その島に到着して――

 まず、俺は……、
 目の前の光景に、言葉を失った。

「う……わぁ……」

 見渡す限り、桜、桜、桜――

 もしかして……、
 何かが狂っているんじゃないか……、

 そんな事を考えてしまうくらい、島は、桜の色に埋め尽くされている。

 それは、まるで――
 心地良い夢の世界にいるような――

「っと、見惚れるのは、これくらいにして……」

 どれくらい、ボ〜ッとしていただろうか……、

 桜色の風景に圧倒されていた俺は、
慌てて、我に返り、拠点となる宿を探す為、足を速める。

 と、その時――

「にゃ〜……」

「……猫?」





 俺の目の前に……、

 なんとも、珍妙な生き物が現れた。






Leaf Quest 外伝
〜誠の世界漫遊記〜

『自然都市カザミ』







 初音島――

 大陸西部の北西にある、
ダカーポ大橋によって繋がった小さな島――

 一年中、桜が咲き乱れる、
その島の南部に、『自然都市カザミ』はある。

 自然都市という名前だけあって、本当に、この街は凄い。

 何が凄いか、って……、

 それは、もちろん、島中で、
無数に咲き誇る、桜の木に決まっている。

 暖かな風に踊る、視界を塞ぐまでの桜の花びら――

 舞い落ちる花びらは、
まるで、絨毯の様に、道を桜色で染め上げる――

 なんでも、この島の桜は、
一年中、咲き続け、枯れた事が無く……、

 その原因は、島の中心に聳える巨木にあるらしい。

 その巨木の名は――
 『願いを叶える枯れない桜の木』――

 詳しい事は、未だに解明されていないが……、

 この巨木に宿る魔力の影響で、
島中の桜は、枯れる事無く、咲き続けている、とのこと……、

 ――そんなに凄い巨木なら、一度、拝んでみたいものだ。

 と、そんな事を考えつつ……、

 景色を楽しみながら……、
 のんびりと、桜の並木道を歩いていると……、

「にゃあ〜……」

「野良、じゃなさそうだな……、
どうした? 飼い主と逸れたのか?」

 偶然にも発見した、妙な生き物……、

 まるで、こけしのような……、
 どうやって自立歩行しているのか分からない、猫に似た生き物……、

 そんな猫(?)が、寂しげに鳴いているのを見かけ、
物珍しさから、ついつい、俺は、そいつに話し掛けてしまった。

 すると、俺の言葉を理解したのか……、

「にゃあ〜♪」

「うわっ……と?」

 猫(?)は、ピョンピョンと飛び跳ね、
俺の体を駆け登ると、ちょこんと、俺の頭の上に乗る。

 そして、そのまま、そこに落ち着いてしまった。

「おい、待てコラ……、
まだ、飼い主を探してやるとは――」

「にゃ〜……」(泣)

「ったく、しょうがね〜な〜……、
そのかわり、ちゃんと報酬は払ってもらうぞ?」

「にゃにゃあ〜♪」

「なに? 煮干しの頭だって?
なるほど、それは魔除けになって良いな」

 あまりにも、情けない声を上げる猫に、俺は、やれやれと溜息をつく。

 そして、説得を諦めた俺は、
頭の上の猫と、適当な会話を交わしつつ、再び、歩き始めた。

 さて、と……、
 仕方なく、安請け合いしたものの……、

 コイツの飼い主なんて、どうやって探したら良いものか……、

「まあ、珍しい生き物だし……、
地元の人に訊けば、すぐに分かるだろう」

 そう楽観的に考え、俺は、人通りの多そうな場所を目指す。

 と、そこへ――



「ああ〜っ! うたまる〜!!」

「――っ! にゃあ〜っ!!」



 唐突に、後ろから叫び声が……、

 その声を耳にした瞬間、猫は、
俺の頭の上から飛び降り、その声の主へと駆けて行く。

 そんな猫を目で追うように、俺もまた、後ろを振り返る。

 すると、そこには、長い金髪を、
リボンで結び、ツインテールにした、青い瞳の少女がいた。

 どうやら、彼女が、あの猫の飼い主らしい。
 再会を果たした猫を両手に抱いて、少女は、こちらへ駆けて来る。

「――ありがとう!
キミが、うたまるを見つけてくれたんだね!」

「礼を言われる程の事はしてないよ……」

 わざわざ、俺の目の前まで来て、ペコリと頭を下げる少女。

 それが、何だか気恥ずかしくて、
俺は、蒼眼の少女から視線を外すように、例の猫――

「それじゃあ、もう、ご主人様と逸れるなよ?」

 ――うたまるの頭を、軽く撫でてやる。

 そして、サッサと話を済ませ、
この場から立ち去ろうと、クルリと踵を返した。

 だが――

「ちょ、ちょっと待って! Wate for me!」

 それよりも早く、少女に、
服の裾を捕まれ、引き止められてしまった。

 何事かと、俺は足を止め、もう一度、少女に向き直る。

 すると、少女は――
 一体、何を思ったのか――



「……何だよ?」

「キミ……冒険者だよね?」

「ああ、まあ……」

「なら、袖触れ合うも多少の縁……、
ここは一つ、ボクのお願いを聞いてもらえないかな?」

「――はい?」



 何の前振りも無く――

 唐突に、初対面の俺に、
仕事の依頼なんぞを、持ち掛けてきやがった。

     ・
     ・
     ・










「ボクは『芳乃 さくら』……キミは?」

「……藤井 誠だ」



 こういうのも、巡り合わせと言うのだろうか……、

 依頼主である少女は、
なんと、俺の恋人の『さくら』と同じ名前であった。

 しかも、性格は、あかねのように猫っぽく……、

 さらに、トドメとばかりに、
母さんのように、幼い体型で、髪型はツンテールである。

 別に、ホームシックというわけではないが……、

 思わず、俺は、彼女に、
故郷で待つ人達の面影を重ねてしまう。

 そんな彼女に、俺が逆らえるわけもなく……、

 成功報酬というカタチで、
俺は、彼女の依頼を受ける事となった。

 で、肝心の依頼内容なのだが……、

 どうやら、彼女の知り合いが、
妙な呪いに掛かって、大変な事になっているらしい。

 自分も魔術師ではあるのもも……、
 さすがに、呪いなんてシロモノは管轄外……、

 一応、これまた知り合いの巫女さんに、
解呪を頼んでみたものの、それが全く効果無し、とのこと。

 困った彼女は、友達と手分けして、解呪の方法を探していた。

 その途中、うっかり、
飼い猫のうたまると逸れてしまい……、

 猫を探していたところ――

 厄介事の専門家――
 冒険者である、この俺に出会い――

 ――藁にも縋る思いで、依頼を持ち掛けた、というわけだ。



「一応、言っておくが……、
俺は、解呪なんて器用な真似は出来ないぞ?」

「ノープロブレム……、
冒険者なら、意外な方法を思い付くかもしれないし……」

「――ダメで元々、ってか?
でも、初対面の俺を信用して良いのかよ?」

「うたまるが懐く人に、悪い人はいないよ〜」

「にゃあ〜」

「それは、光栄なことで……」

「ところで、話は変わるけど……、
何で、こんな辺鄙な島に来たのかな?」

「本当は、船でカノン王国に行くつもりだったんだけど……
壊れた剣を買い換えたせいで、船賃が足りなくなっちゃってさ」

「うにゃ? お金なら、バイトでもして稼げば……」

「……あの街には、あまり長居したくなかったんだよ」

「Why? どうして?」

「それについては、訊かないで……頼むから」(泣)

「ら、らじゃ〜……」(汗)

     ・
     ・
     ・



 とまあ、そんな雑談を交わしつつ――

 芳乃さんに連れられ、やって来ました『朝倉家』――

 どうやら、ここに、件の少女……、
 呪いに掛かった『天枷 美春』という少女がいるらしい。

「ただいま〜、お兄ちゃん!」

「ああ、おかえり……、
って、いつから、ここは、お前の家になったんだ?」

「ぶ〜……お兄ちゃん、つれな〜い」

 芳乃さんに促され、
家に上がった俺は、そのまま、リビングへと通される。

 そこには――

 困り果てた表情で、、
かったるそうに、ソファーに腰を下ろした男と――

 そんな彼に、まるで犬のように甘える少女の姿があった。

 ここに来るまでに、
関係者の事は、粗方、芳乃さんから聞いている。

 おそらく、ソファーに座る男が『朝倉 純一』で……、

 そんな彼の膝枕に、ご満悦な様子の、
犬チックな少女が、件の美春ちゃんなのだろう。

 ――ってゆ〜か、彼女についてる、犬耳犬尻尾は、本物なのだろうか?

 と、そんな疑問を抱き、俺が、首を傾げていると……、

「あの、さくらちゃん……その人、誰?」

 突然の来訪者に、驚いたのだろう……、

 黄色いリボンの少女……、
 純一さんの妹『朝倉 音夢』が、俺に目を向けた。

 見れば、猫耳メイドの『鷺澤 頼子』さんも、不安げに、俺を見ている。

 そんな彼女達に、芳乃さんが、俺の事を紹介してくれた。

「冒険者の藤井 誠君だよ……、
もしかしたら、美春ちゃんの事、何とかしてくれるかな〜、って思って……」

「あんたも災難だな……、
有無を言わさず、さくらに連れて来られたのか……」

「そういう訳でもないけど……」

 芳乃さんの話を聞き、
純一さんは、俺に、同情の眼差しを向ける。

 それに応えるように、俺は、肩を竦めて見せると……、

 取り敢えず、可能な限り、
状況を把握する為、美春ちゃんに歩み寄った。

 そして、二人の前でしゃがみ、視線を合わせて、観察を行う。

「状況から見て……、
動物霊に憑依された、ってところかな?」

「ああ、多分……」

 さんざん、甘えられて、
憑かれて……いや、疲れているのだろう。

 俺の言葉に、純一さんは、かったるそうに頷く。

 そんな彼に構う事なく、相変わらず、
飼い主に甘える犬の如く、美春ちゃんは、純一さんの胸に頬擦りをしている。

 その姿は、まるで、浩之に甘える、あかりさんのよう……、

 いや、違うな……、
 あかりさんの甘えっぷりは、こんなモンじゃない。

 あの二人の場合、何て言うか、空気が変わるからな……、

 激甘、と言うか……、
 ピンク色、と言うか……、

 それでいて自然で、違和感なんて皆無ときたもんだ。

 だから、それと比べれば、
美春ちゃんには、まだ、何処か照れがあるようにも……、

 まあ、それはともかく――

「こうなった原因に、心当たりは?」

「いや、まったく無い……、
普段から、わんこな奴ではあったが……」

「随分、懐かれてるけど……、
元々、二人は、そういう関係なわけ?」

「「「――違います(違うよ)っ!!」」」

 少しでも情報を集めようと、
俺は、純一さんに幾つか質問をする。

 その内の一つに、激しく反応を示す、その他の女性陣……、

 思わず、そちらを見れば、
彼女達は、それはもう、不機嫌そうに、こちらを睨んでいた。

 芳乃さんは、嫉妬丸だしで――
 頼子さんは、瞳一杯に涙を溜めて――
 音夢さんは、引き攣った笑みを浮かべて――

 殺気にも似た感情を……、

 まっすぐに……、
 純一さんと美春ちゃんへと……、



「――わん♪」(ぺろぺろ)

「「「ああああーーーーっ!?」」」

「……かったるい」



 さらに、そんな彼女達を、
挑発するかのように、美春ちゃんは、純一さんの頬を舐め始める。

 それを見て、より一層、怒気を膨らませる音夢さん達……、

「み、みみ美春っ! いい加減、兄さんから離れなさい!

「だいたい、音夢ちゃんならともかく、
なんで、お兄ちゃんだけに、そんなに懐いてるの〜っ!」

「純一さんから、離れてください〜っ!」

 いや、それどころか――
 今にも、実力行使に出そうな雰囲気――

 ――あっ、音夢さんが、引き剥がしに掛かった。

「…………」(汗)

 姦しいというか、喧しいというか……、

 まさに、痴話喧嘩と言える光景を、
対岸の火事よろしく、俺は、ポリポリと頭を掻きながら、眺める。

 あ〜、まあ、何だ……、

 今の一連のやり取りで、
彼女達の関係が、よ〜く分かったぞ。

 そして……、

「――なるほど、ね」

 なんとなく、だが……、
 俺は、事の真相が掴めたような気がした。

「……藤井君?」

 無言で立ち上がった俺に、
美春ちゃんを、引き剥がそうとしていた音夢さんが首を傾げる。

 そんな彼女に、静かにするように、と、手で示し、
俺は、美春ちゃんの真後ろに立つと、ゆっくりと、音を立てないように剣を抜いた。



「「「「――っ!?」」」」



 息を呑む一同……、

 だが、美春ちゃんだけは、純一さんから離れまいと、
彼にしがみ付くに夢中で、俺の行為に、全く気付く様子は無い。

 そろりそろり、と……、

 俺は、悟られないよう、
ゆっくりと、美春ちゃんの頭に、剣を近付けていく。

 そして――





「……ていっ」

「――あいたっ!?」





 剣の平で……、
 美春ちゃんの頭を、軽く叩いた。

「うう〜、痛いです〜……、
藤井さん、いきなり、何するんですか〜」(涙)

「「「「…………」」」」

 俺に叩かれ、美春ちゃんは、涙目で、こっちを睨んでくる。

 そんな美春ちゃんを、
呆然と見つめる、純一さん達一同……、

「な、治った……?」

 あまりの呆気なさに、芳乃さんがポツリと呟いた。

 その瞬間……、
 美春ちゃんは、ハッとした表情を浮かべ……、



「あ、あわわわわわっ!
どうして、美春は、朝倉先輩に抱きついちゃてるんですか?」



 ちょっと芝居クサかったりするが……、

 彼女は、慌てた様子で、
純一さんから、飛び退くと、恥ずかしげに、頬を染めて見せる。

 そんな仕草も、やっぱり、何処かわざとらしい……、

 だが、余程、美春ちゃんの、
呪いが解けたのが、嬉しいのだろう。

 そんな彼女の様子に気付く事無く、音夢さん達は、喜びの笑みを浮かべていた。

 そして……、
 剣を納める俺に向き直ると……、

「ありがとう! 助かっちゃったよ!」

「は、はは……まあ、大した事はしてないし……」

「でも、どうやって治したの?
胡ノ宮さんにも、出来なかったのに……」

 そう言って、首を傾げる芳乃さん。

 そんな彼女に、俺は、
苦笑いを浮かべる事しか出来ない。

 おそらく、彼女の言う『胡ノ宮』というのは、
美春ちゃんの解呪を試みた、巫女さんの事なのだろう。

 口振りからして、相当、腕の立つ巫女さんに違いない。

 だが、どんなに優秀な巫女さんでも、
美春ちゃんの呪いを解く事など出来るわけが無かったのだ。

 何故なら、美春ちゃんは――





 最初から――

 呪われてなどいなかったのだから――





「ねえねえ? どうやって治したの?」

「いや、だから、その……、
実は、この剣は、ちょっとした魔力剣でさ……」

「ふ〜ん……とても、そうは見えないけど?」

「あ、あははははは……」

 解呪方法を追求してくる芳乃さんを、
俺は、適当な理由をでっち上げて、誤魔化す事にする。

 正直に話しても良いのだが……、

 そうすると、美春ちゃんが、
ちゃっと困った事になるかもしれないし……、

 と、そんな事を考えつつ、俺は、美春ちゃん達の方に目を向ける。

 すると、音夢さんから事情を聞いたのだろう……、
 引き攣った笑みを浮かべつつ、ペコペコと頭を下げる美春ちゃんの姿が見えた。

「そ、そうだったんですか〜……、
音夢先輩達には、とんだご迷惑を〜」

 よよよと、泣き崩れる美春ちゃん。

 相変わらず、芝居クサい……、
 いい加減にしないと、さすがに、バレると思うんだが……、

「それにしても……、
どうして、犬霊に呪われたりしたんだ?」

「そ、それは、多分、コレを着けたからだと……」

 訊ねる純一さんに、
美春ちゃんは、手に持っていた物を差し出す。

 それは、先程まで、彼女の体にあった犬耳犬尻尾……、

 彼女が、純一さんから、
飛び退いた時に、ポロリッと落っこちたのだが……、

 なるほど……、
 そういう線で、話を進めるわけだな……、

「まったく、何で、そんなモンを……」

「許してください〜……、
ほんの出来心だったんですよ〜」

「もう、美春ったら……次からは、気を付けてね」

「はいです〜」

「ほれ、あいつにも礼を言っとけよ。
あいつのおかげて、お前は助かったんだからな」

「そ、そうですね……」

 俺を示す純一さんに、
美春ちゃんは、不安げな顔で、こちらに目を向ける。

 そんな彼女に、俺は、無言で頷いて見せた。

 すなわち――
 話を合わせてやる、と――

 それを見て、美春ちゃんは、パッと表情を明るくする。

 そして、それこそ、犬のように、
パタパタと、こっちに駆け寄って来ると……、

「ありがとうございました、藤井さん!」

 そう言って、美春ちゃんは、
申し訳なさそうに、ペコリと俺に頭を下げ――

 ――って、ちょっと待て。

 美春ちゃん……、
 今のセリフは、非常にヤバイんじゃ……、



「……どうして、藤井さんのお名前を、ご存知なんですか?」

「――っ!!」



 頼子さんの鋭い指摘……、

 それを耳にした瞬間、
美春ちゃんの全身が、ビクッと震える。

 そして、恐る恐る、後ろを振り向くと……、

「「「「…………」」」」(怒)

 それはもう、冷たい目で……、
 美春ちゃんを見つめる四人の姿が……、

「ふ、藤井さ〜ん……」(泣)

「ゴメン……もう、フォロー出来ない」

 助ける求めてくる美春ちゃん……、

 だが、そんな彼女に、
俺は、視線逸らす事でしか応える事が出来ない。

 ――そう。
 確かに、それはおかしいのだ。

 犬霊に呪われていた美春ちゃんには、
その間の記憶は無かった、という事になっている。

 そして、彼女の呪いが解けてからは、誰も、俺の名前は口にしていない。

 つまり……、
 美春ちゃんが、俺の名前を知っているわけがない。

 にも関わらず……、
 彼女は、俺の名前を知っていた。

 つまり、それが意味する事は、ただ一つ……、

 美春ちゃんは……、
 犬霊に呪われたフリをして……、

 純一さんに、あんなことや、こんなことをしていたわけで……、










「「「「み・は・る(さ〜ん)〜っ!!」」」」(怒)

「ゴメンなさ〜いっ!!
ちょっとした悪戯のつもりだったですぅ〜っ!」










 というわけで――

 悪戯がバレた美春ちゃんは……、
 当然、音夢さん達に許して貰えるわけもなく……、

 その罰として……、



「そんな〜、ヒドイです〜……、
バナナ抜きなんて、美春に死ねと仰るんですか?」(涙)

「この際だから、その偏食を治しなさい」

「そんな殺生な〜……」(泣)



 ……『一週間バナナ抜きの刑』に処されたのだった。





 まあ、何だ……、
 自業自得とはいえ……、

 なんまんだぶ、なんまんだぶ……、(合掌)










 おまけ――


「そういえば……結局、報酬は貰えなかったな〜」

「……にゃ?」

「まあ、何もしていないも同然だから、当たり前なんだが……」

「うにゃ〜……」

「――ん? どうした、うたまる?」

「にゃにゃ〜」

「煮干しの頭、か……、
ううっ、ありがとうな、うたまる〜」(泣)

「にゃ〜♪」





 ――ちゃんちゃん♪





<おわり>
<戻る>


あとがき

 美春 「――皆勤賞〜♪」

 とまあ、そういうわけで、
今回の舞台は、桜咲き乱れる初音島〜♪

 でも、残念ながら、ことりは出られず。
 だって、話の内容からして、ことりがいたら、すぐバレるし……、

 プラスシチュエーションメンバーについては、取り敢えず、存在はしている、という事で〜。

 しかし、そうなると……、
 あかりと和泉子が共演したら、凄い事になりそうな……、