『学園の図書室』30万ヒット記念SS!!

『それは桜の下…』





「いってきまーっす!」

 今日は家族全員でお花見!
 あたしこと『藤井さやか』は、えりかが待っている公園へと急いでる所です!

 あ、知らない人が多いと思うからちょっとだけ自己紹介。
 私はお父さん(もちろん、誠お父さんだよ)とさくらお母さんの子供だよ。

 それで、さっき言った『えりか』っていうのが私の姉妹、エリアお母さんの子供なんだ。
 そしてもう一人! 私たちのお兄ちゃん(といっても、年齢は同じなんだけど)
 あかねお母さんの子供『藤井正人』、通称『まーくん』!

 まーくんってば男の子なのにとってもちっちゃくてぷりち―で可愛いんだ(はあと)。
(みんなからはブラコンって言われるけど、だってこんなにかわいいんだよ!?)

 そうそう、まーくんってばさっき、あたしより早く公園に向ったんだった。
 あたしがちょっとフランお母さんのお料理をつまみ食いしてる間に行っちゃうんだから…、

「って、あれ?」

 前方の横断歩道にいるのはまーくん?
 なんだ、まだそんなに進んでなかったんだ。

 走っていた足を少し緩めて、呼吸を整えながらまーくんへと近づく。

「まーく…――ッ!」

 突然まーくんは車道へと飛び出したの。
 まーくんの目の前には小さな子猫が足をすくませて縮んでいる。
 子猫を道路から連れて行こうとしてるみたいだけど…――っ!!
 すごいスピードで車が来てるよ!

「まーくん、危ない!!」

 キイィィィィィィーーーードン!

 あたしは目の前が真っ白になって、ガクっとひざをつく。
 まっすぐに見れなくて、視線を目の前のアスファルトに落とした。
 ぐらぐらと世界が揺れてるのは、浮かんだ涙のせいだけじゃない。

 ま、まーくんが、まーくんが!

『にゃお』

「さやか」

「!?」

 はっと、あたしは顔を上げた。
 そこには子猫を抱きかかえたまーくんが心配そうな顔でたっていたの。

「ま、まーくん、怪我はないの? どこも痛くない?」

「うん、大丈夫。あの人が助けてくれたんだ」

 まーくんが指差すほうを見ると、さっきの車の運転手を引きずり出して、

「おどれ何さらしてくれとんじゃ! このアホボケカス!!」

 と、やたらと危ない言葉を繰り返しながらタコ殴りにしている男の人がいた。
 でも車、前が思いっきりへこんでるのは?

「どうやら怪我はなかったみたいですね。大丈夫でした?」

 少し離れたところにいた女の人が、突然声をかけてきました。
 お母さんよりも少し薄い桜色の髪をした優しそうな人です。
 ……あれ?
 この人どこかで見たような…、

「あら? …つかぬ事をお聞きしますが、もしや藤井誠さんの娘様では?」

「「えっ!?」」

 あたしとまーくんの声がピッタリとハモる。

「お父さんを知ってるんですか?」

「そうか、やっぱり誠の子供だったか〜」

 いつの間にか、まーくんを助けてくれた男の人も話に加わり、しきりに頷いてた。

「???」

 あたしとまーくんはただ?マークを飛ばすだけだったよ。





「じゃあ、お連れさんとはぐれちゃったんですか」

 さっきのお二人は、ここに来る途中でお連れの方とはぐれちゃったんだって。
 で、今はまーくんと一緒に公園に向ってるところ。

 何でも、『あいつらは公園にいる気がする』んだって。

「あの、お父さんたちとはどういう知り合いなんですか?」

 私はさっきから疑問だったことを聞いて見ることにした。

「ん? まあ、古いなじみってとこかな。
実際最後に会ったのは……ええと」

「確か、正人君が産まれたときでしたね」

 突然、名前を呼ばれて、まーくんはきょとんとした顔で振り返った。
 ああ、そんな顔もとってもぷりちー。(はぁと)

 あれ、でもまーくんが産まれた時って…、
 この人、何歳なんだろう?
 見た目は20歳ぐらいにしか見えないのに、
 女の人のほうは18,9ぐらいかな?

 思い切って聞いてみようかな?

「あ、さやか! こっちですよ!」

 名前を呼ばれてそちらを見ると、えりかが大きく手を振っていた。
 どうやら考え事をしてたら公園に着いちゃってた見たい。

 あれ? でも一緒に見かけない人が座ってるけど。

「やっぱりここにいたか」

「やっぱり、ここに来ましたね(来たね〜)」

 一緒に来た男の人と、えりかと一緒にいた人たちが互いに笑いあってる。
 あ、お連れの人ってこの人達だったんだ。





「でな、その年の正月には誠の顔写真の大凧が空に舞ったわけだ」

「そうそう、夜には『帯くるくる〜』とかもやってたしね〜」

「へ〜、そうなんだ」

「他には何かありますか?」

「う〜ん、商店街で藤井さんがはるかさん、あやめさんにキスを迫られてた、とか」

「あ、それは今でもたまにやってるね」

「やってんのか!?」

 なんて、あたした達はお父さんたちの昔の話を聞いてる際中なんだ。

 一緒だった男の人が、どこからか大量のたこ焼きと焼きそばとお好み焼きを、
持ってきてくれたんで、あたし達はそれを『軽く』摘みながら聞いてたの。

 そしたら……、

「あれ? 正人くんとえりかちゃんは小食なんだな?」

 なんて言った後、あたしのほうを見て、

「誠の『あれ』を受け継いだのはさやかちゃんか…」

 なんて言うんだもん、ちょっと不満です。
 あたしだって女の子なんだよ?
 そんな人を『食欲魔人』みたいに言わなくても…って、これじゃお父さんの悪口みたいじゃない。
 反省。

「それにしても、こんなにたくさんの食べ物、お金かかったでしょう?」

 えりかが気を遣ってそう聞くと、

「んにゃ、全部知り合いのところからパクっ…じゃない、もらってきたもんだから気にしなくていいよ」

 でもあたしは聞いてしまった。
 女の人が小声で……、

(…さん、あとでちゃんと払ってくださいよ!)

 ……と言うのを。

 でも、身内がやってるみたいだからいい…のかな?

「しっかし、なかなかおもしろ…いや、元気な成長を遂げたみたいだな、君らは」

 男の人が笑いをかみ殺しながらそう言った。
 しかも目線の先にはまーくんが!

「…誰であろうと、まーくんを侮辱する人は許しませんよ?」

 あたしより先にえりかがちょっとだけ戦闘体勢に入る。

「ごめんごめん、そんなつもりじゃなかったんだが。
しかし…そういうところは君らのお母さんそっくりだな。
二人とも、正人君が一番大事なんだろ?」

「は、はい(ぽぽっ☆)」

 一転して、頬を赤らめてもじもじするえりか。

「う〜ん、ホントそっくりだ。
しかし…まーくん二世はえらくかわいくなっちゃって」

 そういって、連れの女の人に「うみゅみゅみゅ〜〜」とか言いながら、
なでまわされてるまーくんを見た。

 うう、まーくんを撫でるのはあたしたち&お母さんズの特権なのに!

「……さて、俺たちはそろそろお暇しようかな」

 そう言いながら立ち上がる男の人。

「え? お父さんたちに会っていかないんですか?」

「ああ、ちょっと今日は忙しくてな。
大丈夫、『また』しばらくこの町に住むことになったから、いつでも会えるさ」

「あ、あの?」

 今までふにゃ〜んとなっていたまーくんが、きっちりと立ち上がって男の人に向き直る。

「最後になっちゃったんですけど、皆さんのお名前は」

 男の人は少し考えるそぶりを見せてから、

「…そうだな、誠達に聞いてみてくれ。
もし、まだ俺たちのことを覚えていてくれているのなら……近いうちに遊びに行くよ」

 突然の風にあたしたちはみんな目をつぶった。

 そして、目を開けたときにはあの人たちはみんないなくなっていた。
 あとには風に舞う桜の花びらだけが、ゆっくりと踊り続けていた。



『おーい、正人、さやか、えりか』

『みんな、どうかしたの?』

「あ、お父さん、お母さん」



「あのね……」







story END?

NO! this is starting!!



 はい、英語無茶苦茶です。
 じゃなくて、いかがでしたでしょうか?
 あの人たちは誠達の町に住んだり、旅に出たりを繰り返してるみたいです。
 残念ながら、続きを書くつもりは(今のところ)ありません。
 だって、記念SSだし。
 それでは、最後になりましたが……、

STEVENさん!
『学園の図書室』 30万ヒットオーバー
おめでとうございます!!!!


<コメント>

誠 「…………(ポッ☆)」(*・・*)
さくら 「…………(ポッ☆)」(*・・*)
あかね 「…………(ポッ☆)」(*・・*)
エリア 「…………(ポッ☆)」(*・・*)
フラン 「…………(ポッ☆)」(*・・*)

陣九郎 「ハッハッハッ! ついにお前達も子持ちか〜」(^▽^)

誠 「…………(ポッ☆)」(*・・*)
さくら 「…………(ポッ☆)」(*・・*)
あかね 「…………(ポッ☆)」(*・・*)
エリア 「…………(ポッ☆)」(*・・*)
フラン 「…………(ポッ☆)」(*・・*)

アレイ 「どうやら、聞こえてないようですね?」(^_^ゞ
陣九郎 「……だな」(−−;

STEVEN 「ちなみに、誠達の子供達の話の元ネタはここにありますよん♪」