――ピンポーン
おはようございます、誠様……、
少しの間ご無沙汰しておりました。
あ、こちらはルミラ様からのお土産で、芋羊羹だそうです。
はい、では、お邪魔させていただきます。
こちらに御伺いするのは、約2週間ぶりになりますね。
その間、ご連絡もせず、申し訳ありませんでした。
音信が途絶えてしまったことに関しましては、少々込み入った事情がありまして……、
ええ、もう大丈夫です。全て解決いたしましたから。
本日は、その件についての説明も致したく思いまして、お伺いした所存です。
少しばかり長い話になってしまいますので……、とりあえず、お茶を淹れさせて頂きますね。
Heart to Heart 外伝 ナイトライター編
デュラル家のフランソワーズ
―家族がいるから―
実は、ですね……、
簡潔に申し上げますと、CDショップでのお仕事中に、芳晴さんがお倒れになったんです。
――はい。それがとても特殊な病気で……、
その為に、ここ2週間ほど、我が家の者は、ずっと芳晴さんの治療と看病に没頭しておりまして……、
それでしばらく、こちらにお伺いできなかったのです。
――すみません、誠様は必ずそうおっしゃると思ってはいたのですが……、
ですが、先ほども申し上げましたように……、
この件に関してご連絡できなかったのには、少々込み入った事情があったんです。
芳晴さんがかかった病気は……、
いえ、人界での定義に当てはめますと、病気と呼ぶのも正確ではないかもしれません。
それは魂に直接寄生する、魔界の幻蟲が引き起こすものでした。
幻蟲とは実体を持たない、精神体のみの魔界の微生物で……、
そうですね、言うなれば魂に直接感染する、
病原菌のようなものだとお考えいただければいいと思います。
今回のものは、非常に特殊な菌だそうで、
メイフィアさんですら、実際に目にしたのは初めてだったとおっしゃられていました。
その幻蟲は魔族や普通の人間には感染しませんし、
接触したとしても何の毒性ももたらさないのです。
感染・発病するのは主に神族――
そして、極まれに、芳晴さんのようなきわめて霊力の高い人間においても、
発病するケースがあるということでした。
それは……解らないのです。
いったい、どうして芳晴さんが、そのような物に感染してしまったのか……、
なにしろ幻蟲は精神体ですので……、
人界の病気のように空気や食べ物を伝って感染する訳ではないのです。
媒介となるのは、人の感情……、
寄生している人に向けらてれる霊気や感情に反応し、
それをたどって、次の宿主の魂を見つけるのです。
霊気や感情というものに、物理的な距離は関係ありません。
ですから、誰かが芳晴さんの事を、日頃から強く心にとめていれば、
例え、地球の裏側にいようとも、感染してしまう危険があるのです。
今日まで事実を控えさせて頂いた理由……お察しいただけたようですね。
そう……エリア様です。
ルミラ様は、今回の件が誠様達のお耳に入る事で、
強い霊力を持ったエリアさんに感染が及ぶことを恐れられたのです。
心やさしいエリア様の事ですから、話をお聞きになれば無意識のうちにも、
芳晴さんのことを心配してしまうでしょう。
しかしそれは、芳晴さんからエリア様に、
感染が拡大してしまう危険性ををはらんでいるのです。
誠様たちがエリア様にだけ事を伏せようとなさったとしても……、
家族というのは、すぐに察してしまうものですから。
ですから、ルミラ様は感染の拡大を防ぐために、
芳晴さんのご実家にも、コリンさんにも、誠様達にもご連絡なさらなかったのです。
そして一切を伏せ、芳晴さんの魂をお救いするために、
一昨日まで、それはもう本当に、不眠不休で奔走なさっておられました。
ルミラ様だけでなく、メイフィアさんも、エビルさんも、イビルさんも、たまさんも、アレイさんも……、
我が家のものは全員、芳晴さんには千食万飯の恩義がございますし……、
なにより、みなそれぞれに、芳晴さんの事が好きですから。むろん、ワタシも。
――ええ、ご安心ください。
ルミラ様たちと、芳晴さんご自身の頑張りもあって……、
昨日には、芳晴さんはすっかり回復なされました。
ワタシは、大したお役には、立てなかったのですが……、
でも、ここ数日間の皆さんの頑張りは、本当に凄いものだったのですよ?
メイフィアさんは、特効薬の開発の為……、
――何しろ、稀少な上に魔族に毒性がないということで、既製の薬が存在しないのです――
霊気が安定している魔界でテントを張り、ずっとそこにこもっておられました。
イビルさんとたまさんは持ち前の行動力と人脈で、魔界での薬の材料集めに奔走してくださいました。
アレイさんも、材料集めや芳晴さんの看病に、薬品の調合にと尽力してくださいました。
ルミラ様は最も重要な精神薬の精製のため……、
魔界最高の魔力と霊力を、最大限に発揮してくださいました。
普段のお仕事を休まずにこなした後、帰って来ると、
お食事もそこそこに精製に取り掛かられていたルミラ様のお姿を、
ワタシは生涯忘れることはないと思います。
そして、エビルさんも……、
看病も含めてあらゆる作業を手伝い、また、芳晴さんの抜けた穴を埋めるべく、
バイトでも心配になるほどの働き振りをなさっておられました。
本当は片時もはなれずに、芳晴さんのそばについていたかっただろうと思うのですが……、
エビルさんはいつも以上に表情を殺して、淡々とお仕事をこなしておられました。
とても強い方だと……改めて思いました。
そして……、
一昨日、完成した精神薬をルミラ様とメイフィアさんが持ち帰られて……、
デュラル家で唯一、直接人の魂に触れる事ができるエビルさんがそれを受け取り、
芳晴さんの魂に静かに処方なさって……、
そして、芳晴さんが静かに目覚められて……、
まだ弱々しくはありましたが、とてもやさしい笑みを浮かべてくださって……、
本当に……よかったです。
エビルさんが涙を流されるのは、随分久しぶりに見ました。
それに……ですね。
絶対に、誰にも言うなと言われてしまったのですけど……、
ルミラ様も安堵して笑いながら……、
ちょっと、泣いていらっしゃったようでしたよ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
――お茶がすっかり冷めてしまいましたね。
ここしばらくご連絡できなかったのは、そんなことがあったからなんです。
お伝えしないことに対しては、こちらとしても心苦しかったのですが、
なにしろ事情が事情ですので……、
でも、もうご心配には及びません。
芳晴さんもすっかり元気になられて、
今日はもう元気に働いていらっしゃいますし、我が家の方々も皆元気ですし。
――はい、本当によかったです。
ルミラ様達がいなければどうなったことか……、
考えると、ぞっとしてしまいます。
ワタシは、デュラル家に御仕えできていることを、改めて誇りに思っています。
それに……ですね。
今回の事で……ひとつ、とても嬉しいこともあったんですよ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「……まだ、起きていたのか」
エビルさんが自室に戻っていらした時……ワタシはぼんやりと、窓から月を眺めていました。
なんとなく……寝付けなかったものですから。
同じ部屋で、くーくーと静かに寝息をたてて眠っている、
イビルさんの掛け布団をそっと直してから、エビルさんはワタシのそばに腰掛けました。
「エビルさんこそ……てっきりあちらの御部屋でお休みになられるものと思っておりましたが」
ルミラ様の御部屋(正確には、ルミラ様とメイフィアさんとアレイさんの共同の御部屋ですが)を、
芳晴さんの病室としたため、ルミラ様とメイフィアさんとアレイさんは、たまさんと一緒に居間に、
御布団をひいて休まれています。
ほっとした事で、ここ数日の疲れが一気に出てしまわれたのでしょう。
皆さん倒れるように……、
――アレイさんに至っては本当に倒れてしまっていました――
ぐっすりと、お休みになられているようです。
エビルさんだけは、 峠は越えたものの、
まだ少し憔悴なさっている芳晴さんが再び寝付くまで、隣の御部屋で看病をなさっていました。
それで、てっきりそのまま、芳晴さんと一緒の部屋でお休みになられるのかと思っていたのですが……、
「もう、心配は要らない。それに、万が一何かあっても芳晴の事ならどこにいてもすぐにわかる」
「……そうですか」
ワタシの疑問とはわずかにニュアンスの異なる返答をしてから、
エビルさんはそっと、自然な動作で、ワタシの髪を解き、ゆっくりと櫛で梳り始めました。
「フランソワーズも疲れただろう。少し、髪が傷んでいる気がする」
「――いえ、ワタシはオートマータですから……」
ご自身が一番御疲れでしょうに、そう言って労わって下さるエビルさんに対して、
ワタシは胸がいっぱいになってしまって……、
……そんな応えを返す事しかできませんでした。
口癖、ですか?
……そうかもしれませんね。
エビルさんは何も言わず、しばらくゆっくりとワタシの髪を梳き続けられました。
しばらく……、
無言の時間が過ぎていきました。
「今夜、ゆっくり休んだら……明日は、買い物に付き合って欲しい」
「はい? 買い物、ですか?」
何の脈絡もなく、唐突にエビルさんがそんな事をおっしゃったので、
ワタシはびっくりして聞き返してしまいました。
エビルさんは表情を変えず、淡々と私の髪を梳きながら、更に言葉を続けられます。
「誠のところに行きたいだろうと思うが……明日は是非、祝いの席を設けたい」
「ああ、なるほど……」
もちろん、ワタシに異論があろうはずもありません。
恐らくルミラ様もそのように考えていらっしゃると思いましたし、
芳晴さんはここしばらく満足に食事もとられていなかった訳ですから、
たっぷりと栄養をつけていただく必要もあるのです。
「解りました、お任せください。不肖ながら、最大限のご協力をさせていただきます」
「ありがとう」
すっと静かに微笑んでから、エビルさんは立ち上がって、部屋の隅にある古くて小さな机に向かいました。
そして、引出しの奥から茶封筒を取り出すと、
そこから何か抜き取って、そっとワタシに差し出したのです。
「……!? に、二万円!! エ、エビルさん、どうなさったのですか、これは!」
「……その……いわゆる、へそくりというやつだ。ルミラ様には、伏せておいて欲しい」
後ろめたそうな苦笑を浮かべて、エビルさんはそのまま3枚のお札を私の手に握らせました。
「快気祝いといっても、うちの家計は火の車だからな……、
明日はこれをつかって、皆の好物をたくさん作って欲しい」
「そ、そんな、いけません! いえ、快気祝いに関しては異論はございませんが、
だからといって、エビルさんにお金を出していただくわけには……、
お金の方は、ワタシが何とかいたしますから……」
「……なんとかなるのか?」
「…………」
誠様……、
ワタシは、この時ほど、貧乏を憎いと思った事はありませんでしたよ。(泣)
「心配する事はない。それは私がバイトで貯めた、至ってクリーンな金だ。
つまり、家族みんなのものだ。何も、遠慮する事はない」
冗談めかしてそんな発言をなさるエビルさんの表情を見ると、ワタシは何も言えなくなってしまいました。
そして同時に、なんだか悲しくなってきてしまったんです。
自分の、無力さ加減に……、
だ、だって、そうじゃないですか。
ルミラ様もエビルさんも、今回芳晴さんのために凄まじい尽力をなさって……、
そして見事に、芳晴さんを御救いになって……、
更に、その間中、仕事は決して休まずに、我が家の家計を支えてくれているんです。
その上、こんな時の準備までなさっているのに……、
一方で、ワタシがこの数日間でできた事といえば……、
皆さんの食事を作り、御掃除をして、時間が来たら芳晴さんに痛み止めを処方し、
汗を拭いたりお粥を差し上げりした程度です。
いつもやっている事と、大して変わらないのです。
それこそ、誰にでもできる事で……、
そんな事を考えて、俯いてしまっていたワタシの頬が、不意に、はぺっ、と挟まれました。
「――? へ、へビルひゃん?」
そのままウニウニと頬を弄ばれてしまい、ワタシは困惑してエビルさんを眺めるばかりでした。
エビルさんは、しばらくそうして楽しそうにワタシの頬をこねくり回した後、
ぱちっと指を鳴らしてワタシを人形サイズに戻します。
そして、ワタシを胸に抱きしめて、そのまま布団に横になられました。
窓から見える十六夜の月が……とても大きく感じられました。
「……フランソワーズは、案外、観察眼が足りないのだな」
「――はい?」
そういったエビルさんは、一見いつもどおりの無表情でしたが……、
ひどく機嫌が良い時の表情をなさっている事が、私には容易に解りました。
「イビルやたまやメイフィアを見て、フランソワーズと同じことができると本当に思っているのか?」
「…………」
「それに、要点は、実はそこではない」
「……?」
「重要なのは、フランソワーズが家にいる、と、その点なのだ」
「よく、解らないのですが……」
戸惑う私の頭に手を置いて、ポンポンと軽く叩きながら、エビルさんは目を瞑られました。
そして、目を瞑ったまま、ゆっくりと語ってくださいました。
「ルミラ様は家族に対して……労役のみを求めている方ではない。それは、私も同じだ」
「それは……解りますが」
「有事であろうと、平時であろうと……我々家族は共にいる。
これまでずっとそうだったし、これからもそうだ……少し、形が変わったとしても」
「……そう、ですね」
「みんな、フランソワーズがいるから……頑張れるんだ」
「…………」
「他の誰かでは、ダメなのだ。フランソワーズは家族なのだから」
「…………」
「ルミラ様も、イビルも、メイフィアも、たまも、アレイも、フランソワーズも……私の家族だ。
いてくれなくては困る……いてくれないと、私はダメなのだ」
「…………エビルさん……」
そこまで言って一度目を開けると、エビルさんは真顔でこうおっしゃいました。
「もったいない、とか言ったら、もう一度ぐりぐりする」
「……はい」
エビルさんは芳晴さんとの御付き合いで、いくつか冗談というものを覚えたようです。
それは、以前のエビルさんを知っているものとしては意外なのですが……、
でも、凄く嬉しく、ありがたい事だと思います。
「それに……労役面で言っても、フランソワーズほど貢献している者は我が家にはいない」
「そんなことは……ワタシがするような事など、皆様その気になればいくらでも……」
「メイフィアもたまも、その気になったりしない」
「そんなにはっきりおっしゃられると、逆に同意しかねるのですが」
「――事実だ」
ふっと笑ってから、エビルさんはまた、目を瞑られました。
「イビルやたまに芳晴の介護をさせたりしたら……心配で、仕事が手につかない」
「……そうですね」
「ルミラ様やメイフィアは、魅力的に過ぎる。芳晴が心奪われるのは、家族であっても面白くない」
「……ワタシは、安全牌なのですか?」
「芳晴は、こと女性の心情に関しては『彼の男』の3倍は鈍感だ。フランソワーズの落とせる果実ではない」
ささやかな反撃のつもりだったのですが、あっさり切り返されてしまいまいした。
いつのまに、こんなに話術が巧みになられたのでしょう?
……はい?
だ、誰でもいいじゃないですか。『彼の男』ったら『彼の男』ですよ、もう……、
――は、話を戻しますよ。
「フランソワーズがいないと、みんな困るのだ……フランソワーズが、困るように」
「そう、ですね……」
「だから、そんな顔で悩んだりするな……」
「……そうですね……ありがとうございます……」
「フランソワーズ……」
「はい、なんでしょう、エビルさん?」
「明日も、頼む……頼りに……している……」
「はい、フランソワーズにおまかせください」
「…………」
「……エビルさん?」
「すぅ〜〜〜〜っ、すう〜〜〜〜っ……」
「おやすみなさい、エビルさん……」
そっとエビルさんに掛け布団をかけて、
そのままその枕もとにもぐりこんで眠ろうと思った時……、
枕もとに、先ほどエビルさんが机の引出しから取り出した茶封筒が落ちているのを見つけました。
何気なく、それを手にとって見て……、
封筒の隅に記された文字に、私はハッと息を呑みました。
ジャケット代
芳晴22歳の誕生日に
閉じたワタシのまぶたの裏に――
仲良く一生懸命働いているエビルさんと芳晴さんの姿が……、
着古してヨレヨレになり、とても名門城戸家の次男坊の物とは思えないと、
イビルさんにからかわれていた芳晴さんのジャケットが……、
商店街で、男性用のジャケット売り場を遠めに眺めながら、溜息をついていたエビルさんの姿が……、
――浮かんでは、消えました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
次の日は……
日本的な表現を用いますと、それこそお盆と御正月が一緒に来たような、
デュラル家なりに豪華なパーティーになりました。
ルミラ様も久しぶりに自ら台所に御立ちになり、腕を振るってくださいましたし、
エビルさんも何品か、苦労しつつも芳晴さんの好物を作っていらっしゃいましたよ。
――あ、御召し上がりになりたかったですか?
ふふっ、残念ですけど、昨日の御料理に限っては、
芳晴さんに独り占めしていただきたかったものですから。
また次の機会に、誠さん達も必ずご招待いたしますね。
でも……ですね。
昨日、どんな御料理よりも嬉しかったのは……、
芳晴さんが何気なくおっしゃってくれた、一言だったですね……、
「なんか、良いですよね、こういう食事。家族がいるって感じがして……」
誠様は……よく御解りになりますよね、芳晴さんのお気持ち。
そして、ルミラ様が、エビルさんが、ワタシが、それを聞いて……、
どんなに、嬉しく思ったかも……、
<おわり>
ところで、ですね……誠様。
あ、これから話す事は、どうか他言無用に願いますね?
実はまだ、ルミラ様とメイフィア様にしかお知らせしていないんですけど……、
エビルさんがワタシに渡して下さった二万円……、
お察しのとおり、使ってないんですよ。
実は御買い物の直前に、ルミラ様とメイフィア様からも、お金を頂いたんです。
それで、その時、お二人と相談致しまして……、
返すと言っても、エビルさんはきっと受け取られないでしょうから……、
昨日、余ったお金も合わせまして、せっかくだからペアのジャケットを、
お二人にプレゼントしてしまおうと、そういう運びになったんです。
それで、誠様にもひとつ、ご協力願いたいのですが……、
今度、芳晴さんの誕生日と服のサイズ……、
それとなく、聞き出していただけませんか?
(あとがき)
学園の図書室100万Hit、おめでとうございます。m(_
_)mペコリ
自分はSSの構想から執筆までに随分な時間を要してしまう人間でして、
特に、いろいろな構想を頭の中でこねくり回している時間がやたらと長いんですね。
こねくり回しているうちにまとまらなくなって、そのまま眠ってしまうネタなんかも結構ありまして、
思いついてすぐその勢いで書いて出来上がるってパターンはあまりないんです。
そっちの方が書き手の意図がストレートに出て面白くなる、とは聞いているんですけど。
それで今回は、「100万Hitにあわせて投稿させていただく」という明確な「締め切り」を設けることで、
早い執筆が可能になるのではと思い、あえて100万Hit一日前に構想を練り始めて一気に書いてみました。
遅筆の解消に繋がるヒントも得られないかと思って。
――そう。
「あえて」、そうしたんです。ここがポイント。
決して、前日まで構想が浮かんでこなくて、慌てて書いたんじゃないんです。
ほんとです。
いやホントですよ?(←誰に言い訳してるのやら)
しかしこれは言い訳になってしまうのですが、何しろ勢い任せの構想でしたから、
なんだか無理のある展開が目立ってしまいました。
メインはエビルさんとフランソワーズさんの会話だけなのに、そのためだけに、
変な病気にさせられてしまった芳晴君に、深くお詫び申し上げます。
この辺は誰もが突っ込みたくなる個所だろうと、書いてる本人も思いました。
書きたい事は書いたのですが、そのための材料や伏線に配慮がないというか。
欠点に気付いているのに修正せずに投稿するのは如何なものかと言われると、
返す言葉がないんですけどね。
やっぱり構想をしっかり練ってから書かないとダメみたいです、結局。(;^_^A
<コメント>
ルミラ 「あの子はね……我が家の『お母さん』なのよ」(^〜^)
誠 「お母さん、ですか? まあ、なんとなく分かりますよ。
いつもフランが家にいてくれるから、先生達は、安心して働けるんですよね」(^_^)
ルミラ 「それもあるけど……文字通り、って意味もあるのよ」(^_^;
誠 「――と、言うと?」(・_・?
ルミラ 「だって、あの子が私の乳母だったんだもの。
まあ、厳密に言うと、私の教育係ってところかしら?」(^〜^)
誠 「――ええっ!?」\(@○@)/
ルミラ 「だから、場合によっては、我が家で一番立場強かったりするのよ。
あの子を怒らせたら、さすがの私も逆らえないわ」(^_^;
誠 「そ、そうだったのか……」(−−;
ルミラ 「どう? ビックリした?」(^○^)
誠 「ってゆーか、フランが教育したのに、どうしてこんな性格に……」( ̄▽ ̄)
ルミラ 「――ヲイ」(−−メ