「姉妹親娘選手け〜ん!!」
『わあああああぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!』
「今日のゲストは、このお二人をお呼びしております!
どちらも人気絶頂のトップアイドル!
森川 由綺さんと、緒方 理奈さんです! どうぞ〜!!」
「「よろしくおねがいしま〜す!!」」
「それでは、チーム分けも決まったところで、早速まいりましょう!
姉妹親娘選手権、スタート!!」
「……理奈さん、私、絶対勝ちますから!」
「……それはこっちのセリフよ。
まあ、お互いベストを尽くしましょう。悔いの残らないように」
すでに番組の収録中と言う事も忘れ、じっと睨み合う二人。
そのまま、ロケバスに乗り込み、それぞれ別の方向へと移動して行く。
しかし、たかがTV番組の1ゲームに、何故、二人が、こうも燃えてるのか?
その理由はいたって簡単……、
今回、この勝負に勝ったほうには、
『今夜、冬弥君と一緒にいられる権』(笑)が与えられるからだ。
ちなみに、このことは冬弥本人は知らない。
二人で勝手に決めたことだ。
さらに、この賭けを持ちだしたのは、理奈の方だったりする。
余程、自信があるのだろうか……、
(フフ……由綺、悪いけど勝ちは私がいただくわ。
そのために、わざわざ“あの方たち”を呼んでいるのだから……!!)
(理奈さんのあの余裕の表情……すでになにか手を打っているの!?
でも、私だって、強力な心当たりがいるんだからっ!!)
「あ、ドライバーさん。行き先ですけど??????ここにしてもらえませんか?」
そう言いって……、
由綺が示した場所は……、
――もちろん、東鳩町である。
Heart to Heart SS
究極の対決!?
「……と、言うわけで誠君、お母さんと一緒に来てくれないかな?」
学校が終わって、ちょっと寄り道でもしようかな〜、と思い、俺は商店街のほうに足を運んだ。
商店街に入った途端、、
いきなり由綺姉が現れて、何事かと思ったら……、
こともあろうに、俺と母さんに……、
由綺姉チームの姉妹親娘として、出場してくれないか、と頼んできたのだ。
「……ちょっといいかな、由綺姉」(汗)
「何かな?」
「これって……あの姉妹親娘選手権だよな?」
「うん、そうだよ」
「……なんで俺に?」(滝汗)
「え〜、だって……誠君くらいしか心当たりないし……」
由綺姉……、
そんな理由でわざわざ俺の所に……?
「……そもそも俺……男だし」
「あ、それなら大丈夫。だって誠君、『男の娘』だし♪
ほら、文字的にも全然OK♪」
「って誰が『男の娘』ですかい!
何だろうと、男じゃ企画的にアウトでしょうが!」
まあ、知ってる人をスカウトするってのもアウトな気がするが……、
細かい事は気にしちゃダメなんだろう、きっと……、(謎)
「ん〜……じゃあ、女装するとか♪」
「弥生さんみたいなこというなぁぁぁぁ〜〜〜っ!!」
うう……、
由綺姉からそんなセリフを聞きたくなかったぞ。
マジで弥生さんに影響うけてるんじゃないか?
「もう……わがままだなあ」
「――どっちが!? それに、由綺姉、うちの母さんは色々とマズいと思うぞ。
あの犯罪的な外見じゃ……ヘタしたら母さんが妹扱いになるかも……」
自分で言ってて悲しいものがあるが……事実だしなあ(泣)
「う〜ん……でも、今から普通に探すとなると……、
――ダメ! それじゃ、とても理奈さんには勝てない!」
――ん?
由綺姉のあの悩み様……何か理由でもあるのかな?
「由綺姉、理奈さんと何かあったのか?」
「――えっ? う〜ん、しょうがない、言っちゃおうか。誠君、ちょっと耳かして」
「……?」
「ごにょごにょ…………というわけなの」
うあ……それは、また……、
冬弥兄さん……兄さんも大変だねえ……、
「――ん? そういや、今回は冬弥兄さんと一緒じゃないの?」
「うん……冬弥君、今日は他の番組の方に入ってるの」
まあ、冬弥兄さんは、あくまでただのADのアルバイトだし、
毎回、由綺姉と一緒に居れるってわけじゃないか。
でも、今、一瞬、見えた由綺姉のあの寂しそうな顔……、
やっぱり、冬弥兄さんが……、
「ま、そういうことなら、他ならぬ由綺姉の頼みだ。協力するよ。
近所の知り合いにうってつけの親娘がいるから、その人たちを紹介するよ。
あの人なら間違いなく勝てると思う」
「――わあ、ありがとう! 誠君!」
そういうと由綺姉は、急に明るくなって、俺に抱きついて来た。
「――って、由綺姉!
あんまりくっつくとマズいでしょ! 一応、収録中なんだし」
でも、この……何と言うか……、
顔に当たる感触が……、
……これも役得かな?(爆)
その頃――
理奈の方は――
――このゲーム定番の地、表参道に来ていた。
(おそらく、由綺の事だから誠君の方を当たってると思うけど……、
甘いわね。こっちは切り札を用意してるのよ。
以前、ロケに行った時に、偶然、知り合ったんだけど……、
あの人には勝てないわ。絶対に……、
さて、一応、この辺りにいる手はずになってるんだけど……)
キョロキョロと辺りを見回しながら、歩道をスタスタと歩いていく。
と、急に足を止め、
反対側の歩道にいる三人組の方に目を止める。
「――居た! すみませ〜ん、そこの方〜!」
そのまま、三人組の方に走り出す理奈。
スタッフも慌てて後を追いかける。
こうして――
――両陣営が出揃った。
「――おっ! ここだな、会場は」
俺は今、さくら、あかねと一緒に特設会場にやって来た。
由綺姉からも来てくれって言われたし、
ここまで関わったんなら行かないほうが失礼だよな。
――ん?
あそこに見える、目つきの悪い男は……、
「よう、浩之。来てたのか」
「おっ、誠! やっぱり、お前も来てたか。
しかし、お前もいい度胸してんなあ。
まさか、あかりとお義母さんを推薦するとは……」
――そうなのだ。
俺は、由綺姉に、あかりさんとひかりさん親娘を推薦した。
まあ、ここにいるさくらやあかね親娘を、という手もあったが……、
選べるのは一組だけ。
そして、俺は、この二人のどっちかを選ぶ事は出来ない。
それに、ヘタにあの二人に頼むと、代償として何されるかわからないからな。
そこで、ダメ元でひかりさんの所に当たってみたら……、
あっさりOKをもらっちゃったのだ。(笑)
しかもひかりさん……けっこうノリノリっぽいし。
あかりさんは、多少、渋っていたが……、
やっぱり、ひかりさんには逆らえなかったみたいだ。
「まあ、姉妹に見える、という条件なら、
あの二人にかなう親娘なんて他にいるわけねえからなあ。
同じ格好すれば、双子でも通るかもしれないくらいだし……、」
「そうだね……あっ、でも、あの人たちなら……」
「――え? あ、ひょっとして……」
さくらの言う、あの人達って……、
まさか、あの二人の事か?
でも、あの二人は……、
「いや、ロケは東京だけだったし……、
あの人が、こんなところに居るわけが――って!?」
い、今、観客の向こうに見えた人影は……、
まさか――!?
思うが早いが、俺はその人の方に向かっていった。
「あっ、どうしたの? まーくん!」
「ちょっと、そこで待ってろ! すぐ戻る!」
今、見えた人影は、間違い無い!
でも、何故……?
「……祐一さん、どうしてここに?」
「――え? ああ、誠か。久しぶりだな。
いや、実は、秋子さんが、知り合いに『名雪と一緒に東京に来て欲しい』って呼ばれたらしくてな。
で、秋子さんが『折角だから、祐一さんも一緒にどうですか』って言ってきてな。
それで、お言葉に甘えて、俺もついて来たってわけだ」
「その知り合いって……まさか!?」
「ああ、俺も会ってビックリしたよ。
なんせ、天下のトップアイドル、緒方 理奈だったんだからな。
しかも、番組に出演して欲しいときたもんだ。つくづく秋子さんって凄いよな」
何てこった……、
それじゃ、ひかりさん達の相手は……、
しかし、理奈さんも勝つために、そこまでやるか……?
冬弥兄さん……、
アンタ、やっぱり罪な男だよ。
「――ん? どうした、誠?
なんか顔色が悪いように見えるが……」
「……いえ、大丈夫です。それじゃ」
「そうか。少しばかり世間話もしたかったが、急じゃそうもいかないよな。
じゃあな、誠……また、そのうち会えたら……な」
「はい、失礼します。祐一さん」
俺は、祐一さんに別れの挨拶をして、
ひとまず、さくら達の方に戻ることにした。
「あ、おかえりなさい、まーくん」
「急にどうしたの? 険しい顔して走ってくから……トイレ?」
「違う。いいか、さくら、あかね、よーく聞け。
……そこに祐一さんがいた」
「――え?」
「祐一さんって……あの祐一さん?」
あかねの質問に、俺はコックリと頷く。
「それじゃあ……」
「ああ、理奈さん側は……水瀬親娘だ。間違い無い」
「「ええええええええええええええっ!」」
二人とも鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔してる。
まあ、無理もないか……、
俺だって、まだ信じられないんだからな。
「なあ……誠」
「――ん? 何だ、浩之」
「水瀬って……まさか、お前達や、お義母さんがよく言ってた、あの……?」
「……そのまさかだ」
「へえ……一度会ってみたいとは思っていたが、
まさか、こんなところで、お目にかかれるとはねえ……」
――そうか。
浩之は、まだ直接会った事はなかったんだっけな。
「ああ……よく見ておくといいぞ。秋子さんという人物の凄さを」
しかし、この二組の対決……、
すごいことになりそうだな。
……O・Aは、忘れずにビデオに録っておこう。(笑)
その頃――
ステージ裏では――
「久し振りね……まさか、こんな所で出会うことになるとは」
「ええ……それにしても因果なものね。相手があなたとは……秋子」
「ええ……ですが、こうなるとは薄々思ってました。
やはり、私とあなたとは、見えない運命の糸でつながれているんでしょうね。
そう思わないかしら、ひかり?」
「やめてよ……でも、こうなってしまった以上――」
「――ええ、本気で行くわよ」
「フフフ……もちろんよ」
「「お母さん……」」
――そして、収録が始まった。
開始の合図とともに、
司会のアナウンサーが中央に出てきた。
続いて由綺姉、理奈さんの登場だ。
「さあ、両チームともやってまいりました! 自信の程はいかがですか?」
「バッチリです! もう勝ちはいただきですよ!」
「はっきり言って……これ以上の姉妹親娘はいないんじゃないかしら?」
由綺姉も理奈さんも、二人とも自信たっぷりって顔してるな。
まあ、当然だろうが……、
なんせ、片や神岸親娘……、
と思えば、もう片方は、水瀬親娘、なんだからな……、
「それでは、まずは両チームの娘さんの方に登場していただきましょう……どうぞ!」
中央のセットのカーテンが開いて、
中からあかりさんが、続けて名雪さんがステージに出てきた。
それと同時に、会場から「おお〜〜〜っ!!」という歓声が聞こえてきた。
まあ、二人とも飛びきりの美少女だからな。無理もないか。
でも、二人ともちょっぴり恥ずかしそうだな。
やっぱこういう事には慣れて無いせいかな。
――ん?
名雪さん、こっちの方をジーっと見つめてるぞ?
――どうしたんだろう?
「…………ねこー、ねこー」
……猫?
ああ、これが祐一さんの言ってた、名雪さんの『猫センサー』ってやつか。
でも、この人ゴミの中に猫なんているわけ……、
もしや――
反応先は、あかねか?(汗)
なるほど。猫だけじゃなく猫属性の人にも反応するってか。
しかし、この精度……、
猫センサー、侮りがたし。(笑)
まあ、距離があるせいか、
まだ反応しているだけで発見はしてないようだな……幸いにも。
――おっと、そんな事言ってるうちに、もう、ひかりさんの出番か。
「さあ、まずは由綺チームのお母さんのバックショットから! カーテンオープン!」
アナウンサーの掛け声とともに、
中央のカーテンがゆっくりと開いて……って、ええっ!?
『うおおおおぉぉぉぉっ!?』
おお、さすがはひかりさん。後ろ姿がまた若々しい。若々しいが……、
なんで、東鳩高校の制服を着てますか?(爆)
しかも、夏服を……、
観客も司会者も全員度肝を抜かれてるぞ……当然だが。
まあ、俺は普段母さんの友○小の制服着てる姿見てるせいでたいして驚かないが……、
「もう、お母さんったら……恥ずかしいから止めてっていったでしょ!」
「え〜、いいじゃない。まだまだ現役でもいけるでしょ?」
ええ、確かに……、
こうして見てると、まったく違和感はないですよ、ひかりさん。
あかりさんが出てきたとき恥ずかしがってたのは……、
ひょっとしたら、このせいだったんじゃないか?
「あ……あの、お母さんですよね?」
「ええ、もちろん♪」
司会者が信じられなさそうな顔でひかりさんに尋ねる。
まあ、無理ないか……、
多分、俺たち以外の一般ピープルには、ひかりさんが
あかりさんという現役高校生の娘がいる推定(ピー)歳の歴とした母親だって、誰も思えないだろうな。
「と、とりあえず、観客の一人にお母さんの素顔を見てもらいましょうか。
……あ、そこの君、ちょっと来てくれるかな?」
「――え? 俺?」
ありゃ、浩之が呼ばれちゃったぞ、いいのかな?
まあいいか、TV用に適当なリアクションすればいいだけだし。大丈夫だろう。多分。
(ん〜……とはいっても、お義母さんの顔は、昔から見慣れてるしな……どうしたもんか……、
――って、な、何だ? このプレッシャーは!?
どこから……げっ! お、お義母さん!?)
うわ……俺にはわかるぞ。
ひかりさんが、いつもの笑顔の裏で――
『ちゃんとした反応見せなかったら……オシオキね♪』
――オーラを発しているのが……、
浩之、頑張れよ。
俺には、何事も無いよう祈る事ぐらいしか出来ん。
「それでは、目を開けて下さい。」
司会者の掛け声とともに浩之がゆっくりと目を開ける。そして・・・
「うおっ! わ、若い……娘さんと同じぐらいにしか見えないぜ!
俺も、こんな母さんが欲しいなあ・・・!」
やたらとオーバーな反応をして、
多分、思いつきだとは思うが無難なセリフを出した。
でも、浩之の声が僅かに震えてるのを、俺は聞き逃さなかった。
あ、ひかりさんからオーラが消えていく。
浩之、ナイスファイト。よかったな。本当に。
浩之は、役目を終えると、そそくさと俺たちの所に戻ってきた。
「うう……すっげー怖かった。寿命が縮まる思いだったぜ」
「……ごくろうさん」
浩之、その気持ちはよくわかるぜ。
お前も苦労してんだな。
……あ、ついにひかりさんがこっちを向くみたいだぜ。
「それでは、お母さんに振り向いていただきましょう! どうぞ!」
『おおおお〜〜〜〜っ!!』
ひかりさんがこっちを向いた瞬間、さっきの数倍の歓声が会場を包んだ。
しかし、制服のひかりさん……、
正面から見ると、見事に学校でのあかりさんとダブるな……恐ろしい。
「いやあ、しかし、お若いですねえ。何か秘訣でもあるんですか?」
「ええ、実は、波○の呼吸法を少々」
「……は?」
今、ひかりさん……、
サラッと凄い事言わなかったか?
「波○の呼吸法には、細胞を活性化させ、肉体を若く保つ効果もあるんですよ。
それで、この若さを保ってるわけです♪」
急に会場がシンと静まり返った。
みんな、言葉に詰まってるんだろう。俺もそうだし。
「ええっと……本当ですか?」
恐る恐る、司会者が尋ねる。
すると、ひかりさんはコロッと表情を変えて、
「嫌ですねえ。冗談ですよ。そんなわけないじゃないですか。
そうですね……強いてあげるなら、娘や義息とのスキンシップでしょうかねえ♪
やはり、若い子たちと一緒にいるのが一番ですね♪
精神を若く保てば、肉体にも影響するみたいですね♪」
ひかりさんが言うと冗談に聞こえないんですけど……、
冗談の冗談でやっぱりマスターしてるんじゃないか……波○。
……確かめる勇気はないけどな。
――ん?
浩之とあかりさんが『スキンシップ』と言う単語に反応して震えてる。
ひかりさん……、
あなたの言う『スキンシップ』っていったいどんなんですか?
俺が普段人妻ズにされてるようなことでもしてるんですか?(汗)
「……ありがとうございました」
あ、司会者もこれ以上ヘタに聞かないほうがいいと判断したみたいだな。
まあ、それが正解だとは思うけど。
「それでは……続いて、理奈チームのお母さんに登場してもらいましょう! カーテンオープン!」
さっきと同じように、
中央のカーテンが開いて、秋子さんの後ろ姿が出てきたけど……、
……秋子さん、貴女も制服ですかい。(核爆)
多分、名雪さんの物なんだろうけど……、
すいません。似合い過ぎです。マジで。
ほら、ひかりさんの時点で、
精神的ダメージを受けてた観客の何人かが、悶絶してブッ倒れてるぞ。
……あ、向こうで祐一さんが何か遠くの方を眺めてるし。
「では、こちらも、まずは会場のお客さんの一人にお母さんの素顔を見てもらいましょうか」
――お? 司会者は何事もなかったかのようにサクサクと進行させていくぞ。
もう耐性がついたのか?
やるな、名前は知らないアナウンサー。(笑)
いや、あるいは現実逃避か?
さっさと、この仕事を終わらせたいだけだったりして。
「はい、そこのあなた、ちょっと来てくれるかな?」
「――え? 俺?」
――って、この声はまさか……、
おいおい、祐一さんが呼ばれちゃったよ。
まさかこれって、さっきと同じパターン?
ああ、ステージに向かう祐一さんの足取りが重い。
多分、さっきのひかりさんの常人にはわからないオーラ、祐一さんも感じたんだろうな。
祐一さん……南無。
「じゃ、目をつぶって、こちらまで来て下さい。」
――ん?
目をつぶったままの祐一さんと向かい合ってる秋子さんからは、
さっきのひかりさんみたいなオーラは感じられないぞ。
秋子さん、やっぱり大人なんだな。
こういうことは気にしないってか。
「では、目を開けて下さい。どうぞ!」
司会者の声とともに、祐一さんはゆっくりと目を開け、そして……、
――ビクッ!!
「あ、あうあう……」
え……?
祐一さん、声も出ないほどショックを受けてる?
いや……何かに怯えてるのか?
――ん?
秋子さん、右手に何か持ってる?
――って、まさか! いや、間違い無い!
多分、「浩之君より情けないリアクションしたら……コレですよ♪」って意味だろうな。
前言撤回――
秋子さん、対抗意識燃やしまくりじゃないですか。(汗)
「……どうしました? 声も出ないくらいおキレイでしたか?」
司会者の言葉に我を取り戻すと、あわててコクコクと頷く祐一さん。
いいぞ司会者、ナイスフォロー。
――お!
観客席に戻っていく祐一さん、憑き物が落ちたかのような安心した顔してる。
よかった。何とか謎ジャムは免れたようですね。
多分、心の中じゃ司会者にお礼を言ってるだろうな。
「え〜、それでは、お母さんに登場していただきます! どうぞ!」
司会者の呼び声の後、一瞬の間を置いて、
ゆっくりと秋子さんがこちらに振り返った。
『おおーーーーーーっ!!』
――おお!
ひかりさんに劣らない、かなりの歓声が沸きあがってる。
普通、観客が慣れるせいか、どうしても二人目は多少反応が悪くなる。
しかも、前があのひかりさんだったっていうのにこの歓声……さすがは秋子さんってとこかな。
「おお、こちらのお母さんも素晴らしくお若い! その若さの秘訣は一体?」
「ええ、実は、コレを毎日欠かさず食べてるからなんですよ」
そういって、秋子さんが取り出したのは……、
あ、あの、ビンに入ったオレンジ色の物体は……ひょっとして……、
「これは……何かのジャムですか? 材料はよくわかりませんが」
「ええ、そのとおりですよ。自家製の特製ジャムです。ちなみに、原料は企業秘密です♪」
やっぱり謎ジャムかぁぁぁ〜〜〜っ!!
って、秋子さん。アレを毎日食べてるってマジですか!?
「ほほう……少し頂いてみてよろしいですか?」
「はい、どうぞ♪」
――だ、ダメだ!
――それを口にしちゃ!
しかし、俺の思いもむなしく、
司会者はジャムの載ったスプーンを口に運び……、
「ぐはあああっっっ!!」
……そのまま盛大にブッ倒れてしまった。(合掌)
その後……、
どうなったかというと……、
急遽、由綺姉と理奈さんが司会代理を務め、何とか撮影は終了した。
ちなみに最後の判定結果は、25対25で見事に引き分けに終わった。
ひかりさんも秋子さんも物足りなさそうな顔してたけど……、
逆にあかりさんと名雪さんはホッとしてたな。
まあ、何となく気持ちはわかる気がする。
で、由綺姉と理奈さんの賭けはどうなるかというと……、
「結局……引き分けになっちゃいましたね」
「仕方ないわ……じゃ、今夜は、二人一緒に冬弥君の所に行っちゃいましょうか」
「……そうですね!」(キラキラ)
……冬弥兄さん、頑張ってね。(笑)
<おわり>
<おまけ>
あとがき
ええと、初めまして。
日高 一樹と申すものです。
このサイト見てたら、昔どこかに置いてきた創作意欲がふつふつと蘇ってきて……、
で、本当に書いちゃったと言うわけです。(^^;
書いてるうちにやたらと長くなっちゃいましたね……反省。
ちなみに、私にとって、SSはこれが初めての作品になります。
なので、力の足りないところが多々あると思いますが、そこの所、了承してくれるとありがたいかと。(^^;
それと、ご意見、ご感想、ツッコミ等々どんどん頂けると嬉しいです。
次の参考にもなるので。
このSS,元ネタはもちろん某T○Sのあの若者向け番組のあのコーナーです。
TV見ててハッと思いついて、そのまま書き上げちゃいました。(^^;
最後に、こんな作品を最後まで読んでいただいてありがとうございました。
それでは。<(_ _)>
<コメント>
みこと 「ぶーぶー! どうして、みーちゃんを推薦しなかったの?
みーちゃんも、テレビに出たかったのに〜!」(−−メ
誠 「だから、母さんの外見はヤバイだろうがっ!
それに、俺は男だから、出演条件を満たしてないってのっ!」(−−;
みこと 「――女装すれば良いでしょ」(−o−)
誠 「うわっ、当然のように言いやがるしっ!」Σ( ̄□ ̄)
由綺・理奈 「――誠く〜〜〜んっ!!」\( ̄□ ̄)/
誠 「あれ? 由綺姉に理奈さん? どうしたんです?」(・_・?
由綺 「あ、あのね、この企画に出演して欲しいの!」( ̄□ ̄)
理奈 「誠君なら、絶対に勝てるわっ!」( ̄□ ̄)
誠 「ちょっと企画書、見てせて……って、なんですとっ!?」Σ(@□@)
――『可愛い男の娘選手権』
由綺 「お願い、誠君! 私のチームとして出演して――」( ̄□ ̄メ
理奈 「何言ってるのよ! 誠君は私のチームよ!
誠君! もちろん、お姉さんの言うことを聞くわよねっ!?」( ̄□ ̄メ
由綺 「違うよ〜! 誠君のお姉さんは、私なの〜!」( ̄□ ̄メ
誠 「痛い、痛い、痛い! 手が千切れるぅぅぅ〜〜〜っ!」(T▽T)
みこと 「ねえねえ、二人とも……大岡裁き、って知ってる?」(^_^?
由綺・理奈 「――知らないっ!!」( ̄□ ̄メ
みこと 「……まこりん、頑張ってね」(−人−)
誠 「助けて、ぷり〜〜〜〜〜ずっ!!」(T□T)