Heart to Heart
第155話 「かわいいイタズラ」
「お〜い? まこ兄〜?」
「……お兄ちゃん?」
「…………」
「…………」
「ありゃりゃ〜……寝ちゃってるね〜」
「……グッスリだね」
「せっかく、まこ兄『で』遊ぼうと思ってたのに……」
「……お兄ちゃん『と』、だよ」
「どっちも同じだもん」
「…………」
「それにしても、こんな状態でよく寝られるよね?」
「……猫さんがいっぱい」
「…………」
「…………」
「へへへ〜♪ 良いこと考えちゃった♪」(ゴソゴソ)
「くるみ? 何してるの?」
「ジャジャ〜ン! ママの口紅借りてきちゃった♪」
「……そういうのは、勝手に持って来たって言うの」
「まっ、いいからいいから♪」
「後でママに叱られても知らないからね……」
「……で、その口紅で何するの?」
「へっへっへ〜♪ こうするの♪」
「あっ、ダメだよ! そんなことしちゃ――」
「止めたって、もう遅いも〜ん♪
それっ! きゅっ、きゅっ、きゅ〜〜〜っ、とね♪」
「ああ〜……ゴメンね、お兄ちゃん」
「もう、くるみったら……、
お兄ちゃんの顔に、こんなに落書きして……」(ふきふき)
「あ〜あ……拭いちゃったら面白くないのに〜」
「……面白くなくていいのっ!」
「そ、そんなに怒んなくても……、
ホント、なるみって、お兄ちゃんのこと好きなんだね〜」
「そ、それは……、
そう言うなら、くるみだって……」
「…………」(ポッ☆)
「…………」(ポッ☆)
「…………」
「…………」
「それにしても……全然、起きる気配無いね?」
「そうだね……」
「…………」
「…………」
「寝顔が可愛いね?」(ポッ☆)
「うん……」(ポッ☆)
「…………」(ぽー)
「…………」(ぽー)
「ねえ、くるみ……」
「何? なるみ?」
「さっきの口紅、貸して……」
「あっ♪ なるみも同じこと考えたんだ♪」
「…………」(こくこく)
「それじゃあ、二人で一緒に……」
「うん……」
「「せ〜の――ゥ」」
「うみゃぁぁぁーーーーっ!!
まーくぅぅぅぅーーーーんっ!!」
「そのキスマークは
何ですかぁぁぁぁーーーっ!!」
「詳しくお話を聞かせて
貰いますよぉぉぉぉーーーっ!!」
「俺は無罪だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーっ!!」
頼む、誰か教えてくれ……、
俺が一体、何をしたって言うんだ?(泣)
<おわり>
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