機動戦艦 ナデシコ SS
ルリルリの幼妻奮闘記
第6話 「早すぎる『さよなら?』です」
「うわぁぁぁぁーーーっ!!」
キキィィィィィーーーーーーーッ!!
――ドンッ!!
「お……おい……嘘だろ? なあ、ガイ……返事しろよ。
目を開けてくれよ……ガイ……ガイ……」
「ガァァァーーーイッ!!!」
……みなさん、こんばんは。(ぺこり)
テンカワ・ルリです。
えっと……その……、
突然ですが……、
ヤマダさん……死んじゃいました。
……誰ですか?
今、笑った人がいましたよ。
人の不幸を笑うだなんて不謹慎な人ですね。
反省してください。
………………。
…………。
……。
……反省しましたか?
まだ反省していないと言うなら、
オモイカネに協力してもらって、あなたのパソコンにクラッキング仕掛けますよ?
あ……冗談だと思っていますね?
言っておきますけど、本気でやりますよ?
……それでも、いいんですか?
………………。
…………。
……。
……今度こそ、ちゃんと反省してくれましたね?
では、お話を続ける事にしましょう。
先程、言った通り、ヤマダ・ジロウさん……、
いえ、ここは追悼の意も込めて、魂の名で呼んであげることにしましょう。
で、ガイさんですが、勤務中に事故に遭って、亡くなってしまいました。
いえ……これは間違っていますね。
正確には、まだ亡くなってはいません。
でも、時間の問題です。
一応、医者であるイネスさんがそう言っていたのだから、間違いないでしょう。
あの人、性格はともかく、腕は確かですから……、
それでですね……、
その事故なのですが、信号無視と轢き逃げでした。
詳しく説め……解説しますと……、
今日の夕方頃――
いつも通り、ガイさんは、この商店街の近辺をパトロールしていました。
色々と変わった出来事は起こりますが、基本的にこの街は、
雰囲気も住人ものほほんとしているので、いつも平和そのものです。
ですから、その日のパトロールも何事も無く終わる筈でした。
――しかし、事件は起こってしまいました。
無事、パトロールを終えて、交番へと戻るガイさん。
その途中、塾の帰り子供が横断歩道を渡ろうとしている姿を見つけました。
こんな時間に子供が一人で出歩くのは危ない、と思ったガイさんは、
その子を家まで送ってあげようと、歩み寄ります。
……と、その時です。
もの凄いスピードで走って来る一台の車の姿が、ガイさんの目に飛び込んできました。
その車は、横断歩道を渡る子供に一直線に向かっています。
信号は赤だというのに、スピードを落す気配はありません。
それを見た瞬間、ガイさんは、即座に駆け出しました。
そして、迫り来る車に驚き、固まってしまっている子供を庇って……、
……後は、言わなくてもわかりますよね?
――はい?
どうして、私が、そんなに詳しく知っているのか、ですか?
それはですね……、
その事故の現場に、偶然出くわしていたんです。
私と……そして、アキトさんも……、
ヤマダさんを撥ね飛ばし、そのままの勢いで走り去って行く車――
その車には見向きもせずに、
アキトさんは道路に倒れたガイさんに慌てて駆け寄り、抱き起こしました。
ぐったりと、力無く崩れる体――
おかしな方向に曲がってしまっている足――
止めど無く流れる血が、道路を赤く染めていく――
あまりにも変わり果てた姿となったガイさん――
そのガイさんの肩を揺すり、アキトさんは何度も何度も呼び掛けました
彼の魂の名を叫び続けました。
……しかし、ガイさんは返事をしません。
アキトさんの腕に力が込もる……、
アキトさんの瞳から涙がこぼれる……、
そして、慟哭――
近くの電話ボックスで救急車を呼んで来た私は、
泣き叫び続けるアキトさんに掛ける言葉も見つけられず……、
……ただ、アキトさんの振るえる背中を、
そっと抱きしめてあげる事しかできませんでした。
そして、夜の天河食堂――
今、ここに、ガイさんと親しかった人達が、全員集まっています。
……親しかった、ですか。
過去形の言葉が、こんなにも悲しいものだったなんて知りませんでした。
「…………」
「…………」
「…………」
集まった皆さんは、誰も一言も喋ろうとしません。
静まりかえった店内で、皆、椅子に座ったまま、俯いてしまっています。
特に、アキトさんが一番落ち込んでいました。
あれからずっと、アキトさんは、二階の部屋の片隅で膝を抱えて、蹲っています。
電気も点けずに、真っ暗な部屋の中……、
意味もなく、ガイさんが好きだったゲキガンガーのヒデオを流しながら……、
……ガイさんの不幸を、悲しんでいます。
無理もないですよね。
ガイさんは、アキトさんの一番の親友だったんです。
そのガイさんが……目の前で……、
――え?
私は悲しくないのか、ですか?
さっきからやけに冷静じゃないか、ですか?
もちろん、悲しいですっ!
当たり前じゃないですか!!
確かに、ガイさんは熱血馬鹿でした。
そういうところは、ハッキリ言って、ちょっとウンザリしていたのは事実です。
それでも、ガイさんは私の友達だったんです。
数少ない、信頼のできる、私の……私達の友達だったんです。
そのガイさんが……事故に遭ったんですよっ?!
悲しくないわけないじゃありませんかっ!!
でも、今は、それ以上に……、
「ねえ、ルリルリ? イネスさんから連絡は?」
「……まだです」
訊ねるミナトさんに、私は言葉少なげに答えました。
あの事故の後――
駆けつけた救急車で、ガイさんは病院に運ばれていきました。
付き添いは、年長者であり、一応、医者でもあるイネスさんが行っていて、
何かあったらここに連絡が来ることになっているんです。
「ヤマダさん……大丈夫ですよね? 助かりますよね?」
壁に掛けられた時計を見上げつつ、メグミさんが呟きました。
「……イネスさんが言うには、その望みはかなり薄いそうです」
そう言いつつ、メグミさんの視線を追って、私も時計を見ます。
時計の針は、もうすでに日付を変えようとしていました。
……もう、手術は始まっている頃でしょうね。
と、内心呟き、私は絶望的だと分かってはいながらも、ガイさんの無事を祈ります。
――そう。
実は、救急車が来た時には、
まだ、かろうじて息はしていたんです。
だから、もしかしたら……という可能性もあるんです。
でも、あの惨状を間近で見た私とアキトさんには、
その可能性が、万に一つも無いことがわかります。
おそらく……ガイさんは助からないでしょう。
そして……、
もう、私達の前に現れる事は……、
「…………アキトさん」
私はポツリとそう呟くと、二階を見上げました。
いえ……、
正確には、そこにいるアキトさんを……、
きっと、今、アキトさんは自分を責めています。
目の前にいながら、ガイさんを助けられなかった自分を責めています。
アキトさんは、何も悪くないのに……、
あれは、アキトさんでは、どうしようもなかった事なのに……、
それでも、アキトさんは自分を責めて、責め続けて……、
――そして、自分を、自分の心を傷付ける。
……心配です。
とても心配です。
アキトさんは、乗り越える事が出来るのでしょうか?
悲しみに打ち勝つ事かできるのでしょうか?
もちろん、私は信じています。
アキトさんは……強い人ですから。
でも、やっぱり不安なんです。
「はあ……アキト、大丈夫かな? 立ち直ってくれるかな?
と、ユリカさんの溜息混じりの言葉を耳にし、私は視線を食堂に戻しました。
その呟きに、全員の表情がさらに曇ったのが分かります。
実は、ガイさんが事故に遭ったという連絡を受けて、皆がここに集まったのは、
落ち込むアキトさんを元気付け、励ます為だったんです。
でも、どんなに元気付けても、どんなに励ましても、アキトさんは返事もしなくて……、
そんな状態のアキトさんに、誰も、何て声を掛けて良いのか分からなくなって……、
……ただ、こうして無為に時間が過ぎていくのを、黙って見ているだけ。
そして、それは私も同じ……、
私も、アキトさんに何て言ってあげたら良いのか分からないんです。
……情けないですよね
いつもいつも、アキトさんの妻を名乗っていながら、
こんな時に、アキトさんの力になってあげられないなんて……、
私は、アキトさんを守ることができるのでしょうか?
私なんかに、アキトさんの心を守ることができるのでしょうか?
――アキトさんは、優しい人です。
誰かが傷つく事を極端に嫌い、そして、恐れる――
自分にとって大切な人が傷付いた時、それを全て自分一人で背負ってしまう――
……そんな、優しすぎる人なんです。
故に、その怒りも激しい。
そして、その怒りの矛先が最も向けられるのが……アキトさん自身。
大切な誰かが傷付く度に、自分を責めて……、
大切なものを守る為に、自分が傷付く事など厭わない……、
そんな、不器用だけれど、真っ直ぐな優しさ。
その優しさが、アキトさんの強さであり、アキトさんの剣。
でも、心の鎧にはならない。
そして、その剣は……アキトさん自身を傷付ける。
アキトさんの体を、心を、そして、命を……容赦無く切り刻む。
そんなアキトさんの痛みを、誰よりも知っているのは……、
そんなアキトさんの心の悲鳴を、誰よりも聞こえているのは……、
アキトさんの全てを、感じ取る事が出来るのは……、
ラピス――
あの子は、今も、アキトさんの隣にいます。
何も言わず・・・・・・、
ただ黙って、アキトさんの側にいます。
――そう。
何も、言葉なんていらないんです。
側にいてあげて……、
悩むなら、それを見守ってあげて……、
自分を責めるなら、落ち着くまで抱きしめてあげて……、
そして、アキトさんが助けを求めてきた時に、
一番最初に、笑顔を見せてあげるだけで良いんです。
――そうですよね?
何も、難しく考える必要なんて無いんです。
……何だか、ラピスに教えられた気分ですね。
ふう……、
私はダメな姉ですね。
10歳の妹に教えられるなんて……、
こういう時、私は理屈っぽくていけません。
あの子のように、もっとその時々の感情的なものを養わなければ……、
……っと、それはともかく、善は急げです。
早速、ラピスにならい、
アキトさんの側にいってあげる事にしましょう。
と、私が二階へ行こうと席を立った、その時……、
――ガタンッ!
突然、リョーコさんが椅子を蹴って立ち上がりました。
「ちょっと、リョーコ……どうしたの?」
いきなり立ち上がり、何も言わずに、
店を出て行こうとするリョーコさんを、ヒカルさんが呼び止めました。
「どうしたって……決まってるじゃねーかっ!
ヤマダの奴を轢き逃げした野郎をとっ捕まえに行くんだよっ!!」
乱暴に戸を開けつつ、力一杯叫ぶリョーコさん。
その握られた拳は、プルプルと怒りに震えています。
「何処のどいつだか知らねぇが、犯人は絶対にオレの手で捕まえてやるっ!
同じ警官として、仲間として、それが、ヤマダにしてやれる唯一の弔いだっ!」
「いよっしゃぁーっ!! よくぞ言ったっ!!
それでこそ、正義の味方って奴だっ!! まさに熱血っ!!
俺も協力してやるから、大船に乗ったつもりでいろよなっ!!」
「おうっ!! そうと決まれば善は急げだっ!!
いくぞ、ヤマダっ…………って」
『なにぃぃぃぃーーーっ!?』
「はーっはっはっはっはっ!!
この俺の管轄でっ! しかも、この俺を相手に轢き逃げするなんざぁ、いい度胸だぜっ!!
車のナンバーはキッチリ覚えてるからなっ!!
絶ぇぇぇぇぇぇぇ対に、とっ捕まえて、ブタ箱に放り込んでやるぜっ!!
ぬわーっはっはっはっはっ…………って、どうした? お前ら、何をボケ〜ッとしてんだ?」
ひとしきり叫び続けた後、
ガイさんは呆然としている私達を見て、首を傾げました。
――そう。
そこにいたのは、間違い無く……ガイさんでした。
車に撥ねられて……、
救急車で運ばれて……、
病院の手術室で生死の境をさまよっている筈のガイさんが、食堂の入り口で仁王立ちしてます。
……もしかして、幽霊?
でも、そのわりにはハッキリと見えますし……、
では、やっぱり本物なのでしょうか?
だとしたら、何であんなにピンピンしてるんでしょう?
あれだけの大怪我だった筈なのに……、
まあ、足にギブスつけて松葉杖をついてはいますが、そんな事は些細な事です。
――何で?
――どうして?
何故、ガイ……いえ、ヤマダさんがここにいるんでしょう?
「え? え? え?」
「な、ななな……」
驚きのあまり、皆さん固まっちゃっています。
仕方無いので、いち早く我に返った私が代表して訊ねることにしまょう。
「……ヤマダさん?」
「おう! どうした、ルリ坊?」
「みんな、おそらくこう思っていると思うんですが……」
ここで、ちょっと間を置いてみます。
私の発言を耳にして我に返ったのでしょう。
全員の視線が、私に集まりました。
そして、私は単刀直入に言い放つ。
「ヤマダさん…………『あんた死んだ筈じゃなかったの?』」
「そ、そうだよっ! お前、何で生きてるんだよっ!?」
「何でって……失礼な奴だな」(怒)
リョーコさんの言葉に、ちょっとムッとするヤマダさん。
そんなヤマダさんを押しのけるようにして、白衣着た金髪女性が現れました。
「それにしては、この私が説明しましょう♪」
と、開口一番。
そう言う金髪女性の口調は心底嬉しそうです。
……そろそろ出て来る頃だと思っていました。
そもそも、ヤマダさんの付き添いとして一緒に病院に行っていたわけですから、
ここにヤマダさんがいる以上、この人も戻って来ているのは当然です。
『説明おばさん』こと『イネス・フレサンジュ』――
その二つ名が示す通り、『説明』する事に情熱を賭けている人です。
さらに、新薬の開発なんていうマッドサイエンティストな趣味まで持っていて……、
はあ……、
こんな人が高校の保険医なんてやっていて良いのでしょうか?
いえ、それ以前に、
こんな人が医師免許なんて持っていて良いのでしょうか?
まあ、それはともかく……、
気は進みませんが、
イネスさんの説明を聞いてみる事にしましょうか。
「確かに、皆が驚くのも無理はないわね。
事故当時、ヤマダ君は本当に危険な状態だった。
それは実際に見たアキト君とルリちゃんが一番分かっていると思うけど、
医者である私が見た限りでも、とても助かるとは思えない状態だったわ。
助かる可能性は、万に一つも考えられなかった。
ならば、何故、今、この場にヤマダ君が元気な姿でいるのか?
その理由はというと……」
「……というと?」
誰かが、イネスさんを促すように問い掛ける。
それと同時に、周囲がシーンと静まり返り、皆がゴクリッと息を呑む。
そして、イネスさんの口から、驚愕の事実が……、
「……よく分からないのよぇ」
こけけけけけけけけけっ!!
イネスさんのあんまりな言葉に、全員が一斉にコケました。
不覚にも、私も一緒になってコケてしまいました。
……いけませんね。
こんなコミカルな反応は、私のキャラクターに合いません。
この場にアキトさんがいないのが幸いでしたね。
もし、今の姿を見られていたらと思うと……かなり恥ずかしいです。(ポッ☆)
「ちょっと、イネスさん……それ、何なのよ?」
いち早く立ち直ったミナトさんが、イネスさんをジト目で見ました。
それに続くように、皆もイネスさんに批難の目を向けます。
「だ、だって、仕方ないでしょ? 科学的な根拠が無いんだもの。
ま、まあ、不条理な理由を敢えて言うならば……『ヤマダ君だから』ってところかしら?」
『なるほどっ!』
皆からの視線にたじろぎながらも、何とか苦し紛れの答えを出すイネスさん。
しかし、その答えに、
一同は大いに納得してしいました。
……さすがはイネスさん。
これ以上無いというくらい的確な説明です。
「……お前らが俺のことをどういう目で見ているか、
なんとなく分かったような気がするぞ」
そんな私達の反応に、顔を引きつらせているヤマダさん。
熱血お馬鹿のクセに、イチイチ細かいことを気にする人です。
普段もそのくらい繊細なら、静かで良いんですけどね……、
と、私達がそんなやり取りをしているところへ……、
「…………ガイ?」
……その声が聞こえてきた方を見ると、
そこには階段の途中で呆然と立ち尽すアキトさんの姿がありました。
多分、ヤマダさんの声を聞きつけて来たのでしょうね。
そういえば、ヤマダさんの登場があまりに唐突だったので、
ヤマダさんの無事をアキトさんに教えるのを、すっかり忘れていました。
「……ガイ……生きてたのか?」
振るえる声で言うアキトさんに、
ヤマダさんはグッと親指を立てて、ニヒルっぽく応えます。
「あったりめ〜よっ!! この俺がそう簡単に死ぬかって〜のっ!!
あの海燕ジョーだって、最終回には復活してきたんだぜっ!!」
「……そうだよな……お前が死ぬわけいよな?
ガイ……ガイ……」
フラフラとした足取りで、
ヤマダさんに近付いていくアキトさん。
そして……、
「ガァァァァーーーーイッ!!」
「アキトォォォォーーーッ!!」
……まあ、何と言うんでしょうか。
これも、感動の再会というものなんでしょうね。
まだ、ほんの数時間しか経っていないんですけど……、
ホント、こういう時のノリの良さは、妙に似ています。
でも、どんな事情であったとしても、例え相手が男の人でも、
アキトさんが誰かと抱き合うなんてシーンはあまり見たくは……、
バキィィィィーーーーッ!!
「ぐはぁぁぁぁーーーっ!!」
――はい?
目の前で展開されたその光景を見て、私は目を丸くしました。
見れば、他の皆も同様です。
……アキトさんが、ヤマダさんを殴った?
――おかしいですね?
てっきり、男同士が涙を流しながら抱き合うという、
いかにも安っぽい青春ドラマのような暑苦しいシーンになると思っていたのに……、
アキトさん……、
ヤマダさんを思い切りブン殴っちゃいました。
「こらっ! アキトッ! てめぇ、いきなり何しやがるっ!?」
「やかましいっ!! この馬鹿野郎っ!! さんざん心配させやがってっ!!」
げしっ! げしっ! げしっ!
「うわっ! 痛っ! お、おいっ! やめ……蹴るな、コラッ!!
俺は一応怪我人なんだそっ!!」
「うるさい、うるさい、うるさぁーいっ!!」
どかっ! ばきっ! がすがすっ!!
「ぎぃ〜えぇぇぇ〜〜〜っ!!」
それから、しばらくの間――
店内にヤマダさんの悲鳴が響き渡り……、
ヤマダさんが、アキトさんに殴られてズタボロになっていくのを……、
私達は、ただただ呆然と眺め続けたのでした。
アキトさんの表情に笑顔が戻った事を……、
心の底から、嬉しく思いながら……、
――あ、そうそう。
これは余談なんですけど……、
その数日後に、例の轢き逃げ犯人はリョーコさんの手で捕まえられました。
まあ、車のナンバーが控えられていたんですから、当然ですよね。
犯人の名前は……何ていいましたっけ?
ええっと……忘れちゃいました。
確か、キノコみたいな頭をしていたような……、
……まあ、別に思い出す必要なんか無いですね。
<おわり>
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