた皆さんは、
   遺跡へと向かう為、フォルラータを出発します。
ライル:『唄い誘う美姫の遺跡』という名の遺跡だったな。
    確か、街から小一時間の所にある、山岳の麓にあるそうだな。
GM:はい、その通りです。
   で、そこへ向かおうと、皆さんは、街を出るわけですが、
   街の出入り口に差し掛かったところで、誰かが、皆を追い駆けて来ます。
ケイオス:ふむ……誰かね?
GM:依頼主であるアロエッテです。
   優雅さを損なわない程度に急ぎつつ、皆のもとに走ってきます。
アロエッテ:「はあ……はあ……ま、間に合いましたわ」
イルス:「あれ、どうしたんですか?」
ケイオス:「なんか、えらく慌ててるみたいだが……」
ライル:「……まだ、何か用件が残っていた、とか?」
イリス:しゃ〜こ〜、しゃ〜こ〜……、(魔銃を研いでる)


 まて、イリス……、
 どうして、ここで魔銃を研ぐ?

 ってゆ〜か、イリスの武器は銃剣だったのか?


アロエッテ:「わ、わたくし、皆さんのお見送りに……、
      遺跡について、嫌な噂を耳にしたものですから……」
ライル:「……嫌な噂?」
アロエッテ:「聞くところによると・・・・・・、
      あの遺跡には、エポニーヌの呪いが掛かっている、と……」
ケイオス:「――エポニーヌ?」
     その名前に、聞き覚えはあるのか?
GM:それなら、ガンスリンガーかエージェント技能で判定してください。
ケイオス:(ころころ)8だな。
GM:分からないようなので、アロエッテが説明してくれます。


 エポニーヌとは、数十年前、
この街に暮らし、歌姫を目指していた女性である。

 当然の如く、歌姫になる為、例のコンクールに出場していたのだが、
何度、出場しても最下位で、それを苦に、自殺してしまった、とのこと。

 街の噂では、件の遺跡には、彼女の呪いが掛かっているという。


アロエッテ:「尤も、遺跡自体は、古代魔法王国のものですし、
      エポニーヌとは、何の関係も無いとは思うのですが……、
      わたくし、世辞に疎くて……、
      そんなことも知らず、このような依頼をして、申し訳ありません」(ぺこり)
ライル:「いや、気にする事はない……それよりも、呪いの内容だな」
イルス:「う〜ん、下手なことをやったら呪われちゃう?」
ケイオス:「ふむ……呪いの内容について、知ってる範囲で教えてもらえるかね?」
アロエッテ:「呪いと言っても、本当に噂程度のモノでして……、
      皆さんも、あの遺跡に関する怪談話は聞いた事がありますわよね?」
GM:情報収集の際に、冬弥から聞いた話の事です。
ケイオス:「ああ、合点が言った……」(手をぽむ)
ライル:「確かに、先程、街で色々と聞きましたが……」
アロエッテ:「それなら話は早いですわ……、
      遺跡では何が起こるかわかりませんので、
      せめて、これをお渡ししておこうと思い、追い駆けて来たのです」
      と言って、アロエッテは、首に下げていたペンダントを渡します。
      誰が受け取るかは、そっちに任せます。(笑)
ライル:「それじゃあ、俺が……だよな?」
イルス:「(仲間を見渡し)……うん」
ケイオス:促さなくても自ら受け取りにいくとは……成長したな、弟者。
     間違った方向で、弟分の成長を噛み締めてる。
ライル:「兄者よ、さっきから、何をニヤリとしているのですか?」
ケイオス:「いや、なんでもないさ。なんでもな……くっくっく」(ニヤニヤ)
アロエッテ:「アダマンタイト製のアミュレットをお貸ししますわ。
      御守りとして、お持ちくださいまし。
      それと、こちらは、遺跡の封印を解く鍵です……」
GM:アロエッテが、ライルに、ペンダントと遺跡の鍵を渡します。
   ちなみに、ペンダントは、かなり高価な物なので、取り扱いに気を付けるように。
イルス:御守りとしての効果は?
GM:『魔除けのアミュレット』……所持者は、全状態変化に対して、+1の抵抗ボーナスです
イリス:多分、それ、副作用で不幸を引き寄せるアミュレットな気がする。
ケイオス:人生の墓場への道先案内人でもありそうだな。
イルス:自由に対する限定の不幸。(笑)
ライル:「では、確かに、受け取りました。
    呪いの事は、あまり気になさらないで下さい。
    まあ、やばくなったら無理はしませんから」
アロエッテ:「はい……お気をつけて」





―― PHASE-05 唄い誘う美姫の遺跡 ――


GM:さて、アロエッテに見送られ、
   皆さんは、件の遺跡の前へと到着しました。
   遺跡は、天然の洞窟を利用したモノのようですが、
   足元には、ちゃんと床石が敷き詰められ、人工物の様相を見せています。
ケイオス:入口の広さは、どんな感じだね?
GM:だいたい、人が三人並べるくらいです。
   奥へ行く通路もそのくらいで、地下へと続く、ゆったりとした下り坂になっています。
ケイオス:「陣形だが、取り敢えず、前に私と弟者、後詰めにイリスとイルス。
     戦闘が始まったら、私とイルスが入れ替わる……こんな感じでどうかね?」
ライル:「――異議無し」
イルス:「うん、それで良いと思う」
イリス:「そうね、異論は無いわ」
GM:じゃあ、宣言が無い以上は、その陣形として扱いますね。
   で、遺跡の通路を進んで行くと、目の前に、大きな扉が姿を見せ、道を塞ぎます。
   この扉を開けないと、遺跡の中には入れません。
ライル:「こりゃまた……ここが、本当の入口ってわけか」
イリス:「歓迎の入口と、遮断の正門か……粋な造りね」
ケイオス:「まるで、人の心みたいだねぇ。鍵を貸してくれるかね?」
ライル:「ほいほいな」
ケイオス:鍵を受け取り、警戒しつつ、扉を開けよう。
ライル:「いきなり、化け物ってのは御免だぜ〜」
ケイオス:「それについては、同感だ」
     と、ライルの言葉に頷きつつ、鍵を返そう。
GM:流石に、それは無いですけどね……、
   扉を開けると、さらに、地下へと続く通路が伸びています。
   さて、ここで、皆さんに、ちょっとお願いがあります。
   紙と鉛筆を用意しておいてください。
イリス:自動マッピング無しなの?
GM:はい、自分でやってください。
   面倒かもしれませんが、一応、それなりに理由もあるので。
一同:OK、用意した〜。
GM:それでは、先に進みまして……、
   真っ直ぐ20mくらい続き、そろそろ、
   外の明りが届かなくなるあたりで、道が三つに分かれています。
   ようするに、十字路ですね。
   ただ、ちょっと変なのは、真ん中の道は、ちゃんと床石があるのに、
   左右の道には床石がありません。
   さらに言うと、左右の道は、道そのものが丸いです。
イルス:自然に出来た感じ?
GM:そう思うなら、ビーストテイマー技能で判定して。
イルス:(ころころ)あっ、6ゾロ!
イリス:こんなところで運を使うなっ!(笑)
GM:イルスは、左右の道が、つい最近出来たものだ、という事に気が付きました。
イルス:人の手は加わってるのかな?
GM:加わってませんね。少なくとも、人の仕業とは考えにくい。
イルス:「この道、出来てから、そんなに経ってないと思うよ」
    剥き出しの土壁を叩きつつ、皆に言うね。
ケイオス:「……なに?」
     根拠レスで、右に行こうと思っていたが、
     イルスの言葉を聞き、進めようとしていた足をピタッと止める。
ライル・イリス:同じく。
ケイオス:大型の地中生物系モンスター……、
     ぶっちゃけ、ミミズみたいなモンスターについて、心当たりはあるか?


 流石に、定番の展開……、
 冒険者達には、アッサリと、仕掛けを見抜かれたようだ。

 とはいえ、ここで、全てバラしてしまうわけにもいかない。
 GMは、微妙にずれた答えで、お茶を濁す事にする。


GM:そういう魔物を思い浮かべるなら、
   街の道具屋の店主が言っていた事を思い出していいよ。
ケイオス:「あ〜、そういえば、地震が多い、って言ってたな」(遠い目)
ライル「ああ、なんか嫌な予感がする」
ケイオス:「右、訂正……真っ直ぐ行こうか」
他一同:「――了解」
ケイオス:「イリス、イルス……、
     背後に気配を感じたら、些細な事でも良いから言ってくれ」
イルス:「うん、何か来るような気もするよね。ナーフもよろしく」
    肩に止まるナーフに、後ろを注意させるね。
イリス:「任せて、背後関係は得意だから」
ケイオス:「俺の後ろに立つな、ってヤツかね?」
イリス:「ま〜、そんなトコね」
GM:じゃあ、真ん中の道を進む、という事で……、
   また、真っ直ぐ10mくらい進んだところで、先頭はエージェント判定して。
ケイオス:(ころころ)8だな。
ライル:(ころころ)同じく8だ。
GM:それだとギリギリ……、
   まあ、警告という事で、成功としましょう。
   ケイオスが踏み込んだ途端、落とし穴が発動しました。
   ですが、咄嗟に身を引き、落ちるのを免れます。
ケイオス:「ちっ……早速、罠か」
ライル:「大丈夫か!? 大丈夫だな、兄者」
イルス:「わっ、危ない……」
    ところで、穴の底はどうなってるの?
GM:穴の底は剣の山♪ 落ちたら、楽しい串刺しよん♪
ライル:楽しくねぇって……、
    「間一髪だな、女神の加護に感謝しよう」
ケイオス:「そうだな、少しくらいは信じても良いかもしれん」
ライル:「しかし、えげつない仕掛け施しやがる……なんか、思った以上にやばい所?」
ケイオス:「まぁ、ソレだけ持ち出されちゃ困るモノが奥にある、という事なんだろうな」
イルス:「うん、何だかヤバそうだね」
GM:さて、落とし穴ですが……、
   大きさは通路一杯、でも、飛び越えられなくもないです。
ケイオス:判定はしなくて良いのか?
GM:判定したいなら、ファンブルしない限り大丈夫です。


 実は、GMは、この跳躍の際には、
判定をするつもりはなく、サクッと先に進めるつもりでした。

 冒険者達だって、無駄に危険を冒したくは無いでしょう。

 当然、冒険者達は、
判定する事無く、先に進もうとしたのですが……、

 一人、GMの冗談を真に受け、サイコロを振った者が……、

 しかも、よりにもよって……、
 サイコロを振ったのは、現在、PTで一番不幸なイルスである。


イルス:(ころころ)8……楽勝♪
GM:うわっ! ホントに振りやがった!!
ケイオス:一人が振った以上、我々も振らねばなるまい。
     (ころころ)3……セーフ!(笑)
イリス:(ころころ)8……まあ、振るまでもないわね。
ライル:(ころころ)……あ、1ゾロ。(笑)

ケイオス:「弟者ぁぁぁぁぁーーーっ!?」
イルス・イリス:「ホントにファンブルしたぁぁぁーーーっ!?」


イルス:ライルさんの手を掴む! ってか、掴めるの?!
ライル:と、咄嗟にロープを投げるぞっ!
GM:(ホントはファンブル表なんだけど、反応が早かったし、まあ、良いか)
   それじゃあ、2D6を振り合って、イルスが勝ったら掴めます。
ライル:(ころころ)6だっ!
イルス:(ころころ)8っ! やったーっ!!
GM:では、イルスの手が、ライルが投げたロープを掴むのに成功します。
ケイオス:「……ヒヤリとさせてくれるねぇ」
     これぞ、まさに、古の伝説に出てくるファイ○一発だな。
ライル:振り合いに負けて、こんなに嬉しかったのは初めてだ……あははははは。
イルス:お、思い付きでダイスを振るのは止めようね。(汗)
GM:お前が最初に振ったんだろうが……、
   でも、言ってみるモンだな……飛び越え判定なんか考えてなかったのに。
ケイオス:「……運命に挑戦って、最高にカッコ良い言葉だと思わないかね?」
イルス:「カ、カッコ良いけど、これは、多分、違うと思うよ、うん」
    と言いつつ、ライルさんを引き上げるよ。
ライル:「俺は、無事助かった事を運命だと思いたい」(冷汗全開)
ケイオス:「そうか……」
ライル:「おっと、忘れていた……、
    ありがとう、イルス……取り敢えず、礼は、メシ奢るって事で」
イルス:「えっ? ううん、気にしなくていいよ……、
    こら、ナーフ、何で、お前が欲しがるの?」
GM:さて、ちょっとヒヤッとしましたが、先に進みましょう。
   落とし穴を越えると、また扉があります。さっきのよりは、やや小さい扉です。
ケイオス:では、扉に罠が無いかチェックしよう。
     エージェント技能で(ころころ)……すまん、5だ。
ライル:俺は(ころころ)8だな。
GM:ライルは、罠は無いと思いました。
   それと同時に、扉には鍵が掛かっている事にも気付きます。
ケイオス:それでは、面目躍如の鍵開けを――
ライル:「それじゃあ、お嬢様からの預かり物を、と……」
GM:ごめんね、ケイオス……、
   アロエッテから預かった鍵で開けられるの。
ケイオス:おふぅ……、(泣)
GM:え、え〜っと、鍵で扉を開けると、遺跡が本格的な様相を見せます。
   遺跡探索は、ここからが本番です。





―― PHASE-06 罠、わな、ワナ ――


1:色違いの床石

GM:開けた扉を潜り、遺跡の中に入ると、
   そこは、15m×15mくらいの正方形の部屋です。
   1m四方の正方形の床石が、規則正しく並んでおり、
   壁も同様に、同じ大きさ、形の壁石が張られています。
   皆さんが入ってきた入口は、部屋の南側で、
   その他に、東と西の二つの道があり、どうやら、すぐ隣の部屋へと続いているようです。
ケイオス:「この部屋には、何も無さそうだ。まず、東側から先に調べるかね?」
ライル:「この状況は、言いだしっぺに従うのが筋ってもんさね」
イルス:「そうだね、根拠に出来そうなものはないし」
GM:では、東の部屋に進む、という事で……、
   東の部屋も、様相は、さっきの部屋と全く同じです。
   違いとしては、北へと続く通路があるくらいですね。
イリス:北のみ、ね……、(マッピング中)
GM:で、部屋に入ったところで、エージェント技能で判定してください。
ライル・ケイオス:おりゃ!(ころころ)12だ。
GM:それなら、規則的に並べられた床石のうち、数枚の色が、微妙に違う事に気付きます。
ケイオス:「ふむ……」
     警戒して近付き、色の違う床石を調査するぞ。
ライル:「なあ、妙に色違いがあるんだが、まさか、罠じゃないだろうな?」
ケイオス:「取り敢えず、調べてみ――」
GM:はい、調べる為に、部屋に入ったのなら、
   突然、頭上から、キィキィという甲高い鳴き声が聞こえてきます。
   見上げれば、天井には10匹のコウモリの姿があり、
   部屋に入って来た皆さんに襲い掛かってきます。
ライル:「ちっ、追っ払うか!」
イルス:「コウモリ? 何処から入ってきたんだろう?」
    と、首を傾げつつ、斧を構えます。
ケイオス:「あまり、消耗したくはないのだがな……」
GM:では、ここから戦闘モードです。
   ただし、この戦闘は、ちょっと特殊な戦闘となります。
イリス:特殊、と言うと?
GM:先程、見つけた、色違いの床石ですが、
   それを踏まないようにするなら回避に−2してください。
   逆に、床石を無視するなら、回避は通常通りですが、
   行動の度に1Dを振って、出目が1〜3なら、床石を踏んてしまった事とします。
ケイオス:了解……踏むとヤバそうだな。


 さて、罠っぽい床石がある上での戦闘です。

 冒険者達は、色違い床石を警戒し、
イリス以外は、回避を−2して、コウモリとの戦闘に挑みます。

 ちなみに、イリスは、
魔銃使いである事を活かし、部屋に入らぬまま、遠距離攻撃です。

 回避が−2されているとはいえ、所詮はコウモリ……、

 多少のダメージを受けながらも、
冒険者達は、良いペースで、敵のHPを削っていきます。

 ただ、一人だけ――


ライル:命中判定(ころころ)7で攻撃!
GM:コウモリ回避(ころころ)8!
   「キィ、キィ、キキィィ〜♪」
ライル:「うおおおっ! コウモリに馬鹿にされた!」

ライル:今度こそ!(ころころ)5……、
GM:それは(ころころ)7……回避したね。
   「キィキィ、キキキィ〜♪」
ライル:「ぬおおおっ! またしても〜っ!!」

イリス:ふぁいと……、
ケイオス:ドンマイだ、弟者……、
イルス:今回のヒーロー(笑)は、ライルさんかもね〜。


 とまあ、こんな感じで――

 出目が振るわず、
全く攻撃が当たらない者もいたりしたのだが……、

 だがな、イルス……、
 滅多な事を言うものではないぞ。

 ギャグキャラLV4は、伊達ではない。

 すなわち――
 お笑いの神様は――

 ――常に、君と共にある。(爆)


イルス:前のターンで、スペリオリティ使ったけど、失敗したからね……、
    今度は、普通に、斧で攻撃!(ころころ)
    出目が11で、+2して、命中13だね。
GM:イルスの場合、出目11だと、
   一応、クリティカルってことになるんだよね?
イルス:ギャグキャラLV特徴で『傍迷惑な幸運』っていうのがあるからね。
    これは、クリティカル値を−1する代わりに、
    ギリギリの出目のクリティカルの場合は、
    ファンブル表の『11:自分に被害が出るが有利な結果も及ぼされる』と同じ扱いになるんだよ。
イリス:つまり、誰かを巻き込む形になるわけね。
ケイオス:この場面で、巻き込まれるとしたら……、
イルス:「――って、ごめんっ!!」
    攻撃しようとして、バランスを崩し、ライルさんに体当たりしてしまうっ!
ケイオス:迷わず、弟者にいった〜っ!!
イルス:倒れるライルさん……と、その下には、コウモリがっ!
GM:ばた〜ん……ぐちゃっ!
イルス:一応、ダメージは(ころころ)……あっ?

一同:ファンブルじゃね〜かっ!?

ケイオス:な、なんてオイシイ子だ……、
イルス:え〜っと、ファンブル表は……、
    (ころころ)『11:自分に被害が出るが有利な結果も及ぼされる』。
GM:じゃあ、もう一回ダメージ振って、その半分が、イルスにいきます。
イルス:コウモリは潰れたけど、僕にもダメージが〜っ!
ライル:潰した俺だから、こっちは精神的ダメージがきとるわっ!


 お約束を忘れないイルス……、

 そんな彼は、間違いなく、
LQTRPGにおいては、英雄の器であろう。

 そして、他の冒険者達もまた、
後に『百の英雄』と呼ばれる事となる、英雄予備軍である。

 つまり、英雄であるが故に――
 導かれるように、お約束は連鎖する――


GM:もう、コウモリ達も虫の息だな。
   せめて、もう一撃(ころころ)10と言って全体攻撃!
ケイオス:モブの攻撃は、全て全体攻撃扱いなのが厄介だ。
     まあ、それはともかく、回避は(ころころ)1ゾロォ!?

一同:ファンブル表こいや〜っ!!

ケイオス:(ころころ)『8:自分に被害が及ぼされる』
     この場合、コウモリ達の集中砲火か?
GM:ですね……、
   というわけで、ケイオスへの集中攻撃。
   抜けた分の三倍が、ケイオスへのダメージになります。
   (ころころ)ダメージは9です。
ケイオス:防御判定(ころころ)16……うむ、弾いたな。
     「あ〜、酷い目にあった」
イルス:「うん、酷い目にあったね」
イリス:「まあ、残りをサッサと殺っちゃお」
ライル:「異議無し……」


 と、充分に見せ場を作った後……、

 冒険者達は、コウモリ達を倒し、
回復アイテムを使って、傷付いた体を癒します。


ライル:そういえば……、
    結局、この床石って、何だったんだ?
GM:気になるのでしたら、教えてあげましょう。
   最後に倒したコウモリが、問題の床石の上に、ポテッと落ちます。
   その瞬間、床石から、ゴォーッと炎が噴出し、コウモリの死体を炭に変えてしまいました。
イリス:「――アプナッ!?」
ケイオス:「下手すると、私達がバーベキューになるところだったか」
ライル:「おいおい……これ、洒落になんね〜って」
イルス:「うわわっ、危ない罠が、さり気なくドッサリだ」
ライル:「う〜む、さっきの落とし穴といい、あわやな状況の連発だな〜……、
    取り敢えず、御守りの効果で回避してると考えていいのか?」
イリス:「違うわ、御守りが招いてるのよ」
ケイオス:「そういう考え方もあるな」
GM:それで、戦闘も終ったわけですが、どうするんです?
   ちなみに、さっきも言いましたが、この部屋には、北へと続く通路があのます。
   まあ、通路と言っても、すぐ隣の部屋に行くだけなんですけど……、
ケイオス:では、北の部屋へと進もう。


2:飛来する無数の礫

GM:じゃあ、北の部屋に進むと、またもや、15m四方の正方形の部屋です。
   ただ、東と西の両側の壁に、無数の穴が開いています
   その向こうに、さらに北へと続く通路が見えます。
ケイオス:「また、何かありそうな……」
     穴の位置は、床近くから天井まで、って感じなのか?
GM:そうですね。壁一面に開いてます。
   で、皆が入って来た途端、まるで、行く手を遮るように、無数の穴から、礫が発射されます。
   ちょっと、かわせそうにはありません。
ケイオス:「ふむ……迂回しよう」
イリス:礫は出続けてるのよね?
    で、それを突破しないと、北へは進めない、っと……、
GM:まあ、それ程、威力も無さそうなので、突っ切れなくもないですが……、
   そうやって、礫を気にするなら、エージェントかアルケミスト技能で判定して。
ライル・ケイオス:(ころころ)11だ。
ケイオス:……シンクロしてるな。
ライル:流石だよな、俺ら。
    もしかして、本当に生き別れの兄弟?
ケイオス:むしろ、魂の兄弟だな。
GM:その成功度なら、礫の発射タイミングの法則性が分かります。
   回避して進むことが可能になります。礫の命中力は8で固定です。
   成功すれば、先に進めます。
   ちなみに、礫は、当たったら、割と痛そうです。
ライル:なんと、素晴らしい発見!
ケイオス:「で、どうする?」
イルス:「ここまで来たら、行くべきだね」
ライル:「死にはしないのなら、行くか」
イリス:「ギャンブルだけど、面白いわね」
ケイオス:「んじゃ、死なない程度に頑張るか」
     と、屈伸運動してから、一番、行くぞっ!(ころころ)12!
イリス:「――南無三!」(ころころ)9!
ライル:「ではでは……」(ころころ)9!
イルス:「ナーフ、しっかり掴まっててね!」(ころころ)9!
ケイオス:よしっ、全員成功だな。
GM:う〜ん、残念……、
   では、全員突破したので、先へと進めます。


3:三つの玉と三つの台座

ケイオス:さらに、北に進むわけだな。
     で、礫部屋を抜けた先は、どうってるんだ?
     また、15m四方の正方形の部屋だったりするのか?
GM:その通り、似たような部屋です。
   ただ、部屋の中央には、三つの台座があり、
   部屋の西側には、次の部屋へと続く通路があります。
ケイオス:台座の上には何が見えるんだ?
GM:台座調べるの? 皆、部屋に入ったの?
   だったら、西の通路と、入って来た南の通路に鉄格子か落ちて、閉じ込められます。
イルス:ガッシャ〜ン!
ケイオス:「なんか……嫌な予感がするねぇ」
ライル:「もしかして、吊り天井……なんて事は無いよな?」
GM:そんな様子は無いようです。鉄格子が落ちた後は、静まり返っています。
ケイオス:取り敢えず、台座を調べてみようか。
GM:では、台座ですが、赤、黄、白の三つがあり、
   その三つには、一つずつ、丸い窪みがあります。
イルス:……鉄格子、壊せないかな?
GM:いきなり、台座を無視して、強攻策ですか。
   さすがに、壊せませんよ。
ライル:その窪みって、人が座れそうな程か?
GM:いえ、窪みの大きさは、手の平大ですね。
ケイオス:この色って、属性を示してたりして。
GM:(ケイオス、鋭いな)
イルス:何かを置け、って感じだね。
ケイオス:この部屋には、台座以外に、何か妖しいモノは無いのか?
GM:探すなら、すぐに見つかりますよ。
   北側の壁に、三人の歌姫のレリーフがあり、
   その手の部分に、三つの玉がはめ込まれています。
   色は青、緑、黒です。
ケイオス:あっ、なるほど……、
     「……外しても良いかね?」
     壁に近寄り、玉を指差すと、皆に訊ねるぞ。
イルス:「うん、良いんじゃないかな?
    この状況、どうにか出来そうなのは、これしか見当たらないし
ケイオス:では、玉を外すぞ。
GM:外すなら、アッサリと玉は外れます。
   お察しの通り、大きさも、形も、台座の窪みに、ピッタリはまりそうです。
ケイオス:じゃあ、外した玉を、
     赤:緑、黄:青、白:黒と、台座にセットするぞ。
イルス:その様子を見つつ、微警戒しておくね。
GM:玉を台座にはめると、白と黒の組み合わせだけ、台座が淡く光り始めます。
ケイオス:「ふむ……間違えたかな?」
イリス:「……赤:青なんじゃないの?」
ケイオス:「いや、そうすると、黄:緑になって、ちと違和感が……」
イリス:「さっき自分で言ってたでしょ?
    赤(火):青(氷)、黄(地):緑(風)、白(光):黒(闇)よ」
ケイオス:「おお、そういえば……、
     すっかり、色だけで考えてしまった」
ライル:「属性合わせ、と考えた方が良いのか」
ケイオス:「そうみたいだな……助言、感謝する」
     苦笑しながら、緑と青の玉を入れ替えるぞ。
GM:ご名答っ!! この台座と玉は、属性相克の関係だったのです。
   正しく玉をはめると、三つの台座が輝き、西と南の鉄格子が上がります。
ケイオス:「ふむ、西の道も、こっちと同じような構造だった場合……、
     次の部屋が、最後の関門となる可能性が高いな」(メモを見つつ)
イルス:「そうだね……まだ、続くにしろ、合流するだろうし……」
GM:(どうやら、この遺跡の構造に気付いたみたいだな)
イリス:一応、警戒しつつ、西の部屋に行くわよ。
    地図が正しければ、次の部屋が、入口だった部屋の裏側に来た事になるわ。


4:ファントム襲撃

GM:では、西の部屋に進みまして……、
   やはり、ここも、15m四方の正方形の部屋です。
   部屋には、さらに西へと続く道があります。
ケイオス:……それだけなのか?
GM:もちろん、それだけじゃありません。
   部屋に入った途端、大きな地響きがします。
   ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
イリス:「――おわっ!?」
ライル:「来るか? もしかして、来るのか!?」
ケイオス:「総員、戦闘配置〜っ!!」
     と言いつつ、そそくさと後衛へと移動すぞ。(笑)
GM:地響きは、しばらく続きますが、次第におさまっていきます。
ケイオス:「んっ? 予想が外れたか?」
     てっきり、デカブツが出て来ると思ったのだが……、
イルス:「こ、今度は何さ、一体……」
ライル:「もしかして、部屋が下がってる?」
ケイオス:「ふむ……」
     さっきの東側の部屋は、今、出て来た部屋かね?
GM:東側の部屋に変化はありません。
ケイオス:「……いや、それはないみたいだな」
ライル:「そうか、これでまた、部屋が続くとなったら、勘弁だったが……」
ケイオス:「それについては、同感だ」
GM:さて、地震もおさまるわけですが……、
   その次の瞬間、部屋の空中に、緑と黄色を混ぜたよう禍々しい光の玉が3つ現れます。
ケイオス:この光の玉に、心当たりは?
GM:メイガスで判定してください。
ケイオス:(ころころ)12だな。
GM:光の玉はファントムです。物理攻撃も魔術攻撃も効きません。
   まあ、光属性なら聞きますが……、
   ファントムは、部屋を飛び回ると、ピタッと止まると、、
   「出して〜、出して〜」と怨念の声を上げながら、
   まるで、皆に標的を定めたかのように、いきなり、襲い掛かってきます。
ケイオス:「問答無用か、容赦無いねぇ……」
GM:はい、容赦無く攻撃させてもらいます。
イリス:「武器も魔術も通用しない、となれば――」
ケイオス:「――先の部屋へ駆け抜けるか?」
ライル:「異議無し」
イルス:「……了解」
ケイオス:逃走するには、まず、イニシアティブ判定かね?
GM:判定するまでもなく、隣の部屋に移動するなら、
   ファントム達は追って来ません。
ケイオス:「では、一旦、西の部屋まで駆け抜けるぞ!」
イルス:「――了解!」
ライル:すたこらさっさ〜、と……、
イリス:逃走は成功ね……、


5:謎の仕掛け

ケイオス:逃げた先の部屋は、どんな感じなんだ?
GM:はい、西に進みまして……、
   部屋は15m四方の正方形部屋です。
   で、南への通路があります。
   部屋に入ったところで、メイガスで判定をしてください。
ケイオス:(ころころ)すまん、7だ。
GM:それでは、何も分かりませんね。
イルス:入っただけでは、何も起きないの?
GM:部屋の仕掛けには気付けませんが……、
   またしても、天井には、コウモリが10匹います。
   皆さんが入って来た途端、襲い掛かってきます。


 ケイオスが判定に失敗したので、謎のままですが……、

 実は、この部屋には、魔術消去の結界が張られていたのです。
 ようするに、魔術抜きで戦闘してもらうつもりでした。

 尤も、この後の、ケイオスの提案で、
このトラップが活かされる事は無くなったのだが……、


イルス:また、モブ戦闘なの?
    それじゃあ、イニシアティブを――
ケイオス:――ちょっと待った。
     戦闘に入る前に、一つ前の部屋に戻る事を提案するぞ。
ライル:どういう事だ、兄者?
    戻っても、みすみす、ファントムに襲われるだけだぞ?
ケイオス:もしかしたら、この遺跡……、
     このまま進んでも、グルグル回るだけなんじゃないか?
ライル:――む?





―― PHASE-07 隠し扉を探せ ――


ケイオス:まず、マッピングしてきた地図を見てくれ。
     これを見ると、この遺跡は、正方形の部屋を、
     3×3に繋げた、ドーナツ型になると予測出来ないか?

遺跡内部の予想地図

 
A:遺跡の入口がある部屋
B:色違いの床石の罠の部屋
C:壁から礫が飛んで来る部屋
D:台座と玉の色合わせの部屋
E:ファントムがいる部屋
F:謎のメイガス判定のあった部屋

ライル:なるほど、言われてみれば……、
    F部屋の南に、さらに、二つの部屋があると仮定すると、
    ドーナツ型が完成するな。
ケイオス:F部屋のメイガス判定が気になるが、
     あれは、ただのトラップにすぎんだろうな。
     残り二つの部屋に、目的のブツがあるのかもしれんが、
     いくらなんでも、それはナンセンスだ。
イリス:……何が言いたいわけ?
ケイオス:ようするに、何処かに隠し部屋があるんじゃないか、ってな。
     GMが、わざわざ、我々にマッピングさせたのは、
     それを見て、隠し部屋の位置を推理しろ、という意図があったわけだ。
     尤も、随分と単純なネタではあるが……、
イルス:となると、妖しいのは、ドーナツ型の中心だね。
    ここに何も無いのは、不自然だもん。
    でも、入口は何処にあるのかな?
ケイオス:隠し扉がありそうなのは、四方向……、
     C部屋は、罠の構造上、隠し扉なんぞありそうにない。
     私は、E部屋の南の壁だと推測するぞ。
ライル:灯台下暗し、とか言って、
    遺跡の入口でもあるA部屋の北の壁という可能性もあるぞ。
ケイオス:このGMなら、それもやりかねんが……、
     取り敢えず、近場から探してみようじゃないか。
     ファントムに、無駄に殴られる事になるかもしりんが、
     まあ、やばくなったら、私が全体回復しよう。
ライル:では、盾になるから、調査は、よろしく頼むぞ、兄者。
ケイオス:任されたぞ、弟者よ。
GM:では、東のファントムがいる部屋に戻る、という事で、
   部屋に戻ってきた皆に、再び、三体のファントムが襲い掛かります。
   ファントムの攻撃力は5(固定・防御無視)、命中は8(固定)です。
   ケイオス以外に、一匹ずつ、攻撃がいきます。
イルス:結構、当たりそうだね(ころころ)……あっ、出目4。
一同:……おいしいなぁ。


 イルス、またしてもファンブル。(笑)

 一度の戦闘に、一回は、ファンブルしています。
 ここまてくると、もう、誰も同様しません。


イルス:ファンブル表は(ころころ)12だよ。
イリス:こんな時にばかり、良い出目が……、
イルス:効果は『12:仲間に被害が出る/大迷惑をかける、が有利な結果も起こる』
ライル:こ、こやつは〜……、
イリス:なんで、自分は無傷かな?
ケイオス:ある意味、ヒューマノイドタイフーンだな。
ライル:取り敢えず、被害者は誰だ?
イリス:ここは、やっぱり、ファントムの攻撃をイルスがくらって、吹っ飛んで、
    壁を調べていたケイオスにぶつかって、その衝撃で、ケイオスが壁に激突して、
    その衝撃で壁が崩れて、隠し部屋の入口発見よね♪
ケイオス:あ、それは素敵。(爆)
GM:じゃあ、その方向で……、
   いっけえ〜っ! ファントムがイルスに攻撃!!
イルス:ドカッ!(直撃)「うわ〜っ!!」(吹っ飛ぶ)
ケイオス:「ふむ、ふむふむ――」(調査中)
     ドシンッ!「――ゲフッ!?」(イルス激突)
     ビターンッ!!「ぎにゃあああああっ!!」(壁に叩きつけられる)
     ガラガラガラガラーーーッ!!「のおおおおおおーーーっ!!」(壁が崩れる)
GM:ピラリラリラリラ〜ン♪(ゼ○ダの伝説風に)
   隠し部屋の入口が姿を現しました。
ライル:うむ、お約束だ。流石だな、兄者。
イルス:お約束過ぎて、泣けてくるね。
GM:お前が言うな……、
   しかし、改めて考えると凄いな。
   イルスは、どんな場面でも、ファンブルで道を拓いてるぞ。
ケイオス:英雄の資質抜群だな。
GM:LQ世界では、英雄と芸人は紙一重ですからね〜。
ライル:幸運は英雄にとって、最大の資質だからな。
イリス:この世界では、最大の賛辞よね……一般なら惨事だけど。
ケイオス:うむ、上手い。(笑)
GM:まあ、それはともかく……、
   イルスの活躍(?)とケイオスの犠牲(?)のおかげで、
   皆さんは、南側の壁の隠し通路を発見しました。
   それと同時に、ファントムも姿を消します。
ケイオス:「ぬぉぉ……目から火花が……」
ライル:「兄者、取り敢えず、生きているようだな」
ケイオス:「目玉と一緒に、魂が飛び出るかと思ったよ」
イリス:気を取り直して、隠し部屋に行きましょ。





―― PHASE-08 ローレライの呼び声 ――


GM:さて、隠し部屋に入るわけですが、
   入る寸前に、先頭に立つ二人は、エージェント技能で判定してください。
ケイオス:となると、当然、私だな。
     (ころころ)8か……、
     ええい、ヒーローLVのボーナスを使うべきだったか。
ライル:(ころころ)6……ダメだな。
GM:それでは、罠には気付けませんね。
   ケイオスとライルは、部屋に踏み込むと同時に、床のスイッチを踏んでしまいました。
   その瞬間、通路の両側にある柱から、槍が突き出してきます。
   回避は無理っぽいので、ライルとケイオスは、3D6のダメージを受けてください。
   防具の防御力のみ有効です。
ケイオス:(ころころころ)残りHP17だ。
ライル:(ころころころ)残りHP35か。
ケイオス:「最後の最後に……とんでもないトラップだな」
ライル:「取り敢えず、あるもの着けようアーマーちゃん、あたたた……」
GM:隠し部屋の説明をしますね。
   部屋は15m四方の正方形部屋。
   で、部屋の南端には、宝箱があります。
ケイオス:床にトラップが無いか、警戒しつつ近付こう。
GM:罠は無く、宝箱へと辿り着けます。
ライル:「これが……彼女の言ってたブツなのか?」
ケイオス:「その可能性が高いな」
     もちろん、宝箱を開ける前に罠調査だ。
GM:では、エージェント技能で判定してください。
ケイオス:ヒーローLV1分、ダイスを追加して……、
     (ころころころ)8……って、三個振ってこれかいっ!?
GM:それじゃあ、罠があるかどうかは分かりませんね。
ライル:「あとは任せろ、兄者」
    と言いつつも、ここで失敗は出来ないよな。
    (ころころ)……ぎゃあああああああっ!!
ケイオス:弟者ぁぁぁぁ〜〜〜っ!!
GM:はいっ! ファンブル来たぁぁぁぁーーーっ!!
イルス:あんたら〜っ!!
ライル:ああああ、おーまい女神様っ!
    ファンブル表判定っ!(ころころ)11だ。
GM:『11:自分に被害が出るが有利な結果も及ぼされる』。
ライル:も、もうもやる事は一つだな。
    いか○や先生、お願いしますっ!
ケイオス:ダメだこりゃっ!
イリス:次、行ってみよ〜っ!


 いやはや……、
 まさか、ここでも、ファンブルするとは……、

 しかし、ファンブル効果はどうするかな?

 あっ、そうだ……、
 折角だから、話の辻褄を合わせよう。


GM:じゃあ、罠を調べてる最中に、間違って箱が開いちゃって、
   蓋の角に、ライルが鼻をぶつけます。
   ただ、その衝撃で、罠の機構が壊れました。
ケイオス:――おおっ!
GM:本来なら、宝箱を開けた途端、床に魔方陣が展開され、
   ガーディアンドッグが現れる筈だったんですけどね。
イルス:あれ……それって、もしかして……、
GM:はい、もうお気付きでしょうが……、
   この遺跡は、実は、
『誠の世界漫遊記3』で、誠と冬弥が冒険した場所なのです。
ライル:確か、あのSSでは、宝箱の中はカラッポだったな。
    なるほど、誠達よりも先に、俺達が持ち出していたのか……、
ケイオス:しかし、宝は無かったのに、誠達は魔獣と……、
     あっ!! そうか、そういう事かっ!!
ライル:許せ、誠&冬弥っ! 俺が原因だっ!!
イルス:凄い……話が繋がったっ!


 うん、ホントに凄いよ。
 こんなつもりは、全然、無かったのにね。

 でも、魔獣との戦闘はやりたかったな〜。


ライル:いやはや……ファンブル様々だな。
GM:間違いなく、今、この場には神がいる。
   何の神なのかは、ともかくね。
イリス:絶対に、お笑いの神だと思うわ。
ケイオス:いつか、英雄が勢揃いした時に、この話が出たら、
     きっと、私達は、皆、気まずそうに目を逸らすに違いない。
ライル:だろうな……、
    それはともかく、話を進めよう。
    「おおおっ……鼻が、頭が……取り敢えず、ダメだこりゃ」
ケイオス:「だ、大丈夫か、弟者? かなり、派手な音がしたが……」
ライル:「もう、ヒットヒット、大ヒット」(泣)
GM:ぶつけた鼻が痛いのはわかりますが、
   宝箱の中身も、ちゃんと確認してくださいね。
   箱の中には、金色に輝くマイクがあります。
イルス:「……わっ、これ、当たりっぽい?」
GM:『ローレライの呼び声』:魅了と風の魔力の効果で、歌声を、より綺麗にするアイテムです。
ライル:「う〜む、何と言うか、
    金色の輝きが品良く、見る者を魅了させるなあ……」
イルス:このマイクの効果の確認は、どうやってすれば良いのかな?
イリス:見つけたんだから、持って帰るだけで良いんじゃない?
ケイオス:試しに使ってみて、使い捨てだったらヤバイしな。
ライル:「それじゃあ、依頼された物も見つかった事だし、引き上げるか?」
ケイオス:「そうだな……、
     あの道を、また戻るのか……ちょっと憂鬱だな」
イルス:「えっ、何だい、ナーフ?……、
    これが、歌を下手にする呪いとか掛かってたら、どうするか、って?
    また、無茶を言うなぁ」
GM:さて、無事に(?)アイテムを見つけたわけですが、
   ここで、さっきよりも強い地響きがします。
   尤も、すぐにおさまりますが、さっきよりも、震源地が近いっぽいです。
ライル:「ま、また、ファントムか?」
GM:ファントムは出ませんけど、
   天井から、パラパラと、砂とか石とかが落ちてきています。
ケイオス:「……また、このパターンか?」
ライル:「あ、兄者……そういや、ここって、地震が多発してるって話だったっけ!?」
ケイオス:「うむ、取り敢えず……総員、脱出〜〜〜っ!!」
イリス:「退避、退避〜っ!!」





―― PHASE-09 地震の元凶 ――


GM:皆さんは、ダッシュで遺跡の外に出てきました。
   で、地上に出た途端、一際、強い地響きがします。
ライル:「はあ、はあ……ぜい、ぜい……また、地震か?」
ケイオス:「なにやら、今までで一番デカイ揺れだぞ」
GM:さらに、目の前の地面が、ボコッと盛り上がったかと思うと……、
   「グギャオオオオオーーーーーッ!!」
ライル:「ぐ、ぐぎゃお……?」
イルス:「な、何かの鳴き声のように聞こえませんでったか?」(微訛)
GM:地面を突き破り、現れる巨大物体!
   巻き上がった土砂で、ハッキリと姿は見えませんが、
   土煙の向こうで、荒々しい雄叫びを上げる謎の物体の影は長く、
   まるで、巨大なミミズのような……、
ライル:「げえっ!? まさか、あれって……!?」
GM:ライル、ご明察!
   土煙が晴れ、姿を見せる巨大物体……、
   それは、なんと、ジャイアントワームなのでしたっ!
   「グギャオオオオオーーーーッ!!」
イルス:「な、なして、ミミズが鳴くんでっかぁぁぁっ!?」
イリス:「……逃げる? 闘う?」
ケイオス:「逃げたいのはやまやまだが、果たして、逃がしてくれるかねぇ」
    大ミミズを見上げつつ。
ライル:「逃げ切ったとしても、
    街まで追って来るのは確実だと思わないか、兄者?」
ケイオス:「……同感」
GM:もちろん、エサは逃がしません。
   ワームは、ズリズリと地面を這って、自分の巨体で、皆の周りを取り囲んでしまいます。
イリス:「ふ〜ん、当て放題か」
ライル:「それじゃあ、食われる前に殺るか?」
ケイオス:「……そうさせてもらおうか」
イルス:「や、やるしかないね! ナーフ、気合いれてね!」
ライル:「――アロエッテ、ご加護をっ!」
    御守りを握り締め、無意識に叫んでみよう。
ケイオス:さり気なく、フラグを立てに来たな、弟者。
ライル:追い詰められた以上、それに応えるのが芸だろ、兄者。
GM:では、ここから戦闘モードとなります。
   その巨体で、皆さんの退路を断ったワームが、襲い掛かってきます。
ケイオス:「知っているか、弟者? 食用ミミズの肉って、結構イケるらしい」
ライル:「……マク○ナルド?」
GM:ロッテ○アという可能性も……、
ケイオス:「HAHAHA! 大人の世界の話さ」(笑)
イルス:「取り敢えず、食べるのは後からにしよう!」
ライル:「ならば、今晩はミミズの燻製と洒落込……みたくはないが、釣り餌にしてくれるか」
イリス:「手も足も出ない図体で、何を息巻いているのかしらね」
GM:さあ、代表は、イニシアティブ判定をどうぞ。
イリス:「高速思考……展開」(ころころ)9よ。
GM:ワームは(ころころ)9……、
   同点だから、そっちが先行で良いですよ。
   行動順は、T値の高い順から。
   T値が同じなら、アルファベット順でいきます。
ケイオス:「ほんじゃ、やるとしようか」
     闇属性攻撃魔術ガルを詠唱するぞ。
     魔術発動判定(ころころ)9……、
     成功したから、続いて、命中判定(ころころ)12だ。
GM:ワームが回避(ころころ)10だから、命中!
ケイオス:ダメージは(ころころ)14点だ!
GM:抗魔術判定(ころころ)12!
   12点を防御して、2点だけ通りました。
ケイオス:「ん〜む、思ったより硬いな」
ライル:「さすがに、あのバカでかさは、伊達じゃないってことか」
イルス:「まあ、それでも、現状を掘り進むしかないんだよね」
ケイオス:「みたいだねぇ……こりゃ、長引きそうだ」
イリス:次は私の番ね……、
    相手の体を駆け上って張付く、って出来る?
GM:OK、ガンスリンガー技能と、ワームの回避で判定で振り合います。
イリス:「正面からは、得策じゃないわね」
    (ころころ)12よ。
GM:振り落としてやる!(ころころ)7……、
   では、イリスは、ワームの体に張付く事に成功しました。
   張付いてる間は、イリスは、敵の攻撃対象から除外されます。
   その代わり、張付いていられるか、毎ターン判定します。
   もちろん、そこから落ちたら、落下ダメージですからね。
ケイオス:あと、格闘射撃の技能が無いから、接敵してると銃は撃てんぞ。
イリス:わかってるわよ。
ライル:次は俺の攻撃だっ!
    「魔術具を渡さない事には死ねんからな」
    (ころころ)命中は11だ。
GM:(ころころ)5……回避出来ません。
ライル:「いくぜ……!!」
    (ころころ)15のダメージだ!
GM:(ころころ)10点防いで、5点のダメージ。
   まだまだ、ピンピンしてますよ。
ライル:「ぐっ! 流石に硬い……だがっ!」
イルス:じゃあ、最後は僕ね。
    取り敢えず、僕も斧で普通に攻撃――
GM:いや、その前に、イルスは、ビーストテイマー技能で判定してくれない?
イルス:うん?(ころころ)おや、1ゾロだね。(笑)
ライル:わははははははははっ!!
ケイオス:愛されてるな……お笑いの神に。
イルス:もう、これで何度目かも忘れた。
    (ころころ)ファンブル表は『7:正反対の結果、もしくは仲間に呆れられる様な結果』だよ。


 またかよ、イルス……、

 さて、この場合は、どういう展開になるのかな?
 さっきの判定は、敵の弱点に気付かせる為のモノだったんだけど……、


GM:え〜っと、ですね……、
   じゃあ、イルスは、ワームの弱点に気付きます。
イルス:それって、何処?
GM:イルスが適当に決めてください。
   ファンブル効果で、それは間違っている事になります。
イルス:なるほど、じゃあ……、
    「こういうのの相場は……後ろっ!!
    みんな、コイツの弱点は、尻尾だよっ!!」
    と、自信満々で、尻尾に全力攻撃を仕掛けるよ。
    具体的には、必殺技『大地と風の特攻部隊』ね。
    回避を捨てる事で、攻撃と命中に、ビーストテイマーLVをプラスする!
    てや〜っ!(ころころ)命中は14っ!
GM:(ころころ)8……、
   ワームの尻尾に、ドカッと、斧が食い見込ます。
イルス:ダメージは(ころころ)あっ、クリティカルっ!!
    さらに、2D6をプラスして(ころころ)合計29点っ!!
GM:でも、出目11でクリティカルだから、『はた迷惑な幸運』発動。
   ワームは(ころころ)13点のダメージが来ます。
   でも、その痛みで、体がうねり、張付いていたイリスが、落ちちゃいます。
   イリス、落下ダメージは1D6で防具Bだけ有効です。
イリス:(ころころ)1……防具だけで防いだわね。
    ところで、落ちた場所って、敵の包囲の外側、内側?
GM:1D6で、偶数なら外側、奇数なら内側にしましょう。
イリス:(ころころ)2っ! よしっ、外側ね!
    これで銃を撃つ為の距離が取れるっ!
    包囲されてた、って事は、接近戦ってことだものね。
GM:なるほど……その為の行動でしたか。
   では、ワームの攻撃です。
   グオッ、と首を持ち上げると、その醜悪な口から、白い粘液を吐き出します。
   命中は(ころころ)9、攻撃は(ころころ)13と言って、全体攻撃です。
ライル:「粘着プレイは趣味じゃねぇ!」
    (ころころ)15で回避だっ!
イリス:「くうっ……」
    (ころころ)当たったけど、(ころころ)ダメージは防いだわ。
イルス:「軟体動物め〜!」
    必殺技使ったから、回避不能なんだよね。(ころころ)ダメージは、クリティカルで0だよ。
    なんて無意味なクリティカル。
ケイオス:「骨格もないナマモノの割には知恵の回る……!」
     (ころころ)ぶっ、1ゾロ!?(爆)
ライル:兄者ぁぁぁぁーーーーっ!!
イルス:……(無言で、肩ポン)
GM:取り敢えず、ダメージ決めちゃって。
ケイオス:……(ころころ)1点だ。
     あと、ファンブル表は(ころころ)『4:思わぬ敵を作る』だ。
GM:思わぬ敵ね……、
   じゃあ、ケイオスの足元から、小ワームが出てきて、足に絡みつきます。
   次の攻撃に対して、回避−2ね。
イリス:おお、初めてファンブルらしい効果が!
ケイオス:記念だっ! 写真撮って、写真!(笑)
ライル:「うわっ、ヌトヌトにミミズ絡みかよ……なんて悪趣味な」
ケイオス:「その手の趣味のお兄さん方は大喜びだ!」
ライル:「しかし、やられてるのは男だ!」
イリス:「だから、その手、なのか……」
ケイオス:「特殊な趣味のお兄さんは喜ぶかもしれん……、
     自分で言ってて、死にたくなった」
イルス:「ナーフ、一緒になって『こういうのは女の子にやらせるべきだ』とか言わないの!」
GM:ああ、そうそう……、
   ダメージの有無に関わらず、粘液をくらった人は、鎧が溶けます。
   買い換えるまで、防具Bを−1してくださいね。
ケイオス:「おあ〜!? 卸し立てのプロテクターがっ!!」
ライル:「兄者、クールなふりして、意外にお洒落者だったんだな。
    っと、それはともかく、こりゃ、長期戦に縺れ込むとマズイな」
ケイオス:「――同感だ」


 とまあ、こんな感じで、第2ターンが始まるわけですが……、

 ケイオス、イリスと、
出目が振るわず、ワームにダメージを与えられません。

 相手に接敵した事もあり、イリスにも、
ガンスリンガー判定で、敵の弱点を気付かせようとしますが、失敗に終ります。

 GMも、これは長期戦になるか、と思ったのですが……、

 またしても――
 ライルがやってくれました――


ケイオス:「……動きが見切られてるな」
イリス:「すばしっこいミミズね」
ライル:「ええい、ここでモタモタしてるわけにはいかないんだよ!
    命中判定(ころころ)……あっ!?
GM:……1ゾロだね。

ライル:ぎゃああああーーーっ!!
ケイオス:弟者ぁぁぁぁーーーーっ!!
イルス:何なんだ、このダイス目はぁぁぁーーーっ!
ケイオス:神だ……神が降りている!!


GM:ファンブル表は?
ライル:しくしく(ころころ)……、
    『11:自分に被害が出るが有利な結果も及ぼされる』。
GM:また、それですか……、
   じゃあ、敵の硬い部分を切った所為で、手が痺れました。
   次の攻撃のみ、命中判定に−1となります。
   ただ、その時、ライルは、敵の体には、
   硬い部分を繋ぐように、柔らかい部分がある事に気付きます。
   なんと、殻の節目節目に隙間があります。
ライル:「ぐぐっ……!! ミミズのくせに、装甲板でも張ってんのか……、
    んっ? こいつ……装甲の間は、みょ〜に柔そうだぞ」
GM:その部分を狙うなら、命中判定に−1して攻撃してください。
   弱点狙う時は、宣言よろしく。
ケイオス:「グッジョブだ、弟者!
     と言っても、まとめてフッ飛ばした方が、私の場合、確実かもな」


 またしても、ファンブルで道を切り拓く冒険者達。

 そして、第3ターンで、ケイオスは、
宣言通り、必殺技『デッドエンド』を発動しますが……、


ケイオス:「さて……のたうち苦しんでもらおうか、巨大ミミズ」
     魔術発動(ころころ)成功!
     命中は(ころころ)8っ!!
     
敵足元に魔方陣を展開、その後に、魔力で作られた闇の柱で、足元から対象を消し飛ばすぞ。
GM:(ころころ)10……ゴメン、回避した。
ケイオス:「術式の練り込みが甘かったか」
     トホホ……デッドエンド封印。


 とまあ、こんな場面もあったり……、

 冒険者とワーム……、
 お互い、決定打に欠けたまま、戦闘は、硬直状態が続く。

 だが、ここで……、
 ついに、ライルが、漢を見せた。


ライル:「手は痺れるが……これでいくっ!」
    弱点を狙うぞっ!(ころころ)8っ!!
GM:(ころころ)6……あたり!
   弱点に命中したので、防御は0です。
イリス:ヒーローダイスの使い時!!
GM:ライルの場合、ヒーローLVを使えば、ダメージは3D6+8ですからね。
イリス:しかも、ほぼ一撃目はクリティカルになるし。
ライル:「――待ってろよ、お嬢様っ!!」
    ヒーローLV効果で、攻撃に+1D6するっ!!
    (ころころ)ちっ、クリティカルは無いが、18点だっ!!
GM:「ギャアアアアアアーーーーッ!!」
   ライルの剣が、装甲の無い部分に、深々と突き刺さり、悲鳴を上げます。
ライル:「へへっ……賭けもやってるみんだぜ」
ケイオス:「ナイスだ、弟者っ!!」親指立てて。
ライル:「お、おう……」親指を返すぞ。
GM:じゃあ、次はイルスの番です。
イリス:おおっ、ついに、イルスがヒーローになる時がきたっ!!
    ファンブルで極めてやっちゃいなさい!
イルス:全力攻撃&弱点狙いいきますっ!
    「そこか……ナーフ、一気に割るよっ!!」
    (ころころ)命中は12!!
GM:ワームの回避は(ころころ)7です。
ライル:よしっ、きた〜っ!!
イルス:「ミラン……ダムル……スティアッ!!」
    ライルさんが斬った箇所と、正反対の場所から、叩き割るように、装甲の隙間を切り裂くっ!
    (ころころ)ダメージは17点っ!!
GM:「グギャアアアアーーーッ!!」
   その攻撃が致命傷になりました。
   二人の攻撃によって、ワームは、真っ二つになります。
ライル:「しかし、見事にザックリと切り裂いたなぁ」
イリス:「これは……真っ向唐竹割り?」
イルス:「終った……けど、体がグチャグチャだね」
    体液が掛かっちゃうだろうからね。
GM:で、戦闘も終った事だし、このまま街に凱旋かな?
ケイオス:うむ、溶け掛けたプロテクターに、トホホとなりながら……、
イリス:あ〜、報酬の3割が防具の買い替えで飛ぶわ。
ライル:「取り敢えず……早く、渡す物を渡さなきゃな」





―― PHASE-10 迫られた選択 ――


GM:では、街に戻ると、街の入口でアロエッテが出迎えてくれます。
アロエッテ:「皆さん、ご無事でしたの……ね?」
      駆け寄る彼女ですが、皆さんの姿を見て、寸前で立ち止まります。
      さすがに、ねちょねちょの皆さんに近付くのに、逡巡したようです。
ライル:「って、ありゃ? ええと、その……?」
    自分のねちょねちょを見て、バツが悪い顔をする。
イルス:「あ〜、うん……ごめん、何だか、ねちょねちょだけど、みんな無事だから」
ケイオス:微妙に遠い目をしていよう。
ライル:「只今戻りました……えっと、依頼のブツは、これでいいんでしょうか?」
アロエッテ:「え、ええっ! これで間違いありませんわ!」
      マイクを受け取り、満面の笑みを見せてくれます。
ライル:「ふい〜、そいつは良かった」
    肩の力が、ガクリと抜ける。
アロエッテ:「申し訳ありません……わたくしのせいですわよね」
      皆の姿を見て、アロエッテは、ペコペコと頭を下げます。
      ですが、何を思ったのか、唐突に、パッと表情を明るくすると……、
      「そうですわっ! 我が家にいらしてください。
      着替えと、お風呂を、ご用意させて頂きますわ。
      まずは、冒険の疲れと汚れを洗い、その後で、報酬をお渡ししましょう」
ライル:「って……どうする?」
イリス:「ふむ、呼ばれましょう」
ケイオス:「それは助かるな」
ライル:「むう、議論の余地は無いか」
イルス:「そうだね」
アロエッテ:「それでは、我が家にご案内しますわね」
       と言って、案内されたのは、割と大きなお屋敷です。
ライル:「うお……っ!?」
イリス:「忘れてた……こういう家の娘だっけ」
ケイオス:「ん〜む……」
     微妙に気圧されてしまうのは、私が小市民だからであろうか。
アロエッテ:「さあ、ご遠慮なさらず……」
      アロエッテは、皆を家に通します。
      と、そこへ……、
???:「アロエッテ? お客様かい?」
    屋敷の奥から、一人の青年が出てきました。
アロエッテ:「お……お兄様!?」
      青年の姿を見て、アロエッテは、頬を紅潮させつつも、素早くマイクを後ろ手に隠します。
      彼女の発言からも分かる通り、青年は、彼女の兄であるマリユスです。
イルス:「あっ、どうも、こんにちわ」
ライル:「どうも、失礼致しております」
    そうか……彼が『お兄様』なのか。
イリス:「……ふん」(プイ)
ケイオス:こらこら、挨拶だけは、ちゃんとしておけ。
     「こんな恰好で、失礼する」
     挨拶しつつ、気取られない程度に、マリユスを観察する。
マリユス:「ああ、気になさらず……どうやら、妹が世話になったようだね」
     さて、皆さん、マリユスを見て気付きますが、誰かさんにそっくりです。
ライル:「ん〜……?」
    サッと、右手を上げてみたり。
マリユス:「…………」
     ササッと、左手を上げます。
ライル:右手上げる。(サッ)
マリユス:左手上げる。(ササッ)
ライル:その場で駆け足。おいっちに〜さんし。
マリユス:その場で駆け足。おいっちに〜さんし。
ケイオス:「……ん〜む、外見だけじゃなく、魂までソックリさんか?」
イルス:ナーフが『コントやってんじゃない』とばかりに、ライル君を突っつこう。
マリユス:「いや、驚いた……キミ、僕にそっくりだな?」
イルス:「どこから見ても、ライルさんが、二人いるようにしか見えない」
ケイオス:「実はな、弟者……君には生き別れの家族が……」
ライル:「兄者〜、両親は、未だに故郷で、ピンピン、イチャイチャしてるよ」
アロエッテ:「お、お兄様! あまり、お客様を引き止めてはいけませんわ。
      さあ、皆さん、早くお風呂に入って、着替えてくださいまし」
      アロエッテは、慌てて、皆を適当な部屋へと促します。
ライル:「は、はい……それじゃあ、また、後ほど〜」
アロエッテ:「この部屋にバスルームも御座いますわ。
      今、換えの服を用意させますので、お待ちくださいまし」
ケイオス:「……禁煙かね?」
アロエッテ:「いえ、構いませんわ。
      わたくしの父も、葉巻を嗜んでいますので、お気になさらず」
ケイオス:「感謝する、そろそろ禁断症状が……」
ライル:「禁断症状って……?」
ケイオス:すまん、自分で言い出しておいてなんだが、ネタが浮かばんかった。
ライル:兄者よ、ネタは悩んで出したらいけない、とオレは思うんだ。
ケイオス:深い言葉だな、弟者。
GM:はい、というわけで……、
   お風呂シーンをすっ飛ばすという暴挙をしつつ、
   メイドさんが替えの服を持ってきますよ。
   ちなみに、男物が二着、女物が二着。
イルス:「あれ、一着はイリスで、もう一着は……?」
ライル:「女物の、もう一着は、言うまでも無いな」
ケイオス:「う〜む、ここは笑うところなのか、慰めるところなのか」(煙草を吹かしつつ)
メイド:「汚れた服は、こちらで洗っておきますので……」
    と、皆の服を持って、メイドさんは、部屋を出て行きます。
イリス:服のデザインは?
GM:任意です。
ライル:では、定番でメイド服!
イリス:直垂狩衣で。
ケイオス:……巫女服。
イルス:こういう時は、早い者勝ちと相場が決まってるよね。
GM:では、メイド服に決定。(笑)
イルス:「あ、あのあの……これって、どう見ても、アレなんですけど?」
    渡されたメイド服を見て、戸惑うよ。
イリス:「あのアマ〜……私を使用人扱いか!」(憤怒)
ライル:「確かに、アレでアレなアレなんだが……」
    似合う、なんて言ったら、ブッ殺されそうだ。
ケイオス:「まあ、似合ってるんだから、良いんじゃないのか?」
     と、煙草を吸いながら、地雷を踏んでみよう。
イルス:「似合いたくて、似合ってるんじゃないよっ!
    ナーフッ! 折角だから、それっぽく振舞え、って何さ!」
ケイオス:「まぁまぁ、世の中には、破滅的に似合わない不憫な人もいるんだ。
     その人達に比べれば、幾分かマシではないか」
イルス:「な、なにがマシなのかよくわからないんだけど……」
ケイオス:「……聞きたいのかね?」
イルス:「……や、やめとくよ」
ケイオス:「懸命な判断だ」
ライル:なんだかんだで、板についてるのが怖いぞ、おい。
GM:え〜、着替えも終った様なので、
   そんな、ちょっと騒がしい中、アロエッテが姿を見せます。
アロエッテ:「失礼しま……あら?」
ライル:「あ、ああ、今、ちょっとざわついていますが、気にしないで」
イリス:「え〜、イ・イ・ご・趣・味・でっ」(睨み)
アロエッテ:「まあ、何故、そのような服を……、
      お二人には、わたくしの服をお渡しするように言いましたのに……」
      おそらく、メイド長あたりが、勝手に判断したのでしょう。
ケイオス:グッジョブだ、メイド長。(笑)
イルス:「……ど、どっちにしろ、そうなの?」
ライル:「見る目があるというのか<無いと言うのか」
アロエッテ:「申し訳ありません。使用人には、わたくしの方から注意しておきますわ」
      と、メイド服に関しては、この辺で……、
      アロエッテは、改めて、皆さんに向き直ると、
      スカートの端を両手で軽く上げて、優雅に一礼して見せます。
      「この度は、大変お世話になりました。
      皆さんのおかげで、コンクールでも良い結果が出せそうです」
ライル:「それは良かった。こっちも冒険した甲斐があったというものです」
イルス:「そ、そうですか……それは何よりです」
アロエッテ:「これは、お約束の報酬です。お受け取りください」
      そう言って、アロエッテは、皆に、報酬が入った布袋を渡します。
      一人800Gずつです。
      それと一緒に、人数分のチケットも渡されますよ。
      「コンクールのチケットです。皆さん、是非、いらしてください」
ライル:「はい、喜んで……」
    観客の立場、ってのが複雑といえば複雑なんだが、これも実力の違いだ、仕方ない。
GM:そんな貴女の気持ちに気付いているのか、アロエッテは、ライルをジッと見つめます。
アロエッテ:「ライルさん……貴方も、出場してみては如何ですか?」

ライル:「なっ!? ななななな……そ、それは!?」
ケイオス:「…………」
     火をつけようとした煙草が口から落ちる。
イルス:「…………」
    ナーフが壁に激突した。

アロエッテ:「もちろん、無理にとは言いませんわ。
      コンクールは一週間後、参加受付は、直前まで大丈夫です。
      まだ、時間はありますし、ゆっくりと考えてください」
ライル:「い、いや、それは、流石に、本当に、
    それこそ、棍棒と投石だけじゃあ済まされない事態に――」
アロエッテ:「そんなことは、ありませんわ……貴方の歌は、とても素晴らしい歌ですもの」
ライル:「な、何を言って……う、ううむ……」
    冗談や酔狂で言ってる目じゃないな。
アロエッテ:「ゆっくりと考えてください……、
      それまでの街の滞在費は、わたくしがご用意させて頂きます」
      と言い残し、アロエッテは部屋を出て行きます。
イリス:「なんて〜か、音感がどうとか、そういう話じゃあないのね、あの子」
ケイオス:「……どうなることやら」
ライル:「さて、どうしたもんか」(ぽろろん)
GM:とまあ、この辺で、セッション終了となります。
   経験値は一人10点ずつ、あと、今回、一度もファンブルしなかったイリスに、
   ボーナスとして、1点さしあげます。
イリス:ラッキ〜、もうけ♪





GM:長いシナリオでしたが、厳密には、もう少し続きます。
   お疲れ様でした!

一同:お疲れ様でした〜!





<おわり>
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注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。