GM:では、第6PT……、
別名『幼馴染〜ズ』の初セッションを始めま〜す。
光:初セッションなのに、
もう、パーティーの別名が決まってるのかよ。
GM:この名前以外、どんなモノをつけろと?
なにせ、メンバーの共通設定が――
美雪:光の幼馴染みで〜す♪
ティーナ(以後ティナ):わたしも、お兄ちゃんの、幼馴染で〜す♪
ミリィ:同じく〜♪
キラリ:……パート2。
GM:――な?
光:設定では、幼馴染は12人……しかも、全員、種族バラバラ。
苦労の絶えないプレイになりそうだな。
GM:というわけで……、
光争奪戦の始まり始まり〜♪
光:ちょっ、違うからっ!!
冒険だから! ファンタジーだからっ!
『Leaf Quest
TRPG』リプレイ
幼馴染〜ズ冒険譚 1
『ウェディングビーチ』
―― PHASE-01 月下の出会い ――
GM:では、シナリオの最初は、
GMによるマスターシーンから始まります。
ちょっと長いですが、お付き合いください。
とある漁村に、一人の少年がいた。
少年の名は、『立野 光』。
ある日の夜――
どうにも、寝付けなかった光は、何となく、夜の散歩に出かけた。
そして、村の外れにある花畑で、一人の少女と出会う。
ボロ布だけを纏い、花畑の真ん中で、立ち尽くす少女。
流れるような長く美しい銀色の髪――
透き通るような、滑らかな白い肌――
紅玉のように、赤く輝く瞳――
だが、なによりも目を引くのは――
少女の両手足にある、重りの付いた鋼鉄の枷――
そんな痛々しい姿の少女に、少年は歩み寄り、訊ねる。
光:「キミ……だれ?」
少女:「……」(ふるふる)
光:「お父さんと、お母さんは?」
少女:「……」(ふるふる)
光:「お家はどこ? 何処から来たの?」
少女:「……」(ふるふる)
光:「どうして、こんな所にいるの?
どうして……そんなもの、つけてるの?」
少女:「……」(ふるふる)
光:「なにも……わからないの?」
少女:「……」(こく)
光:「じゃあ、名前は? 名前だけでも教えてよ」
少女:「――JERN−03」
光:「え? なに? それが名前なの?」
少女:「……そう、呼ばれてた気がする」
光:「そんなのじゃ、呼びづらいな〜……、
じゃあ、ぼくが、名前をつけてあげるよ」
少女:「……え?」
戸惑う少女を他所に、光は、改めて少女の姿を見る。
優しい月の光に照らされた花畑の中……、
夜風になびくは、まさに、月の輝きの如き銀の髪……、
光:「月花(ユイファ)……」
少女:「ゆい……ふぁ?」
光:「うん、きみの名前は『月花(ユイファ)』だ」
少女:「ゆいふぁ……わたしは、ゆいふぁ……」
光:「うん、月花だよ! て、ぼくは光!
ねえ、月花? ぼくと友達になってよ?」
少女:「とも、だち……?」
光:「そう、友達! ダメかな?」
少女:「うん、わたし……ひかるの友達」
そして、10年の月日が流れ――
―― PHASE-02 騒々しい朝 ――
GM:では、朝になりまして……、
光は自宅の部屋で目を覚まします。
はい、ここから、ロールプレイスタート!(笑)
光:「ぐ〜、ぐ〜……」
……目を覚ます?
いやいや、ここは、やはり、惰眠を貪るね!
美雪:「はいはーい! みんな!! 朝よぉ〜!!」
と、光を呼びつつ、ガンガンと、おたまで鍋を叩く。
光:無論、起きないっ!(笑)
美雪:「もうすぐ、朝ご飯できるから、早く起きなさ〜〜い!」(ガンガン!)
GM:……ちなみに、他の皆さんは?
ミリィ:「うにゅ〜……?」
光の横で、Yシャツ一枚で寝てる。(笑)
ティナ:「ん〜……お兄ちゃん、暖かぁい」
じゃあ、布団に潜り込んでる。(笑)
お兄ちゃんの胸元で、子猫みたいにスリスリしてる。
キラリ:「出遅れた……けど、これはこれで、良い眺め」
光の部屋の窓辺で、夜通し本を読んでる。(笑)
光:「んあ……」
寝惚けつつ、ティーナの頭撫でて、意識が覚醒へ向かう。
ミリィ:「ひかる〜♪ おはよ〜のちゅ〜♪」(胸ふにふに)
胸の間に、光の腕を挟んだまま、寝ぼけ状態で、キスを迫る。
ティナ:「ふにゅ? あ、お兄ちゃん、おはよ〜」(寝惚け眼で挨拶)
光:「……お前ら、年頃の娘として、ソレは正直どうよ?」
朝から、開口一番、ツッコミ入れる。
GM:と、光が目覚めたところで、
部屋の扉の向こうから聞こえてくる美雪の声……、
美雪:「で、ここは、相変わらず反応無し、と……はあ、まったく」(溜息)
光:「……じーざす」(←状況を把握)
美雪:「せえ〜のおっ!!
起きんか、こらぁぁぁっ!!」
中華鍋で、ドアをぶち抜いて突入!
ティナ:「ひにゃにゃにゃにゃあぁ!?」
キラリ:「……きゅ〜」(騒音にKO)
ミリィ:「――うきゃぁっ!?」
美雪:「はぁ、まったく……あんたってば、
いつもいつも、手を煩わせて……、
そんなにザンゲインパルスを喰らいたい……って?」
ミリィ:「み、耳が……って、美雪!
耳元で怒鳴るなって、いつも言ってるでしょ〜!?」
前をはだけたYシャツのまま、仁王立ちする。
その反動で、胸がぷるんっと揺れる。
光:「いやまて、一応、俺、起きてる!」
必死に弁解を試みつつ……、
そして、一瞬、ミリィの『ぷるん』に目がいく、正直なバカ。(笑)
美雪:「え〜、あ〜、その〜……」(汗)
部屋の中の状況を見て、一瞬、言葉に詰まる。
光:「とりあえず、一言……誤解だ」
美雪:「ねえ、光?」(にっこり)
光:「誤解ですヨ? いや、ホント」
キラリ:「……ミユキ、安心して。
二人は、ただ添い寝をしていただけ。わたしが確かに見ていた」
光:「キラリ、今、この瞬間、お前が、マジ天使に見える」(だー、と涙流す)
キラリ:「本当は、わたしも一緒に寝たかったけど、ベッドがいっぱいだった」(ぼそっ)
ティナ:「うん、お兄ちゃんに抱かれて寝ると、気持ち良いんだよ〜」
ミリィ:「……ん? ひゃっ!? ま、またやっちゃった!?」
真っ赤になって前押さえる。
胸が腕で押さえつけられて、ふにむに。(爆)
光:「誤解だ! 不幸な擦れ違い……、
しかも、何気に、トンデモナイことを言ってくれるね、ティーナも!?」
と言いつつ、やはり、ミリィから目が離れない。(笑)
美雪:「誤解と糸瓜と瓢箪はともかく……、
そういう状態が好きなら、とっとと婚姻届に判を押さんかい!!」
で、そこのおっぱい星人とスレンダー少女!!
あんた達も、するならするで、ちゃんと手続き遂行してからしなさいっ!!」
ミリィ:「おっぱい星人って……、
美雪、ちょっと胸元が心許ないからって、それ酷いっ!?」
美雪:「ええい! 胸は大きさじゃないのよ、形と実用性なのよ!!」
ミリィ:「それは同意だから!
4回りも5回りも違う訳じゃないから良いでしょうが!」
ティナ:「スレンダーって酷いよ〜!
私だって、せめて美雪お姉ちゃんくらいは、欲しいけどさ」
キラリ:「歯牙にもかけられない体が憎い……」
美雪:「うっ、ご、ごめんなさいね、ティーナ。
べ、別にスレンダーが悪いわけじゃ……って、キラリも落ち込まないでぇ!?」(わたわた)
ミリィ:「わわわ!? 二人とも落ち込まないでぇ〜っ!?」
キラリ:「気にしてなんか、いない……、
もう10歳の時から、タテもヨコも伸びてない……」
光:(二人には悪いが、今の内に……)
こっそりと、退散を決め込もうとする。
ティナ:「……あれ? 光お兄ちゃん、どこ行くの?」(目敏く発見)
光:「お兄ちゃん、そこは見逃して欲しかったな」
ティーナに見つかり、悲しそうに呟く。
美雪:「って、そこのボケナス! 逃げんなぁぁぁっ!!」
光の後頭部に向かって、おたま投擲っ!!
ミリィ:「――で、ひかる?
ひかる的には、どっちが良いのかしら?」
キラリ:「…………」(期待の眼差し)
光:「あ〜、キラリは、今も昔も可愛いと思――ぎゃふぅん!?」(お玉直撃)
美雪:「ったく、このフィッシャー万年堂の鉄おたまから逃げられると思ったか」
GM:(フィッシャー万年堂って、ライルの実家?)
キラリ:「…………」(ず〜ん)
ティナ:「キラリお姉ちゃん!
まだ、希望は捨てちゃ駄目だよ! 一緒にがんばろ?」
ミリィ:「放って置いても、結構、大きくなるモノよ?」(ゆさゆさ)
キラリ:「……もう、諦めた。
こうなったら、この体を活かすしかない」
光:「いや、待て……俺さ、前に、何故か官憲に職質されちゃったんだけど?」
くわんくわんする頭を擦りつつ、復活する。
キラリ:「……それは、わたしの体のせい」
美雪:゛一体、何したの、あんた達……?」
ちなみに、ここまでの間、
GMは、一切、口を出していません。
放って置いたら、延々とネタは続きそうな雰囲気です。
とはいえ、このままでは、
話が進まないので、そろそろ、強引に事態を進展させることにする。
GM:では、皆さんが、そんな朝の『いつもの』やり取りをしていると、
表の方から、ズシ〜ンズシ〜ンという音が聞こえてきます。
一同:――なんですと?
GM:ズシ〜ン、ズシ〜ン、ズシ〜ン……、
その音は、徐々に近付いてきて、光の家の前で止まります。
光:「……?」
窓から、外の様子を見る。
ミリィ:「なんだろ?」
同じく、手で前を隠しつつ、外を見る。
そういえば、今の私って、する事シた後の彼女って感じ?(笑)
ティナ:「ミリィお姉ちゃんは、まず着替えて〜!」
GM:では、皆さんが、窓の外を見ると、
銀髪の少女が、でかい丸太を2本、両肩に担いで立っています。
そして、光達の視線に気付くと、首だけでペコッとご挨拶。
月花:「……おはよう」
光:なるほど、月花だったのか……、
ちなみに、俺以外の皆は、月花のことを知ってるのか?
GM:もちろん、知っています。
なにせ、月花は、皆さんが住む漁村一番の怪力さんですから。
ちなみに、データ的に言うと、B値20ね♪
ミリィ:ミカトさん以上っ!?
光:「おう、おはよう……で、その丸太は何だ?」
月花:「……薪割り」
端的に答えて、丸太をズドンと下ろします。
光:「また、偉くスケールでかいな、今日も……」
美雪:「あら、月花だったの。おはよう、朝からありがとうね♪」
キラリ:「……おはよう。朝から、お疲れ様」
ミリィ:「やっほ〜、月花ぁ〜♪」
ティナ:「あ、月花お姉ちゃんだ、おはよ〜♪」
光:「月花、薪割りなら、俺も手伝うから、ちょっと待ってろ。
すぐに、そっちに行く」
美雪:「その前に、あんたは、ちゃんと着替えなさい。(むんず)
皆も、月花のところにいくなら、着替えてからね」
ミリィ:「美雪ってさ〜、結構、世話女房だよね〜、尽くすタイプ?」
美雪:「ま、まあ……その、女に生まれたからには、
やっぱり、好きな人に尽くすお嫁さんは理想かな〜、なんて」(真っ赤)
ミリィ:「いいよね〜、お嫁さん」
でも、美雪は、もうちょっと胸厚くしないとね、またワーカーつかう?」
美雪:「こっちがいくら努力しても、肝心要な努力目標がアレじゃ、どうにもならないのよ。
というか、筋肉つけてどうすんの!」
ティナ:「んきゃぁぁぁぁぁ!?」
シャツにハーフパンツのラフな格好に着替えた後、
階段を下りつつ、そんな会話をする横を、わたしが転げ落ちていく。
朝一番の階段落ち敢行。(笑)
美雪:「って、ティーナったら、ホントにもう……、(駆け寄って抱き上げる)
ほら、立てる? 怪我は……無いようね?」
ティナ:「いたたた……またやっちゃった。あ、美雪お姉ちゃん、ありがとう〜」
キラリ:「……いい加減、空間把握をどうにかした方がいいと思う」
ティナ:「うん、大丈夫。よくある事だから」
美雪:「本当、いつもの事とはいえ、
冷や冷やさせるんだから……」(軽くこつん♪)
ティナ:「えへへ……ごめんなさい」
光:「待たせたな、俺も手伝うぞ?」
玄関から外に出て、月花と合流するぞ。
月花:「平気……これは、私の仕事だから。
朝ごはん、出来たら呼んで」
と、月花は、丸太を薪として使えるくらいの、
適当な大きさにしていきます……素手で♪
一同:――素手っ!?
せめて、斧とか鉈とか鋸とか包丁とか使おうよ!
GM:そんなモンを使ったら、
丸太が薪になるどころか、粉砕されます!(爆)
それ以前に、その、惨劇が起こりそうな凶器のチョイスを何とかして!
光:怪力ってのにも、程度を考えろよ、GM……、(汗)
GM:ちなみに、月花は、たまに、
こうして丸太を薪にして、村中に配っています。
で、そのお駄賃として、野菜を貰ったり、魚を貰ってりしてるのです。
というわけで、光は、手出し無用なのです。
バキバキ、ゴリッ、ザジュッ、ガンガンガン……、(←月花、薪割り中)
光:「うむ、手伝える事は無さそうだ」
自己完結して、その光景を、横でボケ〜ッと見ていよう。
キラリ:「……いつ見ても、興味深い。骨格とか、筋肉とか」
光:「…………」
いや、やっぱ、俺も横で素振りくらいやっとくか。
さすがに、男のプライドが刺激された。
ティナ:「あれ、お兄ちゃん、今から素振りやるの?
だったら、私が手合わせしようか?」
光:「そうだな……頼めるか?
俺のスタイルだと相手がいないとキツクてな。
というわけで、月花……邪魔かもしれんけど、いいか?」
盾を構え、木刀を肩にかけるように構える。
月花:「……うん」(←ちょっと嬉しそう)
ちなみに、月花には、幼い頃からつけていた、
あの鉄枷が、今も尚、ついています。
どう頑張っても外れなかったのです。
光:「アレ、なんとか外してやりたいんだけどな……、
師匠に聞いても分からなかったし……」(ぼそっ)
キラリ:「あれの鍵は、わたしにも分からなかった」(肩ぽん)
美雪:「じやあ、朝ご飯の準備をしちゃうわね。
あ、キラリも、お皿並べるの手伝ってくれる?」
キラリ:「1、2、3、4……」(並べてる)
ティナ:「ごめんね、美雪お姉ちゃん。
今度は、ちゃんと手伝うからね」(←光と稽古中)
美雪:「いいわよ、ティーナは、二人と一緒に稽古してなさい」
ミリィ:「しゃあ、わたしも手伝うね」
というわけで、ミリィ・ルーレット!(笑)
一同:――はいっ?!
――説明しよう!
ミリィ・ルーレットとは、
彼女が持つギャグ特徴『何かが致命的な料理人』の事である。
その効果は、以下の通り……、
『何かが致命的な料理人』:料理をする時1d6を振って、
1/2なら見た目、3/4なら味、5/6なら香りが、
致命的な『何か』になる。
ミリィ:(ころころ)出目は5だから……、
GM:臭い、臭いね! クサヤの干物とか凌駕してる!
しかも、作った料理と匂いが、まるで一致してない。(爆)
美雪:「ねえ、ミリィ? 何を作ってるの?」
ミリィ:「何って、目玉焼き、とか?」
キラリ:「……なんで、目玉焼きから、こんな匂い?」
美雪:「み〜りぃぃぃぃぃぃ〜っ!!」
キラリ:「このタマゴ、確かに、昨日、買った……、
こっちの鯖は、今日の朝に採れた……腐ってないのに……」(汗)
ティナ:「うっ……この臭い……ミリィお姉ちゃんだ」
光:「師匠の所で、朝メシご馳走になろうかなぁ」(遠い目)
ミリィ:「さ、ど〜ぞ♪」
美雪:「『ど〜ぞ♪』じゃない!
あんたったら、また先走って……ああ、もう」(頭抱える)
光:「いかん、この雰囲気も、当たり前になってきた気がする」(頭抱える)
図らずも、同じタイミングで同じ行動。(笑)
ミリィ:「だって、いっつも美雪ばっかりだし……、
いちお〜同じ人に料理を習ってるんだから……」
美雪:「ええい、人には適材適所というものがあるの!」
キラリ:「……でも、匂いがコレなら、味は大丈夫」(パクパク)
GM:料理において、味と香りは、密接な繋がりがあると思うが……、
それすらも、凌駕するのがギャグキャラ特徴です。(笑)
光:そういや、月花は、どんな反応なんだ?
GM:月花ですか? 彼女なら、無言で薪割りを続けています。
ですが、その途中、いきなり、何の前触れもなく、バタッと倒れます。
一同:――なんですと!?
―― PHASE-03 ローズ=ケリー ――
光:「……月花?!」
倒れる月花を、咄嗟に抱き止める。
ティナ:「月花お姉ちゃん!?」
持っていた武器を方って、慌てて駆け寄る。
光:「まさか、あまりの臭いにやられたか!?」
ミリィ:「光、何気にひどっ!?
私、料理でぶっ倒れる人は、まだ出してないもの!」
美雪:「ど、どうしたの!?」
キラリ:「……っ!?」
パンを咥えたまま出てくる。
GM:月花が倒れた原因は、ミリィの料理じゃありません。
付き合い長いですから、慣れたものですから。
月花の様子を見れば、すぐに分かります。原因は別にあります。
美雪:月花に熱はあるの?
GM:熱は、かなりの高熱です。
汗もビッショリとかいて、尋常ではない様子です。
美雪:「と、とにかく、月花を家の中に! 光、お願い!」
光:「――了解!」(抱きかかえる)
美雪:「ティーナは、タオルを冷やしてきて! ミリィとキラリは布団を!」
ティナ:「うん、分かった!!」
だだだ……と走って、途中でコケる。
キラリ・ミリィ:「――わかった!」
美雪:「で、私は、薬の用意をしなくちゃ……!」
光:「しかし、なんで急に……こんな……っ!」
突然の事態に、慌てる一同。
美雪の指示の下、
光達は、月花の看護を始めます。
冷やしたタオルで体を冷やし――
服を脱がせ、汗を拭き――
解熱剤を飲ませ――
しかし、一向に、月花の容態は良くならない。
月花は、ただ、ハアハアと、苦しげに呻き声を上げるのみ。
医者を呼ぼう、という案も出たが、この村には、医者はいない。
定期的に、街から来るが、つい先日、帰ってしまったばかり。
対症療法しか出来ない事に、
光達は、無力な自分達に、歯痒さを覚える。
と、そこへ――
???:「……すまぬが、誰か、ご在宅かな?」
と、突然、玄関の方で声がします。
光:「俺が出てくる……皆は月花を看ててくれ」
立ち上がり、玄関へと向かう。
GM:光が玄関に行くと、真っ赤なゴスロリ調のドレスと赤いベレー帽、
手には長い鉄製の杖といった姿の、三つ網みの髪の魔術師がいます。
キラリ:えっ? 鉄槌の騎士ヴィータ!?
美雪:ついに、なのは組も、LQに参戦!?
ミリィ:来るの!? 管理局の白い悪魔が!?
光:やばいよ、俺! あれに出会ったら、やばい!
立場的に、絶対に『話を聞かされる(全力全開攻撃)』!?
すみません! 俺、ちゃんと頭は冷えてます!!
ティナ:義理とは言え、娘にすらもS.L.B撃つしねぇ。
GM:問題無い! あれは、言わば愛の鞭!
光:――で、マジでヴィータなの?
GM:いや、コスチュームに関しては、
ネタなので気にしないように。
光:「……また、リアクションに困る格好だな」
ローズ:「挨拶抜きで、いきなり、失礼な物言いじゃな、小僧。
突然、失礼する。わしは、旅の魔術師のローズ=ケリーという。
偶然、この街に立ち寄ったのだが、そこで女子が倒れたのを見てしまってな。
気になって見に来たのじゃが……何かあったのかの?」
光:「実は――」
逡巡するが、今は藁にも縋りたいから、事情を話す。
ローズ:「ほうほう、なるほどの……、
患者の様子を見たい。上がっても良いかの?」
光:「ああ、上がってくれ」
ローズを、月花が寝る部屋へと促し、美雪達に、ローズの事を説明する。
美雪:「とにかく、何かが掴めるのでしたら、お願いします」
キラリ:「よろしく……お願いします」
ローズ:「うむ、任せろ……とは言えぬが、最善はつくそう。
診察を始める、男は出て行け」
GM:それから、しばらくして、診察が終ります。
ローズが持っていた薬が効いたのか、月花の症状は、多少、軽減したようです。
美雪:「……なんとか、持ち直したようね」
ティナ:「あの……ローズさん、何か分かりましたか?」
美雪:「薬が、それなりに効く、という事は……何か突破口はあるんですよね?」
ミリィ:「根本的な解決には、どうしたら?」
ローズ:「まあ、落ち着け。現状、分かっている事を、順番に話す。
とりあえず、患者には、エリクサーの濃縮液を飲ませた。
まあ、これで、しばらくは持つじゃろう。だが、根本的な解決にはなっとらん」
キラリ:「……今、シャレにならないことを言いませんでしたか?」
エリクサーって、1個でも高価な物なのに、それを濃縮した物って……、
ローズ:「で、患者を治す方法じゃが……、
それを教える前に、おぬし達に問おう。
おぬし達は、あの娘の何じゃ?」
光:「――友達だ!」
美雪:「家族、ですね」
ティナ:「月花お姉ちゃんは、私達の家族です!」
ミリィ:「家族みたいなもの、です」
キラリ:「大事な、友達で、仲間で……、
すみません、それ以上あるのに、言葉にならない」
ローズ:「そうか……良いかろう。ならば、真実を話そう」
一同:「……真実?」
―― PHASE-04 ホムンクルス ――
ローズ:「あの娘は、自然なる生を授かった者ではない。
造られた生命体……ホムンクルスじゃ」
ティナ:「ホムンクルス……!?」
光:「…………」
一言一句、聞き逃すまいと、黙って聞いてる。
美雪:「なんとなく、察しはついてましたが……」
ミリィ:「それって、あの……それでか〜」
キラリ:「想像はしてました」
ティナ:「もしかして、寿命が近い、ってことですか?!」
ローズ:「落ち着け。話は最後まで聞くもんじゃ。
確かに、ホムンクルスは短命、故に、死期が近いのも事実じゃ。
じゃが、それをさらに早めてしまった原因は、他にある。
彼女は、作られた命であるが故に、体の色素が薄い……、
いわゆるアルビノ体質で、直射日光に弱かったようじゃの」
キラリ:「なのに、ここは海辺の村……負担はかかるに決まっている?」
ローズ:「その通り。日光に弱いにも関らず、
彼女は、今まで、それに注意する事無く過ごしてきた。
だが、力に特化したホムンクルスだったようじゃの。
持ち前の怪力と体力で、今までは、保っていられたようじゃが、
それが限界に来たようじゃ」
光:「俺は、どうすれば良い? 俺に、何ができる!?」
キラリ:「何とかなりませんか?
どんなことでも……できます」
ティナ:「月花お姉ちゃんの為だもん。どんな無茶でも通してみせるよ」
美雪:「彼女を元気に出来る方法はあるのでしょうか?」
ミリィ:「月花がまた元気になってくれる方法があるなら、それに挑戦してみます」
ローズ:「そうじゃの……、(一同を見回し)
ちと、話は変わるが……おぬしら、どういう関係じゃ?」(黒い笑み)
美雪:「えっと、その、何と言いますか――」
光:「――幼馴染みだ」(キッパリ)
美雪:「そこだけ、キッパリ言うか!」(中華鍋でゴンッ)
光:「――ぐえっ!?」
ミリィ:「あ〜、幼馴染みで友達以上恋人未満でしょうか。
月花を含めて、12人全員ね」
ティナ:「幼馴染でお兄ちゃんだよ」
キラリ:「……幼馴染から、踏み込みたい女の子です」
ローズ:「ふむふむ、なるほどのう……、
1、2、3……と、数は合うのぅ」(にやり)
光:「……出来る事があるんだな?」
美雪:「数は合う……と言うと?」
ティナ:「何をすれば良いんですか?」
キラリ:「もしや……イケニエ?」
GM:(まあ、ある意味、生贄かもしれないなぁ……、
キラリ、なかなかに鋭い)
ローズ:「――さて、あの娘を救う方法じゃが、
実は、ここに『仙命樹のエキス』がある」
と、ローズは、皆の前に薬瓶を置きます。
ミリィ:「仙命樹って、まさか……!?
だって、あれって……実在したの!?」
キラリ:「あの、何で、そんなものを……?」(汗)
ローズ:「わしが苦労して手に入れたモノじゃが……、
これを飲めば、娘の生命力は回復し、日光にさえ気をつければ、
ホムンクルスとしては、真っ当な寿命を得られるだろう」
美雪:「そんなモノがあるなら、どうして最初から……あっ」
ティナ:「――交換条件?」
美雪:「そんな、人の足元を見るような……っ!」
キラリ:「魔術師の基本は等価交換。
ローズさんの要求は、正当なもの」
ミリィ:「てゆ〜か、流石に無償でくれると思っちゃダメでしょ?
エリクサーの濃縮液だって、結構な値なんだから」
光:「そうだな……で、何をすれば良い?」
ローズ:「察しが早くて助かるの……、
おぬし達に頼みたい事は、別に難しい事じゃない。
この村の近くにあるアップルフィールド修道院を知っているかの?」
光:確か、孤児院も兼ねてる所だっけ?
PL的には知っているが、PC的にはどうなんだ?
実は、アップルフィールド修道院は、
ふぁんぶら〜ズの『なんだと、巨像!?』シナリオの舞台だったりします。
どんな場所なのかは、
ふぁんぶら〜ズのリプレイを参照してください。
GM:もちろん、良く知っています。
この村の近くの森の中にある修道院で、
村の人達は、大抵、あそこで『結婚式』をあげます。
美雪:――聖地ねっ!!
ミリィ:最終目的地っ!!
ティナ:皆で一緒に行きたいね!
キラリ:そうねっ!
光:GM……お前って奴はぁ〜……、
GM:ケッケッケッケッ……、
さあ、ロールプレイを再開してくれたまえ。
ローズ:「どうした? もしや、知らんのか?」
女性一同:「――いえ、良く知っています」
光:「……たまに、行く事もあるな」
釣れたモノのお裾分け、とかしてたと思う。
でも、それ以外の理由では、寄り付かないんだろうなぁ。(爆)
ミリィ:「で、あの修道院がどうしたの?」
ローズ:「そこにいるレガ神父から、古時計をもらって来てほしい。
(さらさら)ほれ、これを神父に渡せば良い」
と言って、手紙を美雪に渡します。
美雪:「あっ、は、はい分かりました……で、それだけで良いんですか?」
ティナ:「それって、大きなのっぽのヤツですか?」
ローズ:「いや、手の平に乗るほどの小さなモノじゃ。だが、値打ちモノじゃぞ?」
美雪:「つまり、扱いは厳重に、と……」
キラリ:「……小さいから、逆に貴重なモノもあるから」
ティナ:「じゃあ、私が持ってたら、危ないね」(苦笑)
美雪:「でも……あ、別に断るわけじゃなくて、
どうして、ローズさんが行かないのですか?」
光:「……確かに、そこが気になる」
ティナ:「あそこに行けない理由があるんですか?」
ローズ:「……わしでは、あれを譲ってもらえぬのじゃ」
一同:「……はい?」
美雪:「とにかく、ローズさんではダメな、
重大な理由がある、と解釈すれば良いんですね」
ローズ:「うむ……まあ、そのへんは、行けば分かる。
あの娘は、わしが看ていてやろう。早く行くが良い」
キラリ:「……よろしくお願いします」(ペコリ)
ミリィ:「しょ〜がない。じゃあ、いこっか」
美雪:「はい、断る道理もありませんし。それじゃ、支度しようか?」
ティナ:「とにかく、行こう。
それじゃあ、ローズさん。月花お姉ちゃんをお願いします」
光:「……よろしく、頼む」
そして、一同は、出発の準備を始める。
すぐ近くの場所とはいえ、野生動物がいる森の中である。
装備の点検を忘れてはいけない。
光:「鎧に、ナイトシールドに、ロングソードに……」
ティナ:「私の場合、カメラを忘れちゃダメだよね。
あと、見て見て〜、お兄ちゃんとお揃いの鎧なの〜」
光:「おお、本当だっ!」
キラリ:「わたしは、これで良い……地味って言うな」
野暮ったいローブに普通の杖を装備。
ミリィ:「服だけなら、お揃いよね〜」
と言いつつ、チャンバースタッフを持つ。
キラリ:「並ばないで、私のセンスが疑われる」
ミリィ:「センスが疑われるって……ミリィさみしぃ」(よよよ)
美雪:「やっぱり、ちゃんとした装備を持った方が良いのかな?」
既に、割烹着と中華鍋とおたまが装備済み。(笑)
光:「美雪の場合、その基本装備が、既に凶器だからなぁ」(ぼそり)
美雪:「ふっふっふ…そう言ってくれると、とっても嬉しいわ、コンチクショウ。
折角『使い慣れた武器』ですからね。大切にしなくちゃ……うふふふふふふ☆」
光:「聞こえてたぁー!?」(がび〜ん)
出掛ける準備するだけでも、
女性PCが多いと、こんなに姦しくなるんですねぇ。
……光は、肩身が狭そうだなぁ。
GM:では、準備を終えたところで、出発です。
そんな光達を見送りながら、ローズが、ポツリと呟きます。
ローズ:「月花、か……ようやく見つけたと思えば……、
良い家族を持ったものじゃ。
もう、わしの出る幕は無さそうじゃのう」
―― PHASE-05 vsミノタウロス ――
GM:場面は変わって、皆さんは、
修道院を目指し、森の中を歩いています。
ミリィ:「……♪」
転ばないように、光の腕を掴んでいよう。
ティナ:「〜♪ 〜♪」
2回くらい転んだ後、反対の腕を掴む。
美雪:「ふう……ホント、大胆なのが羨ましいわ」
状況が好転したので、そんな事を考える余裕が出てきた。
キラリ:「修道院……次は、ドレスを着ていきたいな」
GM:では、ここで、ビーストテイマー、
または、ガンスリンガー技能で判定したください。
ミリィ:じゃあ、わたしが(ころころ)10ね。
GM:ミリィは、周囲の茂みが、
ガサガサッと揺れたのに気付いて良いです。
ミリィ:「美雪もすれば良いのに……何っ!?」
光:「――なんだっ!?」
ミリィの様子が変わったので、それに反応して、盾を構える。
GM:茂みの奥にいた相手は、察知されたのを知ると、
唸り声を上げながら、その姿を現します。
現れたのは狼の群れです。その数は、30匹の大所帯。
美雪:「まさか、狼っ!?」
光:「――敵かっ!?」
一歩前に出て、前衛のポジションへ移動。
でも、相手はモブっぽいから意味無いか?
GM:いえ、意味はありますよ。
狼の群れが現れた後、さらに、
ズシーンズシーンという大きな足音が近付いてきます。
その足音に、女性陣は、無条件で、身の危険を感じて良いですよ。
美雪:「こ、この足音って……」
ミリィ:「う……や〜な予感が……」
キラリ:「なにか、奪われてしまいそうな……」
ティナ:「まさか、まさか……」
GM:「ウモモォォォォ〜ッ!!」(爆)
女性一同:「ミノタウロスゥ〜?!」
―ーはい、ご名答♪
光達の前に現れたのは、
女の敵として名高いミノタウロスです。
さあ、光よ……女性に囲まれて、ウッハウハな時間は、もう終わりだ。
この難敵を相手に、見事、彼女達を守ってみせるがいい!
ミリィ:「何で、こんな人里近くにいるのよぉ〜!?」
キラリ:「光以外の子を孕みたくないから……、
というか、わたしの体だと……弾け飛ぶ」
美雪:「まだ結婚もしてないのに、奪われてたまるか〜っ!!」
光:「ティーナ、狼の方を頼む!
俺は、あのデカブツを抑える!」
ティナ:「うん、分かったよ!
狼を倒したら、すぐに、お兄ちゃんに加勢するからね!」
光:「――すまん!」
ティナ:「ううん、良いよ!
私の初めてはお兄ちゃん、って決めてるんだから!」
光:「騎士道精神が一つ! 戦士は、護るべき者の盾となれ!!」
自らに気合を入れるべく叫び、ミノタウロスへ向かう構えをとる。
キラリ:「わたしは、ミノタウロスに……数が多い方は、得意じゃない」
ミリィ:「光に捧げるまで、指一本振れさせたりしないんだから!」
予想はしていたが……、
元々、高かった女性陣の、
テンションが、別の意味で高くなったな。
まあ、相手がミノタウロスなら仕方ないかもしれない。
でも、でもね、美雪――
美雪:「私の(ずきゅーん)に触っていいのは、
私の(どっかーん)をイヂめていいのは、
光だけなんだからぁぁぁぁっ!!」(爆)
他一同:「少し自重しろぉぉぉっ!!」
――いや、まったくである。(苦笑)
<第1ターン>
GM:「ウモモモ〜ンッ!」(そこのガキ、一人寄越せやぁ!)
光:「――なんか知らんが、断るっ!!」
GM:というわけで、ここから戦闘開始です。
イニシアティブ判定いきますよ。(ころころ)……、
ミリィ:ここは、襲撃に気付いた私が(ころころ)先攻取った!
まず、最初に動いたのは、ミリィだ。
チャンバースタッフに魔力を込め、
狼の群れに向かって、マハマグナを叩き込む。
この攻撃は、狼達に、一気に23点のダメージを与えた。
そして、美雪は、牛男と闘う、
光を支援する為に、必殺技『せくしーしょっと』を発動!
なんと、この技は、光にパンツを見せて、やる気を出させる技で……、
美雪(と光)というキャラを、
とても的確すぎる程に体現した技なのである。
ミリィ:「とっつかまったら脱がされた上に、
(ピー)を(ピー)されて(ピピピー)かもしれないから気を付けてよ!?」
美雪:「狼は何とかなる……優先するは、あのケダモノッ!!」
光ぅぅぅぅっ!! ちょっと、こっち見なさいっ!!」
光:「……む?」
美雪:「もうっ、これでも見て気合入れなさいよ!
こんのエッチ! ドスケベー!!」
捲ったスカートの先端から、チラリと覗く、
黒いストッキング越しのパンティで気合い入れなさい!(爆)
(ころころ)達成値10だから、
このターンの間は、攻撃・命中・回避に+3よ!
光:「――ぶっ!?」
噴き出しつつも、気合が入ってしまう正直な奴なんです!
GM:このセッションのリプレイ……R指定になるのかな?
ティナ:可能性は高いね。(汗)
光:もし、彼女らが……美雪が捕まったら……、
「……コイツは、めっちゃ許せんよなぁぁぁぁぁ!!」
GM:「ウモモォォォォ〜ッ!!」
ミノタウロスも、何か色々と元気になってます。(爆)
ミリィ:「うげぇ……、
なんか、卑猥なモノがぁぁぁ!?」
美雪:「て、てめぇっ、見たのかぁぁぁっ!?」
GM:そりゃあ、こっち見ろ、なんて言われたら、
思わず、ミノタウロスも、そっち見ちゃいますよ。(笑)
あ、安心してください。支援効果は、光にだけ、ですから。
美雪:あってたまるか! この技の対象は、光オンリー!
光:「……ブッ殺す」
美雪:「OK、止めないわ。寧ろ、殺って」(←親指で首を掻っ切る仕草)
光:「イエス、マイ、マム!」(最敬礼)
文字通り、美雪の捨て身の支援で、光に気合いが入る。
続いて、ティーナの攻撃。
ここで、クリティカルを叩き出し、
狼の群れに、さらなるダメージを与えます。
群れの真っ只中に突っ込んでの、
ティーナの乱れ斬りに、狼達は、やや逃げ腰になる。
美雪:「さすが、ティーナね……、
でも、本当に、ドジッ子なのかしら、あの子……」
GM:計算計算♪(笑)
ティナ:――違うもん!!(ぷんすか)
キラリ:「……クダケチレ、ワレノ純血/純潔ヲケガスモノ」
次は、わたしね……、
ミノタウロスに、ブフを放つっ!
キラリの氷の魔術が、ミノタウロスに放たれる。
ここで、またしてもクリティカル!
いきなり、牛男に19点もの大ダメージを与える。
ミリィ:「す、凄い威力ね……」
キラリ:「……血と、特異体質のおかげです」
光:「ソレも全部ひっくるめて、キラリさ」
GM:19点もきたか〜……、
これは、アレが氷漬けになってるかも?(爆)
ティナ:「……凍傷になって、使えなくなればいいのよ」
ミリィ:「そのまま、もげちゃえ」
美雪:「いけぇ〜、光〜!
あいつの汚いモノ、叩き斬っちゃえ!」
光:男的には、見てて痛いぞ!!(笑)
GM:そうなったら、オカマミノタウロスの誕生ですねぇ。
光へフラグ立てるのを目指そうかな。(笑)
光:その時は、ホーリースマッシュで、消し飛ばしてくれるわっ!
というわけで、俺の攻撃だっ!
ティナ:「お兄ちゃん! 女の敵に手加減無用だよ!」
光:「おう、任せろ! おらぁっ!!」
一足飛びで接近、盾で視界を遮りつつ、ぶった斬る!
(ころころ)美雪のおかげで、命中は15だ!
GM:牛男の回避(ころころ)お、成功!
美雪:な、なんですってぇ〜!?
光:「ちっ、コイツ……見た目に比べて速い!?」
キラリ:「頼むから、当てて……」
光:「……努力する」
GM:ん〜、中心脚で、はたき落としたかな?(爆)
光:「うがぁぁぁぁ!
ぜってぇ斬り殺してやる!」
美雪:「くぅぅぅ〜! 馬鹿にしてぇっ!?」
ティナ:「絶っっっ対に許さない!」
GM:じゃあ、こっちのターンいきますよ。
まず、狼の群れですが、形勢不利と見て、逃げ出します。
光:逃げるのか? 随分と引き際が良いな?
GM:ここで死なれたら困るんですよ。
なにせ、この狼達は、後にライルを襲う予定なんですから。
美雪(のPL):ああ、そういえば……、
ふぁんぶら〜ズのシナリオで、狼に包囲された事があったっけ。
なるほど、アレは、コイツらだったんだ。
詳しくは、第1PTのリプレイ、
『なんだと、巨像!?』を参照してください。
こうして、各PTのセッションの内容を、
微妙にリンクさせるのって、結構、楽しかったりします。
GM:で、ミノタウロスの攻撃ですが……、
本当は、さっき良いモノを見せてくれた美雪に襲い掛かりたいが、
美雪は、後衛なので、取り敢えず、邪魔な男(光)を棍棒でバチコーンと殴ります。
キラリ:「……がんばって、わたし達の盾」
ミリィ:「そんな貧相なモノ、効かないって教え込んであげなさい!」
光:(ころころ)回避成功! 盾で受け流す!!
美雪:「――やったぁ!!」
キラリ:「……だから、光が好き」
ティナ:「上手い! 流石、お兄ちゃん!」
光:「毎回毎回毎回毎回(略)師匠に地面に転がされた俺を舐めるなぁ!!」
美雪:「光、頑張ってたもんね」(ほろり)
ティナ:「うん、お兄ちゃん、凄かったから……」(ぽっ)
ミリィ:「タフだし……我慢強いしね」(ぽっ)
<第2ターン>
ミリィ:第2ターンの一番手! いっきま〜す!
単体魔術が無いから、マハマグナ!(ころころ)……、
GM:(ころころ)回避成功!
その魔術を、ミノタウロスは、鼻息で吹き飛ばす!
美雪:「くっ、ちょこざいなエロ牛め!」
GM:で、次は、美雪の番ですが?
美雪:「も、もう一度、いくわよ……」(真っ赤)
ザンゲインパルスって手もあるけど、命中しなさそうだから、
また、スカートの裾に手を伸ばす。(笑)
第1ターン同様、美雪は、
再び『せくしーしょっと』の体勢に入る。
と、ここで、GMの悪いクセが発動。(笑)
光(GM):「え〜、また、パンツ〜?
次は、他のところが良いな〜」(爆)
光(本人):誰だぁぁぁぁぁっ!?
PCを乗っ取るな、GMぁっ!!
ミリィ:「中、見たいってさ」(笑)
美雪:「うううう……」
光:「いや、今のは俺じゃない!
俺かもしれないが、俺じゃないっ!!」
GM:「ウモモ〜?」(←牛男、期待の眼差し)
美雪:「……見たいの?」
光:「……はい」
美雪:「うう……わかった」(涙)
光には見せるけど、ミノタウロスには、絶対に見せない!
敵の死角に入って『せくしーしょっと』発動!
「お父さん、お母さん、はしたない美雪を許して下さい!」
ストキングとパンツをめくって、その女の子の絶対防衛線を、光の前に差し出す!
GM:そ、そこまでするのかっ!!
美雪:(ころころ)達成値12で、光への支援修正+4!!
光:「――ッ!」(・_☆)
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!!
ミリィ:「光からアレなオーラが漂ってくるんだけど……、
鼻血も一緒に出てるけど……」
キラリ:「晩御飯は、ほうれん草……」
ミリィ:「レバーも付けてあげないと……あと、スッポン鍋とか」
ティナ:「鉄分豊富に……だね♪」
美雪:「うううっ、見せたんだから、見せたんだから……、
ちゃんと、ブッ殺しなさいよぉぉぉぉっ!!」
光:「…………」(コクコク)
ティナ:「お兄ちゃん……後で、私も見せてあげる。
今日は、お気に入りのやつだから……」
美雪:「ティーナ、あなたは、早まっちゃダメ……、(涙)
貴女は、まだまだ未来があるんだから、
その、なんというか、えっと……自分を大事に、ね?」
ミリィ:「主に胸とか? 確かに、これから育つという意味では、
美雪には、あんまり先に希望は……」
美雪:「ジャカマシイワ、コノホルスタイン!!」
ティナ:続いて、攻撃いくよ!
ミノタウロスにダッシュして、斬り掛かる!
美雪:「ティーナ、ファイトっ! 女の敵をぶっ潰せ〜!!」
まあ、美雪とティーナの未来に、
成長の度合いの差があるかどうかはともかく……、
続く、ティーナの攻撃は、ミノタウロスに華麗に回避される。
GM:踊るようにヒラリ♪
ついでに、キラキラキラ〜、と背景演出も。(笑)
ミリィ:うわっ、むかつく避け方〜!
美雪:「ウフフフフフフ……、
ソウ、ソンナニ、ワタシタチヲオソイタイワケネ。
ネエ、光? 今晩ハ、ミナデ、ビフテキパーティーニシマショウカ?」
光:「……コレは、流石に食いたくない、と提案」
美雪:「マア、コンナノ食ベタラ、外道エロ魔神ニナッチャウシネ」
ミリィ:「でも、光に襲われるなら、受け入れるでしょ?」
美雪:「…………」(ぽっ☆)
ティナ:「私も……お兄ちゃんなら、良い……かな」(かあっ)
ミリィ:「まぁ、光だったら……ね」
キラリ:「当然、わたしの体が壊れようと、遺伝子だけは残す」
ティナ:「それはダメだよ、キラリお姉ちゃん!
ちゃんと生きて、幸せにならなきゃ……ね?」
キラリ:「そうだった。生きる幸せ、崩れる前に、少しでも……、
その為にも、ここで負けられない。
わたしの、出番……コロス。
シネ、純潔ト純血ヲケガスモノ」
もう一度、ブフを発動!(ころころ)……、
GM:(ころころ)ぐあっ、22点もきた!?
モンスターLV10のミノタウロスが、何故、こんなに……、
ちなみに、ミノタウロスの残りHPは9点!
そして、ここで、光の出番っ! さあ、ここで、男を見せられるか!?
光:「護るべき者らの名に誓い、全ての不義に……鉄槌を」
ギラリ、と目が光り……見よう見まねであるが、騎士の戦いの構えを取った!
ここで決めたい! いや、マジで!!
美雪:「ファイト! 皆、ここまで頑張ったんだから、
男なら、ここでカッコつけなさい!!」
ミリィ:「意訳すると、倒せたら、美雪がちゅ〜してくれる、ってさ」
美雪:「なななな、何を言い出すのよ!?」(わたわた)
光:よっしゃ、気合い入った!
くらえぇっ!(ころころ)ダメージは21点!
GM:ここで、光を男にしてなるものかっ!
(ころころ)よしっ、防御は20だから、抜けたのは1点だけ!
光:「硬いな……だが、少しずつ、少しずつ、仕留めてやる!」
てか、こっちの攻撃修正は支援込みで12、ミノタウロスの防御修正が12……、
ってことは、出目だけで9点も差をつけなきゃならなかったわけで……、
一撃で倒すなんて、ほとんど無理だったんじゃね〜か!
ええい、次のターンは、ホーリィスマッシュの待機だな!
ミリィ:「美雪、今、少し残念って顔した?」
美雪:「し、ししし、してないわよっ!
だ、大体、結婚もしてないのに、何でしなくちゃいけないのよ!?」
ティナ:「ふ〜ん……美雪お姉ちゃんはしたくないんだ。
じゃあ、私が、お兄ちゃんにキスしてあげるね♪」
GM:その前に、ミノタウロスの攻撃です。
折角だから、俺は、そっちのチビっ子を選ぶぜ!
というわけで、ティーナに掴み掛ります!
成功したら、問答無用で服と鎧を破るからね♪
光:「させるかぁぁぁっ!!」
割り込み行動で、ティーナを守る!(ころころ)……、
GM:(ころころ)割り込み判定は、こっちの勝ち!
では、改めて、ティーナに掴み掛ります!
光:「すまん、ティーナ!!」
ティナ:「初めてはお兄ちゃんに、って決めてるんだから!
それに、お兄ちゃんの隣で戦うなら――」
(ころころ)回避成功!
「――これくらい出来ないとね♪」
<第3ターン>
そして、第3ターン――
ミリィは、例によってマハマグナを……、
美雪は、ザンゲインパルスを使用するが……、
その、どちらも、ミノタウロスに回避されてしまう。
彼女らの命中修正値よりも、
敵の回避修正値の方が、やや高いのだ。
そこで、ティーナが、必殺技『ティーナフラッシュ』を発動!
ミノタウロスの命中値と回避値を下げる事に成功する。
だが、この技は、諸刃の剣でもある。
何故なら、この技の効果は、
敵だけでなく、味方にも影響を及ぼすのだ。
ティナ:「これも記者の立派な武器だよ!
いっけぇ! ティーナフラッシュ!」
スチャッとカメラを用意して、フラッシュをピカ〜ッ!!
(ころころ)達成値は17〜!
GM:さあ、全員、抵抗するのだ!
(ころころ)ちなみに、ミノタウロスは、
1ターンの間、命中と回避に−5です。
光:「ぐ、目がチカチカしやがる」(←6ターン)
美雪:「ううっ、目がくらくらする〜」(←3ターン)
ミリィ:「あうっ……見えない!?」(←3ターン)
キラリ:「メ、メガネメガネ〜……」(←ファンブルでメガネを落とした)
ティナ:「ゴメンね! これ、敵味方を選べないの!」
ティーナの技によって、
敵味方の目が眩み、一気に場がケイオスと化す。
――いや、混沌と化す。
キラリ:「めが、めがぁぁぁ!?」
メガネも外れちゃって、頭痛にまで達してる。
美雪:「ティーナ、牛はどうなってるか分かる?」
ティナ:「うん、牛も目が眩んでるみたい。
でも、ゴメン! あんまり効いてないみたいで、長くは持たないよ!」
美雪:「分かったわ。光、そっちはどう? なんとかいける?」
光:「すまん。ちと体勢が整えられてない」(←行動前借り後)
ミリィ:「……次の攻撃で、盾でいける?」
光:「それなら、いける」
美雪:「分かったわ、だったら……『援護』するわ」(真っ赤)
ティナ:「キラリお姉ちゃんが、仕留められれば、問題無いんだけど……」
キラリ:「わたしは……全然ダメ……」
具体的には、メガネを探す+氷の精霊暴走阻止+目が見えない、の三重苦。
まだ、わたしの手番は終ってないけど、このターンは、動けない。
ミリィ:「こっちで、相手の足下に魔術をかけて転ばすよ」
GM、マハマグナを相手の足元に撃って、
足場をガタガタにする事って出来る?
GM:良いでしょう。では、ダメージ値の3分の1だけ、
命中と回避にマイナス修正、ということで。
ミリィ:「方向さえ判ればぶっ放せる。二本足で立ってるなら転ぶはず!」
美雪:「うん、出来るならお願い」
GM:作戦は決まりましたか?
じゃあ、次のターンに移りますよ。
ちなみに、このターンの、牛男の攻撃は……、
ティーナフラッシュの効果と、
光の奇跡的なダイス目によって回避されました。
光:「か、かわしたぜ〜」
GM:でも、皆、目晦まし状態だから、見えてない。(笑)
キラリ:「心で、雄姿を見てるよ」
ティナ:「お兄ちゃん、凄い……」(←唯一無事)
美雪:「光、かわしたのね!?
流石、あのおじさんに鍛えられてるだけはあるわね!」
光:「……らっき〜」(ぼそっ)
美雪:「……後で、ツッコませてね」
光:「らじゃ〜……」(とほほ)
<第4ターン>
マイナス修正に溢れた第4ターン――
このターンで、ミノタウロスへの、
マイナス修正は消え、光達が、圧倒的に不利になる。
特に、盾役である光が、
6ターンもマイナス修正を受けているのは厳しい。
おそらく、このターンの行動で、決着をつけなければ、犠牲者が出るだろう。
その形勢を一気に逆転させる為、一斉に、各自が動いた。
まずは、ミリィが、マハマグナを使い、敵の足場を崩すことに成功。
なんと、ここでクリティカルを出し、
ミノタウロスの命中と回避に、−8もの修正を与える。
そして、美雪は――
美雪:「皆の為でもあるんだから……、
光っ!! もう一度『してあげる』から、根性見せなさいよ!!」
光:「……すまん!」
でも、今の俺には、何も見えないんだが?
ミリィ:視覚がダメなら、触覚よ!(爆)
美雪:「み、皆の為に! 光を男にする為なんだからぁぁぁっ!」
割烹着を脱ぎ、
ブレザーのボタンを外し、
更にYシャツのボタンを外し、
ブラジャーを上げ――
ミリィ:「美雪っ!? その言い方は、何だか判らないけど危険!!」
ティナ:「てゆ〜か、美雪お姉ちゃん、そこまでする!?」
美雪:「もうっ、見るなり触るなり好きにしてぇー!!」
未成熟ながらも何気に形の良い、
その自分以外に、誰も触らぬ果実を、
今、想い人の眼前に曝け出す!
そして、光の顔にむぎゅ〜っ!!(爆)
(ころころ)支援効果は+3!
光:「ここまでさせて……、
俺は何をやっているんだぁぁぁっ!」(咆哮)
自分の不甲斐なさに、別の意味でも気合いが入った!
ミリィ:「その咆吼……『俺は今モーレツに欲情しているー!』って聞こえるのは気のせい?」
美雪:「さあっ! 今度こそ、その男を見せなさいよっ!!」
ササッと胸をしまって、光の背中を拳で叩く!
光:「――おうよ!」
ティナ:「じゃあ、私にできる事は……、
お兄ちゃんの進む道を切り開く事!」
二人の様子を見て、安心したように頷き、牛男に斬り掛かる!
美雪の『支援』を受け、光のマイナス修正が軽減する。
さらに、復活ブーストを犠牲にして、
光は、必殺技『ホーリィスマッシュ』のチャージを免除。
トドメの一撃へ向けて、
現状で出来る万全の準備を整える。
ティーナの攻撃は、残念ながら、ミノタウロスに弾かれる。
美雪:「か、硬い……っ!!」
ティナ:「ううっ……この牛、速いだけじゃなくて、硬い!」
GM:おうよ、何かは知らんが、
ミノタウロスは、硬くてギンギンだ!(謎)
ティナ:「ゴメン、光お兄ちゃん……私じゃ、ダメみたい」
キラリ:「……慌てないで。まだ、手番は残ってる。(メガネ発見)
突破口は、私が……っ!」
下手にアレンジすると怖いから、普通にブフを発動!(ころころ)……、
GM:(ころころ)あ、当たった。
光・美雪:――おろ?
キラリ:ダメージは(ころころ)21点。
GM:防御して(ころころ)……ずず〜ん!(笑)
キラリの氷の魔術を受け、ミノタウロスは、崩れ落ちます。
光:「え、え〜と……」
振り上げた剣のやり場が無くなった。
ミリィ:「――よっしゃ♪」
ティナ:「ふぅ……終わった〜」(ぺたん)
狼の群れに斬り込んだ時の返り血がベッタリ付いたまま、座り込む。
美雪:「えっ、あ、その……ええと、たおしちゃった、のね?」(汗)
キラリ:「……ごめんなさい」(しゅん)
予感はしてたけど、思い切り見せ場奪った。
光:「……騎士道精神が一つ!
倒れた敵をいたぶる真似はしない!!」
振り上げた剣を地面に突き立て、溜め込んだ力を解放する。(笑)
美雪:「つまり、その、う〜んと、その、ということは……?」
キラリ:「本当に、ゴメン……」(ペコペコ)
光:「いや、ここで仕留めてくれてよかった。
俺だと、あそこで倒せたか、自信がなかったからな」
精進が足りんな、と反省しつつ、キラリを撫でる。
キラリ:「……ありがとう。でも、かっこいいところ、見たかった」
ミリィ:「格好良く決めてくれたらねぇ……」
美雪:「ねえ……私が胸まで見せちゃったのは?」(涙)
ミリィ:「読者サービスよ、読者サービス」
ティナ:「えっと……美雪お姉ちゃん……、
その……私も、それくらい大きくなりたいな、って……」
光:「……帰ったら、美雪の料理が食いたいな。珍しく野菜も食いたい」(←野菜嫌い)
美雪:「クックックックック……、
ツマリハ無償サービス見ホウダイ、ッテワケナノネ。
HAHAHAHAHAHAHAHA!!」
光:「み、美雪さん……?」(大汗)
美雪:「騎士道精神もう1つ!!
怒りのやり場の無い女の子の怒り、
真正面から受け入れろぉ〜っ!」
光:「にょえぇぇぇぇ〜!?」
―― PHASE-06 いきなり、結婚!? ――
GM:では、ミノタウロスを撃退した皆さんは、
さらに森を進み、アップルフィールド修道院に到着しました。
美雪:「ううっ、まだ式も挙げてないのに……、
判も押させてないのに〜」(えぐえぐ)
ミリィ:「まーまー、私がキチッと婚姻届を持ってるから、全員分のね」
美雪:「何時か、押させるわ」(笑)
キラリ:「……今度は、ライスシャワーで」
ティナ:「ドレスを着て……だね♪」
光:「…………」
頭に、でっかいタンコブ作って参上。(笑)
GM:森の中から現れた皆さんの姿を見て、
洗濯をしていた赤頭巾のシスター『ジェーン』が出迎えてくれます。
光:「――ちわっす」
ティナ:「あ、シスターこんにちは〜」
ミリィ:「こんにちわ〜」
キラリ:「……こんにちは」(ペコリ)
美雪:「こんにちは〜、ジェーンさん」
ジェーン:「こんにちは。相変わらず、皆、仲が良いのね?
ところで、光君、どうしたの?
あなたって、ここには、あまり寄り付かないのに……?」
光:「やむを得ない事情により、来る事にあいなりました」
美雪:「うふふ、とうとう覚悟を決めたんですよ♪」
ミリィ:「美雪、このままじゃ脱ぎ損だからって……、(ほろり)
まあ、美雪の脱ぎ損、触らせ損は、今に始まった事じゃないんだけどさ」
ティナ:「わ、美雪お姉ちゃんってば、大胆〜」
キラリ:「……今日は、お願いがあって来ました」
例の手紙を出すように、美雪に目配せする。
美雪:「……というのは、冗談で、今回は、頼まれ物を受け取りに着たんです」
ジェーンさんに、ローズさんから預かった手紙を渡す。
キラリ:「なんか、ローズさんでは受け取れないとか……?」
ジェーン:「あらあら(手紙を読む)……まあ、ローズさんったら……」
光:「知り合いなんですか?」
ティナ:「あのシスター……ローズさんとお知り合いなんですか?」
ジェーン:「ええ、まあ……ちょっと待っててくださいね。神父様にお話ししてきます」
と言い残し、ジェーンは、手紙を持って、修道院に行きます。
で、それと同時に、皆の周りに、子供達が群がってきます。
光:そういえば、ここって、孤児院でもあったっけ?
ミリィ:じゃあ、神父様が来るまで、子供達の相手をしていよう。
美雪:そうね、そうしましょう。
神父が現れるまで、子供達と遊ぶ光達――
そして、しばらくして……、
この修道院の神父『レガ=アップルフィールド』が姿を見せる。
レガ:「やあ、こんにちは、皆さん。
何でも、ウチの古時計が欲しいそうだね?」
キラリ:「はい……月花の、命が掛かっています」
ティナ:「月花お姉ちゃんを助ける為に、必要なんです」
光:「急に押しかけた上に、ムリを言ってるのは分かっています。
俺に出来る事は何でもします。ですから……どうか、お願いします」
レガ:「しかし、あの古時計は、
この教会で結婚式を挙げる100組目のカップルに渡そうと決めていたんだが……」
光:「……へ?」
ミリィ:「100組目?」(・_☆)
ティナ:「そ、それって……」(・_☆)
キラリ:「もしかして……」(・_☆)
美雪:「……今、何組目ですか?」(・_☆)
レガ:「ちなみに、現在、96組が式を挙げていて……、
ふむ、数は合うねぇ。ローズさんの手紙にあったとおりだ」
と、レガは、ローズの手紙を、皆さんに見せてくれます。
ローズ:『この小僧と小娘達が結婚する、というので、紹介させてもらう。
これで、ちょうど100組目になるじゃろう?
式を終えた後に、例の物を渡してやってくれ』
光:「あのクソメイガスがぁぁっ!!」
美雪:「うふふふ……そう、そういう訳だったのね」
ティナ:「数は合う……こういう事だったんだ」
ミリィ:「女の子4人と、男の子1人でも、良いです?」
キラリ:「4組同時ですか……残り8人とも、今度よろしくお願いします」
光:「…………」
美雪:「ねえ……光?」
ティナ:「ねぇ、お兄ちゃん……お兄ちゃんは……私の事、嫌い?」
光:「嫌いじゃないよ、皆のことは……だけど……」
月花を救うために、結婚……? 結婚って、そんなもんなのか?
いや、そんなんじゃ。違うだろう!
キラリ:「光……?」
光:「レガ神父……ムリを言ってるのは承知の上です。
彼女らを裏切る事になるかもしれません。
ですが、どうか、その信念を。曲げて、譲ってもらえませんか。
俺には、こんな事しかできませんけど……!」
俺は、月花を救うという理由で結婚という儀式を汚したくはないし……、
道具を得る為に、そんな心を弄ぶことはできねぇ!」
深く頭を下げ、土下座する。
子供の前であろうと、プライドなんて捨ててやる!
美雪:「……待てぃ」
光の頭を、おたまでコツンとする。
光:「――いてっ?」
美雪:「光の気持ちは分かったわ。でもね……」
ミリィ:「言いたい事は判るけどね。ちょっと、酷いかな?」
キラリ:「わたしは……わたし達は!」(怒)
光:「……すまん」
ティナ:「お兄ちゃん……ホントに悪いと思ってる?」
美雪:「儀式を汚したくない、月花を助ける為だけに結婚はしたくない。まあ、それも分かるわ。
でも、私達は月花を助ける為だけとは考えてないし、
何より、光と皆の幸せの為なら、どんな理由でもかまわない。
それは、光も分かるわよね?」
光:「……ああ」
美雪:「私は、『まだ結婚できない本当の理由』を知りたいの」
どんな理由かも分からず、はい、そうですか、とは納得できないのよ?」
ミリィ:「まだ、気持ちが固まってないなら、無理強いはできないしね」
キラリ:「はっきり言って、わたし達は心構えは出来ている」
ティナ:「そうだよ。私達はいつでも、お兄ちゃんの妻になる準備は出来てるんだよ?」
ミリィ:「私達12人……皆、必要なのは、光のひと言だけ、なんだから」
美雪:「ここは、お互い気持ちを隠さずにいきましょう?
私達の事を真剣に考えているのなら、理由をしっかり話して……男でしょ?」
ここでは、一切、GMは、口を挟まない。
どんな展開になるかは、全て、PL任せである。
そして、どんな結果になっても、
プレイを続行する覚悟も完了済みである。
果たして、光が出す答えとは……、
光:「俺は、まだまだ未熟……、
いや、そうだな。まだ覚悟ができていないんだ。
責任を持ち、ソレを背負う覚悟が……」
女性一同:「…………」
美雪:「――うん、納得♪」
キラリ:「……いつまで待たせる気ですか」(ため息)
ティナ:「お兄ちゃんらしいと言えば、そこまでだけど……」
ミリィ:「一人で、全部、背負うつもりなら、お門違い、とも言えるけどね。
一緒に背負うよ、って、皆が言ってるんだから……、
ま、長い人生、こ〜いう男の子が覚悟決めるまで待つのも一興?」
美雪:「私としては、まだまだ責任を負う覚悟に欠けてる人に人生預ける気はないし♪」
キラリ:「月の日が来た頃から、真剣に考えてるのに……、
数年伸びるくらいは変わらないか。
せめて、わたしの体が壊れる前に……」
美雪:「まあ、なんというか……、
まだまだ『亭主教育』の必要アリと思うわけよ☆」
ミリィ:「みっっっっちり、ね♪」
光:「……返す言葉も無い」
レガ:「やれやれ……私が言う事は何も無くなってしまいましたね。
いくら、歳を重ねても、やはり、こういう事は女性には敵わないものですねぇ」
と言って、レガは、隠し持っていた古時計を光に差し出します。
光:「……レガ神父?」
レガ:「持っていきなさい……ただし、一つだけ約束してください。
いつか覚悟が決まったら、必ず、私に、
あなた達を祝福させてください。絶対にですよ?」
美雪:「はいっ! それは勿論!」
ミリィ:「その時は……喜んで♪」
ティナ:「勿論です! 式はここでお兄ちゃんとって、決めてますから♪」
キラリ:「……12人、お願いします、是非に」
レガ:「……おっと、いけないけない。
カールみたいになるから、こういうセリフは控えるように言われていたんでした」
と冗談っぽく呟きつつ、レガは去っていきます。
光(のPL):こ、こんな所で、カールの名を聞く事になるとは!?
GM、俺達って、あの人の事は知ってるのか?
GM:そりゃ、当然、知っています。
カールの隊商は、光達の村に、定期的に立ち寄りますし、
何より、カールは、この修道院の出身です。
ティナ:カールって……誰だっけ?
光:デスフラグの人だよ。
ティナ:ああ、あの人!!
GM:名前じゃなくて、そ〜ゆ〜認識なんだ。
そういや、かなりNPCも増えてきたし、一度、まとめてみようかな。
美雪:「あ、あははははは……、
カ、カールさんね……あの人、どうしてるかしら?」(汗)
多分、今頃、デスフラグの真っ只中?
ティナ:「カールおじさんか……元気にしてるかな?」
ミリィ:「また、セルフで死にフラグ立てまくってるんじゃない……?」
キラリ:「でも、何だかんだで生きてる気がする」
光:「あの人、何気に悪運強いからなぁ」
GM:では、そんな会話をしつつ、村へと戻ります。
次のシーンに移りますよ〜。
―― PHASE-07 トート・フリーダ・ハリス ――
光:急いで、村に戻って、家に帰ってきたぞ。
月花の具合は、どうなんだ?
GM:ローズのおかげで、
症状は変わらず、一応、落ち着いています。
ローズ:「ほう、早かったな……例の物は持って来たか?」
光:「……ああ」
古時計を、ローズに渡す。
ローズ:「うむ、間違いないな……」
そう頷いて、ローズは古時計の時計盤を外します。
そして、その裏に描かれた魔方陣を、手持ちのノートに書き写し始めます。
ティナ:うわ〜、アレスタあたりが黙ってなさそう。
光:てか、もしかして、本人なんじゃないのか?
キラリ:「あの、もしかして、それだけが目的で……?」
ローズ:「うむ、そうじゃ」
美雪:「な、なんて、その…」
ミリィ:「何て言うか……」
美雪:「魔法陣マニア?」
キラリ:「割り、合ってるんですか……?」
ティナ:「魔方陣マニア……確か、先輩の記事に、そんな人が載ってたような?」
美雪:「あ、ああ、ミナモト新聞のアレ?」
ティナ:「あ、うん、そうだよ。
鞍馬 綾って人なんだけど……知ってるの?」
キラリ:「でも、あれは誇張も多いから……」
光:「……?」(←活字を読まないヤツ)
美雪:「だって、あの人の記事って面白いのよ」(くすくす)
ミリィ:「面白いから読んでるけど……新聞があれでいいのかな〜?」
キラリ:「……読み物として、わたしは楽しむことにしている」
ティナ:「やっぱり綾先輩は凄いな……私も頑張る」(ぐっ)
美雪:「そうそう、あのライルって人……、
おっちょこちょいなとこは、どっかの誰かさんに似てなくも無いし」(笑)
ミリィ:「特に、無駄に熱いとこなんかね〜?」
光:「今度、俺も読んでみるか……」
美雪:「今回のドラゴン退治の記事なんか面白いわよ? 師匠がいるのもそっくりだし」
光:「ドラゴン退治……そこまで、腕の立つ御仁なのか」
ミリィ:「でも、写真は男の娘に偏ってない?」
キラリ:「私は、このメイド服の男の娘の、イルス君が興味あるかな?」
美雪:「そうよね……何か最近は、
イルスって子が、妙にクローズアップされてるような」
ローズ:「ほれ……それは、もういらん。持って行け」
皆が、そんな話をしている間に、ローズは、魔方陣を写し終え、
時計盤を戻すと、時計を光に返します。
キラリ:「その魔方陣……何なんです?」
ローズ:「これは、時間遅行の魔方陣じゃ。
時間経過が物体に与える悪影響を抑える効果を持つ。
まあ、分かり易く言うと、強い日差しや雨風を浴びても、
物体の時間進行を遅らせることで、
それらの悪影響から来るの進行を抑えているのじゃ。
これで、その古時計が風化するのを防いでいるわけじゃな。
時計自体も、充分に高価なものじゃしな」
ミリィ:「また、随分と限定的な……」
ティナ:「ちょっと待って……、
もしかして、その魔方陣を、月花お姉ちゃんに使えば……?」
キラリ:「……長く使うものだから。長く生きるのにも、良いかもしれない」
ローズ:「そうじゃな、この魔方陣を使えば、
あの娘は、例え、日を浴びたとしても、
ホムンクルスの身でありながら、真っ当な人間並の寿命を得られるじゃろう。
ただし、刺青を入れる、というカタチになるがの。それでも良いか?」
と、ローズは、どうするかを、光る訊ねます。
光:「……頼む。何と罵られても、俺は彼女に生きてほしい」
ミリィ:「一歩前進、って感じ?」
美雪:「まったく、この男の子以上漢未満が……、
まず、光の教育の手始めは、一人で背負わさせない事ね♪」
キラリ:「責任は、一緒に背負うから」
ティナ:「お兄ちゃん……皆で背負えば、きっと軽いよ」
ミリィ:「一緒に背負うよって娘が、1ダースも居るって事を忘れないでよ〜?」
光:「……心に刻んでおく」
ローズ:「そうか……まあ、あの娘も、
おぬしが良いと言うなら、と言っていたしの……この果報者め」
それと、あの手足の枷も外しておいたぞ。
あれは、彼女の強すぎる力を抑えるためのモノ……、
無闇に外せば、骨格が筋力に負け、砕けてしまう。
だから、別の、もう少しマシなアンクルを着けさせた。
勝手にやってしまってすまぬの」
美雪:「え、ええ? あ、アレを外せたんですか!?」
キラリ:「つまり、アレは、枷ではなく、拘束具?」
光:「なるほど、だから外せなかったのか。
もし、外していたら……考えたくないが、
取り返しのつかない事になってたんだな」
ティナ:「それにしても、よく外せたよねぇ」
ローズ:「なに、あの程度の拘束……デカジャを魔方陣でブーストして一発じゃ
ミリィ:「今、半端じゃないこと、サラッと言った!?」
キラリ:「師匠と呼んで良いですか?」(目がキラキラ)
美雪:「ぜひ、弟子入りした方が良いわ」
ローズ:「何を言うとる。わしの見立てでは、
魔術師としての才能は、おぬし等の方がずっと上じゃわ」
ティナ:やっぱり……この人、アレスタなのかな?
キラリ:だとしたら、確か、アレスタの魔術師としての才能って、三流以下……、
「……精進します。極めます。
極めるまでは、この身体、壊しません」
ミリィ:「美雪、キラリに弟子入り勧める前に、
アンタは、机の上の蠢く箱片づけた方がいいんじゃない?」
光:「……蠢く、箱?」
美雪:「なんで、あんたがそれ知ってるのよぉぉぉぉ!?」
ミリィ:「スイッチ入りっぱなしだったわよ?
て〜か、放置してるアンタが悪い!」
美雪:「うわーうわーっ! 勝手に人の部屋入るな! 探索するな〜!」
ミリィ:「備品管理はしっかりしなさいよ……、
もうちょっとで、ちびっ子達に見付かるところだったんだからね?」
美雪:「があああああああああん!」
ミリィ:「モ○ラのラジコン、って誤魔化しておいたけど♪」
美雪:「見られてるじゃないよぉぉぉ!!」(大泣)
光:「……何の話だ?」
ティナ:「ちょっと、見てこようかな?」
美雪お姉ちゃんの部屋へ、トテトテと……、
美雪:「ティーナ!! 先に月花のところに行きましょう!」(むんず)
ティナ:「うにゃ? そうだね、先に月花お姉ちゃんが気になるね」
光:「じゃあ、月花のところへ――」
ローズ:「いや、待て、小僧……、
あの娘の事は、彼女達に任せろ。
おぬしには、ちと話がある。ここに残れ」
と、光を呼び止め、ローズは、美雪に仙命樹のエキスを渡します。
光:「……分かった」
美雪:「じゃあ、月花のことは、私達に任せて」
光を居間に残して、皆で、月花がいる部屋に行く。
ローズ:「……さて、おぬしだけには話しておこうかの」
光:「…………」(黙って聞く姿勢)
ローズ:「もう、察しておると思うが……、
わしが、ここに訪れたのは、決して偶然ではない」
光:「ああ、そんな予感はしていた……、
エリクサーの濃縮液はともかく、仙命樹のエキスや、
代用のアンクルに、あの魔方陣……、
偶然にしては、月花にとって、都合の良いモノが揃い過ぎてる。
あんた……月花のことを、前から知ってて……様子を見に来たんだろ?」
ローズ:「まあ、そんなところかの……、
先程、話したが……月花は、ホムンクルスじゃ。
だが、ただのホムンクルスではない。
とある組織によって作り出された、暗殺用のホムンクルス……、
製造番号03、コードネーム『ジェーン=ドゥ=スリー』という」
と、前置いて、ローズは、昔話を始めます。
もう、10年も昔の話じゃ……、
わしは、とある組織の手の者と闘った。
その時、敵が連れていたのが『彼女』じゃった。
――その戦いは、わしの勝利で終わった。
だが、わしは、彼女を殺しきることができなかった。
暗殺の為だけに生まれてきた命が、不憫に思えてしまっての。
わしは、彼女の記憶を封印し、
ごく普通の少女として生きていけるよう、しばらく見守ることに決めた。
しかし、記憶を封印し終えたところで、
倒したと思っていた組織の者が、自爆を謀った。
咄嗟に転送陣を展開し、逃げ延びる事が出来たのじゃが……、、
突然のことに、不覚にも、
彼女の転送先の座標を設定することができなかった。
つまり、行方が分からなくなってしまったのじゃ。
それからは、自身の研究を、
続けながらも、彼女の行方を探していたのじゃが――
ローズ:「――まあ、あとは、おぬしが知っている通りじゃ。
いや、まさか、こんな辺鄙な村で、暮らしていたとはのぅ」
光:「……辺鄙で悪かったな」
ローズ:「礼を言わせてくれ……、
彼女のことは、わしの不手際じゃった。
だが、おぬしのお陰で、人並みの幸せを手に入れられたようじゃ。
このローズ=ケリー……いや、マスターテリオン・アレイスター=クロウリー……、
心から、おぬしに感謝する、ありがとう」
光:「……いえ、礼を言うのは、俺の方です。
こちらこそ、ありがとう。月花を救ってくれて。
そして……彼女と出会わせてくれて」
てか、やっぱり、ローズって、アレスタだったのか。
何処にでも出てくるな、こいつ……、(笑)
アレスタ:「さて、前置きは、これくらいにして……、
ここからが、本題じゃが……」(にやり)
光:「……嫌な予感がするのデスが?」
アレスタ:「気付いておらぬようだが、おぬしは、わしに2つの借りがある」
光:「そ、その二つとは?」(汗ダラダラ)
アレスタ:「1つは、例の魔方陣……もう1つはあの娘の為に、新たに用意したアンクルじゃ。
まあ、その内の1つは、先の『感謝』でチャラにしてやろう」(にやにや)
光:「……寛大な処置、感謝します」(けっ)
アレスタ:「それで、もう1つじゃが……これを、おぬしに託そう」
と、アレスタは、一冊のカードブックを渡します。
その本を開くと、中には、12枚の白紙のカードが入っています。
カードの大きさは、タロットカードを同じくらいです。
光:「……これは?」
アレスタ:「それは『トートの書(トート・フリーダ・ハリス)』というモノでな、
人の強い想いや、力に反応し、その真の姿を具現化させる。
おぬしは、これを持って、世界を巡り、全てのカードを完成させるのじゃ。
そして、そのカードが全て完成した時、新たなる13枚目のカードが生まれる。
そのカードを、わしのところに持って来い。
それで、2つ目の借りをチャラにしてやろう。
まあ、その旅の間に、娘達への『覚悟』とやらも決められるじゃろう?」
光:「いえ、決めます。想いに応える為にも……」
GM:では、そこまで話し終えたところで――
美雪:「光〜! 月花、治ったよぉ!」
仙命樹のエキスを飲んで、月花が回復した事を伝えに来る。
月花:「――ひかる!!」
月花が居間に現れて、光の胸に飛び込みます。
ミリィ:「――早っ!? さすが肉体派!?」
キラリ:「凄い回復力……流石は、特別製ホムンクルス」
ティナ:「凄いね……あれだけ動ければ、もう大丈夫かな?」
美雪:「さてと……今日は、もう、月花の独り占めタイムね」
光:「っと? もう大丈夫なのか?」
月花:「うん、光のおかげ……ありがとう」
と言って、月花は、不意打ち気味に、光の唇にちゅ〜……していい?(笑)
女性一同:――許可。(笑)
月花:「……んっ」(ちゅっ☆)
光:「……っ!?」(不意をつかれた)
ミリィ:「ま、たまにはね……」
ティナ:「今回だけは、月花お姉ちゃんに譲ってあげるよ」
キラリ:「何だろう……あれを見てると、死ぬのがイヤだ、って凄く思う」
ティナ:「それが普通なんだよ、キラリお姉ちゃん」
キラリ:「体が壊れるのが、あまり怖くなかった。
ずっと、明日壊れるかも、と思ってたから。
でも、やっと『普通』に生きたいと思える気がする」
美雪:「それじゃあ、夕食の準備しましょうか?
で、光は月花と一緒にいてね♪」
GM:いや、その前に、もう少しだけ描写させてほしい。
そのキスの瞬間、トートの書のカードが1枚、輝き出します。
それは、宙に浮かび、月花の手元へと飛んでいきます。
女性一同:「――なんですと!?」
光:「うおっ……!?」(ギョッとする)
月花とのキスに反応したのか?
ほとんど、某ネ○まのパクティオーカードじゃないか!!(爆)
アレスタ:「早速、見つけたか……、
なるほど、『力』のカードじゃな」
美雪:「えっと、その……これって、何?」
月花の手にあるカードを指差しつつ、満面の笑みで光に訊ねる。
キラリ:「……はい?」
ティナ:「お兄ちゃん……今のカードって?」
ミリィ:「ごめんね〜、月花。ちょ〜っと光を貸してね?」
ティナ:「うん、ちょっと尋も……もとい、質問がしたいから♪」
光:「え〜っと……」(大汗)
本当の事を言うべきか、さすがにコレは迷うな。
アレスタ:「さて、あとは、刺青を施すだけじゃな。
詳しい話は、小僧、おぬしに任せる。では、いくぞ」
と、月花を伴い、アレスタは、サッサと居間を出ていきます。
美雪:「詳しい事情は、この男が話してくれるわけですね?」(にっこり
アレスタ:「……うむ、あとは、全て小僧に任せた」(脱兎)
光:「うわっ、ややこしいこと、全部、丸投げしていきやがった!?
え〜っとですね、どうも、人の強い想いに反応するそうですよ?」(大汗)
美雪:「ふむふむ、で、それと光の関係は?」
光:「関係というか、何と言うか……、
今回、カードが出てきたのは、偶然だと、お兄さんは思うわけで……、
ローズさんからの依頼でもあるため、お兄さんに非は無いと主張させて頂きたい」
美雪:「分かりました。それでは、真実を包み隠さず語ることを誓いますね?」
光:「イエス・マム」(汗だらだら)
ティナ:「嘘はダメだよ〜、お兄ちゃん♪」
美雪:「それでは、被告人……もとい、立野光さん、証言をお願いします」
光:「え〜、カクカクシカジカ……、
というわけで、俺、修行も兼ねて、旅に出ます」
美雪:「……分かりました。貴方の事情を察し、その行動を承認します」
ティナ:「ただし、私達、全員も連れて行くよね?」
キラリ:「もちろん、みんなで……他の子にも連絡を入れておく」
美雪:「亭主修行に、私達がいなくちゃ、どうしようもないでしょ?」
ミリィ:「途中から、食べ物が保存食だけになるのは目に見えてるしね」
美雪:「ただ、これは私のわがままだけど……、
その場にいないばっかりに……後悔はしたくないの」
ミリィ:「美雪、今更、何言ってるの?
全員、引っ張って行くに決まってるでしょ?」
ティナ:「そうだよ! そんなの美雪お姉ちゃんらしくないよ?」
光:「わかた……皆、一緒だ」
汗を流しつつも、ハッキリと言い切ろう。
キラリ:「みんな一緒で……楽しい旅に、なるといいね」
美雪:「ふふ、そうよね……」
GM:では、話もまとまったところで……、
光が持つトートの書から、1枚のチケットが落ちます。
光:「……ん?」
GM:そのチケットには、こう書かれています。
『クルスガワの宿・無料宿泊券』。(爆)
光:「…………」(血の気が引く)
キラリ:「クルスガワ……?」
ティナ:「……リーフ島にあるんだよね?」
この宿って、確か、大願成就率100%の宿だっけ?
美雪:「当面の目的地は決まったわね♪」
ミリィ:「けって〜い♪」
キラリ:「船の手配と……旅行ガイド、売ってるかな?」
ミリィ:というわけで……、
総勢13人の大人数で幼馴染み達の冒険は続く!
続くったら、続く!
GM:こうして、光達の旅の最初の目的地は決まった。
がんばれ光、負けるな光、夕陽に向かって叫ぶんだ。
光:「あんのクソメイガスがぁぁぁ!!」(半泣)
<おわり>
<戻る>
注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。
注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
その為、今後、ルールが改訂される場合があります。