キミと歩く季節
ジリリリリリリリリリリリリリ…………
……今日もまた一日が始まる、だが!!
「だりゃぁぁぁ!」
バシッ
……これで俺の情眠を邪魔するものはいない。
「じゃ、オヤスミー」
「オヤスミー、じゃないよ!」
がばぁ!
ものすごい風圧とともにマイふとんが剥ぎ取られる。
「寒いじゃないか長森」
「浩平が起きないから悪いんだよ!」
「落ち着け長森」
「落ち着いている場合じゃないんだよ!?」
「まあ待て、こんなときこそ熱いお茶を飲みながら
じっくり腰を据えて話し合うべきだと思うのだが…」
「だからそんな余裕なんて無いんだってば!
時計見てよ!!」
長森に言われ時計を見る。
……とんでもない時間だった
「何でこんな時間なんだ−!」
「だからさっきから言ってるでしょ!」
「屁理屈をこねるな!」
「屁理屈なんてこねてないもん!」
「ぐるるるるる」(浩平)
「うぅ〜〜」(瑞佳)
「シャギャ――!」(浩平)
「フゥ〜〜!」(瑞佳)
「って遅刻一歩手前なのに威嚇し合っている場合じゃないよ! ほら浩平、早く準備して」
長森はそう言って俺に着替えを投げ渡す。
「長森ぃ……お母さんに人のものは大事にしろって…」
俺がそう言いかけた瞬間、ものすごい殺気を感じたので長森のほうを見たら、
……長森の目はマジだった。
そう具体的にどんな感じだと聞かれたら……、
『浩平、いい加減にフザけるの止めないと、また永遠の世界に飛ばしちゃうんだよもん』
と言う感じだ。
……俺はまた永遠の世界に飛ばされるのはイヤなので、
光の速さで着替えと朝の準備を完了させる。
「わっ、浩平新記録だよ! 準備に10秒しかたってない」
「ふっ俺が本気を出せばこんなものさ」
「じゃあ明日からもこの記録を保ってね」
「はははは(汗)」
もうこんなしんどい思いはまっぴらゴメンだが、
自分が『日常』という瞬間の中に身を置いているということを実感できて嬉しかった。
・
・
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だが、『日常』は幸せであると同時に……やっぱり面倒くさい物だったりもする。
「はぁ〜……何が悲しゅうて高校留年したうえに、
こんな寒い中全力疾走しなければいけないのかねぇ」
走りながら大袈裟に溜息をつき……。
「それもこれも、お前がちゃんと起こさなかったからだ!」
俺の隣で並走している瑞佳を叱責する、無論言いがかりだ。
「はふん……ちゃんと起こしたよぉ……浩平が起きなかったんだもん」
シュンとする瑞佳……ちょっといじめすぎたか。
「……すまんすまん、あまりにも反応が可愛いんでな……ちょっといじめすぎた」
俺の言葉に真っ赤になる瑞佳、安心しろ……俺も恥ずかしい。
しばらくの間、俺と瑞佳の間に気まずいが嫌ではない雰囲気が漂う。
ちなみに俺達は全力疾走中だ……我ながら器用な事だと思う、マジで。
多分、俺達はこれからもこんな感じだろう。
だけど……俺はもう永遠を求めない。
昔は求めるだけ求めておいて、今は要らないなんて……我侭も良いところだが。
だけど、俺は……俺をこの世界に繋ぎ止めてくれた女性と共に、
過ぎていく季節を歩いていきたいんだ。
全ての生き物が息づく春を……、
強い日差しが照りつける夏を……、
木々が様々な色合いを見せる秋を……、
雪によって全てが白く染まる冬を……、
こいつ……瑞佳と一緒に生きていきたいんだ。
「……浩平、どうしたの?」
どうやら、深刻な顔をしていた様で・・・瑞佳に心配をかけてしまったようだ。
「別に……ただ……」
「……ただ?」
俺のもったいぶった口調に、首を傾げる瑞佳。
「……お前を愛している……なんてクサイ事を考えただけさ」
はにかみながら瑞佳が慌てふためく姿を想像する。
……だが、瑞佳は意外な反応を返してきた……ある意味望んでいた答えだった。
「私もだよ・・・浩平」
・・・END
後書き
どうも、読んでくださってありがとうございます。
自分は作者の健康胞子という『物』です。
どうでしたか? つまらないと言う気持ちよりも、
面白いと言う気持ちのほうが大きければ幸いです。
でかなり……かなり短いので面白くないかも(汗)
あと、騒ぎをSTEVENさんのHPで起こし、皆さんを不快にさせた事を、
この場を借りて謝罪させてもらいます。
誠に申し訳ありませんでした。
<コメント>
誠 「……浩平さん達って、器用だな?」(^_^ゞ
浩平 「……まぁな」<( ̄▽ ̄)>エッヘン
誠 「全力疾走しながら、らぶらぶかますなんて……」
浩平 「フッ……お前には真似できないだろう」( ̄ー ̄)v
瑞佳 「はぁ……浩平、呆れられてるってこと、わかってる?」(¬o¬)
浩平 「なにいっ!? そうだったのかっ!?」\(@o@)/
瑞佳 「……はう〜」(T_T)
誠 「瑞佳さん……大変だな?」
瑞佳 「大変なんだよ……」(;_;)
浩平 「……ふっ」( ̄ー ̄)v