陣九朗のバイト IN Heart
to Heart
第12弾
「ヤシの木陰でどんじゃらほい☆ 太陽〜がサンサン七拍子〜〜〜♪」
…なんかリーナが妙な歌を歌ってるのが聞こえる。
それ以外は、おおむね平和な昼下がりの午後。
「アナコン〜ダでなわ〜とび〜〜 おなか〜がすいたら、え〜っさえ〜っさエサ探せっせ!」
なんちゅう奇天烈な歌だ。
リーナのやつ、どこで覚えてきたんだ? 『気分はパ○ワ晴れ』なんて…、
「陣九朗さん、お客様ですよ」
チキが部屋の扉を少し開け、玄関のほうとこちらとを交互に見ている。
なんか、最近客が多いな?
「わかった、すぐ行く。
ところで、誰が来てるんだ?」
言いながら部屋を出て、そのまま玄関へ眼を向ける。
「…あれ? 綾香じゃないか」
〜 ある日のダブル 〜
「…で、なんの用だ?」
とりあえず綾香をリビングにあげ、事情を聞くことにした。
来た当初、かなり取り乱していた綾香は、
チキが入れたハーブティーでのどを潤すと、少し落ち着きを取り戻した。
チキのことだから、そういう効果のあるハーブを使ってくれたんだろう。
「実は…姉さんが……」
少し話が長くなったので要約して説明しよう。
芹香さんが放課後(今日は昼で終わりなんだと)学校の部室で、
いつものように魔術の研究(汗)をしていたところ、
何かの手違いで魔物を召喚してしまったらしい。
結果、不意をつかれた芹香さんは強制的に眠らされ、いまも目覚めていないらしい。
さらに、様子を見に来た浩之もやられたらしい。
面倒なことに、その魔物は今現在、行方がわかっていない。
「つまり、綾香は俺たちにその魔物を見つけてくれと?」
「まぁ、そういうことね。
姉さんと違って、私はそういうのに詳しくないし、
かといって、このまま魔物を放っておいたら、姉さん達は…」
…なんかの魔術で眠らせたんなら術者本人に解かせないとだめだからな。
強制解除する方法も無いことはないが、危険が伴ったり大掛かりだったりするし。
「ひとつ聞いていいか、なんで俺なんだ?」
「どういうこと?」
「別に俺じゃなくても、それこそ芳晴とかの専門家がいるじゃんか。
それなのに、なんで俺なんだ?」
「…実は、セリオが頼みにいったんだけどちょっと取り込み中だったらしくて」
…またコリンがなんかやったのかな?
初めて会ったときも、俺のこと『悪の魔物』扱いして芳晴をけしかけてきたからな。
エビルさんが誤解を解いてくれるのが遅かったら、どっちかが怪我してたぞ。
おっと、今はそんなことはどうでもいい。
「なるほど、じゃあルミラさん達は?
なんか以前、バイト代を出して雇ったこともあるそうだが?」
ここらあたりは、メイフィアさんに聞いた話である。
「みんなつかまらなくて…、
何よ、そんなに手伝うのがいやなわけ!?」
痺れを切らした綾香が、席から立ち上がり俺に食って掛かる。
「そういうわけじゃないが、人手は多いほうがいいだろう?
しかし探すにしても、それがどんな魔物なのかわからないことにはな…」
俺がそういうと、綾香はカバンから一冊の本を取り出した。
どうやら魔術書らしい。
「部室に落ちてた本よ、しおりをはさんだページが開いてた。
それと私、部室に入ったとき一瞬だけど、その魔物の姿見てるのよ」
綾香から受け取った本の、しおりがはさんであるページを開く。
……むぅ、これは…難しくてわからん(泣)
「おーい、リーナ。ちょっと来てくれ、チキもちょっと」
庭にいるリーナと、キッチンにいるチキを呼ぶ。
「リーナ、ここに描いてある術式だと、どういう魔物が召喚されるかわかるか?」
「うん、え〜〜〜っと、これだと低級の子悪魔が呼ばれると思うよ」
「あら? でもここに書いてある方法だと、性質が変わってきますが?」
本を覗き込んでいる二人から、大体の予想が聞きだせる。
どうやら、その魔術書自体が誤植モノらしい。
「綾香が見た魔物ってどんなかっこうしてた?」
「ええと、一瞬しか見てないんだけど、なんだか浩之みたいだった」
なるほど、これでわかった。
「呼び出されたのは、『ダブル』の一種だな」
「ダブル? なに、それ?」
聞きなれない言葉に(言葉自体はよく聞くが)綾香が首をかしげる。
「ダブル、一般的にはドッペルゲンガーと呼ばれますね」
「そうそう、ちなみに、ドッペルゲンガーっていうのはドイツ語で「二重に出歩くもの」って意味だね。
簡単にダブル(Double-分身、複体)って言うこともあるけど。
名前のとおりダブルは自分とまったく同じ姿をしてるんだよ。
そんで、ダブルを見た人は、そのショックで心臓麻痺で死んじゃうか、だんだん衰弱して…」
「し、死ぬ? 姉さんと…浩之が……」
リーナの言葉に、綾香の体がぐらっと揺れる。
「おっと、しっかりしろ綾香、今回はちょっと毛色が違う。
リーナも! そういうことを軽々しく口にしない!!」
「うみゅ、ごめんなさい」
まぁ、リーナのことだから親切心で説明したんだろうけど。
「チキ、リーナ、改めて説明頼む」
「はい。今回芹香さんが呼ばれた者は、ダブルの中でも少し特殊でして」
「そうなんだよね。
あの術式を間違えることなく実行したとしたら、人によって見える姿が違ってくるんだよ」
「? だから、自分と同じ姿になるんじゃないの?」
「ちがうんだよ。その人の心を読み取って、
『自分がもっとも親しい人、または、もっとも好意をよせている人』の姿になるんだ。
だから、綾香ちゃんには浩之くんの姿に見えたんだね」
リーナの言葉に、少し考えてた綾香だったが、その意味に気が付き、みるみる顔を赤くする。
結構可愛い所あるな、こいつ。
「あ、ひとつだけ例外があります。
親しい人がいる場合でも、それ以上に心に残る存在があれば、ダブルはその姿になります。
それと、ダブルにあったら絶対に手に触らないようにしてください。
目をあわすのもなるべく避けてください。付け込まれますので」
チキが説明の補足をする。
とにかく、相手がわかった以上さっさと捕まえないとまずい。
「それで綾香、ダブルが逃げた方向に心当たりはないのか?」
「あ、陣ちゃん、たぶんあかりちゃんの所だよ。
最後に犠牲になった浩之ちゃんの思考を読んでるだろうから」
「ってことはなにか?
さっさと捕まえないと連鎖的に被害が広まるってことか?」
「陣九朗、それってまずくない?」
言われんでも十分まずい。
「チキとリーナはここで待機。
綾香は芹香さんと浩之をここにつれてきてくれ。
結界でも張って衰弱するのを防御する」
それだけ言うと俺はバイクを出し、あかりさんの家に向かった。
E C M
「……なんてこった」
俺があかりさんの家についた時には、すでに手遅れだった。
玄関を開けた所で、あかりさんが倒れている。
ついでに、遊びにきていたらしい志保も倒れていた。
「…そういえば、ひかりさんは」
そう思い、玄関を見渡す。
ひかりさんが普段どんな靴を履いてるのかはわからないが、少なくとも今はいないらしい。
だって、玄関先においてあるコルクボードに、
『あかりんへ、ちょっと出かけてきまぁす(はあと)』と書かれた紙が張ってあるし。
…なに考えてんだ、あの人は。
しかし…困った。
これじゃあダブルがどこに行ったかわからん。
二人とも少なからず(あかりさんに至っては多いに)浩之に好意をもっていることは知ってるが、
肝心の浩之はもう対象外。
ってことは、この二人の親しい人ってことになるんだが…、
ぶろろろろろろ ききききぃぃぃぃぃぃぃ!!!!
がちゃ、ばたん!
「陣九朗! いる!?」
表に出てみると、黒塗りのリムジンから出てきた綾香がこちらに走ってくる途中だった。
「どうした綾香? なんかあったのか?」
「出たのよ! ダブルが!!
姉さん達を引き取りに学校の保健室に行ってたんだけど、そこに保科さんもいて…」
言いつつ、俺の背後に眼を向ける。
正確には、俺の後ろで倒れている二人に。
「間に合わなかったのね」
「ああ、面目ない。
しかし、居場所がわかった以上こうしちゃいられん。
すぐに学校のほうに向かう、すまんがこの二人を頼む」
二人をリムジンに乗せ見送ると、今度は誠たちの学校へと向かう。
E C M
…さて、学校にきたのはいいが、どこから探して行こうか。
それでなくても、俺は部外者だからあまりおおっぴらに歩くわけにもいかないし。
「あれ? 津岡さんじゃないですか」
名前を呼ばれ、あたりを見渡すと、松原さんが近づいてくるのが見えた。
「どうしたんですか、誰かに御用ですか?」
俺は松原さんにことのいきさつを掻い摘んで話した。
「じゃ、じゃあ、さっき見た藤田先輩は…」
さっき? 浩之は今家にいるはずだ。
と、いうことは、
「松原さん、どこで見たんだ!?」
「はい、先ほど第一校舎、あ、あの校舎なんですが、
そこの二階で藤田先輩がいるのを見かけました。
琴音ちゃんと話をしてたみたいですが」
「…やられたな。姫川さんもダウンか。
とにかく俺はダブルを探しに行く。松原さんも気をつけて!!」
俺は松原さんに教えてもらった校舎から重点的に探すことにした。
「…あ、そうだ、藤井さんたちにも教えておいたほうが良いですよね。
まだ教室にいたはずですし」
「…葵ちゃん、どうしたの?」
「琴音ちゃん! よかった、ダブルっていうのに襲われたのかと思った」
「…うん、ダブルになら、さっき会ったよ」
「え、でも…………!!」
突然の脱力感と睡魔に、声もあげることも出来ずに倒れる葵。
「………ふふふ、次は…」
E C M
「だぁ! 見つからん!!」
全然見つからん。
それどころか、完全に後手にまわっている。
校舎二階では姫川さん、同廊下で雛山さん、弓道場では宮内さんが倒れていた。
さらにさっき松原さんが保健室に連れて行かれるのが見えた。
いずれもダブルに襲われたと思われる。
「ちくしょう、さっさと出てきやがれ」
「…なに叫んでんだ、陣九朗?」
突然横の教室の扉が開き、誠が出てきた。
「っていうか、何でお前がここにいるんだ?」
「おう、誠。何だ、まだ学校にいたのか。
てっきり今ごろ家で飯食ってるもんだと思ってたんだが」
誠は少しうつむき、
「いや、なんかしらんが女子が今日、調理実習だったらしくて、
今、調理室で料理を作ってるんだよ。
授業自体はとうに終わって、いるのはさくらたちだけどな」
なるほど、学校で彼女の手料理が味わえるとは…、
そこらの男子生徒が聞いたら血涙流しそうだな。
「待てよ、ってことは調理室には…」
「? 今はさくらとあかね、それとこっそりエリアも来てるが」
「まずい! 今までの流れだと、絶対狙われる!」
俺は誠に調理室の場所を聞き、そこへの移動中に掻い摘んで事のいきさつを話した。
「なに!? それじゃあさくらたちは!」
「急げ、誠!」
「おう! みんな、無事でいてくれ!」
調理室にたどり着いた俺たちは、走ってきた勢いのまま扉を開け、中に駆け込んだ。
「みんな、無事か!?」
「きゃっ、まーくん?」
「まーくん、どうかしたんですか?」
「誠さん?」
…俺にもあかねちゃん、さくらちゃん、エリアさんに見えるってことは、三人とも本物だな。
「よ、よかった〜」
へなへなと腰をつく誠。
ここまで全力疾走だったし、安心して気が抜けたんだろう。
俺は『?顔』の三人に、今日何回目かの事のいきさつを話した。
「ともかく、無事でよかった。
さて、それじゃ俺はこのあたりを探すことにするわ。
どうやら、襲われたメンバーを見るとかなり限られた交友範囲内だからな。
いずれここにもくるだろう」
「わかった。俺たちはここに一緒にいることにするぜ」
それがいいな。
一緒にいれば何とかなるだろう。
「…そうだ、一応用心のためにこれを渡しておく」
そう言って俺は、ポケットから銀のナイフの形をしたキーホルダーを取り出し、誠に渡した。
「これは?」
「ルーンナイフだ。そいつを相手の影に向かって投げつけろ。
どんな投げ方しても、影にさえ当たれば突き刺さる。
ただし、効果は動きを止めるだけなんで、使ったらすぐに逃げるか俺を呼べ」
簡単な説明だけすると、俺は調理室をあとにした。
……しばらくダブルを探してあたりをうろつく。
そういえば…俺には誰に見えるんだろう。
妥当なところでチキかリーナかな。
最近親しいってったら、バイトで一緒のことが多いアレイさんか。
いや、誠って可能性もあるな。
まさか…アイツなんて事は…ないよな。
「…陣九朗?」
………………
一瞬、時が止まった。
そこには、たった今、否定した人が立っていた。
「…ちがう。アイツはもう死んだんだ。
アイツがここにいるはずはない」
頭を降り、自分の中からその姿を追い出そうと抵抗する。
「陣九朗、どうしたの? つらいことでもあったの?」
生きてたころのアイツと、まったく同じ姿、同じ声でささやきかけてくる。
「違う! お前は!」
思わず獣の力を解放しながら叫ぶ。
獣化した爪が鈍く光る。
「……また、殺すの? 私を…」
違う。お前はアイツじゃない。違う、違うんだ。
「また、殺すんだね。あの時みたいに。
その爪で…私の心臓を」
「やめろ」
「どうしたの? 陣九朗がやったんだよ」
「やめろ、あの時はそうするしかなかったんだ!」
「…本当にそう思ってるの?
本当に、私を殺すことしか…方法がなかったと」
俺は金縛りにあったように動けない。
ダブルは心を読むだけあり、俺の負い目を的確についてくる。
「さあ、もう楽になっていいよ。
私がずっと…そばにいてあげるから」
ダブルの手が目の前に迫るが、俺は動くことが出来ない。
…もう、だめか。覚悟をきめ、目を閉じる。
シュカッ!
「なにやってんだ、陣九朗!」
「陣九朗さん! しっかりしてください!!」
目を開けると、ダブルの影にさっき誠に渡したルーンナイフが刺さっている。
「陣九朗さん!」
声に目をやると、チキが泣きそうな顔で立っていた。
「あれ、何でここに…」
俺が無事なのを確認したチキは、潤んだ目をこすってから手を見せた。
そこには、前に渡した俺特製の指輪が輝いていた。
「これのおかげです。
これが陣九朗さんが苦しんでいるのを教えてくれまして、
リーナさんにここまで転送してもらいました」
「驚いたぜ、陣九朗の叫び声が聞こえたと思ったら、
いきなりチキさんが現れたんだからな」
そうか、またチキに迷惑かけちまったな。
「ありがとう、チキ。
誠も、さんきゅな。おかげで助かった」
「まったく、用心で渡されたもんを本人のために使うとはな」
誠が軽く笑って皮肉を言ってくる。
むう、返す言葉もない。
「陣九朗さん、下がってください。ダブルを浄化します!」
そう言ってチキがかまえる。
『天地理念を歪めし御霊、穢れし存在よ、
この世の摂理に習い、退去せよ、汝の居場所、ここにあらず!!』
動きの止まっているダブルを中心に、まばゆい魔法陣が描かれていく。
「やれやれ、これで一安心か」
誠が安心したように息をつく。
「…いや、なんか様子がおかしい」
チキの描いた魔法陣が、ゆらゆらと揺らいでいる。
「…じ、陣九朗さぁん、相手の力が大きすぎて上手く作動しません」
犠牲者の分だけ力をつけたであろうダブルは、チキの浄化術の力をオーバーしていたようだ。
「わかった、浄化術じゃなくて、能力封印に切り替えてくれ」
「は、はい、わかりました!」
言われてチキがかまえなおす。
『汝、もっとも愚劣なる者よ、
汝の心に堕落を、体には眠りを、
汝がもてる力、全て働くことかなわず』
先ほどとは別の魔法陣がダブルを包む。
やがて、その姿はうつろな影になる。
「もういいぞ、チキ。後は俺がやる」
俺はふたたびダブルの前に立つ。
「…ヨウ、オシカッタナァ」
「…なにがだ?」
「サッキ、アノママネムッテイレバ、ザイアクカンニナヤムコトモナク、シンデユケタノニナァ」
影がゆらりと揺れ、俺には笑っているように見えた。
「何か勘違いしてるみたいだな?」
「…ナンダト?」
「俺は、あの事に関して罪悪感なんか持っちゃいない。
あれはお互いに望んだ結果だ」
「ハタシテ、ソウカナ?」
「……あいつは最後に笑ってくれた。
今の俺には、それで十分だ」
俺は爪に気を込め、目の前の影を切り裂いた。
ダブルは、声をあげることもなく掻き消えていく。
(許せないのは…俺自身だけだよ。まったく、未練がましい)
「…今度こそ、終わりか?」
事の流れを見ていた誠が、組んでいた腕を解きながら言った。
「ああ、終わった。
眠っていたみんなも目覚めただろう」
「陣九朗」
「ん? なんだ誠?」
「さっき言ってたアイツっていうのは…」
「悪ぃ、今はまだ…」
「……そうか」
「ああ、…さて、帰るとするか!」
気を取り直し、チキに声をかけた。
「はいですみゃ!」
俺の足元でしゅたっと手をあげるチキ。
動きの止まる俺と誠。
「……………擬態解けてるーーーー!!!!」
その後……、
「うみゅ〜〜!!! かわいいよぉ〜〜〜!!!!!」
「うみゃみゃ、リーナしゃん落ち着いてくださいぃ〜」
魔力が戻るまでの間、チキはリーナに抱き付かれまくってたのでした。
元に戻ったら、いろいろとお礼をしてやるからな、チキ。
おしまい
なぜかある、おまけ
事件後の誠家。
陣九朗とリーナがフランの注いだお茶を頂いている。
「ところで誠、お前には誰の姿に見えてたんだ?」
「…それが、最初から最後まであの影みたいな姿に見えてたんだけど」
「へぇ、さすがは誠くんだね〜!」
「リーナさん、どういうことだ?」
「…………(ぷぅ)」
どうやら怒っているようだ。
「リ、リーナちゃん、どういうこと?」
「うん! あのね、誰の姿にも見えなかったってことは、
知り合いが一人もいないさみし〜〜い人か、みんなを同じぐらい大好きな人なんだよ」
「ほう。って事は誠は、みんな平等に愛してるってわけだ」
「な、なんか改めてそう言われると照れるな」
「まーくん(ぽっ☆)」
「まーくん(ぽっ☆)」
「誠さん(ぽっ☆)」
「誠様(ぽっ☆)」
おまけ2 ある日のデュラル家
2月も終わろうとしているある日の出来事。
「ルミラさま〜、なにゆえ隆山まで行かなければいけないのですか?
それにこの大量の豆は…」
「なに言ってるのよアレイ! もうすぐ節分じゃない!!」
「? いってることがよくわからないのですが?」
「鈍いわね。節分といえば鬼! 鬼といえば隆山の…」
「ま、まさかルミラ様? 千鶴さんたちに…」
「そう! 柏木家のみんなにこの豆を買ってもらえば、今月分の借金は安心よ!」
「あ、なんだ、買ってもらうんですか」
「そうよ、なんだと思ったの?」
「……えへっ☆」
「…………千鶴さんに料理、作ってもらう? アレイだけ」
「すいません、申し訳ありません、謝りますので勘弁してください」
(それにしても、鬼に豆を売りつけに行くか、普通?)
(それを言えば、ルミラ様も鬼の属性持ってるにゃりん)
「イビル、たま、あんたたちも千鶴さんに特製料理、作ってもらおうね☆」
「「ルミラ様〜〜」」
「やれやれ、進歩のない子達だこと。
ところでルミラ様、節分というのは3月3日ではなく2月3日なのでは?」
…ぴきっ
「あらら、ルミラ様はともかく、アレイもイビルも、たままで固まっちゃった。
みんな、本気で間違えてたみたいね」
メイフィアの一人勝ちでした。
おしまい
後書き
はいはい、みんなお元気ですか?
今回の後書きは、ちょっと補足にまわしたいと思います。
「こんなことせず、新しい設定資料集作れ」って話なんですがね。
チキの指輪について
前回出てきた指輪。陣九朗がめちゃくちゃ気合入れて作った物です。
これには陣九朗お手製の魔術文字(ルーン)がわからないようにこめられています。
具体的な能力をいうと、
『持ち主(チキ)と陣九朗との間で、簡単な意思疎通が出来る』
『持ち主をある程度物理的にも魔術的にもガードする(全属性ガード)』
『意識的に使うことで、お互いの位置がわかる』
っと、この3つですね。
簡単な意思疎通は、『うれしい』とか『悲しい』とかがなんとなくわかる程度です。
しかも、陣九朗が意識的に心を閉ざしてる間は作動しません。
リーナとアレイにも指輪を渡したようですが、
これも同じ魔術文字が込めらているのかというと、実は3つとも別の魔術文字がこめられてます。
何かはまだ秘密(実はまだ考えてないだけという説もあるが、そんなことは無きにしも非ず)。
いえ、考えてますよ。
あの能力について(笑)
陣九朗はスリッパ、チキははたきが出せるのは周知の事実。
ではリーナは? 答えは『せんべい』です。
しかぁし! 突っ込みの道具として使うのではなく、某K○Fのシイ・ケ○スウのように、
食料として出すか、突っ込み防御の壁として出すことしか出来ません。
しかも、ボケのサガとして、防御に使うこともあまりなかったりします。
このあたりは、そのうち書こうと思ってたんですが、機会がなくて(泣き)。
ちなみに、出すせんべいの種類は問いません。せんべいなら何でも出せます。
アイツについて
今回出て来た『アイツ』。
まあ、具体的に出てきたのは今回がはじめてかもしれませんが…
『パーティー』のラストと、『おしゃけ・後編』のメイフィアに語った内容。
それと今回の『アイツ』はすべて同一人物です。
その正体とは…それは秘密です☆
って言うのは冗談で、たびたび出る『本編』のキャラです。
ばれてることだけいうと、陣九朗の初恋の相手であり、どうやら中国にいたらしい。
そして、陣九朗が… おっと、これくらいですかね。
もし私がHPを立ち上げれば、そこらあたりもはっきりしてくるんでしょうが…、
いかんせん、あと1年は先になりそうです。
…と、こんなもんでしょうか?
まだ何かわからないことがあれば、私宛にメールで送ってください。
頂いたメールには返事確実…にしたいなぁっと。いや、します。
ではでは、また会う日まで…
追伸 おまけ2は私と友人Aの実体験だったりします。
(了)
<コメント>
誠 「いや〜、今回は大変だったなぁ〜」(−−;
誠 「そうだなぁ〜…………って、なぬっ!?」\(@〇@)/
浩之 「ま、誠が二人?!」Σ(@〇@)
陣九郎 「ま、まさか……ダブルの奴、まだ生きてやがったのか?」Σ(@〇@)
誠 「て、てめぇ!! 正体を現しやがれっ!!」
誠 「そっちこそ、潔く正体を見せろっ!!」
綾香 「困ったわね……全然見分けが……」(−−ゞ
さくら 「ニセモノは……」
あかね 「……こっちっ!!」
がいんっ!! ごすっ!!
ダブル 「グフッ……バ、バカナ……」Σ(@〇@)
エリア 「確かに……姿形はそっくりですけどね……」(−o−)
さくら 「わたし達には一目瞭然です」(−o−)
ダブル 「ソ、ソンナ……ナゼ……?」(T△T?
さくら 「それは……」(*^_^*)
あかね 「もちろん……」\(*^▽^*)/
エリア 「私達の……」(*・・*)
さくら・あかね・エリア 「「「愛の力ですっ!!!」」」\(*^▽^*)/\(*^▽^*)/\(*^▽^*)/
ダブル 「ンナ、リフジンナ……」<(T△T)>
エリア 「トドメです!! 潔く魔界へ帰りなさいっ!!
全ての力の源よっ! 尽きる事無き、蒼き炎よっ!
我が魂の内に眠りしその力っ! 無限より来たりて裁きを今ここにっ!!
――『崩霊裂(ラ・ティルト)』っ!!!」
どっかぁぁぁぁぁぁぁーーーーーんっ!!
ダブル 「ギャアーーーーーーーーッ!!」<(@△@)>
さくら 「――はい♪ 一件落着ですね♪」(^ー^)v
あかね 「びくとりぃ〜♪」(^▽^)v
綾香 「あんたら……相変わらず、誠が絡むと無敵ね」(^_^ゞ