GM:――さて、今日は、皆で、楽しく、
『LQTRPG』のセッションをするぞ。
PL3:はいは〜い、質問〜♪
まず、キャラメイクから始めるの?
GM:いや、PL1とPL2は、TRPG自体が初心者だし、
こっちで、予め、4人分のキャラクターを用意したから、
皆で、相談して、RPするキャラを決めてもらうつもりだ。
PL1:んみ? どんなキャラなの?
PL2:見せて、見せて〜♪
GM:はいはい、ちゃんと、後で見せてあげるからね。
PL4は、TRPGの経験はありますか?
PL4:まあ、初心者に助言できる程度には、ね。
GM:2人へのフォロー、よろしくお願いします。
PL3:ねーねー、早く始めようよ。
GM:え〜、それでは……、(コホン)
『ばべる〜ズ冒険譚 第1話』を始めます。
よろしくお願いしま〜す!
一同:よろしくお願いしま〜す♪
『Leaf Quest
TRPG』リプレイ
ばべる〜ズ冒険譚 1
『うたのプリンセスさま』
―― PHASE-01 キャラクターを決めよう ――
GM:まずは、各自のキャラクターを決めていくぞ。
今から、各キャラクターのハンドアウトを見せるから、
誰が、どのキャラを使うか決めてくれ。
PL2:んに? はんどあうと?
PL4:そのキャラクターの、おおまかな設定や目的が記されたモノよ。
いきなり『さあ、RPして』って言われても、どうしたら良いか分からないでしょ?
ハンドアウトがあれば、PLのRPの指針になるから、
シナリオの導入がしやすくなるのよ。
PL3:GMにとっても、シナリオの進行の助けになるしね〜♪
もちろん、ハンドアウトの内容は、GMと相談して、変更する事も出来るよ。
GM:――説明、ありがとう。
それじゃあ、ハンドアウトと一緒に、キャラシートも発表していくぞ。
★PC1 名前:メリル=フルーミー 種族:人間 年齢:17歳
キミは、聖モントルイユ女学院の生徒だ。
先日、キミには『ユーフラジー』という友達ができた。
ある日の昼休み、ユーラと昼食を食べていると、
キミは、校内放送で、生徒会室に来るよう、呼び出される。
一体、何の用なのだろう……?
PL3:あれ? このキャラって……、
GM:そう、このメリルというキャラクターは、
『ふぁんぶら〜ズ冒険譚12』に登場したNPCだ。
今回のシナリオは、この子が主役になる。
PL4:確か、割りと大人しい感じの子だったわよね?
しかも、眼鏡っ子だったから……、
PL3:――PL1が適任ね♪
やっぱり、初心者には主役をやってもらわないと♪
PL1:んみ? わたしが主役なの?
PL2:いいな〜、主役〜。
GM:今すぐ決める必要はないよ。
取り敢えず、全部のキャラを見てからでも良いからね。
★PC2 名前:ユーフラジー=ロンデム 種族:ホムンクルス 年齢:不明
とある冒険者達のおかげで、キミは、聖モントルイユ女学院の生徒になる事が出来た。
学院での生活は、毎日が、とても楽しい。友達も、たくさん出来た。
特に、一番の友達であるメリルの事は大好きだ。
あの日、その大好きなメリルが、生徒会に呼び出された。
キミにとって、メリルと一緒に行くのは、当然の事であった。
PL4:このキャラも、元々はNPCだった子ね。
確か、本来の姿はスライムなんだけど、
PCイルス=クークルーの姿に擬態してるんだっけ?
PL2:ええ〜、スライム〜?
GM:ああ、スライムって言っても、グチャグチャの気持ち悪い方じゃなくて、
『ぷよ○よ』みたいな可愛いタイプのスライムだからね。
PL2:可愛いスライムなの?
じゃあ、ボクがやるーっ!
PL3:PL1がメリルをやるなら、ちょうど良いかもね〜。
★PC3 名前:アシリレラ=ロプロス 種族:ウタワレ人 年齢:18歳
キミは、聖モントルイユ女学院の生徒会長だ。
今、キミの胸には、抑えきれない衝動に満ちている。
――軽音部を設立しようっ!
そう思い至ったのは、臨時講師として『あの人』が来たからだ。
授業で拝聴した、彼の歌声は、色んな意味で衝撃的であった。
――もっと自由に、多くの音楽に触れてみたい!
しかし、新たな部を立ち上げるには、問題は山積みだ。
取り敢えず、まずは、部員を確保しよう。
GM:生徒会長という設定からも分かる通り、
このキャラは、パーティーのまとめ役になる。
だから、出来れば、PL3かPL4に担当して貰いたんだけど……、
PL3:おっけ〜♪ 立候補するよ〜♪
GM:……そんなに簡単に決めて、大丈夫か?
PL3:大丈夫だ、問題無い♪
GM:頼むから、年長者らしい行動をしてくれよ?
RPでも、リアルでも……、
PL3:ふっふっふ〜ん♪
安心して任せなさ〜い♪
GM:……すげー不安だ。
★PC4 名前:クリュサオル=ネプトゥヌス 種族:マーメイド 年齢:16歳
キミは、聖モントルイユ女学院の生徒だ。
同時に、ミナモト新聞社のカメラマン(アルバイト)でもある。
そんなキミに、牛若社長が言った。
――学院にいるユーフラジーちゃんの写真を撮ってきて欲しいモ〜ン♪
元々、あの被写体は、自分も狙っていた。是非も無い。
キミは、社長の依頼を、二つ返事で請け、カメラを持って、学院へと走った。
PL4:これは、まさに、私の為にあるようなキャラね!
GM:まあ、多分、PL4は、
コレを選ぶだろうな、とは思ってましたよ。
PL4:明らかに、狙ってるようにしか見えないわよ。
GM:はっはっはっはっ……、
PL4:とにかく、私は、可愛いユーラちゃんを撮影しまくれば良いわけね。
普段、やってる事と、特に変わらないから、楽にRPできそうだわ。
GM:その分、PL1とPL2をフォローしてあげてくださいね。
PL4:おっけ〜、おっけ〜♪
PL3:それにしても……、
フルーミー(古見)、ロンデム(ロデム)、会長(怪鳥)ロプロス……、
ネプトゥヌスって、ポセイドンのことだよね?
GM:あ〜、やっぱり、バレたか?
PL3:そりゃ、ま〜ね〜……、
でも、ちょっとネタが古すぎない?
今時の若い子には、サッパリだと思うよ?
GM:――ほっとけ!
PL1・2:……?
というわけで――
ハンドアウトとキャラシートを見比べ、
全員で話し合った結果、キャラクターの担当は、以下の通りとなった。
メリル=フルーミー …… PL1
ユーフラジー=ロンデム …… PL2
アシリレラ=ロプロス …… PL3
クリュサオル=ネプトゥヌス …… PL4
GM:じゃあ、ここからは、
キャラになりきって、RPしてくれ。
手始めに、簡単な自己紹介と、スキル構成を発表していこうか?
アシリレラ(以下アシリ):では、生徒会長である、
わたくしが、お手本を見せて差し上げますわ。
GM:……そーゆー方向性でいくんだ?
★アシリレラ=ロプロス★
アシリ:わたくしの名前は、アシリレラ=ロプロス。
ちょっと変わった名前でしょう?
まあ、無理もありませんわね……、
わたくしは、あの極東の島国『ウタワレ』の出身なのですから……、
その証拠に……ほら、わたくしの背には、オンカミヤリュー族の証である翼があるでしょう?
聖モントルイユ女学院の三年生で、生徒会長を務めています。
クラスは、メイガスLv1、アルケミストLv1で、
風の攻撃魔術『ザン』と、物理攻撃支援魔術『タルカジャ』が使えます。
あと、補助スキルとして『魔力拡大』と『弱点看破』もありますわ。
GM:まずは、セットアップで仲間を強化して、
あとは、単体または範囲で、ガンガン攻撃するタイプか。
パーソナルに『指導者(生徒会長)』ってあるけど?
アシリ:学院内限定ですが、生徒会長という立場を利用して、情報収集しますの。
必殺技『生徒会長の演説』の効果にも関わってきますのよ。
GM:PT内の軍師って感じだな。
PL4:ねえ、ウタワレって、大陸との交流は、殆ど無いのよね?
なんで、ウタワレ人が、学院にいるわけ?
アシリ:恥ずかしながら、わたくし、極度の方向音痴でして……、
数年前のある日、空を飛んでいたら、そのまま迷ってしまって……、
GM:迷った挙句、海を越えて、大陸まで来てしまったと?
そりゃまた、豪快な方向音痴だな……、
アシリ:で、御爺様……副院長のジャンに保護され、学院に入学したのです。
ご恩に報いる為にも、立派に会長業を務めさせて頂きますわ。
ちなみに、また迷子になるといけないので、飛行は禁止されています。
まあ、浮遊するくらいは良いのですが……、
PL4→クリュサオル:その時は、凧みたいに、紐で結んでおくからね。
アシリ:クリュちゃんは、心配性ですわね〜。
クリュサオル(以下クリュ):あったりまえだろ?!
風に流されて、飛んでいったアンタを探すのに、
アタイが、どんだけ苦労したことかっ!!
GM:あれ? アシリとクリュは知り合いなのか?
クリュ:ああ、メリルとユーラには繋がりがあるわけだし、
こっちの2人でも、元々、知り合いってことにしとけば、話が早くて良いだろ?
GM:早速、協力に感謝します。
じゃあ、折角なので、次は、クリュが自己紹介して下さい。
★クリュサオル=ネプトゥヌス★
クリュ:アタイの名は、クリュサオル=ネプトゥヌス。
聖モントルイユ女学院の一年生で、見ての通りのマーメイドだ。
ミナモト新聞社でバイトをして、学費を稼いでる。
まあ、所詮はバイトだから、記事は書いた事無いし、
せいぜい、撮った写真を、買い取って貰ってる程度だけどな。
さっきも言った通り、生徒会長のアシリとは知り合い……と言うか、腐れ縁か?
GM:アシリと知り合った経緯は?
クリュ:大陸に迷い込んで、海岸で途方に暮れてるアシリを、
アタイが見つけた……見つけちまったんだよ。
アシリ:(突然、倒れて)み、水……、(笑)
GM:それは、生き倒れだっ!!
アシリ:いえ、海岸と言われたら、これをやっておなかければ、と……、
クリュ:そんな奴にはミミズを差し出してやる。
アシリ:わたくし、食べれますわよ?
なにせ、オンカミヤリュー族ですし?
GM:オンカミヤリュー族は、鳥じゃねぇっ!! 翼あるけどっ!
ええいっ、話を進めるぞ! クリュのスキル構成は!?
クリュ:ファイターLv1、エクソシストLv1だ。
武器はトライデント(片手槍)で、『槍マスタリー』で命中力を上げてる。
『強撃』で攻撃しつつ、『カバーリング』で、仲間を守るぞ。
GM:なるほど、純粋な壁キャラですね。
『身体強化』もあるから、物理と魔術、両方の攻撃にも耐性があるし……、
うわっ、必殺技で回復もできるんですか?
クリュ:マーメイドらしく、それなりに、歌には自信あるんだ。
普段の言動が男勝りだから、凄く意外に思われるけど……、
GM:攻撃、防御、回復……、
成長したら、厄介なキャラにそうですね〜。
クリュ:ところで、ミナモト新聞社の社員って、ペンネームがあるんだろ?
アタイのペンネームは『遮那』って事にして良いか?
GM:OK、それで、外見イメージは、完全に固まりました。(笑)
なんか、メロンパンを、はむはむしてそうですね。
クリュ:じゃあ、いつもフランスパンを、はむはむしていよう。
GM:フランスパンって……、
はむはむってイメージじゃないような……、
まあ、いいや……じゃあ、次は、誰にする?
PL2→ユーフラジー:はいは〜い!
ボク……じゃなくて、あたちがやる〜!
GM:じゃあ、ユーラの自己紹介だ。
変に構えなくて良いから、気楽にね。
ユーフラジー(以下ユーラ):はい、なの〜♪
★ユーフラジー=ロンデム★
ユーラ:あたちは、ユーフラジー=ロンデムなの。
聖モントルイユ女学院の二年生なの。メリルとはクラスメイトで、席は隣なの。
GM:補足するけど、ユーラの学年は、便宜的なモノでしかないよ。
何せ、出自が特殊だし(詳しくは『ふぁんぶら〜ズ冒険譚12』参照)、
実際の学力や知識は、幼児と大差ないからね。
学院の生徒として扱いつつも、実質は、学院が管理するペットに近い。
で、ユーラが一番懐いているメリルの傍に置いてるわけだ。
ユーラ:あたち、ペットなの?
GM:悪い言い方をすると、そうなるね。
本来の姿が、スライムって事も、周知の事実だ。
でも、安心して良いよ。ユーラは、ちゃんと一個人として認識されてるし、
立場や権限も、他の生徒達と、一切違いは無い。
ユーラ:ふ〜ん……?
アシリ:つまり、基本的に、スライムだとか、ホムンクルスだとか、
そういう事は気にせず、普通の生徒と同じ、と考えれば良いのですわ。
無論、わたしく達も、そうします。
どんな意味であれ、特別扱いはしませんわ。
GM:そーゆー事♪ 話の腰を折ってゴメン……続けて。
ユーラ:えっと、GMが言った通り、あたち、実はスライムなの。
見た事があるモノなら、何にでも変身できるなの。
普段は、イルス=クークルーの姿をしてるけど、
火が苦手で、触れると、元に戻っちゃうなの。
クラスは、エージェントLv1、ビーストテイマーLv1なの。
『トラップサーチ』と『サバイバル』があるから、
屋内、屋外でのトラップ探知と解除はお任せなの♪
ただ、その分、闘うのは苦手なの。『クイックステップ』で逃げ続けるなの。
GM:いわゆる、回避盾ってやつだな。
火力は無いけど、『エクスプロード』で殲滅力をカバー。
『インタラプト』で、敵の邪魔も出来る。
クリュ:特殊能力『粘体の利点』って何?
GM:スライムだから、体の形は自由自在なんです。
だから、指先を鍵穴に当てて、にゅるっと入り込んで、鍵型に固定し、解錠するんですよ。
アシリ:エージェントとしての素養は、充分ですわね。
普通に考えると、危険極まりない能力ですけど……、
GM:魔術的な鍵には意味は無いし、罠解除が出来るかどうかは、話が別ですけどね。
ユーラには、悪用なんて出来ないでしょうし……、
それでも、メリルの許可無しでは使えない、という制約は付いてます。
クリュ:んじゃ、最後は、そのメリルだ。
主役なんだし、頑張ってな。
PL1→メリル:んみ〜……緊張するよ〜。
ユーラ:リラックス、リラックスなの♪
★メリル=フルーミー★
メリル:メリル=フルーミーです。
聖モントルイユ女学院の二年生です。
えっと……実は、スライムとか、トカゲとか、昆虫が好きです。
GM:ゲテモノ趣味ってやつか……、
気弱で、友達もいないって設定だから……原因は、それか。
メリル:でもでも、最近、ユーラちゃんっていう素敵なお友達が出来ました♪
アシリ:相手がスライムでも、抵抗は、全く無かったんでしょうね。
クリュ:むしろ、バッチ来い?
メリル:クラスは、メイガスLv1、エクソシストLv1です。
回復魔術『ディア』を取得していて、『魔力拡大』で全体回復も可能です。
『聖障壁』でダメージ軽減も出来ますし、『聖歌』でオールマイティーな支援も出来ます。
GM:完全な支援特化だな。
成長すると、ドンドン厄介になりそうだ。
クリュ:歌の才能があるのか? しかも、Sランク級?!
GM:あ、これは、GM側から指定したんです。
実は、メリルは、努力型ではありますが、歌の才能があります。
例えるなら、アイ○ルマスターの『日高
愛』?
アシリ:――是非、軽音部に欲しいですわね!
というか、わたくしのハンドアウトの意味が、だいたい分かりましたわ。
多分、部の新設に必要な人数が4人なのでは?
GM:うん、考えてる通りだ。
それじゃあ、全員の自己紹介も終わったことだし、シナリオに入るぞ。
―― PHASE-02 ほうそう! ――
GM:舞台は、知識都市コミパにある『聖モントルイユ女学院』――
基本教養は勿論、魔術と音楽の教育に主とする、所謂、お嬢様学校だ。
キミ達は、この学院の生徒として、充実しつつも、
ちょっと退屈な毎日を過ごしている。
メリル:充実してるのに、退屈なんですか?
アシリ:分かりますわ……、
変わり映えしない毎日に飽きて、
刺激が欲しくなる、思春期特有の感情ですわね。
クリュ:あ〜、分かる……分かっちまう。
メリル・ユーラ:――?
GM:はいはい、年配組の複雑な葛藤はさておき……、
現在、時刻は昼休みだ。
メリルとユーラは、学食で昼食を食べてるぞ。
アシリ:シーンを始める前に、質問ですわ。
シナリオの時期は、いつくらいてすの?
クリュ:まー、ユーラがいる時点で、だいたいの予想は付くけど……、
GM:あ〜、説明するの忘れてた。
シナリオの時期は、『ふぁんぶら〜ズ』が、
学院を去ってから、数日後ってことで……、
この数日間で、ユーラの事は、学院全体に認知されてるぞ。
アシリ:――承知しました。
改めて、シーンを始めて下さいまし。
GM:じゃあ、学食での昼食シーンだけど……、
メリルとユーラは、同じテーブルで食べてるよ。
え〜っと……2人とも、何が食べたい?
メリル・ユーラ:――カレーライス!!
GM:OK、じゃあ、2人は、仲良くカレーライスを食べてるよ。
ユーラ:「メリル〜……ニンジン食べてなの〜」
メリル:「好き嫌いはダメだよ、ユーラちゃん」
GM:スライムなのに、好き嫌いがあるとは……、
クリュ:……夕飯はカレーにすっかな?
アシリ:ウチも、そうしましょう。
GM:ご飯山盛り太郎でヨロシク♪
っと、それはともかく、そんな感じで、ご飯を食べてると、
唐突に、校内放送が掛かるぞ。
アシリ:『ぴんぽんぱんぽ〜ん♪
2年A組のメリル=フルーミーさん。
2年A組のメリル=フルーミーさん。
生徒会長がお呼びです。至急、生徒会室までお越しください。
繰り返します、これは訓練ではありません』(爆)
GM:――なんで、いきなり、スクランブルなんだよ!?
優美な女学院を、軍隊チックにするなっ!!
アシリ:申し訳ありません、ついつい……、(てへぺろ)
ユーラ:「メリル……何した、なの?」
メリル:「な、何もしてないよ〜!?
どうして、生徒会に呼び出されるの?!」
ユーラ:「でも、呼ばれてるなら、行かなきゃなの」
メリル:「うう〜、何なんだろう〜……、
不安だな〜……訓練じゃない、って言ってたし……」
GM:そこは拾わなくて良いから……、
ユーラ:「あたちも一緒に行ってあげるなの。
2人一緒なら、メリルも怖くない、なの」
メリル:「ホント?! ありがとう、ユーラちゃん!
あっ、でも、ご飯はどうしよう? 残すのは良くないし……」
アシリ:『ぴんぽんぱんぽ〜ん♪(↑)
昼食が終わってからで構いません。
慌てず、残さず、良く噛んで食べてから、お越しください。
ぴんぽんぱんぽ〜ん♪(↓)』
GM:――訂正が入った?!
クリュ:おいっ、何処で見てるのかよ?!
メリル・ユーラ:――怖っ!?
GM:あ〜、とにかく、昼食が終わってから、
メリルとユーラは、生徒会室に向かった、という事で!
―― PHASE-03 しゅざい! ――
GM:さて、舞台は変わって、ミナモト新聞社だ。
昼休み中にも関わらず、社長に呼び出されたクリュは、
バイト先である新聞社に来ているぞ。
クリュ:「まったく、ノンビリと昼メシも食えねーのかよ」
フランスパンを食べながら、社長室に入る。
GM:クリュが社長室に入ると、椅子に座った小柄な男……、
ミナモト新聞社の社長『牛若 丸之進』が迎えてくれる。
牛若:「クリュちゃん、待ってたモ〜ン」
クリュ:「……メシくらい、ゆっくり食わせてくれよ」
牛若:「申し訳ないモン……、
せめて、飲み物くらいは用意するモン」
と、牛若は、自らコーヒーを入れつつ、クリュに椅子を勧める。
クリュ:「まあ、別に良いんだが……、
急に呼び出す、って事は、何か大事な用件か?」(座る)
牛若:「――仕事の依頼だモン。
これは、クリュちゃんにしか頼めない事だモン」
クリュ:「ほう……?」
牛若:「クリュちゃんが通う学院の、
ユーフラジー=ロンデム、という生徒は知っているモン?」
クリュ:「そりゃ、まあ、有名人だしな」
牛若:「彼女をリサーチして欲しいモン。
可能な限り詳しく、写真があれば、尚良いモン」
クリュ:「――断る」(きっぱり)
牛若:「ど、どうしてだモン?」
クリュ:「確かに、あの子の出自は特殊だ。
記事のネタとしては、充分だと思う。
被写体としては、凄く興味はあるけど……、
アタイは、身内を売る様な真似はしたくねぇよ」
牛若:「そういう事なら、心配無用だモン。
他の出版社はともかく、ウチは、彼女をゴシップとして扱う気は無いモン」
クリュ:「じゃあ、どういうつもりなんだよ?」
牛若:「クリュちゃんは、鞍馬 綾ちゃんの事は知ってるモン?」
クリュ:「そりゃ、まあ、一応、職場仲間で先輩だし?
そいうや、つい最近、ウチの学院にも来てたな?」
牛若:「綾ちゃんには、今、『ライル=フィッシャー』の取材をして貰っているモン。
彼女のおかげで、ウチの新聞の売り上げは伸びているモン。
そこで、この波に乗って、次の企画を立ち上げる事にしたモ〜ン」
クリュ:「その新しい企画の目玉が、ユーフラジーなのか?」
牛若:「そうだモ〜ン! 具体的な方向性は、まだ決まってないモン。
でも、僕の記者としての直感が告げているモン!
“――彼女の近くで、何かが起こる”とっ!
これは、言うなれば、歴史的使命感!
分かり易く言うと『ティンと来たっ!』ってやつだモン!」
クリュ:「なるほどっ! 『ティンと来た』なら仕方ない!
その依頼、アタシが引き受けたっ!」
社長の迫力に押されるように、その依頼を承諾し、
出されたコーヒーを、一気飲みして、勢い良く立ち上がる。
……ところで、その企画云々って、半分くらいは建前だよな?
GM:ふむ……続けてください。
クリュ:ここから先は、PL発言になるけど……、
確か、ミナモト新聞社って、盗賊ギルドのコミパ支部でもあったよな?
そして、ユーラは、エージェントとして、規格外の資質を持ってる。
鍵開け能力だけじゃなく、ほぼノーペナルティで、
あらゆるモノに変身できるってのは、潜入捜査の際のアドバンテージになる。
情報を扱う盗賊ギルドにとっては、喉から手が出る程の人材だ。
つまり、この依頼の本来の目的は、ユーラを盗賊ギルドにスカウトする為の情報収集……、
もしくは、ユーラの資質の品定めってところか?
GM:…………。
クリュ:どうだ、GM?
GM:あ〜、はい……その通りっ!
流石は、クリュ! 素晴らしい英知です!
アシリ:……そこまで考えていなかったようですわね。
GM:ええいっ、外野、うるさい!
というわけで、牛若社長から取材の仕事を請けたクリュは、
カメラ片手に、学院へと戻るのであった。
―― PHASE-04 せつりつ! ――
GM:オープニングの最後は、アシリのシーンだ。
場所は、生徒会室……、
ちょうど、さっきの校内放送を終えて、放送室から戻って来てるぞ。
アシリ:では、新たに設立する部活の顧問を、
誰にお願いしようか考えつつ、メリルさんが来るのを待っていますわ。
……ちなみに、顧問は誰にする予定なのです?
GM:副院長であり、アシリの保護者でもある『ジャン=バルジャン』にするつもり――
アシリ:――却下ですわ。
GM:……はっ? 身内の方が、何かと都合が良いだろ?
アシリ:身内だからこそ、ですわ。
そもそも、わたくしは、保護された身……、
こうして、学院に在籍させて頂き、
あまつさえ、生徒会長という重責を務めさせて頂けているのです。
これ異常、御爺様の手を煩わせるわけにはいきませんわ。
GM:アシリが生徒会長になれたのは、公平な選挙の結果だぞ?
まあ、そう思わない生徒もいるかもしれないけど……、
クリュ:副院長の関係者って事実は消えないからな〜。
やっかむヤツはいるだろうな。
女子校だと、特に……、
GM:……そーゆーモンですか?
アシリ:そーゆーモノですわ。
というわけで、顧問は、御爺様以外でお願いします。
GM:ンなこと、急に言われても……、
現状、決まってるNPCっていうと……、
アシリ:学院長の『ミリエル=デーニュ』と……、
クリュ:理事長の『トロミエス=マドレーヌ』だな。
ランティスは、先日、人形に戻っちまったし……?
GM:新たにNPCを設定するのも、ちょっと面倒クサいし……、
あ、そういえば『コゼート=ファンティーヌ』がいたっ!
魔術科の教師だけど……まー、良いか。
アシリ:では、コゼート先生に、お願いしてみようかしら?
と、わたくしが考えたところで……、
メリルさん、ユーラさん、よろしいですか?
メリル:え、えとえと……、
昼食を終えて、生徒会室の前まで来たけど、まだ、躊躇してる。
ユーラ:「メリル? 入らない、なの?」
メリル:「う、うん……その、心の準備が……」
ユーラ:「……?」
もう、あたちが、先に入っちゃうなの。
生徒会室のドアをノックして、ガラッと開けるなの。
メリル:「あ、待って、ユーラちゃ――」
ユーラ:「ユーフラジー=ロンデム三等兵!
只今、参りました!」(敬礼)
GM:だから、軍隊じゃねぇっ!!
メリル:「ま、参りました〜」(敬礼)
ユーラちゃんの真似をして、おずおずと、後に続きます。
アシリ:「……はい、わざわざお呼び立てして、申し訳ありませんわ」(敬礼)
2人の珍妙な登場の仕方に、
一瞬、戸惑いつつも、やんわりと敬礼を返しますわ。
クリュ:大人の対応だな。
アシリ:上級生として、当然ですわ。
GM:そもそもの原因は、アンタだろうが……、(笑)
メリル:「あ、あの……会長……ご用件は?」
アシリ:「そうですわね……、
取り敢えず、お茶でも飲みながら、お話しましょうか。
レモンティーでよろしいかしら?」
と、2人に椅子を勧めつつ、紅茶の準備をしますわ。
メリル:「あ、はい……ご馳走になります」
恐縮しながら、椅子に座ります。
ユーラ:「お菓子は? お菓子は、なの?」
メリル:「ユ、ユーラちゃん!?」(焦)
アシリ:「ふふっ、もちろん、用意してありますわ」
ユーラさんの前に、クッキーを差し出しましょう。
ユーラ:「わ〜い♪ 頂きますなの〜♪」(ぱくぱく)
メリル:「は、はう〜……」(真っ赤)
クリュ:GM、ここいらで、アタイも登場して良いかな?
GM:はい、良いですよ。
クリュ:「――お茶と菓子、アタイの分もよろしくな」
唐突に、ガラッと窓を開けて、そこから入るぞ。
アシリ:「クリュちゃんったら……、
窓から入るのは止めてくださいまし。
もう、何度も言っているではありませんか……」(溜息)
クリュ:「まあまあ、固いこと言うなって♪」
慣れた様子で、椅子に座るぞ。
アシリ:「まったく、もう……」
親友の態度に苦笑しつつ、クリュの分も用意しますわ。
ユーラ:「仲良しさん、なの!」
クリュ:「……ただの腐れ縁だよ」(プイッ)
アシリ:「クリュちゃんたら、照れ屋さんなんだから……、
ところで、何かご用ですか?
まさか、お茶を飲みに来ただけでは無いのでしょう?」
クリュ:「普段から、茶を飲むだけでも来てるが……、
まあ、確かに、今日は、ちょいと用があって来た。
……そっちにいる、ユーフラジーにな」
ユーラ:「あたち……なの?」
突然、話を振られて、クッキーを食べる手を止めるなの。
クリュ:「まあ、アタシの話は、アシリの用件が終わってからで良いぞ。
――例の件、なんだろ?」
アタイは、アシリがやろうとしている事は知ってて良いんだろ?
GM:ってゆ〜か、一枚噛んでます。
つまり、クリュは、例の件の、頭数に入っています。
アシリ:それなら、話は早いですわね。
GM:一体、何事か、と、メリルとユーラは首を傾げる。
そんな2人に、アシリは、紅茶を一口啜ってから、徐に話し始める。
アシリ:「――実は、軽音部を設立したいと考えているのです。
そこで、メリルさんには……、
もちろん、ユーラさんにも、是非、入部して頂きたいのです」
メリル:「軽音部……?」
ユーラ:「……なの?」
アシリ:「ええ、そうですわ。
一緒に、新たな音楽への道を進んでみませんか?」
クリュ:「それだけ言うと、怪しい勧誘みたいだぞ?」
メリル:「――そ、そうですよ!
いきなり、部員になれ、だなんて……、
何故、突然、軽音部を始めようと考えたんですか?」
アシリ:「そうですね……、
まず、そこから、説明致しましょう。
お2人は『伝説の再現者』『奇跡の唄い手』と呼ばれる楽師をご存知ですか?」
メリル:「ライル=フィッシャーさんの事ですよね?」
ユーラ:「もちろん、知ってるなの」
クリュ:まあ、2人とも、設定上では、
この学院で、一番、ふぁんぶら〜ズに関わった生徒だからな。
メリル:PLとしては、充分に知ってますけど、
私とユーラちゃんは、どのくらい知ってて良いんです?
GM:んじゃ、折角だから、ここで判定してみようか。
全員、エクソシストLv+M値ボーナスで判定してくれ。
エクソシストを持って無くても、平目(2d6+M値ボーナス)でも良いぞ。
ああ、音楽関係のパーソナルスキルがあるなら、そのLvも追加して良い。
つい先日まで、学院にいたわけだし、目標値は、思い切り低くして6だ。
ほとんど、ファンブルしなゃ問題無い難易度だな。
クリュ:音楽関係の知識判定だと、エクソシストLvを使うんだな?
GM:エクソシストのスキルに『聖歌』がありますよね?
だから、このクラスは、歌や音楽と、密接な関係があるんです。
この世界の信仰の頂点には、二柱の女神と、それに仕える天使達がいます。
で、特に天使は、歌を媒介として、自身の力を行使するんですよ。
『サフィ=スィーニー』や『ラスティ=ファースン』が、良い例ですね。
クリュ:なるほど……、
じゃあ、アタイは、エクソシストLv1と、
パーソナルで楽器Lv1と歌Lv2があるから……、
GM:あっ、同時に複数のパーソナルスキルを適用するのは無しでお願いします。
だから、クリュの場合は、Lvの高い、歌のLvを加算して下さい。
アシリ:ここは学院内なので、わたくしは、
指導者(生徒会長)Lvを加算してもよろしいですわね?
GM:それは有効だな……、
しかし、言い出しっぺが知らなかったら大笑いだ。
頼むから、ファンブルなんてするなよ?
クリュ:フラグ立てんなよ。(汗)
GM:それでは、ダイスロール!!
判定 | ボーナス | クラス | その他 | 出目 | 修正 | 達成値 | 結果 | |||||||||
メリル | : | 2d6 | + | 3 | + | 1 | + | 2 | = | 1・4 | + | 6 | = | 11 | − | 成功 |
ユーラ | : | 2d6 | + | 1 | + | 0 | + | 1 | = | 4・3 | + | 2 | = | 9 | − | 成功 |
アシリ | : | 2d6 | + | 2 | + | 0 | + | 4 | = | 6・3 | + | 6 | = | 15 | − | 成功 |
クリュ | : | 2d6 | + | 1 | + | 1 | + | 2 | = | 6・4 | + | 4 | = | 14 | − | 成功 |
GM:フラグを回収する事も無く、成功したか。
全員、ライル=フィッシャーの事は知っていて良い。
芸術都市フォルラータで行われたコンサートで、
悪霊を歌で祓った楽師であり、冒険者でもある事で有名だ。
先日は、学院の臨時講師として、授業で、その歌を披露した事もある。
まあ、その時の演奏は、ファンブル寸前という酷いモノで、
その授業に出席した生徒は、全員、気絶してしまったのだが……、(笑)
アシリ:「――などという噂もありますが、
『奇跡の唄い手』と呼ばれる程の楽師の歌が、そんな酷いモノである筈がありませんわ。
おそらく、その歌の、あまりの素晴らしさに気を失ったか……、
あるいは、常任では理解できない程のモノだったに違いありません!」
と、メリルさんに達に、熱く語りますわ。
メリル:「……そ、そうでしたっけ?」
わたしは、あの授業に出席してたけど、あの時の記憶が無いんですよね。
クリュ:「まあ、『伝説の再現者』ってのは、
その頭に『ある意味』って付け加える必要はあるだろうがな……」
アタイは、一応、記者だから、例のコンサートでの一件は、正確に知ってる。
でも、アシリの誤解を訂正するつもりは無い。
その方が、絶対、面白いから。(笑)
GM:シナリオ展開への協力、感謝です。
アシリ:「というわけで、わたくしは、音楽の可能性を追及してみたいのです!
しかし、今、学院には、合唱、吹奏楽、管弦楽などの部しかありません!
そこで、新たに軽音部を設立する事で、この学院に、新たな音楽への道を拓きたいのです!」
メリル:「会長の志の高さと、熱意は伝わりました。
でも、どうして、私なんです?
音楽の成績が良い子は、他にもいますし……、
私、どちらかと言うと、絵を描く方が好きなんですが……」
クリュ:「――アタイが推薦したんだよ」
メリル:「クリュ……ちゃんが……?」
クリュ:「呼び捨てで良いよ、メリル先輩……、
軽音部設立の話を聞いて、アシリに、先輩を勧めたのはアタイだ。
――先輩には、歌の才能がある、ってな」
アシリ:「クリュちゃんは、マーメイドですからね。
歌と泳ぎに関しては、彼女の言葉は、信用できます」
と言って、わたくしは、メリルさんに頭を下げますわ。
メリル:「か、会長……っ!?」
アシリ:「身勝手なお願いですが……、
どうか、軽音部設立の為、貴女の力を貸して頂けないでしょうか?」
クリュ:「アタイからも頼むよ。
短い学院生活だ……どうせなら、ひと暴れしたいしな」
メリル:「…………」
どうしよう、って顔で、ユーラちゃんを見ます。
ユーラ:「これは、メリルが決めることなの。
でも、メリルがやるなら、あたちも、一緒にやる、なの」
メリル:「ユーラちゃん……」
一番の親友の言葉に、私は、胸に手を当てて考える。
私は、気弱で、引っ込み思案で、ほとんど友達もいなかった。
でも、あの時、勇気を出して、一歩を踏み出したから、今、私の隣にはユーラちゃんがいる。
今だって、そう……理由は何であれ、会長とクリュちゃんが、手を差し伸べてくれている。
その手を掴むかどうかは、私次第……、
だから、あの時みたいに、もう一度、勇気を出して……、
ユーラ:「メリル……どうする、なの?」
メリル:「会長、クリュちゃん……顔を上げてください」
アシリ:「メリルさん……」
メリル:「私なんかで良ければ……、
微力ながら、私にも、会長のお手伝いをさせてください」
ユーラ:「メリルがやるなら、あたちもやる、なの」
クリュ:「……よかったな、アシリ」
アシリ:「メリルさん、ユーラさん……ありがとうございます」
クリュ:「よしっ、これで、部員も4人になった!
あとは、顧問さえ決まれば、正式に軽音部が部活動として認められるな!」
アシリ:「顧問は、コゼート先生にお願いしようかと……」
クリュ:「コゼート先生なら、確か、どの部の顧問にもなってないから、フリーだな。
きっと引き受けてくれると思うぞ」
アシリ:「では、早速、職員室に――」
GM:あ〜、盛り上がってるトコ悪いが……、
部活を始めるにあたり、実は、重大かつ、致命的な問題がある。
アリシ:……問題、と言いますと?
GM:――楽器が無いっ!!
一同:何ですとっ!?
アシリ:1つもありませんの?!
クリュ:ギターも、ベースも、ドラムも……、
キーボードってか、フォルテールも無いのかよ?!
GM:フォルテールくらいなら、学院の備品としてありますが、
出来れば、専用のが欲しいですよね?
クリュ:――ぶざけんなっ!!
楽器も無くて、バンドが出来るかっ!!
ユーラ:ここで、逆転ホームランなの!!
エアーバンドって、聞いたことあるなの!
クリュ:せつねぇな、おいっ!!
アシリ:まさに、せつなさみだれぎり、ですわね。
メリル:……切なさ乱れ斬り?
ユーラ:刹那五月雨斬り、なの。
アシリ:しかし、エアーバンドとは……、
ある意味、新しい音楽への道ですわね。
GM:本気で検討するなよ……、
とにかく、そーゆー事でRPをしてくれ。
アシリ:「一番、大事なことを失念していましたっ!
楽器が1つもありませんっ!」
クリュ:「はあっ? 楽器が無いっ!?
それで、どうやって、部活するんだよ?!」
メリル:「自分達で、買い揃えるしかありませんね」
クリュ:「だな……中古なら、安く手に入るだろうし……」
ユーラ:「でも、あたち、お金持ってないなの」
アシリ:「メリルさん、アルバイトの経験は?」
メリル:「……ありません」
アシリ:「わたくしも、ですわ」
クリュ:「言っとくが、アタイに期待するなよ?
アタイのバイト料は、殆ど、学費に消えてるからな。
いっそ、副院長に相談して――」
アシリ:「――それは却下ですわ。
御爺様に頼るわけにはいきません」(キッパリ)
クリュ:「……だよなぁ?
それじゃあ、どうすんだよ?
いくらなんでも、部費だけじゃ無理だぞ」
アシリ:「う〜ん、お金……お金……」(GMをチラッ)
GM:はいはい、ちゃんと方法はあるよ。
聖モントルイユ女学院は、知識都市コミパにある。
で、この街には、他の街には無い、ちょっと特殊な職業の人がいるんだ。
メリル:特殊な……?
ユーラ:……職業、なの?
アシリ:ああっ、そういう事ですのね!(ぽんっ)
GM:うんうん、分かってくれたみたい――
アシリ:「こうなったら、体で稼ぎましょう!!」
GM:――そぉいっ!!(ぱかんっ)
アシリ:GM……リアルに殴ったら痛いですわ。
GM:発言に気をつけろ、この馬鹿PL!
アシリ:何を想像したのか知りませんが……、
わたくしは、休日冒険者をして、
お金を稼ごう、と言いたかったのですわ。
GM:誤解を招くような言い方をするなよっ!
アシリ:そーゆー誤解をするのは、GMが、えっちだからですわ。
クリュ:はっはっはっ、GMは、えっちだな〜。
GM:ええい、確信犯め……、
メリル:え〜っと、質問です。
ユーラ:休日冒険者、って何なの?
GM:アシリ……説明よろしく。
アシリ:仕方ありませんわねぇ……、
休日冒険者の説明をする前に、まずは、
コミパの地下迷宮についてお話しなければいません。
ユーラ:……地下迷宮、なの?
クリュ:ああ、この街の地下には、広大な迷宮が広がっている。
しかも、その構造は定期的に組み替えられてるんだ。
例えるなら、ルービックキューブみたいにな。
だから『ランダムダンジョン』って呼ばれてる。
アシリ:地下迷宮への入り口は、街の中に、幾つも点在していまして、
それらの所有権は、街の権力者、好事家、富豪が所持しています。
無論、ダンジョン内で発見された物も、基本的には権利者の物です。
クリュ:ダンジョンで発見されるモノは、価値のある物が多い。
それを目当てに、権利者は、冒険者を雇って、迷宮を探索させるのさ。
で、ここで出てくるのが休日冒険者だ。兼業冒険者と言っても良いな。
平日は、普通の仕事をして、休日は、冒険者として、
権利者に雇われ、地下迷宮に挑む……だから、休日冒険者っていうんだ。
アシリ:ほとんどの権利者は、この休日冒険者を雇います。
流浪の冒険者よりも、信用できますし、実力もハッキリしていますからね。
GM:ちなみに、今、2人が説明してくれた事は、この街では、一般常識だ。
だから、メリルとユーラも知ってて良いよ。
んじゃ、RPを再開してくれ。
メリル:「あの、会長……それって……」
ユーラ:「あたち達で、地下迷宮に挑む、ってことなの?」
クリュ:「なるほど、その手があったか……、
でもよ、地下迷宮へは、入り口の権利者の許可が無いと入れねぇ。
……心当たりはあるのか?」
GM:この学院の理事長が、権利を1つ所有してる。
申請すれば、許可は下りるよ。
クリュ:マジかよ? 危険なんじゃねぇのか?
GM:この学院では、冒険者の育成もしていますからね。
生徒の安全面については、ちゃんと対策がされているので、ご安心を。
アシリ:「軽音部として、迷宮探索の申請を出します。
許可が下りれば、わたくし達4人で、迷宮に挑む事が出来ます」
クリュ:「その探索で、お宝をゲットして、楽器代を稼ぐ、ってわけだな。
分かり易くて良いな。アタイに異存は無いぜ」
やる気満々で、パシッと拳を打ち合わせるぞ。
アシリ:「メリルさん、ユーラさん……どうでしょう?
早々に、前途多難な状況ですけど、それでも、付き合って頂けますか?」
もう一度、念を押すように、確認しますわ。
メリル:「はい、一歩を踏み出した以上、後戻りするつもりはありません。
幸い、支援系の技術なら、いくつか使えます。
頑張って、会長の役に立ってみせます!」
ユーラ:「あたちも頑張る、なの!」
アシリ:「それでは、早速、わたくしは、理事長に申請を出しに行きます。
皆さんは、許可が下りるまでに、準備を整えてくださいまし」
クリュ:「了解っ! と、その前にさ――」
生徒会室から飛び出ようとして、ふと、立ち止まり、皆に振り返る。
アシリ:「……何ですの?」
クリュ:「捕らぬ狸の皮算用だけどよ……、
今のうちに、誰が、どんな楽器を使うのか決めねーか?」
アシリ:「それは名案ですわね。
事前に決めておけば、経費の見積もりも立てやすいですし……」
GM:じゃあ、皆で相談して、担当する楽器を決めてくれ。
奇をてらった楽器を選ばれると、色々と困るから、
選択肢は、こっちで指定させてもらうぞ。
というわけで――
結成された軽音部のメンバー達は、
GMが指定した4つの楽器から、自分が使うモノを選ぶ。
ちなみに、指定したのは、ギター、ベース、ドラム、フォルテールだ。
ユーラ:「――あたち、ドラムやる、なの!」
GM:意外なところから、立候補がが来たな?
俺は、ドラムは、クリュが担当するだろうと予想してたんだが……、
クリュ:ああ、アタイも、そのつもりだった。
メリル:「ユーラちゃん……どうして、ドラムが良いの?」
ユーラ:「ドラムって、たくさんの太鼓(?)を叩くなの?
だったら、あたちは、手も足も、いっぱいあるから都合が良いなの!」
クリュ:「手足がいっぱい、って……、
あ〜、そうか! 元々はスライムだから、手足の数に制限は無い!?
足りなきゃ、新しく生やせば良いんだもんな!」
アシリ:「超一流のドラマーは、手足が何本もあるかのような演奏をするそうですが……、
ユーラさんの場合、それが文字通りの意味なんですわね」
GM:ビジュアル的には、かなり気味悪いが……面白いから、採用しよう。(笑)
アシリ:「わたくしは、やはり、フォルテールでしょうか?」
クリュ:「アタイは……ベースにするかな?
やっぱ、メインボォーカルであるメリル先輩が、ギターを持った方が、絵的に映えるだろ?」
メリル:「わ、私がボォーカルなんですか〜?」
クリュ:「ンなの当たり前だろーが。
歌の才能を買って、スカウトしたんだからな」
メリル:「はう〜……」
クリュ:「――まあ、頑張れ♪
ああ、そうそう。広報は、アタイが担当するからな」
アシリ:「新聞社で、バイトをしているクリュちゃんなら、適任ですわね」
クリュ:「おうっ! バッチリと良い写真を撮って宣伝してやるからな!」
……ふふん、これで、ユーラの写真を撮る口実が出来たな。(ニヤリ)
アシリ:「ところで……クリュちゃんの用事は、何だったんですの?」
クリュ:「あ〜、もう良い。解決したから♪」
アシリ:「……?」
―― PHASE-05 たんけん! ――
GM:では、場面を、一気にスッ飛ばして……、
ダンジョンパートに入るぞ。
無事、アシリが出した、迷宮探索の申請は下りました。
で、今、キミ達は、学院の敷地内……、
具体的には裏庭にある、迷宮への入り口の前に来ている。
ユーラ:「ここが……迷宮の入り口、なの?」
メリル:「あるのは知ってましたけど……実際に入るのは、初めてです」
アシリ:「この迷宮が、実習のカリキュラムに入るのは、二年の後半ですからね。
わたくしは三年なので、その実習で、何度か入った事はありますが、
その経験は、あまり意味はありませんわね」
クリュ:「ランダムダンジョンだからなぁ……」
GM:と、キミ達が、緊張の面持ちでいる中……、
管理人が、厳重に施錠されていた、迷宮の入り口の扉を開く。
そして、キミ達に、1つずつ、腕輪を配るぞ。
メリル:……腕輪?
ユーラ:これ、何なの?
GM:この腕輪は『帰還の腕輪』と呼ばれるアイテムです。
装備者の生命に危機が迫った場合、強制的に、装備者を迷宮から脱出させる機能があります。
クリュ:なるほど。これが、生徒の安全を保障してくれるわけだな。
GM:ちなみに、その腕輪は、B1の装飾品扱いなので、
装備するなら、装備重量に加算するように。
アシリ:安全保障の代わりに、装備重量に、若干、負担が掛かるわけですわね。
メリル:私達は、全員、装備重量に余裕があるすら、問題無いです。
ユーラ:でも、今後の事を考えるなら、
重量ギリギリまでの装備を買うのは、控えた方が良さそうなの。
クリュ:……だな。
たかが1点、されど1点……、
ディフェンダー兼物理アタッカーとしては、キツイところだ。
腕輪を装備しない、って選択肢は無いんだろ?
GM:無いです。腕輪を装備しないと、迷宮には入れて貰えません。
これは、学院として、絶対に譲れないところです。
アシリ:……ですわよねぇ。
GM:腕輪を装備したら、いよいよ、迷宮に突入だ。
今回は『新ランダムダンジョンルール』を使うぞ。
これは、ダイスの出目だけで、迷宮の構造やイベントが決定される、という、
迷宮作成の手間が省ける、とてもGMに優しいルールだ。
個人的には、殺意の高いダンジョンを組むのは大好きだが、
今回は、初心者が2人もいるので自重した。
メリル:私達は、どうすれば良いんです?
GM:ルールを、一度に話しても、混乱を招くだけだから、
必要に応じて、その都度、説明していくよ。
アシリ:「――さあ、参りましょうか」
部長として、先頭に立ち、迷宮に足を踏み入れますわ。
GM:キミ達は、慎重に迷宮への階段を降りていく。
規則正しい石造りの迷の宮内部は、沈黙に支配されており、
カツーンカツーンと、キミ達の足音が響き渡る。
ユーラ:迷宮の中って、暗くない、なの?
GM:光源については、取り敢えず、今回は、気にしなくて良いよ。
そーゆー要素を入れる場合は、事前に説明するから。
メリル:細かい点を気にしなくてよいのは助かりますね。
GM:では、改めて、ダンジョンパートに入るぞ。
まずは、ダンジョンの規模を決定する。(ころころ)――
ランダムダンジョンルールでは、迷宮の規模は、
ダンジョンLv(以下DL)と、フロア値とエリア値で表現される。
DLとは、迷宮の難易度であり、これは、PT内での最大クラスLvと同値となる。
フロア値は、迷宮の階層数を表し、
DL+1が、そのシナリオでの迷宮の階層数となる。
エリア値は、各階層の広さを表す。
この値は、基本的に9で固定されており、3×3のマス目で区切られる。
例えば、今回の場合、迷宮の構造は――
PT内の最大クラスLv:1 ABC
DL:1 1★□□
フロア値:DL+1=2 2□□□
エリア数:9 3□▼□
――と、上記のようになる。
迷宮の規模が決まったら、次は、スタート地点と、フロアのゴール地点を決定する。
迷宮の入り口である最初のポイント……、
上記の図でいうと、★の位置が、スタート地点となる。
次に、GMは2d6(非公開)を振り、ゴール地点を決める。
上記の図で言うと、▼の位置が、そのフロアのゴール地点となる。
非公開での判定の為、当然、PLには、ゴール地点は分からない。
GM:よし、迷宮は完成したから、
PC番号順に、ランダムイベント表を振っていこう。
メリル、ユーラ、アシリ、クリュの順だ。
ランダムイベント表とは、
迷宮内で遭遇するイベントを決定するモノである。
PTは、現在位置から、上下左右のマス目に移動する事が出来る。
その移動の際に、必ず1回は、
ランダムイベント表によって、イベントが発生するのだ。
イベント内容は、2d6で決定され、
その種類も、罠の発動、宝箱の発見、魔物との遭遇など、様々である。
<現在位置> | メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
ABC |
HP:33 |
HP:35 |
HP:44 |
HP:60 |
メリル:――(ころころ)5−5です。
GM:それだと『罠(MP)』のイベントだな。
トラップが仕掛けられていて、それに引っ掛かると、
全員のMPがDL×4のダメージだ。
今回の場合は、MPダメージ4点だな。
クリュ:罠を解除するには、どのクラスで判定するんだ?
GM:メイガスかアルケミストですね。
アシリ:では、わたくしか、メリルさんですわね。
クラスLvは同じなので、まず、M値ボーナスが低いわたしくが――
GM:――おっと、待ってくれ。
こーゆー判定は、挑戦できるのは1人だけだ。
アシリが失敗したから、次はメリルが、ってのは無しだぞ。
クリュ:仕切り直しはダメ、ってことか……、
アシリ:となると、M値ボーナスが高いメリルさんが適任ですわね。
GM:じゃあ、GMとメリルの達成値にする勝負だ。
俺は、2d6+DL×2で――
判定 | ボーナス | クラス | 出目 | 修正 | 達成値 | 結果 | ||||||||
メリル | : | 2d6 | + | 3 | + | 1 | = | 3・4 | + | 4 | = | 11 | − | 勝利 |
GM | : | 2d6 | + | 2 | + | 0 | = | 4・3 | + | 2 | = | 9 | − | 敗北 |
GM:――キミ達は、薄暗い迷宮を、注意深く進んでいく。
何の変哲もない曲がり角に差し掛かったところで、
ふと、メリルは違和感を覚える。
メリル:「皆さん、止まってください」
クリュ:「……どうした?」
メリル:「いえ、ちょっと……」
眼鏡をクイッと上げ、適当な小石を、曲がり角の先に放ります。
GM:カラン、カラン――
メリルの投げた石が通路を転がる。
すると、突然、床に魔方陣が浮かび上がり、禍々しい光を放つ。
アシリ:「――トラップ、ですわね」
ユーラ:「危なかった、なの。メリル、凄いなの」
メリル:「魔力を吸収するタイプの魔方陣ですね」
床に描かれた魔方陣の一部を、石で削り、無効化します。
GM:OK、それでトラップは解除された。
こんな感じで、迷宮を進みつつ、イベントを消化していくぞ。
じゃあ、進行方向を決めたら、次は、ユーラが振ってくれ。
ユーラ:B−1に進んで(ころころ)――
<現在位置> | メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
ABC |
HP:33 |
HP:35 |
HP:44 |
HP:60 |
ユーラ:――3−5なの。
GM:おっ、運が良いな。
それは『宝箱を発見(罠無し)』のイベントだ。
3d6を振って、中身を決めてくれ。ゾロ目だと良い物が出るぞ。
ユーラ:わ〜い、なの♪
GM:迷宮を進んでいると、道の片隅に置かれた宝箱を発見する。
箱の色は赤だから、罠は無さそうだ。
アシリ:箱の色で、罠の有無が分かるんですの?
随分と親切ですわね。
GM:他の場所はともかく、コミパの地下迷宮にある宝箱は、そーゆー仕様だ。
ちなみに、オレンジ色の箱には罠がある。
『幸運の針金』ってアイテを持ってると、判定無しで、罠を解除できる。
ユーラ:「見て見て〜、宝箱なの〜♪」
クリュ:「赤い箱だから、罠の心配は無さそうだな」
アシリ:「楽器購入の資金になりそうなモノが入っていれば良いのですが……」
メリル:「とにかく、開けてみましょう」
ユーラ:「よいしょ、なの」
宝箱を開けて(ころころ)1・6・6なの。
GM:奇数、偶数、偶数だから……ナオール剤1個を見つけたぞ。
ユーラ:つまんない、なの〜。
クリュ:いや、治療薬は持ってなかったから、助かった。
この調子で、ドンドン、宝箱を開けていこう。
<現在位置> | メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
ABC |
HP:33 |
HP:35 |
HP:44 |
HP:60 |
アシリ:次は、わたくしですわね。
(ころころ)2−6ですわ。
GM:『罠(HP)』のイベントだな。
判定に失敗すると、全員にHPダメージ(DL×6)だぞ。
使えるクラスは、エージェントかガンスリンガーだ。
クリュ:これは、ユーラだけだな。頼むぞ。
ユーラ:了解なのっ!
判定 | ボーナス | クラス | 出目 | 修正 | 達成値 | 結果 | ||||||||
ユーラ | : | 2d6 | + | 4 | + | 1 | = | 2・4 | + | 5 | = | 11 | − | 敗北 |
GM | : | 2d6 | + | 2 | + | 0 | = | 5・5 | + | 2 | = | 12 | − | 勝利 |
ユーラ:負けちゃったなのー!?
GM:迷宮を歩いていると、ユーラが、
床に隠されたスイッチを踏んでしまった。
ユーラ:「みんな、気をつけて――」
GM:と、警告しようとするも、間に合わず、
天井から、大量の石つぶてが、雨霰と降り注ぐ。
一同:「痛たたたたたっ!?」
GM:というわけで、全員、HPに6点のダメージな。
<現在位置> | メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
ABC |
HP:27 |
HP:29 |
HP:38 |
HP:54 |
クリュ:……ったく、酷い目に遭ったぜ。
(ころころ)次は、2−1だな。
GM:――おめでとうございます!
お待ちかねの『モンスターと遭遇』のイベントです♪
一同:うわぁぁぁっ!?
クリュ:出来れば、余計な戦闘は避けたい!
やり過ごすことは出来ないのか?
GM:ガンスリンガーか、ビーストテイマーか、ファイターで判定できます。
それに成功すれば、魔物をやり過ごせますよ。
煙幕玉を持っていれば、無条件で成功しますけど……、
クリュ:そんな物は、持ってないっ!
全員、クラスLv1だから、
ここは、唯一、ボーナス+4を持ってるユーラの出番だ!
アシリ:ユーラさん、汚名挽回のチャンスですわ!
ユーラ:うんっ、名誉返上なの!
GM:お約束のギャグだな〜。
こっちは、2d6+DL+ランダムイベント回数÷3だから――
判定 | ボーナス | クラス | 出目 | 修正 | 達成値 | 結果 | ||||||||
ユーラ | : | 2d6 | + | 4 | + | 1 | = | 4・4 | + | 5 | = | 13 | − | 勝利 |
GM | : | 2d6 | + | 2 | + | 0 | = | 2・5 | + | 2 | = | 9 | − | 敗北 |
GM:キミ達は、T字路に差し掛かった。
右の道の先から、たくさんの足音が迫ってくるが聞こえる。
ユーラ:「何か来る、なの……皆、隠れてなの」
GM:ユーラの指示に従い、キミ達は、身を潜める。
足音の主は、大量のネズミの群れであった。
それも、ただのネズミではない。
通常のネズミよりも、何倍も大きな、ジャイアントラットだ。
巨大ネズミの群れは、キミ達に気付く事無く、
T字路を、右から左へと通り過ぎていく。
メリル:「あ、危なかったね……」
アシリ:「あんなのに襲われたら、大変な事になっていましたわ」
クリュ:「お手柄だな、ユーラ」
ユーラ:「役に立てて良かった、なの〜」
GM:ちなみに、魔物と戦闘していたら、
その結果によっては、報奨金が出たぞ。
アシリ:あら、それなら、闘った方が良かったかしら?
わたくし達は、出来るだけ、多く、稼ぐ必要があるわけですし……、
クリュ:楽器代に関しては、迷宮のクリア報酬で賄おうぜ。
無闇に、命を危険に晒す必要はねーよ。
アシリ:それもそうですわね。
GM:あと、戦闘をすると、イベント回数は0にリセットされる。
今回は、やり過ごしたから、回数は4回になるけどな。
メリル:イベントを、沢山こなすと、戦闘になりやすくなるんですね。
GM:うん、そーゆー事だ。
<現在位置> | メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
ABC |
HP:27 |
HP:29 |
HP:38 |
HP:54 |
メリル:(ころころ)6−3です。
GM:『幻の泉』のイベントだ。
装備品を1つ、この泉に投げ入れると、パワーアップするかもしれない。
エクソシストかアルケミストで判定して、成功すれば、
精錬が可能な装備を1つだけ、精錬Lvを+1できるぞ。
クリュ:おお、そりゃ良いな!
GM:ただし、失敗したら、精錬Lvが−1です。
この場合、精錬Lv0以下にはならないので、ご安心を。
アシリ:「これが、噂に聞く、幻の泉ですか……」
ユーラ:「じゃあ、誰かの制服を入れてみる、なの?」
成功すれば、精錬Lv1からLv2になって、防御力が上がるなの!
メリル:「それも良いけど……、
失敗した時の事を考えると、ちょっと怖いかな」
クリュ:「てゆーか、いくら迷宮の中とはいえ、服を脱ぐのはなぁ……」
アシリ:「あら? 何か問題ありまして?」
すでに脱いで、下着姿になっていますわ。(爆)
GM:こらこらこらこらっ!
何やっとる、年長者!?
アシリ:――GMったら、本当は嬉しいくせに♪
GM:少なくとも、お前が脱いだって嬉しくも何ともないわっ!
クリュ:じゃあ、メリルかユーラが脱いだら嬉しいんだな?(にやにや)
アシリ:流石、GM……血は争えませんわね。(にやにや)
メリル:GMの、えっち……、(真っ赤)
ユーラ:えっちなの〜♪
GM:――GMへの台パン禁止〜っ!!
とにかく、どうするんだ!? 使うのはアシリの制服で良いのか?!
クリュ:「アシリ……見てるコッチが恥ずかしいから、サッサと服を着ろ」
と、言いつつ、自分のトライデントを泉に放り込むぞ。
アタイ達は、物理攻撃の火力が乏しいからな。
メイン物理アタッカーである、アタイの武器を強化したい。
アシリ:それで良いと思いますわ。
GM:分かってるなら、何故、脱いだ?
アシリ:サービス、サービス〜ですわ♪
判定 | ボーナス | クラス | 出目 | 修正 | 達成値 | 結果 | ||||||||
アシリ | : | 2d6 | + | 2 | + | 1 | = | 1・1 | + | 3 | = | 5 | − | 敗北 ファンブル |
GM | : | 2d6 | + | 2 | + | 0 | = | 5・3 | + | 2 | = | 10 | − | 勝利 |
アシリ:――あら?(笑)
一同:ファンブルだぁぁぁぁっ!?
クリュ:精錬が失敗したのは、
まあ、ダメ元だったから、別に良いとして……、
GM:おめでとう! ファンブル表を振ってもらおうか!
アシリ:これが、問題ですわよね〜♪
ユーラ:……何で、嬉しそうなの?
アシリ:(ころころ)『3:まるっきり予想し得なかったことが起こる』ですわ。
GM:俺的には、アシリが脱ぐという、
既に、予想外の事が起こっている件について……、
クリュ:だったら、アタイが、トライデントを、泉に投げ込んだ時に、
その飛沫が、バシャッと、アシリの制服に掛かった、ってのはどうだ?
GM:はっはっはっ、じゃあ、精錬の対象を、
アシリの制服にして、もう一回、判定してみようか?
ただし、そっちの判定ボーナスは0にするぞ。
実質、再挑戦になるから、ファンブルの意味が無い。
で、その結果――
アシリの制服の精錬Lvが+1されましたとさ。(爆)
GM:――納得いかねぇっ!!
クリュ:まあ、結果的には、利益になったから良いけど……、
ユーラ:でも、精錬された制服って、何なの?
メリル:生地が良いモノになった、とか?
アシリ:「あら、クーニング代が浮きましたわ♪」
GM:クリーニングすると、精錬Lvがあがるのかよ!?
ユーラ:「幻の泉は、実は、洗濯機だった、なの」
GM:――違ぁぁぁうっ!!
クリュ:「でも、女学生の制服って、
洗濯すると価値が下がるんじゃなかったか?」
GM:少しは自重しろ、大人どもぉぉぉぉっ!
メリル:GM、落ち着いて……、
GM:はあ、はあ……、
PLの人選、誤ったかな……、
ユーラ:後悔、先に立たず、なの。
<現在位置> | メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
ABC |
HP:27 |
HP:29 |
HP:38 |
HP:54 |
ユーラ:(ころころ)今度は、4−2なの。
GM:『宝箱を発見(罠有り)』のイベントだな。
キミ達は、幾つかの分岐点を進むと、そこは行き止まりだった。
だが、オレンジ色の宝箱を発見する。
アシリ:「また、宝箱ですわね……」
クリュ:「ただし、今度の罠有りだ……どうする?」
メリル:「ここは、開けるべきだと思います。
今、私達に必要なのは、お金ですから……」
ユーラ:「無視は出来ない、なの」
そういえば、さっきの罠では忘れてた、なの。
《トラップサーチ》とトラップツールは有効なの?
GM:ああ、もちろん有効だ。じゃあ、判定するぞ?
ちなみに、失敗したら、宝箱の中身は失われ、全員にHPダメージだからな。
判定 | ボーナス | クラス | その他 | 出目 | 修正 | 達成値 | 結果 | |||||||||
ユーラ | : | 3d6 | + | 4 | + | 1 | + | 1 | = | 2・4・1 | + | 6 | = | 13 | − | 敗北 |
GM | : | 2d6 | + | 2 | + | 0 | + | 0 | = | 6・6 | + | 2 | = | 14 | − | 勝利 クリティカル |
GM:ユーラが、宝箱の罠を解除し、フタを開ける。
だが、残念ながら、その解除は不充分だったようだ。
フタが開いた瞬間、ドカーンッと、強烈な爆発が、キミ達を襲う。
メリル:「……きゅ〜」(ぷすぷす)
爆発に巻き込まれ、真っ黒になります。
ユーラ:「ご、ごめんなさいなの〜」
クリュ:GMのクリティカルだけは、どうしようも無いからな〜。
<現在位置> | メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
ABC |
HP:21 |
HP:23 |
HP:32 |
HP:48 |
アシリ:(ころころ)5−1ですわね。
GM:また『モンスターと遭遇』のイベントだな。
さっきのネズミの群れが、今の爆発音を聞きつけた、ってところか?
アシリ:イベントの回数は6回……、
ちょうど、GM側の修正値が上がりますわね。
クリュ:今度は、やり過ごせないかもな。
いっそ、こっちから迎え撃つ、ってのはどうだ?
GM:つまり、遭遇回避判定を放棄する、って事ですか?
クリュ:おう、その判定を放棄する代わりに、
敵を待ち構える事で、戦闘を有利に出来ないか?
GM:そうですね……、
じゃあ、戦闘結果判定の出目を、
1つだけ、確実に6に出来る事にしましょうか。
アシリ:1回の勝利は確定するわけですね。
では、それでいきましょう。
ユーラ:GM、質問なの〜。
戦闘結果判定って、何なの?
GM:ああ、そこから説明しなきゃダメだよな。
戦闘結果判定、ってのは――
――迷宮には、多くの魔物が生息している。
そして、迷宮を探索している以上、
魔物との遭遇・戦闘は、避けては通れない道だ。
しかし、それらの戦闘を、全て処理するのは、あまりにも時間が掛かる。
そこで、ランダムダンジョンルールでの、
遭遇戦闘は、簡易的なシステムを用いて、スピーディーに処理を行う。
GM:まず、GMを含め、全員で(DL+2)×1d6を振って、
各PLは、GMの出目と、自分の出目を、
1つずつ、順番に比べ合って、勝敗の回数を決めるんだ。
で、その勝敗の回数で、PLの消耗や、報奨金の額が決まる。
まあ、1回やってみれば分かるよ。
メリル:じゃあ、今回は……3d6ですね。
出目1 | 出目2 | 出目3 | 勝敗 | 消耗 | ||||||
GM | : | 3 | ・ | 3 | ・ | 5 | ||||
メリル | : | 6 | ・ | 1 | ・ | 6 | − | 勝利2 敗北1 | − | HP−6 MP−4 |
ユーラ | : | 5 | ・ | 4 | ・ | 6 | − | 勝利3 敗北0 | − | ダメージ無し |
アシリ | : | 6 | ・ | 6 | ・ | 5 | − | 勝利3 敗北0 | − | ダメージ無し |
クリュ | : | 6 | ・ | 6 | ・ | 5 | − | 勝利2 敗北0 | − | ダメージ無し |
報奨金 | : | 最大勝利回数3 = 3 × 1 × 100 = 300G |
GM:キミ達は、曲がり角に身を潜めて、
大ネズミの群れを待ち構え、見事、奇襲に成功した。
機先を制したキミ達は、魔物を圧倒する。
だが、それ故に、油断はしたのか、メリルだけが、僅かに傷を負ってしまった。
メリル:「あいたたた……ちょっと噛まれちゃいました」
ユーラ:「メリル、大丈夫なの?」
メリル:「うん、このくらいなら、まだ平気だよ」
<現在位置> | メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
ABC |
HP:15 |
HP:23 |
HP:32 |
HP:48 |
クリュ:(ころころ)6−2だ。
GM:おや、また『モンスターと遭遇』ですね。
大ネズミの群れを倒したと思ったら、増援が来たようです。
アシリ:消耗のペースが早いですわね。
わたくし達は、ともかく、メリルさんは、
出目次第では、戦闘不能になってしまいますわ。
メリル:もう一度、さっきみたいに迎撃しましょう。
そうすれば、最悪でも、負けは2回……、
ダメージが12点なら、ギリギリ3点は残ります。
クリュ:よし、じゃあ、さっきと同じように迎撃するぞっ!
出目1 | 出目2 | 出目3 | 勝敗 | 消耗 | ||||||
GM | : | 3 | ・ | 3 | ・ | 1 | ||||
メリル | : | 6 | ・ | 2 | ・ | 5 | − | 勝利2 敗北1 | − | HP−6 MP−4 |
ユーラ | : | 4 | ・ | 6 | ・ | 2 | − | 勝利3 敗北0 | − | ダメージ無し |
アシリ | : | 5 | ・ | 6 | ・ | 6 | − | 勝利3 敗北0 | − | ダメージ無し |
クリュ | : | 6 | ・ | 6 | ・ | 6 | − | 勝利2 敗北0 | − | ダメージ無し |
報奨金 | : | 最大勝利回数3 = 3 × 1 × 100 = 300G |
アシリ:メリルさんって……、
もしかして、出目が悪いタイプですの?
GM:迎撃してなかったら、2敗してたな。
俺の出目も、ヒドイのに……、
メリル:んみ〜、GM、魔術で回復しても良い?
クリュ:おい、素に戻ってるぞ。
GM:うん、良いよ……、
回復行動に制限は無いから。
メリル:《ディア》を使って(ころころ)11点回復しました。(MP−5)
GM:MPも、ちゃんと減らしておいてね。
さて、B−3地点には階段があるぞ。
これで、次のフロアに進むことが出来る。
ユーラ:今回は、DL1だから、次が最後のフロアなの。
GM:そういう事になるな。
ああ、そうそう、キミ達は、階段を降りる時、妙な事に気付く。
メリル:妙な事……ですか?
GM:今、キミ達が降りている階段の真上……つまり、天井だな。
何故か、その天井にも、段差があるんだ。
まるで階段のような段差がね。
アシリ:伏線ですか……気になりますわね。
GM:まあ、頭の片隅にでも入れておいてくれ。
フロア2のスタート地点は、フロア1の階段があった場所になる。
つまり、B−3からスタートだ。
新たなゴール地点を決めて、っと(ころころ)――
<現在位置> | メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
ABC |
HP:20 |
HP:23 |
HP:32 |
HP:48 |
GM:さあ、フロア2の探索開始だ。
次のイベント判定のは、メリルだっけ?
アシリ:GM、その前に、わたくしは《オラクル》を使用しますわ。
おそらく、使い時は、ここくらいしか無いでしょうし……、
GM:それでも、3回は使えるからなぁ。
で、何を聞きたいんだ? だいたい、想像はつくけど……、
アシリ:このフロアのゴール地点を教えてくださいまし。
クリュ:ゴールの場所を知ってる、と、
知っていない、とでは、余裕が違ってくるからな〜。
ユーラ:……どうして、なの?
メリル:寄り道が出来るようになるよね?
危なくなったら、ゴール地点に逃げれば良いんだよ。
ユーラ:なるほど〜、なの。
アシリ:「クリュちゃん、ちょっと、その槍を貸してくれませんこと?」
クリュ:「あ? 重いから気をつけろよ?」
アシリ:「ありがとうございます。では――」
受け取ったトライデントを、地面に立てます。
GM:アシリが立てた、槍は、すぐにバランスを崩して、パタリと倒れる。
アシリ:「――向かうべき道は、こちらですわ!」
槍が倒れた先を、ビシッと指差します。
ここで、《オラクル》を使用しますわっ!
GM:え〜、ゴール地点は、A−2です。
アシリ:あら、随分と近いですわね?
クリュ:ってことは、今の分も入れて、イベント表は、
あと3回か……妥当なトコロじゃねーか?
アシリ:――そうですわね。
このまま、真っ直ぐゴールに向かうとしましょう。
メリル:「……あの、あんな決め方で良いんですか?」
クリュ:「まあ、確かに、方法はアレだが……、
アシリの勘はアテになるんだよ、困った事に……」
GM:じゃあ、改めて、イベント判定、よろしく。
メリル:(ころころ)4−1です。
GM:『罠(MP)』のイベントだな。
アシリ:またしても、MPを削ってくるとは……、
何て、殺意の高いダンジョンなのでしょう。
GM:ダイス目に文句言われてもな〜……、
判定 | ボーナス | クラス | 出目 | 修正 | 達成値 | 結果 | ||||||||
メリル | : | 2d6 | + | 3 | + | 1 | = | 4・3 | + | 4 | = | 11 | − | 勝利 |
GM | : | 2d6 | + | 2 | + | 0 | = | 3・6 | + | 2 | = | 11 | − | 敗北 |
GM:同値の場合は、受け身優先だ。
メリルは、壁に隠された、魔力吸収ビームの発射口を見つけたぞ。
一同:――ビーム!?
クリュ:もーちょっと、何とかならねーのかよ?
GM:ンな咄嗟に、罠のネタなんて思いつきませんよ。
頭上から金タライの方が良かったですか?
アシリ:それは、屈辱ですわね……、
精神的なダメージは、ビームの比ではありませんわ。
<現在位置> | メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
ABC |
HP:20 |
HP:23 |
HP:32 |
HP:48 |
ユーラ:(ころころ)1−5なの。
そろそろ、回復ポイントとか、宝箱が欲しいなの。
GM:ところが、それは『罠(状態)』のイベントたったりする。
失敗すると、全員、毒に侵されるぞ。
アシリ:――毒ですって?!
ナオール剤が1つしかない状況で、それはマズイですわ!
クリュ:《トラップサーチ》を使ってでも、確実に突破してくれ!
ユーラ:でも、あたち、罠解除の判定は、あまり成功してない、なの。
ちょっと自信無い、なの……、
メリル:そーゆー時は、ブーストダイスだよ!
ブーストダイスで、ダイスを1個追加すれば、4d6になる!
ユーラ:――わかったの!
《トラップサーチ》とトラップツール!
そして、ブーストダイスを使うなの!(MP−3 HLv−1)
判定 | ボーナス | クラス | その他 | 出目 | 修正 | 達成値 | 結果 | |||||||||
ユーラ | : | 4d6 | + | 4 | + | 1 | + | 1 | = | 4・4・2・1 | + | 6 | = | 17 | − | 勝利 |
GM | : | 2d6 | + | 2 | + | 0 | + | 0 | = | 3・4 | + | 2 | = | 9 | − | 敗北 |
GM:――お見事!
ユーラは、壁に、毒の霧を噴き出す裂け目を発見し、
そこに、布を押し込む事で、罠が発動するのを止める事が出来た。
ユーラ:「うんしょ……これで、大丈夫なの」
クリュ:「危ねぇ、危ねぇ……、
やっぱり、ナオール剤は、常に、人数分、持っとかないとダメだな」
アシリ:「次からは、気をつけましょう」
<現在位置> | メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
ABC |
HP:20 |
HP:23 |
HP:32 |
HP:48 |
クリュ:ついに、最後のイベントだな。
(ころころ)――5−5だ。
GM:『罠(MP)』のイベントです。
じゃあ、今後こそ、頭上から金タライで?
メリル:何としてでも回避しますっ!
判定 | ボーナス | クラス | 出目 | 修正 | 達成値 | 結果 | ||||||||
メリル | : | 2d6 | + | 3 | + | 1 | = | 3・6 | + | 4 | = | 13 | − | 勝利 |
GM | : | 2d6 | + | 2 | + | 0 | = | 6・4 | + | 2 | = | 12 | − | 敗北 |
GM:突然、嫌な予感を覚えたメリルは、皆を制止する。
メリル:「皆さん、止まってください!」
GM:――と、メリルが言った瞬間、キミ達の頭上から金タライが落下する。
だが、メリルのおかげで、ギリギリ、命中は免れた。
アシリ:「最後の最後で……、
随分と、人を小馬鹿にした罠ですわね」
クリュ:「確かに……まあ、とにかく、コレで最後だ。
気を引き締めて行くぜっ!」
メリル;「――はいっ!」
ユーラ:「――なのっ!」
―― PHASE-06 せんとう! ――
GM:迷宮のゴール地点に到着したから、クライマックスシーンに入るぞ。
今、キミ達の前には、頑丈そうな大きな扉がある。
そして、その扉を守るように、1体のゴーレムが鎮座している。
四足歩行のゴーレムで、その背には、砲台が一門あるぞ。
名付けて『ガードドゥーム』だ。
メリル:「あのゴーレムが、最後の番人……」
クリュ:「いわゆる、ラスボスってヤツだな」
アシリ:「本格的な戦闘になります。
皆さん、油断しないでくださいまし……」
GM:じゃあ、クライマックス戦闘だ。
キミ達の姿を認めると、ドゥームは、起動し、臨戦態勢になるぞ。
戦闘前に、隊列を確認するけど、前衛はクリュとユーラ、後衛はメリルとアシリだよな?
ユーラ:そうなの〜。
GM:よし、じゃあ、第1ターンのイニシアティブパートからだ。
メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
HP:20 |
HP:23 |
HP:32 |
HP:48 |
<第1ターン:イニシアティブ>
アシリ:さて、イニシアティブ判定で、先攻後攻を決めるわけですが、
このタイミングで、『見識判定』が出来ましたわね?
ユーラ:見識判定、なの?
GM:イニシアティブ判定は、GM側が1回なのに対し、
PL側は、全員で対処する事ができる。
つまり、PLの方が、圧倒的に有利なわけなんだが……、
PLの誰かが、その手番を犠牲にして、見識判定する事もできるんだ。
で、見識判定ってのは……よーするに、相手の能力を見抜く為の判定だな。
メリル:イニシアティブ判定を犠牲にしなきゃダメなんですか?
先攻を取った方が、俄然、有利なのに……、
クリュ:アタイらが、それぞれ、スキルを持っているように、
敵も、様々な能力を持っている。
それを事前に知っているか否かで、戦術は変わってくるからな。
アシリ:例えば、全員掛かりで、先攻を奪って、総攻撃しても、
敵が《物理反射》なんて能力を持っていたら、大惨事確定ですわ。
GM:女○転生シリーズでは、良くあるよな。
ギルガ○ッシュの初見殺しの悪夢は、とても有名だ。
アシリ:というわけで、そのリスクを考えると、
イニシアティブ判定を犠牲にする価値は、充分にあるのです。
で、今回ですけど……メリルさんとわたくしで、見識判定をしますわ。
メリル:2人も、ですか?
アシリ:通常、イニシアティブ判定に必要なのは、T値ボーナスのみ……、
なら、ここは、T値ボーナスが、一番高いユーラさんに任せるべきです。
クリュ:アタイは、見識判定は、あまり得意じゃねぇ。
ユーラの保険として、イニシアティブ判定をさせてもらうぜ。
アシリ:そして、見識判定に必要なのは、M値ボーナスです。
わたくし達の中で、一番M値ボーナスが高いのは――
メリル:――私ですね。
会長は、保険として判定する。
アシリ:その通りですわ。
さらに言えば、メリルさんは支援特化なので――
メリル:――ブーストダイスを使ってでも、達成値を上げる必要がありますね。
クリュ:良い判断だ、メリル先輩。
出来れば、達成値は15以上欲しいな。
メリル:……どうしてですか?
クリュ:見識判定の最低ラインは達成値10……、
そして、達成値が+5される毎に、情報が追加される。
で、クライマックスの敵には、当然《ボス属性》が付与されてる。
達成値10じゃ、その《ボス属性》の有無がハッキリするってだけなんだ。
アシリ:つまり、開示されるだけ無意味な情報なのです。
実質、見識判定に、最低限、必要な達成値は15になる、というわけですわ。
メリル:なるほど、わかりました。
アシリ:使うブーストは1点で充分ですわ。
仮に失敗しても、代替案はありますから。
ユーラ:え〜っと……どういうことなの?
メリル:ユーラちゃんは、頑張って、
先攻を勝ち取ってくれるだけで良いんだよ。
ユーラ:――了解なの〜♪
GM:じゃあ、イニシアティブ判定から処理するぞ。
【イニシアティブ判定】 | ||||||||||||
判定 | ボーナス | 出目 | 修正 | 達成値 | 結果 | |||||||
ユーラ | : | 2d6 | + | 4 | = | 5・6 | + | 4 | = | 15 | − | 勝利 先攻奪取 |
クリュ | : | 2d6 | + | 2 | = | 6・3 | + | 2 | = | 11 | − | 勝利 |
GM | : | 3d6 | + | 1 | = | 5・3・1 | + | 1 | = | 10 | − | 敗北 |
【見識判定】 | ||||||||||||||
判定 | ボーナス | クラス | 出目 | 修正 | 達成値 | 結果 | ||||||||
メリル | : | 3d6 | + | 3 | + | 1 | = | 6・6・3 | + | 4 | = | 19 | − | 成功 クリティカル |
アシリ | : | 2d6 | + | 2 | + | 1 | = | 6・3 | + | 2 | = | 11 | − | 成功 |
GM:――クリティカルだと!?
アシリ:素晴らしいですわ!
先攻も取れて、まさに理想的な展開ですわね!
場合によっては《オラクル》を使うつもりでしたが、必要ありませんでしたわね。
クリュ:さあさあ、GM〜?
敵のスキルを全部吐いてもらおうか〜?
GM:ううう、クリティカルだと、スキル情報の完全開示なんだよ〜。
ガードドゥームのスキルは、以下の通りだ。
・《ボス属性》:バラメーター増加。あらゆる判定に+1d6。その他諸々。
・《2回行動》:1ターンに、2アクションを可能にする。
・《レイジングスマッシュ》:物理攻撃判定に+1d6。
・《イナーシャルキャンセル》:対象のあらゆるダメージを無効化する。
・《ユーフォリア》:対象のあらゆる判定の出目を6ゾロにする。
・《アサルトバスター》:受けたダメージを防御無視で相手にも与える。
・《アウェイク》:ターン最後に、再度、1アクションを可能にする。
クリュ:ず、随分と盛ってあるな。
しかも、やたらと前のめりだ。
GM:砲台がある以上、戦車のようなモノですからね。
じゃあ、次はセットアップパートです。
先攻は、そちらなので、どうぞ。
<第1ターン:セットアップ>
メリル:わたしは、セットアップはありません。
ユーラ:あたちも、なの〜。
クリュ:アタイも、無いな。
アシリ:わたくしだけですか?
では《魔力拡大》で、アクションで使う単体魔術を範囲魔術にしますわ。(MP−5)
GM:ガードドゥームは《2回行動》を使うぞ。
これで、このターンは2アクションが可能だ。
<第1ターン:アクション>
アシリ:「ユーラさん、クリュさん、待機してくださいまし!」
まず《タルカジャ》を使いますっ!
《魔力拡大》の効果も加わり、全員の物理攻撃力に+5ですわっ!(MP−5)
ユーラ:「――なんか、力が湧き上がってきた、なの!」
クリュ:「みなぎってきたぜーっ!」
GM:でも、待機した場合、
先攻後攻に関わらず、行動は、一番最後だぞ?
一同:――あ。(爆)
アシリ:そ、そういえば、そうでしたわ!?
すっかり忘れていました!
クリュ:強化役は、行動スピードも重要なんだな。
メリル:仕方ありません。まず、敵の攻撃を凌ぎましょう。
私も、待機して、最後に行動します。
アシリ:これでは、何の為に、先攻を取ったのか……、
わたくしは、なるべく、T値を上げる方が良いのでしょうか?
クリュ:最低でも、アタイ以上は欲しいかもな。
GM:その辺は、LvUP作業時にでも相談してください。
では、こちらのターンで、Gドームが動きます!
1回目のアクションは、砲台で、後衛をビーム攻撃(魔術)だっ!
対象は――当然、メリルでっ!
メリル:――私ですか!?
GM:砲身をメリルに向け、ビーム照射っ!
(ころころ)7で命中!
メリル:魔術回避は2d6+2(ころころ)5だから無理です。
GM:ダメージは(ころころ)16点!
メリル:《聖障壁》!(いっころ)8点を防いで、
魔術防御力は6点なので、ダメージは2点だけです。(HP−2 MP−3)
GM:意外と固いな……、
メリルに向かって、ビームが発射されるが、僅かに掠っただけだ。
メリル:「熱っ……ちょっと火傷しちゃいました」
GM:続いて、Gドゥームの2回目のアクション!
前衛に向かって、対人地雷(クレイモア)を撃つ!
《レイジングスマッシュ》の演出だ!
対象はユーラで(ころころ)物理命中13っ!
ユーラ:回避は得意なの!
《クイックステップ》を使って(ころころ)19で余裕なの♪(MP−2)
GM:くあっ!? ユーラには当てられる気がしねぇ!?
クレイモアの射出口の向きから、狙いを察したユーラは、攻撃を難なく回避する。
ユーラ:「逃げたり、隠れたりするのは得意なの〜」
さあ、次は、あたち達の攻撃なの〜!
GM:くっ……来いっ!!
ユーラ:まず、あたちから行く、なの!
《斧マスタリー》のおかげで、常時、命中+1d6なの!
3d6+5で(ころころ)命中は21なの!
クリュ:無駄に高ぇ〜な、おい!
GM:こっちの回避は《ボス属性》があっても、3d6+1なんだぞ?
そんなの(ころころ)クリティカル以外、無理だっての!
ユーラ:ダメージは、強化込みで2d6+13(ころころ)17点なの!
GM:物理防御も1しか無いんだよな。16点抜けだ。
ユーラの斧が、ズバッと、ゴーレムの装甲を斬り裂くぞ。
ユーラ:「――手応えあり、なの!」
クリュ:「見た目によらず、装甲は薄そうだな!」
追撃するぜ! 《強撃》を発動して、さらに《レンジングスマッシュ》!
これで、ダメージに+2d6だ!(MP−2)
命中は《槍マスタリー》で+1d6して、3d6+2(ころころ)13!
GM:(ころころ)出目が腐って、命中です。
クリュ:「――ちぇすとぉっ!!」
ダメージは4d6+10+5(ころころ)クリティカル!!
GM:嘘だぁぁぁぁっ!?
クリュ:30点に、さらに、ダメージが追加されて(ころころ)38点だな。
GM:そのダメージは看破できない!
《イナーシャルキャンセル》で、ダメージを無効に――
ユーラ:――《インタラプト》!
そのスキルを打ち消す、なの!
GM:……ですよね〜。
Gドゥームは、クリュの槍に対し、局所的なバリアーでの防御を試みる。
だが、それを察知したユーラが――
ユーラ:「軌道を変えて、なのっ!」
クリュ:「――っ!!」
ユーラの声に、咄嗟に槍の軌道を、僅かに逸らす!
GM:……37点抜けました。
バリアーを掻い潜ったクリュの槍が、装甲を貫き、深々と突き刺さります。
だが、こうなったら、タダでは済まさん!
《アサルトバスター》を使用! このダメージ、そのまま持っていけ!
クリュ:「手応えありっ! ――うおわっ!?」
嫌な予感を覚え、慌てて、槍を引き抜こうとするが、
爆発に巻き込まれ、派手に弾き飛ばされる。(HP−37)
アシリ:「――クリュちゃん!?」
クリュ:「構うな! 隙を見せるとやられるぞ!
……ちっ、突っ込み過ぎたか」
槍で体を支えつつ、なんとか立ち上がる。
敵の様子はどうだ? やったか?
GM:Gドゥームの被害は甚大!
なれど、まだ、闘う意志は屈せず!
それが番人としての勤めなりっ!
アシリ:機械でありながら、その心意気、称賛に値します。
ならば、最期まで、お相手して差し上げましょう。
<第1ターン:エンド>
GM:全員の行動が終わったので、エンドパートだ。
ここで、Gドゥームは《アウェイク》を発動!
即座に1タクションを可能とする!
メリル:「まだ、動けるんですか!?」
GM:と、驚いているメリルに、Gドゥームは、再び砲身を向ける!
メリル:えーっ! また、私ですか?!
アシリ:さっきから、GMの砲身は、
メリルさんに向きっぱなしですわね?
クリュ:GMは、メリル狙いなのか?
ユーラ:……そうなの?
GM:回復役を優先して狙うのは、当然の戦術だ!
殺意の教えに忠実にやってるだけ!
アシリ:じゃあ、腹を狙うの?
クリュ:GMの砲身が、PL1の腹を狙う……胸が熱くなるな。
是非、クリティカルで頼む。(爆)
GM:OK、あんたらは、俺の殺意に火を付けた……(ころころ)命中は11だ。
メリル:(ころころ)回避失敗!?
ど、どうしよう、もう《聖障壁》は使えないのに……、
クリュ:……仕方ない、ここは《カバーリング》!
メリルの前に出て、盾でビーム攻撃を受け止める!(MP−2)
ユーラ:あれっ? クリュって、残りHP11なの!?
クリュ:ンな事、分かってるっ!
だが、防御の要を落とすわけにはいかんだろ!
大丈夫、確かに、これでHP0なるが、ご都合ポイントで、即時復活できる!
GM:その意気や良しっ! ならば、確実に倒す!
《ユーフォリア》を使って、ダメージ判定を6ゾロにする!
アシリ:強制的にクリティカルに!?
GM:ダメージは3d6+7が、6ゾロで25点になり、
さらに、クリティカルにより、3d6を追加して――
クリュ:待てっ!? クリティカルの追加ダメージは2d6の筈だろ!?
GM:《ボス属性》の効果ですよ。
『あらゆる判定』に+1d6されるんです。
アシリ:《ボス属性》って、ダイス目次第では、結構、怖いですわね。
GM:というわけで(ころころ)合計で34点だっ!
Gドゥームの、ごっついビーム攻撃が、クリュに命中するぞ!
クリュ:「うおおおおおおおっ!?」
どんな攻撃だろうと、ここで退くわけにはいかねぇ!
盾を突き出して、その場に踏み止まるっ!
《身体強化》の効果と魔術防御で−4点しても、ダメージ30点!(HP−30)
完全にオーバーキルだっての!
GM:クリュにビームが着弾、爆発する!
激しい爆煙に呑み込まれ、クリュの姿が見えなくなる。
メリル:「――クリュちゃん!!」
GM:ゆっくりと、煙が晴れていく。
そこには、ボロボロになりながらも、
倒れる事無く、仁王立ちするクリュの姿があった。
クリュ:「へ、へへっ……まだまだぁ」
ご都合ポイントで即復活! 残りHP9で立ってるぜ!
メリル | ユーラ | アシリ | クリュ |
HP:18 |
HP:23 |
HP:32 |
HP:9 |
<第2ターン:イニシアティブ>
メリル:第2ターン……
ここは、絶対に先攻を取らないと……、
アシリ:クリュちゃんを回復しなければ、確実に、集中攻撃されますわ。
その前に、メリルさんに回復して頂かないと……、
ユーラ:じゃあ、あたちが、ブーストするなの?
クリュ:いや、敵の判定は3d6だから、クリティカルが怖い。
出来れば、全員、ブーストしてくれると助かる。
アシリ:では、それでいきましょう。
皆さん、いきますわよ!
【イニシアティブ判定】 |
||||||||||||
判定 | ボーナス | 出目 | 修正 | 達成値 | 結果 |
|||||||
メリル | : | 3d6 | 3 | = | 3・2・4 | 3 | = | 12 | − | 勝利 | ||
ユーラ | : | 3d6 | + | 4 | = | 3・2・2 | + | 4 | = | 11 | − | 勝利 |
アシリ | : | 3d6 | 1 | = | 4・2・3 | 1 | = | 10 | − | 勝利 | ||
クリュ | : | 3d6 | + | 2 | = | 6・3・6 | + | 2 | = | 17 | − | 勝利 クリティカル 先攻奪取 |
GM | : | 3d6 | + | 1 | = | 4・3・1 | + | 1 | = | 9 | − | 敗北 |
クリュ:――よっしゃ!! クリティカル!!
自分の命は、自分で繋いだぜっ!
GM:ひーんっ! 出目が腐った〜!
せめて、達成値だけでも勝ちたかった!
アシリ:ふふふ、そうですわねぇ♪
では、クリュさん、そのクリティカルを無効にしてくださいまし。
クリュ:は? 何で、そんな事を――
ああっ、そうかっ! クリティカルを放棄する事で、ブーストが1点回復するのか!(HLv+1)
メリル:クリュちゃんのクリティカルを除外しても、
私達の達成値だけでも、GMに勝ってますものね!
GM:そうなんだよ、こんちくしょー!
<第2ターン:セットアップ>
GM:で、セットアップだが、何かするのか?
無論、Gドゥームは《2回行動》を使うが?
アシリ:「皆さん、クリュちゃんが狙った個所に、集中攻撃です!」
セットアップで《弱点看破》です!
これで、全員の物理・魔術ダメージに+5です!(MP−3)
思えば、最初に、コレを使うべきでしたね。
効果も《タルカジャ》と微妙に被りますし……、
このスキルを選んだのは、失敗だったでしょうか?
GM:いや、1ターンだけとはいえ、魔術ダメージの増加は大きいし、
物理ダメージは《タルカジャ》と重複するから、結構、良いと思うぞ。
<第2ターン:アクション>
ユーラ:一番手は、あたちなの!
これで、引導を渡してあげる、なの!
(ころころ)15で命中なのっ!
GM:回避は(ころころ)当然の如く、失敗だ。
ユーラ:「えーっと……みらん、だるむ――何だっけ?」
2d6+8+5+5(ころころ)25点なのーっ!
GM:24点抜けて、これで累積ダメージは77点だ。
そして、GドゥームのHPは66だから――
ユーラ:「――これで終わり、なのーっ!」
GM:やや気合の抜けた声と共に、ユーラの斧が振り下ろされる!
それは、見事に、敵の装甲に突き破り、深々と、機体に内部までめり込んだ!
機体全体から、バチッバチッと漏電が奔り、挙動がおかしくなる。
そして、プシューッと煙を上げ、動かなくなった。
クリュ:「……やったか?」
警戒を保ちつつ、動きを止めた敵を凝視する。
アシリ:「どうやら、わたくし達の勝利……のようですわね」
と、構えを解きつつ、ホッと息をつきますわ。
でも、クリュさんは、その発言は『やってない』フラグですわよ?
GM:――おや、良くお分かので♪
クリュ:なに……?
ユーラ:Gドゥームは、やっつけたんだから、
クライマックスシーンは終わった、なの?
メリル:エンディングじゃないんですか?
GM:――何を勘違いしている?
クリュ:おいおい、まさか……、(汗)
GM:クライマックスシーンは、
まだ終わったわけじゃないぜっ!
ディフェンスモード、被害甚大――
対象の脅威レベルを、レベルCからBに修正――
――スタンディングモード、起動。
GM:再起動した四足歩行のゴーレムは、2本の後ろ足で立ち上がり、
前足の底辺が変形して、ガトリング砲とドリルアームになる。
その姿は、まさしく二足歩行……人型のゴーレムだ。
最後に、背にあった砲身は、肩部分へと移動し、
すぐ横で、カメラアイが突き出て、ゴーレムは変形を完了する。
その名は『ガードドゥーム・Mode:S』!
ユーラ:変形した、なのぉぉぉぉぉっ!?
クリュ:ダブルクライマックスだとぉぉぉっ!?
GM:はっはっはっはっ!
あんなヌルい戦闘で終わると思ったかっ!
というわけで、ターン進行はそのままで、戦闘続行だ!
クリュ:「ちっ……ここからが本番ってことかよっ!」
アシリ:「そのようですわね……、
とにかく、メリルさん、回復をっ!」
クリュ:いや、回復する前に、蓄積ダメージが多いうちに、
あたいの《シュトルムボーテ》を喰らわせてやるっ!
今なら、ダメージ修正に+51点だからなっ!
メリル:……それは、まだ、止めた方が良いと思います。
アシリ:ええ、リスクが高すぎますわ。
敵の形態が変わった以上、スキル構成も変化している筈です。
クリュちゃんの《シュトルムボーテ》は、わたくし達の切り札です。
それを使って、もし、敵に反射系の能力があったら……、
クリュ:なるほど……万事休す、だな。
仕方ねぇ、ここは、様子を見るか……、
ユーラ:……《オラクル》で分からない、なの?
アシリ:それですわ、ユーラさんっ!
タイミングは随時ですから、今すぐ使えます!
《オラクル》を発動っ! GM、敵に反射系または無効化系の能力はありますか?
GM:その質問の仕方だと、答えられないな。
もう少し、具体的に頼む。
アシリ:具体的に……ああ、そういうことですの。
では、質問を変えましょう。
敵に物理反射系または無効化系の能力はありますか?
GM:OK、質問に答えよう。
Gドゥームに、その手のスキルは無い。
アシリ:――ならば、クリュちゃん!
全力で、や〜っておしまいっ!!
クリュ:アラホラサッサ〜!!
《強撃》+《レイジングスマッシュ》+《シュトルムボーテ》を使用!(MP−2)
命中にブースト1点で4d6+2(ころころ)3、5、4、4――18だっ!
メリル:「〜♪ 〜♪〜♪」
念の為《聖歌》を使用して、出目3を6にかえます。(MP−10)
これで、物理命中の達成値は21です。
咄嗟に、心に湧き上がってきたメロディを紡ぎ出します。
GM:メリルの唄声が、戦場に響き渡り、仲間達に活力を与える!
さて、こっちの物理回避は2d6+5です。
クリュ:おっ、そいつ《ボス属性》は無いのか?
メリル:そのかわり、修正が4点も増えてます。
アシリ:1d6の期待値は3.5ですから、
実質、達成値が安定した、といえますね。
まあ、クリティカルの確立が減った分、安心ですわ。
GM:くっ、俺のダイス運を舐めるな(ころころ)ダメだ〜っ!!
クリュ:「うおおぉぉぉりゃああぁぁぁっ!!」
雄叫びを上げ、槍を利用して、棒高跳びの要領で大ジャンプ!
Gドゥームの真上から、全体重と落下速度を乗せて、攻撃するっ!
ダメージは2d6+10+10+1d6+1d6+51だっ!!
てめぇに手番は渡さねぇっ!(ころころ)クリティカル!!
ユーラ:やったー、なのっ!!
アシリ:クリュちゃん、一撃で決めておしまいなさいっ!
GM:あれ……なんか、ヤバくね?
クリュ:94点に、追加ダメージ(ころころ)あはははははっ! また6ゾロ!!
GM:――おおおおおおいっ!?
クリュ:(ころころ)合計で116点になったんだが?(爆)
GM:初セッションの……、
Lv1で出すダメージじゃねぇぇぇぇっ!!
防御値を引いても、31点のオーバーキルだよっ!?
クリュ:「――海神流槍術『飛魚』っ!」
渾身の一撃で、Gドゥームの急所を貫くと、敵の胴体を蹴って、飛び退く。
クルクルと宙返りして、スタッと着地する。
そして、敵に背を向けたまま、槍の柄で、トンッと地面を叩き――
GM:――ドオオォォォォォンッ!!
それと同時に、Gドゥームは大爆発!
跡形も無く、消し飛びます。
これで、今度こそ、クライマックスは終了です。
本当に、出てきただけで、何もさせて貰えなかった。(泣)
―― PHASE-07 はっけん! ――
アシリ:「――お見事ですわ」
クリュちゃんに駆け寄り、その活躍を賞賛しますわ。
間違いなく、今日のMVPは、クリュちゃんですわね。
メリル:「今、治療しますね」
《ディア》を使って、クリュちゃんを回復します。
GM:もう、エンディングシーンだから、その必要は無いけどね。
アシリ:「手当ては済みまして?
では、迷宮をクリアして、学院に戻りましょうか」
全員の準備が出来たところで、Gドゥームが守っていた扉を開けますわ。
GM:アシリの手によって、ゆっくりと、扉が開かれる。
本来なら、その扉の向こうには、迷宮のクリア報酬と、地上への直通階段がある。
だが、今回は、そうではなかった。
なんと、キミ達が目にしたモノは……、
???:「――ようこそ、バベルの名を継ぐ者よ」
一同:「……は?」
GM:扉を開けると、そこには、
迷宮クリア報酬の宝箱も、地上への直通階段もない。
その代わり、螺旋を描く塔のような形状の巨大な機械が、
天井から逆さまに生えている。
そして、その逆さ塔の頂点には、玉座とでも言うべき、立派な椅子がある。
もちろん、その椅子も、キミ達から見れば、逆さまです。
???:「ずっと、待っていました。後継者が現れるのを……」
その機械が発しているのか……、
謎の声が、キミ達を出迎えてくれる。
クリュ:「な、何だ……これ、どうなってんだ?
アシリ、迷宮の最後ってのは、いつも、こんな感じなのか?」
アシリ:「そ、そんな事はありませんわ。
以前、実習で挑戦した時は、こんなモノは……」
……で、良いのですわよね、GM?
GM:学院の実習で。多少、迷宮探索の経験があるアシリは、
現状が、異常てある事は分かって良い。
ユーラ:「昔、あたちがいた場所に、なんか似てる、なの」
不安げに、キョロキョロと周囲を見てるなの。
で、無意識に、手は、メリルの服を裾を握ってるなの。
GM:あ〜、確かに、近い雰囲気はあるだろうな。
ユーラがいた所は、研究施設だったから、厳密は違うけどさ。
メリル:「今の声は……誰、なんですか?
何処にいるんですか?」
???:「――貴女達の目の前にいます。
ワタシの名は『マルドゥーク』。
バベルの塔を管理し、統一言語とバビロンの空中庭園を守るモノ……」
クリュ:「統一言語? 空中庭園?」
ユーラ:「バベルの塔……なの?」
アシリ:GM、それらについて、わたくし達は知っていますか?
GM:うん、知ってても良いよ。
学院の小等部の授業でも習う、割と有名な神話に出てくるモノだ。
もっとも、御伽噺程度のレベルだけどね。
桃太郎とか、浦島太郎とか、そんな感じ?
それらについては、詳細を端折りつつ、今から説明するよ。
バベルの塔:この世界の、何処かにあると云われる、天まで届く高き塔のこと。
数多の神話でこそ、その名は存在するが、
実在するか否かは不明で、架空の存在でしかない、という説が濃厚である。
何故なら、この世界において、最も高い塔は、
世界の中心にある『女神の塔』だからだ。
統一言語:現在、この世界には、様々な言語が存在する。
交易共通語、エルフ語、ドワーフ語、ドラゴン語、などなど……、
だが、それらの言語が生まれる以前……、
すなわち、種族の違いや、地域差、思想の違いなどで言語が分裂してしまう前は、
この世の全ての存在は、ただ一つの言語を使っていた。
――それが、統一言語である。
統一言語が、如何なる言語なのか、その詳細は知られていない。
だが、その言語は、万物の魂……否、根源に刻まれており、
その根源に干渉することすら可能、と云われている。
もし、その言語を扱える者……、
『統一言語師』なる者がいたら、その者の言葉には、何者も抗う事は出来ないだろう。
バビロンの空中庭園:バベルの塔の頂点に浮遊すると云われる庭園である。
それが、一体、何なのか、どんな場所なのか……、
数多の神話に、その名はあれど、詳細は、一切、語られていない。
そもそも、バベルの塔の存在が、疑問視されている以上、
この空中庭園も、架空のモノでしかないのかもしれない。
GM:――とまあ、この程度は、知っている。
キャラを立たせる為に、知らない事にしても良いけど?
アシリ:わたくしは、当然、知っているでしょうね。
何と言っても、生徒会長ですし♪
クリュ:アタイは……知らなかった事にしておこう。
ユーラ:あたちも、なの。
メリル:え〜っと、私は、どっちかな?
GM:そーゆー時は、ダイスで決めると良いよ。
奇数なら知ってる、偶数なら知らない、って感じでさ。
メリル:じゃあ……(ころころ)あっ、知ってたみたいです。
アシリ:わたくしとメリルさんで、クリュちゃん達に説明した事にしましょう。
GM:その説明が終わったところで、RPを再開するぞ。
アシリ:「マルドゥークさん……と、おっしゃいましたか?
ここが『バベルの塔』というのは、事実なのですか?」
マルドゥークと名乗った機械に、問い掛けますわ。
マルドゥーク:「――事実です。
ここは、バベルの塔……、
空中庭園への至る為の回廊です」
クリュ:「……塔って言ってもよ?
アタイ達は、地下迷宮を潜ってきたんだぜ?」
メリル:「……『地下』なのに『塔』と言うのは、おかしくないですか?」
マルドゥーク:「その意見は、ご尤もです。
では……こうすると、どうでしょうか?」
GM:と、マルドゥークが言うと、
突然、キミ達は、天井に向かって『落下』する。
アシリ:「――なっ!?」
メリル:「きゃああああああっ!?」
GM:あまりに突然の出来事に、キミ達は、
成す術も無く、受け身も取る事も忘れ、天井に叩きつけられ――
いや、その瞬間、何らかの力が作用したのか、
キミ達の体は、まるで、風に受け止められたかのように、
フワリと、優しく、天井に降ろされた。
クリュ:「な、なんだ……どうなってんだ?!」
GM、アタイ達は、天井に張り付けられてるのか?
GM:いえ、天井に張り付けられているわけでも、吊り下げられているわけでもない。
そんな感覚は、全く無いし、試しに、その場で立ってみれば、自由に動く事も出来る。
当然、さっきまで、キミ達が立っていた『床』に向かって、落ちる事も無い。
メリル:「お、おおお、落ち……ない?」
ユーラ:「なんか、変な感じなの〜!?」
アシリ:「皆さん、落ち着いてくださいまし。
わたくし達の髪もスカートも、ちゃんと『下』に降りています。
もし、吊り上げられているだけなら、今頃、下着が丸見えですわ」
メリル:「そ、そういえば……」
と、理解しつつも、何となく不安になって、スカートを押さえます。
クリュ:「こりゃ、一体……?」
アシリ:「推測でしかありませんが……、
マルドゥークさん、もしや、重力を反転させましたか?」
マルドゥーク:「――その通りです。
重力を反転させ、上と下を逆にしました。
これで、貴女達は、地下に潜って来たのではなく、
塔を昇って来た、と解釈できるのでは?」
ユーラ:「そういえば、階段を降りてる時、
天井にも、階段みたいな段差があった、なの」
クリュ:「なるほど、あれは、反転した時の為の階段だったわけだ」
メリル:「も、もしかして……、
今まで、バベルの塔が発見されなかったのは、
バベルの塔が、地下へと『昇る』塔だったからなんですか?」
アシリ:「そのようですわね……、
なるほど、これでは、確かに、誰にも見つけられないでしょう。
『塔』が『地下』にあるなんて、普通、夢にも思いませんもの」
クリュ:「じゃあ、まあ、何だ……、
ここが、本当にバベルの塔だったとして……、
なんで、コミパの地下迷宮を探索していたアタイらが、
こんな所に来てるんだ?」
アシリ:「コミパの地下迷宮は、時間も空間も無視して、
世界各地の迷宮を繋ぎ合わせている、という説がありますが……」
クリュ:「いや、そもそも、アタイらが、
地下迷宮に入った時点で、バベルの塔になってたっぽいぞ?
その辺は、どうなんだよ、マ、マー……何だっけ?」
ユーラ:「マルドゥーク、なの」
クリュ:「名前が長いな……」
メリル:「じゃあ、略して“マーくん”で?」
GM:ンなっ!? ちょっと待てっ!
その略称は、流石に勘弁して――
クリュ:「――マーくん、どうなんだよ?」
GM:…………。(泣)
マルドゥーク(以後マーくん):「貴女達が入って来た場所こそが、バベルの塔の入り口なのです。
ただし、塔に入る事が出来るのは、資格を持つ者のみ……」
アシリ:「それ以外の者は、通常のまま、
コミパの地下迷宮に行く、というわけですわね?」
メリル:「――じゃあ、私達は、その“資格を持つ者”なんですか?」
マーくん:「正確には、メリル……、
貴女こそが、資格を持つ者……、
統一言語師となり、バベルの塔を踏破し、空中庭園に至る資格を持つ者です」
メリル:「わ、私が……ですか?」
マーくん:「そうです、メリル=フルーミー。
貴女こそが『統一言語師』(マスター・オブ・バベル)なのです」
アシリ:「統一言語……、
あらゆる言語の原点にして、万物に干渉する言霊……」
メリル:「そんな……私なんかが……?」
マーくん:「さあ、メリル=フルーミー。
継承の儀を行います。玉座に座ってください」
マルドゥークの言葉と共に、メリルの体が浮き上がり、螺旋の機塔の頂点へと運ばれる。
そして、機塔の頂点にある椅子『バベルの玉座』に座るように、メリルを促す。
クリュ:そうか、重力が反転してるから、
逆さまだった椅子にも座る事が出来るよな。
メリル:「…………」
導かれるように、フラフラと玉座に近付きます。
ユーラ:「――ちょっと待ってなの!
どうして、メリルが、統一言語師にならきゃダメなの?
その空中庭園に行く理由って、何なの?」
流石に、友達として止めるなの!
理由も分からないまま、メリルに、重荷を背負わせるわけにはいかない、なの!
アシリ:「――そ、そうですわっ!
バビロンの空中庭園とは、何なのです?
何故、そこに行く必要があるのです?」
マーくん:「“来るべき時”の為の備え……、
今、貴女達に言える事は、それだけです」
メリル:「そんな……」
マーくん:「これ以上の事が知りたければ、統一言語を継承し、
バベルの塔の、さらなる高みへ至ってください。
再び、ワタシと邂逅した時、続きを、お話しましょう」
クリュ:「情報を、段階的に明らかにする、ってことか……、
アンタとは、長い付き合いになりそうだな。
尤も、メリル先輩が、この話を請けたら、だけどな」
ユーラ:「メリル……どうする、なの?」
メリル:「…………」
瞳を閉じて、胸に手を当てて、考える。
別に、特別な『何か』になりたいわけじゃない。
統一言語になんて、興味は無い。
でも、いつだって、今までだって、そうだった。
新たな世界を拓くのに必要なのは……、
ただ、一歩だけ、前に踏み出す……勇気……、
アシリ:「メリルさん……」
クリュ:「……後悔、しねぇな?」
メリル:「――はい」
力強く頷き、玉座に座ります。
GM:メリルが玉座に座ると、強烈な……、
それでいて、優しい光が、メリルの体を包み込む。
機塔の一部が開き、そこに格納されていた『王冠』が姿を見せる。
王冠は、メリルを包む光に導かれるように浮き上がり、
ゆっくりと、資格者の頭の上へと降りていく。
そして、王冠は、メリルの頭に被さると、その形状を変化させ、
綺麗なカチューシャとなり、少女の髪を飾る。
マーくん:「それは、貴女の宝具……、
『統一されし数多の言霊』(マスター・オブ・ハベル)です。
今、宝具と共に、統一言語の一部が継承されました。
――『バベル二世』の誕生です」
アシリ:――バベル二世!?(爆)
クリュ:ロプロス、ポセイドン、ロデム……、
もしや、とは思っていたが、アタイらは、3つの下僕かっ!?(爆)
GM:はっはっはっ! その通りだっ!
メリル・ユーラ:……?
GM:え〜と、話を戻すぞ……、
その宝具だけど、必要B値1の装身具『魔力のアクセサリー』の相当品になる。
ただし、宝具である以上、精錬は出来ない。
で、特殊な能力は、以下の通りだ。
『統一されし数多の言霊』(マスター・オブ・ハベル)
効果:ブレイブモード発動中、あらゆる判定に+1d6できる。
タイミング:自動発動
代償:《聖歌》の効果が、使用者のみに限定される。
1シナリオに1回しか使用できない。
アシリ:支援特化のメリルさんには、少し微妙な効果ですわね?
クリュ:1つだけでも、攻撃手段を持っておくと良いかもな。
追い込まれた時の、最後の切り札になるし。
GM:あと、宝具を得た事で、新たな必殺技が会得できる。
こっちで用意してみたから、1つ選んでくれ。
『だるまさんがころんだ』
条件:相手が言語を理解できる存在である。
効果:攻撃して来た相手の動きを完全に止め、自動失敗させる。
抵抗は不可能。
タイミング:リアクション(行動未消費)
代償:1シナリオに3回しか使用できない。
ブーストを1点消費。
『むすんでひらいて』
条件:相手が言語を理解できる存在である。
効果:1ターンの間、相手1体のあらゆるリアクションを封じる。
抵抗は不可能。
タイミング:セットアップ
代償:1シナリオに1回しか使用できない。
ブーストを1点消費。
『あっち向いてホイ』
条件:相手が言語を理解できる存在である。
効果:対象の攻撃対象を(敵・味方を含め)自由に変更できる。
ただし、攻撃した者自身を対象には出来ない。
抵抗は不可能。
タイミング:アクション(対象の命中判定直後)
代償:1シナリオに1回しか使用できない。
ブーストを1点消費。
『明日天気にな〜れ』
条件:相手が言語を理解できる存在である。
効果:対象に攻撃が命中した時、そのダメージを任意の属性に変更できる。
タイミング:アクション(命中判定直後)
代償:1シナリオに1回しか使用できない。
ブーストを1点消費。
クリュ:技の名前は、とにかく……、
結構、えげつない効果ばっかりだな。
メリル:ま、迷いますねぇ……、
GM:まあ、今すぐ決めなくても、
次のLvUP時に、報告してくれれば良いよ。
メリル:わかりました、それまでに考えておきますね。
ところで、統一言語師になって、何か変わったところはありますか?
GM:――いや、身体的な変化は、特にない。
統一言語というモノが、具体的に、どんな言語なのか理解出来たわけでもない。
ただ、特定のワードだけが、効果を発揮する、という事だけは、核心が持てる。
アシリ:なるほど、それが『一部』の継承であり、
新必殺技の適用される、というわけですわね。
メリル:……試してみて良いですか?
クリュ:「……なあ、どんな感じなんだ?」
じゃあ、玉座から戻って来た、メリル先輩に、メモを片手に訊ねよう。
もう、記者としての好奇心が抑えきれないぜ。
メリル:「う〜ん……」
クリュ:「……メリル先輩?」
メリル:「だ〜る〜ま〜さ〜ん〜が〜……ころんだっ!」
と言って、ビシッと、クリュちゃんを指差します。
クリュ:「どうした――って、体が、動かねぇっ!?」
歩いている途中という、変なポーズのまま、体が固まる。
ユーラ:「これが、統一言語の力……なの?」
アシリ:「言語を理解するモノに対する、
抵抗不可能の絶対命令権限、と言ったところでしょうか」
クリュ:「お〜い……何とかしてくれ〜」
硬直したまま、助けを求める。
なあ、GM……これって、いつ、解除されるんだ?
GM:体が硬直するのは、一瞬だけですよ。
すぐに動けるようになります。
クリュ:「――っと、戻ったか?
一瞬だけとはいえ、すげぇ能力だな」
アタイは、ファイターだからこそ、理解できるぞ。
闘いの最中、いきなり、動きを止められる事が、どれだけ恐ろしいか……、
マーくん:「正義無き力は、無力です。
ですが、力無き正義も、また無力……、
統一言語の力は、とても強力かつ恐ろしいモノです。
貴女が、その力を、正しく使ってくれると信じています。
では、また、会う日まで……ごきげんよう」
GM:継承を済ませたマルドゥークは、それだけを言い残し、機能を停止する。
それと同時に、重力は、再び反転し、キミ達は、ゆっくりと『床』へと着地する。
あと、壁の一部が開き、階段が姿を現す。地上への直通階段だ。
階段の前には、迷宮攻略の報酬である宝箱もあるぞ。
アシリ:「……戻りましょうか。
色々と、考えなければいけない事が出来ました」
クリュ:「まったくだ……、
ただの、部活動の資金稼ぎだったのにな」
メリル:「え〜っと……その、すみません」(ぺこり)
アシリ:「あら、謝って頂けますの?
それなら、先程の戦闘で唄った歌……、
アレの楽譜を、来週までに提出してくださいまし♪」
メリル:「は、はい……って、えぇ〜っ!?」
クリュ:「お〜、そりゃ良いな♪
早速、軽音部の記念すべき1曲目が決まったわけだ」
メリル:「そ、そんな〜……」
ユーラ:「はうはう……あたちも手伝う、なの」
メリル:「ありがとう、ユーラちゃん。
でも、ユーラちゃんって、楽譜、書けるの?」
ユーラ:「知らない、なの」
メリル:「……うわぁぁぁ〜んっ!!」
GM:とまあ、そんなオチがついたところで、
今回のシナリオは終了だ。お疲れ様でした。
―― PHASE-08 アフタープレイ ――
GM:さて、無事、シナリオが終わったから、
今から、経験値を分配するぞ。
アシリ:まず、全員に、経験値が10点ずつ、ですわね。
GM:シナリオは、文句無しに成功してるからな。
あと、全員、残ったブーストと、ご都合ポイントの合計を報告してくれ。
メリル:ブーストは0点、ご都合ポイントは2点だから、合計2点です。
ユーラ:あたちも、合計2点なの。
アシリ:わたくしは……3点ですわね。
クリュ:アタイも、3点だ。
GM:確か、アシリは、ファンブルが1回あったな。
あと《ボス属性》の敵も倒してるから、各PLに2点ずつ……、
それらを踏まえて、獲得経験値は以下の通りだ。
ブースト | ご都合P | ファンブル | その他 | 基本経験値 | 合計 | |||||||
メリル | : | 0 | + | 2 | + | 0 | + | 2 | + | 10 | = | 14 |
ユーラ | : | 0 | + | 2 | + | 0 | + | 2 | + | 10 | = | 14 |
アシリ | : | 1 | + | 2 | + | 1 | + | 2 | + | 10 | = | 16 |
クリュ | : | 2 | + | 1 | + | 0 | + | 2 | + | 10 | = | 15 |
GM:最大取得経験値が、アシリの16点だから、
GMである俺は、18点の経験値を得られるな。
――で、収入が以下の通りになる。
お金は、公平に分配しても良いし、共通資金にしても良い。
アシリ:楽器代は、どうなりますの?
GM:実際には、データの無いフレーバーアイテムだから、代金を払う必要は無い。
あと、獲得したアイテムとかも挙げるから、
誰が持つか相談しておいてくれ。
迷宮クリア報酬:4000G
モンスター討伐報奨金:600G
獲得アイテム:ナオール剤 1個
聖モントルイユ女学院制服 精錬Lv2
アシリ:4人で割ると、中途半端ですわね?
とりあえず、1人1000Gずつを分配して、
残りの600Gは、回復アイテムを買って、皆で分けましょう。
クリュ:それが妥当だな。
ナオール剤を優先的に買っておこう。
GM:回復アイテムの購入は、次回のシナリオで、
買い物のシーンを設けるので、その時にお願いします。
回復アイテムを購入できる数は、ダイスで決定されるんですよ。
メリル:売り切れとか、あるんですか?
GM:そりゃまあ、よく使われる物だしね。
あと、このゲームは、アイテムの所持数の制限が無いから、
回復アイテムを、山のように持たれると、ゲームバランスが崩れるんだよ。
装備品とかは、成長の段階で購入して良いからね。
ユーラ:はーい、なの♪
GM:じゃあ、これで、アフタープレイも終了だ。
次のセッションの初めに、成長報告をしてもらうから、
よく考えて、LvUPしてきてくれ。
では、改めて、お疲れ様でした。
一同:お疲れ様でした〜!
―― PHASE-09 セッションが終わって ――
PL3:――お片付けは終わった?
夕飯の、お買い物に行くから、荷物持ち、よろしくね♪
GM:はいはい……、
で、今夜は、本当にカレーなのか?
PL3:うん、そうだよ〜♪
確か、ジャガイモが安かったんだよね。
PL2:んに〜、良いなぁ……、
PL3:折角だし、皆で一緒に食べよっか?
PL1:お母さん……良い?
PL4:それじゃあ、お言葉に甘えちゃいましょうか。
……って、そういう事なら、急がないと!
ジャガイモのタイムセールは16時までよっ!
PL1:んみぃ〜!? た、大変だよ!
GM:よしっ! 全員、40秒で支度しろ!
PL4:……あ、そうだ。
悪いんだけど、夕飯の買い物の方は、お願いしちゃって良い?
GM:……何処、行くんですか?
PL4:ちょっと、職場まで……ね。
次のセッションまでに、用意しなきゃいけない物が出来たから♪
GM:は、はあ……、
PL4:ちみに、聖モントレイユ女学院の制服のデザインって、
聖應女学院みたいな感じなのかしら?
GM:あの、何をするつもり――
PL3:うんうん♪ それで良いと思うよ〜♪
PL4:かしこまりました♪
それじゃあ、いってきま〜す♪
PL1:……行っちゃった。
GM:すこぶる、嫌な予感がするんだが……、
PL2:ねーっ! 何してるのーっ!
急がないと、間に合わないよーっ!
GM:はいはい、今、行くよ〜!
<おわり>
<戻る>
注釈1:リプレイの様子と内容を、分かり易くする為に、かなり加筆・修正・脚色をしています。
注釈2:今回の内容は、あくまでもテストプレイです。
その為、今後、ルールが改訂される場合があります。