To Heart SS
変な夢
――其の壱
「せいっ」
ズバンッ!
「はっ」
ダンッ!
「はあぁっ」
ズバーンッ!
・
・
・
「う、あー寝てたんだ…もう少しで植物怪獣に勝てると思ったのに」
そうぼやきながら膝枕の浩之の様子を見ると……、
「って浩之何でそんなにボロボロなの?」
「あやか、寝言は口だけにしてくれ……」
――其の弐
「……」
「我の名はサプレス」
「……」
「我は異界の主、エルゴなり」
「……」
「汝は誓約者足りうるもの」
「……」
「我と誓約せよ」
「……」
「契約ではない、誓約なり。我と誓約すればさらなる知識を汝に授けよう」
「……」(こくん)
・
・
・
「何やってるの姉さん?」
「……」
「新しい呪文? 夢で教わった?」
こくん
「今やって見せます」
「来栖川芹香が誓約の元に命じる来たれ、ブラックラック」
「きゃぁ、すごい威力ねぇ」
「……」
「え? 夢でそんなことがあったの? 召喚術?
あ、細かいことはわかんないからパス。すごいことは解ったから」
「……」
「ところでさ何で契約じゃダメなわけ?」
「……」
「え? 姉さんと契約するのは浩之だけ? ちょっとそれどういう意味よ」
「……」(ポッ)
「???」
――其の参
夕暮れの校舎、その屋上で俺は黄昏に浸っていた。
「はあぁ、神岸さん」
もう一度大きなため息をつく。
「何で俺には幼なじみがいないん……」
ガコンッ!
「痛ぁ」
「あ、わりぃ、大丈夫か? ……矢島」
「大丈夫? ………矢島君?」
「藤田……貴様、横に幼なじみを侍らせて、あまつさえわざとらしいその間は何だ」
「あー、すまん」
「許さん、許さんぞ!勝負だ、藤田!」
「何だよ、いきなり」
「神岸さんを賭けて勝負だ! 藤田、勝負方法は……」
「茶の湯」
「え?」
神岸さんの唐突な発言に俺は少し戸惑った。
「お、それがいい、早速勝負だ」
藤田まで同調する、
「ちょ、ちょっと待て」
「まず正座」
と藤田がその場に座る。
「お湯を沸かして」
と、神岸さんはどこからか出したお湯を器に入れた。
「しゃかしゃか、と」
と、混ぜはじめる。
「それから顔に塗って」
と器の中の泡を藤田の顔に塗りつける。
「って、何故?」
しかし、神岸さんは気にしたふうもなく……、
「タオルで蒸らす」
と、取り出したタオルで藤田の口元を覆う。
「お、おい、待って……」
俺はますます混乱した。
「で、剃刀を……」
「違う……」
「え?」
「違う、これは断じて茶の湯じゃねぇ」
「……」
神岸さんはしばらく黙っていた。
そして……、
「わび」
と、言った。
「さび」
藤田が続ける。
「味わい深い」
二人が声をそろえる。
「お、おい」
俺の頭の中は混乱しっ放しだ。
「天城の3年もの」
「…さびだ」
「ん?」
俺は叫んだ。
「それは山葵だぁぁぁぁぁっ」
・
・
・
「ちっとも起きねぇなぁ」
「浩之ちゃんもうよそうよ、矢島君うなされてるよ」
「確かに、山葵を塗るスペースがない」
「ね、浩之ちゃん」
「あかり、次、からし持ってねぇか」
「もう」
<おわり>
<コメント>
エリア 「四番っ! 津軽〇峡冬景色』を四人で唄いますっ!」(*^▽^*)
・
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さくら 「さ〜〜よな〜ら〜貴方〜〜♪」(*^▽^*)
あかね 「私は〜〜、か〜えり〜ます〜〜♪」(*^▽^*)
誠 「凍えそうなカモメ焼いて食べてみました♪」(*^▽^*)
浩之 「食べるなぁぁぁぁぁーーーーーっ!!」Σ( ̄□ ̄)
セリオ 「……以上、来栖川邸での宴会のひとコマでした」<(_)>
STEVEN 「この作品をどうコメントせいと言うんじゃ……」(T△T)