Heart to Haert SS

       告白







「あかりちゃん、僕、実はあかりちゃんのことが…」

 雅史ちゃんはそこで真っ赤になって押し黙った。
 私は思った。目の前にいるのが浩之ちゃんだったらと……、
 そして、すごい自己嫌悪を感じた。
 目の前が真っ暗になるように思えた、事実真っ暗になったんだと思う。
 不意に浩之ちゃんの顔が浮かんだ。
 かくれんぼのこと、ボスが死んで泣いていたときのこと。
 そしてあのマルチちゃんと笑って話をしてたこと。





「ふう」

 私は重い頭を引きずりながらベットから起きあがった。
 夢見が悪い、こんな気分で起きたのは久しぶりだと思う。
 休みたいと思った、雅史ちゃんと顔を合わせたくなかった。
 たぶん雅史ちゃんは何もいわないでくれるだろうけど、何となく悪い気がするのだ。
 それでもいつの間にかシャワーを浴びるために降りていった。
 習慣って怖い。





 放課後になっても気分は晴れない。志保もどうしたのかと食い下ってきた。

「帰ろう」

 私はそう独り言を言うと教室から出た。
 校門を通りすぎたところで浩之ちゃんにあった。

「おう、あかり」

 浩之ちゃんが声をかけてくれる、すると横から緑色の髪の毛がのぞいてた。

「あ、あかりさん、こんにちは!」

 と無邪気な声をあげる私はマルチちゃんの頭に手を置いてこんにちはと答えた。

「私ダメだな」

 そう思う。
 雅史ちゃんに答えてないのに、マルチちゃんに言えないのに……、
 すぐ浩之ちゃんに流れちゃう。
 いつもの、今までに流れちゃう。
 浩之ちゃんとマルチちゃんは楽しそうに話してる。
 マルチちゃんはとても楽しそうで……、

「無理だよ、嫌いになるなんて、来ないでなんていえないよ」

 私はそう思った。
 私はきっと浩之ちゃんのことが好きなんだと思う。
 雅史ちゃんに告白されてわかった。
 でも、今浩之ちゃんはマルチちゃんの方を向いている。

「そうおもわねぇか?」
「え、あ、うん」

 私は相づちを打つ。
 それを見た浩之ちゃんはまたマルチちゃんをからかい始めた。
 そうこうしているうちに私たちはバス停の前で別れた。
 最後まで浩之ちゃんはマルチちゃんの方を見ていた。





「ねぇ、浩之ちゃん」
「あん?」
「今日、ご飯つくってあげようか?」
「おお、たのむ、久しぶりにまともな飯にありつける」
「うん」

 私は商店街で買い物をしながら浩之ちゃんと話をした。
 時々マルチちゃんの話も出てきた。





「ごちそうさま」
「だいぶ食べたね」
「まあな」

 私は洗い物をする。
 浩之ちゃんはソファーの上に座ってる。
 私は今日何をしたかったのか考えた。
 ただ浩之ちゃんと話がしたかっただけだったのかも知れない。
 浩之ちゃんにご飯を食べてもらいたかったのかも知れない。
 浩之ちゃんに好きといいたかったのかも知れない。
 私の気分は暗澹としてくる。
 考えれば考えるほど何を考えていいのか解らなくなる。
 そんな気分で洗い物を終え浩之ちゃんの方へいった。
 浩之ちゃんは寝ていた。

「浩之ちゃん?」

 私はそういった、半分起きて欲しかったから、半分このままでいて欲しかったから。
 浩之ちゃんは起きなかった。
 私はそっと浩之ちゃんの寝顔をじっと見る。
 見ているうちに胸が騒いでのどが渇く。
 そしてそのまま浩之ちゃんに唇を寄せる。
 痺れるような心地よさとともに息が私の中に染みわたってきた。

「は・・・ふぅ・・・」

 あの渇いた感じが性欲なんだと思った。
 私はみんなの言うようにきれいじゃない。
 純粋でもない。
 好きな男の子に隙をついて唇を寄せるような人間。
 純粋というならマルチちゃんは純粋そのものだとおもう。
 浩之ちゃんもだ、行動になんの打算もない。
 だから二人が惹かれるのは解る。
 「それでも私は浩之ちゃんが好きなんだ」
 しびれの残る頭でそう思いながらそっと唇を離した。
 のどは当分渇いたままなんだろう。





 次の日、学校の廊下で私は聞いてしまった。
 浩之ちゃんとマルチちゃんが話をしているのを。
 今日はマルチちゃんの最後の日ということを。
 私の頭はぐるぐる回っていた。
 マルチちゃんが帰ってしまう、何も言えないまま?
 浩之ちゃんと一緒にいられる。いつものままで?
 今までと同じ日の繰り返し……、





 私は半分錯乱したまま、二人が別れるのに付き添った。
 3人で卒業式をして、街をまわって……、
 私は浩之ちゃんがマルチちゃんの頭を撫でてあげてるのをぼんやりと横で見ていた。

「あかりも撫でてやれよ」
「え?」

 浩之ちゃんが声をかける。
 とまどう私の手をびっくりしているマルチちゃんの上にのせた。
 はじめは浩之ちゃんが私の手の上から撫でていたけども、
そのうち自然にマルチちゃんの頭を撫でるようになった。

「ダメ、やっぱり嫌いになれない」

 私はぽろぽろと涙を流した。
 マルチちゃんも泣き始める。
 しばらくしてバスが来た、マルチちゃんを見送る。
 バスの後ろでずっとマルチちゃんが残酷にも手を振ってるような気がした。





 私たちは暗澹としたまま家路についた。
 夕御飯の買い物をした、二人とも何も話さなかった。
 浩之ちゃんの家の前には見知らぬ車が止まっていた。
 怪訝そうな顔をした浩之ちゃんと家にはいると……、

「お帰りなさいませです」

 聞き慣れた声がした。

「! マルチ」
「え? マルチちゃん?」
「なんでここに?」
「えへへ、、主任さんがテストは終わったけど学習型のデータ不足のため、
もう少し今度は実地試験を受けるようにいわれたんです」

 浩之ちゃんは手放しに喜んでる。
 私たちが買い物をしているうちにメンテナンス一式は研究員の方が、
運んでセットして置いたそうです。
 ……家宅侵入じゃないのかな?
 私はそう思いながらも訳も分からずほっとした。





 私は浩之ちゃんの家を出るとそのまま雅史ちゃんの家に向かった。
 私は答えた。

「雅史ちゃん、ごめんね」

 雅史ちゃんはやっぱりねと言う顔をして訊いた。

「浩之?」

 私は頷く、雅史ちゃんは少し笑って続けた

「僕はいつもねあかりちゃんと浩之を見てたよ。いつも二人は仲良くて何度も素敵だなと思った。
でもさ、二人ともなかなかはっきり言わないのをね、いつもいらいらしてみてたんだ」
「……」
「それで、ね、ひょっとしたら僕にもって思ったんだどっちかが振り向いてくれるんじゃないかって」
「……」
「ありがとう、こたえてくれて、踏ん切りが付いたよ。これからは・・・浩之に告白するよ!」
「……え?」
「僕は今まで二人を見てたんだ、そしてあかりちゃん達が好きになった」
「……」
「あかりちゃんは、浩之のことが好きなら、今度は僕も浩之にアタックをかけるよ」
「……」

 私は幼なじみの変貌に少々呆然とした。

「大丈夫、元々実らない恋だもの、あかりちゃんがいようと僕が好きなのは浩之だよ。
僕の勝手な恋だから、これからはライバルだね」

 私は少し胸がすっきりするのを感じた。
 雅史ちゃんの浩之ちゃんが云々は目を向けないようにしておくくとして。
 だれがいようと関係ない、私は好きなんだ、そう思った。
 今はマルチちゃんを見てるとしても譲れる。
 私は次の機会で確実に私のものにしよう。自分に浩之ちゃんを刻み込もう。そうとも思った。





「浩之ちゃーん」
「おう」

 私は浩之ちゃんを呼んだ、浩之ちゃんはすぐ出てきた、このごろは寝坊もしてない

「どう? マルチちゃん、お料理うまくなった」
「まだ少し厳しい」
「そう、またつくってあげるね。」
「本当か? じゃ早速今日頼む」
「え? 今日?」
「早速マルチに電話だ。買い物に行こうぜ」
「う、うん」

 浩之ちゃんは電話を取り出す。

「あ、マルチか、え? 耕一さんが来る? え、健太郎も?」

 浩之ちゃんが私は頷く。

「よし、誠やみんなも呼んでぱーっと騒ごう。みんな集まることなんてそうないんだ。
俺はあかりと買い物に行くからそっちは頼むぞ」

 電話口からハイですと聞こえてくる。
 今日は忙しくなりそう。








<終わり>





<あとがき>

 今晩はJineです。
 前回はあとがき書き忘れて一人大慌てしてました。
 さて、とりあえず長々とくだらない文章を読んでいただいて有り難うございます。
 とりあえずこれが僕の2作目となるんですが、
あかりの恋心を書いてみようなどと無謀な企画ではじめて、
落ちをSTEVENさんの設定に任せてあるという、自分でも情けなくなる文章能力です。
 あかりはこんな娘じゃない、キャラの言葉使いが変、この文章はおかしい等の苦情は、
いっさいどんどんおくってください。楽しみにしています

 ではこの辺で失礼します。

 このあとがきはフィクションです、実際の考えていることは一切関係がございません。


<コメント>

はるか 「あらあらあらあら♪」(^〜^)
あやめ 「もう、あかりちゃんったら♪」(^〜^)
あかり 「……(ポッ☆)」(*・・*)
あやめ 「ダメじゃない。浩之君が寝ている隙にキスなんかしちゃ」(^〜^)
はるか 「そうですねぇ」(^〜^)
あかり 「……(ポッ☆)」(*・・*)
あやめ 「そういうことは、ちゃんと相手が起きてる時に、ね?」(^〜^)
はるか 「あやめさんの言う通りですよ」(^〜^)
誠 「あんたらが言えた義理かぁぁぁぁーーーーっ!!」Σ( ̄□ ̄)

雅史 「なるほど〜……じゃあ、僕も浩之や誠君が寝ている隙に♪」

あかね 「……とりあえず、殺っとく?」(−−メ
さくら 「そうですね」(−−メ
エリア 「闇よりもなお暗き者……夜よりもおな深き者……」(−−メ
フラン 「エ、エリア様……さすがにその呪文はマズイのでは?」(^_^ゞ


STEVEN 「え〜……今回のSSの最後の方に誠の名前が出ていたので、
        このSSはHtHSSとさせていただきました。
        ただ、劇中の設定に時間的な違いがあるため、
        このSSの内容は、HtH本編とは関係無いものとさせて頂きます。
        ご了承ください」<(_)>