競作企画
Leaf Quest
〜 導かれし妻達 〜

第二章 遥かなる妖精郷





 魔術の街『タイプムーン』――

 その街の中央に立つ時計塔――
 またの名を魔術の最高峰『魔術師ギルド』――

 そこに所属する魔術師『長瀬 祐介』は、とある事態に直面していた。

 なんと、友人の香奈子が、
眠ったまま、一向に目を覚まさないのだ。

 退魔師である芳晴の見立てでは、
精神に直接干渉する呪いようなモノが、彼女に掛けられているらしい。

 その呪い解くには、彼女の精神……、
 即ち、夢の内容を読み取り、呪いの正体を突き止める必要がある。

 しかし……、
 人の夢を覗く魔術など、訊いた事も無い。

 祐介達は、その方法を求めて、瑞穂と……、
 そして、話を聞いて協力を申し出た透子と一緒に、資料を漁る。

 と、そんな時……、
 意外な人物から、有力な情報が入った。

 この街を治める遠野家に夢魔がいる、と、『遠坂 凛』が教えてくれたのだ。

 早速、遠野家の屋敷に向かう祐介達。
 だが、期待に反して、夢魔のレンは主である志貴と一緒に留守にしているとのこと。

 手掛かりを失い、肩を落として、時計塔へと帰る祐介と沙織。

 と、そこへ――
 黒ずくめの男達に襲われる皐月と遭遇。

 なし崩し的に、祐介達は、戦闘に参加する羽目に……、

 いくら、魔術が使えるとはいえ、多勢に無勢。
 祐介達は、徐々に、黒ずくめ達に追い詰められていく。

 その時……、
 颯爽と現れるは、宗一とリサ。

 見事な連携で、あっさりと敵を倒す二人。

 だが、戦闘の最中、沙織を庇い、祐介は負傷してしまう。
 その手当ての為、宗一達は、祐介達を連れて、盗賊ギルドへ。

 訊けば、宗一達は、盗賊ギルドに所属する者で、
黒ずくめは達は、皐月が遺跡で発見した『弓』を狙って、襲ってきたらしい。

 それはともかく、ゆかりの手当てで、
傷を癒した祐介は、諜報員である彼らに、情報を求める。

 そして、リサから、夢見の能力を持つ少年の情報を聞き、初音島へ。

 初音島に到着した祐介達は、とある事件に遭遇する。

 なんと、願いを叶える桜の木の力が暴走し、
島中に、大量の魔物が、発生してしまったのだ。

 その島で知り合った『朝倉 純一』の話によると、
その原因は、『芳野 さくら』にあると言う。

 結ばれた純一と、その義理の妹である音夢……、

 そんな音夢への嫉妬心を、邪悪な意志に突け込まれ、
操られたさくらは、桜の木の力で、魔物を発生させてしまったのだ。

 それを防ぐには、桜の木の魔力を封じるしかない。

 純一は、祖母より託された剣……、
 『願いを叶える桜の剣』を持ち……、

 祐介達と協力して、さくらを操る邪悪な意志を消し去るのに成功する。

 初音島での事件を解決し、祐介達は、純一と音夢を伴い、時計塔へ。

 純一の夢見の力で、
眠り続ける香奈子の夢の内容を覗き込む。

 すると……、
 そこに見たのは……、

 妖精郷で暴れ回る、邪妖精『月島 拓也』の姿……、

 どうやら、香奈子の夢を介して、妖精郷を侵略する計画だったようだ。
 そして、香奈子の呪いの原因は、全て、拓也の仕業であった。

 普通の人間には、妖精郷へ到る術は無い。

 だが、またしても、宗一達の協力により、
リーフ島の妖精の塔からなら、妖精郷に行くことが出来る事を知る。

 マジアンから船に乗り、リーフ島へ向かう祐介と沙織。
 HtH城で、さくらとあかねに出会い、二人を仲間に加え、妖精の塔へ。

 その最上階で、瑠璃子と出会い、
拓也に対抗するため、彼女から電波能力と『闇を貫く雷光の杖』を授かる。

「長瀬ちゃん……お兄ちゃんを助けて」

 瑠璃子の願いを胸に、祐介達は妖精郷に辿り着く。

 妖精郷にて、拓也との壮絶な闘い。
 ゼータワンドの力で、邪悪な意志を消滅させ、拓也を救う事に成功する。

 無事、事件を解決し、タイプムーンへと戻る祐介達。

 だが、そんな彼らを待っていたのは……、

 今、まさに……、
 墜落しようとしている……、

 ……傷付いた黄金の船の姿だった。





<END>

 


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