あれは二か月前、彼女が『ピー』才になったばかりのころ。
息子の部屋の掃除中、触れてしまったパソコン。
そこにあったプログラムを開いてしまった時から、彼女の『悪魔』さがしの旅は始まる。
プログラムキャプターみこと
〜予告編〜
少女?――藤井みこと――は『悪魔召喚プログラム』を起動する。
「こにゃにゃちは〜〜〜!」
「ほえ〜〜〜!?」
「はっ、俺はなにを言ってるんだ?
って、み、みーちゃん!? 強制召喚されたと思ったら…」
ニビ色の毛に覆われた子犬(狼)。
プログラムの不具合により、人の姿と人狼のチカラを失った、
陣九朗(通称:クロちゃん)との邂逅。
「プログラムから飛び出した『悪魔』。
そいつらを捕まえ、俺のチカラを取り戻さないと」
「え〜、そのままでも、と〜〜ってもかわいいよ」
「俺のこともありますけど、
『悪魔』の大半はこのプログラムの中にしまっておかねば、
人間に『悪さ』をしてしまうだものばかりなんですから」
「悪さって…
夕食のおかずを盗んだり、花を折ったり、宿題しなかったり、夜更かしした……」
「そんな小規模な悪さじゃないー!」
ぶんっ!!
ひょい
どこからともなく出した、スリッパでつっこみを入れようとする子犬。
と、軽々とそれを避ける少女。
(夕食のおかずを盗んだりしたら、まこりんはすごく怒ると思うけど……)
少しだけ悔しそうな顔になりながらも子犬は話を続ける。
「『悪魔召喚プログラム』 その封印が解かれる時、この世に災いがおとずれる。
『悪魔召喚プログラム』というのは、ものすごい知識をもった
『スティーブン』というプログラマーが創った、魔力を持ったプログラムで。
封じられている悪魔は、好き勝手暴れる上に並のものでは歯がたたず。
故にこのプログラムを復元した誠も、人が勝手に手だし出来ぬよう、
封印(プロテクト)の獣としてケルベロスに護らせていたハズです」
「じゃあ、どうしてそのコはみーちゃんを止めなかったの?」
「確かに、命令は絶対な……、
……はっ!? ケルベロスも所詮は犬ということか」
かくして、初歩的な人選ミスにより、悪魔は世界に放たれた。
ご近所の平和を守るため、そして息子に叱られないため、
少女は、秘密裏に魔を狩り集めることを決心する。
「封印の『火器』よ。
なんじとの契約を望む者がここにいる。
少女、名を、みこと。
『火器』よ、少女に力を与えよ! 『安全装置解除』!」
少女はそのための力を手にする。
「これがガンタイプCOMP――『ガンプ』」
「汝の居るべき世界に帰れっ、『悪魔』!」
子犬と共に孤独な戦いを続ける少女の下に仲間が集う。
かわいいものを愛してやまない少女――江藤 結花
「みーちゃん、今回はこの衣装にしましょう!!
五月雨堂の特製素材を使って、リアンと一緒に作ったの」
オカルト現象を愛してやまない少女――来栖川 芹香
「……………」←ビデオでオカルト現象撮ってます
そして、2人の人妻。
「みこと、水臭いわよ」
「そうですよ、みーちゃん」
「はるか、アレを」
「はいっ、純米秘蔵まさむねです」
「酔えば酔うほど強くなる。必殺の泥酔拳!!
アタッキュは〜〜ぁ、あたしにょ〜びぎゃきゅ〜」
ばきっ!!
「コレクターはるか、みーちゃんと一緒にキメます」
「きゃ〜〜っ、似合ってますよぉ〜、はるかさん」
「………」(汗)
「………」(頭痛)
さらに、気付かぬ振りをし、少女達の戦いを影から支える息子。
「……というわけで、フラン、少し力を貸してくれ」
「エリア様達や、ルミラ様にご相談した方が良いのでは?」
「強いヤツは消去してあったし大丈夫。
小さなことでも戦いは戦い。エリアを戦いに引き戻すのは……」
「承知しました」
しかし、誤算が2つあった。
一つは消去をのがれた、一人の強き魔王の存在。
(この世界の依り代に、汝のカラダ貰い受ける)
「なんだ、この感覚………くっ、俺の中に入ってくるなー!!」
(無駄な抵抗をするな弱き人間よ)
魔王の依り代に選ばれた少年に、魔王の記憶が流れこむ。
「オ、オーディン……グングニル……フェンリル、ヨルムンガンド、
ヘル……毒蛇………床を伴にした多くの女神ッ!?……
……くっ、くっ、くっ、お前みたいなヤツがいるから、
俺に彼女ができないんだ〜〜〜〜〜っ!!」
(なにっ!? なんなのだこの感情は、こ、これは嫉妬の炎)
その精神力にて魔王のチカラを己が支配下に置く少年。
もう一つの誤算。
完成された強さを持たず、未完のまま封じられたモノの存在。
小さな油断が破滅への扉を大きく開く。
「くっ、このままじゃ、二人ともやられちまう。
フランここは俺が食い止める。だから逃げろっ!!」
「それだけは誠様の命令でも聞けませんっ!!」
「……そう言うと思ったよ」
「では」
「ああ、送還プログラム起動」
「なにを―――」
体が光の粒へと変わっていく少女に少年は言葉を投げかける。
「ごめん、フラン――さよなら」
少年を愛する者の涙を潤滑油とし、
少女たちの運命の歯車は急速に廻り始める。
「なぜ誠さんの世界との間に結界が張られてるの!?」
「だめだエリア、神殿地下の空間にも途中で壁が」
「いったいむこうの世界で、何が起きてというの?」
「誠様が、誠様が、誠様が……」
「大丈夫よ、フランちゃん。まこりんは、わたしの息子は、
好きな子を本当に悲しませたりすることは、ぜった〜いにしないから」
「まーくん、今日もお休みだったね」
「みことさんは風邪だって言ってたけど……きっと」
「あたしもそう思うよ。でも、みことさんは意味もなく嘘なんて吐かないし」
「そうですね。きっとなにか深い訳があるんですよね」
「おい悪魔、どこにヤツらのアジトがあるか知ってるんだろ」
(それを知ってどうする、人間よ)
「決まってるだろ、連れ戻しに行くんだよ、藤井のやつをな」
(汝がそうする、理由は無いハズだが)
「河合さんと園村さんが心の中で泣いてる。それが理由じゃ不十分か」
「ちょっと出かけてくるわ。メイフィア、フランの看病よろしくね」
「ルミラ様、誠の敵討ちな……」
「エビルッ!! 誠君は生きてるわ、死神のあなたがなんと言おうとね。
私は、フランを泣かされた落とし前をつけに行くだけよ。
あとアレイもイビルもちゃんとバイトに行くのよ、今月は苦しいんだから」
「みーちゃん、ヤツらのアジトが判りました」
「ありがとう、クロちゃん。それじゃ、お仕置きに行こうか」
「ええ、そうしましょうか」
「もちろんよね」
「「「4人もの女の子を心配させてる、困ったちゃんの息子にね!」」」
そして、最後の決戦。
「空を見上げても、地を見ても、地下を透視しても、敵、敵、敵、
ここまでくると、なんだか見てて楽しいな」
(人間よ、無謀という言葉を知っているか?)
「これでも、負ける戦いは得意でね」
(ふっ、『フラれるナンパ』の間違いであろう、人間……いや、矢島よ)
「うるせい!! 頼まれた以上、一匹たりともあの4人の後は追わせないぞ!
俺と心中したくなきゃ、持ってるチカラすべて差し出しな、ロキ!!」
「ルミラよ。なぜデュラル家のものがっ! 魔族が、人間の味方につくっ!?」
「魔族? 人間? そんなことどうでも良いわ。
フランが……フランソワーズが泣いたのよ。
自動人形の……そう、人形だった、あのコがね」
「ふん、くだらん。人形遊びをする歳でもあるまい」
「そう、やっぱり、あのコたちに先に行ってもらって正解だったわね。
あなたには、本当の私を見せてあげるわ。そして――無に還えりなさい」
「みこと、ここはあたしとはるかに任せて、クロちゃんと先に行ってっ!!」
「貴様ら人間に足止など……」
ばきっ!!
「あらあら、ここは通さないと言ったハズですよ」
仲間の力を借り、遂に少女は辿りつく。
「希代の悪魔召喚士、藤井 誠が亡き今、貴様ら人間になにが出来る」
「そう、あなたが今回の事件の黒幕ね……、
……みーちゃんは、あなただけは絶対に許さない」
そして
「これが、みーちゃんの……人妻の……いや、母親のチカラか」
少女たちは悪魔を殲滅出来るのか!?
人間に未来はあるのか!?
そして、誠は…
100万Hit記念SS プログラムルキャプターみこと
現在鋭意制作中………だったりしません。
HtH+CCさ○ら+デビルサ○ナー・ソウル○ッカーズという感じですかね。
途中まではギャグ半分でシメはシリアスという感じの、アニメ的進行を意識してみました。
これを読む人にHtHのことを聞くのは愚問ですが、
後の2つも知らないと全然意味がわからないという問題作……、
それ以前にこれはSSなんだろうか?
……とにかく、学園の図書室50万Hitおめでとうございます。
今後も益々繁栄されることを祈っておりますです。
<コメント>
みこと 「闇の力を秘めし『火器』よ……真の姿を我の前に示せ……、
契約の下、みことが命じる……安全装置解除っ!」(^▽^)
誠 「……母さん、その役は似合い過ぎだ」(−−;
はるか 「あらあらあらあら♪ さすがはみことさんですね〜♪」(*^〇^*)
誠 「はるかさんは、ちゃっかりビデオ撮影してるし……」(−−;
アルクェイド 「それにしても、あのケルベロスでさえ従えるとは驚きね」(^_^;
ルミラ 「もしかしたら、ブライミッツマーダーすらも使役するかもしれないわね〜」(^〜^)
アルクェイド 「あははっ! そんな事できるのはアイツくらい……、
ってことは、みことってアルトルージュだったのっ!?」(@〇@)
誠 「ンなわけあるかっ!! このあーぱー吸血鬼っ!」( ̄□ ̄メ
アルクェイド 「あー、誠までそういうこと言う〜。なによ〜、ほんの冗談てしょ〜」(−o−)
誠 「その冗談はタチが悪る過ぎるんだよ」(−−;
ルミラ 「そうよね〜……みことさんって、色々と超越しちゃってるものね〜」(^_^;
志貴 「何気にアルティメット・ワンの有力候補だったり……」(−−;
誠 「俺は秋子さんって気がしないでもない……」(−−;
アルクェイド 「……一応、それの候補はわたしなんだからね。
まあ、そんなのになりたいとも思わないけど」(−−;