ライル:それにしても……、
    今回のシナリオは、随分と長いな。
GM:初のシティーアドベンチャーですからね。
   しかも、完全アドリブだし……、
ケイオス:そろそろ、七不思議の謎を、
     解き明かして行かないとな〜。
イルス:まだ、1つも解明出来てないもんね。
綾:まあ、情報は集まってきてますし、
  状況も進んでいますから、解ける時は、一気ですよ。





ライル:ところで、GM……、
    今回、戦闘シーンはあるのか?

GM:場合によっては、ね……、






『Leaf Quest TRPG』 リプレイ

ふぁんぶら〜ズ冒険譚 12

『乙女はイルスに恋してる』 後編







―― PHASE-18 毒舌植物 ――


GM:さて、音楽の授業で、ライルが、
   歌のような『ナニか』を披露し、散々な結果となったわけですが……、
ライル:散々、とか言うなっ!
    ちょっと、出目が悪かっただけだい!
    ってか、歌のような『ナニか』って、何だっ!?
GM:ブーストまで使ったのに、あの結果では……、
   お笑いとお約束の神様が……、
   『ライルの歌は、音波兵器じゃなきゃダメ!』とか言って、
   出目に干渉したとしか思えないのです。
ライル:しくしくしく……、(泣)
GM:まあ、それはともかく……、
   ライルの歌によって、教室内は、屍累々な状態です。
綾:ランティス先生の演奏で、
  なんとか癒されましたけどねぇ。
イルス:ピクピク……、(←未だ気絶中)
GM:と、そんな中で、ライルは、
   音楽室の窓際にある植木鉢が、2つしかない事に気付きます。
ライル:本来は、3つある筈なんだよな。
    ここは、やはり、別の音楽室へ確認に行くべきか。
綾:わたしは、教室に待機します。
  一応、生徒扱いですから、授業中は動けません。
  ただ、授業中は、鉢植えを、何度か、チラチラと見ておきます。
イルス:僕も、生徒だから、動けないよね。
    ナーフに、確認しに行ってもらうよ。
ライル:「申し訳ありません。ちと『はばかり』へ」
ランティス:「は、はあ……構いませんよ」
ライル:怪訝な顔のランティス先生に、
    ぺこりと頭を下げて、第1音楽室を出て、第2音楽室に向かう。
GM:では、第2音楽室に行くと、
   窓際にある鉢植えが、4つに増えています。
ライル:「やはり、そうきたか……」
    鉢植えを、上から横から斜めから……、
    とにかく、ジロジロと見て、観察しよう。
    こいつ自体に、何か仕掛けは無いか?
GM:では、エージェント判定してください。
ライル:もう、ブーストなんて信じない!
    (ころころ)うわっ、
6ゾロ!?
    どうして、この出目が、あの時にぃぃぃ〜っ!!(笑)
    おのれぇ〜、ダイスの女神様っ!!
GM:じゃあ、ライルにジ〜ッと見つめられて、
   鉢植えの1つが、プルプルと震えているのが分かります。
綾:な、なまものっ!?
ケイオス:そ、それは、予想外!?
ライル:「う〜む、こういう場合、どう対処したら良いものか……、
    と、とりあえず、初対面が肝心だし……、
    え〜あ〜その、ジロジロと見すぎて、すいません」(ぺこ)
イルス:……腰低いね。
ライル:「実は、その、どうにも、貴方様の噂が気になって、
    こうして確認に来たわけなのですが……、
    宜しければ、事情を、お聞かせ願えませんでしょうか?」
    って、俺は、鉢植え相手に、何やってるんだ?


 突然、鉢植えに語り掛けるライル――

 おそらく、ライル自身にも、
深い考えがあったわけではないのだろう。

 だが、偶然にも……、
 この対応が、正解だったりする。

 本当は、もう少し焦らすつもりだったが……、

 まあ、クリティカルしたし……、
 ここは、アッサリと正体をバラしてしまおう。


GM:では、鉢植えの土の部分から、
   ズボッと小さな両手が飛び出ます。
   そして、『んしょっ』て感じで、身体を持ち上げ、
   鉢植えの中から出てきたのは、頭に植物が……、
   ポインセチアの生えた、小さな小さな女の子です。
   どうやら、この頭の植物だけ、外に出ていたようです。
ライル:「――おうわっ!?」
GM:で、その鉢植え少女(?)は、
   恨みがましい目で、ライルを見上げると……、



???:「……沈黙、音痴」(爆)

一同:――容赦ねぇっ!?



ライル:「がが〜ん! あんた、ストレート過ぎ!」
ケイオス:「……いかん、なんか、物凄く楽しい事を見逃した気がする」
     開かずの間を調査しつつ、ぼそっと呟く。
綾:「あう〜、なんか、すっごいモノを見逃した気分です」
  と言いつつ、隣の教室で授業を受けてます。
イルス:「まあ、ナーフが一緒に言ってるから、
    何があったか、後で訊こうよ」
    と言いつつ、同様に、授業を受けてる。
綾:「そうですね〜、休み時間になったら、わたし達も見に行きましょうか」
ライル:「沈黙って……やっぱり、その『黙れ』ですか?」(おずおず)
???:「(こくこく)フォルビア、歌、好意、音痴、嫌悪、逃亡」
ケイオス:あ〜、なるほどなぁ……、
     これで、謎は1つ解けたな。
ライル:つ、つまり、その……、
    この女の子は、フォルビアと言って、
    歌が大好きだけど、音痴は大嫌いで聞くと逃げる、と?(汗)
    で、それはそうと、この子、どうして、こんな喋り方なんだ?
GM:この子は、単語しか喋れないんですよ。
ケイオス:なるほど、単語の羅列から、
     セリフを推測しろってことか。
フォルビア(以下、フォル):「音痴、騒音」
ライル:「音痴は騒音公害……と?」(涙)
ナーフ:『ほんとに容赦ねぇな、おい』(窓から覗いてる)
ライル:「我、謝罪、頭下げ……、
    音痴、運命、不可抗力、願、容赦」(手振りつき)
    内心、涙をぐっと堪えつつ、懇願する。
フォル:「学院、再度、音痴、歌唱、厳禁」
    と言い残し、また、ズボッと鉢植えの中に戻っちゃいます。
ライル:「お前は、学院で、
    二度と歌うんじゃね〜、このボケ……か」(がっくり)
ナーフ:『ひ、ひでぇっ!?』(爆笑)
ケイオス:よ、容赦ねぇぇぇぇっ!!(爆)
GM:この子、何気に、口が悪いんですよ。
ケイオス:悪いどころの騒ぎじゃないぞ、GM!
綾:むしろ、黒いですっ!
GM:ってゆ〜か、ライルは、
   別に、喋り方を合わせなくても……、
ライル:ボケて合わせたい年頃なんだよ。(泣)
ナーフ:『ま、まぁ、人生色々だから頑張れや』(ケラケラ)
ライル:「って、いつまでも笑ってるんじゃね〜よ!
    この酒乱盗撮タカ野郎ぉぉぉっ!!」(大泣)
    ナーフに向かって、ギターをフルスイング!
ナーフ:『慰めたのにぃぃぃぃ〜……キラ〜ン☆』
ライル:「はあ、はあ……、
    と、取り敢えず、謎の1つは、
    これで解決……で良いのかなぁ〜?」(肩落とし)





―― PHASE-19 内包者と解封者 ――


GM:さて、そんなこんなで、
   チャイムが鳴り、授業が終ったわけですが……、
一同:すぐに、第2音楽室に向かう。(笑)
GM:では、ライルの下に、全員集合です。
綾:「ライルさ〜ん、どうでした?」
ライル:「ホントに、僕は、ダメな男です〜……♪」
綾:「――暗いオーラ、噴出してる!?」
イルス:「ライルさん、何があったの?」
ライル:「音痴は騒音、と言われました〜♪」
綾:「えっ……誰に?」
ライル:「……はっはっはっ! 皆、心して聞け!
    七不思議の1つは、解決したぞっ!」(びしぃっ!)
綾:「お〜っ!」(ぱちぱち)
ケイオス:「おお、おつかれさん」
ライル:「カクカクシカジカ……、
    というわけで、音痴が大嫌いで、
    下手な歌を聴くと逃げる、フォルビアが原因だ」
ケイオス:「そりゃまた……」
ライル:「……なあ、兄者よ」
ケイオス:「どうした?」
ライル:「世界と運命って……優しくねぇな」
ケイオス:「……ああ、残酷だ」
ライル:「まあ、何にしても、フォルビアに関しては、
    事情を話してそっとしておいてもらおう」
ケイオス:「そうだな……害も無さそうだし」
ライル:「……音痴以外にはな。
    で、兄者の方は、何か掴んだか?」
ケイオス:「あ〜、すまん……、
     カクカクシカジカで、ロクなものも発見できず、
     折角、イルスが見つけた足跡も、台無しにした」
ライル:「むう、らしくないな〜」
綾:「あの〜、それで、どの鉢植えさんなんですか?」
ライル:「……これ」
    フォルビアがいた鉢植えを指差す。
綾:「外見は、やっぱり普通の鉢植えですね〜」
  件の鉢植えに近付き、観察する。写真は……我慢して撮らない。
GM:あっ、鉢植えに近付いたの?
綾:……はい?
GM:では、綾が近付くと、フォルビアが再び、ズボッと姿を出します。
   そして、彼女の頭の上の植物から、光線が放たれ、綾に直撃します。
綾:「――あうぁ!?」
ライル:「綾っち……!?」
フォル:「――『赤葉の光輪』(ポインセチア・クワルナフ)確認、主人、認証」
ケイオス:なんか、認識した〜!?
ライル:というか、これって……、
    もしかして、ヴァル&リーラと同じ状況?
GM:まあ、PL知識で言えば、そういう事になりますね。
   で、綾が光線を受けると、例の腕輪が取れなくなります。
ケイオス:「……大丈夫か?」
ライル:「別段、ケガは無いな……って、確認? 主人? 認証?」
綾:「大丈夫です、痛くは無いですけど……、
  そういえば、腕輪が、妙にフィットして……って、取れない?」
GM:はい、ピッタリとジャストフィットして、
   どうやっても取れそうにないです。
ケイオス:「……見せてみろ。
     これは、同化した……のか?」
     綾の手をとって、腕輪をチェックする。
綾:「どうしました?」
ケイオス:「ああ、すまないね。何でも無い」
イルス:「……で、主人とか、確認とか、何のことなの?」
ライル:「つまり、『クワルナフを確認して、主人と認めた』って事?」
フォル:「我、名前、『『聖夜願う赤葉の衣』(エルゥポインセチア)』、以後、同行」
    と言って、フォルビアは、鉢植えから出ると、
    すっぽんぽんのまま、綾の頭の上に、ポ〜ンと飛び乗ります。
綾:「初めまして、エルトゥポインセチア……、
  というか、フォルビア……で良いんですよね?」
フォル:「フォルビア、了承、我、主人、名前、要求」
ライル:「ふむ、つまりは『あんたのお名前なんてーの?』か」
綾:「わたしの名前は鞍馬 綾……、
  腕輪が取れない、ということは、長い付き合いになりそうですね。
  では、今後とも宜しくお願いしますよ?」
フォル:「鞍馬綾、承認、以後、主人、呼称。(ぺこり)
    我、主人、防衛、武器、防具……我、主人、宝具」
ライル:「あたいは、綾っちの武器であり防具、
    まあ、綾っちの宝具ってとこだね、えっへん……と?」
ケイオス:「宝具……か」
     そういえば、初音島でも、あの南京錠があり、そこから盗まれた。
     初音島に来た時はいなかったエルトを、アヌーラが連れていた。
     そして、この学院内で、あの南京錠が見つかり……、
     ふと、頭の中で、一つ一つパズルのピースがはまってきた。
フォル:「音痴、賢明、感謝」
ライル:「とりあえず、ありがたく言葉は受け取っておくが……、
    オレの名はライル! できれば、これでお願い!!」
フォル:「――拒否」(プイッ)
ライル:「ガーンッ!! えぐえぐ……」(泣)
ナーフ:『どうやら、呼称は、ずっと、音痴で決定みたいだな。
    それより、何かお人形さん用の服とか用意できね?』
ライル:「手元にある物で、身を包むか?」
ケイオス:「そこらへんのカーテンを切り取ると……さすがに怒られるよなぁ」
     と言いつつ、魔力眼鏡で、フォルを見てみよう。
GM:氷の属性を示す色が強く見えます。
   あと、植物なだけに、地とか風とかもあります。
ケイオス:氷属性か……、
ライル:確かに、ある意味、氷のように冷たいな。
綾:「じゃあ、当面は、制服のスカーフで代用して……、
  後で、人形用でもいいので服を2、3着買ってから、
  それ以外は、わたしが自前で作ればいいですね」
ケイオス:「……作れるのか?」(驚く)
イルス:「器用だねぇ」
ライル:「やっぱり、妹達の人形用で?」
フォル:「主人、仲間、紹介、要求」(綾の頭ぺしぺし)
ライル:「綾っち、仲間を紹介してくれ、ってよ」


 フォルに促され、綾は、仲間達を紹介します。

 それを聞き、フォルは、ぞれぞれの呼称を決めていく。
 もちろん、ライルの呼称は『音痴』で固定。(笑)


フォル:「主人(綾)、音痴(ライル)、内包者(イルス)――」
    と、フォルは、指差し確認していきます。
    そして、ケイオスを指差したところで、ピタッと止まる。
ケイオス:「……む?」
フォル:「…………」(じ〜)
    フォルは、ケイオスを凝視し、
    突然、パッと、表情を輝かせると……、


フォル:
「――アルナ!!
    アルナ、アルナ、アルナ!!」
    
と、ケイオスの顔面に向かって、
    
おっぴろげジャンプ!(笑)
ケイオス:
待て、コラ!!


GM:まあ、それは冗談として……、
   とにかく、フォルは、嬉しそうに、ケイオスに飛びつきますよ。
イルス:「内包者……って、どうしたの?」
フォル:「アルナ! アルナワーズ!!」
ライル:「な、なんだ!? 兄者、知り合いだったのか?」
ケイオス:「いや、覚えはないが……何故、君が、その名前を?」
ナーフ:『な、なんだなんだ!?
    何か、いきなり、色々と疑念が噴出し始めたぞ!?』
綾:「衝撃の真実! ぷーさんに、隠し子発覚〜!」
ライル:「ええい、そこ! 話を拡大歪曲しない!
    ……言うなら、事実を積み重ねてからにしろ」(笑)
綾:「勿論、冗談に決まってるじゃないですか」
ケイオス:「なあ、教えてくれ……、
     何故、君が、アルナの事を知っているんだ?」
フォル:「アルナ、気配、感知」
ライル:「兄者から、アルナさんの気配を感じた?」
フォル:「昔、アルナ、研究所、偶然、発見、フォルビア、遭遇」
綾:「偶然? 発見? アルナワーズ……開かずの扉……」
  なんか、色々と繋がってきましたねぇ。
ライル:「昔、アルナさんが、
    偶然、研究所を発見して、あたいと出会った?」
フォル:「アルナ、友達、研究所、秘密、音楽室、フォルビア、運搬」
ナーフ:『ええい、しゃ〜ないっぽいけど、
    話が要領を得ないなぁ』
イルス:「う〜ん……?」(お目々ぐるぐる)
ライル:「アルナさんは友達で、あたいを、研究所から、
    こっそり、音楽室に運んでくれた、と?」
綾:「何処か知りませんが……、
  アルナさんは、その『研究所』から、
  フォルを見つけ出して、音楽室まで運んだ、ってことですね」
フォル:「アルナ、友達、フォルビア、歌、好意、認知、音楽室、運搬」
ライル:「アルナワさんは、あたいが、
    歌が好きなのを分かってくれて、音楽室に運んでくれた……、
    十年前から、鉢植えの噂が出た、というのは、こういうわけか」
ナーフ:『で、まあ、それからずっと、
    綺麗な歌に引き寄せられて、音痴から逃げて、
    音楽室を行ったり来たりしてたのが、噂の真相、と?』
綾:「そういう事になりますねぇ……、
  そして、開かずの間の謎とも、繋がりが見てきました」
フォル:「音痴、意外、賢明、感謝、以後、通訳、任命?」
ライル:「音痴野郎、お前、意外に賢明だな?
    以後、通訳に任命してやる、ありがたく思え?
    ……謹んで、お受けしますよ、コンチクショウ」(涙笑)
イルス:「ライルさん、意訳が、何か被害妄想的じゃない?」
ライル:「傷付き易い年頃なんだよ、俺は……」
ケイオス:「……そう、だったのか。
     今も、私の傍に彼女の気配はあるのか?」
     黙って、フォルの皆の話を聞き、
     フォルを、手の平の上にのせて訊ねる。
フォル:「(こくこく)アルナ、気配、感知、感知」
    まあ、この場合、気配と言うよりも、
    匂いとか、そういう感覚でしょうけどね。
ケイオス:「……そうか」
     泣きそうな、嬉しそうな、複雑な表情で、フォルの頭を撫でる。
ライル:「なあ、兄者……、
    世界も運命も信じなくてもいい……、
    でも、あんたの傍にいる女神様だけは、何が何でも手放すな」
ケイオス:「ああ……」
イルス:「あの、ところで、フォルビアちゃん?
    僕の呼称が『内包者』って……、
    何か良くわからないんだけど、どういうこと?」
フォル:「内包者……光輪(クワルナフ)、体内、内包」
イルス:「やっぱりなの? うん、心当たりはあるけれど……何でだよぅ」
綾:「クワルナフの内包……、
  イルスさんの体内には、この腕輪みたいな物があるってことですか?」
ナーフ:『てか、そもそも、結局、クワルナフって、どういう物体よ。
    何で、こいつの身体の中にあるんだ』
ケイオス:「確かにな……クワルナフとは、一体、何なのだ?」
フォル:「生体装甲、腕輪、一対、主人、認証、道具」
ケイオス:「生体装甲であるフォルが、
     主人と認証する為の腕輪……と言う事か?」
フォル:「(こくこく)光輪、魔力粒子転換、体内、解封者、血液、接触、腕輪、具現化」
ナーフ:『……通訳!』
    ビシッと、ライルを指差す。
ケイオス:「……よろしく」(肩ポン)
ライル:「ええい、ちょっと待ってろや!!」
GM:あ〜、このへんは、かなり複雑なので、
   ライルに代わり、こちらで説明しますね。
ライル:うむ、頼む。
GM:本来、腕輪であるクワルナフは、
   魔力粒子に変換された状態で、イルスの体内に内包されており、
   『解封者』とよばれる存在の血液と接触することによって、
   体内から腕輪として具現化・排出される、というわけです。
ナーフ:『ややっこしい状態だなぁ』
ライル:「つまり、別に解封者がいて、
    その人の血液と接触すると、イルスから、腕輪が出てくる、と?」
イルス:「まあ、それだったら……、
    転送装置(南京錠)のキーにはなるけど、
    現状は、それだけ、ってことかぁ……、
    でも、何で、そんなのが、僕の体内にあるの?」
フォル:「内包者、継承制、前任内包者、死亡、光輪、魔力粒子、無作為転移」
ライル:「内包者は継承される者であり、前の内包者の人は亡くなった。
    魔力粒子は無作為に転移して、イルスに至る、と?」
フォル:「音痴、正解……」(こくこく)
ライル:「本来、その人から、その子へと受け継がれるはずの、内包者……、
    つまり、クワルナフは、前の内包者が、
    子を成す前に亡くなった為、行く当てを失い、
    イルスに転移した……、
    つまりは、今、現在のイルスの状態は、
    別段、遺伝性もしくは、家系の問題ではない……と、考えて良いのか」
イルス:「だろうね……うち、そう言うのは、何にもないし」
ケイオス:「……スマン、変な事を聞くが……、
     アルナは、何だったんだ?
     無関係であれば、君と出会う事も無かったと思うのだが……」
     パズルのピースは、かなり揃ってきた。
     おそらく、アルナは、イルスと同様の存在だったんじゃないか?
     だから、開かずの間の南京錠が反応し、
     アルナは『研究所』に行く事が出来た。
     そこで、フォルと出会い、彼女を、学院に連れて来た。
フォル:「――アルナ、解封者」
    ケイオスの問いに、フォルは短く答えます。
ケイオス:「解封者……だと?」
     と言う事は、彼女の死は……?
     そのまま、一瞬、思考が停止する。
イルス:「……何か、色々と変なにおいがしてきたよ」
フォル:「アルナ、解封継承者、転移装置反応、フォルビア、遭遇」
ライル:「アルナさんは、解封継承者で、
    彼女に転移装置(南京錠)が反応し、フォルビアと出会った?」
ケイオス:「……そう言う事になる、だろうな」
綾:「転移装置ですか……、
  きっと、わたしとか、イルスさんも、反応しちゃうんですよね」
フォル:「転送装置、同様、研究所関連品、
    解封者、内包者、光輪所持者、全部、関係者認識、反応」
ライル:「転送装置などの研究所関連品は、
    解封者も、内包者も、光輪所持者も、
    全部、関係者と認識し、反応する……ってことか?」
ケイオス:「なるほど……」
     アジ様が、例の任務を、私に下した理由はわかった。
     が、だとすると、その目的は……、
     考えたくない方向へ思考が行きかけ、ストップ。
綾:「……どうしました?」
  急に静かになった、ケイオスさんを見ます。
ケイオス:「ああ、すまない……少し考え事を、な」


 以前にも話しましたが……、

 組織からの命令、というカタチで、
ケイオスには、GMから、とある任務を与えています。

 どうやら、フォルビアの話の内容から、
その任務の理由を、ある程度は推測できたようです。


GM:とまあ、そんな話をしていると、
   皆さんのところに、ランティス先生がやってきます。
ランティス:「皆さん、こんな所で何をしているんです?
      そろそろ、次の授業が始まりますよ?」
ライル:「あ、ランティス先生。申し訳ありません」(ぺこ)
ケイオス:「……ああ、すまない」
     スッと、いつもの笑顔に切り替える。
イルス:「は〜い……ナーフ、隠れて」
    こっそり、ナーフに、身を隠すように言う。
綾:「ごめんなさい、ランティス先生」
  手の平サイズのフォルを、何処に隠せば良いでしょうね?
  胸ポケットでは、苦しそうですし……、
GM:その辺は、フォルは、よく心得ています。
   なにせ、隠密生活が長かったですからね。
   いつの間にか、鉢植えの中に戻ってますよ。
綾:なるほど、それなら安心です。
ケイオス:「……ところで、君の『ご同輩』は元気かね?」
     何気なく、世間話をするように訊ねよう。
GM:(――あっ、もうバレたかな?)
ライル:(ご同輩……?)
ランティス:「……さあ、何のことですか?(目を逸らす)
      元気もなにも、他の先生達は、
      皆、今日も元気に仕事しているじゃないですか」
ライル:(こっちはこっちで、どうも白々しいと言うか……)
ケイオス:「……そうだね。変な事を聞いて申し訳ない」(のほほん)
     状況証拠だけは、十分なのだけどなぁ。
ライル:(もしや、兄者……オレと似たような事を考えてるのか?)
イルス:「……?」
    ケイオスさんの質問の意図に気付いてない。
ランティス:「……では、失礼します。
      2人とも、急いで教室に戻るように」
      と、言い残し、ランティスは去っていきます。
ライル:「兄者、まさか……さっき言ってた、人形の事か?」
ケイオス:「ああ……実はな、昔、もう1体、人形があったんだよ。
     どんな外見だったか、は忘れてしまったけどね」
ライル:「ふむ……アレって、ピアノの音にあわせて動くのかな?」
ケイオス:「……む?」
ライル:「いや、ちょっと、こっちも、引っ掛かる事があってな。
    あの人、オレの歌を聴いても、平気だったんだよ。
    今まで、最悪な状態のやつを聞いて平気だったのは、
    お師匠様と、パナップの2人……まあ、この2人は特別として……、
    普通の人間で、ってのは、初めてなんだよな」
綾:「その前にも、違和感を覚えてたみたいですしね?
  握手した時、ライルさん、怪訝な顔してましたし……」
ケイオス:「なるほどなぁ……、
     弟者の言いたい事は分かったが……、
     その判断基準、自分で言ってて、悲しくならないか?」
ライル:「しくしくしくしく……」(泣)
フォル:「(ズボッ)再度、確認、音痴、フォルビア、歌唱、厳禁」
ライル:「おい、音痴野郎、もう一度、念押しするが、
    あたいの前では、絶対に唄うんじゃねぇぞ?
    ――ほっとけぇぇぇぇっ!!」(泣)





―― PHASE-20 アルナワーズとシャハルナーズ ――


GM:では、ランティスに言われた通り、
   イルスと綾は、授業に戻りますか?
ケイオス:いや、その前に、開かずの間の南京錠の確認をしよう。
     我々の推測が正しければ、イルスか綾が触れることで、
     転送装置としての機能が発揮されるはずだ。
ライル:フォルっていう証言者がいるが……、
    まあ、実地検証は必要だよな。


 というわけで……、
 一同は、開かずの間に向かいます。

 で、クワルナフを所持する綾が、例の南京錠に触れると……、


GM:綾が、南京錠に触れると、目の前の空間が歪み、
   空間転移の穴が開き、穴の向こうに、
   なにやら、研究施設っぽい光景がみえます。
   初音島で暦に見せてもらった光景と、ほぼ同じですね。
   ただ、転送装置は壊れているのか、
   すぐに、空間穴に、ノイズが走り、閉じてしまいます。
   そして、ボンッと音を立てて、南京錠は破壊……、
   扉の取っ手からも外れ、ガシャンと床に落ちてしまいます。
ケイオス:「あらら……」
ライル:「とりあえず、空間転移の仕掛けの存在が確認できれば、
    それで良いのか……な?」
綾:「……まさか、わたしのせいだったりします?」
  と、南京錠の残骸を手に取ります。
ライル:「いや、そうでもないだろう。
    元々が、古いものだったようだし……、
    それに、別に壊れて良かったんじゃないか?
    この学院には、必要ないモノだろうし……」
ケイオス:「……まあ、ある意味、調査完了かねぇ」
ライル:「まあ、目的は『開かずの扉が何であるか?』の調査だからな。
    その先までは、無理することは無いさ」
ケイオス:「では……完了、と」(メモメモ)
     これで、解決した七不思議は、
     『動く鉢植え』と『開かずの間』の2つだな。
イルス:「残りは、あと5つ……先は長いね」
綾:「いえ、もしかしたら、あと1つ……、
  アッサリと解決するかもしれませんよ?」
ケイオス:「……と言うと?」
綾:「ねえ、フォル……?
  もしかして、この学院に、この南京錠以外にも、
  研究所関連の品って、あったりしません?」
フォル:「研究所関連品、存在、認知」
ライル:「他にもあるのか……って、まさか?」
フォル:「肖像画 認知 魔術画 施設関係者 反応 挨拶 実行」
ライル:「肖像画は魔術画で、施設関係者に反応して、挨拶する?」
ケイオス:「ようするに、アレか? 受付嬢?」
     と冗談を言いつつも、頭の中で色々考える。
     つまり、シャハルナーズ氏も関係者だったと言う事か?
     アジ様が気にしていたワケには行き着けたが……、
ライル:「じゃあ、アロエッテのお母さん……、
    シャハルナーズさんも『研究所』の関係者なのか?」
フォル:「(こくこく)シャハルナーズ 認知 解封継承者」
ライル:「えっ? シャハルナーズさんを知ってるのか?」
フォル:「認知 シャハルナーズ アルナ 同様 解封者」
ライル:「シャハルナーズさんは、アルナワーズさんと同じ解封者……か」
ケイオス:「とにかく、確認の為ににも、件の肖像画を見に行こう」


 続いて、冒険者達は、
謎の肖像画のある、美術準備室へ向かう。

 で、先程と同様、綾とイルスが、肖像画に近付くと……、


GM:『ようこそ、第――ミュ――サ研――所へ――』
   『ようこそ、第――ミュ――サ研――所へ――』
   『ようこそ、第――ミュ――サ研――所へ――』
   綾とイルスが近付くと、
   肖像画は、ややノイズ交じりの声で喋り始めます。
ケイオス:「……まさに、ホラーだな。
     夜の暗い準備室でこんな声が響いたら……、
     子供じゃなくても泣くぞ」
ライル:「う〜む、典型的な、挨拶用の施設だな〜。
    というか、シャハルナーズさんは、
    こいつが何で、どういう物なのかを知らなかったってことか。
    そうでなきゃ、噂と言うカタチで流しはしないしな。
    継承者とはいえ、施設そのものまでは分からないってことか」
綾:「そもそも、継承者であることを、
  本人が知らない場合って、ありえると思いません?」
ライル:「しかし、そうなると……、
    マリユスさんか、アロエッテのどちらかが、継承者ってことに?」
イルス:「……解封者は、継承されるの?」
フォル:「解封能力 血縁継承」
イルス:「……機会があったら、
    一度、戻って確認してみるべきかもね」
綾:「そうですねぇ……、
  イルスさんに触ってもらえれば、ハッキリとわかります」
ライル:(『ヤツら』は、クワルナフを狙っていたはず……、
    となると、あの兄妹が危ない!?
    いや、落ち着け……マリユスさんは、何と言っても、近衛騎士だ。
    近衛騎士の強さは、カノン王国の彼らで実証済みだろう。
    とにかく、今は、依頼遂行を優先しよう。
    それに、兄者の今後のこともあるし……)
ケイオス:「……とにかく、これで、解決したのは3つになったな。
     残る七不思議は4つ、か……」
GM:では、ここで、シーンを切る為、
   休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴ります。
   キーンコーンカーンコーン……、
綾:「じゃあ、イルスさん、わたし達は、授業に戻りましょうか」
イルス:「うん、そうだね」
ケイオス:「では、私は、図書室に行こう。
     昨夜、調べ損ねたこともあるしね」
ライル:「正直、あれやこれや、からかわれるのは、
    非常に心臓に悪いのだが……ええい、最後の詰めだ、仕方ない。
    俺は、職員室に行って、コゼートさんに話を聞きに行こう」





―― PHASE-21 屋上の黒き翼 ――


GM:では、まず、ケイオスの場面から処理していきましょう。
   学院の歴史を調べる為に、資料室……、
   と言うか、図書室に向かうんですよね?
   昨夜の司書が出迎えてくれますよ。
ケイオス:「やぁ、開いてるかい?」
司書:「ええ、もちろんです。昨夜は、すみません。
   なにぶん、例外を許すわけにもいかないもので……
ケイオス:「いや、構わんよ」(のほほん)
     早速、学院の歴史資料を探すとしよう。
GM:ちゃんと整頓れているので、資料はすぐに見つかります。
   司書も手伝ってくれるでしょうしね。
ケイオス:学院の創設時の歴史……、
     天使の翼の噂が出始めた頃の記述を、拾い出して、読み漁ろう。
GM:では、ケイオスが本を調べると、
   学院創設時にも、今回のような幽霊騒ぎがあった事が分かります。
   ただ、それと同時期に、旅の楽師と歌姫が学院を訪れ、
   屋上で歌を唄った後、何故か、幽霊騒ぎはなくなった、とのことです。
   そして、その時期は、屋上の天使の噂が出始めた頃と、だいたい一致します。
ケイオス:PL的には、話が読めてきた。
     その歌姫が、誰なのかは書かれていないのか?
GM:もちろん、書かれてますよ。
   この学院は、創設時から、フォルラータと繋がりが深いですし、
   ちょうど、その歌姫も、コンクールで優勝したばかりで、
   有名になってましたからね。
ケイオス:……『サフィ=スィーニー』か?
GM:ご名答。残念ながら、楽師の名前は載ってませんが……、
ケイオス:カウジー……憐れな。
     まあ、それはともかく……、
     GM、私は、サフィと天使の翼の関連性は、知っていても良いのか?
GM:詳しくは知らなくても、
   その連想には、行き着いてもおかしくないですね。
   ケイオスは、フォルラータの『エポニーヌ事件』の当事者ですし、
   あの時、冬弥から、それらしい話は聞いたでしょ?
ケイオス:うむ、詳しくは
『俺の歌を聴けっ!』を参照だな。
     つまり、過去の幽霊騒動は、彼女の歌によって、
     浄化された、と考えて良さそうだな。
     天使の翼は、サフィの力が発現した証拠だ。
     しかし、その噂の内容が、何故、『あの日』を境に、
     『悪魔の翼』へと変貌したんだか……、
     と、考えつつ、煙草に手を伸ばそうとして……、
     司書に、目で「いい?」と訊いてみる?(笑)
司書:「…………」
   にっこり笑って、首を横に振ります。
ライル:当然だ! 本が傷む!
綾:火気厳禁ですよ〜。
イルス:匂いがつくと、取れないよ。
ケイオス:おおう、四方八方から、厳しいツッコミが……、(泣)
GM:では、まあ、煙草を吸おうしたケイオスに、
   司書は、額に血管を浮かべつつ、話し掛けてきます。
司書:「……もしや、例の屋上の悪魔について調査中ですか?」
ケイオス:「ああ……正直、最初は、
     日の傾きと、見る角度によっての錯覚だと思ってたのだがねぇ」
     手掛かり無しだわ、と肩を竦める。
司書:「まあ、普通はそう思うでしょうねぇ。
   しかし、最近、この街は『悪魔』というものに縁がありますよね?」
ケイオス:「……どう言うことかね?」
     目が仕事モードに切り替わる。
司書:「おや? ご存知ありませんか?
   以前、この街で連続爆弾魔事件が起こったんですが、
   それと同時期に、悪魔が街の上を飛んでいる姿が目撃されているんですよ」
GM:禁愚ジャッキー事件と言えばわかってもらえますかね?
   詳しくは、
『誠の世界漫遊記8』参照です。
ケイオス:「……じゃあ、あれか?
     偶然、夕暮れ時に、その『悪魔さん』が、
     屋上辺りを飛んでた事が原因と、そう言う事か?」
司書:「だとしたら、噂の結末としてはお粗末でしょうがね。(苦笑)
   それに、噂の内容が変わった時期が、全然違います。
   噂の内容が、天使から悪魔に変わったのは……」
   と、そこまで言って、司書は口を噤みます。
ケイオス:「そうだよなぁ……、(敢えて、無視する)
     ちなみに、その爆破事件の頃の悪魔と、
     今、学院で聞く、夜の幽霊の噂は、
     タイムスケジュール的には、両方とも、一緒なのかね?」
司書:「さあ? そんなことは無かったと思いますが?
   なにせ、あの爆弾魔事件が解決した後は、悪魔の目撃例も無いそうですし」
ケイオス:「ふ〜む……手詰まりだなぁ」
GM:とまあ、ここで得られる情報はこれくらいです。
   あとは、この学院は、元々は、何かの研究施設団の宿泊所で、
   それを流用した、くらいしか分かりません。


ケイオス:ソレが、一番怪しくて重要だわぁ〜!!(爆笑)
GM:
はっはっはっ!
   
言うの忘れてましたー!!


ケイオス:まったく……、
     さり気なく、爆弾投下しおって……、
     だが、その情報のおかげで、天使の翼については、確証が持てた。
     その研究所か、どんな研究をしていたのかは知らんが、
     フォルビアを見る限り、正直なところ、ロクな研究じゃなかったはずだ。
     当然、関連施設には、怨念やら、何やらが、渦巻いていたんだろう。
     それに導かれるように、学院に、幽霊が集まってきた。
     で、その幽霊や怨念、全部、ひっくるめて、
     サフィが浄化した、ってところか?
     まあ、全ては、憶測でしか無いのだが……、
GM:はい、それで正解です。
   ただし、過去の時点で、浄化は完璧に成されているので、
   現在の幽霊事件とは、関係ありませんからね。
ケイオス:そうだろうねぇ……、
     で、GM、ついでに、もう一つ、推測した事があるのだが?
GM:……何です?
ケイオス:学院長や、司書の話……、
     それと、今までの情報から考えると……、
     悪魔の翼の正体って……私か?
GM:……その心は?
ケイオス:黒い翼が目撃されたのは『あの日』だ……、
     そして、学院の屋上は、その現場でもある。
     その時、初めて発動したんじゃないのか?
     私の『ウイング・オブ・ディスペア』が……、
GM:はい、その通りです。
   あの技は、ケイオスの象徴とも言えます。
   そして、その力の片鱗が、初めて見られたのは、
   『あの日』以外に、有り得ないと考えました。
ケイオス:ああ、そうだろうねぇ……、
     とにかく、これで、また1つ、謎が解けたな。


 GMとケイオスは、
他のPLをそっちのけで、話を進める。

 申し訳ないとは思いますが、この辺の設定は、
キャンペーンの中核とも言えるので、仕方が無いのです。

 話が進めば、いずれ、話せる時が来るでしょう。

 ちなみに、この事実を、
仲間に話すかどうかは、ケイオスに任せる事にします。

 その為に、割と尤もらしい、別の答えを提示したのですから……、





―― PHASE-22 お義姉さんの誘惑 パート2 ――


GM:続きまして、ライルの場面に移ります。
ライル:では、弄られ覚悟で職員室に入ろう。
GM:OK、頑張って弄ります。(笑)
ライル:「――失礼します」
コゼート:「あら、ライルさん? お仕事は捗ってますか?」
ライル:「ええ、取り敢えず、七不思議の幾つかは解決しました。
    まあ、とんでもないオマケも付いたし、
    肝心の幽霊に関しては、サッパリなんですが……」
コゼート:「そう……それで、私に何かご用かしら?」
ライル:「もう1件の最後の詰め……でしょうか。
    1つ、補強したい事がありまして……」
コゼート:「ええ、何でも訊いてちょうだい。
     答えられる範囲でなら、答えるわ」
ライル:「開かずの間にある、物置の中の人形……、
    ミュージックドールですが、アレは、
    何故、物置の中に置いてあったのですか?
    もう動かないのでしょうか?」
コゼート:「ああ、スアラ……あの人形のこと?
     あれは、この学院が、まだ共学だった頃に、
     備品として購入したものよ。
     で、女学院になった時に、古美術商に、
     引き取られる事になったんだけど、
     何故か、急に動かなくなっちゃったの。
     別に、壊れてるわけでもないのに……、
     だから、かわいそうだけど、物置の中にしまってあるのよ」
ライル:「と言うと、動かなくなったのは十年前という事ですか。
    あと、2体1組だったそうですが、もう1体の行方は?」
コゼート:「もう一体? ああ、ピアノを弾くタイプの方ね。
     あれなら、ちゃんと引き取られたわ。
     古美術商の人が買ってすぐに、別の人に売れたらしいわね。
     ええと、確か、アオ……いえ、アカサギだったかしら?」
ライル:「……っ!!」
    なるほど、これで辻褄が合った。
ケイオス:と言うか、何気に、不穏な名前が出たような?
綾:でも、その名前が出た事で、
  さらに、わたし達の推理に確証が持てるようになりました。
コゼート:「……それが、何か?」
ライル:「あと、もう一つ、もう一つだけお願いします。
    以前、古いピアノは、卒業生の所に贈呈したと言いましたよね?
    その、卒業生のお店の名前を、教えて下さいっ!!」
コゼート:「え? え? え〜っと……『蒼い瞳の淑女亭』よ」
     シナリオ冒頭で、副院長の爺さんと出会った場所です。
ライル:「あ、あそこか……!!」
ケイオス:ああ、そうかっ!!
     あの店で、私が覚えた既知感の正体は、
     店にあった、ピアノの音色だったか!!
ライル:「あ、ありがとうございました。
    それと、これは、個人的な質問になりますが、
    コゼートさんは、人形に想いが宿ると思いますか?」
コゼート:「そうね……そういう不思議なこと、あっても良いと思うわ。
     それにしても、流石は詩人さんってところかしら?
     ロマンチストなのね?
     アロエッテちゃんも、そんなところが気に入ったのかしら?」
ライル:「え、えっと、そ、そこはそれ、
    まあ、なんと言っていいのやら……、
    とりあえず、出会いのきっかけは、
    え〜と、お兄さんと瓜二つだったわけでぇ〜」(わたわた)
コゼート:「ふふふ、まあ、色々と頑張ってね。
     困ったことがあったら、義姉さんが、
     何でも相談にのってあげるから♪」
ライル:「『義』つきですかいっ」(真っ赤っか〜)
コゼート:「ああ、でも、アッチの方に関してはダメよ?
     そういのは、彼女さんと――ね☆」
     ちょっとおばさんっぽく「や〜ね〜」と手を振ってみたり。(笑)
ライル:「しません! するわけありませんっ!
    その、オレのハジメテは……ごにょごにょ……、
    ってか、何ですか、その井戸端会議な奥様な仕草わ〜!」
コゼート:「あらあら、いやだわ♪
     そんな、美人の若奥様だなんて〜♪」(やんやんやん)
ライル:「いや、確かに美人ですけどね。
    先手で言いますか、このお方わ〜!」(オレもある意味やんやんやん)
GM:では、コゼートとの話も終わり、
   ライルが職員室を出ると、バッタリと義父さんと出くわします。
ライル:「……っ!!」
    思わず背筋が凍る! 伸びる!(笑)
ケイオス:忙しいな、弟者。
GM:で、理事長は、ライルの顔を見るなり、
   にこやかに、とてもフレンドリーに手を握って、ブンブンとふってきます。
理事長:「やあ、ライル君! 仕事は順調かね?! キミには期待しているよ!」
ライル:「ええ、まあ、懸案の半分は片付きそうなんですが……、
    って、どうしたんですか、理事長ぉぉぉぉ〜っ!?」(困惑)
理事長:「どうしたもこうしたも、
    これからは長い付き合いになるんだし、
    友好は深めておかねばな。
    娘のこと、これからも、よろしく頼むよ」
ライル:「にょにょにょ!? あ、え、その……、
    昨日は、『認めてない』と仰ったはずではぁぁぁ〜!?」
    い、一体、何があったっていうんだ!?
    大体、あの頑固そうな人が、何で、一晩で、こんなに変わる!?)」
理事長:「いや〜、実は、昨夜、久しぶりに、夢で死んだ妻と会ってね。
    キミと娘のことを
『説得』されてしまったのだよ、はっはっはっ」
    と言う理事長は、
少しゲッソリしてたりする。(爆)


ケイオス:
そっちかぁぁぁっ!!
イルス:
なんだそりゃぁぁぁっ!!
綾:
どんな説得ですかぁぁぁっ!!


ライル:「な、なんですと!?
    えっと、この持ち主のお方!?」(アミュレットを見せる)
    というか、説得って、何されたんだ、このマイホームパパ!?
理事長:「そうそう。いや〜、昨夜は凄かったよ」
ペンダント:
「…………」(ポッ☆)
綾:
ペンダントが――
ケイオス:
――変色したぁっ!?(笑)
ライル:「は、はあ……その、所謂『いちゃいちゃラヴラブ』ですか?」
理事長:「はっはっはっ、まあ、そういうわけだから、
    わたしは、少し保健室で横になるとするよ」(笑)
    実は、今頃、出勤していた理事長は、
    ヨロヨロとした足取りで歩いていきます。
ライル:「お、お疲れさまでしたっ!」(思わず敬礼!!
理事長:「…………」
    ビシッと、サムズアップで答えて退場。
綾:ケイオスさんの、シリアスなシーンとの、
  ギャップが……ギャップが……、(ひくひく)
ライル:「夢じゃない、それ、本物だよ……理事長。
    だって、兄者にもいるし……」
イルス:ライルさん……強引に、シリアスに締めたね。
ライル:ええい、ほっとけ〜っ!!(泣)





―― PHASE-23 イルスへの手紙 ――


GM:次は、イルスと綾の場面です。
   時間は一気に進み、今は、お昼休みです。
イルス:お昼ご飯は、食堂かな?
綾:甘いですよ〜、イルスさん。
  こういう時は、お弁当と相場は決まっているのです。
イルス:そんなの用意してないよ。
綾:こんな事もあろうかと、ちゃんと作ってきました。
  もちろん、イルスさんの分もありますよ〜。
GM:では、弁当を広げるイルスの隣に座るメリルが、
   おずおずと話し掛けてきます。
メリル:「えっと、イルスく――ちゃん? ちょっと良いかな?」
綾:やっぱり、バレてるんですねぇ。
イルス:「うん? 何?」
メリル:「あ、あのね、イルスちゃんって……ホントは冒険者なんだよね?
    それと、多分、そちらの……鞍馬さんも」
イルス:「あ、あぁ……うん。
    まぁ、皆、分かってるかもしれないけど、公然の秘密が良いなぁ」
メリル:「だったら、もう知ってるよね?
    私が『あの手紙』を貰っちゃったこと……どうしたら良いと思う?
    返事を出した方が良いのかな? 無視した方が良いのかな?」
イルス:「あの手紙、ね……うん、ちょっと待ってね。
    何のことだかは、分かるけど……」
    ふむ、と考え込む。目下調査中だし、返答に困るなぁ。
綾:「(ぼそ)ねぇ、フォル……、
  『?』と書かれた手紙の噂に、心当たりはありますか?」
フォル:「不明 上手 歌 以外 興味 皆無」
綾:「知らない、上手い歌以外に、興味無い、ですか……、
  ちなみに、下手な歌には?」
フォル:「――唯一、死」
ライル:死、あるのみ? その場にいなくて良かった。(泣)
ケイオス:何処までも、容赦無いな。
イルス:「……そのままにしておくのが、良いと思うよ。」
綾:「そうですねぇ……、
  それと、アレ自体は恋のおまじない、みたいですよ?
  情報源がキリキリと白状してくださいました」
ケイオス:キリキリと白状させられました。(笑)
メリル:「で、でも、返事を出さないと、
    最近、噂の幽霊に会うって聞いたことあるし……、
    その逆で、返事を出すと、幽霊に会うって話も……」
イルス:「……あれ? 何だか、おかしなことになってる?」
    ケイオスさんの話とは違う、新情報だね。
綾:「ん〜、どういうことでしょう?」
  噂の内容が捻じ曲がるのは、良くある事です。
  でも、ここで、例の幽霊騒ぎと絡んでくるとは……、
イルス:「僕らの知ってるのと違う……まず、返事ってどこに出すの?」
綾:「メリルさん、返事の出し方は伝わってるんですか?」
メリル:「返事は、自分の下駄箱の中に、
    『!』って書いた手紙を入れておけば良い、って……」
イルス:「……そうなんだ」
    なるほど……こりゃ、どうしたもんか。
綾:付きっ切りで守る、って選択肢がないこともないけど……、
メリル:「……分からないなら良いの。
    ごめんなさい、食事の邪魔しちゃって……」
    と言い残し、メリルは、教室を出て行きます。
イルス:「あっ、ちょっと待って!」
GM:待たずに走って行っちゃいます。
   ちなみに、メリルは、早退したらしく、
   午後の授業からは出てきませんでした。
イルス:「あっちゃ〜……、
    で、実際なんなんだろうね、あの手紙……」
綾:「……どうしたものでしょうねぇ?」
イルス:「情報が足りないよ……もう少し時間が掛かりそう」
GM:では、さらに時間は進んで、下校時間となりました。
   イルスと綾は、寮に戻るわけですが……、
   なんと、イルスの下駄箱の中に手紙が入っています。
イルス:「……おや?」
綾:「イルスさん? どうしまし……あらら」
イルス:「な、何か、早速、来ちゃったよ」
    ぺらっと『?』マークの手紙を、1人と1匹に見せる。
綾:「来ちゃいましたね〜」
イルス:「……う〜ん、綾ちゃんは、どう動くのがいいと思う?」
綾:「とりあえず、ケイオスさんやライルさんと合流して考えましょう」
  正直、さっきのメリルさんとの会話で、
  この噂が分からなくなっちゃいましたし……」





―― PHASE-24 夜の作戦会議 ――


GM:では、時間は進み……、
   皆さんは、昨日と同様、夜の宿直室に集合しました。
ケイオス:うむ、では、情報交換の前に、
     一度、七不思議について、軽くまとめてみよう。
ライル:それも良いかもな……、
    情報が多くて、ちょっと混乱してきたところだし……、
ケイオス:じゃあ、一つずつ検証していこう。


<解決済みの七不思議>

・音楽室の動く鉢植え:正体はフォルビア
・開かずの扉:噂の原因は、転送装置である南京錠
・喋る肖像画:謎の研究所の関係者に挨拶する魔術画
・屋上の悪魔:ケイオスの黒翼の初発動

<未解決の七不思議>

・下駄箱の謎の手紙:噂の原因は、ケイオスの過去。
          だが、メリルの情報から、再検討を要する
・夜の音楽室のピアノ:今夜の調査で進展の可能性あり。
・夜の廊下で振り返ると自分がいる:情報無し


イルス:残る謎は3つだね……、
    でも、一番肝心なモノの情報が無いよ。
綾:依頼の本質は、一番最後のモノを解決する事ですからねぇ。
ケイオス:いや、手掛かりならある。
     メリル嬢の話では、どうやら、
     例の手紙の噂とも関係があるみたいだしな。
ライル:「で、まず、夜のピアノの件についてだが……、
    オレの推測が当たってるとすると、非常にデリケートな問題ではある」
ケイオス:「そうだねぇ……」
ライル:「誘導質問はせずに、敢えて、
    真正面から彼と話すのが賢明だと、オレは思う」
ケイオス:「確かに、なぁ……、
     変に誤解されると、話が抉れる可能性もあるしな」
ライル:「ああ……それに、できれば、彼の『想い』にも協力したいしな」
ケイオス:「……まったくだ」
イルス:「で、手紙の方だけれど……」
綾:「メリルさんと……イルスさんも、手紙を貰いましたね」
ケイオス:「その手紙に、如何に対応するべきか……、
     プランとしては、メリル嬢に張り付いて動向を見守るか、
     イルスの下駄箱に『!』と書いた手紙を入れて、
     様子を見守るか、になってきそうだが……」
綾:「今から、メリルさんの下駄箱を確認して……、
  『!』の手紙が入ってないようなら、
  イルスさんが返事を出して、両方のケースで確認しましょうか?」
ケイオス:「ソレが妥当か……」
イルス:「そうだね……あと、下駄箱には、
    ナーフも張りつけて置こう……暇でしょ?」
    と、欠伸してるナーフに言う。
綾:「じゃあ、わたし達は、メリルさんの部屋にお邪魔してきますか」
イルス:「行く? 早退してたよね、メリルさん」
綾:「だからこそ、多分、部屋に居ると思いますけど
ライル:「冒険者とバレている以上、そっちの方が信頼はされるな」
ケイオス:「ほんじゃ、ソレで行こうか。
     何か、こっちで発生したら、ナーフをそっちへ送るよ」
ライル:「ああ、それじゃあ、オレ達も下駄箱にいこう」
イルス:あ、下駄箱までは一緒に行くよ。
    ちゃんと『!』の手紙を用意してね。





―― PHASE-25 お友達募集中? ――


GM:皆さんは、校舎の下駄箱へとやって来ました。
   昼間とは打って変わって、周囲は、シ〜ンと静まり返っており、
   夜の学校独特の不気味さを醸し出しています。
ライル:「夜の学校か……幽霊には慣れてるつもりだったんだが……、
    やはり、薄気味悪いものは薄気味悪いな」
綾:「さて、メリルさんの下駄箱は、っと……」
GM:クラスメイトですから、すぐに見つかります。
   メリルの下駄箱の中には、手紙は入れてありません。
綾:「返事はしていないようですね」
イルス:「じゃあ、僕の下駄箱に、手紙を入れておくよ」
ライル:「さて、これで、相手がどう出るか……、
    それじゃあ、彼女の護衛を頼むぞ、綾っち、イルス」
綾:「は〜い。じゃあ、イルスさん、行きましょうか」
イルス:「うん……」
ケイオス:「よろしく頼んだよ」
綾:「ライルさん、ケイオスさんも気をつけてくださいね。
  お互い、絶対に安全って訳にはいかないですし」
ライル:「ああ、何より命を大事にするのが家訓だからな」
ケイオス:「そっちこそ、気をつけてな」
     と、下駄箱を監視できる暗がりに、弟者と待機しよう。
GM:では、メリルの護衛に向かうイルスと綾を見送り……、
   ケイオスとライルが監視を始めて、
   暫くすると、下駄箱に近付く人影を発見できます。
ライル:「……来た?」
    身構えつつ、体を伏せる。
ケイオス:迷わず、手紙を入れた下駄箱へ近づく感じか?
GM:はい、まずは、メリルの下駄箱を開け、中を確認し、
   事が無い事を知ると、ガックリと肩を落とします。
   そして、次は、イルスの下駄箱に向かいます。
   イルスの下駄箱を開け、返事があるのを見ると、
   遠目から見ても分かるくらい、嬉しそうに飛び跳ねてます。
ケイオス:足音を殺して接近できるか?
     あと、もちろん、ハンドライトは持ってるよな?
GM:できますよ。判定の必要なし。
   あと、夜の行動だから、ライトくらいは持ってるでしょう。
ケイオス:「弟者、逃げ出しても、そちらへ向かうようにする。
     そっちへ向かってきたら、宜しく頼む」
ライル:「頼むぜ……こっちは鎧付きだから、迂闊に動けない」
ケイオス:「……何を、しているのかね?」
     と言いつつ、ピカッと、ライトで相手を照ら。
GM:では、ライトの光に照らされ、
   眩しそうに手をかざす、相手の姿が、曝け出されます。
   で、その姿を見て、多分、ライルは、かなり驚くんじゃないかな?
ライル:――は?
GM:なんと、そこにいるのは、お久しぶりの
アロエッテです。
ライル:
「なんですとぉぉぉぉっ!?」
ケイオス:「貴様、何者だ? 返答によっては、
     ここで、その命を散らしてもらう……ぞ?」
ライル:「ちょ、ちょいマテ、落ち着け!
    何故、彼女がここに……って、ええい、考えてもしかたねえ!!」
GM:見つかったと知ると、アロエッテは、
   「はうっ!?」と声を上げて、スタコラサッサと逃げていきます。
ライル:「アロエッテ! 待ってくれ!
    オレだ!! ライルだああああっ!!」
    追うぞ! とにかく追うぞ! ガシャガシャドスドス!!
ナーフ:『何だい何だい、何てこったい……』
    取り敢えず、ナーフも追い駆ける。
アロエッテ:
「ひあ〜っ! ごめんなさいなの!
      
許してなの! もうしませんの〜!」
一同:
――はあ?
ライル:アロエッテって、あんな喋り方だっけ?
ケイオス:妹者については、
     私よりも、お前の方が、詳しいだろう?
ライル:うっ、まあ、そうだが……、(汗)
    何だか、よく分からんが、
    とにかく、彼女に話を聞いてみるしかないか。
ケイオス:「止まらなければ攻撃を開始する。
     止まるのならば……貴様の言い分を聞こう!」
ライル:「待て、彼女は怯えてる。ここはオレに……」
ケイオス:「……了解、任せた」
ナーフ:『あ〜、どうする? とりあえず、
    メリルは問題ないって、イルス達に伝えてくるか?』
ケイオス:「そうだな……頼む」
ナーフ:『へいへ〜い』(ぱたぱた)
GM:(綾がいないのに、普通に意思疎通してるし……、
   まあ、いいか。ナーフだし……)
ライル:「おーい! オレ達は何もしない!
    とにかく、話を聞かせてくれ〜っ!」
    盾を床に下ろして、両手を上げて、攻撃の意思無しを示す。
GM:ライルがそう言うなら、アロエッテは、ピタッと足を止めます。
   そして、恐る恐るといった感じで、振り返ります。
アロエッテ:「……い、いぢめる、なの?」
ライル:「いや、いじめないさ。
    ただ、キミの話を聞きたいだけだ」
    そう言って、ドカッと床に腰を下ろす。
    「さあ、きりきり訳を話してくんねえ!」
アロエッテ:「ご、ごめんなさいなの。
      悪気は無かったの。お友達が欲しかっただけなの」
ライル:「お、お友達……ですか?
    とりあえず、こっちからの質問いいですか?
    キミ……アロエッテ、だよね?」
    アロエッテにしては、随分と、慌てん坊さんな口調なんだが?
アロエッテ:「違うの、あたち、ユーフラジー……」
      と言うと、アロエッテの身体がドロドロと解けて、
      赤い粘体……いわゆる、スライムになります。
      ちなみに大きさは、クッションくらい……、
      大人が抱えるのに丁度良いくらいです。
一同:
スライムぅぅぅ〜っ!?
GM:まあ、スライムと言っても、ぷよ○よみたいな、
   でっかいの目のある可愛いタイプと思ってください。
ライル:「ぬ、ぬなぁぁぁぁっ!?」
ケイオス:「……落ち着け、弟者」
ライル:「あ、兄者!! オレの頭を一発ガツーンとやってくれ!」
ケイオス:「ったく……あいよ」
     学校なので、スリッパではたこう。
ライル:「うぼわっ!! ふう〜……ちくしょう、何か癖になりそうだ」
綾:あの〜、わたし達も、そろそろ登場しても良いですか?
GM:はい、良いですよ。
   ナーフに連れられ、綾とイルスも合流です。
イルス:「ライルさ〜ん、ケイオスさ〜ん、わかったって〜?」
ケイオス:「ああ……詳しく聞かないとわからないが、
     手紙と足音に関連しているかもしれん」
綾:「うっ、赤いぷよぷよしたスライム……?」
  ちょっと身構えるが、敵意が無いのを見ると、普通にしておきます。
ナーフ:『おろ? アロエッテじゃないと思ってたけど……、
    こりゃ〜、見事なスライムだこと』
綾:「――で、何してるんですか?」
  と言いつつ、スリッパではたかれるライルを撮る
ライル:「で、君の名前はユーフラジーちゃんでいいのか?」
ユーフラジー(以下ユーラ):「はいなの、ユーフラジーなの」
ライル:「そっか、オレの名前はライル、ちなみに音痴じゃねぇぞ。
    で、隣にいるのはケイオス、胡散臭いが、いいお兄さんだ」
ケイオス:「胡散臭いって……強気で否定できんのがアレだが」
ライル:「で、今、来たのが、綾にイルス……まあ、多分、君は分かってそうだけどね」
イルス:「……じゃあ、この子が手紙を?」
    ユーラを、軽くつついてみる。
綾:「ん〜……」
  ぷるぷるしてそうなので、なんとなく撫でてみたりする。
ライル:「それで、だ……先ず言っておく。
    君のいう事は全面的に信用する。
    だから、君が何処から来たか、
    何故、ああいう手紙を知ったのか教えて欲しい」
ユーフラジー:「あの手紙は、全部、あたちが書いて出したの。
       研究所から出て来てから、ずっと、一人ぼっちだったの。
       寂しかったの。お友達が欲しかったの。
       だから、色んな人に手紙を出して……、
       返事があったから、友達になってくれるのかと思って……、
       それで、返事をくれた子と同じ姿になって近付くと、
       みんな、悲鳴を上げて逃げちゃうの」
ケイオス:……思わぬところで、謎が2個解けたな。
     ユーラが言う、研究所ってのが気になるが……、
     もしかして、フォルビアと同じ場所か?
GM:はい、詳しく聞けば、フォルビアと同じ研究所だと分かります。
   で、まあ、説明が面倒なので、サクッとバラしちゃいますと、
   この子は、あのナナセリアンの原型ともいえる実験体の1体だったりします。
ケイオス:なるほど……だいたい、納得できた。
     ユーラが、研究所から出て来れた理由も、な。
     おそらく、我が組織では、ナナセリアンの開発を、
     随分と前から進めていたんだろう。
     で、ユーラ達がいた研究所から、資料を拝借して……、
     その時に、偶然、研究所から出てこられた、ってところか?
GM:まあ、そんなところです。
ライル:「ふむふむ……そりゃダメだ。
    相手と同じ姿をしたら、さすがに怖くなって逃げちゃうよ」
ユーラ:「……そうなの?」
    と言うと、ユーラはイルスに変身すると、上目遣いで皆さんを見ます。
綾:「そうそう、自分と同じ顔の人は、
  滅多に居ませんしね……うっ」(←イルスビームに貫かれ)
イルス:「うん、同じ姿だと、
    ちょっと、びっくりしちゃうね……わわっ」
ケイオス:「人間は、基本的に『自分と同じ存在』は<
     自分以外存在しないと無意識に思い込んでいるからな。
     自分自身と瓜二つの存在が、前触れ無く現れれば、
     恐慌をきたしてもおかしくはない」
ユーラ:「お友達になってくれる?」
    さらに、口元に軽く握った拳を当てつつ。(笑)
ライル:「ああ、そりゃ構わん……うん、大いに結構だ!」
ナーフ:『まぁ、大体、概要は分かったな。
    そこの兄ちゃん、自重しろ』(げしっ)
ライル:「――へぐっ!!!」
ケイオス:「(溜息吐き)……別に構わんよ」(苦笑)
イルス:「……うん、いいよ。お友達になってあげる」(なでなで)
綾:「うん、わたしも構いませんよ?」
  ユーラを撫でているイルスを、こっそり撮る。
  傍から見れば、双子ですし。
ライル:「まあ、俺達に会ったのが奇遇というか、ご縁だったんだな」
ユーラ:「ひぐっ、ふえ……うえ〜んっ!!
    やっとお友達ができたの! 一人じゃ寂しかったの〜!」(号泣)
ライル:「あ〜、ユーラちゃん、一つ言っておく。
    その姿は、何というか、万国共通のお友達スタイルっていうのか……、
    その……怖いお兄さんまで引き寄せちゃうからな。気をつけろ」
ユーラ:「ぐすっ……これじゃダメなの?」
    絶対領域ギリギリまで、スカートを上げる。(爆)
ライル:「ダメェェェェェっ!!
    絶対ダメ!! それ、ホントにヤバイですよ、先生!!」
    ってか、そういうふしだらな事は、お兄ちゃんは認めませんっ!!」
イルス:「う、うん! 今のは危ない! 危ないから!」
ケイオス:「……何処で、その手の知識を覚えたんだ、君は」
綾:
スカート上げ? 撮りますっ!
一同:
撮ったーっ!?
イルス:や、やった!? さすが綾ちゃん!
    おにーさん達に出来ないことを、平然とやってのける!
綾:借金を返さないといけないのですっ!
ライル:全ては借金が悪いのか……、
ケイオス:「ところで……あの手紙の事を、君は、どこで知ったのかね?」
ユーラ:「この学院の子なら、みんな知ってるの。
    有名なの。ユーラ、字が書けないから、ああしたの」
ケイオス:「…………」
     がぁん、と壁に頭を打ちつけた!
ライル:「お〜い、兄者〜? オレの専売特許を盗るなよ。
    まあ、とにかく、ユーラは、噂での知識を活用したというわけか。
    で、さっきの女の子(アロエッテ)は、何処で知ったんだい?」
ユーラ:「前に、ここに来たことがあるなの」
ライル:「えっ? そうなのか……まあ、親父さんが理事長だしな」
綾:「今まで見知った人なら、何でも変身できるんですかねぇ。
  だったら、何気に多才ですよ」
イルス:「多才ではあるけど、知能が幼気だから、
    器用なことはできそうにない、かな?」
ユーラ:「あのね、お友達なったなら、あたち、遊んでも良いなの?
    この学院の皆と遊んでも良いなの?」
イルス:「……ほら?」
ライル:「まあ、そこらへんは、先生の判断なんだが……、
    俺達からも、言っておくよ」
綾:「ちなみに、ユーラ? その変身って、
  どいれぐらいの間を維持……というか、変身したままでいられるんですか?」
ユーラ:「変身は、ずっとしていられるなの。
    でも、火は苦手なのね。戻っちゃうなの」
綾:「火がダメ、となると……、
  人間に成りすましちゃう、というのは難しいですかね?」
ライル:「まあ、友達として付き合うぶんには、
    スライムのままでも良いんじゃね〜かとは思うがな」
ナーフ:『器用さが足りない。人間に溶け込むってのは生易しいもんじゃない。
    弱点もある以上、でかい場所に紛れ込むには、ちょっと無理がありすぎる』
ケイオス:「価値観は、人それぞれ……、
     人によっては、ユーラは、魔物以外の何者でもないからな」


 今後の、ユーラの扱いについて、悩む一同。

 本当は、もっと、PC主動で、
問題を解決してもらいたかったのだが……、

 かなり長時間プレイしている事に気付き、
GMは、話の展開を、ちょっと早める事にする。


GM:では、皆さんが、そんな話をしていると、
   いつの間にやって来たのか、
   メリルが、恐る恐る近付いてきます。
メリル:「あ、あの……」
ライル:「おう? メリルさん」
ケイオス:「……む? 来てたのかね?」
メリル:「す、すみません、盗み聞きするつもりはなかったんですけど……、
    イルスちゃん達が走って出て行くのを見て……」
ライル:「まあ、一から説明するよりは、
    聞かれた方が、ずっと手間が省けるさ」
ケイオス:(この少女が受け入れるようならば、未来はあるが、
     拒否をするのであれば、やはり溶け込むのは難しいだろうな)
メリル:「もし良ければ、その子のこと、私に任せてもらえませんか?」
イルス:「任せて、って言うと?」
ケイオス:「……もし良ければ、意図を聞かせてもらっても宜しいかね?」
メリル:「私も、その、あまり、友達とかいなくて……、
    でも、二人でなら、頑張れるかな、って……、
    その子の話を聞いて、私、凄いと思いました。
    一人は寂しくて、だから、友達が欲しくて……、
    ずっと、ずっと、今まで頑張ってた、ユーラちゃんは凄いな、って……、
    だから、私も、ユーラちゃんを見習って、頑張りたい、って思ったんです」
    もちろん、その子の秘密は、いずれ露見すると思います。
    それでも、その子が受け入てもらえるように、皆と話し合います」
    そう一気にまくし立てると、彼女は「!」と書いた手紙を出します。
ケイオス:「それは……」
メリル:「ずっと迷ってたんです……、
    そして、考えて、考えて……出した結果が、これです。
    ちょっと遅くなっちゃいましたけど……」
ライル:「正直、異形の者との付き合いは、
    本人の意図がどうあれ、色々といらない事を言われるもんだ。
    それでも、君は……この子と友達でいたいか?」
メリル:「はい、大丈夫です。だって……、(スライム状に戻ったユーラに抱きついて)
    ほら、こんなに可愛いじゃないですか。
    きっと、みんなも、いつかは受け入れてくれると思います」
綾:「露見するのは避けようが無いですけど……、
  教師さん達には、始めに事情を説明しておいた方が良いですよね?
  問答無用で退治とかされたら、元も子もないですし」
ライル:「んじゃ、明日にでも、学院長に言ってみるか」
ケイオス:「……そうだな、後は大人の仕事だ」
イルス:「そうだね……ユーラ、そういうことだから、
    君はもう、一人にはならないよ」(なでなで)
ユーラ:「はいなの、うれしいの♪」
ナーフ:『とか言ってよ、イルス……、
    お前、あまり楽観視してねぇだろ?』
イルス:「……正直なところ、ね」
ケイオス:「その危惧は分かるがね……、
     とは言え、ここは、メリル嬢に任せてみようじゃないか。
     なに、ここの学院長達なら、きっと悪いようにはしないさ」
綾:「そうですねぇ……」
ライル:「なにはともあれ……、
    これで、未解決の七不思議は、残り1つだな」
ケイオス:「この時点で、実質、依頼は完遂してるわけだが……、
     ここまで来たら、コンプリートしたいしな」





―― PHASE-26 スアラとランティス ――


ケイオス:さて、次は、音楽室に行ってみるか?
ライル:そうだな、七不思議の最後の1つ……、
    決着をつけにいこう。
綾:「じゃあ、メリルさん……、
  わたし達は、ちょっと音楽室に寄ってから帰りますから〜」
メリル:「はい、おやすみなさい」
    と、取り敢えず、猫に変身したユーラと寮に戻ります。
ライル:「ああ、そういう手があったか〜」
GM:というわけで、皆さんは、音楽室に向かいます。
ケイオス:「さて、昨日の今日だし、
     探られているのを分かっていないとは思えんが……、
     だが、もし『探られる』事よりも優先される事だとすれば……」
GM:はい、特別棟に向かうと、
   微かにピアノの音が聞こえてきます。
   まあ、一度、聴いた事もありますし、バードだし、
   ライルは、その音色から、間違いなく、ランティスの演奏だと分かります。
ライル:「間違いない。あの音色は、ランティス先生のものだ」
ケイオス:「……どうやら、何よりも優先すべきこと、みたいだね」
ライル:「それだけ想いが深い、ということか……」
ケイオス:「で、どうする? 踏み込むかね?」
綾:「それとも、まずは様子を見ますか?」
ライル:「こそこそしていても仕方ないしな。
    こちらも、手の内を晒してぶつかってみるさ」
イルス:「その前に、ちょっとだけ覗いてみようよ」
GM:音楽室の中の様子を窺うなら、あの物置から運んできたのか、
   ピアノの傍らには例の唄う人形『スアラ』があり、
   ランティスはが、ピアノを一心不乱に弾き続けています。
   しかし、一向に、スアラが唄う気配はありません。
ライル:「怖いくらいに、ドンピシャ……だったな」
GM:そして、一曲を弾き終わると、
   ランティスは、バーン!と鍵盤に手を叩きつけ……、
ランティス:「何故だ、スアラ! どうして、唄ってくれないんだ!?
      どうして、あの頃のように、
      キミの歌声を聴かせてくれないんだ!!」
ライル:「そろそろ、頃合い……か」
    全員で、音楽室の中に入ろう。
ランティス:「キミ達か……そろそろ、嗅ぎ付けてくる頃だと思っていたよ。
      それで、私をどうするつもりだ?
      破壊するのか? それとも、あの人形師の元に連れて戻るのか?」
      音楽室に入って来た皆さんの姿を見ても、
      ランティスは、特に驚いた様子なく、開き直ったような態度を見せます。
ライル:「いや、そんな無粋な真似はしませんよ」
ケイオス:「説得力は無いかもしれんが、そんなつもりは欠片もないよ。
     私自身、君達には世話になったしね」
ライル:「オレ達は、ただ真実を知りたいだけ……、
    そして、できれば、惚れた相手に悩みまくる人の手助けをしたいだけです」
ランティス:「その様子だと、もう気付いているのだろう?
      わたしが、人間ではないと」
ライル:「はい、最初は普通に『おや?』と思っただけですが……、
    まあ、ひた隠しにするつもりのない秘密は、
    自然に分かってしまうものなんですよ」
ランティス:「真実、か・・・おおよそは、君達の推測通りだよ。
      そして、邪魔するつもりがないなら、
      ここで見聞きしたことは、全て忘れて、
      私達の事は放っておいてくれ」
イルス:「……まぁ、現状、それが一番なんだろうけどね。
    僕達に、何が出来るというわけでもないし」
ライル:「ちっちっちっ、そいつは、ちと受け付けかねる要望ですね。
    もしかしたら、解決の糸口が見つかるかもしれないってのに、
    ここで引っ込むってのは、こっちも寝覚めが悪いんですよ」
ランティス:「じゃあ、キミ達に何が出来ると言うんだ?
      スアラは壊れていない。なのに、何故、唄ってくれない? 
      わたしは、ただ、彼女の歌が聴きたいだけ……、
      あの頃のように・・・なのに、何故・・・」
綾:「そういえば、フォル……、
  アルナワーズさんに運ばれて、ここに来たって言ってましたね。
  ランティスさん達の事、知ってるかなぁ?」
フォル:「認知、二体 人形 歌 演奏 最高」
ライル:「二人がいたことは知っている、歌も演奏も最高だったよ、か」
綾:「『二人』を知ってる……、
  スアラさんが唄わなくなった理由とかも知ってると凄いですよね。
  流石にそんなことないでしょうけど……」
フォル:「……不明、謝罪」(ぺこ)
綾:「いえいえ、わたしこそ、わからない事まで聞いてごめんなさい」
ライル:「あの頃……アップライトピアノがあった頃、ですか?」
ランティス:「ああ、そうだとも。だが、わたしの腕が衰えたとは思えない。
      寧ろ、さらに向上したはずだ。
      ピアノだって、より美しい音色を醸し出すものだ。
      なのに、スアラは……」
ライル:「そこがですね、オレも疑問なんですよ。
    ただ、想いってやつは、時に、技術は理屈もへったくれもない場合があって――」
ランティス:「……ああ、そうだね。
      キミが言うと、とても説得力があるよ」
ライル:「ううっ、なんか、微妙に複雑なんですが……、
    ってか、そもそも、人形のはずの貴方が、
    恋をして悩むという自体が不思議!!」
ランティス:「大きなお世話だ!」
イルス:「まったくだね」
綾:「物である筈のモノに宿る心、ですかぁ」
ライル:「し、失礼しました! と、とにかく、世の中ってのは、
    それこそ、理屈を超えた事象ってのは山ほどあるわけで、
    もしかしたら、貴方の腕云々の問題ではないか、と」
ランティス:「わたしの腕ではない?
      では、一体、何だと言うんだ!?」
ケイオス:原因は、だいたい、予測は付くのだが、確証を得たい。
     GM、かつて、ここにあったピアノの特徴とか、思い出せるか?
GM:では、M値で判定してください。目標値は12です。
ケイスオ:ブーストして(ころころ)よしっ、16だ。
GM:では、ケイオスは、ピアノを弾くランティスと、
   その傍らに立つスアラの光景が、確かに、過去の記憶と合致し、
   ランティスことが、もう一体の人形だと確信できます。
   ただ、一つ違和感を覚えます。何かはハッキリしませんが、
   その違和感は、先日『蒼い瞳の淑女亭』で感じたモノに似ています。
ケイオス:「……そう言う、事か」
ライル:「ん? どうした、兄者?」
綾:「そういうことって……どういうことです?」
ケイオス:「いやな、閃いた。
     正直、思いつきに近いも同然であるがな。
     彼女が歌わない事、それは、君の腕でもなければ、想いが足りないわけでもない。
     今、君が弾いているピアノにあるんじゃないのかね?」
ランティス:「このピアノが?
      しかし、これは、以前の物よりも、ずっと良い物だぞ?」
ライル:「だが、新しい物が、必ずしも『良い』とは限らない」
ケイオス:「品質は、この際関係がないんだろう。
     『あのピアノ』である事が条件であり、
     彼女が目覚める必要なファクターな可能性が高い。
     君も、思い当たる節があるんじゃないのかね?」
ライル:「長年使われてきた、ましてや、
    沢山の人の手によって愛されてきたものに、
    『魂』が無いと、言い切れますか?」
ランティス:「確かに、そう、なのかもしれないが……、
      しかし、あのピアノの行方は……私には……」
ケイオス:「いや、ソレが……な」
ライル:「えっと、その……あるんですよ」
ランティス:「あのピアノが何処にあるか知っているのか!?
      何処なんだ、教えてほしい!」
ライル:「『蒼い瞳の淑女亭』……、
    このピアノが入ってくる時、廃棄するのは可哀想だってことで、
    そこに寄贈されたんです」
ランティス:「その店なら、よく副院長から名前だけは聞いていた。
      ああ、なんだ……まさか、こんなに近くにあったなんて……」
綾:「じゃあ、どうします?
  ランティスさん? 行ってみます?」
ライル:「もう、閉店してるかな?」
イルス:「ちょっと迷惑な時間かな? まぁ、いいよね」
ランティス:「すまない、案内してもらえないか?
      あの店は酒場だ。こんな夜中でも、まだ開いているかもしれない」
ライル:「うっしゃ、だったら、急ぎましょう!!」
綾:「では、不肖この鞍馬 綾!
  店が、まだ開いてたら、ピアノを確保してきま〜す!!」
  だーっしゅ! だーっしゅ! だんだんだだん♪
ケイオス:「……速いなぁ、おい」
ライル:「いやはや、まるで、オレ達、亀みたいだ」(笑)
ケイオス:「じゃあ、綾には、途中でサボってもらわないと、私らは勝てないな」
ライル:「それでも勝てるかどうか、激しく疑問ではあるがな」
イルス:「にしても……みんな、おせっかいが好きだよね」
ケイオス:「何、この残酷な世界で、
     たまにはドラマチックに再会できる恋人がいてもよかろうよ」
イルス:「まあ、そうだね……」
ライル:「で、そのおせっかいに付いてくる少年は何処のどちらかな?」
イルス:「……僕、割と頼まれないとしない人だからさ」
ライル:「まあ、おせっかいが功を奏すなら、やるに越した事はないさ」
イルス:「功を奏すなら、ね。」
ライル:「そこのアル中、ニコ中の社会復帰に比べりゃ、充分楽だろ〜」
ケイオス:「――待てい!」(裏手ツッコミ)
イルス:「ごめん、僕も、そう思う……」
GM:では、そんな会話をしつつ、例の店に向かいます。
   ランティスは、スアラを抱き上げて、皆について行きます。
   で、店に到着すると、ランティスは、
   スアラを抱えたまま、あのアップライトピアノへと向かいます。
   まばらにいた客は、突然、人形抱えて入ってきた男を怪訝そうな顔で見ています。
綾:「ふっふっふ……人の恋路は邪魔しちゃいけないんですよ?」
  ピアノの前で、腰に手を当てながら、不敵に笑って立っています。
ケイオス:「急な訪問な上、唐突な願いで恐縮ではあるのだが、
     ちと、ここのピアノを貸して頂きたいのだが……よろしいかね?」
女店主:「え、ええ……構わないけど……、
    あの人形って、確か、学院にあったスアラよね?」
ケイオス:「ああ、スアラだ」
ライル:「はい、もしかしたら、動くかもしれないんです」
女店主:「そうなの? そういうことなら、協力は惜しまないけど……」
    と言いつつ、ピアノへと促してくれます。
ライル:「さあ、ランティス先生」
ケイオス:「道は作った。後は、君の仕事だよ」(肩ポン)
綾:「さあさあ、眠り姫に、目覚めの歌を奏でてあげてくださいな♪」
ランティス:「さっきは、失礼なことを言ってすまない……感謝する」
      スアラを傍らに置き、ランティスは、席に着きます。
      「ああ、間違いない……これだ、この感触だ……」
      まるで、昔を懐かしみ、
      思い出を噛み締めるように、演奏を始めます。
      そして、その演奏にあわせ……、
      長い年月を越え、スアラが唄い出す。


 と、このシーンに合わせ、GMは、
軽い演出として、用意しておいたBGMを流す。

 ――曲は『トモシビ アコースティックver』。


ライル:「お、おお……」
    ちい、GMめ……心憎い演出を……、
綾:「……わぁ」
  ここまで来たら、わたし達は、ただの観客ですね。
ライル:「いつかは……この二人のように、なれるのだろうか」
    唄い、演奏する二人の姿に、
    思わず、自分とアロエッテを重ねてしまうぞ。
GM:一曲、二曲、三曲……、
   次々と、ランティスは無言で演奏を続け、スアラは唄い続けます。
   まるで、今までの時間を取り戻すかのように、
   いつまで、いつまでも、演奏は続く。
ライル:「ちい、ったく、目が妙にぼやけやがる」
GM:そして、皆さんは気付きます。
   いつのまにか、ランティスが、ピアノを演奏するだけの、
   ただの人形に戻っていることに……、
ライル:「――っ!? ランティス先生!!」
綾:「ランティス……せんせい?」
GM:『人形』は、何も答えません。
   ただ演奏を続けています。
イルス:「戻っちゃったみたいだね……在るべき姿に」
ライル:「また一緒になれたんだ。
    もう『人間』である必要はないんだよな」
ケイオス:「……向こうに行っても、達者でやれよ。(カウンター席に座る)
     マスター、一杯もらえるか?」
女店主:「まさか、こんな不思議なことがあるなんて……、
    ええ、今夜は、奢らせてもらうわ」
綾:「マスター、わたしも一杯下さい……ミルクで」
ライル:「もし、できれば……、
    このまま、二人をここに一緒にしてあげられないかな?」
イルス:「……いや、むしろ、一緒じゃないといけないと思う」
女店主:「ええ、わたしもそう思っていたのよ。
    明日にでも、学院に行くことにするわ。
    その時は、一緒に、今夜の出来事を説明して貰えるかしら?」
ライル:「はい、それはもう是非!!」
綾:「さて、それはわたし達の腕次第、ですよね?
  物凄い無粋ですけど……ぶっちゃけ、教師に一人穴が出来ちゃいましたし」
イルス:「まぁ、それはどうにもならないから、向こうで何とかするしかないね」
ライル:「それじゃあ、今夜は、オレも兄者に付き合うよ。
    たまには、慣れない事も経験しとかなきゃな」
綾:「ライルさん、そんなに強くないんですから、控えめにしてくださいね?」
ライル:「だ〜いじょうぶっ、付き合い程度に抑えておくから〜……ういっく」
綾:「ライルさん、早速、酔っ払ってる気がします」
イルス:「ふあ〜、眠いや……帰ろう、ナーフ」
ケイオス:「ま、アレだな……ガラじゃないが……、
     二人の新しい門出に乾杯、といったところかね」
     グラスの氷が、カランと音を立てた。
GM:では、ランティスの演奏と、スアラの歌声の中……、
   静かな宴は続き……夜が明けます。





―― PHASE-27 そして、夜が明けて ――


GM:では、翌朝になりまして……、
   女店主と一緒に、昨日よりも、さらにやつれた理事長のところに行き、
   スアラの件と、あと、ユーフラジーに関しても、話を終えた事にしましょう。
一同:
さらにやつれてる〜!?
ケイオス:「……理事長、良い栄養ドリンクを知っているのだが……どうかね?」
     あまりにもエライ事になってるので、思わず聞いてみる。
イルス:「お、お大事に……?」
理事長:「いや、大丈夫大丈夫……、
    まだまだ、若いモンには負けんよ」(げっそり)
GM:自分でやっといて何ですが……、
   先のシーンの後だけに、色々と台無しにした気分です。
ケイオス:うむ、台無しだな。(笑)
ライル:「えっと、あんまり体力使わせるのは程々に、ですよ?
    って、ペンダントに言っても仕方ないんだが……」
ケイオス:母者のペンダントの色ツヤが、ステキな事になってそうだな。(笑)
ライル:一体、シャハルナーズさんって、どんな人だったんだ?
    そりゃ、アロエッテやマリユスさんのお母さんなんだから、
    普通に、まともなんだろうけど……、
GM:まあ、それはともかく、理事長への報告も終わり、
   これで、依頼は完遂したわけですが……、
ライル:GM、学院を去る前に、学院長と話がしたいんだが?
綾:……わたしも、です。
イルス:じゃあ、僕は学院寮に行って、
    ユーラちゃんの様子を見に行っていいかな?
GM:わかりました……で、ケイオスは?
ケイオス:「皆、まだ、ここに用事があるのか?
     んじゃ、私は、例の酒場ででも待ってるよ。
     ここで待ってても、手持ち無沙汰だしね」
ライル:「そうか、すまんな。そこで待っててくれ。
    正直、先にある闇を見るのは怖い。
    だが、それを見なければ、更に先は見えそうにないんでな」
ケイオス:「…………」
     手をヒラヒラと振って、その場を去る。
GM:では、イルスの方から処理していきましょう。
   イルスが学院寮に行くと、既に、ユーラ(スライム状態)は、
   寮生達に引っ張りだこになってます。
生徒A:「や〜ん、可愛い〜! やらわか〜い!」
生徒B:「つ、次、私の番ですわよ!」
生徒C:「はやくはやく〜!」
メリル:「はうはうはう〜……、
    私が最初のお友達なのに〜」
    その様子を見て、泣きつつも、とても嬉し楽しそうです。
イルス:「あはは……どうやら心配は要らないみたいだね」
    やっほ〜、と、メリルちゃんに笑いかける。
メリル:「はい、みんな、ユーラちゃんを認めてくれたみたいです」
ユーラ:「うれしいの、たのしいの……でも、ちょっと苦しいの〜」
イルス:「ありゃりゃ、ちょっと乱暴っぽいよ……まぁ、いいや。
    とりあえず、幽霊騒ぎが、これで落着したから、
    そろそろ、僕らは出ることになったんだ」
ユーラ:「えっ、そうなの? もう行っちゃうなの?」
    ユーラは、女生徒達の腕の中から、
    ポンッと脱げ出して、イルスに寄って来ます。
イルス:「うん、折角、友達になれたのに、ごめんね。
    まだ、やる事が、色々とあってさ……」
ユーラ:「そうなの……でも、また会えるなの。
    みんなにはお世話になったの。ありがとうですの」
    うにゅにゅとイルスに変身して、
    『女の子らしく』スカートの両端を摘み上げて、上品に頭を下げます。
一同:流石だ、やってくれるっ!(笑)
イルス:「ま、まぁ、そういうわけだから……また、来るよ」
    に、似合ってるし……何か、ちょっとだけしょんぼりした。
    で、そんな僕の肩で、ナーフが腹抱えて笑ってる。
ユーラ:「この姿、気に入ったの。これからも使わせてもらうの。
    大丈夫、区別できるように、ちゃんと『ついてない』の」
    と、証拠を見せようと、スカートをたくし上げたところを、
    慌ててメリルが止めています。(爆)
イルス:「わ、わ〜っ!? そんなことしちゃ駄目〜!」
一同:良いキャラだな〜。(笑)
ユーラ:「ばいばいなの。また会うの〜」
イルス:「……うん、またね。
    みんなも、短い間だったけれどお世話になりました」
    寮の生徒達にそう言って、お辞儀をする。
寮生達:「また、いつでも来てね〜♪ イ・ル・スちゃ〜ん♪」
イルス:「……じゃあ、ケイオスさんが待ってる店に行こうか、ナーフ」
ナーフ:『あらゆる意味で、イイ連中だったなぁ』
    しかし、案外、根っこまで、
    愉快とご都合主義なのかもな……世の中ってよ』
ライル:いい学校だな〜……、
    冒険が終ったら、復学したらどうだ?
イルス:ここ、女学院だから! 僕、男だから!
GM:聖モントレイユ女学院の生徒名簿に載った、唯一の男……、
   その名は『イルス=クークルー』。(笑)
イルス:うわ〜っ! なんか、消せない経歴を作られた〜っ!!
    ケイオスさん、後輩として、今後とも宜しく〜っ!(泣)
ケイオス:あっはっはっはっ!
     先輩、後輩、ともに中退だがな〜。(笑)
GM:さて、場面を、ライルと綾に移します。
   二人は、今、学院長室の前にいます。
ライル:じゃあ、ドアをノックしよう。
学院長:「――どうぞ」
ライル・綾:「……失礼します」
学院長:「ライルさん、綾さん……、
    このたびは、本当にありがとうございました」
ライル:「いえ、こちらこそ、色々とお世話になりました。
    こうして解決できたのも、学院の皆さん協力のおかげです」
学院長:「それで……もう発たれるのですか?」
ライル:「はい、最後に、ご挨拶を……、
    と、後は、これも、また最後ですが、1つお聞きしたい事が――」
学院長:「……彼のことを、聞きに来たのでしょう?」
ライル:「見事に当てられました。
    そうです……彼のことを、です」
綾:「――『アルベルト=カーライソン』さんのことを、お聞きしたいです」
学院長:「……綾さん、あなたは確か、記者でしたよね?
    正直なところ、私は記者という方達を、あまり良くは思っていません。
    ですから、これから話すことを、
    墓の中まで持っていってくださる、と誓えるのならば、お話しましょう」
綾:「はい……ここにいるのは、ただの『鞍馬 綾』です」
  カメラとメモを、机に置いて、離れます。
ライル:「分かりました、我が心の中の女神様に誓います」
学院長:「おそらく、あなた達が知りたいのは、
    彼が何故『ああなってしまったのか』でしょう?
    それについては、かつて、
    この学院で起こった事件について語らなければなりません」
    ですが、この事件は、この学院にとって、
    最も悲しく、そして、最大の汚点ともいえるモノです。
    申し訳ありませんが、詳しい内容を語るのは許してもらえませんか?」
ライル:「分かりました」
    まさか、コゼートさんが言ってたタブーでもあるのか?
綾:「……はい」
  墓の中まで……当然ですね。


学院長:
「――学院内で起こった、
    
とある少女への暴行、そして、自殺……、
    
私から語れるのは、これだけです」


ライル:「――っ!!!!!」
    思わず、眩暈がした。
綾:「――えっ!?」
  がくりと膝をつき、手で顔を覆う。
  相当だと思ってましたけど……予想以上じゃないですか!
ライル:そ、そうか……この学院が、
    共学から女子高になったというのは、
    そういうわけだったのかっ!!
学院長:「――さあ、もう、お引取りください」
ライル:「申し訳ありません。
    苦しい話題を聞き出すような事をして……」
学院長:「最後に、これを彼に……ケイオスさんに渡してください」
    そして、貴方の、これから進む道に、
    女神様のご加護がありますように……と」
    と言って、学院長は、綾に、手紙を一枚手渡します
綾:「――はい、必ず。」
  ふらっと、立ち上がり、手紙を受け取ります。
ライル:「学院長……オレ達は、いつか、彼を……、
    ケイオス=ダルクから、アルベルト=カーライソンに戻してみせます。
    どんなに、時間が掛かっても……」
学院長:「はい……お願いします」
ライル:「それと、学院長……女神様は、きっと守ってくれます。
    いえ、今も、彼を守り続けいるんです。
    彼が彼でいる限り、女神様は、いつも彼のそばで彼を見守っている。
    アルナワーズ=ジャムシードという名の女神が……」
学院長:「ええ、私も、そう思っています」
綾:「…………」
学院長:「――ああ、そうそう。忘れるところだったわ。
    ライルさん宛てに、転送便で手紙が届いてたの。
    はい、アロエッテさんからよ」
    まるで、場を和まそうとするかのように、
    含んだ笑み浮かべて、ライルに手紙を渡します。
ライル:――「えっ!?」
    眩暈から、一気に血圧上昇〜!
ケイオス:体に悪そうだねぇ。
綾:「――ん?」
  何時の間にか、カメラとメモが握られてます。
ライル:「ぬな、ぬなっ!!
    こら、綾っち! 何だ、そのメモわぁぁぁっ!?」
綾:「……ひょいっ♪」
ライル:「って、盗られた!? 返せぇっ!」(じたばた)
綾:「折角ですから、皆がいる場所で読みましょうね♪
  では、学院長、失礼しました〜♪」(ぴゅ〜ん)
ライル:「うおっ、速ぇっ!?
    こら〜! 戻れ〜、返せ〜っ!!」(ドドドド〜ッ)
学院長:「女神様……どうか、彼の……、
    彼らの行く末に、貴女の祝福を……」





―― PHASE-28 世界で一番短い手紙 ――


GM:では、エピローグに入ります。
   皆さん、例の酒場で合流してください。
ケイオス:「…………」
     普段は、あまり飲まない安酒を飲んでる。
イルス:「ライルさん達、遅いね〜」
    隣で、ミルク飲みつつ、のほほんとしてる。
綾:「――ケイオスさん」
ケイオス:「……ん? 思ったよりも早かったね」
     『いつもの』笑みを浮かべ、戻ってきた綾に振り返ろう。
綾:「はい、遅くなってすみません」
イルス:「あっ、おかえり〜」
ライル:「ただいま〜……ぜぇぜぇ……、
    おひ、もう良いだろ? 手紙を返してくれよお〜」(涙)
綾:「もう、涙目になってまで……はい、彼女さんからの手紙ですよ♪」
ライル:「ううっ、まだ読んでないのに……、
    こらっ、お前ら! 後ろで何を見てるか!?」
イルス:「はいはい、皆、気にしないであげようよ」
綾:「ケイオスさん、学院長から『ケイオス=ダルク』さんに渡してください、と」
  学院長から渡された手紙を手渡します。
ケイオス:「……ああ、ご苦労さん」
     受け取り、封を切ろう。
ライル:オレも、手紙の内容を確認するぞ。
GM:ケイオスへの手紙には「?」とだけ書かれています。
   それを、どういう意味で捉えるかは、貴方に任せます。
ケイオス:(私は……)
     その手紙は、内ポケットへとしまおう。
     アルナ……私に、光の中で生きる資格は、あるのだろうか?
GM:ライルの手紙には、まず、先日の綾の記事というか、
   パナップにちゅ〜されてる写真が入っています。
   そして、手紙は、
真っ黒の紙に赤字で「?」と書かれています。
   
それをどういう意味で捉えるかは、
   貴方に任せます。(笑)


ライル:
「ぐわぁぁぁぁぁん!!」
綾:
「あっはっはっはっはっはっは!」
ケイオス:
「くっくっくっくっ……、
     
コレは、明らかに、
     穏便な意味では無いだろうなぁ」
ナーフ:
『いや〜、やっぱ世界は
  愉快とご都合主義だなぁ、ケラケラケラ!』
イルス:
「オ、オチが付いちゃった!
    
こ、こらナーフもケイオスさんも、
    そんな笑わないの!」(笑い堪えつつ)


綾:「パナップちゃんのセリフはカットしちゃったんですけどね。
  やっぱり、フィルターが掛かっちゃったみたいですねぇ」(にやにや)
ライル:「こ、これは、その、パナップは妹弟子でありまして!!
    ええと、俺の中の女神様はアロエッテ一人!!」
ケイオス:「あっはっはっ……で、どうするかね?」
イルス:「とにかく、誤解はとかないとね」
ライル:「すみません! 即行で、返事を出してきます!」
綾:「……文面は?」





ライル:
「――もちろん、『!』じゃぁぁぁっ!!」(泣)





<おわり>
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注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。