それは、ある日の夜――

 IRC『学園の図書室』――
 競作企画座談会の最中の出来事――



「Sさん、Sさん……」

「……何ですか、真魚さん?」

「LQの設定にある『百の英雄』って、
ロー○ス島伝説で言う『百の勇者』と同じようなモノなんですよね?」

「はい、浩之や、祐一達だけじゃなく……、
他にも、たくさんの英雄達がいる、という意味があります」

「実は、その設定を、最大限に活かす方法があるんです」

「ほうほう……」





「Leaf Questの設定を使って、
TRPGのルールを作ってみたんですけど……」

「はい……?」

「今度、テストプレイしてみません?」

「――やりましょう、是非っ!」






『Leaf Quest TRPG』テストセッション・リプレイ

『ストレイキャット・ザ・サード』

〜その1 キャラメイクをしよう〜







 某月某日――

 二人のSS作家が、チャットルームに集まった。

 学園の図書室の競作企画である、
『Leaf Quest』のTRPGのテストプレイをする為である。



 ・STEVEN――学園の図書室の管理人であり、『Leaf Quest』の企画立案者。
          今回は、プレイヤーとして、テストプレイに参加する。

 ・ 真 魚 ――怪魚の巣窟の管理人。
         『Leaf Quest TRPG』のルールを作成。
         今回は、GM(ゲームマスター)として、テストプレイの場を設ける。




真魚(以後GM):――さて、早速、始めましょう。
STEVEN(以後S):と言われても、まだ、キャラすら出来てません。
GM:じゃあ、まずは、キャラメイクから始めましょう。


【キャラメイク】

 『Leaf Quest TRPG』のキャラクターの能力は、
 基本的に、三つの能力値で表され、それらは、ダイス(サイコロ)によって決定されます。

 ・B(筋力)……装備品の必要筋力や攻撃力に影響し、
         さらに、生命力や、死亡判定にも関係する。
 ・T(技術)……イニシアティブや行動順などに影響し、
         スキルを取得する際にも、重要な役割を持つ。
 ・M(魔力)……魔術の威力や精神力に影響し、
         また、魔術に関する、あらゆる技能に関わっている。



GM:じゃあ、2D6を三回振ってください。
   それで、B・T・Mの能力値を決定します。
S :2D6? 六面ダイスを二個同時に振れ、ってことですね?
GM:はい、このゲームでは、殆どが、その2D6によって、決定されます。
S :ではでは(ころころ←ダイスを振った音)……6、9、10です。
GM:となると、下記の表を参照して――

ダイスの出目 10 11 12
B・T・Mの能力値

   Sさんのキャラの能力値は、B=6T=7M=7になります。
   これで、生命力と精神力も決まったので、キャラシートに書き込んでください。
S :生命力がB×6=36精神力がM×4=28ですね。(かきかき)
GM:次に、キャラの属性を決めます。また、2D6を振ってください。
   その出目で決まる属性は、下記の表を参照です。

ダイスの出目
一つ目の出目を10の位、
二つ目の出目を1の位とする
11

14
15

22
23

26
31

34
35

42
43

46
51

54
55

62
63

65
66
決定される属性 ギャグ 複数(*)

       *:6ゾロが出た場合は、再度、2D6を二回振り、二つの属性を得られる。
         さらに、6ゾロが出る度に、得られる属性の数が増える。


【キャラの属性】

 キャラクターが持つ、魔術特性の事です。
 これによって、何が得意で、何が苦手かが決まります。

 また、属性は、他にも、様々な影響を及ぼします。

 例1:魔術を取得する際、それぞれの属性は「素養がある」とされ、
    その属性の魔法は攻撃力に+1D6される
 例2:ギャグキャラ属性の場合、ギャグキャラレベルを上げる必要なく、
    ツッコミアイテムを所持出来る。



S :(ころころ)……1と3が出たから、火属性ですね、
GM:次は、ヒーローLVギャグキャラLVですが、
   これは、作り立てのキャラは、ヒーロLVが0ギャグキャラLVが2と決まっているので、
   そのまま、キャラシートに書き込んでください。


【ヒーローLVとギャグキャラLV】

 これは、キャラの個性を表すモノで、
ヒーローLV=英雄らしさ、ギャグキャラLV=ギャグキャラらしさ、を示します。

 また、この二つのLVには、様々な効果があります。

 ・ヒーローLV
   これが高ければ高いほど、英雄らしくなります。
   具体的には、1シナリオにおいて、LV分の回数だけ、判定に1Dを追加出来るようになります。
   もちろん、一度の判定に、2D6以上、追加する事も可能です。
   つまり、判定に成功し易くする事が出来るようになるわけです。
   このLVは、死亡判定にも影響を及ぼすので、高いほど、死に難くなります。

 ・ギャグキャラLV
   これが高ければ高いほど、ギャグキャラらしくなります。
   キャラクターはギャグレベル回までご都合主義として、
   ダメージの無効化や死亡、気絶からの即時復活が出来るようになります。
   また、LVと同値まで、特別な設定やアイテムを得られます。(食欲魔人、猫に好かれるetc)



S :あとは、技能とか、魔術とか……、 
   そういう、細かい部分の設定を決めるだけですね。
GM:はい、ルールに基いて決めてください。
   どの技能を取るかで、キャラの、だいたいの役割が決まります。
   あと、必殺技や、ギャグキャラLV特徴装備品なども決めてくださいね。
S :初期の所持金は、どうやって決めるんです?
GM:2D6×200=初期資金です。


【技能と魔術】

 キャラの個性と役割を、最も強く表すモノです。
 これによって、冒険する中で、キャラに“何が出来るか”が決まります。

 技能の種類は様々で、プレイヤーが自由に決めて良い。

 キャラ作成時には、経験値を10点与えられます。
 この経験値を用い、後に紹介する『LVUPの方法』のルールに従って、各技能を取得します。

 魔術を取得する場合は、まず、メイガス(魔術師)技能を覚えなければならない。

 各魔術には難易度LVがあり、取得できる魔術は、メイガス技能と同値の難易度のモノまで。
 また、取得できる魔術の数は、Mの半数(端数切捨て)までです。

 さらに、取得した魔術には、熟練度LVがあります。
 熟練度LVは、メイガス技能と同値まで上げられますが、キャラ作成時は、LV1に固定となります。



S :う〜ん……(かきかき)……こんな感じになりました。
GM:ふむふむ、なるほど……、
   剣術とメイガス技能を取って、魔術剣士にしましたか。
S :まあ、テストプレイだから、基本でいこうかと……、


名前: アラン=スミシー 種族: 人間 属性:
B(筋力): 年齢: 19(自称) クリティカル値: 12
T(技術): 身長: 175cm ファンブル値: 2以下
M(魔力): 体重: 60kg イニシアチブ: 2d6+2
生命力: 36 ヒーローLV: 所持金: 300
精神力: 28 ギャグキャラLV: 経験値: −3
装備 命中 打撃 回避 魔回避 防御 魔防御 備考
必要筋力6 ロングソード 600G 2d6+2 2d6+7 12
必要筋力6 プロテクター 30G 2d6+4 2d6+2 防御力B÷2+1
必要筋力1 スモールシールド 70G 2d6+3 2d6+2 盾の効果で、回避に+1
難易度 取得魔術 熟練度 属性 対象 命中 打撃 抵抗 発動 回復 消費
1 アギ 1 単体 2d6+2 3d6+8 2〜 5
2 マハラギ 1 全体 2d6+2 3d6+4 2〜 5
1 ディア 1 回復 単体 2〜 2d6+8 5
戦闘技能: メイガス: 2 アルケミスト: 0 エージェント: 0
剣術 2            
盾防御 1            
武器弾き 1            
同時投擲 1            
ビーストテイマー: ガンスリンガー: エクソシスト   一般技能:
技能名   技能名   技能名   技能名  
               
               
               
               
所持品
テンガロンハット マント ガンベルト 荷袋
水筒            
               
               
               
必殺技: 『ガトリングキャノン』(単体専用)

命中判定の、成功値の分だけ、攻撃魔術による連続攻撃が出来る。
ただし、最大攻撃回数は、残り精神力
÷5(端数切捨て)の数値まで。
攻撃魔術の威力は、ダメージ判定は一回一律。全て2d6(3d6)+Mの数値で固定。
また、この技を使用した場合、精神力は1となる。

必殺技: 『トリプルスラッシュ』(剣技)(単体専用)

命中判定に成功すれば、敵に、三連続攻撃が出来る。
ただし、その三回の攻撃力は、全て−1d6となる。
また、攻撃の結果、ダメージが0だった場合、次の回避に−1d6の修正を受ける。

【外見・その他】

・テンガロンハットを被り、鎧の上にボロいマントを羽織っている。
・一見すると、ガンマンのようにも見えるが、腰のガンベルトにあるのは、銃ではなく剣である。
・常に、クールを装っているが、実は、照れ屋なのを隠しているだけ。

【ギャグキャラLVによる特徴】

・記憶を失っている為、本名ではない。
・放浪癖のある方向音痴。

注釈:経験値がマイナスとなっているのは、
   キャラ作成ルールが、このテストプレイ後に改訂された為です。



GM:これで、キャラが完成しました。
   これから、あなたは、アラン=スミシーとなって、冒険の旅に出るわけです。
S :了解しました。
   では、ここから先は、アランと名乗る事にします。
GM:じゃあ、『Leaf Quest TRPG』テストセッション、
   シナオリ名『ストレイキャット・ザ・サード』を始めましょう。





<その2へ続く>
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注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。