陣九朗のバイト IN Heart to Heart

第13弾



「最近、津岡さん見ませんね」

「ああ、そういやそうだな」

 学校からの帰り道、さくらが何気なくそんなことを言ってきた。
 そういや、ここ一週間ほど陣九朗の顔を見てない気がする。
 特別会いにいかなくても、向こうのバイト中やら何やらで、
顔を合わせる事は多かったんだが。

「? まーくん、あそこにいるのリーナちゃんじゃない?」

 あかねが商店街の酒屋のほうを指差しながらそう言った。
 指差す方に目をやれば、

「だ〜か〜ら〜、あたしは大人なんだってば〜〜!!」

 リーナさんが店の人となにやらもめているようだった。
 そのまま通り過ぎるのもなんなので、俺たちはその酒屋へと近づいていく。

「よ、リーナさ…リーナちゃん」
「こんにちは」
「どうかしたの?」

「あ、誠くん、さくらちゃん、あかねちゃん!」




〜 ある日のお花見 〜




「ありがと〜みんな〜〜☆」

 酒屋から出て来たリーナさんは、一升瓶をひとつと、カップ酒を2つ買っていた。

「おっとっと」

 ふらふら〜〜

「あっとっと」

 ふらふら〜〜

 しかし、一升瓶の重さにふらふらしている。
 まあ、女の子にはやっぱ重いんだろうな。

「リーナちゃん、持ってやるよ」

 リーナさんの返事を待たず、その手から一升瓶の入った袋を取り上げる。

「あ、ありがと〜、やっぱり誠くんは優しいね〜」

 なんて、屈託なく笑いかけてくれる。
 …かわいいかも。

「まーく〜ん?」
「まーく〜ん?」

 …背後でさくらとあかねの声が聞こえた。
 しまった。この二人がいるときに軽率な行動だったか!?

「あはは、誠くんモテモテ〜」

「…リーナちゃん、それ古いって。前に陣九朗にも言ったけど」

 やっぱ、長く生きてると少しづつズレてくるんだろうか?

「誠くん、なんか失礼なこと考えてな〜い?」

「い、いや、べつに。
ところで、なんでリーナちゃんが酒なんか買いに来たんだ?」

 少し引っかかっていたことを聞いてみた。
 さくらとあかねも同じ事を聞きたかったみたいだ。

「あ、そうそう、さっきはありがとね。
酒屋のおじさん、どう言ってもあたしのこと中学生扱いするんだから。
こーんな
ナイスばでぃーなのに、ねえ?」

 いや、ねえって言われても。

 正直、背はそこそこ高いと思うけど体型はさくらといい勝負だと思うし、
何より性格のせいか行動のせいか、見かけよりもかなり幼い印象を受ける。
 ってなわけで、コメントは無し!

「いや、そうじゃなくて…」

「あ、ごめん。えっとね〜、陣ちゃんとチキちゃんがお花見だから買って来いって〜」

 なにやら指をクニクニさせながらそう言った。
 …ま、その行動に特に意味はないんだろう。

「あ、お花見ですか〜…
…あれ? でも、まだお花見には少し早いんじゃないですか?」

「そうだよね、公園の桜もまだ咲いてないし」

「それもそうだな、それに、陣九朗は酒が一滴も飲めなかったんじゃ?」

 前に陣九朗の家で宴会したとき、ルミラさんに飲まされた陣九朗は、
昼過ぎまでぶっ倒れてたらしいからな。
 そのときに飲まされた酒量、わずかお猪口に半分。

「?? なんだかよくわからないけど、お花見は家でやってるよ」

 はて、陣九朗の家に桜なんてあったっけか?

「家でって、じゃあ陣九朗は家にいるのか? 最近姿を見ないと思ってたけど」

「え〜〜っとね、確か今日で一週間かな。お花見が終わるまではお篭りしてるって」

「おこもり? お花見してるのにお篭りって??」

 俺たちはわけがわからず混乱する。

「……ま、とにかく陣九朗の家に行ってみるか。
どっちにせよ、こいつを運ばないといけないしな」

 一升瓶とカバンを持つ手を交換した。結構重いな。

「あ、別にいいよ、ここまでで、みんな忙しいでしょ?」

「いいや、別に今日は用事ないよ。な?」

「はい、それに…」

「久しぶりにチキちゃんにも会いたいしね」

「っていうわけだ、いいだろ?」

「うん、でも、会えるかどうかわからないよ?」

 ??
 リーナさんの言葉に謎を深めつつ、俺たちは陣九朗の家に向かった。



 E  C  M



「たかーい、木にのぼーり、ながめるー街がすーきー♪」

「あこーがーれた場所ーも、ほらねひーとみのなーかー♪」

「しーらーなーいことを、もーっとみーたーいーよ♪」

「きのーおーよりーも、あ、し、たがーーきになるーいまーならーー♪」

「あ、ついたね」

 ずけけけっ

 い、今からさびの部分だったのに…

「? どしたの?」

 家の玄関に荷物を下ろしたリーナさんは、不思議そうな目で俺達三人を見ている。
 不完全燃焼だ。うう、今日の帰りはカラオケに決定。

「いや、なんでもないよ。ところで、あがっていいのか?」

「う〜〜ん、ちょっとまっててね〜」

 そういうと、すたすたと奥のほうに入っていった。

 ……数分後。

 お、リーナさんが戻ってきた。

「ええとね、とりあえず誠くんだけ来てくれる?
あかねちゃんとさくらちゃんは、ちょっと待っててね〜」

「? いっしょじゃだめなのか?」

「…誠くん、二人のことが大事なら、一緒に行かない方がいいと思う」

 少しうつむいた状態から、ぼそぼそといった感じで声を出している。
 なんかやたらと迫力があるようなないような。

「なんか知らんがわかった。じゃ、行ってくる」

 さくらとあかねに声をかけてから、リーナさんにつれられるまま、奥へと進む。

 しばらく歩くと(でかいな、この家)、重そうな扉の前まで来た。

「陣ちゃーん、誠くんが来たよー」

 リーナさんは扉の奥に向かって叫んでいる。

(おう、入ってもらってくれ。それから、頼んでた酒は?)

「うん、ちゃんと買ってきたー。
誠くん、悪いけどこれもってってくれる?
あたしは、さくらちゃんたちを案内するから」

 そう言ってカップ酒の入った袋を俺に渡すと、玄関のほうへ帰っていってしまった。

「え〜と、陣九朗?」

(おう、入ってくれ)

 言われるまま、前の扉を開け(意外に軽かった)、中へと入る。


「……………なにやってんだ、お前?」


 最初に見た感想はただただそれだけだった。

 陣九朗は、体じゅうに鎖(たぶん銀製だろう)を巻きつけ、
部屋の真中に座った状態で縛り付けられていた。

「先に言っとくが、俺には変な趣味はないからな」

「まぁ、そりゃそうだろうが… あ〜〜、何やってんだ、本当に?」

「? リーナから聞いてないのか?」

 陣九朗が意外そうに聞いてきた。

「ああ、なんか花見をするから酒がいるって言うのは聞いたんだけど…」

 どう間違ってみても、これが花見には見えないよな〜。

「あ、そうか、リーナは本当の花見がなんなのか知らなかった」

「本当の花見?
なんだ、花見に嘘も本当もないだろ?」

 俺がそういうと、陣九朗は少し困ったように頭を…掻こうとしたみたいだが、
鎖が邪魔で掻けなかったみたいだ。

「う〜ん、どう言っていいやら。
つまりだな、ここでいう『花見』って言うのは、いわゆる業界用語でな。
本来の公園で桜を見て酒を飲むような花見とは違うんだ」

「へえ。でも業界って…」

「いわゆる俺たちみたいな人外の者、その極一部で使われてる」

 なるほどね。
 実は陣九朗みたいな『人ならざる者』って結構居るみたいだし、
その中でしか使われてない言葉とかがあるのかもな。

「で、実際の意味はなんなんだ?」

 俺が聞くと、なにやら陣九朗は答えにくそうにしている。
 なんだろう? 口に出せないような内容なのか?

「ヒントその一。それは、生き物全てが持ってるものです。
例外があるかもしれんが、俺は知らん」

 
? 生き物全てが持ってるもの…命とか?
 それじゃ答えにならねえな。

「ヒントその2。昔の詩人が、人間はいつでもその状態にある、といってたな、確か」


 ?? 人間が常になってる状態?

「あ〜、でも誠には今ひとつ当てはまらないな」

 
?? 俺には当てはまらない??

「ヒントその3。主に春と秋にあるな」


 ??? 春と秋にある?

「ラストヒント。花見、月見のあとには家族が増えます」

 ………。
 生き物全てにあって、人間はいつでもその状態で春と秋にあって家族が増える?
 ってことは、まさか……、

「発情期か!?」

「ぴんぽんぴんぽん! 大正解!!」

 陣九朗は器用に体をゆすって拍手みたいなことをしている。

「ちなみに、秋にあるのが月見な」

「いや、それはいいんだが、なんで発情期でそんなことになってるんだ?」

 俺は改めて陣九朗のほうを見た。
 面白いくらいにがんじがらめになっている。

「…俺はまだ犯罪者にはなりたくない」

「…は?」

 意味がわからん。

「つまりだ、この状態の俺たちは気が立ちまくってるうえ、
異性を見ると…その…ヤルことしか浮かばなくなってるんだよ。
しかも満月が近いせいで俺の力は格段に上がってるし」

 陣九朗は、真っ赤な顔で絞りだすようにいった。
 こいつ…意外と純情なのか?

「つまり、身近にいるチキさんとリーナさんを…」

「頼む、それ以上言うな。
ただでさえ、チキも『花見』になってていつもの数十倍は魅力的だってのに」

 ナニかを耐えるように、陣九朗はうずくまる。

「しかし、チキをこんなところに閉じ込めるわけにはいかないだろ?
だからチキは部屋に居てもらって、俺はここで花見が過ぎるのを待ってるわけだ」

「は〜、なるほどね〜。
じゃあ、これはどうするんだ?」

 俺は持ってきたカップ酒を取り出す。

「そりゃ、俺が飲むんだよ」

「? でもお前、酒飲めないんじゃ?」

 陣九朗は『ちっちっちっ』ってな感じで体を揺らすと(かなり間抜けだが)、

「だからだよ。俺が酒を一口飲むと半日は寝込む!
つまり、一気にカップ一杯分飲めば少なくとも3日は夢の中だ。
正直、一日中、ここでこうしてるのはヒマなんでな。
しかも花見のせいで体は興奮状態にあるから寝るにも寝れねえし」

「で、どうやって飲む気だ?
そんながんじがらめの状態で」

 
ひきっ

 やっぱ、考えてなかったか。
 拍手も出来ない状態で酒のカップが持てるわけないもんな。

「…すまん誠、飲ませてくれ」

「はいはい」

 カップ酒の蓋を開けつつ、ふと気が付いた。

「なあ、陣九朗。そういえば誰がお前をくくりつけたんだ?」

「ああ、それならアレイさんだ。
俺より先にチキが花見に入ったんで、リーナに頼もうとしたんだが上手くいかなくてな。
急遽アレイさんに頼んだ。
ちなみにそのときには、俺はまだ花見に入ってなかったからな。 
入ってたらとても頼めん」

「…なんて言って頼んだんだ?」

「え〜と、
『すまんが、俺を縛り付けといてくれ』だったかな?
そういや、なんか引いてたみたいだったけど」

 陣九朗、そりゃ絶対、誤解されてるよ。
 あとで誤解は解いておいてやろう。

「はあ、それじゃ飲ませるぞ。もう言い残すことはないか?」

「なんか死んでくみたいな言い方だな。
…そうだな、誠に限ってそんなことはないと思うが…」

「ん、なんだ?」

「当然、今、チキも花見の状態なんだが…今、チキの部屋に入ったら……
殺すぞ?

 
ぞくぅ!!!

 陣九朗は今まで見たことがない、めちゃくちゃ凶悪な目つきで俺をにらんできやがった。
 ある程度、さくらたちに『にらまれ馴れ』してる俺でも、今のはびびった。
 気が立っている、って言ってたもんな、さっき。

「だ、大丈夫、チキさんの部屋には近づかない」

「そうか♪ んじゃ、悪いがそういうことで♪」

 俺の手からカップの端を口に咥えると、逆さにして中身を器用に飲み干していく。
 やがて、全部のみほすと、

「ふぅ、…じゃ、あとはよろしく」

 ばたんQ

 それだけ言い残し、ぶっ倒れてしまった。

「………帰ろ」

 俺は、眠った陣九朗をあとに、その部屋を出た。
 廊下を歩き、玄関のほうへ向かう。

「あれ? そういえば…」

 リーナさんはカップ酒と一升瓶の酒を買っていたはずだ。
 一升瓶のほうは俺が持ってきたんだから間違いない。
 しかし、陣九朗の所に持っていったのはカップ酒のみ。

 それじゃ、一升瓶のほうは?

「……あれ? 藤井さんじゃないですか」

「!? チキさん?」

 俺の前方、玄関の手前にチキさんがフラフラとした足取り現れた。
 ……片手に一升瓶を持ちながら。
 陣九朗はいつもの数十倍魅力的だといってたが、俺が見る限りは普通だが…
 陣九朗たちにしかわからない何かがあるのかも。

「ちょうどよかった。
ちょ〜〜っと聞きたいことがあるんですよ」

 そういいながら、ゆっくりとにじり寄ってくる。
 な、なんかやばい。発情期とは別のヤバさを感じる!

「ち、チキさん? さくらとあかね知りませんか?」

 俺は先手必勝とばかりに話題を振った。
 これでチキさんの気がそれてくれればいいんだが。

「ええ、
さくらさんとあかねさんなら、私の部屋で眠ってますよ。
リーナさんと仲良く、ね


 チキさんは、笑みを浮かべながらそういった。
 その笑みは、さくらが何かをたくらんだ時の笑みに似ていた。

「さ、そんなことより…」

 なおもチキさんは近づいてくる。
 もう息が感じられるほどの距離に来たとき、

「…陣九朗さんはどこです?」

 そう言って俺の胸倉をつかんできた。
 …目が据わってる。
 しかも、すごく酒臭い。見ると、一升瓶はすでに空っぽだった。
 いや、よく見ると底の方に何かの木の実のようなものがたまっている。
 結構大量に。

「藤井さ〜ん、聞いてますかぁ〜?」

「はい、聞いてます聞いてます。
えっと、陣九朗は……」

 さすがに言うわけにはいかないよな〜。
 でも、言わないとなんか酷い目にあいそうだし。
 しかし、言ったら、陣九朗が目覚めたときに…。

 どっちにしても、無事にはすまないんじゃ…
 ……でも、仕方ない。

「陣九朗は、ここをまっすぐ行った角の扉の奥です」

 とりあえずは目先の要素を排除しないと。
 ほら、
『酔っ払いには逆らうな』って昔の人も言ってるし。
 うん、俺は悪くないよな。

「そうですか、奥ですか…、
うふ、うふふふふ、陣九朗様、待っててくださいねぇ〜〜」

 なにやら怪しく笑いながらフラフラと歩いていく。

 さて、こうしちゃいられない!
 チキさんが出て来た部屋に行き、扉を開ける。

「さくら、あかね、リーナさん、起きて!!」

「あ、あれ?」
「まーくん?」
「う、うみゅ? 誠くん?」

 よかった、簡単に起きてくれた。

「リーナちゃん、チキさんが陣九朗のところへ!」

「えぇ! な、なんで!?
だめだよ、陣ちゃんに絶対近づけるなって言われてるんだから!」

 そう叫びながら、リーナさんは部屋を飛び出していった。
 やがて……、

 
ゴキン!

 遠くでかなり鈍い音がしたかと思うと、

「誠くーん、ちょっと手伝ってー!」

 と、俺を呼ぶ声が聞こえた。
 声のしたほうに行くと、チキさんがうつぶせに倒れこんでいた。
 チキさんの周りに散らばっているのは…

「これ、せんべいか?」

「うん、手ごろなものがなかったんで、思わず」

 そういいながら、何かを殴り倒すジェスチャーをするリーナさん。
 …たぶん、それをさっき実践したんだろうな。

「リーナちゃん、結構容赦ないね」

「うわ、こぶになってませんか?」

 後からきた二人も、あまりの光景に目を丸くしている。

「ま、まあ、緊急処置って事で。
誠くん、悪いけどチキちゃん運んでくれない?
あたしじゃ重くて担げないんだ」

「そりゃいいけど」

「だめ!」
「チキちゃんは私たちが運びます!」

 俺が担ごうとする前に、あかねとさくらが名乗り出た。

「いや、俺が担いで行くよ、チキさんが軽いっていっても、二人には重いだろ?」

「あはは〜、誠くん、鈍いね〜。
二人は誠くんに、自分達以外の女の子に触って欲しくないんだよね〜」 

「…そうなのか、二人とも?」

「……(ぽっ☆)」
「うん……(ぽっ☆)」

 どうやらそういうことらしい。
 わかってるんなら、はじめから二人に頼めばいいのに。
 いや、俺のことを考えての行動…かな?

「じゃあ、チキさんはさくら達3人に任せて…リーナちゃんも手伝ってくれな。
俺はこれを片づけることにする」

 そういいながら、足元のせんべいを拾い上げる。

「うん、じゃ、おねがいね〜〜」

 そういいながら、リーナさん、あかね、さくらの3人はチキさんを抱えていった。

 さて、片づけるか。
 俺は足元のせんべいを拾い上げ始めた。

 結構大きな破片に割れてたので、時間もかからず拾い集めることが出来た。
 細かな破片はあとで掃除機でやってもらおう。

 よし、じゃあさくら達のところに戻るか。




 それから俺たちは、リーナさんと少し世間話などをしてから、帰ることにした。

「それじゃ、おじゃましました」

「いえいえ、なんか面倒かけちゃって、ごめんね〜〜」

 リーナさんは、少し困ったような顔をしてそう言った。

「別に気にしてないよ。それじゃ、またくるぜ」

「あ、誠くん。ちょっと」

「? なんだ?」

「うん、あたしのことだけど、誠くんの呼びたいように呼んでくれていいよ。
なんだか『リーナちゃん』って言いにくそうだからね〜」

 ……、

「ま、考えとく」

「それじゃ、チキさんと陣九朗さんによろしく」

「リーナちゃん、またね!」

「うん、じゃあね〜〜〜」


 …はぁ、陣九朗も大変なんだな。


おしまい。






















おまけ。

『誠がせんべいを片づけている時に気が付いたこととは?』

 …拾ってる途中で気が付いたんだが、このせんべい、やたらと硬くないか?
 ためしに一番大きな破片を二つに割ってみる。

「………ぐっ!!」

 割れない。かなり力入れてるぞ?

「あ、誠くん、そのせんべい、普通の力じゃ割れないよ〜。
『硬煎』っていって、戦国時代には忍者の非常食になったり、
手裏剣の代わりにもなったぐらい硬いおせんべいだから。
口の中で唾液でやわらかくしてからじゃないと、とても食べられないよ〜〜」

 チキさんの部屋から顔だけ出して、リーナさんがそういった。

 リーナさん、あんたはそのせんべいでチキさんを殴ったのか?
 チキさん…生きてるかな。



おまけ2 今日のデュラル家。

「…なあ、アレイ、最近、たまのやつ、なんかおかしくないか?」

「そうですねえ。なんだかそわそわして落ち着かないといいますか…」

「…にゃふ〜〜」

「かとおもえば、なぜか恍惚とした表情で遠くを見ていることもありますし」

「あら? なにしてんの、あんた達?」

「あ、メイフィアさん、最近たまさんの様子がおかしくないですか?」

「ああ、そりゃお花見に入ってるからだね」

「花見? なんだそりゃ?」

「えっと、獣人達にある、いわゆる発情期のことよ。
そういえば、ここ最近陣九朗を見かけないけど、
お花見に入ってるんじゃ…って、アレイ、どこ行くの?」

「えっ!? いや、その…」

「………ちゃんと避妊はしなさいよ」

「ち、ちがいます!」

「なにがだ?」

「あ〜、いいのいいの、お子様なイビルにはわからないことだから」

「なんかむかつく言い方だな、おい。
あれ、そういやたまもいなくなってんぞ? どこいった?」

「さあ? (実は、アレイのカバンの中だったりするんだけど)」


(……既成事実だけでも…うふふふふ)(うにゃ〜)


 このあとのアレイの策略は、たまのおかげで失敗することになるが、
 具体的なことは各自で想像(創造?)してください。つーか、実況できません。




おしまいだってば。





後書き

う〜ん、なんだかねぇ。
もうちょっと短くする努力をしないといけませんね〜〜。反省。
最近、自分の中のアレイが壊れていってます。誰か、タすケテ…ウケケ。(受信中)

(了)


<コメント>

誠 「陣九郎の発情期か〜……ま、ようするに浩之モードってわけだ」(−−ゞ
陣九郎 「まあ、そんなトコだな」(^_^ゞ
浩之 「ちょっと待ていっ! それじゃあ、俺が万年発情期みたいじゃねーかっ!」(−−メ
誠 「……違うのか?」(¬¬)
浩之 「ぬう……否定できないところがつらい」(−−ゞ
陣九郎 「お、お前って奴は……」(−−;
誠 「あーあ……あかりさんも大変だな〜」(^_^ゞ
陣九郎 「……体、もつのか?」(−−;
浩之 「うぐぐ……好き勝手言いやがって……」(−−メ
誠 「あー、わかったわかった。じゃあ、柳川モードってことで」(−o−)
陣九郎 「それはどっちかと言うと、ランクダウンたな」(^o^)
浩之 「俺はエルクゥ以上かいっ!!」Σ( ̄□ ̄)