Heart to Heart 外伝
To
Heart 2 編
「エキサイトバイク2 〜頭文字T〜」
はぁ〜……、
本日も快晴なり〜……、
――って、なに老け込んでるのよ、あたし!
この間は、遅刻ギリギリだったけど、
今日は余裕だから〜、少しゆっくり……、
あっ――
そういえば……、
あのママチャリ男、どうしたんだろう……、
――と、思った、その時だった。
……ビュン!!
「――え?」
猛スピードで、あたしを抜き去ったモノ……、
そして……、
次の言葉で、あたしの記憶が蘇った。
「この間の、借りは返したぜ〜!!」
あああっ!!
あのママチャリ男!!
しかも、今回も、小も懲りなくママチャリで!!
「あったまきたぁーー!!」
あたしの闘争本能に火がついた。
「その勝負、受けてたぁぁぁーーーつ!!」
私もギアを一段上げ、臨戦態勢にはいる。
こっちは後追いだけど、所詮はママチャリ。
スピードと、コーナー直後の立ち上がりでは、MTBに勝てるわけがない!!
まず、小手調べの第1コーナー。
キイィィィイ−−−!!
ザァーー!!
両者、見事なツインドリフトでコーナーを抜ける。
むむむ……、
まだ数日だっていうのに、腕あげたわね、あの男……、
って、あれ……、
――そう。
ふと、相手の自転車を見れば、
以前のボロボロのママチャリなんぞではなく……、
まさに、新品の銀色のメッキが眩しい……、
しかも、ギアチェンジ付きの!!(3段が限界だけどね)
対私用に買ったのね……、
上等よ……、
この勝負負けるわけにはいかない
「でぇりゃあぁぁぁーー!!」
そして、5つ目のコーナー。
ここは若干下りのヘアピンになっている。
しかし、こここそが最大のポイント……、
「地元スペシャルー!!」
――そう。
このヘアピンには、ガードレールがなく、段差もあまりない。
つまり……、
一撃必殺の地元スペシャル(某アニメパクリ)が使えるのよ!!
――え?
どんな技かって?
簡単な話よ……、
まず、ヘアピンにドリフトで入る。
そして、曲がった直後に、下りのストレートに角度をできるだけ合わせて……、
一気にヘアピンの中間から、
ハンドルを真っ直ぐにして、突っ込む。(飛ぶ)
当然、並のMTBなら、これだけでオシャカよ。
段差も30cmくらいあるしね。
――でも、あたしのMTBは伊達じゃない!!
「チッ……」
抜き去った後ろのママチャリ男の舌打ちが聞こえる。
前のバトルじゃ、このコース使わなかったからねぇ。
この必殺技は、あたしだけの大技よ。
あたしを、一度、前に出せばノーチャンス!!
この勝負もらった!!(一部某キャラセリフパクリ)
そして、魔の下り坂――
――そう。
ママチャリ男が沈んだ、魔の下り坂からのカーブ。
「ここで勝負よ!!」
「望むところだ!!」
またもや、チキンレースの始まり……、
風は追い風――
グングン加速する、互いの自転車――
あとは……タイミング!!
「「――ここ(だ)っ!!」」
二人揃って……、
かつ同時に、ブレーキをかける私達!
でも……、
勝つのは私だ!!
また、ブレーキワイヤーでも切れればいいわ!!
と、思った、そんな時――
――パンッ!!!
ぽ〜〜んっ!
ガラガラガラガラ!!
ザアアァァァァーーー!!!
「えっ……きゃあぁぁぁ!!!」
ふと、体が無重力状態になった。
――なんで?
――なんで?
そして、あたしの目に飛び込んできた光景は……、
ママチャリ男が、呆然と、あたしを見ていて……、
その前に、あたしのMTBが……、
……って、タイヤ、パンクしたんじゃな〜い!!!
――そう。
あたしのMTBのタイヤが、見事にバーストしていた。
それで、バランスを崩して……、
あたしが、宙を舞った……、
地元スペシャルで、多分、ダメージきてたんだなぁ……、
「――もぶ!!」
しかし、着地地点は川ではなく……、
ゴミ捨て場だった……、
しかも、今日は生ゴミの日……最悪〜。
でも、間一髪……かな?
川に落ちなくて……、
タイヤがやられるのが早かったから……、
そして……、
あたしの目の前に、ママチャリ男が来て……、
「今日は俺の勝ちだな、じゃあな」
そう言い残して、
ママチャリ男は悠然と走り去って行った。
悔しいけど……、
今日は、あっちの勝ちね。
でも……、
「これで勝ったと思うなよぉ〜〜〜〜!!!」
……。
…………。
……………。
あっ……、
MTB、どうしよう……、
<おわり>
<あとがき>
現在、大がつくほどのスランプに陥っております、圭介です。
復帰第一作……、
「Reason」はひとまず波に乗ってからとなります。
まさに某アニメのパロが、かなーり入ってます、分かる方には分かります。
自転車でのドリフトは……、(かなり長くなるので省略)
それでは、失礼致します。
<コメント>
由真 「あ〜っ、ママチャリ男!
ここで会ったが百年目ぇぇぇ〜〜っ!」( ̄□ ̄メ
誠 「うわっ、また出やがったな、白パン女っ!?」Σ( ̄□ ̄)
由真 「さあ、勝負よ……、
って、白パン女って、どういう意味よ?」(−−メ
誠 「あっ、いや、それは……」(^_^;
由真 「…………」(−−メ
誠 「…………」(^_^;
由真 「そう……そういうことだったのね」(−−メ
誠 「ま、待て、誤解だ!
不可抗力であってだな……」(@○@;
由真 「――縦と横、どっちが良い?」(^_^メ
誠 「な、何の話だ……?」(^_^;
由真 「タイヤの跡に決まってるでしょ!
覚悟しなさいっ、このド変態ぃぃぃ〜〜〜っ!!」( ̄□ ̄メ
誠 「ぎゃぁぁぁーーーーーっ!!」(T△T)