GM:さて、前回の内容は覚えてますよね?
ライル:覚えてるも何も……、
ケイオス:あの怪盗妄想猫娘が、
     私達の優勝商品を、盗んでくれやがったようだが……、
イルス:リーフ島で別れて以来だけど、この辺に来てるのかな?
ライル:だとしても、何で、また、
    カノン王家を相手に盗みなんぞ……、
ケイオス:まったく、保護者(アラン)は、何をしとるんだ?
イルス:う〜ん、レースに勝って、
    盗掘団を捕まえれば終わり、って思ってたたげど……、
ケイオス:どうやら、まだ、一波乱ありそうだねぇ。





GM:というわけで、後半を始めま〜す。

一同:よろしくお願いしま〜す。






『Leaf Quest TRPG』 リプレイ

ふぁんぶら〜ズ冒険譚 7

『ザ!雪原!DASH!!』 後編







―― PHASE-06 王女の謝罪 ――


GM:さて、今は、レースの表彰式です。
   皆さんに副賞を授与しようと、例の腕輪が収められた宝箱を、
   観鈴達が持ってきたのですが、中に入っていたのは、某怪盗猫娘のカードだけ。
   賞品が盗まれていた事を知り、祐一が、三人娘に詰め寄ります。
祐一:「ど、どうゆうことだ!?
   警備してたんだろ? 誰が、見張ってたんだ?!」
観鈴:「に、にはは……」(大汗)
ケイオス:警備役は、この娘達か……、
祐一:「何をやっとるんだ、このへっぽこ共がぁ〜っ!!」
三人娘:「ごめんなさ〜いっ!」
    祐一に叱られ、三人は抱き合って震えています。
ケイオス:「あ〜、まあ、何だ……、
     このような場だし、そのくらいにしてあげなさい」
祐一:「むう、そうだな、すまん……、
   それにしても、どうして、佐祐理さんは、こんなへっぽこ達に警備を任せたんだ?」
イルス:「え〜と……じゃあ、副賞はどうなるの?」
祐一:「副賞については、俺達が、責任を持って取り返す」
ライル:「しかし、手掛かりが……」
舞:「このカードしかない……どうするの?」
ライル:「そう、犯人を探そうにも、当てがない」
    まあ、PL的には、心当たりはありまくりなのだが……、
ケイオス:「一応、警備はしていたのだろう?
     いつ、盗まれたんだ? 犯人の顔は見なかったのか?」
GM:観鈴達が言うには、警備の最中に、
   急に甘い匂いがしたかと思った途端、眠ってしまったそうです。
佳乃:「寝ぼけてたけど、ちょっとだけ、犯人さんの姿なら見たのだ〜!」
   と、自信満々に言う佳乃に、観鈴と美凪も頷いています。
ライル:「ね、寝ぼけてた状態で見たって……大丈夫なんかい?」
祐一:「まあ、情報が無いよりはマシか……で、どんな奴だったんだ?」
イルス:「モンタージュとか、作れそうかな〜?」
観鈴:「女の子だったよ」
美凪:「……猫耳」
佳乃:「胸が大きかった!」
祐一:「――それだけかいっ!!」
   というわけで、似顔絵は作れそうにないです。
ライル:「猫耳ってのは本物? 偽者?」
美凪:「そこまでは……」(ふるふる)
イルス:「本物だとしたら……リュンクス、かな?」
ライル:「だとしても、どっかの妄想娘ってことは無いな」
    あいつの胸は――(以下略)。
ケイオス:「まあ、それはともかく、場所を変えないかね?
     まだ、表彰式の最中だしねぇ……」
佐祐理:「そうですね……では、会議室の方に移動しましょうか。
    大切なお話もありますし……」
ライル:「分かりました……、
    しかし、すんなりと、事が上手くいくとは思わなかったが、
    とんでもね〜オマケがついた感じだな」
ケイオス:「まったくだ……」
GM:では、表彰式と閉会式を済ませ……、
   皆さんを含め、関係者一同は、会議室へと移動します。
佐祐理:「では、今回の事件について話し合いと思います。
    ですが、その前に、佐祐理は、冒険者さん達に謝らなければいけません」
ケイオス:「……どういう事です?」
佐祐理:「レース中でも、お話しましたが……、
    今回のレースは、ほとんど八百長に近いんです」
イルス:「……確かに、チームの1つは盗人、もう1つは騎士団だもんね」
ケイオス:「正直、私らが偶然紛れ込んじゃったって感じだな。
     件の盗掘団を焙り出すのが、このレースの目的だったわけだしねぇ」
祐一:「俺達が、顔を隠して、レースに出たのも、その為さ」
ライル:「さすがに、王女と近衛騎士が素面で出たら、それはそれで疑惑を生むだろうしな」
ケイオス:「なるほどねぇ……煙草、よろしいかね?」
舞:「……(佐祐理の)体に悪いから、ダメ」
ケイオス:「そうか……」
     しょんぼりして、煙草を懐に戻そう。
イルス:「今回は、ケイオスさんが健康だね。
    まあ、とにかく、このレースは、そういうモノだった、と……」
祐一:「それで、まあ、色々と誤算はあったが……、
   あんたらを襲った山賊達の証言から、レースで不正を働いたって事で、
   虎の穴チームを別件逮捕する事が出来たわけで……、
   これで、盗掘団の件は、解決したと思ったんだが……」
佐祐理:「エアー騎士団長の晴子さんが、虎の穴さん達に尋問したところ、
    彼らもまた、お金で雇われただけの方達だったそうです」
イルス:「トカゲの尻尾、あるいはオトリ、ですか」
ケイオス:「さらに、黒幕がいる、ってことか……」
     山賊は虎の穴に雇われ、虎の穴は謎の組織……、
     おそらくは、腕輪を盗んだ奴に雇われ、と……、
ライル:「むこうも、なかなか知恵者だったというわけか……というか、ずる賢い?」
ケイオス:「少なくとも、ただの無法者連中とは違うようだ」
佐祐理:「もちろん、腕輪が直接狙われることも予想していました。
    だからこそ、私は、観鈴さん達を腕輪の護衛につけたんです」
ケイオス:「なるほど、盗まれる事が分かっていて、
     敢えて、へっぽこ三人娘を配置した、ということは……」
佐祐理:「はい、観鈴さん達には、大変失礼だと思ったのですが……、
    盗まれる事を前提としていたので、予め、腕輪には、追跡の魔術が掛けられています。
    相手の本拠地を突き止め、一網打尽にする為に……」
ケイオス:「……で、その結果今に至る、か。
     まぁ、護衛の女騎士さん達が、そのまま人的資源にされなかっただけ僥倖とすべきかねぇ」
     女性の手前、オブラートに包んでおこう。
ライル:「この極道ものは〜! 禁断症状が出てきてるのか!」
    取り敢えず、ギターで、兄者のケツにツッコミ入れておく。
イルス:「え〜っと、つまり、予定調和? むしろ、釣り針と餌?」
ケイオス:「ようするに、この展開は、想定の範囲内、ということか……」
ライル:「そういうことか……」
佐祐理:「事情は何であれ、皆さんを……、
    そして、国民の皆さんを騙すような真似をしてしまいました。
    ですが、他に良い方法も思い付かなくて……ごめんなさい」
ライル:「まあ、国民の皆さんは、さて置いて、
    オレ達は、50万Gを、ヴェルデ兄妹にせしめた、って事に良しとしないか?」
イルス:「“腹芸や陰謀は、お偉方の必須技能”って……、
    ナーフ、もう少し何ていうか……」
ケイオス:「まあ、この王女なら、このお祭りで得た収入は、
     別のカタチで、国民に還元してくれることだろうしねぇ」
ライル:「まあ、こっちも騙されたが、
    それは賞金をまんまと頂き、ってことで相殺……これで良いですよね?」
佐祐理:「ええ、もちろんです……、
    それで、ですね……申し訳ないついでに、皆さんにお願いがあるんです。
    レースでの皆さんの手並み、拝見させて頂きました。
    その実力を買って、頼みたいことがあるんです」
ケイオス:「盗賊団の殲滅作戦への参加、かね?」
     と訊きつつ、一瞬、獰猛な笑みを浮かべてやろう。
ライル:「まあ、こっちもその気だったし、オレに異存はありません」
佐祐理:「本来、この国で解決しなければならないのですが、
    故あって、近衛騎士団もエアー騎士団も動かすことができません。
    そこで、盗掘団の討伐を、皆さんにお願いしたいのです」
イルス:「え? あれ? 討伐への協力、とかじゃなくて?」
佐祐理:「最近、魔物の活動が活発化してまして……、
    国の警備などに、騎士団員の殆どが、そちらに回されてしまっているんです」
祐一:「とはいえ、投げっぱなしするつもりは無い。俺と舞だけでも、同行するぞ」
ライル:「うん、こちらも、三人だけではキツイ」
佐祐理:「もちろん、佐祐理も一緒に行きます。
    王女として、最後まで見届けなくてはいけませんから」
ケイオス:「それは助かる――って、え゛?
佐祐理:「あはは〜、だって、魔術が使える人が一人だけでは大変ですよね〜?
    報酬は一人1000G。例の腕輪も、取り返す事が出来たなら、あなた達に差し上げます」
ケイオス:「そりゃ、確かに、私一人では厳しいですが……、
     そこの近衛騎士二人、どうするよ?」
ライル:「ほ、報酬は了解しました……、
    しかし、王女様直々に出陣ってのは……」
    と、祐一達に目で問い掛けよう。
祐一:「…………」(諦めたように首を横に振る)
舞:「私は、佐祐理を守る者だから……」
ライル:「わ、わかりました……、(二人の、主に祐一の苦労を理解した)
    しかし、近衛騎士2人に一流の魔術師……オレ達の出番は無いんじゃないか?」(小声)
ケイオス:「どうだろうね……盗掘団の規模によっちゃ、コレでも厳しいかもしれない。
     彼らは、王女様につきっきりになるだろうしねぇ……」(小声)
イルス:「近衛騎士さんは、王女様の護衛に重点おいて欲しいし……、
    前衛は、自然と、僕らになるんじゃないかな、って思う」(小声)
祐一:「ああ、あくまで、主動はあんたらだ……頼んだぜ」(小声)
一同:「……了解」(小声)
GM:というわけで、翌日です。
   皆さんを含めた、6人の討伐隊が出陣します。
   HPとMPは回復して良いですよ。





―― PHASE-07 偽アラン、登場! ――


GM:では、討伐隊は、追跡魔術の効果を頼りに、郊外の森の奥へとやってきます。
   そこには、廃屋となったボロボロの屋敷があります。
祐一:「どうやら、ここがアジトのようだな……」
ライル:「いかにも、盗賊のアジトって感じだな」
イルス:「さて、一網打尽となると……、
    やっぱり、奇襲とかが出来ると良いんだけど……、
    潜入とか、できないしなぁ……」(祐一達の鎧を見て)
GM:まあ、金属鎧を着てたら、潜入は無理だね。
イルス:ちなみに、屋敷の大きさは?
GM:そんなに大きくは無いですよ。
   オーソドックスな屋敷で、外観から間取りを推察出来るくらいです。
ケイオス:「先行偵察を済ませてくる。周辺の警戒をしていてくれ」
     GM、まずは、周辺に鳴子などの罠が設置されてないかチェックするぞ。
GM:では、ここは、まだ野外なので、ビーストテイマーで判定してください。
イルス:しまった。罠感知は、エージェントの仕事だと思い込んでた。(笑)
GM:室内ならエージェント、野外ならビーストテイマーの仕事ですよ。
ケイオス:「あ〜、イルス、ちと周辺の鳴子とかチェックしてくれんかね?」
イルス:「うん、これは、僕の仕事だったね」
    ネコ耳を着けて(ころころ)……もうやだ〜っ!!
ケイオス:……さ〜、ファンブル表だ。
イルス:(ころころ)『6:自分に被害が及ぼされる』
    普通(?)のファンブルだけど、この状況だと致命的な気がする。
GM:では、まず、イルスが屋敷の門のあたりを、
   調べようとしたところで、足元の細い紐に足を引っ掛けました。
イルス:「……あ゛」
ケイオス:「……総員、手近な所に身を隠せ」
     イルスをフォローできる場所に隠れるぞ。
GM:で、イルスは、そのまま、前のめりに転倒し、屋敷の敷地内に転がり込んじゃいます。
イルス:「わっ……わわっ!?(ごろんごろん)
GM:それと同時に、ガシャーンと門が閉まり、仲間と分断されてしまいます。
   ちなみに、門が閉まったのが、ファンブルの影響ね。
ライル:「やっちまったか……」
ケイオス:「……マズイね」
     急いで、閉まった門を開けたいところだが……、
GM:時間を掛ければ開きますが、戦闘ターンにして、2ターン掛かります。
イルス:そういう言い方をする、って事は……、
GM:はい、お気付きの通り、先程の罠はアラームです。
   屋敷に潜む盗掘団は、当然、異常に気付いたでしょうね。
   まあ、アラームが無かったとしても、門が閉まった音で気付かれたでしょうけど……、
ライル:い、いかんっ! イルスの貞操が大ピンチ?
GM:門が閉まると、ほぼ同時に、屋敷の玄関が開ます。
   様子を見に来たのは2人です。
   その内の1人は、屋敷の中に戻り、残った1人は、イルスに近付いてきます。
   ちなみに、そいつは、テンガロンハットを被った軽装の剣士です。
ケイオス:どうするかな……、
     今のうちに、裏口に回るか……、
     それとも、ここで不意打ちするべく残るか……、
ライル:オレは、ここに残る。
    盾と鎧を装備してちゃ、裏口に回るのも一騒ぎだしな。
ケイオス:ふむ、私一人で裏口に行っても、
     それはそれで、あの世へ飛んでいけそうだな。
     ここは、残って、タイミングを窺おう。
イルス:「あ、あぅ……えっ、え〜……、
    どうもこんにちはのもうかりまっか、ぼちぼちでんなで、あ〜その〜」(わたわた)
???:「……何者だ?」
イルス:「と、通りすがりの物荒し。
    郊外を散歩すりゃ廃屋が一つ。
    これはいいやと、お邪魔したら、この事態……」(錯乱中)
???:「散歩? こんな森の奥に、そんな軽装でか?
    嘘をつくなら、もう少しマシな嘘をつけ。
    王国の手の者だろう? もう、ここを嗅ぎ付けて来たか」
    剣士は、剣を抜き、戦闘モードに入ります。
イルス:「マシな嘘と言われても、この状態じゃあ、
    他に誤魔化し方なんぞ見つかりませんがな……」
    トホホと、色々と諦めて、身構えるよ。
ライル:「くそっ! 早く門を開けないと……」(がしゃがしゃ)
GM:門を開けるには、2ターン掛かります。
   それまでは、イルス1人で凌いでくださいね。
   では、イニシアティブ判定、いきます。(ころころ)5です。
イルス:(ころころ)7だから、ボクの先攻!
    サシでやるには、随分と手強そうだし……スパイダーネットを仕掛けます。
    (ころころ)10と言って命中!
GM:こっちの回避は2d6+10(ころころ)17で回避です。
ライル:回避の修正値8!?
ケイオス:強すぎるぞ、おいっ!!
イルス:「くぅ……小細工すら、どうにもなりまへんがなっ!」
GM:では、こちらの番ですね。
   剣士は、剣を振り上げ、イルスに斬り掛かります。


???:「我が名は、アラン=スミシー。
    相手になってやろう」


イルス:「……は?」
ライル・ケイオス:何ですと!?



 謎の剣士の名を聞き、驚きを隠せない一同。

 まあ、無理もないでしょう。
 キュリオだけでなく、アランまで出てきたわけですからね。

 しかも、仲間としてではなく……、
 自分達に刃を向ける、敵として……、

 まあ、アランは、イルスとは、
面識があるわけですから、斬り掛かってくるわけがありません。

 その時点で、このアランが、偽者である事は確定です。

 しかし、偽者とはいえ、その実力は本物です。

 何故なら、技能LVは、
本物のアランと同じに設定してますから。(笑)


GM:アランの攻撃(ころころ)……、
   ちっ、出目が悪いくて、命中は9です。
イルス:(ころころ)回避は11で、よけたっ!
ライル:でかした、イルス!
    とはいえ、まだ1ターン残っているし、油断は出来ないな。
ケイオス:GM、このターンの最後に、
     弟者の肩を踏み台にして、門を飛び越えるのは可能か?
GM:良いでしょう。ただし、エージェント判定で、ファンブルしたら失敗とします。
ケイオス:「弟者! 肩を借りるぞ!」
     (ころころ)よし、問題無く成功だ!
ライル:「任せた! どっせい!」
GM:では、ケイオスも加えて、第2ターンです。
ケイオス:順番は、私からて良いのか?
     なら、初っ端から、必殺技『ブラッドハウンド』だっ!
     発動判定(ころころ)どちくしょ〜っ!!
ライル:またか、兄者ぁぁぁ〜〜っ!!
ケイオス:「っち、術式の練り込みが甘かったか」
     ファンブル効果は(ころころ)『4:思わぬ敵を作る』。
GM:では、その効果は後回しにしまして、
   取り敢えず、イルスの行動をどうぞ。
イルス:って、言われても、防御専念なんてルールは無いし……、
    ダメで元々、普通に斧で攻撃するよ。
    (ころころ)命中は10だよ。
GM:それは(ころころ)余裕で回避です。
   続いて、アランの行動いきます。
アラン:「ちっ、やはり、他にもいたか……」
    アランは舌打ちすると、懐から、三枚の小さなプレートを放ります。
    そして、それが地面に落ちると、魔方陣が展開され、3体の三頭蛇が召喚されます。
    以前、皆さんが、初音島で闘った魔物です。
ケイオス:ちょっ! それって、さっきの、私のファンブルの結果か?
GM:はい、そうです。
ライル:過去、最高に手強かった――
イルス:――あの蛇が3体もっ!?
GM:では、第3ターンです。ここで、門が開きます。
ライル:「イルス、兄者! 待たせた――んなっ!?」
ケイオス:ど、どうする? いきなり、黒翼をブッ放つか!?
イルス:MP1になって、その後、何が出来るの?
    この3匹の蛇は、ファンブルのペナルティなんだよ?
    つまり、この後にも、敵が控えてるんだから!
ケイオス:大丈夫、あれは、特攻技だから、寧ろ、ボス戦で使うのが致命的!
祐一:「ここは、俺達で引き受ける!
   お前達は、屋敷へ行けっ! 奴等を逃がすなっ!!」
   と、祐一、舞、佐祐理が、アランの蛇達の前に立ち塞がります。
ケイオス:「――すまん!」
     この場は、彼らに任せ、一気に駆け抜けるぞ!
GM:ああ、そうそう……、
   言い忘れてたけど、アランが召喚した蛇達の額には、例のマークがありますよ。
ケイオス:無限蛇マーク?
ライル:出た〜、出ましたよ〜。
イルス:「僕ら、アレに祟られてる?」
ケイオス:「……かもしれんね」
     寧ろ、私的には、運命に絶賛祟られ中だ。
     今回、ロクに魔術が発動しとらん。
ライル:もしや、煙草を吸ってないら?
    これが禁断症状というやつか!?
ケイオス:ゲンジ丸でも、吸わせて貰えなかったからな〜。
GM:きっと、煙草を咥えて呪文唱えると、ちょうど良い発音になるんですよ。
ケイオス:もしくは、煙草を咥えながら闘っているうちに、そっちに慣れたか?
イルス:どっちにしても、煙草を咥えるの前提で、呪文覚えてたんだね。
ケイオス:この事件が終わったら、次は何処に行く予定なんだ?
GM:傭兵都市ナカザキに行く予定だから、
   カノン王国の東の雪山を越える事になりますね。
ライル:ハッハッハッ! しばらく、禁煙ライフは続きそうだな〜。
GM:まあ、ナカザキは、『ほぼ』無法都市だから、それまでの我慢です。
ケイオス:その『ほぼ』ってのが気になるのだが?
ライル:『抑止力』って法があるんだよ。
GM:あの街には、漢女『七瀬 留美』がいます。
   身の丈ほどのドラゴンスレイヤーを大上段に振り上げる女保安官が……、
イルス:……抑止力って、ステキだね。
ケイオス:それでも、浴びるように飲むねっ! 吸うねっ!
     そして、騒いで、七瀬に張り倒されるねっ!!
ライル:流石は兄者……なんて、男らしい。
GM:え〜、話が脱線してるので、そろそろ、戻しても良いですか?
ケイオス:OK、蛇達は、祐一達に任せて、サッサと屋敷に突入しよう。





―― PHASE-08 vs 偽ばかっぷら〜ズ ――


GM:さて、偽アラン達は祐一達に任せ、皆さんは屋敷に突入します。
   屋敷の中に入ると、今にも逃げようとしている、
   盗掘団と思われる四人の姿があります。
ライル:「待てっ! 盗人どもっ!」
ケイオス:「あ〜……悪いが、逃すわけにはいかんよ」
イルス:「キチッと、お縄に掛かりなさいっ!」
???:「ちっ、もう来ちまったのかいっ!」
    と、舌打ちするのは、猫耳をつけた豊満な胸の女エージェントです。
ライル:「ひょっとして、こいつが例のストリップキャット!?」
ケイオス:「場末の酒場で絶賛大活躍中だな……って、何か違う気がする」
イルス:「……ナーフ」
    ナーフが渾身の一撃(ツッコミ)を加えますので、暫くお待ちください。
GM:――ちゅど〜ん!!
ライル・ケイオス:うわらばっ!?
イルス:見苦しい場面があったのを、心よりお詫びいたします。
    ところで、その女エージェントの猫耳って、やっぱり、つけ耳?
GM:はい、間近で見れば、つけ耳だと分かりますよ。
???:「ストリップじゃなくて、ストレイキャットだよ!
    世に名を轟かす大怪盗キュリオ様とは、あたしのことさっ!」
ライル:「キュリオって……おひ?」(汗)
ケイオス:「キュリオとアラン……、
     なるほどねぇ……彼らも有名になったもんだ」
GM:キミらだって、そこそこ、名は売れ始めてるから、自覚はするように。(笑)
ライル:「いや、違うんだよな〜。本物のキュリオは、その胸が……」
イルス:「……まあ、とにかく、やることやろうか?」(胡乱げな顔)
GM:ちなみに、ニセキュリオの他にも、
   重武装の剣士、着せ替え人形を持った魔術師、眼鏡を掛けた女魔銃使いがいます。
ケイオス:「ということは、あのメガネ女が、あの守銭奴(カイン)で……」
ライル:「あとの二人は……知らん奴だな」
ケイオス:「まあ、状況から考えると、どうやら、キュリオ達は、
      今、ああいう感じの連中とつるんでるんだろうねぇ」
ライル:「となると、あの人形持った魔術師って……、
    本物がいるのかと思うと、ちと背筋が寒いな」
ケイオス:「……全くだねぇ」
GM:というわけで、こここから、偽ばかっぷら〜ズとの戦闘です。
   イニシアティブ判定をどうぞ。
ケイオス:(ころころ)おおう、やっと期待値が出て10だ。
GM:(ころころ)ゴメン、6ゾロなので、こっちからです。
ケイオス:……神様なんて嫌いだ。


偽キュリオ:「ええい、こうなったら、相手になってやさっ!
      お前たち、や〜っておしまいっ!」
偽者一同:「アラホラサッサ〜!」
ライル:「くっ! なかなか、
    少年心をくすぐるチームだな!」



GM:では、まず、偽キュリオから攻撃です。
   ライルに攻撃っ! 乾坤一擲発動で、実ダメージ3倍!
   (ころころ)命中は8だっ!
ライル:(ころころ)回避成功!
    ラージシールドを嘗めるな、こんちくしょう!
GM:では、偽キュリオの大振りの剣は、
   ライルに回避され、ガスッと床に突き刺さります。
   というわけで、このターンの間は、回避と防御が0になります。
   続いて、重装備の剣士……偽エルヴィンの攻撃!
   目標は、イルス! 防御を捨てての突貫攻撃!
   命中したら、攻撃に1d6です!
ケイオス(のPL):おっ、劣化版シュトルムアングリフ!(笑)
GM:(ころころ)9と言って命中!
イルス:くうっ(ころころ)回避できた!
GM:偽エルも、回避と防御が0に……うわ〜ん、出目が悪い!
イルス:こっちもドキドキだよ。
GM:続いて、偽かいん――
ライル:平仮名なのか?
ケイオス:きっと乳が貧しいんだな。(笑)
GM:ただの誤字です。(笑)
   そういう失礼な事を言う人達には、爆裂弾を投げちゃいます。
   全体にダメージ4d6です。
一同:そ、総員退避〜っ!!(ころころ)成功〜!


 ――これは、GMのミスです。

 勢いに任せて、爆裂弾を使ってしまいましたが、
戦闘している場所は、室内なので、本当は、爆弾系は使えないのです。

 とはいえ、やってしまったものは仕方が無い。

 幸い(?)この攻撃は、
失敗に終わったので、そのまま続行することに……、


GM:最後は、偽ヴァルフェルトの番です。
   彼は、持っていた人形を抱え上げると……、
ライル(のPL):ど、どんな劣化版なんだ?!
ケイオス(のPL):ある意味、凄い気になる!!


偽ヴァル:「――武装・開花っ!」
     彼は、人形を誇らしげに掲げると、
     声高らかに叫びます。
イルス:「い、一体、何が……っ!?」






 シ〜ン……、





GM:……何も起こりません。(爆)
ライル:「おひ、こら」
ケイオス:「………」
     頭の気の毒な人かぁ〜っ!!



ライル:「いかん! すぐうに王立病院に行った方が良いぞ!」
偽ヴァル:「えっ!? だって、これ……、
     あのアランって奴が、こう唱えれば、強くなれるって……」
ライル:「人形抱いて強くなれるのなら苦労せんわっ!
    あ〜、こいつの本物も、何か、どんなヤツか分かりそうだ」(汗)
偽ヴァル:「や、やめろ〜! そんな目で、俺を見るな〜!」
ライル:「やかましい! この究極ド変態りりかるマジシャン!」
ケイオス:「……もういい、お前は良くやった。さぁ、森へお帰り」(生暖かい目で)
GM:というわけで、偽ヴァルの行動は、終了です。
イルス:それで終わりなの!?
    なんで、わざわざ、1ターン無駄にするような真似したわけ?
GM:この偽者ネタを使う以上、やらないわけにいかないのです!
   きっと『イイ反応』があるに違いないと思ったら、
   もう、1ターン無駄にすること分かってても、やらずにはいられなかったのですっ!
ケイオス:出たての芸人か、あんたは!
ライル:ああっ、GMまでネタ師の道へ!
イルス:元々って気もするけど……、
GM:ネタ師じゃなかったら、GMなんて出来ませんよ。
   まあ、それはともかく、こちらのターンは終了です。
   って、なんで、ノーダメージなのかな?(泣)
ケイオス:では、こちらの番だな。
ライル:「兄者! すぱぁ〜ん、と、やっちゃってくれい!」
ケイオス:「――了解した」
     というわけで、マハガルいくぞ!
     (ころころ)出目3って、何で、毎回、発動判定がドキドキなんだ?
GM:やっぱり、呪文を間違えて覚えているとしか……、
ケイオス:かもしれないねぇ……、
     何処かの誰かのスリープク○ウドみたいに……、(笑)
     (ころころ)ちなみに、命中は11だが……、
GM:偽キュリオと偽エルは、先の攻撃の影響で、回避&防御は出来ないのです。
   (ころころのころ)偽カインと偽ヴァルは、回避成功。
ケイオス:ダメージは(ころころ)12点だ。
偽キュリオ:「くっ……なんて強さだい」
      偽キュリオと偽エルは、ダメージ丸抜けです。
ライル:次はオレだが、楽譜を使いたい。
    一旦、眠らせて、オレが削って、最後は目を覚ました兄者とイルスと三人で、
    ボコボコパーティーをやりたいが、OKか?
ケイオス・ライル:――了解。
ライル:では、いくぞ! 想い届ける虹の楽譜(フィルドウスィー)発動!
    第1楽章、眠りの曲! ブースト全開でGO!!
GM:サイコロの数の暴力はイヤ〜ッ!!
ライル:耐えられるモンなら、耐えてみやがれ〜!
    (ころころ)達成値21! どうだぁ〜!!
ケイオス:楽譜に関しては、我々も抵抗しないとな。
     (ころころ)ぶほっ、1ゾロ!?
イルス:(ころころ)僕もファンブル……なんだかな〜。
ケイオス:ファンブル表は(ころころ)『9:仲間に被害が及ぼされる/大迷惑をかける』。
イルス:(ころころ)僕は『8:自分に被害が及ぼされる』だよ。
ケイオス:この二つの効果を合わせると……、
GM:ケイオスが、イルスにナニかやったね♪
ライル:ナニを? ナニをやったんだ?!
GM:以前の股間顔面ダイブの逆バージョンか……、
ケイオス:そ、それは、流石に切ないので、
     寝てしまって、倒れた時に、イルスに肘が入ってしまった、って事で……、
GM:では、こっちの抵抗判定を……、
   (ころころ)全員、寝ました。しかも、偽エルはファンブルです。
   ファンブル表は(ころころ)おっ? ツイてる!
   『11:自分に被害が出るが有利な結果も及ぼされる』。
   では、こちらも、ケイオスと同様に、偽エルが倒れたところが、
   偽キュリオの上で、その衝撃で、偽キュリオが目を覚ました、って感じで。
ライル:「や、やろう……なんて運が良い!」
偽キュリオ:「うっ、く……なに、寝てるんだい!
      ええい、この役立たずどもめっ!!」
      と、寝てしまっている仲間を罵倒し、形勢不利と見て、逃亡を試みます。
ライル:「ちいっ、逃がすかっ!」
    兄者達と眠った敵は、取り敢えず、
    置いておき、偽キュリオを追い駆けるぞ。
GM:追い駆けようとするなら、偽キュリオは、例の腕輪を投げつけてきます。
ライル:「ぐあっ!(パカ〜ン)……あっ、これって?
    おいこら! 大事なもん捨てて逃げるのかっ!?」
偽キュリオ:「はっ、そんなバッタモン、いらないよ! じゃあな、ギョロ目!」
      と、ライルが、腕輪に気を取られた隙に、
      偽キュリオは、捨て台詞を残し、身軽に塀を飛び越え、逃げていきます。
ライル:「ぐはあっ! ギョロ目って言うな〜!!
    彼女はなあ、彼女は、この目が良いって言ってたんだぞ! アホ〜!!」
GM:とまあ、偽キュリオが逃げた後、
   ライルの叫びが、ボロ屋敷に響き渡るのでした。





―― PHASE-09 腕輪の正体 ――


ライル:「……捨て台詞のこして逃げられたか」
    取り敢えず、例の腕輪を回収して、兄者達の所に戻ろう。
GM:ケイオス達も、偽ばかっぷら〜ズ達も、まだ寝ています。
   まあ、ライルだけでも、敵の拘束は出来ると思うので、
   ここで、戦闘は終了。皆さん、目覚めて良いですよ。
ライル:「う〜む、ブツは取り戻したから、まあ、良しとすべきか……」
    と呟きつつ、偽者共をグルグル巻きにしていよう。
GM:では、そうしていると、表の戦闘も終ったようで、
   祐一達も、屋敷の中へとやって来ます。
祐一:「すまん……蛇に気を取られてる間に、
   あのアランって奴には逃げられちまった」
ケイオス:「すまない。こちらも、一名、取り逃してしまった」
ライル:「腕輪は取り戻したが、ボス格のスト……レイキャットには逃げられた。
    で、そのアランを名乗ってたヤツもそうだが、
    こいつら、どうも実在する人達を騙ってる偽物のようだ」
祐一:「――その根拠は?」
ケイオス:「彼らの本物と、面識があるからね」
ライル:「ああ、少なくとも、こいつらの内の3人は、本物を知ってるからね。
    逃がした2人と、このメガネ掛けた奴なんだが……、
    後の2人……特に、変態1名は知らんぞ」
ケイオス:「あんなのとは、知り合いにはなりたくないな〜」(遠い目)
イルス:「うん……でも、察するに、カイン達は、
    今、アレの本物とパーティ組んでる気がするんだけど……」
ライル:「再会するような事があったら、オレハ逃げる。一目散に逃げる」
見学中のヴァルのPL:偽者の事とは言え……、
           なんだか、酷い言われようだ。(泣)
ライル(のPL):偽ヴァルについて、『意識的に』ボロクソ言った人は、手を挙げて〜。
一同:――は〜い♪(笑)
見学中のヴァルのPL:お〜の〜れ〜ら〜……、(爆)
祐一:「なるほど……しかし、あいつら何者なんだ?
   あの召喚した蛇といい、あの強さといい……ただの盗掘団じゃないぞ」
ライル:「確かに、偽物にしては、なかなかの凄腕だったな。
    少なくとも、剣のさばき、身のこなしはな」
ケイオス:「さあ、ね……不思議と縁はあるが、心当たりは無いよ」
ライル:「あんまり希望する縁じゃないけどね」(苦笑)
イルス:「そのへんは、捕まえた人達に訊けばわかるでしょ?
    ところで、その腕輪なんだけど……」
GM:イルス、その腕輪に触るの?
イルス:……うん、触る。
ライル:「ん? コレが、どうかしたのか?」
イルス:「結局、何なんだろうね?
    バッタモンって言ってたらしいけど……」
    と言いつつ、ライルさんから腕輪を受け取るよ。
GM:では、イルスが腕輪に触ると……何も起きません。
イルス:――はい?
GM:確かに、初音島で、暦に見せて貰ったクワルナフ(模造品)に、
   似ていかもしれませんが、全く違う『何か』のようです。
イルス:「見覚えがあるのとは……違うみたい」
ライル:「王女様? これは、本物の腕輪なんですよね?」
佐祐理:「はい、間違いなく、遺跡で発見した魔術具の一つですよ」
ライル:「ありがとうございます。
    そっか、魔術具だとすれば、オレやイルスには、ちと分かり難い物かもな」
ケイオス:「ふむ、見せて貰っても良いかね?」
     GM、この腕輪を鑑定してみたいのだが、メイガス判定で良いかね?
GM:はい、良いですよ。


 魔術具に関する判定は、
本来は、アルケミスト技能で行います。

 でも、ふぁんぶら〜ズには、アルケミスト技能持ちはいないし……、
 それに、分からなくても、佐祐理に訊けば良いだけのこと……、

 結果的には、腕輪の正体は分かるので、
ここは、PLの意欲を尊重することにしました。

 ファンブルしたら、それはそれで面白いし……、(爆)


ケイオス:(ころころ)11だが、これで分かるかね?
GM:では、腕輪の正体が分かります。


【ガードブレスレット】

 合言葉を唱える(1ターン消費)ことで、魔力の盾を発生させる。
 盾の効果は、B1相当で、回避力に+1される。ただし、盾技能を要する。
 腕に固定される為、両手持ち・両手武器による、盾の効果へのペナルティーが無くなる。
 ただし、二刀流・二丁持ちへのペナルティーは有効。



ケイオス:「ふむ、そこそこ有用なモノみたいだ」
ライル:「う〜ん、これは、オレには不要かもな」
イルス:「かなり価値はありそうだね」
佐祐理:「はい、なんと言っても、あの『妖精の腕輪』の模造品ですからね〜。貴重ですよ〜
ケイオス:「妖精の腕輪……?」
     GM、それに聞き覚えはあるかね?
GM:まあ、リーフ島にいたことがあるなら、割と知ってるかもしれませんね。
   妖精の腕輪とは、妖精に認められた者に与えられる腕輪のことです。
   『学園の図書室』で公開されてるRPG『Leaf Quest』の妖精の塔で、
   誠が鹿島姉妹から貰ったアイテムがあったでしょ? あれが『妖精の腕輪』です。
   で、皆さんの手にある腕輪は、その模造品なわけです。
ケイオス:ちなみに、本物の妖精の腕輪の効果は?
GM:まだ、仮決定ですけど……、
   本物の場合、必要B値が、所持者のM値に依存します。
   つまり、魔術防御に、M値がプラスされるわけですね。
   で、回避力も、通常の盾みたいに、
   B値によって+1〜2と変わるわけですが、これも、M値に依存します。
   それ以外は、本物も模造品も同じです。
ライル:ちょっと待った。その腕輪って、重剣持ちでも、装備できるんだよな?
    ということは、もし、重剣使いが装備したりしたら……、
ケイオス:高攻撃力、高物理防御力、高魔力防御力を持つ戦士の出来上がりだねぇ。
GM:そりゃ〜、宝具を除いた場合……、
   汎用性のある盾の中では、最強の盾ですから。
   当然、そう簡単に出すつもりは無い。
   そもそも、妖精に認められるってのは、かなり難しいのよ?
   誠は、アッサリと認められてたけど……、(笑)
ライル:「なんつ〜か、こりゃ、イルスが持つのが、一番相応しいような気がする」
GM:ライルでも良い筈ですよ。重剣が持てるようになる。
ライル:オレが持ったら、魔力防御が下がる。
ケイオス:「うむ、イルスは防御力に不安があるからな」
ライル:「少なくとも、兄者には『妖精』という単語がリンクせん!」
ケイオス:「そっちかよっ!?」(がび〜ん)
イルス:「あはは……じゃあ、僕が使わせてもらうよ」
GM:とまあ、そんな話をしていると、捕まえた連中が目を覚まします。
偽エル:「チクショウ! あんな奴ら、信用しなきゃ良かった!!」
イルス:「結局、アランとキュリオを名乗ってたのが、キミらの頭なの?」
    目を覚まし、開口一番がそれだから、溜息混じりに訊ねるよ。
偽エル:「元々の、盗掘団の頭は俺だ……、
    だが、数日前に、アランとキュリオが、
    『ガランサス』って名乗る黒い仮面女と一緒に現れて……、
    それで、この計画を提案してきやがったんだよ」
ケイオス:「ふむふむ……ちなみに、君(偽ヴァル)は、
     人形の件は疑問に思わなかったのかね?」
ライル:まず、そこからかいっ!!
偽ヴァル:「変だとは思ったけどよ……本物を見せられたら、信用しちまうだろ?」
ライル:「――本物?」
イルス:「本物は、やっぱり、それでパワーアップしちゃうのか」
ライル:「……で、君は、その『ぱわ〜あっぷ』とやらを見たと?」
ケイオス:「どんなパワーアップで、どうやって見たのかね?」
偽ヴァル:「ガランサスって女……左腕にすげぇ籠手をつけてたんだ。
     でもよ、それを外したら、籠手がガキに変わって……、
     あの人形は、その模造品だ、って言われたんだよ」
ライル:「籠手が、子供に変わったって?!」
ケイオス:「……そのガキというのは、エルフの少女だったかね?」
ライル:「……っ!」(ハッと兄者を見る)
偽ヴァル:「さあな……逃がしてくれるなら、教えてやっても良いぜ?」
ケイオス:「選択肢があると思ってるのか?」(すぅ、と友好的な笑みが消える)
イルス:「……ケイオスさん?」
ライル:「今の兄者に逆らわん方が身の為だと思うがな」
イルス:「ごめん……もし、僕だったら無理
ケイオス:「ああ、そうだな。なんなら、そこに転がっている、
     君の部下の解体ショーでも始めてみようか?
     そうすれば、小鳥のように囀ってくれるだろう?」(口の端を吊り上げて)
ライル:(げっ……こ、これ、本気だ)
偽ヴァル:「ヒィッ……分かった! 話す、話すよ!
     悪い! ホントは、そこまでは知らるぇんだ!
     ガキに変わったのは、一瞬だったし、
     ビビッてたから、よく見てなかった! 覚えてねぇんだよっ!」
ケイオス:「……素直でよろしい」(柔和な笑みに戻る)
ライル:「理性が、まだ残ってて、何よりだ」(溜息)
祐一:「事情は良く分からんが……俺達が追ってた盗掘団……、
   つまり、そいつらと、あのアランって奴は、ある意味、無関係だった、て事なのか?」
ケイオス:「そうだね、蜥蜴の尻尾きりみたいな状態のようだが……如何する?」
ライル:「少なくとも、この連中には、
    ド派手な事をしでかすビジョンもなさそうだし……」
佐祐理:「彼等が盗掘団であったことに変わりはありません。
    しっかりと反省して頂きます。
    あと、アランさんとキュリオさんについてですが……、
    手配書を用意するべきでしょうか?」
ケイオス:「ん〜、下手すると、本物に迷惑かかりかねんからね。
     勘弁してやってもらえるか?」
ライル:「本物とは似ても似つかぬ連中だが、下手に騒ぐとややこしくなりそうだしな」
佐祐理:「わかりました〜、では、この件は内密に処理しておきますね」
ケイオス:「すまない。苦労をかける」
イルス:「はい、よろしくお願いします」
ライル:「しかし、こんな貴重品を『ばったもの』とはねぇ……、
    あいつら、一体、何をお望みなんだか……」
イルス:「……何となく、わかる気はするけどね」
ライル:「できれば、オレ達が、それを知らずに、事が解決してくれれば良いんだが……」
GM:では、話も一区切りしたところで、皆さんに、報酬が渡されます。
ケイオス:「一人取り逃したのだが……良いのかね?」
佐祐理:「ええ、佐祐理たちの依頼の内容は『盗掘団の討伐』ですからね。
    皆さんは、立派に、依頼を果たしてくれましたよ」
ライル:「恐縮です……」
祐一:「あと、そうそう……蛇を倒したら、こんなのが残ってたぞ。
   これも、あんたらに渡しておいた方が良いよな?」
   と言って、祐一が差し出したのは、例の『無限蛇』のプレートです。
ケイオス:「そうだね……預かっておくよ」
ライル:「また、こいつらか……」
祐一:「さて、これで仕事はおしまいっと!
   祭りは、まだ続いてるんだっ! 帰ったら、遊び倒すぞ!」
ライル:「おいおい、こりゃまた、えらいノリが軽いというか……素晴らしい騎士様だな!」
イルス:「了解、あとは、存分に遊ぼう、ナーフ!」
ケイオス:「よしっ、飲んで騒ぐとするか」(うずうず)
ライル:「はいはい、酔い潰れるまで、徹底的にいけや〜!」





舞:「……佐祐理の前では、お酒も煙草もダメ」(ちゃき)

ケイオス:「……ヱ〜」(この世の終わりみたいな顔 パート3)





<おわり>
<戻る>


注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。

注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
    その為、今後、ルールが改訂される場合があります。