GM:あのさ、ライル……、
   確か、キミには、師匠がいましたよね?
ライル:……いるけど?
イルス:そんな人、いたっけ?
ケイオス:初期の頃のセッションで、
     そんな人物の存在は、ほのめかしていたな。
GM:ライルを『おーまいがっです』にした張本人だそうです。
綾:へえ〜、そんな人がいるんですか〜。
  記事のネタになりそうですねぇ。
イルス:女神万歳な人か〜。
ケイオス:今は、妹者一筋……でもないか?
     とにかく、今は『おーまいあろえって』だけどねぇ。(にやにや)
ライル:その『でもないか?』って発言が、とても気になるんだが……?
ケイオス:……さあてねぇ。(イルスに目を向ける)
イルス:えっ? なに?
ライル:いや、イルスは関係無いから!
    オレは、アロエッテ一筋だからっ!





GM:まあ、とにかく……、
   今回は、そのへんをネタにしてみました。

ライル:ついに、師匠が出るのか……、(汗)






『Leaf Quest TRPG』 リプレイ

ふぁんぶら〜ズ冒険譚 10

『ドラゴンバスタイム』 前編







―― PHASE-01 流派、信仰不敗 ――


GM:さて、傭兵都市ナカザキを出発した皆さんは、
   綾に案内され、知識都市コミパを目指し、南へと歩いています。
ケイオス:綾が、コミパの酒場で、アヌーラを見たらしいからね。
     脇目も振らずに、どんどん進むぞ。
GM:でも、そろそろ、温泉都市タカヤマが――
ケイオス:寄らない。ズンズン歩く。
ライル:そうだな。兄者が止まりそうにないな。
GM:――まあ、そうでしょうね。
   では、皆さん、ここで、今までの旅の経路を思い出してみましょう。
ライル:え〜っと、初音島から船に乗って、
    遭難して、無人島でサバイバルして……、
ケイオス:カノン王国から、霊峰カノンを越えて……、
綾:そして、ナカザキから、荒野を渡ってきました。
ケイオス:……考えてみれば、無茶な旅路だねぇ。
GM:はい、そんな強行軍が祟ってか、
   体調を崩しかけている男の娘が一人。(笑)
ライル:「えっさ、ほらさ、どっこいさ……」(→歩いてる)
ケイオス:「……どうした、イルス?
     遅れがちなイルスに気付き、振り返ろう。
綾:「……顔色、悪いですよ?
イルス:「いや、大丈夫……」(ふらっ)
    顔色は悪いけど、笑ってみせる。
ライル:「って、こら! 体フラつかせて、大丈夫も何も無いだろうが!」
イルス:「ううん、大丈夫……じゃないかな、やっぱり……」(ふらふら)
ライル:「(額に手を当てて)ね、熱っぽいな」
イルス:熱は、地味に結構ある。割と無理をしてたっぽい。
綾:「そういえば、休みは取られてますか?
  ナカザキでも、色々とゴタゴタしてましたし」
  具体的には、シナリオ一本追加されるくらいに。(笑)
ライル:「強行軍だったからな……正直、それほど休んではいない」
ケイオス:(先を急ぎたいのが本音であるが、彼が倒れた場合がな……、
     いっそ置いていくという手段もあるが……ソレは納得すまい。
     結果、時間が余計に……)
     チクタク、と思考回路を動かし……チ〜ン♪(笑)
     「(致し方あるまい)先を急ぐ旅路ではあるが、
     体調を崩しては元も子もない、か」
GM:では、ケイオスが、その結論に達したところで、
   皆さんは、何処からか漂って来る硫黄の匂いに気付きます。
ケイオス:「確か、この近くに温泉街があったと思うが……どうだったっけ?」
     この辺の地理に詳しそうな、綾に訊いてみよう。
綾:「ええ、丁度、タカヤマも近いことですし……休むにはもってこいですね」
ライル:「温泉街か……ひとまず体を休めるか?」
ケイオス:「そうだな……倒れてからでは遅い」
イルス:「……じゃあ、お願いしていい?」
ライル:「よし、そんじゃ、タカヤマで宿をとるか。
    兄者、すまんが、ギターと盾を頼む」
ケイオス:「――あいよ」
     弟者から、盾とギターを受け取る。
ライル:で、定番通り、イルスをどっこいしょと背負う。
イルス:「う〜……」
    きゅう、とライルさんの背中でクタッとしている。
    ナーフは、イルスの肩で頭を撫でてやってる。
    ライル的には、鷹1羽分の重みがプラス。(笑)
ライル:「うおう!(ずんっ)こ、こんの鷹ヤロー、
    普段、何を食ってやがる?」
ケイオス:「……あ〜、そういえば、
     私のツマミを、横で良く食ってるな、そいつ……」
イルス:お酒も飲んでるよね。
GM:煙草も吸ってましたよね。
ライル:それは鷹か?! 本当に、ただの鷹か!?
GM:問題ない。すでに、ナーフ自身が、自分は普通じゃないと自覚してる。
ライル:救いようがねぇっ!!
GM:まあ、それはともかく……、
   綾は、タカヤマへの道のり途中に、
   とても景色の良い名所がある事を思い出します。
   そこは、夕日が綺麗な岬です。
   今から向かえば、ちょうど夕焼けが見れそうな時間ですね。
綾:「うっふっふっふっ……丁度良い所を知ってるんですよ〜。
  デートスポットにもってこい!(ライル見て)3名様ご案内〜♪」
ライル:「また、このお姉ちゃんは、
    意味ありげな笑いをしてからに……って、デートスポットって何だ!?」
綾:「……他意は無いですよ? 他意は」
ライル:「無いんだな? 女神様に誓って無いんだな!?」
綾:「いえ、あるにはありますけど……、
  彼女さんとデートする時まで、覚えておくと良いです」(ニヤニヤ)
ライル:「……いつか泣かしてやる」(泣)
GM:では、綾の案内で、ムード満点な現地に向かいますと、
   時間は、ちょうど夕暮れ時……、
   その岬の頂点で、水平線の向こうに沈む夕日を前に、仁王立ちする男が一人います。
ライル:「な、なんだ、あの人……?」
綾:「先客、ですか?」
ライル:「お孫さんと遊びに来たお爺さんかな?」
GM:黒いスーツと帽子という、英国紳士風の出で立ちの老人です。
   その老人の肩には、幼女が肩車されています。
   ああ、そうそう。その老人の背には、古ぼけたギターがありますね。
???:「どうじゃ、パナップ! 美しい景色だろう?
    まるで、海が燃えているようだろう?
    女神が支えし、この世界は、こんなにも美しいのだ!
    あの夕日に負けぬほど、美しい景色は、まだまだあるぞ!
    わしが、全て、見せてやるから、楽しみにしているがよいっ!
    カーカッカッカッカッカッカッ!」
ライル:「ず、ずいぶんと濃い人だ」
ケイオス:「親子連れ……にしては、ぶっとんだおっちゃんだなぁ」
綾:「なかなかに、豪快な方ですね……」
イルス:「……みー?」
    ぼんやりした顔で彼の方を見る。
GM:で、ライルは、その爺さんの声に、とても聞き覚えがあります。
   まあ、ぶっちゃけ、キミのお師匠さんです。(笑)
ライル:「って、あの声……まさかっ!?
ケイオス:「……知り合いかね?」
ライル:「すまん、兄者! 追加でイルスも頼む!!」
    兄者が答える間も無く、ダッシュする!
ケイオス:「へっ? おおっと!」
     イルスを受け取り、図らずして、お姫様抱っこ状態だ。(笑)
綾:「あ、ギターくらいは、お持ちしますよ」
???:「むっ? わしらの他にも、誰か来たようじゃの……ぬっ!?」
    老人も、ライルに気付いたようです。
    そして、ライル同様、老人は、幼女を降ろすと、
    ライルに向かって、絶叫しながら走ってきます。
綾:「……お?」
  なんとなく、予感がして、カメラを構えます。


ライル:「師匠ぉぉぉぉ〜〜〜っ!!」
師匠:「ぬお〜っ! 応えよ、ライル〜!
   新派、信仰不敗は〜っ!」

ライル:「女神への歌よぉぉ〜っ!」
師匠:「――熱唱騒踊っ!」
ライル:「――感謝天声っ!」



師匠・ライル:「――見よっ!
       我等は女神に
       萌えているぅぅぅ〜っ!」



綾:「激写! 激写!」(パシャパシャ)
イルス:――と、東方○敗!?(笑)
GM:夕日をバックに、二人が、
   例のポーズをやってると思ってください。(笑)
ケイオス:素晴らしいっ!(笑)
ライル:「うっ! 十数年ぶりだというのに、体が覚えていた」
師匠:「ぬはははははっ!!
   久しぶりだな、我が弟子よ! 大きくなったなっ!」
ライル:「お師匠様っ! 本当にお師匠様なんですね!?」
師匠:「うむ! おぬしも、元気そうで何よりじゃ!」
   と豪快に笑いつつ、先程の幼女を再び、肩車します。
   その立ち姿は矍鑠としていて、年齢を感じさせない力強さがあります。
ライル:「良かった! お師匠様も元気で、本当に良かったっ!」


 赤い夕日を背負い、
師匠と弟子は、感動の再会を果たす。

 そんな、やや暑苦しい展開を他所に、仲間達は、と言うと――


ケイオス:「あそこだけ、なんだか世界が違う気がするな。
     ってゆ〜か、十数年前から、あんな感じだったのか?」
ナーフ(イルス):『ライルって、音痴シスコンバカップル他、
         色々に加えて、弟子要素もあったのか?』
綾:「……すっごく、絵になりますね、コレ」(再会シーンを眺めつつ)
ケイオス:「新聞社に売り込んでみたらどうだい?
     存外、高値で売れるかもしれん」
綾:「そうですねぇ……、
  ライルさんのお師匠様……新しい情報、頂きます」(ぱんっと手合わせ)


 ――とまあ、割と冷静だったりします。

 で、いつまでも、蚊帳の外のままでは、
さすがに、マズイので、サッサと、巻き込むことにします。


師匠:「しかし、このような場所で、
   おぬしと再会するとは……うむ、仲間もおるのか?」
   と、師匠は、ケイオス達に気付きます。
ライル:「あっ、はい。旅の途中で知り合って、今も一緒にいる仲間です。
    アル中、メイド、ゴシップ記者とバラエティーに富んでますが」(笑)
師匠:「うむ、そうか……わしの名は『アンジョルラス=ガウローシュ』。
   我が弟子が世話になっているようだな」
綾:「アンジョルラスさん、ですか?」
師匠:「まあ、長い名前じゃ。気軽にマスター・ジョーと呼ぶが良い」
ライル:「そういや、オレも『マスター・ジョー』としか知らなかったな」
ケイオス:「―ーそうさせてもらうよ。
     私は、旅の仲間の飲んだ暮れ……、
     ケイオス=ダルクだ、彼には色々と世話になってるよ」
ライル:「彼とは、ドタバタ騒ぎに巻き込まれた所を、
    助けられた縁で、知り合ったんです」
イルス:「あ、どうも、こんにちは……、
    こんな姿ですいません……、
    イルス=クークルーっていいます。こっちはナーフウェイト」
    ぐったりと、その呑んだくれに背負われてる男の娘。(笑)
ライル:「で、この子は、彼(ケイオス)と似たような理由で一緒にいます」
綾:「あ、どうも……ただの記者の鞍馬 綾です。
  彼には、お世話になってます……(呟き)色んな意味で、ね」
ライル:「彼女は……まあ、何か俺達に興味があるとかでついて来ています」
綾:「ホント、興味は尽きませんね〜。
  なんか、もう普通の仕事には戻れないかも〜」(クスクス)
師匠:「なるほど……まあ、旅に仲間はつきものじゃ。
   ほれ、おぬしも挨拶するがよい。わしの弟子とその仲間達じゃ」
   と、師匠は、肩車していた幼女を、皆さんの前に立たせます。
   だいたい、6歳くらいの女の子です。
幼女:「…………」
   ジーと皆さんを見上げています。
ライル:「初めまして、オレはライル=フィッシャーって言うんだ」
綾:「よろしくお願いしますね〜」
幼女:「――っ?!」
   ビクッと震えて、師匠の後ろに隠れてしまいます。
ケイオス:「よろし……とほほ」(苦笑)
綾:「あ、あらあら……」
師匠:「こ、これ、パナップ! すまんな、わしの娘なんじゃが……、
   故あって、人見知りが激しくてな」
綾:「人見知りですか……、
  まあ、わたしの妹達もそうですけどね」
ケイオス:「小さい子というのは、得てして、そういうところがあるからね。
     (ひそひそ)というわけで、ナーフ。
     ちょっと、あの子と親交を深めて来い。(笑)
ナーフ:『いきなり、無茶言うなぁ、おい』
ケイオス:「やはり、無理だったか……」(ひそひそ)
ライル:「ってか、ナーフじゃ、もっと怖がるだろ」(ひそひそ)
ケイオス:「……確かに」(凄い納得)
綾:「ナーフが芸でもして、意表を突くとか」(ひそひそ)
ナーフ:『くそ、酷い言い様だな! だがまぁ、概ね間違ってないが』
ライル:「それにしても、娘ですか……、
    ということは、お師匠様は結婚なさった?
    確か、初めて会った時は、一人だったはず……」
綾:「故あって、と言うのが気になりますが……」(呟き)
師匠:「馬鹿を言うな! 我が愛は、
   とうに女神に捧げたわ! 結婚などしとらん!」
ライル:「うおわっ!? あ、相変わらずだ……」
師匠:「この子は、パナップ=ビエネッタ……まあ、養子みたいなものじゃ」
ケイオス:随分と、美味しそうな名前だねぇ。(笑)
ライル:兄者!? 幼女に対して『美味しそう』発言は危険だ!(爆)
綾:ケイオスさん、ロリ疑惑浮上!?
ケイオス:うむ、アルフィミィの件もあるしな……、
     って、違う! 名前に関して言っただけだっ!
イルス:そういう事なら、ライルさんとアロエッテさんの年齢差も微妙だよ?
ライル:22歳と16歳……うおっ、確かに!?(笑)
    ど、どうしよう、兄者っ!?
ケイオス:落ち着け、弟者!! こう考えるんだ!
     26歳と20歳なら問題無いだろうっ!?
ライル:そうか、そうだよな! それなら、自然だよな!
GM:ええい、話が脱線しとるぞっ!
ケイオス:うむ、話を戻そう。
綾:「捨て子かなにか、ですか……?
  いえ、すみません……ちょっと踏み込み過ぎましたね」
ライル:「あ、綾っち……」(汗)
ケイオス:「……なるほど」 (深くは訊かない)
師匠:「ふむ……まあ、な」
   さすがに、ちょっと言い難そうです。
   ちなみに、師匠の後ろで、パナップは震えてますが、
   ナーフには、興味ありげな視線を送っています。
ライル:「もしかして、効果が期待できるのか?」(ひそひそ)
綾:「ここで、翼を広げて、ダンスの一つでも踊っちゃえ」(ひそひそ)
ケイオス:「ナーフ……GO」(ひそひそ)
ナーフ:催促されたなら、行くしかないな。(笑)
    パタパタと飛んで、パナップの前に降り、くちばしでツンツンと軽く突付く。


パナップ:
「…………」(ジ〜)
一同:
「…………」(手に汗を握って見守る)





パナップ:「……かぷっ」(食)





一同:「噛まれたぁ〜っ!?」
ナーフ:『こういうオチかぁ〜っ!?』



ライル:「パナップちゃん! それ、食べちゃダメ!
    食べたら、悪い子になるからっ! めっ!」
ケイオス:「そうだな、間違いなく腹下す」
綾:「デフォルトで、ヤの付く人の喋り方になるから、めっ、です!」
ライル:「さらに言うなら、喫煙癖がつく!」
ケイオス:「あ、綾っ! 取り敢えず、シャッター!!」
綾:「は、はいっ!!」(パシャッ)


 予想していたとは言え……、

 誰も、ナーフの心配をせず……、
 それどころか、酷い言いようである。


パナップ:「……う〜」
     ナーフを取り上げられて、ちょっと残念そうにしています。
イルス:「……ナーフは食べ物じゃないの!」
ナーフ:『ひ、ひでぇよ、イルス! 味方が何処にもいねぇんだよ!』
    と、イルスに泣きつく鷹。(笑)
師匠:「む、むう……すまん……、
   なにせ、この子は……ゴニョゴニョ……だから、こう……」(苦笑)
ケイオス:GM、そのゴニョゴニョの部分は聞き取れるか?
GM:じゃあ、各特殊技能で判定してください。


 各PCは、一番高い特殊技能で判定する。

 その結果、師匠の言葉を聞き取れたのは、
記者の綾と、ビーストテイマーのイルスだけでした。


GM:じゃあ、2人は『ハーフ……』とだけ聞こえました。
綾:「…………」
ナーフ:『ふ〜ん……』
    イルスより、寧ろナーフが聞こえた。
ケイオス:「ん、どったの?」
綾:「いえ……何でもないですよ」
ケイオス:「ま、いいけどね……」
     深くは訊くまい、と判断した。
綾:「ハーフ……多分、忌み子……、
  ここは、何も言わない方が良いですね……その子の為にも」
師匠:「ま、まあ、折角、こうして再会したのだ。
   体調が優れぬ者もおるようじゃし……、
   温泉にでもつかり、体を休め、酒を飲んで、大いに騒ぎ、語り合おうではないか!」
ライル:「お、お師匠様、酒は――」
ケイオス:「ま、反対する理由もないですし……そうするとしようか」
ライル:「うわー! この全身酒漬け男の目に光が宿りやがった〜!」
ケイオス:「失礼な、酒と煙草は男の嗜みだぞ?」(くっくっくっ)
ナーフ:『うお〜しっ!』
    もう一羽、目が光ったのがいたりする。(笑)
師匠:「ほれ、なにをしとる!
   よく世話になっている宿に案内してやろう。
   心配せんでも、わしの奢りじゃ!」
   パナップに関する話題を誤魔化すかのように言うと、、
   師匠は、パナップを乳母車に乗せて、しとしとぴっちゃんと歩き始めます。
ケイオス:――子連れ狼かよっ!?(爆)
     弟子が弟子なら、師匠も師匠だな。
     どれだけ役(属性)がのってやがる。
     そして、奢りという言葉に、さらに目がキュピ〜ン!(笑)
ナーフ:ケイオスとハイタッチ!(笑)
綾:「ライルさん、もちろん、行きますよね?」
ライル:「すげ〜逃亡したい気分だけど、
    お師匠様と再会したことだし……ええい! 付き合ったるわい!」
    ちなみに、師匠の乳母車には、幟はあったりするのか?
GM:もちろん、ありますよ。
   女神万歳って、デカデカと書いてあります。
ライル:「“流石”は師匠……オレなんか、まだまだです」
ケイオス:「いや、あれは“流石”に、どうかと思うぞ……」
     その幟を見て、一瞬、顔をしめかつつ、ジョーの後に続こう。
綾:「ちょっと恥ずかしいですねぇ……」
ケイオス:では、それを紛らわせる為に、弟者に、ジョーについて訊いておこうかね。
     「ところで、弟者……、
     あの師匠殿は、どんな人物なんだ?」
綾:「あ、それは、是非、知りたいですね」
ライル:「え〜っと……あの人は……」
    GM、師匠については、何処まで話して良いんだ?
GM:シナリオの設定とは関係無い人なので、ご自由にどうぞ。
   確か、師匠についての設定は、考えてくれたんですよね?
ライル(のPL):じゃあ、折角だから、全部、説明しておこう。
         まあ、ライル本人が知らない事も混ざってるが……、





―― PHASE-02 あさっての咆哮 ――


 英雄達の物語から遡ること、数十年前――

 それまで、アクアプラス大陸を中心とした世界において、
簡易演奏楽器として中核を成していたギターは、
フォルテールの普及によって、その存在価値を無くしつつあった。

 ギターを教える事のできる者は、年を追うごとに少なくなり、
書店からもギターに関するものは自然姿を消していった。

 それでも、ギターの奏でる音色に惹かれ、
独学でそれを習得しようとするものも僅かながら存在した。

 若き日のマスター・ジョーことアンジョルラスも、その一人であった。

 生まれた時から親も知らず、
ぶらぶらと諸国を流離い生きていたアンジョルラスは、
ふとしたことから、同じく諸国を放浪っていた、
似非楽師ダンペールと出会い、ギターを弾く事を勧められる。

「兄ちゃん、おめえを世界一のギター楽師にしてやるぜ」

 とのダンペールの言葉に、イマイチ気持ちが乗らずに、
『明日の為に』ギターの練習をしていたアンジョルラスだったが、
彼の前に、一人の生涯の宿敵が現れる。

 ――その名は、リキーシ。

 リキーシのたたみ掛けるような、
怒涛の演奏に打ちのめされるアンジョルラス。

 そんな彼にリキーシは言った。

「歌は生業としてやっていけるくらいの力があるというのに、
どうして、ギターは素人なんだ?」

 その時からアンジョルラスは、
打倒リキーシを目指し、ダンペーと共に猛練習に励む。

 二人の修練の日々は、やがて、
アンジョルラスを一人前の楽師として育て上げていった。

 数年後、広場で大勢の聴者を集めてギターを演奏するアンジョルラスに、
リキーシは、その歌とギターの旋律に魂を揺さぶられて、思わず膝をついてしまった。

 そして同時に彼を我が最大の宿敵……いや、好敵手と認めるに至る。

 演奏を終えたアンジョルラスの前に立ったリキーシは、彼に演奏勝負を申し込む。

 それは、もはや滅び行く運命を背負った、
一つの文化を共有する者同士の宿命とも言えるものだった。

 戦いの方式は、お互いのギター演奏と歌を駆使して、
どちらかが「ぶっ倒れる」まで続ける過酷なサドンデス勝負。

 3日3晩続いたこの演奏合戦は、お互いフラフラになった状態で、
決死の力を振り絞って怒涛の演奏を最後の最後に見せたリキーシの辛勝に終わる。

 しかし、その勝利の演奏は、アンジョラスの猛攻の前に見せた、
消えゆく人生最後の一瞬の輝きであった。

 互いの健闘を称えての握手がすれ違い……、

 リキーシは崩れるように前のめりに倒れると、
そのまま穏やかな笑みを浮かべて二度と立ち上がる事はなかった。

 自らの演奏が生涯のライバルを死に追いやった事に、
アンジョラスは絶望の咆哮を上げ、ダンペールの元から姿を消し旅に出る。

 この時、アンジョラスはギターを弾けなくなっていた。
 弦を弾くとやがて嘔吐してしまうのだ。

 演奏中に嘔吐する楽師は楽師にあらず……、

 しかし、それでも、ギターを捨てる事はできずにアンジョラスは旅を続ける。

 旅の途中、アンジョルラスは荷物袋の中に一冊の楽譜を見つける。
 その楽譜の名は「想い届ける虹の楽譜」。

 ダンペールが、名も知らぬ旅の楽師から譲り受けた、
歌詞の無い「旅行く恋人を想う歌」の楽譜だった。

 ダンペールと共に、この曲にふさわしい歌詞を考えてみたものの、
今、現在まで、それは叶わずのままに置かれていた。

 自分が姿を消すと察知したダンペールが、
こっそり、荷物の中に入れておいたのであろう。

 アンジョルラスは、自分の苦悩を理解し、
旅発たせてくれたダンペールの心遣いに涙を流すのだった。

 音楽の国フォルラータに辿り着いたのは、それから三年後……、

 街中で請われてギターを演奏してみるものの、またもや嘔吐し蹲るアンジョラス。

「へへ……おっちゃんよぉ……オレ、やっぱりダメだったわ」

 ダンペールの期待に応えられない絶望に、
彼は自暴自棄となり酒場で浴びるように自棄酒をあおるのだった。

 つま先から頭のてっぺんまでアルコールに浸されたアンジョルラスは、
フラフラになりながら街中をさまよい、同じく、酒に酔った男達とケンカになる。

 自暴自棄の酒に侵されたアンジョルラスに勝てる術も無く、
滅多打ちに叩きのめされた挙句に、ゴミ箱の横に放置されてしまう。

 そんな彼を見つけて、傷だらけの体を、
手当てしたのは、幼き少女シャハルナーズであった。

 実質、乞食同然なアンジョラスを、何故か、
シャハルナーズは気にいり、両親を説き伏せて彼を自分の家に迎え入れた。

 それから数週間――

 アンジョラスは、シャハルナーズの、
遊び相手として、彼女の家に寄宿する事になる。

 リキーシを死なせてしまった悲しみを忘れさせる日々が続いたが、
そんな彼の前に一人のギターを背負った男が現れる。

 その名は、カルロス――

 リキーシと壮絶なギター勝負をした男が、
フォルラータにいると聞き、勝負を申し込む為にやってきたのだ。

 リキーシ以来の強敵を目の前にして、アンジョラスは咄嗟にギターを手にとる。

「アナタガ、今モナオ、ヒメテイル、
誇リ高キ男ノ心、是非トモ見セテモライタイ!」

 カルロスの叫びに応えるように、
ギターを弾き出すアンジョラスだが、嘔吐感は容赦なく彼を襲う。

 思わず蹲りそうになるアンジョラスに――

「もう少しよ! 貴方が、あの楽師と最後まで演奏しきるのを
わたしはみたいの、頑張って、もう少し……、
自分のためじゃなく、わたしの為に演奏して!」

 ――シャハルナーズは叫んだ。

「う、うおおおおおおおっ!」

 その時、アンジョラスに、あの時の……、
 リキーシと闘った時の演奏が蘇る。

 怒涛の声量と演奏の前に、
カルロスもまた、己の力をフルに絞って演奏する。

 やがて、魂と魂のぶつかり合いの戦いは、両者が倒れて引き分けに終わる。

 しかし、アンジョラスには、
もうリキーシを死なせてしまった哀しみの呪縛は無かった。

 ようやく、「己のギター」を取り戻したアンジョラスは、
シャハルナーズと彼女の家族たちに、感謝と別れの言葉を告げ、
新たなる旅に出ようとしていた。

 そんなアンジョラスに、シャハルナーズは、
「ずっとここにいて!」と駄々をこねる。

 しかし、己が生涯を、放浪の演奏に捧げる事を誓った彼には、
それに応えることは不可能であった。

 アンジョラスはシャハルナーズに「想い届ける虹の楽譜」を渡す。

 恋に生きる事を捨てた彼には無用のものであった。
 ならば、これから恋をする者に渡すのがふさわしい、と。

 楽譜を抱えて涙ぐむシャハルナーズ。

 彼女にもアンジョラスの気持ちは十二分に伝わり、
涙をこらえて精一杯の笑顔で、アンジョラスに別れを告げるのだった。

 そして、新たな旅に出たアンジョラスには、
幾多の激しいギター演奏者の誇りを賭けた戦いが待っていた。

 戦いを繰り広げる中で、アンジョラスが魂の安息の地を求め、
二柱の女神信仰に目覚めるのは、それから三十数年の後のことである。


ケイオス:――って、長いな!?
イルス:これって『あ○たのジョー』!?
綾:でも、師匠さん、真っ白に燃え尽きてませんよ?!
  まだまだ、現役って感じですよ!?
ライル:ってゆ〜か、GM!!
    また、勝手な題名つけるなっ!!(笑)
GM:まあまあ、落ち着け……、
   ちなみに、この設定って、まだ続きがあるんですよ。
ライル:む、むぅ……で、続きだか……、


 リキーシには、道具屋……、
 主として家具の製作、修理を業としている)をやっている弟がいた。

 彼は、アンジョルラスとの演奏合戦にも立ち合っており、
リキーシの葬儀を終えると、彼のギターを、自宅に持ち帰っている。 

 三十数年後――

 彼の孫である、一人の少年が、
そのギターに、興味を持って、手に取ることになる。


ケイオス:ということは……、
     もしや、弟者は、リキーシの……?
GM:血縁ってことになりますね。
   まあ、ライル本人は知らないのでしょうけど……、
   当然、師匠は、そのことを知ってます。ギターを見れば、一目瞭然ですし。
   でも、それを、ライルに話してません。話す必要も無い。
ライル:まあ、そうだろうなぁ……、





―― PHASE-03 師弟の亀裂 ――


GM:というわけで、師匠に連れられ、タカヤマにやって来ました。
   師匠は、真っ直ぐに、老舗旅館『猪名坊旅館』に向かいます。(笑)
一同:あそこか〜っ!!
GM:タカヤマなら、泊まる旅館は鶴来屋だろ、って意見もあるでしょうが、
   設定上、まだ、ここに、鶴来屋は無いんです。
   なにせ、千鶴さんが、神殿に封印されたままですから。
ライル:うむ、それは仕方ない。
女将:「まあまあ、お久しぶりです、ジョーさん」
   と、旅館の女将が出迎えてくれます。割と顔馴染みのようです。
   まあ、馴染みじゃなくても、一度会えば、忘れられないでしょうけどね。
ケイオス:……だろうねぇ。
師匠:「うむ、久しぶりじゃな。由宇殿は、元気にしていらしゃるかな?」
女将:「いえいえ、あの子ったら、コミパに行ったきり、
   なかなか帰って来なくて――」
   と、女将と師匠の世間話を聞きながら、部屋に案内されます。
ライル:「お、お邪魔しま〜す」
    こういう老舗には慣れてないんだよな〜。
ケイオス:「失礼する」(堂々と)
綾:「どうも〜、お世話になりま〜す」
ライル:「すまんな、兄者……結局、イルスを背負わせちまった」
ケイオス:「気にするな」(苦笑)
ライル:「尤も、こっちの方が重いような気もしたが……」
ケイオス:「まったくだ、一瞬、どうしようかと思ったぞ」
綾:「あ、ギターはお返ししますね」
イルス:「ゴメンね、迷惑かけて」
女将:「お食事の準備ができ次第、お呼びしますので、宴会場までおこしください」
   と、女将はイルスの為に布団を敷いた後、部屋を出て行きます。
ケイオス:では、イルスを寝かせよう。
ライル:濡れタオルを絞って、額にのせよう。
イルス:じゃあ、そのまま、グッスリと寝るね。
綾:「よしよし……かなり疲れてたみたいですね」
師匠:「さて、ライルよ……、
   こうして再会したわけじゃし、
   早速、おぬしの成長を確かめたいところじゃが……」
ライル:「……これですか?」
    ケースからギターを取り出す。
綾:「あ、ライルさん、代わりますよ」
  イルスさんの看病をしつつ、観察モードです。
師匠:「まあ、焦ることもあるまい……楽しみは、後にとっておこう。
   夕食は、宴会場で摂るとることになるからのう」
ライル:「……え、宴会場っすか?(他の連中、大丈夫かな?)」
ナーフ:『大丈夫なのかね〜?』(綾とひそひそ)
綾:「取り敢えず、ライルさんに取材する時点で、
  耳栓3組は用意したけど……」(ひそひそ)
  実は、ギャグ特徴で、ナーフとは意思疎通が出来たりします。
ケイオス:「……足りんな」(聞こえた)
     と、呟きつつ、タバコ……は控えるか、病人いるし。
     外で吸う、という選択肢もあるが、
     もうすぐ夕食という状況で、外に出るのもリスキーだ。
ライル:ようは面倒クサいんだろ?
ケイオス:そうとも言う。(笑)
ライル:ええい、遠回しに理屈を加えおってからに……、
GM:とまあ、そういうわけで、小1時間後、
   夕飯の準備ができたようなので、女将が迎えにきます。
ケイオス:「イルス、体調はどうだ?」
イルス:「うん……まあ、何とかって感じ」
    多少は回復した感じ。宴会場には、自分で行けそう。
綾:「じゃあ、これを渡しておきますね」
  ケイオスさんとイルスさんに、耳栓を渡します。
ケイオス:「……助かる」
イルス:「耳栓……あはは……」
    この後、なにが起こるのか、だいたい予想が出来た。
ライル:「つらくなったら、すぐに部屋に戻るんだぞ」
イルス:「うん、そうするよ」
GM:では、全員で、宴会場に向かい、夕食となります。
   会場の舞台では『にゅーくれいちぇる』という漫才コンビが、漫才をしています。
   それに耳を傾けつつ、飲み食いしちゃってください。
ライル:にゅーく? れいちぇる?
ケイオス:『.hackers』のメンバーだな。
     って、ドラゴン族が、なんで、こんな所で漫才なんぞ!?
GM:それはPL知識なので気にしないように。
師匠:「ぬははははっ! さあ、遠慮なく、飲むがいい! 騒ぐがいい!」
ライル:「はっはっは〜! それでは、
    心置きなく、飲んで騒がせて頂きますっ! 押忍っ!!」
ケイオス:「うむ、美味い」
     言いつつ、料理を肴に酒をぐびぐびと。(笑)
綾:「――ですね」
  とか言いつつ、酒に手は……伸びない。
ナーフ:『ほれほれ、ぶんぶんまるも飲んだ飲んだ』
ライル:「てめ〜は、ペースが速すぎるんだよ! この酔いどれパート2!」
ケイオス:「おや、今日は飲まないのかね?」
綾:「じゃあ、いただきますよ〜」(←未成年)
ライル:「おのれら〜、ひっく、綾っちは、
    まだじょしこうせいじぇねれーしょんなんだじょ〜……、
    酒なんか飲ませるなあって、ういっく」
ケイオス:「いやー、普段、余りにも良い飲みっぷりなもので」(確信犯)
綾:「某新聞社の忘年会は、皆を潰してから飲むのです」
GM:言うまでもなかろうが……、
   パナップには飲ませちゃダメですよ?
ケイオス:それは、もちろん……、
     ところで、ジョーとパナップは、何してるんだ?
GM:当然、師匠も、酒飲んでますよ。
   年齢を感じさせない豪快な飲みっぷりです。
   パナップは、意外と大食いです。
綾:「食べ盛りですね〜……あの子達も、そろそろそんな時期かなぁ」
ケイオス:「「実家の家族、かね?」
     空き瓶を、何本も横に置きつつ、平気な顔してる。
綾:「ええ、もうちょっと送る額を上げないと……わたしが一番の稼ぎ頭ですし」
GM:ちなみに、主に、魚や肉を多く食べてるのに気付いて良いです。
綾:「お肉好きですか……でも、偏食は……」
パナップ:「(もきゅもきゅ)……?」
     綾と目が合い、小首を傾げる。
綾:「まぁ、あのお師匠さんなら、
  その辺りも気にしてそうですし、あえて言わなくて大丈夫ですね」
ケイオス:「……綾は、良いお姉さんをしてるんだな」(くっくっくっ)
師匠:「さて、そろそろ、おぬしの成長した姿を見せてもらおうか?」
   漫才が終わったところで、
   師匠が、ライルの肩をポンッと叩きます。
ライル:「――分かりましたっ!
    それでは、ライル、一曲いかせて頂きますっ!!」
ケイオス:「そうか……そろそろ、防御体勢に入った方が良いな」
ライル:「へっへっへっ……てめえら、
    命乞いは済ませたか? 耳栓の準備はOK?」(笑)
    舞台に上がり、ギターを構える。
GM:ライルは、歌うなら、バード判定ね。
   ただし、飲んでるみたいなので、修正に−2してください。
ライル:ぐはっ、ブーストを使うべきか?
ナーフ:『……ばいば〜い』(逃亡)
イルス:「………く〜」
    部屋の隅の壁にもたれて、寝てる。
ケイオス:そんなイルスに気付き、イルスに耳栓を装着!
     自分は……間に合わない。
ライル:では、ブーストダイス1個使用!
    オレの歌を聴けぇっ!(ころころ)――あ゛っ?





 
――出目3、1、2。(爆)





ライル:あ〜はっはっはっ!
    ブースト使って、これかよ、ド畜生っ!(泣)
    合計して、達成値は10。
GM:その達成値だと……屍累々ですねぇ。
ライル:「あ、あら……?」
ナーフ:『……終わったか〜?』(終わった頃に戻る)
ケイオス:「…………」(←背景で死亡中)
イルス:「あ……駄目だよ、ナーフ、そんなの……」(ぐーすか)
    どんな夢を見てるかはともかく、寝てる。
綾:「ケイオスさん、ケイオスさん、生きてますか〜?」(つんつん)
ケイオス:「…………」
     返事が無い。ただの酔っ払いのようだ。
綾:じゃあ、傍に酒瓶を置いて戻ります。
ケイオス:「うぅっ、頭がガンガンしやがる……」
     早速、気付け代わりに、綾が置いていった酒瓶をラッパ飲み。
綾:早っ!? 復活した〜っ!
ライル:「え〜あ〜その〜……、
    『恐怖の殺人音波楽師ライルの肝試し独演会』お楽しみになられたでしょうか?
    それでは、また会う日までごきげんよう。
    さよならさよなら、さよなら♪」(眉毛ピクピク)
GM:ライルの壮絶(?)な歌に、
   宴会場にいた人は、全員、ピクピクと痙攣しています。
   まあ、耳栓してた人はOKです。
綾:お師匠さんや、パナップちゃんは?
GM:パナップは、大丈夫です。平気な顔して食べ続けてます。
ケイオス:――すげえっ!!
イルス:わかった! 慣れてるんだ!(笑)
GM:まあ、仮にも師匠の子ですからねぇ。
   (それに、幼女とはいえ、キミらとは、スペックが違う)
GM:で、師匠は、と言うと……、
   腕を組んで、目を閉じて、黙って、ライルの歌を聴いています。
   そして、くわっと目を開くと――


師匠:「――すばらしかったぞ!
   我が弟子よ! 腕を上げたな!!」(爆)
一同:やっぱりかっ!!(爆)



師匠:「しかし、わしの耳が衰えたのか……、
   おぬしの歌に込められた、
   女神への愛が薄らいでいるような……う〜む……」
ライル:「――っ!」(ぎくっ)
師匠:「どういうことじゃ、ライルよ?
   昔のおぬしから感じられた、あの溢れんばかりの、
   病的なまでの女神への愛は、何処へいってしまったのだ?」
ライル:「え、あ、その……い、いや……、
    女神様に対する信仰心は、捨てたつもりはないはず。
    あ、あれ? どうしたんだろう?
    なんか調子が良くなかったのかなぁ?」
綾:「……アレに関係あるんですかね〜、ライルさん?」
  あえて明言はしません。(確信犯)
ライル:「わ〜! う〜や〜た〜っ!」(わたわた)
    い、いかんっ! 女神様っていっても……、
    その、2柱女神の他に、もう一人いるんだよな……、
師匠:「原因に心当たりがあるのか?」
綾:「ん〜、第三者の私から言うのもアレですし……、
  ライルさんの口からか、ご自分でお調べになるか、の方が良いかと……、
  第三者からだと、余計な観点も入りますから〜」
師匠:「ふむ……では、我が弟子に直接訊くとしよう。
   ライル、どういうことじゃ?」
ライル:「い、いえっ! その、まだオレ修行不足なんですっ!
    腕を上げることばかり考えて、
    女神様への愛を疎かにしていたようです!!」
ナーフ:『荒れるな、これは……、
    おい、イルス〜、そんな所で寝てると体調が酷くなるぜ〜』
ケイオス:「……しかし、いい食べっぷりだねぇ」
     パナップの食べっぷりに、軽く驚いていよう。
パナップ:「ぱくぱくぱくぱく……」
     そろそろ、ライル達の料理にまで手が伸びそうな雰囲気です。
ケイオス:「ふむ……私の分も食べなさい」
     酒ばっかり飲んでるせいで、料理をほとんど消費してない。
     肉や魚の料理を、パナップにあげよう。
パナップ:「……♪」(にぱ〜)
ケイオス:「うむ、子供は元気が一番。たんとお食べ。
     しかし、弟者の方は、果たして、どうなるのかねぇ?」(くびくび)
綾:「何時までも、隠し通せることじゃないですけど……、
  あえて、関係を拗らせたくはないですからね。
  わたしが言っちゃうと、それこそ、
  完全に修復不可になるまで拗れそうですから……我ながらっ!」
ケイスオ:「でも、状況証拠で断定されそうだぞ?」
ナーフ:『まぁ、こりゃ、どうにもならないんじゃねぇの』
    と呟きつつ、ナーフは、イルスを連れて宴会場を出ようとする。
ライル:兄者〜、可愛い弟が困ってるんだ。
    その場の誤魔化しで、デッドエンドでもブッ放さんかい!
ケイオス:やなこった。(笑)


 必死に誤魔化そうとするライルを他所に……、

 綾は、煽るだけ煽り――
 ケイオスは、傍観者を決め込み――
 イルスは、サッサとずらかろうとする――

 ――だが、甘い。

 こんな面白い場面なのだ。
 他の連中も、問答無用で巻き込む。

 それが、GMのジャスティス!(笑)


師匠:「もしや、女神以外の……、
   他の女にうつつを抜かしておるのではなかろうな〜?」
ライル:「――っ!」(ぎくぎくっ)
GM:師匠は、ライルに疑惑の目を向け、次に仲間達を見回し、
   こそこそと宴会場から出て行こうとするイルスに目を止める。
イルス:「……はい?」
    眠そうな顔で、部屋に戻ろうとしている。
ライル:おいおい、まさか……、(汗)


師匠:「おー・まい・がっです!
   お前かぁぁぁ〜!
   お前が、ライルを誑かしたのか〜!」
一同:そっちか〜っ!!(爆)



師匠:「なんということだぁぁぁ!
   我が弟子が、こんな女に、こんな女にぃぃぃ〜〜っ!!」
   イルスの襟首掴んで、ブンブンブン!
イルス:「う、うわうわうわ〜っ!?」(ぶんぶんぶん)
ライル:「おししょ〜さま〜! 違います! 違いますってば!!」
ケイオス:「あ〜、マスター・ジョー。彼は男だぞ」
綾:「男のコですから、他の女じゃないですよ〜」
師匠:「こんな女に〜! 我が弟子がぁ〜っ!」
イルス:「で、でし? ら、らいるさん?
    ち、ちがいますちがいますってばぁぁぁぁ!?」(ぶんぶんぶん)
ケイオス:「聞こえてないみたいだねぇ……、
     一応、彼は病人だ。手荒な扱いは避けて頂きたい」
綾:「だ〜、か〜、ら〜! 違いますってば〜!」
ケイオス:「んーむ、まさに大混乱」
     女中さんを呼び、酒のおかわりと、パナップに料理のおかわりを注文しよう。
師匠:「ええい、離せ! 何が違うというのじゃーっ!!」
ライル:「誓います! 女神様に誓って言います!
    オレは、この子にうつつを抜かしてるわけでも、
    溺れているわけでもありませ〜んっ!!」(泣)
イルス:「ら、らいるさんは、
    ちゃんとこいびとがいますからぁぁぁ!!」
ケイオス・綾:「――あ」
ライル:「……ぴしっ」(凍った)
師匠:「……なに?」
   イルスの言葉に、師匠は手を離します。
イルス:「くらくらくら……」
    ごめん、言っちゃった♪(笑)
GM:師匠は、イルスを解放すると、
   もう一度、仲間を見回し、今度はケイオスに目を止め……、
ケイオス:……おい?


師匠:「ライルよ、おぬし、そういう趣味だったのか。
   なるほど、そういう事なら仕方なかろう。
   さすがの女神様も、男にはなれぬからな。
   安心しろ、例え、おぬしが、
   そっちの趣味でも、我等が師弟愛は変わらぬぞ」

ケイオス:
「はっはっはっ、
     ブチ殺すぞ、女神主義者」


ライル:「違うっ! 断じて違うっ!!」(大泣)
綾:「……すっごい思い込みの激しいお方ですね」
ケイオス:「だいたい、なんで、私に来る! 普通、あっちだろうが!」
     自分に火の粉が被ると困るので、綾を指差して反論する。
師匠:「確かに、そうなのじゃが……、
   綾殿には、そういう素振りがあまり無い」
綾:「そりゃ、わたしには、まだ、そういうこと自体に興味ないですから」
ライル:「だったら、何で、兄者には、
    そういう素振りを感じるんですか?」
ケイオス:「……で、何故に私に?」
師匠:「うむ、ケイオス殿からは、
   ライルへの歪んだ愛情がヒシヒシと……」
綾:「……でも、イルスさんは男のコですよ?」
師匠:「イルス殿の場合……、
   ライルに、彼への歪んだ愛情がヒシヒシと……」(笑)
ケイオス:「あ〜、もう色々言うのもめんどいから単刀直入に言おう。
     私は誰にも恋愛感情を持っていない、
     思い出に縋り付いてるただの愚か者だ。
     そして、アナタに勝手にそう決め付けられるのは……、
     思い出への想いを、土足で踏み躙られた気がして不快なので、
     できれば、あまりそう言う事は言ってほしくない」
師匠:「う、うむ……すまぬな。
   わしも頭に血が上って、ついつい興奮してしもうたわ」
ケイオス:「解って頂けたのなら助かる」
     そのまま、お酒をハイペースで、ぐいぐいと。
綾:「ところで……イルスさん、大丈夫ですか?」
イルス:「う、うん、なんとか……、
    で、取り敢えず、落ち着いた、のかな?」
綾:「そうですねぇ……」


ライル:
「うわ〜、ちくしょ〜!!
    
もうこうなったら言っちゃる!
    
言わなきゃ収まらんわぁ〜!!」
    と言いながら、ダダダッと部屋に戻る。
    で、綾っちから貰った例の記事を持って、ダダダッと駆け戻る。


綾:「……いえ、大噴火の予兆です」
ケイオス:「気を付けろ、もう一波乱くるぞ。
     各自、耳栓装備、対衝撃防御」
綾:「イエス・サー!」
  自前の耳栓装着して、イルスさんの耳も塞ぎます。
  パナップは……まあ、多分、大丈夫でしょう。
ライル:「オレの好きな人は……この人ぉぉぉぉ!!」
    と叫んで、記事の写真に出てるアロエッテを指差す。
師匠:「…………」
   記事を見て、師匠は、プルプルと体を震わせています。
   その全身から漂ってくるのは、強烈な怒気です。
ケイオス:……来るぞ。(笑)


師匠:
「この馬鹿弟子がぁぁぁぁ〜っ!」
   
響き渡る怒声、揺れる旅館、弾ける衝撃波!
   
吹っ飛ぶ襖とテーブルと大勢の客達!(爆)
一同:
うわぁぁぁ〜!
   大惨事だぁぁ〜っ!


ケイオス:「うおぅ、耳栓越しでも聞こえたぞ!
     ってか、衝撃波ぁ?!」
綾:「くぅぅぅ〜っ!?」
  耳にキーンときました〜。
イルス:「うわわわわわっ!?」(くらくら)
ライル:「……ひ、ひ〜」
    至近距離だったから、失神寸前だ。
ケイオス:パ、パナップは大丈夫か?
GM:自分の分の料理は、しっかりと確保して、
   平気な顔して食べてます。
ライル:す、すげぇ……、
ケイオス:大物だねぇ。
GM:はい、前途有望です。(笑)
師匠:「はあ、はあ……」
   怒声を上げたあと、師匠は、パナップを置いて、
   宴会場を出て行ってしまいます。
   その背中は、どこか寂しそうです。
ライル:「お、お師匠様……すいません」
    何とか立ち上がるが、既に師匠の姿は無い。
ケイオス:「さて、戦死者(笑)の回収でも行うか」
     ひとしきり酒を堪能した後、
     死屍累々な他の宿泊客の状況確認をしよう。
綾:「割と瀕死な気がするイルスさんの看病するので、
  ケイオスさんは、そっちは頼みます」
パナップ:「……じーじは?」
     ようやく満足したのか、
     食事を終えたパナップが、ケイオスに訊ねます。
     ご飯をくれたから、ちょっと心を許した様子ですね。
ケイオス:「む? ああ、外へ出ていったみたいだな。
     一緒に探しに行くかね?」
ライル:「兄者、今は……止めておいた方がいい。
    多分、オレ達の誰が行っても、同じ事を繰り返すだけだ」
ケイオス:「ま、そうかもしれんが……、
     とりあえず、この子一人で、
     お師匠さんを探しに行かせるのも酷だしねぇ」
パナッフ:「じーじ……じーじ……ぐすっ」
     師匠がいなくなり、不安になったのか、今にも泣きそうです。
ライル: 「そっか……分かった、じゃあ、オレがいくよ。
     被害を被るのは、オレだけで充分だからな」(苦笑)
ケイオス:「全くだ、思わぬ流れ弾に驚いたぞ」
ライル:「流石に、オレも、あそこまでの破壊力だとは思わなかった、はははは」
ケイオス:「まあ、とにかく、そっちは任せた……、
     ほら、このお兄ちゃんは良い人だ。安心していいぞ」
     パナップの頭を撫でつつ、ライルを示す。
綾:「ほらほら、泣かないで。
  あのギョロ目のおにーさんが、一緒に探してくれるって」
ナーフ:『まあ、気をつけろな〜』
パナップ:「……にーに?」(ライルを見上げ)
ライル:「ああ、にーにで良いよ」
    ナップの頭を軽く梳くように撫でる。
綾:「そう、にーにと一緒に、じーじを探しましょうね」
パナップ:「うん……」
     ライルの手を、ちっちゃな手でキュッと握ります。
ライル:「そんじゃ、いこうか」
綾:「ふふ……いってらっしゃい」
ケイオス:「気をつけてな〜」(手ひらひら)
ライル:「ああ、とりあえず、生きて帰ることを最優先にするよ」(手ひらひら)
    というわけで、宴会場から退場しよう。
綾:「……さて、イルスさんは、どうしたら良いでしょうね?
  取り敢えず、寝かせた方が良いんでしょうけど……、
  枕、枕……無いですね」
ケイオス:「座布団重ねるか、折り曲げて枕にしよう」
綾:「……『アレ』とか、どうです?」
  正座して、太腿あたりをパンパンと。(笑)
ケイオス:「……私は、膝枕はしないぞ?
     というわけで、そっちは、よろしく。(笑)
     さあ、立って歩ける者は自室へ、そうじゃない者は返事しろ〜」
     私は、屍軍団の介抱にまわろう。
綾:「りょうか〜い」
  では、寝てるイルスさんに膝枕敢行。
イルス:「う〜ん、むにゃ〜」(穏やかな寝息)
綾:「ぐっすり寝ちゃって……本当に年上なんですかね〜?」
ナーフ:『まぁ、イルスだからな〜……こいつは昔っからこんなだぜ』
ケイオス:「彼にも無理を強いている部分は、結構あるからな」
     苦笑しつつ、介抱が一段落したので戻ってきた。
綾:「ケイオスさん、おつかれさまですー」
ケイオス:「割と軽症な連中が多かったんでな。歩いて戻らせた。
     ところで、一つ頼みがあるのだが……、
     さっきのアレは……酔っ払いの戯言として、聞き流して頂きたい」
綾:「……ええ、オフにしときますよ〜。
  あっ、そうそう、イルスさんが、
  丁度、寝てるから、いい機会ですね。
  この間撮った写真ですけど……、
  ケイオスさん『だけ』写ってる写真のネガは処分させて頂きましたよ?」
ケイオス:「それは、助かる」
綾:「わりと、二人以上では、こっそり写る位置で隙がないです。
  なかなかに、侮れないお方です」
ケイオス:「そこで感心されてもなぁ」
ナーフ:『ふ〜ん、時々、何かちらちら気にしてると思えば……、
    思ったより、抜け目無くやってんのなぁ』
綾:「紹介では、スーツを着た、
  なかなかに美形なナイスぷーさんとして載ってるのです」
ケイオス:「あ、あのなぁ……」(ズッコケかけ)
ナーフ:『ケッケッケ……ま〜、頑張れやナイスぷーさん』(肩ぽむ)
綾:「身分偽証しなきゃいけない方は大変ですね……ねぇ、ナーフ?」
ナーフ:『全くだなぁ。いいぜぇ、鳥畜生は』
ケイオス:「くぅ、この極道鷹め……」(悔しそうに)
ナーフ:『オレが極道なら、お前さんは何さ?
    道化師? ま、気い楽にいこうや』
ケイオス:「……そうだな。少し気が張り詰めていたようだ」
     苦笑し、鷹と意思疎通出来てる事は、既に疑問と思わない。(笑)
綾:「それにしても……ライルさん、結構、時間掛かってますね」
ケイオス:「まぁ、すぐ戻ってくるよりかは、希望がもてそうだがね」
ナーフ:『ま、そういう流れだったら、じっくり話し合ってもらおうや。
    下手にこじれたまんまだとなんだしな』
GM:では、そろそろ、
   場面を、ライルの方に移しましょう。





―― PHASE-04 師匠との和解 ――


GM:パナップを連れて、ライルが宴会場を出ると、
   女将さんと、バッタリ出くわします。
   どうやら、宴会場での騒ぎを聞きつけてきたようです。
女将:「な、何があったんですか?
   ジョーさんが、もの凄い形相で、立ち去って行きましたけど?」
ライル:「す、すみません……、
    その、マスター・ジョーが何処に行ったか知りませんか?」
女将:「え、ええと……この旅館の裏の方に行きましたけど?」
ライル:「旅館の裏ですね、ありがとうございます。
    じーじ、裏庭にいるんだってさ。それじゃあ、いこうか?」
パナップ:「うん……いこ、にーに」
ライル:「ははは……パナップは6歳だっけ?」
    パナップの手を引き、裏庭を目指しつつ、話し掛けよう。
パナップ:「……うん、6歳」
ライル:「オレも、あの人に会ったのは、パナップと同じ年だったんだよ。
    もの凄く歌とギターが上手い人だった。
    ほんの僅かの間だけど、オレは、あの人に色々な事を教わった」
    あの人が、また旅に出る時、オレも一緒に行きたかった。
    でも、子供だったオレがついていけるわけでもなく……、
    何時か大人になったら、世界中を一緒に回ると約束したんだ。
    でも、あれから16年、お師匠様は、オレの村には来なかった。
    オレもすっかり諦めていて……、
    でも、ようやく会えたというのに、バカな話さ……、
    16年、お師匠様はオレの事を忘れずにいてくれて、
    大人になったオレを、すぐに分かってくれたのに……、
    畜生……なんで、こんな事になっちまうんだか……」
パナップ:「…………」
     元気出して、とでも言うように、
     繋いでいるライルの手を、ギュッと握ります。
ライル:「……パナップは、じーじと一緒に色んな所に行ったのかい?」
パナップ:「あたしは、じーじに拾われたの……、
     色んなところに行ったの……、
     綺麗なものを、いっぱい見せてくれてるの」
ライル:「……そっか、それはうらやましいな」
    拾われた? やっぱり、そうか……、
GM:補足しますと、パナップは、とある事情から、
   心を閉ざしてしまっていたんです。
   でも、師匠と共に世界を巡り歩き、美しいモノを見てきた事で、
   少しずつ傷付いた心が癒されているのです。
   最初の頃は、師匠ともロクに話せないくらいでした。
   とまあ、そんな話をしているうちに、裏庭に到着です。
   すると、何処からか、ギターの音が聞こえてきます。
ライル:「変わらないな、この音色……」
    尤も、アロエッテに言わせると、
    旋律がめちゃくちゃ、なんだよな、トホホホ……、(笑)
GM:ギターの音を辿ると、そこには、
   湯気が立ち込める大きな滝があります。
   そこで、師匠が、ギターをめちゃくちゃに描き鳴らしています。
師匠:「ぬおおおおお〜〜〜〜っ!!」(じゃじゃじゃん!)
ライル:「お師匠様……」
師匠:「……ライル……それに、パナップか?」
   ライル達が来たことに気付いたようです。
   師匠は、ギターを弾く手を止め、背を向けたまま、声を掛けてきます。
ライル:「……パナップが、まだ宴会場に残ってたので、探してました」
師匠:「そうか……一人残して済まなかったな、パナップ」
   と、振り向き、二人が手を繋いでいるのに目を止めると……、
   「もう、その子が心を許したか……流石は――」
ライル:「お、お師匠様……」
師匠:「――流石は、我が弟子よ」
ライル:「まだ、オレを弟子と呼んでくれるんですか?」
師匠:「当然だ……と言いたいところじゃが……、
   その前に問おう……ライルよ、先程の言葉に、嘘偽りは無いか?」
ライル:「彼女のことですか……、
    それなら、もう、嘘偽りを言う必要はありません」
師匠:「ならば、その愛に……迷いは無いか?」
ライル:「オレは、彼女を……アロエッテを……、
    アイアイアイアイアイアイアイたいのに〜、じゃなくてっ!!
    愛して……いますっ!!」(ぷしゃ〜!)」
師匠:「ならば、それで良い……、
   例え、その愛が女神様へのものでなくとも、
   それが真なるものであるならば……、
   お前が、我が弟子である事に変わりはない」
ライル:「お師匠様……っ!」
師匠:「すまぬな……自分の弟子と、
   道を違えて行くことが、妙に寂しくなっての……、
   わしも衰えた、というとか……」
ライル:「いえ、それはオレも……初音島で、そんな予感がしてたんです。
    けど、オレも、やはり寂しかった……です。
    お師匠様、もうしばらく話ませんか?
    あれから、お師匠様がどんな旅をしていたのか、
    そして、オレが、どんな出会いをしていたのか……」
師匠:「そうじゃな……風呂にでもつかりながら、語り合うとするか。
   だが、その前に、ライルよ……、
   最後に、今、一度だけ……応えよ、ライル!」
   そう言うと、師匠は、あの構えをとります。
ライル:「――っ!!」
    同じく、構える。


師匠:「新派、信仰不敗は〜っ!」
ライル:「女神への歌よぉぉ〜っ!」
師匠:「――熱唱騒踊っ!」
ライル:「――感謝天声っ!」


師匠・ライル:「――見よっ!
       我等は女神に
       萌えているぅぅぅ〜っ!」






 こうして――

 無事、ライルは、
師匠と和解することが出来た。

 これで、何の蟠りも無く、
素直に、再会を喜び合えるようになったのだが……、

 ――彼らは、まだ知らない。

 この後に待つ……、
 過去、最大の敵との闘いを……、





<後編に続く>
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注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。