競作企画
Leaf Quest
〜 導かれし妻達 〜
魔術都市タイプムーン―― その街を統治する遠野家で、とある事件が起こった。 遠野家の長男『遠野 志貴』―― 彼の使い魔である夢魔の『レン』―― そして、アトラス院の錬金術師『シオン』―― この三人が、突如として姿を消したのだ。 さらに、そんな彼らを追ったのだろう……、 アルクェイドとシエルの姿も、タイプムーンから消えた。 その事態に、まさか駆け落ちしたのでは、と、当主の秋葉が暴走。 使用人の琥珀と翡翠に、その探索を命じる。 もちろん、秋葉も、それに参加するつもりだったが、 当主が街を留守にするのは問題がある、と、琥珀に窘められ、彼女は残る事に……、 屋敷を出て、旅立つ琥珀と翡翠……、 その道すがら、琥珀は翡翠に、事の真相を話す。 なんと、琥珀は、志貴が家を出た理由を知っていた。 実は、先日、都古が行方不明となっており、志貴達は、彼女探す為に、旅立ち……、 そして……、 その手引きをしたのが、琥珀だったのだ。 もちろん、琥珀が、何の準備も無しに、志貴を送り出すわけがない。 しっかりと、彼には発信機がつけられていた。 それによれば、志貴達が向かった先は、天使を奉る聖なる街『フォンティーユ』―― 琥珀と翡翠の二人は、 その発信機を頼りに、フォンティーユへと向かう。 その頃、志貴達は、フォンティーユに向かう途中、 魔物に襲われている楽士達を発見していた。 楽士の名は『藤井 冬弥』―― そして、二人の歌い手『由綺』と『理奈』―― 彼らを襲う魔物を達を倒した志貴達は、彼らと共に、フォンティーユへと向かう。 訊けば、その街には、とても歌の上手い少女がいるそうで、 冬弥達は、その少女の歌を聞きにいくつもりらしい。 また、冬弥と誠は親類だと聞き、志貴達は驚く。 そんな話をしつつ、フォンティーユへと到着する志貴達。 そこで待っていたのは……、 街の支配を目論み、熾天使の羽根を狙う『ネオベランニード』と名乗る秘密結社―― そんな悪と闘う少女『エンジェルラビィ☆(ラスティ)』―― そして……、 何故か、結社の一員となっている……、 ……幹部まじかるアンバー(琥珀)と怪人メカヒスイ(翡翠)の姿であった。 街に住む楽士カウジーと魔術師のサーリアの話によれば、 結社を構成するシアリィとフィアとアルテは、邪悪な意志に操られており……、 その彼女達の元に、都古は捕らわれているらしい。 志貴達と冬弥達も加わり、 ネオベランニードとの、壮絶に馬鹿馬鹿しい闘いが始まる。 次々と現れる怪人達―― ラビィが持つ『聖光を放つ天罰の杖(エンジェルホーリーバトン)』……、 通称『うさぴょんバトン』が怪人達を倒し……、 志貴の直死の魔眼が、フィア達を操る邪悪な意志のみを『コロス』。 どういうわけか、アンバーとメカヒスイの邪悪な意志の『死』が見えず、 その事に首を傾げつつも、志貴達は、ネオベランニードを追い詰めていく。 残るは、シアリィと―― アンバー&メカヒスイのみ―― 勝利を確信する志貴達……、 しかし、シアリィ達は、最後の秘密兵器を投入してきた。 都古に宿る遠野の血と……、 研究を重ねたラビィの力を合わせ持つ怪人……、 ――その名を『ジェノラ』。 ジェノラの圧倒的な戦闘能力に、志貴達は押されていく。 元々、本格的な戦闘が行えるのは志貴とシオンだけなのだ。 まともな闘いでは、冬弥達は足手まといでしかない。 窮地に立たされる志貴達―― と、そこへ―― 思わぬ人物から助言が―― 「志貴さん! ジェノラの弱点は歌です!」 見れば、そこには、シアリィを薬で眠らせた琥珀と……、 シアリィの体から出てきた邪悪な意志(ラルヴァ)に向かって、グルグルと指を回す翡翠が……、 ――そう。 彼女達は、最初から操られてなどいなかったのだ。 操られたフリをして、敵の情報を探り、機会を伺っていたのだ。 その割には、ノリノリだったが……、 特に、琥珀が……、 琥珀達の助言に従い、歌い始めるラスティ達……、 冬弥とカウジーがフォルテールを奏で……、 由綺、理奈、ラスティの三人の歌声が唱和する。 その時―― 由綺と理奈の体が輝き―― ――『歌姫が紡ぐ白銀の弓』が現れた。 ラスティ達の歌声に、苦しげにうめくジェノラ。 動きを止めた敵を前に、弓を構える志貴と冬弥。 「志貴君! 狙いは任せたっ!!」 「ここだっ! 撃て、藤井さんっ!!」 そして、一筋の矢が放たれ……、 その矢は、見事、ジェノラの死の点を貫いた。 ネオベランニードを壊滅させ、無事、都古を救出した志貴達。 そんな彼らの元に、 ようやく、アルクェイド達がやって来る。 彼女達に連れられ、志貴達は、タイプムーンへと戻る。 そこに、待ち受けていたのは……、 魔術都市を襲う……、 ガディム軍の魔物達の姿であった。 <END> |